JP2010043361A - 圧粉磁心用の軟磁性金属粉末および圧粉磁心 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面の全面または一部に鉄酸化物を備える純鉄粉の該表面に、酸化物、炭酸塩および硫酸塩のうちから選んだ少なくとも一種の絶縁層を被覆し、さらにその上にシリコーン樹脂層を被覆し、さらに上記純鉄粉の表面と上記絶縁層とを結合強化処理により固着する。
【選択図】図1
Description
また、同様にCO2排出量の相当割合を占めている自動車についても、ハイブリッド化などを通じた化石燃料の削減技術の開発が進められている。
従って、電力変換効率を改善することは、新技術でのエネルギー効率の改善に極めて重要な意味をもっている。
開発内容を具体的に記述すると、巻き線数の削減や鉄心の小型化が可能になる透磁率や磁束密度の向上、効率改善に直結する鉄損低減が挙げられる。これらは磁気素子中でも鉄心に強く依存する性質である。そのため、鉄心素材の改良は磁気素子の特性改善のためには避けては通れない非常に重要な課題である。特に電力変換回路では、一旦電流を周波数1kHz〜50kHz 程度の交流に変換し、さらにそれを目的とする出力に変換することが多いため、かような周波数域における特性改善が極めて重要である。
しかしながら、積層鋼板は、使用する周波数域が高くなるに伴って渦電流損失が大きくなるため、実用的でないという問題があった。また、ソフトフェライトは、透磁率は優れるものの、飽和磁束密度が低いため、動作時の磁気飽和を考慮する必要があり、例えば動作中の磁気飽和を防止するため回路設計が制限されたり、部品形状の大型化が不可避であるなどの問題があった。
すなわち、一つは、粉末を原料とし、さらに樹脂など絶縁性の優れる材料をバインダーとして使用するため、渦電流の発生を抑制することができ、その結果積層鉄心に比べて鉄損を低減することが可能であるということである。さらにもう一つは、原料に軟磁性金属を利用するので、ソフトフェライトに比べて飽和磁束密度が高く、磁気飽和を起こし難い鉄心が得られるということである。
しかしながら、変換回路で用いられる周波数域では圧粉磁心の鉄損は依然として大きく、また透磁率や磁束密度も十分ではないという問題がある。圧粉磁心を電磁鋼板やソフトフェライトに変わる新たな鉄心材料とするためには、圧粉磁心の磁束密度の向上および鉄損の低減が不可欠である。
例えば、圧粉磁心の磁束密度は、成形体密度の上昇に伴い向上することが広く知られているが、この知見に基づき圧粉磁心の成形体密度を向上するための技術開発が広く行われている。
例えば、軟磁性金属粉末の粒径を制御方法(例えば特許文献1)や、軟磁性金属粉末と樹脂などの絶縁性物質を混合する方法(例えば特許文献2)などが挙げられる。
一方、ヒステリシス損失の低減を図るためにも種々の検討が行なわれている。そもそも圧粉磁心においてヒステリシス損失が顕著となるのは、軟磁性金属粉末を加圧成形して圧粉磁心とする際、軟磁性金属粉末に巨大な加工歪みが加えられることに起因する。従って、ヒステリシス損失の低減には、加圧成形後、成形体を焼鈍することにより、軟磁性金属粉末中に加えられた歪みを解放することが有効であると指摘されている(例えば非特許文献1)。特に、600℃以上での焼鈍が有効であるといわれている。しかしながら、渦電流損失の低減を図るために使用される樹脂は一般に耐熱性に劣るため、ヒステリシス損失を低減するための焼鈍を行うと、絶縁物質が分解してしまい、絶縁性が著しく劣化してしまう。その結果、渦電流損失の低減とヒステリシス損失の低減を両立させることは非常に困難であるという問題があった。
例えば、特許文献3,4には、シリコンを予合金として加えた軟磁性金属粉末に用いる技術が提案されている。これは、シリコンが金属表面に濃化し易いという特徴を利用した技術である。すなわち、アトマイズ処理およびその後の熱処理においてシリコンを表面に濃化させ、さらに酸化させることにより、軟磁性金属粉末表面に耐熱性に優れた絶縁被膜を形成し、さらにその上にシリコーン樹脂などによる絶縁被覆処理を行うことにより、耐熱性に優れた絶縁被覆を持つ軟磁性金属粉末を得ようとするものである。
