JP2011211026A - 複合磁性材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】インダクタ、チョークコイル、トランス等電磁気部品の小型化及び高周波域で使用可能な優れた磁気特性複合磁性体を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は上記課題を解決するもので、少なくとも金属磁性粉末と添加剤と絶縁性結着剤とを加圧成形した複合磁性材料であり、前記添加剤が下記式(1)で示される亜リン酸エステルであるという構成としたことにより、耐熱性を高め、高温熱処理を可能とし、磁気特性に優れた複合磁性材料を実現できるものである。
P(OR)3 (1)
(式中、Rは鎖式炭化水素基)
【選択図】なし

Description

本発明は電子機器のインダクタ、チョークコイル、トランスその他に用いられる複合磁性体に関するものである。
近年の電気・電子機器の小型化に伴い、磁性体についても小型かつ高効率のものが要求されている。従来の磁性体としては、例えば高周波回路で用いられるチョークコイルではフェライト粉末を用いたフェライト磁芯および金属磁性粉末の成形体である圧粉磁芯がある。
このうち、フェライト磁芯は飽和磁束密度が小さく、直流重畳特性に劣るという欠点を有している。このため、従来のフェライト磁芯においては、直流重畳特性を確保すべく磁路に対して垂直な方向に数100μmのギャップを設け、直流重畳時のインダクタンスL値の低下を防止している。しかし、このような広いギャップはうなり音の発生源となるほか、ギャップから発生する漏洩磁束が特に高周波帯域において巻線に銅損失の著しい増加をもたらす。
これに対して、金属磁性粉末を成形して作製される圧粉磁芯は、フェライト磁芯に比べて著しく大きい飽和磁束密度を有しており小型化には有利といえる。また、フェライト磁芯と異なりギャップ無しで使用できるため、うなり音や漏洩磁束による銅損失が小さいという特徴を持っている。
しかしながら、圧粉磁芯は透磁率およびコア損失についてはフェライト磁芯より優れているとはいえない。特にチョークコイルやインダクターに使用する圧粉磁芯では、コア損失が大きい分コアの温度上昇が大きくなり、小型化が図りにくい。また、圧粉磁芯はその磁気特性を向上するために成形密度を上げる必要があり、その製造時に通常6ton/cm2以上の成形圧力を、製品によっては10ton/cm2以上の成形圧力を必要とする。
ここに、圧粉磁芯のコア損失は、通常、ヒステリシス損失と渦電流損失とからなる。金属材料においては、その固有抵抗値が低いため、磁界の変化に対して、その変化を抑制するように渦電流が流れることから、渦電流損失が問題となる。渦電流損失は周波数の二乗および渦電流が流れるサイズの二乗に比例して増大する。従って、金属磁性粉末の表面を絶縁材で被覆することにより渦電流が流れるサイズを金属磁性粉末粒子間にわたるコア全体から、金属磁性粉末粒子内のみに抑えることが可能となり、渦電流損失を低減させることができる。
一方、ヒステリシス損失について、圧粉磁芯は高い圧力で成形されるため、磁性体に多数の加工歪が導入され、透磁率が低下し、ヒステリシス損失が増大する。これを回避するため、成形後、歪みを解放するための熱処理が施される。
しかしながら、従来圧粉磁芯の絶縁結着剤として使用されるエポキシ樹脂、フェノール樹脂,塩化ビニル樹脂等のほとんどの有機系樹脂は歪みを開放するために高温熱処理を施すとその耐熱性が低く熱分解されるために使用が不可能である。
前記課題に対する解決策としては、例えば、特許文献1のように、ポリシロキサン樹脂を用いる方法が提案されている。
特開平6−29114号公報
しかしながら、前記従来の技術では、耐熱温度は500〜600℃程度でありそれ以上の温度での熱処理は困難であるという課題を有していた。
本発明は上記課題を解決するもので、高温熱処理を可能とし優れた磁気特性を実現する複合磁性材料を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、少なくとも金属磁性粉末と添加剤と絶縁性結着剤とを加圧成形した複合磁性材料であり、前記添加剤が下記式(1)で示される亜リン酸エステルであるという構成とした複合磁性材料である。
P(OR)3 (1)
(式中、Rは鎖式炭化水素基)
本発明の複合磁性材料は、添加剤として下記式(1)で示される亜リン酸エステルを用いることにより、耐熱性を高め、高温熱処理を可能とし、磁気特性に優れた複合磁性材料を実現できる。
P(OR)3 (1)
(式中、Rは鎖式炭化水素基)
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における複合磁性材料について説明する。
本実施の形態に用いられる金属磁性粉末は、少なくとも飽和磁化の高いFeを含むものであり、好ましくはFe、Fe−Si系、Fe−Ni系、Fe−Si−Al系から選ばれる少なくとも一種である。
本実施の形態に用いられるFe−Si系粉末は、Siの含有量が1wt%以上8wt%以下であり残部がFe及び不可避な不純物からなるものである。本発明におけるSiの役割は磁気特性を向上させるものであり、磁気異方性、磁歪定数を小さくし、また電気抵抗を高め渦電流損失を低減させる効果がある。Si添加量としては1wt%以上8wt%以下が好ましい。1wt%より少ないと磁気特性の改善効果に乏しく、8wt%より多いと飽和磁化の低下が大きく直流重畳特性が低下する。
