JP2012222062A - 複合磁性材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】インダクタ、チョークコイル、トランス等電磁気部品の小型化及び高周波域で使用可能な磁気特性の優れた複合磁性材料を提供する。
【解決手段】Fe−Si−Al系の金属磁性粉末と結着材とを添加混合し、加圧成形して成形体とした後、前記成形体に熱処理を施した複合磁性材料において、前記金属磁性粉末は異なる酸素濃度を有した金属磁性粉末A、金属磁性粉末Bからなり、前記金属磁性粉末Aの酸素濃度が1500〜6500ppm、前記金属磁性粉末Bの酸素濃度が400ppm以下であり、前記金属磁性粉末中における前記金属磁性粉末Bの含有量を5〜25wt%の範囲とし、前記金属磁性粉末Aの平均粒径をDA、前記金属磁性粉末Bの平均粒径をDBとしたとき、DBとDAが、DB/DA≦0.16となる関係を満たすこととする。
【選択図】図1

Description

本発明は電子機器のインダクタ、チョークコイル、トランスその他に用いられる複合磁性材料に関するものである。
近年の電気・電子機器の小型化に伴い、磁性体についても小型かつ高効率のものが要求されている。従来の磁性体としては、例えば高周波回路で用いられるチョークコイルではフェライト粉末を用いたフェライト磁芯および金属磁性粉末の成形体である圧粉磁芯がある。
このうち、フェライト磁芯は飽和磁束密度が小さく、直流重畳特性に劣るという欠点を有している。このため、従来のフェライト磁芯においては、直流重畳特性を確保すべく磁路に対して垂直な方向に数100μmのギャップを設け、直流重畳時のインダクタンスL値の低下を防止している。しかし、このような広いギャップはうなり音の発生源となるほか、ギャップから発生する漏洩磁束が特に高周波帯域において巻線に銅損失の著しい増加をもたらす。
これに対して、金属磁性粉末を成形して作製される圧粉磁芯は、フェライト磁芯に比べて著しく大きい飽和磁束密度を有しており、小型化には有利といえる。また、フェライト磁芯と異なりギャップ無しで使用できるため、うなり音や漏洩磁束による銅損失が小さいという特徴を持っている。
しかしながら、圧粉磁芯は透磁率およびコア損失についてはフェライト磁芯より優れているとはいえない。特にチョークコイルやインダクターに使用する圧粉磁芯では、コア損失が大きい分コアの温度上昇が大きくなり、小型化が図りにくい。また、圧粉磁芯はその磁気特性を向上するために成形密度を上げる必要があり、その製造時に通常6ton/cm2以上の成形圧力を、製品によっては10ton/cm2以上の成形圧力を必要とする。
ここに、圧粉磁芯のコア損失は、通常、ヒステリシス損失と渦電流損失とからなる。金属材料においては、その固有抵抗値が低いため、磁界の変化に対して、その変化を抑制するように渦電流が流れることから、渦電流損失が問題となる。渦電流損失は周波数の二乗および渦電流が流れるサイズの二乗に比例して増大する。従って、金属磁性粉末の表面を絶縁材で被覆することにより渦電流が流れるサイズを金属磁性粉末粒子間にわたるコア全体から、金属磁性粉末粒子内のみに抑えることが可能となり、渦電流損失を低減させることができる。
一方、ヒステリシス損失について、圧粉磁芯は高い圧力で成形されるため、磁性体に多数の加工歪みが導入され、透磁率が低下し、ヒステリシス損失が増大する。これを回避するため、成形後、歪みを解放するための熱処理が施される。
すなわち、優れた磁気特性を有する圧粉磁芯を実現するには、高密度化を実現し且つ金属磁性粉末間の絶縁性を確保しつつ高温での熱処理を行うことが必要である。
従来、圧粉磁芯用金属磁性粉末として、その優れた磁気特性からFe−Si−Al系粉末が用いられてきている。
しかしながら、Fe−Si−Al系粉末は磁気特性に優れるものの、他の金属磁性粉末、例えばFe、Fe−Ni系粉末と比較して、非常に硬く塑性変形能に乏しいため高密度化が、すなわち、圧粉磁芯中の金属磁性粉末の充填率を高めることが困難であった。
前記課題に対する解決策としては、例えば、特許文献1のように、機械的粉砕法により得られた50〜200μmの粉末に対し、アトマイズ法により得られた50μm以下の粉末を5〜50wt%混合する方法が提案されている。
特開平6−120046号公報
しかしながら、前記従来の技術では、圧粉磁芯中の金属磁性粉末の充填率は70vol%にも達しておらず不十分であり、また、成形後の熱処理を行っておらず、結果として透磁率が30にも達しておらず、磁気特性としては低いものしか得られていない。