金属粉末表面に濃化したシリコンは酸化物として存在すると推定され、このシリコン酸化物が下地として存在することにより、絶縁被覆処理後の絶縁性が向上していることが、これらの公報に指摘されている。
しかしながら、発明者らが試験したところ、単に混合したり被覆しただけでは、酸化物の付着力が弱すぎるために均一な絶縁被覆が形成されず、加圧成形時に被覆が剥がれてしまうために、所望の絶縁性を得ることはできなかった。
しかしながら、この粉末から作製した成形体を熱処理したところ、十分な絶縁性が得られないことが判明した。
そこで、得られた粉末の内部を観察した結果、一部の粒子間では焼結が進んでいることが判明した。
しかしながら、せん断力を用いた加工では、被覆層の内部に金属相が混入することを防止することは、工法上極めて難しい。
しかしながら、この技術は、リン酸系化成膜が高温で変質してしまうため600℃以上の温度では熱処理できないという問題があった。
また,発明者らが試験したところ、400℃以上で焼鈍すると比抵抗が大幅に 低下してしまい所期の狙いを実現することは困難であることが判明した。
また、本発明は、上記の軟磁性金属粉末を素材として製造した磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を提供することを第2の目的とする。
また、結合強化処理方法について鋭意検討した結果、熱処理条件を適正に制御して、鉄粉表面上の酸化物とその上に存在する絶縁物質間の拡散結合を行った場合に、被覆層内部への金属相分散が防止されて、絶縁性が飛躍的に向上することが確認された。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
(1)表面の全面又は一部に鉄酸化物を備える純鉄粉の該表面に、酸化物、炭酸塩及び硫酸塩のうちから選んだ少なくとも一種の絶縁層を被覆し、さらにその上にシリコーン樹脂層を被覆した構造になる純鉄粉であって、上記純鉄粉の表面と上記絶縁層とを熱処理による結合強化処理により固着したことを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
従って、上記の軟磁性金属粉末を素材とすることにより、磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を得ることができる。
図1に、本発明に従う軟磁性金属粉末の代表的な被覆構造を示す。なお、この図では、分かり易いように、粉末形状が球形の場合について示している。
図中番号1は素材である純鉄粉であり、かかる純鉄粉の製造法としてはアトマイズ法がとりわけ有利に適合する。番号2はその表面に形成させた鉄酸化物であり、かかる鉄酸化物は、アトマイズ法で作製する時の製造条件により、図1(a)に示したように、純鉄粉1の表面全面に形成される場合もあれば、同図(b)に示したように、純鉄粉1の表面の一部に島状に形成される場合もある。なお、この鉄酸化物の組成は、通常FeO−Fe2O3で示されるが、FeO−Fe2O3−Fe3O4の場合もある。また、アモルファスの鉄酸化物として存在する場合もある。番号3は、上記したように表面の全面または一部に鉄酸化物2をそなえる純鉄粉1の表面に形成された絶縁層、そして4がその上にさらに被覆されたシリコーン樹脂層である。
これに対し、本発明の軟磁性金属粉末では、純鉄粉の表面が酸化して形成された鉄酸化物2に絶縁層3が結合強化処理により強く固着されている。鉄酸化物2は、素材である純鉄粉の表面が酸化されて形成されたものであり、純鉄粉1と鉄酸化物2の界面は連続的となるため、鉄酸化物2と純鉄粉1の結合力は極めて高い。さらに、この鉄酸化物2と絶縁層3とは、接合強化処理を経て結合されているので、最終的に絶縁層3は鉄酸化物2を介して純鉄粉1と強く結合する。