本実施の形態に用いられるFe−Ni系粉末は、Niの含有量が40wt%以上90wt%以下であり残部がFe及び不可避な不純物からなるものである。本発明におけるNiの役割は磁気特性を向上させるものであり、添加量としては40wt%以上90wt%以下が好ましい。40wt%より少ないと磁気特性の改善効果に乏しく、90wt%より多いと飽和磁化の低下が大きく直流重畳特性が低下する。さらに、透磁率改善のため1〜6wt%のMoを添加することも可能である。
本実施の形態に用いられるFe−Si−Al系粉末は、Siの含有量が6wt%以上12wt%以下、Alの含有量が4wt%以上8wt%以下であり残部がFe及び不可避な不純物からなるものである。本発明におけるSi、Alの役割は磁気特性を向上させるものであり、上記組成範囲とすることが好ましい。Si、Alの添加量が上記組成範囲より少ないと磁気特性の改善効果に乏しく、上記組成範囲より多いと飽和磁化の低下が大きく直流重畳特性が低下する。
本実施の形態に用いられる金属磁性粉末の平均粒径としては、1μm以上100μm以下が好ましい。平均粒径が1μmより小さいと成形密度が低くなり、透磁率が低下するため好ましくない。平均粒径が100μmより大きくなると高周波での渦電流損失が大きくなり好ましくない。さらに好ましくは50μm以下とすることが良い。
本実施の形態に用いられる金属磁性粉末の作成方法は特に限定されるものでなく、各種アトマイズ法や各種粉砕粉を用いることが可能である。
本実施の形態に用いられる金属磁性粉末の形状は特に限定されるものではなく、略球状、扁平形状等使用目的に応じて選定すればよい。
本実施の形態に用いられる絶縁性結着剤としては、有機珪素化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物より選ばれる少なくとも一種であり、シラン系、チタン系、アルミニウム系カップリング剤や、シリコーン樹脂などが挙げられる。これら有機化合物は、高温熱処理を行った場合でも、含有するシリコン、チタン、アルミニウム元素が熱分解中において骨格中や熱処理雰囲気中の酸素と結合し絶縁性の酸化物を形成するため、高温熱処理後においても金属磁性粉末間の絶縁性を確保することが可能となる。
また、成形体強度の点から例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂などを副成分として添加することも可能である。
なお、絶縁助剤として無機絶縁性粉末を添加することも可能であり、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、雲母、タルク、カオリン等が挙げられる。
本実施の形態に用いられる添加剤としては、下記式(1)で示される亜リン酸エステルである。
P(OR)3 (1)
(式中、Rは鎖式炭化水素基)
Pは価数を5価までとり得、結合に関与する価電子を5個有するが、前記式(1)で示される亜リン酸エステルにおいて、Pに結合している有機体は3個であり、すなわち、前記式(1)中におけるPは結合に関与していない価電子が2個残存しており活性が高い。一方、前記Pに結合している有機体は親油性であり親水性である金属磁性粉末表面とはなじみが悪く、この結果、Pが金属磁性粉末表面に結合し、金属磁性粉末表面が前記有機体にて覆われた構造となる。このとき、前記有機体は金属磁性粉末同士の接触を阻害するとともに、上記した有機体である本実施の形態に用いられる絶縁性結着剤と濡れ性に優れているため確実に金属磁性粉末間に前記絶縁性結着剤を介在させることが可能となる。この結果、高温熱処理後も金属磁性粉末間には前記絶縁性結着剤より生成した絶縁性酸化物が介在し、金属磁性粉末同士の接触を阻害し金属磁性粉末間の絶縁性を確保することが可能となる。
なお、添加剤としてリン酸エステルを用いた場合、本実施の形態と同様な効果は得られなかった。原因は明確ではないが、リン酸エステルを構成するPにおいては5個の価電子全てが結合に関与しており、そのため、亜リン酸エステルを構成するPと比較して活性が低く、そのため金属磁性粉末表面への被覆性が低く、その結果金属磁性粉末間における絶縁性結着剤の介在状態が不均一となり、高温熱処理後における金属磁性粉末間の絶縁性の確保が困難であった為と推察される。
本実施の形態に用いられる添加剤として好ましくは、前記式(1)中におけるR(鎖式炭化水素基)の炭素数が8〜20である亜リン酸エステルである。前記炭素数は多いほど金属磁性粉末同士の接触を阻害する効果は高いが、多すぎると成形密度の低下を引き起こす。炭素数としては前記範囲がより好ましい。
本実施の形態に用いられる絶縁性結着剤の添加量としては、金属磁性粉末100重量部に対し0.1重量部以上が好ましい。0.1重量部より少ないと、耐熱性が低下するため好ましくない。
本実施の形態に用いられる添加剤の添加量としては、金属磁性粉末100重量部に対し0.05重量部以上が好ましい。0.05重量部より少ないと、金属磁性粉末同士の接触の阻害効果が乏しく耐熱性が低下するため好ましくない。
本実施の形態に用いられる添加剤及び絶縁性結着剤の添加量の上限としては、総和が6重量部以下が好ましい。総和が6重量部より多いと、成形密度が低下し磁気特性が低下するため好ましくない。また、前記添加剤の添加量が前記絶縁性結着剤の添加量より多いと、金属磁性粉末間の前記絶縁性結着剤の介在状態の不均一性を引き起こし耐熱性が低下するため好ましくない。
