JP2010043361A - 圧粉磁心用の軟磁性金属粉末および圧粉磁心 - Google Patents

圧粉磁心用の軟磁性金属粉末および圧粉磁心 Download PDF

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Abstract

【課題】磁束密度、圧縮性に優れ、かつ高い絶縁性を有する軟磁性金属粉末を提供する。
【解決手段】表面の全面または一部に鉄酸化物を備える純鉄粉の該表面に、酸化物、炭酸塩および硫酸塩のうちから選んだ少なくとも一種の絶縁層を被覆し、さらにその上にシリコーン樹脂層を被覆し、さらに上記純鉄粉の表面と上記絶縁層とを結合強化処理により固着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉磁心用の軟磁性金属粉末およびこの軟磁性金属粉末を用いて作製した磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心に関するものである。
1997年の京都会議におけるCO2排出量削減の目標設定を受けて、近年、そのための化石燃料消費量抑制のための技術開発やそれを受けた商品開発が広く行われている。例えば、日本国内ではCO2排出量の相当割合を発電による化石燃料消費が占めているため、これを削減すべく、太陽電池や燃料電池などの分散型電力源の開発が、ベースロードの原子力発電化推進と並行して精力的に進められている。
また、同様にCO2排出量の相当割合を占めている自動車についても、ハイブリッド化などを通じた化石燃料の削減技術の開発が進められている。
ところで、これらの技術においては、動力や太陽光によって得られたエネルギーを一旦電力に変換し、再度目的の形態のエネルギーに変換するという手法が広く採用されている。この理由は、電力が比較的制御し易いエネルギーというだけでなく、別形態のエネルギーへの変換が容易なためである。
従って、電力変換効率を改善することは、新技術でのエネルギー効率の改善に極めて重要な意味をもっている。
電力変換回路には種々の素子があり、それぞれの特性および制御方法が効率に強く影響する。その中でも取り分け効率に強く影響するものの一つとして、トランスやリアクトルなどに代表されるコイルと鉄心から構成される磁気素子が挙げられる。これらの素子は、変換回路において常に動作する素子であるため、僅かな効率改善であっても変換回路全体の効率改善に多大な影響を与えることが多い。そのため、常に効率改善が求められる素子である。
また、かような磁気素子は、鉄心に巻き線をするという構造を持つため、半導体素子などに比べて大型でかつ大重量であることが多い。巻き線部分が多いことは、重量や形状だけでなく製造コストの増大にも直結するため、小型化に対する要求も効率改善と並んで大きい。
上記した二つの問題の改善を図るため、種々の開発が広く行われている。
開発内容を具体的に記述すると、巻き線数の削減や鉄心の小型化が可能になる透磁率や磁束密度の向上、効率改善に直結する鉄損低減が挙げられる。これらは磁気素子中でも鉄心に強く依存する性質である。そのため、鉄心素材の改良は磁気素子の特性改善のためには避けては通れない非常に重要な課題である。特に電力変換回路では、一旦電流を周波数1kHz〜50kHz 程度の交流に変換し、さらにそれを目的とする出力に変換することが多いため、かような周波数域における特性改善が極めて重要である。
一般に磁気素子の鉄心としては、ソフトフェライトコアや電磁鋼板、電磁鉄板などを積層して作製される積層鉄心が広く利用されている。
しかしながら、積層鋼板は、使用する周波数域が高くなるに伴って渦電流損失が大きくなるため、実用的でないという問題があった。また、ソフトフェライトは、透磁率は優れるものの、飽和磁束密度が低いため、動作時の磁気飽和を考慮する必要があり、例えば動作中の磁気飽和を防止するため回路設計が制限されたり、部品形状の大型化が不可避であるなどの問題があった。
上記のような背景から、変換回路の一層の効率改善のために、積層鉄心やソフトフェライトコアに代わる、新しい鉄心材料の開発が強く求められていた。
このような背景を受けて、軟磁性金属粉末に適宜樹脂などのバインダーを添加した混合粉末を、加圧成形することで作製される圧粉磁心が注目を浴び始めている。この理由は、圧粉磁心が次の2つのメリットを持つからである。
すなわち、一つは、粉末を原料とし、さらに樹脂など絶縁性の優れる材料をバインダーとして使用するため、渦電流の発生を抑制することができ、その結果積層鉄心に比べて鉄損を低減することが可能であるということである。さらにもう一つは、原料に軟磁性金属を利用するので、ソフトフェライトに比べて飽和磁束密度が高く、磁気飽和を起こし難い鉄心が得られるということである。
これらの特長を受けて、圧粉磁心が、電磁鋼板やソフトフェライトにかわる鉄心材料として強い注目を集めている。
しかしながら、変換回路で用いられる周波数域では圧粉磁心の鉄損は依然として大きく、また透磁率や磁束密度も十分ではないという問題がある。圧粉磁心を電磁鋼板やソフトフェライトに変わる新たな鉄心材料とするためには、圧粉磁心の磁束密度の向上および鉄損の低減が不可欠である。
上述した圧粉磁心の課題、すなわち鉄損の低減と磁束密度の向上という目標を達成するために、従来からいくつかの技術が提案されている。
例えば、圧粉磁心の磁束密度は、成形体密度の上昇に伴い向上することが広く知られているが、この知見に基づき圧粉磁心の成形体密度を向上するための技術開発が広く行われている。
一方、圧粉磁心の鉄損は、大きくヒステリシス損失と渦電流損失に分けられるが、このうち渦電流損失を低減するためにいくつかの技術が提案されている。
例えば、軟磁性金属粉末の粒径を制御方法(例えば特許文献1)や、軟磁性金属粉末と樹脂などの絶縁性物質を混合する方法(例えば特許文献2)などが挙げられる。
一方、ヒステリシス損失の低減を図るためにも種々の検討が行なわれている。そもそも圧粉磁心においてヒステリシス損失が顕著となるのは、軟磁性金属粉末を加圧成形して圧粉磁心とする際、軟磁性金属粉末に巨大な加工歪みが加えられることに起因する。従って、ヒステリシス損失の低減には、加圧成形後、成形体を焼鈍することにより、軟磁性金属粉末中に加えられた歪みを解放することが有効であると指摘されている(例えば非特許文献1)。特に、600℃以上での焼鈍が有効であるといわれている。しかしながら、渦電流損失の低減を図るために使用される樹脂は一般に耐熱性に劣るため、ヒステリシス損失を低減するための焼鈍を行うと、絶縁物質が分解してしまい、絶縁性が著しく劣化してしまう。その結果、渦電流損失の低減とヒステリシス損失の低減を両立させることは非常に困難であるという問題があった。
