JP2001023811A - 圧粉磁芯 - Google Patents

圧粉磁芯

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JP2001023811A
JP2001023811A JP11191444A JP19144499A JP2001023811A JP 2001023811 A JP2001023811 A JP 2001023811A JP 11191444 A JP11191444 A JP 11191444A JP 19144499 A JP19144499 A JP 19144499A JP 2001023811 A JP2001023811 A JP 2001023811A
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soft magnetic
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dust core
powder
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Hiroshi Fujii
浩 藤井
Kazuaki Onishi
一彰 大西
Yuji Mido
勇治 御堂
Shinya Matsutani
伸哉 松谷
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/14708Fe-Ni based alloys
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、変圧器、電動機、チョーク、ノイ
ズフィルター等に用いられる高性能な金属系複合磁性材
料に関し、特に磁芯用として使われる低損失で高透磁率
な圧粉磁芯を提供することを目的としたものである。 【解決手段】 添加元素としてIVB族であるSi、G
e、Snのうち少なくとも一つを0.1〜6.5wt%
加えたFe−Ni系軟磁性合金粉末、より好ましくは添
加元素としてIVB族であるSi、Ge、Snのうち少な
くとも一つを0.1〜6.5wt%加えたFe−Ni系
軟磁性合金粉末のNi組成が重量で45%以上68%以
下、残Feを主成分とする粉末を用いた圧粉磁芯を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変圧器、電動機、
チョーク、ノイズフィルター等に使用される高性能な軟
磁性合金粉末を用いた圧粉磁芯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子機器の小型化が進み、
小型で高効率の磁性材料が要求されており、高周波で用
いられるチョークコイルとして、フェライト磁芯や圧粉
磁芯が使用されている。これらのうち、フェライト磁芯
は飽和磁束密度が小さいという欠点を有しており、一方
これに対して、金属磁性粉を成形して作成される圧粉磁
芯は、フェライト磁芯に比べて著しく大きい飽和磁束密
度を有しており小型化の面で有利であった。しかし圧粉
磁芯は透磁率および電力損失についてはフェライトより
優れているとはいえず、そのためチョークコイルやイン
ダクターに使用すると、コア損失が大きいためにコアの
温度上昇が大きくなって、小型化が難しくなるという一
面があった。
【0003】一般に、圧粉磁芯のコア損失は、通常ヒス
テリシス損失と渦電流損失よりなる。渦電流損失は、周
波数の二乗と渦電流が流れるサイズすなわち渦電流経路
長の二乗に比例して増大し、そのため磁性粉末表面を電
気絶縁性樹脂等で覆うことにより渦電流の発生を抑制し
ていた。一方、ヒステリシス損失は、圧粉磁芯の成形が
通常5ton/cm2以上の成形圧力で行われるため
に、磁性体として歪みが増大するとともに透磁率も劣化
するために、ヒステリシス損失が増大する。これを回避
するために、歪みを解放することが行われ例えば特開平
6−342714号公報、特開平8−37107号公
報、特開平9−125108号公報に記載されているよ
うな成形後の熱処理が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高周波
かつ大電力下で用いられる小型のトランスやチョークコ
イルの要望が強くなってきている昨今、高透磁率かつ低
コア損失な圧粉磁芯が期待されている。
【0005】高飽和磁束密度かつ高透磁率で知られる従
来のFe−Ni系軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤からな
る複合磁性材料は延性金属であるため圧粉磁芯の成形に