本発明は上記課題を解決するもので、金属磁性粉末としてFe−Si−Al系粉末を用いた場合においても、圧粉磁芯中の金属磁性粉末の充填率が85vol%以上の高密度化、且つ700℃以上の高温での熱処理を可能とし優れた磁気特性を実現する複合磁性材料を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、Fe−Si−Al系の金属磁性粉末と結着材とを添加混合し、加圧成形して成形体とした後、前記成形体に熱処理を施した複合磁性材料において、前記金属磁性粉末は異なる酸素濃度を有した金属磁性粉末A、金属磁性粉末Bからなり、前記金属磁性粉末Aの酸素濃度が1500〜6500ppm、前記金属磁性粉末Bの酸素濃度が400ppm以下であり、前記金属磁性粉末中における前記金属磁性粉末Bの含有量を5〜25wt%の範囲とし、前記金属磁性粉末Aの平均粒径をDA、前記金属磁性粉末Bの平均粒径をDBとしたとき、DBとDAが、DB/DA≦0.16となる関係を満たす複合磁性材料とする。
本発明の複合磁性材料によれば、金属磁性粉末を高密度化することができ、且つ高温熱処理を可能とし、コア損失を低減することができるため優れた磁気特性を有した複合磁性材料を実現することができる。
本実施の形態1における複合磁性材料の構造の模式図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における複合磁性材料について説明する。
本実施の形態に用いられるFe−Si−Al系粉末は、酸素との親和力の強いAlを構成元素として含むため、酸化により絶縁性に優れたAlを主体とする酸化物層を粉末表面に形成することが可能であり、酸素濃度が高いほど酸化物層の厚みは増加し絶縁性は向上する。
本発明は高密度化および高温熱処理を実現することを目的とし鋭意検討を行った結果、金属磁性粉末の酸素濃度を1500ppm以上に調整することにより、6ton/cm2以上の高圧成形、700℃以上の高温熱処理においても金属磁性粉末間の絶縁性を確保できることを見出した。
酸素濃度が1500ppmより少ないと酸化物層の厚みが不十分であり絶縁性の確保が困難となり好ましくない。しかしながら、酸素濃度が6500ppmより多いと磁気特性自体の低下が著しくなるため好ましくない。好ましい酸素濃度の範囲としては1500〜6500ppmである。
一方、上記酸素濃度範囲に調整されたFe−Si−Al系粉末は、粉末表面に硬いAl主体の酸化物層が形成されているため、絶縁性には優れているものの、塑性変形能の低下を引き起こす。酸化による塑性変形能の低下を抑制するには酸素濃度を400ppm以下とすることが好ましい。
高密度化を目的に鋭意検討を行った結果、塑性変形能の乏しいFe−Si−Al系粉末、さらには酸化によりさらに塑性変形能の低下したFe−Si−Al系粉末を用いた場合においても高密度化が図れることを見出した。
図1に模式図を示す。本発明の構成とすることにより、加圧成形前においても絶縁性に優れた金属磁性粉末A1間の空隙に金属磁性粉末A1より粒径が小さい金属磁性粉末B2が介在することにより密度の向上が図れ、さらに加圧成形時においては金属磁性粉末A1は塑性変形能が乏しいものの、金属磁性粉末A1と比較し塑性変形能が良好である金属磁性粉末B2が優先的に変形し高密度化を実現することができる。このとき、絶縁性に乏しい金属磁性粉末B2は、金属磁性粉末A1間では互いに接触するが、金属磁性粉末A1間の空隙は金属磁性粉末A1の粒径が同等以下であり、渦電流損失の増加は生じない。金属磁性粉末A1間の接触を除けば金属磁性粉末B2は絶縁性に優れた金属磁性粉末A1により接触が阻害されており、結果として渦電流損失の増加は抑制される。
金属磁性粉末B2の含有量が5wt%より少ないと金属磁性粉末A1間の空隙の残存率が高く高密度化が図れないため好ましくない。また、25wt%より多いと金属磁性粉末B2が金属磁性粉末A1間のみならず接触が生じ渦電流損失が増加するため好ましくない。
前記金属磁性粉末A1の平均粒径をDA、前記金属磁性粉末B2の平均粒径をDBとしたとき、DBとDAが、DB/DA≦0.16なる関係を満たす。上記式(1)の右辺の値が0.16より大きいと、金属磁性粉末A1間の空隙の残存率が向上し、高密度化が図れないため好ましくない。
本実施の形態に用いられるFe−Si−Al系粉末の酸素濃度調整方法としては、雰囲気制御による熱処理が好ましい。すなわち、酸素濃度を増加させる場合は酸化雰囲気、酸素濃度を減少させる場合は還元雰囲気での熱処理が好ましい。雰囲気制御による熱処理の場合、粉末表面を均一に酸化還元することが可能であり、粉末表面の酸化物層厚みを均一に制御でき、例えば、酸素濃度増加の場合、局所的に絶縁性に劣る箇所が生じることはない。
なお、上記熱処理時の雰囲気は特に限定されるものではなく、目的の酸素濃度に調整できれば良く、酸化処理の場合は酸素分圧及び熱処理温度を、還元処理の場合CO、H2、H2−H2O等各種還元性雰囲気及び熱処理温度等の条件を適宜調整すればよい。