そこで、かかる問題を解決するため、軟磁性金属粉末表面を耐熱性に優れた絶縁材料で被覆する技術が従来からいくつか報告されている。
例えば、特許文献3,4には、シリコンを予合金として加えた軟磁性金属粉末に用いる技術が提案されている。これは、シリコンが金属表面に濃化し易いという特徴を利用した技術である。すなわち、アトマイズ処理およびその後の熱処理においてシリコンを表面に濃化させ、さらに酸化させることにより、軟磁性金属粉末表面に耐熱性に優れた絶縁被膜を形成し、さらにその上にシリコーン樹脂などによる絶縁被覆処理を行うことにより、耐熱性に優れた絶縁被覆を持つ軟磁性金属粉末を得ようとするものである。
金属粉末表面に濃化したシリコンは酸化物として存在すると推定され、このシリコン酸化物が下地として存在することにより、絶縁被覆処理後の絶縁性が向上していることが、これらの公報に指摘されている。
そこで発明者らは、これらの手法に従って試験を行った結果、この技術によって得られた軟磁性金属粉末では、ある程度絶縁性が改善されることを確認した。しかしながら、絶縁性は依然として不十分である上に、シリコン添加による軟磁性金属粉末の硬度上昇が原因となって圧粉体密度の低下が生じ、結果として十分な磁束密度が得られないという問題があることが判明した。
シリコンによる密度低下を避けるために、鉄粉に酸化物粉末を用いることで上述の技術と同等の効果を得ることを狙った技術も公開されている(例えば特許文献5)。これは、酸化物粉末と鉄粉を混合、あるいはゾル状の酸化物で鉄粉を被覆し、場合によってはその後メカノフュージョンなどの強力なせん断力を粉末に作用させる手法を用いることで、軟磁性金属粉末表面へ酸化物粒子を付着させ、上述したシリコン入り軟磁性金属粉末原料と同様の状態になることを狙ったものである。
しかしながら、発明者らが試験したところ、単に混合したり被覆しただけでは、酸化物の付着力が弱すぎるために均一な絶縁被覆が形成されず、加圧成形時に被覆が剥がれてしまうために、所望の絶縁性を得ることはできなかった。
また、発明者らは、せん断力を付与して加工した場合についても試験した結果、表面に絶縁物を主体とする被覆層が形成されることが確認された。
しかしながら、この粉末から作製した成形体を熱処理したところ、十分な絶縁性が得られないことが判明した。
そこで、得られた粉末の内部を観察した結果、一部の粒子間では焼結が進んでいることが判明した。
この理由は、熱処理時、被覆層内部に存在する金属を介して被覆層を超えた金属粒子の拡散が起き、その結果焼結が進んだためと推定される。
しかしながら、せん断力を用いた加工では、被覆層の内部に金属相が混入することを防止することは、工法上極めて難しい。
また、特許文献6には、鉄粉などの軟磁性金属粉末の表面を高抵抗物質で被覆し、さらにその高抵抗物質の表面をリン酸系化成処理液で処理して二層の絶縁層をもった粉末を用いることで、比抵抗が高く高密度な軟磁性成形体を得る方法が提案されている。
しかしながら、この技術は、リン酸系化成膜が高温で変質してしまうため600℃以上の温度では熱処理できないという問題があった。
また,発明者らが試験したところ、400℃以上で焼鈍すると比抵抗が大幅に 低下してしまい所期の狙いを実現することは困難であることが判明した。
特開昭58−147106号公報 特開昭62−71202号公報 特開2003−142310号公報 特開2003−297624号公報 特開2003−332116号公報 特開2001−85211号公報
堀江ら:日本応用磁気学会誌, Vol.22, No.2, P.45 (1998)
本発明は、上述した課題を有利に解決するもので、低鉄損でかつ高磁束密度を有する圧粉磁心用の軟磁性金属粉末を提供することであり、具体的には圧縮性の高い純鉄粉を原料として、その上に耐熱性の高い絶縁被膜を被覆した軟磁性金属粉末を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、上記の軟磁性金属粉末を素材として製造した磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を提供することを第2の目的とする。
さて、発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、素材である軟磁性金属粉末として、軟質なため圧縮性優れ、また高い磁束密度が得られる純鉄粉を用いるものとし、この純鉄粉の表面に直接シリコーン樹脂を被覆するのではなく、まず純鉄粉の表面に鉄酸化物を存在させ、次にその上に耐熱性に優れた絶縁物質を存在させたのち、結合強化処理を施して、これら2つの部分を互いに強固に固着させ、その後さらにシリコーン樹脂を被覆した粉末を、加圧成形して圧粉磁心を作製した場合に、その絶縁性が飛躍的に向上するとの知見を得た。
また、結合強化処理方法について鋭意検討した結果、熱処理条件を適正に制御して、鉄粉表面上の酸化物とその上に存在する絶縁物質間の拡散結合を行った場合に、被覆層内部への金属相分散が防止されて、絶縁性が飛躍的に向上することが確認された。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)表面の全面又は一部に鉄酸化物を備える純鉄粉の該表面に、酸化物、炭酸塩及び硫酸塩のうちから選んだ少なくとも一種の絶縁層を被覆し、さらにその上にシリコーン樹脂層を被覆した構造になる純鉄粉であって、上記純鉄粉の表面と上記絶縁層とを熱処理による結合強化処理により固着したことを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(2)上記(1)において、結合強化処理が、非酸化性雰囲気中、500〜1200℃、20〜240分の加熱処理であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(3)上記(1)または(2)において、絶縁層が、Mg, Ca, Sr, Ba, Ti, Zr, Co, Ni, Al, Siの金属元素の酸化物、炭酸塩および硫酸塩のうちから選んだ一種または二種以上であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の軟磁性金属粉末を、金型に充填し、加圧成形後、焼鈍処理を施して得たことを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