本実施の形態における添加剤及び絶縁性結着剤の混合分散方法は特に限定されるものでなく、例えば、回転ボールミル、遊星型ボールミル等各種ボールミル、Vブレンダー、プラネタリーミキサー等を用いることが可能である。好ましくは、金属磁性粉末に対し添加剤を添加し混合分散を行い、次いで絶縁性結着剤を添加し混合分散を行う2段階混合分散工程とすることが好ましい。
本実施の形態における加圧成形方法は特に限定されるものではなく、通常の加圧成形法が用いられる。成形圧力としては6ton/cm2以上20ton/cm2以下の範囲が好ましい。6ton/cm2より低いと金属磁性粉末の充填率が低く高い磁気特性が得られない。20ton/cm2より高いと加圧成形時の金型強度を確保するため金型が大型化し、また、成形圧力を確保するためプレス機が大型化する。さらに、金型、プレス機の大型化により生産性が低くなり、コストアップにつながる。
本実施の形態における加圧成形後の熱処理は、加圧成形時に金属磁性粉末に導入される加工歪みによる磁気特性の低下を防ぐものであり、加工歪みの開放が目的である。熱処理温度としてはより高温とする方が良いが、あまり温度を上げると粉末粒子間絶縁が不充分となり渦電流損失が増大するため好ましくない。好ましくは700〜1000℃の範囲である。700℃より低いと加工歪の開放が十分とは言えず磁気特性が低く、1000℃より高いと金属磁性粉末間の絶縁性を十分確保することが難しく渦電流損失が増大するため好ましくない。
熱処理雰囲気としては、金属磁性粉末の酸化による磁気特性低下を抑制するため非酸化性雰囲気が好ましく、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等不活性雰囲気である。前記不活性ガス純度としては4N〜5Nのものが使用可能である。前記純度のガスにおいては数ppm程度の酸素が含まれるが、金属磁性粉末において著しい酸化は生じず、磁気特性の劣化には至らない。なお、5Nより高純度のガスにおいても使用可能であることは言うまでもない。
以下、本発明の複合磁性材料の実施例について説明する。
(実施例1)
平均粒径が25μmで、組成が重量%で9.2Si5.3Albal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末100重量部に対し(表1)記載の添加剤を0.1重量部添加した後混合分散を行った。その後絶縁性結着剤としてシリコーン樹脂を1.2重量部添加した後、トルエンを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを15ton/cm2にて加圧成形を行い、純度5Nのアルゴンガス雰囲気にて830℃で1h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外形14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場55Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数120kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表1)に示す。
Figure 2011211026
(表1)より、本実施の形態の複合磁性材料は優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。また、試料No.1と試料No.2を比較すると添加剤としてステアリン酸エステルを用いた場合では本実施の形態の効果は得られないことがわかる。
(実施例2)
平均粒径が15μmで組成が重量%で49.5Nibal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末100重量部に対し、添加剤として(表2)記載の亜リン酸エステルを0.2重量部添加した後混合分散を行った。その後絶縁性結着剤としてシリコーン樹脂を2.0重量部添加した後、トルエンを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを9ton/cm2にて加圧成形を行い、純度4Nの窒素ガス雰囲気にて790℃で0.5h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外形14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場50Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表2)に示す。
Figure 2011211026
(表2)より、本実施の形態の複合磁性材料は優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。さらに、試料No.12、13、18、19と試料No.14、15、16、17を比較すると、亜リン酸エステルの鎖式炭化水素基の炭素量が8〜20の範囲がより好ましく、より低いコア損失とより高い透磁率を実現している。
(実施例3)
平均粒径が20μmで組成が重量%で4.2Sibal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末100重量部に対し添加剤として(表3)記載の亜リン酸エステルを添加した後混合分散を行った。その後(表3)記載の絶縁性結着剤を添加した後、トルエンを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを12ton/cm2にて加圧成形を行い成形体とした。得られた成形体を純度6Nのヘリウムガス雰囲気にて800℃で1h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外形14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場52Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表3)に示す。