本実施の形態に用いられるFe−Si−Al系の金属磁性粉末A1はガスアトマイズ法、水アトマイズ法等各種アトマイズ法にて作成されたアトマイズ粉であることが好ましい。アトマイズ粉は機械的粉砕粉と比較して表面が滑らかであり、1500〜6500ppmに酸素濃度調整することにより優れた絶縁性を確保できる。機械的粉砕粉を用いた場合においては、粉末表面に存在する凸部において高圧成形時に酸化物層が破壊されやすく、このため、十分な絶縁性を確保することができない。
本実施の形態に用いられる酸素濃度を1500〜6500ppmに調整されたFe−Si−Al系の金属磁性粉末A1の平均粒径は5〜100μmの範囲であることが好ましい。5μmより小さいと密度が低下し、100μmより大きいと渦電流損失が増加するため好ましくない。
本実施の形態に用いられる酸素濃度を400ppm以下に調整されたFe−Si−Al系の金属磁性粉末B2の平均粒径は0.1μm以上であることが好ましい。0.1μmより小さいと密度の低下や粉末を作製する費用が高くなりコストアップに繋がるため好ましくない。
なお、本発明における平均粒径とは、粒径が小さなものからカウントしていき、積算が全体の50%となったときの粒子径を意味するものであり、レーザー回折・散乱法による粒度分布計を用いて測定することが出来る。
本実施の形態に用いられるFe−Si−Al系粉末組成は、Siの含有量が6wt%以上12wt%以下、Alの含有量が4wt%以上8wt%以下であり残部がFe及び不可避な不純物からなるものが好ましい。Si、Alの役割は、粉末表面に絶縁性の酸化物層の形成のみならず、磁気特性を向上させるものであり、上記組成範囲とすることが好ましい。Si、Alの添加量が上記組成範囲より少ないと磁気特性の改善効果に乏しく、上記組成範囲より多いと飽和磁化の低下が大きく直流重畳特性が低下する。
本実施の形態に用いられる結着剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系各種カップリング剤や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂などを用いることが可能である。なお、上記結着材の添加目的は成形体強度の確保であり、Fe−Si−Al系粉末間の絶縁を目的とするものではない。本実施の形態における複合磁性材料は、上記したように、上記結着材を用いずとも絶縁性が確保される。
本実施の形態における結着剤の混合分散方法は特に限定されるものでなく、例えば、回転ボールミル、遊星型ボールミル等各種ボールミル、Vブレンダー、プラネタリーミキサー等を用いることが可能である。
本実施の形態における加圧成形方法は特に限定されるものではなく、通常の加圧成形法が用いられる。成形圧力としては6ton/cm2以上20ton/cm2以下の範囲が好ましい。6ton/cm2より低いと高密度化が図れず、すなわち、金属磁性粉末の充填率が低く高い磁気特性が得られない。20ton/cm2より高いと加圧成形時の金型強度を確保するため金型が大型化し、また、成形圧力を確保するためプレス機が大型化する。さらに、金型、プレス機の大型化により生産性が低くなり、コストアップにつながる。
本実施の形態における加圧成形後の熱処理は、加圧成形時に金属磁性粉に導入される加工歪みによる磁気特性の低下を防ぐものであり、加工歪みの開放が目的である。熱処理温度としてはより高温とするほうが良いが、あまり温度を上げると粉末粒子間絶縁が不充分となり渦電流損失が増大するため好ましくない。好ましくは700〜1000℃の範囲である。700℃より低いと加工歪みの開放が十分とは言えず磁気特性が低く、1000℃より高いと金属磁性粉末間の絶縁性を十分確保することが難しく渦電流損失が増大するため好ましくない。
熱処理雰囲気としては、金属磁性粉末の酸化による磁気特性低下を抑制するため非酸化性雰囲気が好ましく、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等不活性雰囲気である。
本実施の形態における複合磁性材料は金属磁性粉末の充填率が85vol%以上であることが好ましい。85vol%より低いと透磁率が低く、優れた磁気特性が得られない。
以下、本発明の複合磁性材料の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
ガスアトマイズ法にて、組成が重量%で9.1Si5.1Albal.Feで平均粒径が27μmの金属磁性粉末A1、平均粒径が3.7μmの金属磁性粉末B2の2種類の金属磁性粉末を準備した。なお、準備した金属磁性粉末の酸素濃度は160ppmであった。また、金属磁性粉末A1の平均粒径をDA、金属磁性粉末B2の平均粒径をDBとしたとき、DB/DA=0.14の関係となる。