(5)上記(4)において、焼鈍処理が、非酸化性雰囲気中、600℃以上、30分以上の処理であることを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
本発明によれば、磁束密度、圧縮性に優れ、かつ高い絶縁性を有する軟磁性金属粉末を得ることができる。
従って、上記の軟磁性金属粉末を素材とすることにより、磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を得ることができる。
本発明に従う3つの部分で構成される絶縁被覆をそなえる純鉄粉の断面図であり、(a)は純鉄粉の表面全面に鉄酸化物を形成した場合、(b)は純鉄粉の表面の一部に鉄酸化物を島状に形成した場合である。 (a)は光学顕微鏡により観察した鉄粉の断面図、(b)はその断面積Sを示した図、(c)は粒子周囲の長さLを示した図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
図1に、本発明に従う軟磁性金属粉末の代表的な被覆構造を示す。なお、この図では、分かり易いように、粉末形状が球形の場合について示している。
図中番号1は素材である純鉄粉であり、かかる純鉄粉の製造法としてはアトマイズ法がとりわけ有利に適合する。番号2はその表面に形成させた鉄酸化物であり、かかる鉄酸化物は、アトマイズ法で作製する時の製造条件により、図1(a)に示したように、純鉄粉1の表面全面に形成される場合もあれば、同図(b)に示したように、純鉄粉1の表面の一部に島状に形成される場合もある。なお、この鉄酸化物の組成は、通常FeO−Fe2O3で示されるが、FeO−Fe2O3−Fe3O4の場合もある。また、アモルファスの鉄酸化物として存在する場合もある。番号3は、上記したように表面の全面または一部に鉄酸化物2をそなえる純鉄粉1の表面に形成された絶縁層、そして4がその上にさらに被覆されたシリコーン樹脂層である。
そして、本発明では、表面の全面または一部に鉄酸化物2をそなえる純鉄粉1の表面に、絶縁層3を被覆したのち、これらの接合強度を高めるための接合強化処理が施されているところに特徴を有している。
従来は、鉄酸化物2を介在させずに、純鉄粉1の表面に直接、絶縁層3を被覆していたので、純鉄粉1と絶縁層3の結合力は極めて小さかった。そのため、加圧成形時に絶縁被膜が剥がれ、結果として歪取り焼鈍後の絶縁性低下を余儀なくされていた。
これに対し、本発明の軟磁性金属粉末では、純鉄粉の表面が酸化して形成された鉄酸化物2に絶縁層3が結合強化処理により強く固着されている。鉄酸化物2は、素材である純鉄粉の表面が酸化されて形成されたものであり、純鉄粉1と鉄酸化物2の界面は連続的となるため、鉄酸化物2と純鉄粉1の結合力は極めて高い。さらに、この鉄酸化物2と絶縁層3とは、接合強化処理を経て結合されているので、最終的に絶縁層3は鉄酸化物2を介して純鉄粉1と強く結合する。
かような構造を採ることにより、加圧成形時に粉末表面に作用する応力によっても絶縁被膜が剥がれることなくなり、作製された圧粉磁心は600℃以上の温度にて歪み取り焼鈍を行った後も、依然として高い絶縁性を示す。そのため、従来困難であったヒステリシス損失と渦電流損失の双方を低減させることが可能になるので、非常に鉄損が低い圧粉磁心が得られる。
また、従来のシリコーン樹脂だけを被覆した技術の場合には、600℃以上の温度でシリコーン樹脂の分解による絶縁性の低下が生じていた。しかしながら、本発明では、シリコーン樹脂の下に純鉄粉と強く結合し、さらに高い耐熱性と絶縁性を示す2層の絶縁被膜が形成されているので、600℃以上の温度での加熱によりシリコーン樹脂の分解が若干進行しても、下層の絶縁被膜によって鉄粉間の絶縁性が維持されるため、十分満足のいく絶縁性が確保される。
図2は、アトマイズ法で作製する時の製造条件を調整して、得られる粉末の形状を凹凸の多い形にした純鉄粉の断面を示すものである。
断面積をS、粒子周囲の長さをLとし、このSとLを用いて、パラメータxを
x=L/{2(πS)1/2
と定義したとき、本発明では、xが大きい、すなわち形状の凹凸が大きい粉末を利用することがより好適である。このように凹凸が大きい粉末を用いれば、圧縮成形した時の粉末同士の接触面積が、凹凸の小さい粉末を用いた場合に比べて小さくなる。これが、上述の絶縁被膜と複合することによって、極めて高い絶縁性が確保されるのである。
以下、本発明の各構成要件について詳細に説明する。
(純鉄粉)
本発明で用いる原料粉末は、強磁性で、圧縮性に優れる純鉄粉である。好適には、アトマイズ法により製造した純鉄粉が挙げられる。
本発明において、素材として純鉄粉を用いることにした理由は、純鉄粉は合金粉末に比べて、軟質なだけでなく、磁束密度が高いので、圧粉磁心として場合に、合金粉末を用いた場合に比べて、より高い磁気特性が得られるからである。
また、純鉄粉の粒度については特に制限はなく、圧粉磁心の用途や要求特性に応じて、適宜決定すればよい。
なお、本発明における純鉄粉とは、Feの濃度が99.8mass%以上のものを指す。残りの不純物は、主にCとOとNである。その他、SiやMn,Al,Ni等が不可避に混入する場合があるが、これらはそれぞれSi:0.005mass%未満、Mn:0.02mass%以下、Al:0.005mass%以下、Ni:0.01mass%以下であれば許容できる。
(純鉄粉の形状)
本発明では、純鉄粉の形状については特に限定することはないが、表面凹凸が多い方が圧粉体強度および絶縁性の面で有利である。
すなわち、図2(a)に示すように、純鉄粉の断面を光学顕微鏡により観察し、その断面積をS(図2(b)参照)、粒子周囲の長さをL(図2(c)参照)とし、このSとLを用いて、パラメータxを
x=L/{2(πS)1/2
と定義したとき、本発明では、xが大きい純鉄粉を用いることが好ましい。
好適には、x:1.1 以上であり、より好ましくはx:1.2 以上である。なお、xの上限は特に定義されないが、xが4以上の粉末を工業的に生産することは困難である。
鉄粉形状の制御方法としては、アトマイズ法で粉末化する媒体や圧力などの条件を調整することによって行う方法、鉄粉をボールミルやジェットミルなどで粉砕することによって調整する方法、ロールなどで粉砕と圧延を同時に行う装置を用いて調整する方法、リン酸や硝酸などの薬品で表面を化学的に処理することによって制御する方法などが挙げられる。勿論、ここに挙げた以外の方法を用いても構わない。その中でもアトマイズ時の調整は、制御性が優れる上、加工工程が少なく、歩留りや加工時間が短くなるので、工業的な製造に向いているという特徴があり、好ましい。中でも水アトマイズ法は、形状調整が極めて容易であるので、特に好ましい。