より歪みが加わり、透磁率の劣化とともにヒステリシス
損失が増大することが課題とされ、これを回避するため
に、成形後の熱処理などの歪みを解放する手段がとられ
てきた。ところが延性金属であるFe−Ni系軟磁性合
金粉末と絶縁性結着剤からなる複合磁性材料に加わった
歪みを十分解放するためには、成形後の熱処理温度を高
温まで上昇させる必要があり、渦電流損失の増大を抑制
する絶縁性結着剤で形成された絶縁膜の耐熱性も問題で
あった。
【0006】本発明は、上記問題を解消するためになさ
れたもので、高透磁率かつ低コア損失で発熱が少ないF
e−Ni系軟磁性合金粉末を用いた圧粉磁芯を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するため、添加元素としてIVB族であるSi、Ge、
Snのうち少なくとも一つを0.1〜6.5wt%加え
たFe−Ni系軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤からなる
圧粉磁芯において、高透磁率かつ低コア損失を実現でき
るものである。さらに、添加元素としてIVB族であるS
i、Ge、Snのうち少なくとも一つを0.1〜6.5
wt%加えたFe−Ni系軟磁性合金粉末の組成が重量
で45%≦Ni≦68%、残Feを主成分とすることが
高磁気特性の実現にはより好ましい。
【0008】本発明者達は、Fe−Ni系軟磁性合金粉
末の製造および圧粉磁芯成形で加わる歪みを従来圧粉磁
芯より低い熱処理温度で解放できる添加元素を研究した
結果、IVB族であるSi、Ge、Snのうち少なくとも
一つを0.1〜6.5wt%添加したFe−Ni系軟磁
性合金粉末を用いることで、従来と比較して同熱処理条
件下で歪み解放量が大きくヒステリシス損失が小さくな
ることおよび電気抵抗の増加による高周波での渦電流損
失が低減することを見出し、熱処理温度の低温化ととも
に高透磁率かつ低損失の圧粉磁芯を実現した。
【0009】すなわち本発明は、添加元素としてIVB族
のSi、Ge、Snのうち少なくとも一つを加えたFe
−Ni系軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤からなる圧粉磁
芯では、熱処理時の原子拡散すなわち格子の規則化速度
を促進するため、軟磁性合金粉末の製造および圧粉磁芯
成形で加わる歪みを従来圧粉磁芯よりも低温で解放で
き、低損失かつ高透磁率な圧粉磁芯が得られるものであ
る。また、Ni組成の重量が68wt%以上85wt%
以下のFe−Ni系軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤から
なる圧粉磁芯は、格子の規則性が高く、高磁気特性を得
るための効果が小さくなる。IVB族元素を添加したFe
−Ni系軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤からなる圧粉磁
芯において高磁気特性が得られるのは、Ni組成は重量
で45%≦Ni≦68%、残Feを主成分とする粉末、
より好ましくは重量で45%≦Ni≦56%、残Feを
主成分とする粉末を用いることにより、さらに優れた効
果が得られることを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の圧粉磁芯は、添加元素と
してIVB族であるSi、Ge、Snのうち少なくとも一
つを0.1〜6.5wt%加えたFe−Ni系軟磁性合
金粉末と絶縁性結着剤からなる圧粉磁芯において、高透
磁率かつ低コア損失を実現できるものである。さらに、
添加元素としてIVB族であるSi、Ge、Snのうち少
なくとも一つを0.1〜6.5wt%加えたFe−Ni
系軟磁性合金粉末の組成が重量で45%≦Ni≦68
%、残Feを主成分とすることが高磁気特性の実現には
より好ましい。
【0011】本発明の圧粉磁芯に用いられるFe−Ni
系軟磁性合金粉末は、ガスアトマイズ法または水アトマ
イズ法または溶融による合金化後の粉砕法により得られ
る粉末であることが望ましい。また粉末形状は、球状、
偏平状また多角形状のいずれであってもよい。粉末の平
均粒径は1〜100μmであることが好ましく、特に1
〜50μmであることがより好ましい。平均粒径が1μ
m以下では、渦電流損失増加の抑制には有効であるが、
成形体密度が小さくなるため透磁率が低下してしまうた
め望ましくない。この軟磁性合金粉末に含まれる酸素含
有量は4000ppm以下であり、粉末の保持力は12
00A/m以下であることがより望ましい。
【0012】本発明の圧粉磁芯に用いられるFe−Ni