断面積をS、粒子周囲の長さをLとし、このSとLを用いて、パラメータxを
x=L/{2(πS)1/2}
と定義したとき、本発明では、xが大きい、すなわち形状の凹凸が大きい粉末を利用することがより好適である。このように凹凸が大きい粉末を用いれば、圧縮成形した時の粉末同士の接触面積が、凹凸の小さい粉末を用いた場合に比べて小さくなる。これが、上述の絶縁被膜と複合することによって、極めて高い絶縁性が確保されるのである。
(純鉄粉)
本発明で用いる原料粉末は、強磁性で、圧縮性に優れる純鉄粉である。好適には、アトマイズ法により製造した純鉄粉が挙げられる。
本発明において、素材として純鉄粉を用いることにした理由は、純鉄粉は合金粉末に比べて、軟質なだけでなく、磁束密度が高いので、圧粉磁心として場合に、合金粉末を用いた場合に比べて、より高い磁気特性が得られるからである。
また、純鉄粉の粒度については特に制限はなく、圧粉磁心の用途や要求特性に応じて、適宜決定すればよい。
本発明では、純鉄粉の形状については特に限定することはないが、表面凹凸が多い方が圧粉体強度および絶縁性の面で有利である。
すなわち、図2(a)に示すように、純鉄粉の断面を光学顕微鏡により観察し、その断面積をS(図2(b)参照)、粒子周囲の長さをL(図2(c)参照)とし、このSとLを用いて、パラメータxを
x=L/{2(πS)1/2}
と定義したとき、本発明では、xが大きい純鉄粉を用いることが好ましい。
好適には、x:1.1 以上であり、より好ましくはx:1.2 以上である。なお、xの上限は特に定義されないが、xが4以上の粉末を工業的に生産することは困難である。
この鉄酸化物は、素材である純鉄粉を、好適にはアトマイズ法で製造する過程で積極的に形成させる。従来、アトマイズ粉の製造に際しては、かような酸化物の形成は極力回避するのが常であったが、本発明ではこれとは逆に積極的に表面を酸化させて、純鉄粉の表面全面または一部に鉄酸化物を形成するのである。
形成される鉄酸化物の組成は、通常FeO−Fe2O3であるが、FeO−Fe2O3−Fe3O4の場合またはアモルファスとなっている場合もある。本発明の鉄酸化物としては、これらのいずれでも構わない。
また、かかる鉄酸化物の量は、アトマイズ法における製造条件(例えばアトマイズ時粉末化に用いられる媒質[例えば水を用いる方法など]、アトマイズを行う雰囲気中の酸素濃度の調整、アトマイズ後の加熱あるいは媒質の乾燥条件[温度、時間、雰囲気]等)を制御することによって、適宜調整することができる。
ここに、鉄酸化物の好適量は、例えば鉄粉の全面を酸化膜で覆う場合には、膜厚で概ね0.5〜1000nm程度が好適である。
本発明において、絶縁層の材質は、好ましくは上記した鉄酸化物よりも絶縁性が高く、かつ鉄酸化物との間で結合強化処理が可能であるならば、どのようなものでも構わない。その中でも、絶縁性に優れ、なおかつ耐熱性に優れた材質は、本発明の重要な目的である耐熱性に優れた絶縁被膜を形成するという目的を達成するためにとりわけ好適である。
また、これらの材料の原料や前駆体となるものを用いても構わない。このようなものとしては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾルのように酸化物を水和した溶液、あるいは上記した金属の錯体溶液やアルコキシド溶液などの前駆体を分散・溶解した溶液などが挙げられる。また、溶液に粉末を分散した形態のものなど、複数の形態が混在した状態のものを用いても構わない。勿論、ここに挙げたもの以外の形態であっても、最終的に絶縁層が形成されるのであれば、それを用いても構わない。
かような混合手段としては、アトライター、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどの混合装置を用いた混合処理が挙げられる。