(純鉄粉の表面の鉄酸化物)
この鉄酸化物は、素材である純鉄粉を、好適にはアトマイズ法で製造する過程で積極的に形成させる。従来、アトマイズ粉の製造に際しては、かような酸化物の形成は極力回避するのが常であったが、本発明ではこれとは逆に積極的に表面を酸化させて、純鉄粉の表面全面または一部に鉄酸化物を形成するのである。
形成される鉄酸化物の組成は、通常FeO−Fe2O3であるが、FeO−Fe2O3−Fe3O4の場合またはアモルファスとなっている場合もある。本発明の鉄酸化物としては、これらのいずれでも構わない。
また、かかる鉄酸化物の量は、アトマイズ法における製造条件(例えばアトマイズ時粉末化に用いられる媒質[例えば水を用いる方法など]、アトマイズを行う雰囲気中の酸素濃度の調整、アトマイズ後の加熱あるいは媒質の乾燥条件[温度、時間、雰囲気]等)を制御することによって、適宜調整することができる。
ここに、鉄酸化物の好適量は、例えば鉄粉の全面を酸化膜で覆う場合には、膜厚で概ね0.5〜1000nm程度が好適である。
このようにして形成された鉄酸化物は、原料粉末である鉄粉と鉄酸化物の界面部における成分濃度変化が連続的なものとなるため、例えば接着した場合のように成分濃度が非連続的に変化する場合に比べると、原料粉末との密着性は極めて優れている。
(絶縁層)
本発明において、絶縁層の材質は、好ましくは上記した鉄酸化物よりも絶縁性が高く、かつ鉄酸化物との間で結合強化処理が可能であるならば、どのようなものでも構わない。その中でも、絶縁性に優れ、なおかつ耐熱性に優れた材質は、本発明の重要な目的である耐熱性に優れた絶縁被膜を形成するという目的を達成するためにとりわけ好適である。
このような絶縁物質としては、例えば絶縁性の高い Mg, Ca, Sr, Ba, Ti, Zr, Co, Ni,Al, Siなどの金属元素の酸化物、炭酸塩や硫酸塩などに代表される塩などが挙げられる。本発明においては、これらを単体で用いても構わないし、併用しても構わない。
また、これらの材料の原料や前駆体となるものを用いても構わない。このようなものとしては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾルのように酸化物を水和した溶液、あるいは上記した金属の錯体溶液やアルコキシド溶液などの前駆体を分散・溶解した溶液などが挙げられる。また、溶液に粉末を分散した形態のものなど、複数の形態が混在した状態のものを用いても構わない。勿論、ここに挙げたもの以外の形態であっても、最終的に絶縁層が形成されるのであれば、それを用いても構わない。
かような絶縁層を形成する方法としては、例えば、上記した鉄酸化物をそなえる純鉄粉に、絶縁物質を添加した上で混合して材料を被覆する方法、CVD、PVDなどの気相蒸着法で被覆する方法、あるいはこれらの方法を複数組み合わせた方法などが挙げられる。勿論、ここに記載した方法以外の方法を用いても構わない。
上記の方法の中でも、原料粉末に絶縁物質を混合して被覆する方法は、被覆成分、被覆成分の付着量、被覆層厚み等の調整が容易であるため、確実に所望の絶縁被膜が得られるので好ましい。
かような混合手段としては、アトライター、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどの混合装置を用いた混合処理が挙げられる。
また、絶縁層の材料として、前記したアルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾルのように酸化物を水和した溶液、あるいは前記した金属の錯体溶液やアルコキシド溶液などの前駆体を分散・溶解した溶液などを用いると、粉末を原料とする場合に比べ、緻密かつ均一な状態で絶縁層を形成することが可能である。このような絶縁層を形成することにより、得られた粉末は最終的に高い絶縁性を示すようになり、本発明においては特に好適である。さらに、酸化物を水和した溶液の場合、加熱によって分子中の水分を飛散させれば、加熱しても重量減少や体積減少が起き難い耐熱性に優れた絶縁被膜を形成するので、本発明においてはさらに好ましい。
本発明では、原料粉末である純鉄粉に対する絶縁層形成物質の添加量は0.01〜5.0 mass%程度とすることが好ましい。というのは、添加量が0.01mass%を下回ると、添加量が少なすぎるために被覆が不均一となって、十分な絶縁性が得難く、さらに強度も低下する。一方5.0mass%を超えると、圧粉磁心中の原料粉末の割合が低下するので、その分磁束密度の低下を招き好ましくない。
(結合強化処理)
さて、本発明においては、上記した鉄酸化物と絶縁層の密着性を向上させるために、結合強化処理を施す。この処理を施すことにより、耐熱性に優れた鉄酸化物と絶縁層を強固に固着させると同時に、最終的に得られる軟磁性金属粉末において3つの部分で構成される絶縁被覆が確実に得られるようになる。従って、本発明においては、この処理は極めて重要である。
なお、この処理に、熱処理を用いる方法は、既知の知見を利用することによる柔軟な物質設計が可能であることに加え、機械的手法や化学反応を利用する方法に比べて局所的な反応が起き難いため、処理粉末全体で均一な状態を得ることが容易であり、工業的な生産も容易であり、さらには装置全体が簡便であるという特徴をもち、本発明の軟磁性金属粉末を作製するための結合強化処理方法として、極めて有効である。
この点、メカノフュージョン等の強力なせん断力を付与する手法を結合強化処理として利用した場合、処理度合いにムラが生じ易いため、前述したような鉄酸化物をそなえる純鉄粉の表面に均一に絶縁層を形成することが極めて難しいことに加え、装置の原理上被覆の厚み方向の状態を細かく制御することが困難であるため、不可避的に被覆層内部に金属が混入してしまうことから、十分に満足行くほどの絶縁性は得られない。また、加工ひずみに起因する圧縮性の低下、加工による粉末の球形化による成形体強度の低下などがあるため実用上の取り扱いが難しいという問題もある。