得られた金属磁性粉末に対し、雰囲気中熱処理を行い(表1)記載の酸素濃度に調整した。なお、酸化処理の場合は100〜900℃の範囲で0.1〜4h大気中にて熱処理を行った。また、還元処理の場合は700〜1000℃の範囲で0.5〜3h水素雰囲気にて熱処理を行った。酸素濃度調整後の粉末を金属磁性粉末B2の含有量が22wt%となるよう配合、混合して試料作成用の金属磁性粉末に供した。
準備した金属磁性粉末100重量部に対し結着材としてブチラール樹脂を1.2重量部添加した後、エタノールを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを15ton/cm2にて加圧成形を行い、アルゴンガス雰囲気にて830℃で1h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場55Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数120kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表1)に示す。なお、平均粒径に関してはマイクロトラック粒度分布計により測定を行った。
Figure 2012222062
(表1)より、本実施例の複合磁性材料は、金属磁性粉末A1の酸素濃度が1500〜6500ppm、金属磁性粉末B2の酸素濃度が400ppm以下の範囲で優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
(実施例2)
ガスアトマイズ法にて、組成が重量%で9.1Si5.1Albal.Feで平均粒径が28μmの金属磁性粉末A1、平均粒径が4μmの金属磁性粉末B2の2種類の金属磁性粉末を準備した。なお、準備した金属磁性粉末の酸素濃度は160ppmであった。また、金属磁性粉末A1の平均粒径をDA、金属磁性粉末B2の平均粒径をDBとしたとき、DB/DA=0.14の関係となる。得られた金属磁性粉末に対し、金属磁性粉末A1に関しては790℃で1h大気中にて熱処理を行い酸素濃度を5000ppmに調整した。なお、金属磁性粉末B2に関しては酸化還元処理を行わず酸素濃度160ppmにて用いた。準備した金属磁性粉末を、金属磁性粉末B2が(表2)記載の配合比となるように配合し混合して試料作成用の金属磁性粉末に供した。
準備した金属磁性粉末100重量部に対し結着材としてブチラール樹脂を1.2重量部添加した後、エタノールを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを15ton/cm2にて加圧成形を行い、アルゴンガス雰囲気にて830℃で1h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場55Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数120kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表2)に示す。なお、平均粒径に関してはマイクロトラック粒度分布計により測定を行った。
Figure 2012222062
(表2)より、本実施例の複合磁性材料は、高酸素濃度の粉末Aに対し、低酸素濃度の粉末Bの含有量が5〜25wt%の範囲で優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
(実施例3)
ガスアトマイズ法にて、組成が重量%で8.9Si5.0Albal.Feで平均粒径27μmの金属磁性粉末A1と(表3)記載の平均粒径の金属磁性粉末B2を準備した。なお、準備した金属磁性粉末の酸素濃度は150ppmであった。
得られた金属磁性粉末に対し、金属磁性粉末A1に関しては770℃で2h大気中熱処理を行い酸素濃度を4900ppmに調整した。金属磁性粉末B2に関しては酸化還元処理を行わず酸素濃度150ppmにて用い、含有量が23wt%となるよう配合し混合して試料作成用の金属磁性粉末に供した。
準備した金属磁性粉末100重量部に対し結着材としてブチラール樹脂を1.2重量部添加した後、エタノールを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを15ton/cm2にて加圧成形を行い、アルゴンガス雰囲気にて830℃で1h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場55Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数120kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表3)に示す。なお、平均粒径に関してはマイクロトラック粒度分布計により測定を行った。