さて、本発明においては、上記した鉄酸化物と絶縁層の密着性を向上させるために、結合強化処理を施す。この処理を施すことにより、耐熱性に優れた鉄酸化物と絶縁層を強固に固着させると同時に、最終的に得られる軟磁性金属粉末において3つの部分で構成される絶縁被覆が確実に得られるようになる。従って、本発明においては、この処理は極めて重要である。
なお、この処理に、熱処理を用いる方法は、既知の知見を利用することによる柔軟な物質設計が可能であることに加え、機械的手法や化学反応を利用する方法に比べて局所的な反応が起き難いため、処理粉末全体で均一な状態を得ることが容易であり、工業的な生産も容易であり、さらには装置全体が簡便であるという特徴をもち、本発明の軟磁性金属粉末を作製するための結合強化処理方法として、極めて有効である。
また、時間についても、用途に応じて適宜決定すればよい。好適には20〜240分である。
その中でも重量減少率Δmは、簡便に測定できる上、圧粉磁心に成形し、焼鈍した後の絶縁性を評価した場合との対応がよく取れるので、特に酸化物と絶縁層の耐熱性を評価する指標として好適である。
単体で取り出す場合は、軟磁性金属粉末の金属部分を酸、アルカリあるいはその他の溶解性物質で溶解させ、その残渣を取り出す方法、軟磁性金属粉末に機械的エネルギーを与えた濃化部分だけを分離する方法、濃化部分の破壊が起きない程度の低圧力で加圧成形したものを電極として、電気的に金属部分だけを溶解する方法などが挙げられる。
重量減少率Δmは、加熱前質量をMb、不活性ガス雰囲気中で加熱したときの質量をMaとするとき、Δm=Ma/Mbなる関係から算出される。
本発明においては、N2ガス中で800℃まで加熱した後の重量をMa、加熱前の重量をMbとしたとき、好ましいΔmは0.3以上、1.0以下である。特に好ましくは0.5以上、1.0以下であり、さらに好ましくは0.7以上、1.0以下である。
CsおよびCbの測定は、オージェ電子分光法を用いた表面分析装置(AES)によって行えばよい。測定対象部分の面積は、使用する原料粉末の粒径により適宜決定すればよいが、例えば粒径が30〜100μm 程度の粉末を対象とする場合は、一辺が5μmから30μm 程度の正方形の部分で評価すればよい。また測定値の精度を向上させるために、Cs/Cbは複数の粒子について測定することが好ましい。好ましい測定数は、5以上、15以下である。
かような鉄酸化物と絶縁層は、AESにて絶縁被膜成分をマッピングしたとき、総測定面積をSa、絶縁被膜成分の元素が存在する面積をStとした場合、St/Sa が 0.1以上、1.0以下とすることが好ましい。この値が 0.1を下回る場合、絶縁被膜が存在する部分が少なすぎて、本発明である軟磁性金属粉末から作製される圧粉磁心は十分な絶縁性が得られない。好適なSt/Saの範囲は0.3以上、1.0以下であり、さらに好ましくは0.5以上、1.0以下である。
測定対象部分の面積は、使用する原料粉末の粒径により適宜決定すればよいが、例えば粒径が30〜100μm程度の純鉄粉を対象とする場合には、一辺が5μmから30μm程度の正方形の部分で評価すればよい。なお、本測定値も精度向上のため、St/Saは複数の粒子について測定されることが好ましい。好ましい測定数は、Cs/Cbの場合と同様、5以上、15以下である。St/Saについては、Csを評価する際に、併せて評価すると効率的な評価ができるので好ましい。
このようにして得た軟磁性金属粉末に、さらに耐熱性に優れたシリコーン樹脂を被覆して最外層を形成する。これにより、圧粉磁心の絶縁性がさらに向上し、その上成形体強度まで向上する。このシリコーン樹脂は、他の被覆可能な樹脂と比べて密着性に優れ、その上耐熱性、絶縁性にも優れている。
成形圧は、用途に応じて適宜決定すれば良いが490〜1960MPa程度とするのが好ましい。成形圧が490MPaを下回ると、成形体密度が低くなるため磁束密度が低くなるという問題が生じ、一方1960MPaを超えると成形時の金型磨耗が顕著となり実用的でない。