かような熱処理の際における、処理温度、時間、雰囲気などの条件は、用いる材料の組み合わせによって変化するが、原料粉末や絶縁物質の融点、それぞれの物質相互間および材料内での物質の拡散係数、酸素などに代表される各成分量、それぞれ材料の粒径、絶縁物質の添加量などを考慮して決定すればよい。例えば、絶縁層材料がAl2O3やSiO2などの高融点材料の場合には、500℃以上、1200℃以下程度とするのが好ましい。というのは、処理温度が500℃未満では物質拡散が不十分になるので密着性向上の効果が小さく、一方1200℃超では、原料粉末相互での拡散が著しくなり粉末同士が焼結してしまうからである。一旦焼結した材料を再度粉末化するには、巨大な力を加えて粉砕する必要がある。このような巨大な力が作用すると、一旦原料粉末と接合した絶縁物質が脱落してしまい、絶縁性改善の効果が不十分になる。その上、巨大な力によって原料粉末に加工歪みが入るため加工硬化が起きる。このような粉末を成形して得られる試料の圧粉体密度は極めて低いものになるため、磁束密度の低下が避けられない。
また、時間についても、用途に応じて適宜決定すればよい。好適には20〜240分である。
さらに、かかる熱処理における雰囲気は、用途に応じて大気や酸素雰囲気のような酸化性雰囲気、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性雰囲気、水素ガス、アンモニアガス、RXガスなどの還元性雰囲気あるいは真空下などから適宜選べばよい。また、熱処理中に雰囲気を切り替えても構わない。なお、雰囲気が酸化性の場合には、結合強化処理時に金属が酸化して磁気特性や圧縮性の低下を招く場合がある。従って、本発明においては、不活性あるいは還元性雰囲気あるいは真空下などの非酸化性雰囲気中で行うことがより好ましい。必要に応じて水蒸気で露点を調整しても良い。
なお、ここでの熱処理温度は、後述する成形体の焼鈍温度よりも高いことが好ましい。温度が低いと強化処理が十分でなくなるだけでなく、結合強化処理時に未反応だった部分が成形体焼鈍時に反応し、その際ガスが発生して成形体破壊を引き起こしたりするので好ましくない。従って、結合強化のための熱処理温度は、成形体の焼鈍温度に対して+10〜+150℃程度とすることが好ましい。特に好ましくは+50〜+150℃の範囲である。
上記したような加熱結合強化処理を行う場合、図1に示した絶縁層3が酸化物や金属塩の場合には、金属と酸化物を結合する場合に比べると、強い結合が得られる。これは、熱エネルギーによって酸化物中に含まれる酸素の拡散が金属原子の拡散よりも容易に進行するため、まず酸素の交換が最初に生じ、ついでその酸素の拡散によって金属成分の拡散が、単なる金属−酸化物の場合よりも加速された状態になり、結果として成分全体の拡散が加速されるためである。特に酸化物同士の場合にはこの現象が顕著に生じるのでとりわけ有利である。
なお、本発明に従う3つの部分から構成される絶縁被膜のうち、鉄酸化物と絶縁層は特に耐熱性を持つことが好ましい。この部分の耐熱性が低いと、シリコーン樹脂層の耐熱性が十分に高くても所望の耐熱性が得られなくなる場合がある。なお、ここでいう耐熱性を持つとは、軟磁性金属粉末を圧粉磁心にして、さらにその圧粉磁心を焼鈍した後にも絶縁性が維持されていることを意味する。従って、この条件を満たす物質なら、どのような物質を用いてもかまわないし、評価に利用する指標にも特に制限はない。
その中でも重量減少率Δmは、簡便に測定できる上、圧粉磁心に成形し、焼鈍した後の絶縁性を評価した場合との対応がよく取れるので、特に酸化物と絶縁層の耐熱性を評価する指標として好適である。
酸化物と絶縁層の重量減少率Δmを評価する方法としては、被覆部分の物質単体を取り出して測定する方法、酸化物と絶縁層をそなえる軟磁性金属粉末全体で測定する方法が挙げられる。勿論、これら以外の方法で測定してもかまわない。
単体で取り出す場合は、軟磁性金属粉末の金属部分を酸、アルカリあるいはその他の溶解性物質で溶解させ、その残渣を取り出す方法、軟磁性金属粉末に機械的エネルギーを与えた濃化部分だけを分離する方法、濃化部分の破壊が起きない程度の低圧力で加圧成形したものを電極として、電気的に金属部分だけを溶解する方法などが挙げられる。
重量減少率Δmは、加熱前質量をMb、不活性ガス雰囲気中で加熱したときの質量をMaとするとき、Δm=Ma/Mbなる関係から算出される。
本発明においては、N2ガス中で800℃まで加熱した後の重量をMa、加熱前の重量をMbとしたとき、好ましいΔmは0.3以上、1.0以下である。特に好ましくは0.5以上、1.0以下であり、さらに好ましくは0.7以上、1.0以下である。
本発明では、上記の手順によって得た軟磁性金属粉末において、表面の鉄酸化物と絶縁層の元素濃度合計をCs(at%)、最外表面から深さ10μmでの主要元素 濃度合計をCb(at%)としたとき、Cs/Cbが1.5以上であることが好ましい。Cs/Cbが1.5未満の場合には、表面での濃化が不十分なため圧粉磁心にしたとき十分な絶縁性が得られない。
CsおよびCbの測定は、オージェ電子分光法を用いた表面分析装置(AES)によって行えばよい。測定対象部分の面積は、使用する原料粉末の粒径により適宜決定すればよいが、例えば粒径が30〜100μm 程度の粉末を対象とする場合は、一辺が5μmから30μm 程度の正方形の部分で評価すればよい。また測定値の精度を向上させるために、Cs/Cbは複数の粒子について測定することが好ましい。好ましい測定数は、5以上、15以下である。
また、本発明において、鉄酸化物と絶縁層は、鉄粉の表面全体に均一に存在していることが好ましく、その形態は図1(a)に示したような状態であることが好ましい。鉄酸化物2と絶縁層3の分布が不均一になると、本発明である軟磁性金属粉末を加圧成形して得られる圧粉磁心の絶縁性が焼鈍前から低下し、焼鈍後はさらに低下してしまう場合があるので、好ましくない。
かような鉄酸化物と絶縁層は、AESにて絶縁被膜成分をマッピングしたとき、総測定面積をSa、絶縁被膜成分の元素が存在する面積をStとした場合、St/Sa が 0.1以上、1.0以下とすることが好ましい。この値が 0.1を下回る場合、絶縁被膜が存在する部分が少なすぎて、本発明である軟磁性金属粉末から作製される圧粉磁心は十分な絶縁性が得られない。好適なSt/Saの範囲は0.3以上、1.0以下であり、さらに好ましくは0.5以上、1.0以下である。
測定対象部分の面積は、使用する原料粉末の粒径により適宜決定すればよいが、例えば粒径が30〜100μm程度の純鉄粉を対象とする場合には、一辺が5μmから30μm程度の正方形の部分で評価すればよい。なお、本測定値も精度向上のため、St/Saは複数の粒子について測定されることが好ましい。好ましい測定数は、Cs/Cbの場合と同様、5以上、15以下である。St/Saについては、Csを評価する際に、併せて評価すると効率的な評価ができるので好ましい。