Figure 2012222062
(表3)より、本実施例の複合磁性材料は、金属磁性粉末A1の平均粒径をDA、金属磁性粉末B2の平均粒径をDBとしたとき、DB/DA≦0.16の関係が成立するとき優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
(実施例4)
ガスアトマイズ粉、水アトマイズ粉、粉砕粉の各々について、組成が重量%で9.5Si6.0Albal.Feで、平均粒径が22μmの金属磁性粉末A1と平均粒径が3.5μmの金属磁性粉末B2を準備した。このとき、金属磁性粉末A1の平均粒径をDA、金属磁性粉末B2の平均粒径をDBとすると、DB/DA=0.16の関係となる。得られた金属磁性粉末に対し、雰囲気中熱処理を行い、金属磁性粉末A1は酸素濃度を3500ppmに、金属磁性粉末B2に関しては酸素濃度を220ppmに調整した。
なお、酸化処理の場合は100〜900℃の範囲で0.1〜4h大気中にて熱処理を行った。また、還元処理の場合は700〜1000℃の範囲で0.5〜3h水素雰囲気にて熱処理を行った。酸素濃度調整後の金属磁性粉末B2の含有量が20wt%となるように配合し混合して試料作成用の金属磁性粉末に供した。
準備した金属磁性粉末100重量部に対し、結着剤としてシリコーン樹脂を2.0重量部添加した後、トルエンを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを9ton/cm2にて加圧成形を行い、窒素ガス雰囲気にて800℃で0.5h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場50Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表4)に示す。
Figure 2012222062
(表4)より、本実施例の複合磁性材料はアトマイズ粉を用いることが好ましく、優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。なお、平均粒径に関してはマイクロトラック粒度分布計により測定を行った。
(実施例5)
ガスアトマイズ法にて、組成が重量%で8.7Si6.5Albal.Feで、(表5)記載の平均粒径の金属磁性粉末を準備した。
得られた金属磁性粉末に対し、雰囲気中熱処理を行い(表5)記載の酸素濃度に調整した。なお、酸化処理の場合は100〜900℃の範囲で0.1〜4h大気中にて熱処理を行った。また、還元処理の場合は700〜1000℃の範囲で0.5〜3h水素雰囲気にて熱処理を行った。酸素濃度調整後の金属磁性粉末B2の含有量が23wt%となるよう配合し混合して試料作成用の金属磁性粉末に供した。
準備した金属磁性粉末100重量部に対し結着材としてアクリル樹脂を1.5重量部添加した後、トルエンを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを12ton/cm2にて加圧成形を行い成形体とした。得られた成形体をヘリウムガス雰囲気にて800℃で1h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場52Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表5)に示す。なお、平均粒径に関してはマイクロトラック粒度分布計により測定を行った。
Figure 2012222062
(表5)より、本実施例の複合磁性材料は高酸素濃度の粉末の平均粒径が5〜100μmの範囲で優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
(実施例6)
水アトマイズ法にて、組成が重量%で9.3Si5.2Albal.Feで、平均粒径が20μmの金属磁性粉末A1と平均粒径が3μmの金属磁性粉末B2の金属磁性粉末を準備した。このとき、金属磁性粉末A1の平均粒径をDA、金属磁性粉末B2の平均粒径をDBとすると、DB/DA=0.15の関係となる。なお、得られた金属磁性粉末の酸素濃度は1800ppmであった。
得られた金属磁性粉末に対し、金属磁性粉末A1においては大気中で700℃で0.5h、金属磁性粉末B2においては水素雰囲気にて950℃で3h熱処理を行い、各々酸素濃度を4500ppm、390ppmに調整した。
酸素濃度調整後の粉末を金属磁性粉末B2が24wt%となるよう配合し混合して試料作成用の金属磁性粉末に供した。