Figure 2011211026
(表3)より、本実施の形態の複合磁性材料は、試料No.20〜25と試料No.29、30を比較すると、絶縁性結着剤として有機珪素化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物より選ばれる少なくとも1種を用いることにより、優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。さらに、試料No.20〜25と試料No.26を比較すると添加剤と絶縁性結着剤の総和が6重量部以下の範囲が好ましいこと、試料No.20〜25と試料No.27を比較すると添加剤の添加量が0.05重量部以上が好ましいこと、試料No.20〜25と試料No.28を比較すると絶縁性結着剤の添加量が0.1重量部以上が好ましいことがわかる。
(実施例4)
平均粒径が20μmで組成が重量%で78Ni5Mobal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末100重量部に対し、亜リン酸エステルであるトリオレイルフォスファイト((C1835O)3P)を添加剤として0.5重量部添加した後混合分散を行った。その後絶縁性結着剤としてシリコーン樹脂を3.0重量部添加した後、トルエンを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを(表4)記載の成形圧力で加圧成形を行い、純度4Nの窒素ガス雰囲気にて750℃で0.5h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外形14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場50Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表4)に示す。
Figure 2011211026
(表4)より、本実施の形態の複合磁性材料は、成形圧力が6ton/cm2以上で優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
(実施例5)
平均粒径が27μmで組成が重量%で6.4Sibal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末100重量部に対し、亜リン酸エステルであるトリステアリルフォスファイト((C1837O)3P)を添加剤として1.0重量部添加した後混合分散を行った。その後絶縁性結着剤としてシリコーン樹脂を2.0重量部添加した後、トルエンを少量加え混合分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを15ton/cm2の成形圧力で加圧成形を行い、純度5Nの窒素ガス雰囲気にて(表5)記載の温度で2.0h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外形14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性及びコア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場49Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表5)に示す。
Figure 2011211026
(表5)より、本実施の形態の複合磁性材料は、熱処理温度が700〜1000℃の範囲で優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
本発明は電子機器のインダクタ、チョークコイル、トランスその他に用いられる複合磁性体において、優れた磁気特性を実現する上で有用である。

Claims (6)

  1. 少なくとも金属磁性粉末と添加剤と絶縁性結着剤とを加圧成形した複合磁性材料であり、前記添加剤が下記式(1)で示される亜リン酸エステルであることを特徴とする複合磁性材料。
    P(OR)3 (1)
    (式中、Rは鎖式炭化水素基)
  2. 前記式(1)に示される鎖式炭化水素基の炭素数が8〜20であることを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料。
  3. 前記絶縁性結着剤が有機珪素化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料。
  4. 前記金属磁性粉末がFe、Fe−Si系、Fe−Ni系、Fe−Si−Al系より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料。
  5. 加圧成形を6ton/cm2以上で行うことを特徴とする請求項1〜4記載の複合磁性材料。
  6. 非酸化性雰囲気中で700〜1000℃の温度で熱処理したことを特徴とする請求項1〜5記載の複合磁性材料。
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