さらに、鉄酸化物と絶縁層の合計厚みは0.5nm〜4000nm程度とすることが好ましい。特に好ましくは1〜1000nmの範囲である。なお、鉄酸化物と絶縁層の合計厚みは、軟磁性金属粉末の断面を切り出し、基地鉄部の最外表面と、絶縁層の最外表面の距離によって定義される。距離は、基地鉄部の最外表面での垂線と基地鉄表面の交点1と、交点1を通るように引いた垂線と、絶縁層表面での交点2の間の長さによって定義される。この測定点は1粒子の外周を均等に分割するように複数配置することが好ましい。分割数は100以上とすることが好ましい。これを複数の粒子に対して繰り返し行い、それぞれの点で測定した結果の平均値を鉄酸化物と絶縁層の合計厚みS、その分散値を鉄酸化物と絶縁層の合計厚みの変動Vとする。
鉄酸化物と絶縁層の合計厚みSと鉄酸化物と絶縁層の合計厚みの変動Vの比V/Sは、0.0以上、0.90以下であることが好ましい。特に好ましくは0.0以上、0.50以下であり、さらに好ましくは0.0以上、0.40以下である。V/Sが0.90を上回る場合、加圧成形後、被膜がごく薄くなり、成形体内部での軟磁性金属粉末粒子間の距離が十分に離れないところが発生するので、圧粉磁心は十分な絶縁性が得られないので好ましくない。また、鉄酸化物と絶縁層の内部は稠密であることが好ましい。鉄酸化物と絶縁層を断面から観察したとき、鉄酸化物と絶縁層全体の面積をCa、鉄酸化物と絶縁層の被膜部分内部に存在する空孔部分の面積をCpとそれぞれ定義するとき、Cp/Caは0.0以上、0.3未満であることが好ましい。特に好ましくは0.0以上、0.1未満である。Cp/Caが大きいと、鉄酸化物と絶縁層の被膜部分の強度が弱くなるため加圧成形時、被膜部分が破壊されてしまう。その結果、絶縁被膜の厚み変動が増大し、軟磁性金属粉末を加圧成形して作製される圧粉磁心の絶縁性が低下してしまう。なお、軟磁性金属粉末の断面側から見た粉末表面近傍での鉄酸化物と絶縁層の大きさおよび内部の充填状態は、軟磁性金属粉末を樹脂に埋め込み研磨して断面を観察できるようにした試料の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果を用いて評価すればよい。
(シリコーン樹脂層)
このようにして得た軟磁性金属粉末に、さらに耐熱性に優れたシリコーン樹脂を被覆して最外層を形成する。これにより、圧粉磁心の絶縁性がさらに向上し、その上成形体強度まで向上する。このシリコーン樹脂は、他の被覆可能な樹脂と比べて密着性に優れ、その上耐熱性、絶縁性にも優れている。
本発明におけるシリコーン樹脂とは、分子内に3官能性(T単位)、あるいは4官能性(Q単位)シロキサン単位を含有するポリオルガノシロキサンを指す。かかるシリコーン樹脂は、シリコーンオイルやシリコーンゴムなどに比べ架橋密度が高く、硬化物は硬いという特徴があり、本発明に好適である。ところで、シリコーン樹脂は、成分がシリコーンのみから構成されるストレートシリコン樹脂と、シリコーン成分と有機樹脂の共重合体であるシリコーン変成有機樹脂に大別されるが、本発明においては、そのいずれを使用しても構わない。ストレートシリコーン樹脂は、MQレジンとDTレジンに大別されるが、本発明においては、そのいずれを用いても構わない。シリコーン変成有機樹脂としては、アルキド変成型、エポキシ変成型、ポリエステル変成型、アクリル変成型、フェノール変成型などが挙げられるが、本発明においては、そのいずれを用いても構わない。また、シリコーン樹脂には、加熱すると硬化するタイプのものと、室温においても硬化が進行するタイプのものがあるが、本発明においてはその何れを用いても構わない。シリコーン樹脂の硬化反応には、いくつかのタイプがあり、例えば加熱硬化型シリコーン樹脂の硬化の機構は大きく分けて、脱水縮合反応、付加反応、過酸化物反応によるものに、室温硬化型シリコーン樹脂の硬化の機構は、脱オキシム反応、脱アルコール反応によるものに区別することができる。本発明において用いられるシリコーン樹脂は、上記にある何れかの硬化反応によって硬化するものであれば良い。
本発明で使用されるシリコーン樹脂としては、たとえば東レダウコーニングシリコーン社の製造する、SH805, SH805, SH806A, SH840, SH997, SR620, SR2306, SR2309, SR2310, SR2316, DC12577, SR2400, SR2402, SR2404, SR2405, SR2406, SR2410, SR2411, SR2416, SR2420, SR2107, SR2115, SR2145, SH6018, DC6-2230, DC3037, DC3074, QP8-5314や、信越化学の製造する KR251, KR255, KR114A, KR112, KR2610B, KR2621-1, KR230B, KR220, KR220L, KR285, K295, KR300, KR2019, KR2706, KR165, KR166, KR169, KR2038, KR221, KR155, KR240, KR101-10, KR120, KR105, KR271, KR282, KR311, KR211, KR212, KR216, KR213, KR217, KR9218, SA-4, KR206, KR5206, ES1001N, ES1002T, ES1004, KR9706, KR5203, KR5221, X-52-1435などが挙げられる。勿論、ここに挙げた以外のシリコーン樹脂を使用しても構わない。また、これらの物質、あるいはこれらの原料物質を変成したシリコーン樹脂を使用しても構わない。さらに、種類、分子量、官能基が異なる2種以上のシリコーン樹脂を、適当な割合で混合したシリコーン樹脂を使用しても構わない。