準備した金属磁性粉末100重量部に対し、結着剤としてシリコーン樹脂を0.8重量部添加した後、トルエンを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを(表6)記載の成形圧力で加圧成形を行い、窒素ガス雰囲気にて750℃で0.5h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失及び金属磁性粉末の充填率について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場50Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。金属磁性粉末の充填率に関しては金属磁性粉末の真密度でトロイダルコアの密度を除することにより算出した。得られた結果を(表6)に示す。
Figure 2012222062
(表6)より、本実施の形態の複合磁性材料は、成形圧力が6ton/cm2以上で、金属磁性粉末の充填率が85vol%が得られ、優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。なお、平均粒径に関してはマイクロトラック粒度分布計により測定を行った。
(実施例7)
ガスアトマイズ法にて、組成が重量%で9.0Si4.9Albal.Feで、平均粒径が21μmの金属磁性粉末A1と平均粒径が2.5μmの金属磁性粉末B2の金属磁性粉末を準備した。このとき、金属磁性粉末A1の平均粒径をDA、金属磁性粉末B2の平均粒径をDBとすると、DB/DA=0.12の関係となる。
なお、得られた金属磁性粉末の酸素濃度は250ppmであった。
得られた金属磁性粉末に対し、金属磁性粉末A1においては大気中800℃で0.2h熱処理を行い酸素濃度を5100ppmに調整した。なお、金属磁性粉末B2に関しては熱処理を行わず用いた。
酸素濃度調整後の金属磁性粉末B2が18wt%となるよう配合し混合して試料作成用の金属磁性粉末に供した。
準備した金属磁性粉末100重量部に対し、結着剤としてブチラール樹脂を2.0重量部添加した後、エタノールを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを15ton/cm2の成形圧力で加圧成形を行い、窒素ガス雰囲気にて(表7)記載の温度で2.0h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場49Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表7)に示す。なお、平均粒径に関してはマイクロトラック粒度分布計により測定を行った。
Figure 2012222062
(表7)より、本実施例の複合磁性材料は、熱処理温度が700〜1000℃の範囲で優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
本発明は電子機器のインダクタ、チョークコイル、トランスその他に用いられる複合磁性体において、優れた磁気特性を実現する上で有用である。
1 金属磁性粉末A
2 金属磁性粉末B

Claims (6)

  1. Fe−Si−Al系の金属磁性粉末と結着材とを添加混合し、加圧成形して成形体とした後、前記成形体に熱処理を施した複合磁性材料において、
    前記金属磁性粉末は異なる酸素濃度を有した金属磁性粉末A、金属磁性粉末Bからなり、前記金属磁性粉末Aの酸素濃度が1500〜6500ppm、前記金属磁性粉末Bの酸素濃度が400ppm以下であり、前記金属磁性粉末中における前記金属磁性粉末Bの含有量を5〜25wt%の範囲とし、前記金属磁性粉末Aの平均粒径をDA、前記金属磁性粉末Bの平均粒径をDBとしたとき、DBとDAが、DB/DA≦0.16となる関係を満たすことを特徴とした複合磁性材料。
  2. 前記金属磁性粉末がアトマイズ粉である請求項1記載の複合磁性材料。
  3. 前記金属磁性粉末Aの平均粒径DAが5〜100μmである請求項1または請求項2に記載の複合磁性材料。
  4. 前記成形体中における前記金属磁性粉末Aおよび前記金属磁性粉末Bの充填率が85vol%以上である請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の複合磁性材料。
  5. 前記加圧成形は6ton/cm2以上で行われたものである請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の複合磁性材料。
  6. 前記熱処理は非酸化性雰囲気中で700〜1000℃の温度で行われたものである請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の複合磁性材料。
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