原料粉末としては、アトマイズ法により製造した表1に示す成分の純鉄粉を用いた。各鉄粉の成分、粒度分布および粉体特性(見かけ密度)を表1に示す。
また、これらの粉末を樹脂に埋め込み研磨して作製した試料を用いて、粉末断面を光学顕微鏡により倍率400倍で観察した。そして、5mm×5mmの領域に存在する全ての粒子に対して、面積Sと周囲の長さLを計測し、粉末の凹凸の指標であるx(=L/{2(πS)1/2})を算出した。測定個数とxの平均値も表1に併せて示す。
さらに、表2に併せて示した熱処理による結合強化処理を行った。結合強化処理後、目開き180μmのふるいで分級して本発明の軟磁性金属粉末を得た。ただし、粉末3は16メッシュふるい(めびらき1mm)で分級したものを用いた。これらの粉末を別途熱天秤にて不活性雰囲気中での重量変化を調査し、その結果からΔmを算出した。
その結果も表2に併記する。
表3に、成形時における成形圧および成形体試料の焼鈍温度を示す。
原料粉末に、このメカノフュージョン処理を行った粉末、シリコーン樹脂を被覆する前の発明例1の粉末について、X線電子分光法を用いて鉄の電子軌道2p近傍のピークを調べてみた。その結果、原料粉末でのFeの2p軌道のピーク強度を100とすると、発明例1の粉末では5となった。一方、メカノフュージョン処理した比較例3の粉末では76となった。これにより、比較例であるメカノフュージョン処理した粉末は表面に金属Feが分散しているのに対して、発明例で得られた粉末は金属Feが表面に現れない状態になっていることが分かる。
次に、比較例3についても、他の発明例と同様にシリコーン樹脂からなる最外層の形成および成形体試料の作製と熱処理を行い、その特性を評価した。
メカノフュージョン処理時、鉄粉に加えられた加工歪みのため、圧縮性が低下した。その結果、同様の組成で熱処理による結合強化処理を施した発明例1に比べると、圧粉体密度や磁束密度が低下した。さらに、比抵抗が大幅に低下して、鉄損が大幅に上昇してしまった。これより、熱処理による結合強化処理が有効なことが分かる。
2 鉄酸化物
3 絶縁層
4 シリコーン樹脂層
Claims (5)
- 表面の全面又は一部に鉄酸化物を備える純鉄粉の該表面に、酸化物、炭酸塩及び硫酸塩のうちから選んだ少なくとも一種の絶縁層を被覆し、さらにその上にシリコーン樹脂層を被覆した構造になる純鉄粉であって、上記純鉄粉の表面と上記絶縁層とを結合強化処理により固着したことを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
- 請求項1において、結合強化処理が、非酸化性雰囲気中、500〜1200℃、20〜240分の加熱処理であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
- 請求項1または2において、絶縁層が、Mg, Ca, Sr, Ba, Ti, Zr, Co, Ni, Al, Siの金属元素の酸化物、炭酸塩および硫酸塩のうちから選んだ一種または二種以上であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性金属粉末を、金型に充填し、加圧成形後、焼鈍処理を施して得たことを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
- 請求項4において、焼鈍処理が、非酸化性雰囲気中、600℃以上、30分以上の処理であることを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
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JP5206648B2 (ja) | 2013-06-12 |
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