最外層を構成するシリコーン樹脂を軟磁性金属粉末に添加あるいは被覆する際は、粉末状のものを混合してもよいし、あるいはシリコーン樹脂を溶剤に溶かし、その溶液と軟磁性金属粉末を接触させることで混合あるいは被覆してもかまわない。溶液にする場合、溶剤にはシリコーン樹脂が溶解するものであれば、いずれを用いてもよい。このような材料としては、例えばエタノールやメタノールに代表されるアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトンに代表されるケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、安息香酸などに代表される芳香族系溶剤、リグロイン、ケロシンなどの石油系溶剤が挙げられる。シリコーン樹脂を溶解し易い芳香族系溶媒が、特に好ましい。また、シリコーン樹脂が可溶なら、水を用いても構わない。その溶液の濃度は、施工のし易さや乾燥時間などを勘案して決めれば良い。さらに、シリコーン樹脂溶液の粘度・チキソトロピー性・レベリング性、また塗布後の乾燥時間、樹脂が硬化するまでの時間、樹脂の硬化温度や硬化時の架橋密度などを制御するために、上記塗料に若干の添加物を加えてもよい。このような添加物としては、シリコーン樹脂の硬化を制御するステアリン酸金属塩などの金属石鹸、パーフルオロアルキルなどの界面活性剤などがあげられる。なお、溶剤にして添加するとシリコーン樹脂の偏析が防止できるため、添加量が同一であっても粉末を用いた場合に比べ圧粉磁心の絶縁性が改善されるので、本発明においては溶液状にして添加することが好ましい。
なお、最外層を構成するシリコーン樹脂の添加は、最初に全量添加しても良いし、撹拌の途中で分割して添加しても良い。また、撹拌時にスプレーノズルを通して噴霧してもよい。本発明で用いられるシリコーン樹脂溶液をスプレーノズルを通して噴霧・添加すると、本発明で用いられるシリコーン樹脂溶液が軟磁性金属粉末に対して均一に添加され、皮膜も均一になるので好適である。撹拌混合には、アトライタ、ヘンシェルミキサー、ボールミル、流動造粒機、転動造粒機などを利用するのが一般的である。流動造粒機や転動造粒機のように、流動槽による撹拌を行なうと、粉体同士の凝集が抑制されるので好適である。また、流動槽に対してスプレーを通して本発明で用いられるシリコーン樹脂溶液を噴霧すると、スプレー噴霧による効果と、流動槽を利用した効果が複合し、一層均一な被覆が得られるので、特に好ましい。溶媒の乾燥を促進やシリコーン樹脂の硬化などを目的として、混合中あるいは混合後に加熱処理を行なっても良い。
本発明において、最外層を構成するシリコーン樹脂の添加量は、軟磁性金属粉末全体に対してシリコーン樹脂の固形分量(固形分量=添加した溶液量−溶液中の溶剤量)で0.01〜5mass%程度とすることが好まし い。添加量が0.01mass%を下回ると、シリコーン樹脂が少なすぎるために原料粉末の被覆が不均一となり絶縁性改善の効果が不十分となり、一方5mass%を超えた場合には、圧粉磁心中の原料粉末の割合が著しく低下するので、磁束密度の低下を招き好ましくない。
以上の方法によって作製された、絶縁被覆付き軟磁性金属粉末は、必要に応じて潤滑剤などが添加された後、金型などを用いて加圧成形される。潤滑剤としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸、あるいは脂肪酸アミドなどのワックスが挙げられる。軟磁性金属粉末に対して潤滑剤を添加せず、金型表面に潤滑剤を塗布する金型潤滑を用いてもよい。
成形圧は、用途に応じて適宜決定すれば良いが490〜1960MPa程度とするのが好ましい。成形圧が490MPaを下回ると、成形体密度が低くなるため磁束密度が低くなるという問題が生じ、一方1960MPaを超えると成形時の金型磨耗が顕著となり実用的でない。
上記の成形後、加圧時に鉄基粉末に加えられた歪を解放してヒステリシス損失を低減させるために、成形体を600℃以上の温度で保持しながら、焼鈍することが特に好ましい。特に好ましい焼鈍温度は800℃以上である。また前述した理由より、かかる焼鈍温度は、結合強化処理時の温度より−10℃〜−150℃程度とすることが好ましい。特に好ましくは−50℃〜−150℃である。また、焼鈍時間は30分以上とすることが好ましい。焼鈍雰囲気は、ArやN2などの不活性雰囲気、水素などの還元性雰囲気、あるいは真空などの非酸化性雰囲気とすることが好ましい。水蒸気の露点は用途等に応じて適宜決定すれば良い。焼鈍の際の昇温速度、降温速度は、熱膨張率の違いにより絶縁被覆の破壊、急冷による軟磁性金属粉末の金属組織内での熱歪みの発生などを防止するため、20℃/分以下程度とすることが好ましい。また、昇温時あるいは降温時に、一定の温度で保持する段階を設けてもよい。
実施例1
原料粉末としては、アトマイズ法により製造した表1に示す成分の純鉄粉を用いた。各鉄粉の成分、粒度分布および粉体特性(見かけ密度)を表1に示す。
また、これらの粉末を樹脂に埋め込み研磨して作製した試料を用いて、粉末断面を光学顕微鏡により倍率400倍で観察した。そして、5mm×5mmの領域に存在する全ての粒子に対して、面積Sと周囲の長さLを計測し、粉末の凹凸の指標であるx(=L/{2(πS)1/2})を算出した。測定個数とxの平均値も表1に併せて示す。
次に、絶縁層の形成を行った。ここでは表2に示す材料を使用した。溶液状のものは濃度:10mass%の溶液を準備した後、転動流動層によって被覆処理を施した。粉末状のものは原料粉末に耐熱性に優れた絶縁材料を添加した後、ヘンシェルミキサーで10分間混合した。
さらに、表2に併せて示した熱処理による結合強化処理を行った。結合強化処理後、目開き180μmのふるいで分級して本発明の軟磁性金属粉末を得た。ただし、粉末3は16メッシュふるい(めびらき1mm)で分級したものを用いた。これらの粉末を別途熱天秤にて不活性雰囲気中での重量変化を調査し、その結果からΔmを算出した。
その結果も表2に併記する。
上記のようにして得た粉末について、AESを用いてCs/Cb、St/Sa を求めた。なお AESの測定条件は、PHYSICAL ELECTONICS社製 PHI MODEL 660 にて加速電圧:10kV、試料電流量:0.2μA、測定領域:20μm平方の正方形、試料傾斜角:30°とした。Cbは、表面測定後、イオン銃で上記の測定面積分を10μm深 さ方向でスパッタリングしてから、同一条件で測定した。表2に、Cs/CbおよびSt/Saの評価に際して用いた元素、測定点数、測定したそれぞれの平均値と分散を示す。なお、Stを確認した際、併せて酸素原子の分布についても調査した。いずれの結果においても、酸素の濃度分布はSt/Saの評価に用いた元素の分布と一致していた。これより、表面で観察される原子は、SiO2やAl2O3、TiO2、ZrO2など耐熱性に優れた絶縁酸化物の形で存在していることが判明した。
また、軟磁性金属粉末:5gを樹脂に埋め込んだ後、樹脂ごと研磨して粉末断面を観察できるようにした研磨試料を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、1mm平方の観察視野内で確認されるすべての粉末を対象として、表面濃化部分の耐熱性及び絶縁性に優れた物質部分の濃化部分の分布状態および大きさの平均値と分散、および濃化内部の充填率Cp/Caを求めた。なお、これらの値は、粒子の外周部分を、倍率:100,000倍で連続的に観察した結果を用いて算出している。視野内での粉末個数およびそれらの測定結果も併せて表2に示す。
上記のようにして絶縁層を形成した軟磁性金属粉末に、シリコーン樹脂による最外層を形成した。シリコーン樹脂としては、東レダウコーニング社のSR2400を用いた。被覆に当たっては、樹脂をキシレンにて濃度:5mass%とした溶液を用いた。軟磁性金属粉末に対するシリコーン樹脂の被覆は、転動流動槽型被覆装置により実施した。シリコーン樹脂溶液の添加は、原料粉末を装置容器内で流動化させた上で、スプレーを用いてその流動状態にある粉末に対し、被覆材を固形分量が表2に示す量になるように噴霧することにより行った。噴霧終了後、乾燥のために20分間流動状態を保持して、原料粉末の上に被覆材を被覆した軟磁性金属粉末を得、さらに大気雰囲気中にて、250℃で60分間加熱することでシリコーン樹脂を加熱硬化して、軟磁性金属粉末試料を得た。
かくして得られた軟磁性金属粉末を、金型に充填し、加圧成形して測定用のリング試料(外径:38mm,内径:25mm,高さ:6.2mm)を得た。成形圧は 980MPaとした。加圧の際の潤滑は、水にステアリン酸亜鉛を分散させた潤滑剤溶液を金型面に塗布する金型潤滑とした。その試料を、窒素雰囲気中にて、800℃で60分の焼鈍を行った。
表3に、成形時における成形圧および成形体試料の焼鈍温度を示す。
上記のようにして得られた試料を用いて、圧粉体密度、比抵抗、磁束密度、鉄損を測定した。圧粉体密度は、試料の寸法と重量を測定し、その値を用いて算出した。比抵抗は四端子法にて測定した。通電電流は1Aとした。圧環強度はJIS Z 2507において「焼結含油軸受けの圧環強さ試験方法」として規定されている方法に準拠して測定した。磁束密度は、リング試料にφ0.6mmのホルマル被覆導線を1次側:100巻、2次側:20巻したコイルを用い、磁界H=10kA/mでの磁束密度B10kで評価した。鉄損は、リング試料にφ0.6mmのホルマル被覆導線を1次側:40巻、2次側:40巻したコイルを用いて、周波数:200Hz〜10kHz、磁束密度Bm=0.2Tの条件で評価した。鉄損については、周波数:5kHz,磁束密度:0.2T(W2/5k)の値を、その他の値については各測定値を表3に示す。
発明例と比較例との比較から明らかなように、本発明に従い3層構造を採用することによって絶縁性が大幅に向上することが分かる。また、発明例1〜4と5,6の比較から、xが1.1以上の粉末を用いた場合には、絶縁性を示す比抵抗が大きくなり、その結果鉄損が大幅に低減することが分かる。
比較例3は、粉末1にシリカ粉末(平均粒径:20nm)を混合した後、ホソカワミクロン製メカノフュージョンシステムを用いてメカノケミカル処理を実施して結合強化処理を行った。一回あたりの処理量は1.0kg/ch、処理時間は10分、回転数は2.600rpmとした。このときの回転動力は1.2kW±0.05kWであった。
原料粉末に、このメカノフュージョン処理を行った粉末、シリコーン樹脂を被覆する前の発明例1の粉末について、X線電子分光法を用いて鉄の電子軌道2p近傍のピークを調べてみた。その結果、原料粉末でのFeの2p軌道のピーク強度を100とすると、発明例1の粉末では5となった。一方、メカノフュージョン処理した比較例3の粉末では76となった。これにより、比較例であるメカノフュージョン処理した粉末は表面に金属Feが分散しているのに対して、発明例で得られた粉末は金属Feが表面に現れない状態になっていることが分かる。
次に、比較例3についても、他の発明例と同様にシリコーン樹脂からなる最外層の形成および成形体試料の作製と熱処理を行い、その特性を評価した。
メカノフュージョン処理時、鉄粉に加えられた加工歪みのため、圧縮性が低下した。その結果、同様の組成で熱処理による結合強化処理を施した発明例1に比べると、圧粉体密度や磁束密度が低下した。さらに、比抵抗が大幅に低下して、鉄損が大幅に上昇してしまった。これより、熱処理による結合強化処理が有効なことが分かる。
また、比較例2は、酸素およびその他成分を他粉末より多く含んだ粉末7を用いた場合の結果である。比抵抗は、発明例と比較して遜色のない値を示したが、その他成分により圧縮性が悪く、圧粉体密度が著しく低下した。その結果、磁束密度は、いずれの発明例よりも低かった。従って、本発明の目的である低鉄損かつ高磁束密度となる圧粉磁心が得られなかった。
本発明により、圧縮性に優れかつ高い絶縁性を有する軟磁性金属粉末およびかかる軟磁性金属粉末を使用して磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心を得ることができ、その結果、積層鉄心やソフトフェライトコアの代替となる圧粉磁心を得ることができる。
1 純鉄粉
2 鉄酸化物
3 絶縁層
4 シリコーン樹脂層

Claims (5)

  1. 表面の全面又は一部に鉄酸化物を備える純鉄粉の該表面に、酸化物、炭酸塩及び硫酸塩のうちから選んだ少なくとも一種の絶縁層を被覆し、さらにその上にシリコーン樹脂層を被覆した構造になる純鉄粉であって、上記純鉄粉の表面と上記絶縁層とを結合強化処理により固着したことを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  2. 請求項1において、結合強化処理が、非酸化性雰囲気中、500〜1200℃、20〜240分の加熱処理であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  3. 請求項1または2において、絶縁層が、Mg, Ca, Sr, Ba, Ti, Zr, Co, Ni, Al, Siの金属元素の酸化物、炭酸塩および硫酸塩のうちから選んだ一種または二種以上であることを特徴とする圧粉磁心用の軟磁性金属粉末。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性金属粉末を、金型に充填し、加圧成形後、焼鈍処理を施して得たことを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
  5. 請求項4において、焼鈍処理が、非酸化性雰囲気中、600℃以上、30分以上の処理であることを特徴とする磁束密度が高くかつ鉄損が低い圧粉磁心。
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