系軟磁性合金粉末は、厚み5nm以上の酸化膜で被覆さ
れていることがより好ましい。この被覆膜は、圧粉磁芯
中にある軟磁性合金粉末の絶縁性を向上させ、渦電流損
失がより低減される。
【0013】本発明の圧粉磁芯に用いられる絶縁性結着
剤は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹
脂、ブチラール樹脂、有機シリコーン樹脂のうち少なく
とも一つからなることが好ましい。なお、成形された圧
粉磁芯は500℃以上900℃以下の温度で熱処理する
ため、結着剤成分の軟磁性合金粉末への拡散が少ないこ
とが好ましい。また熱処理雰囲気は、粉末の酸化を防ぐ
意味から非酸化性雰囲気で行うことが望ましい。
【0014】熱処理後、絶縁性含浸剤で含浸することが
好ましい。これは成形された圧粉磁芯を500℃以上で
熱処理すると樹脂等の結着剤は分解し、コア強度が低下
することがある。このため、熱処理後、絶縁性含浸剤で
含浸することで、コア強度の向上、軟磁性合金粉末の防
錆、粉末表面の高抵抗化等の効果を得ることができる。
また真空含浸は、熱処理後コアの内部まで含浸剤が浸透
するため、より好ましい含浸方法である。
【0015】以下に、本発明の具体例を説明する。
【0016】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1における複合磁性体について説明する。
【0017】IVB族のSi、Ge、Snを添加したFe
−Ni系軟磁性合金粉末を、(表1)に示す組成になる
ようガスアトマイズ法により作成した。粉体の酸素量は
いずれも800ppm以上3000ppm以下で、粉末
の保持力は1200A/m以下であった。(表1)に示
す組成の軟磁性合金粉末が平均粒径25μmになるよう
にふるいで分級し、その金属粉末100重量部に対し絶
縁性結着剤として有機シリコーン樹脂1.8重量部を加
え混合した。その混合粉を一軸プレス機により、圧力1
2t/cm2で、外径25mm、内径15mm、厚み約
10mmのトロイダル形状の成形体を形成した。この成
形体を窒素雰囲気中、700℃で熱処理した後、シリコ
ーン樹脂で含浸して試料を作成した。
【0018】透磁率の測定は、LCRメーターにおいて
周波数50kHzで、コア損失の測定は交流B−Hカー
ブ測定機を用いて測定周波数100kHz、測定磁束密
度0.1Tで測定を行った。また用途によって若干異な
るがチョークコイルでは、測定周波数100kHz、測
定磁束密度0.1Tでコア損失1000kW/m3
下、透磁率は50以上必要とされるが、測定周波数10
0kHz、測定磁束密度0.1Tでコア損失1000k
W/m3以下、透磁率は80以上がより好ましい。
【0019】(表1)に示す結果から明らかなように、
添加元素としてIVB族であるSi、Ge、Snのうち少
なくとも一つを0.1〜6.5wt%加えたFe−Ni
系軟磁性合金粉末の組成が重量で45%≦Ni≦68
%、残Feを主成分とする軟磁性合金粉末とシリコーン
樹脂等の絶縁性結着剤を圧縮成形することにより、高透
磁率かつ低損失な圧粉磁芯を実現できる。より好ましく
は、Si、Ge、Snを複合添加したFe−Ni系軟磁
性合金粉末の組成が重量で45%≦Ni≦56%、残F
eを主成分とする軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤を用い
た圧粉磁芯のとき、さらに優れた効果を得ることができ
る。
【0020】また、(表1)には請求項に示した組成範
囲をすべて記載していないが、請求項に示した組成範囲
では、高透磁率かつ低損失が圧粉磁芯を実現できること
はいうまでもない。
【0021】
【表1】
【0022】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2における複合磁性体について説明する。
【0023】最終組成においてNiが53.5wt%、
Siが2.5wt%、Snが2.6wt%、残Feを主
成分とするFe−Ni系軟磁性合金粉末をインゴット粉
砕法により作成し、(表2)に示す平均粒径になるよう
に、ふるいあるいは空気分級法により分級した。これら
金属粉末の酸素量はすべて4000ppm以下、粉末の
保持力は1200A/m以下であった。その金属粉末1
00重量部に対し絶縁性結着剤として有機シリコーン樹
脂5.2重量部を加え混合した。その混合粉を一軸プレ
ス機により、圧力10t/cm2で、外径25mm、内
径15mm、厚み約12mmのトロイダル形状の成形体
を形成した。この成形体を窒素雰囲気中720℃の温度
で熱処理した後、エポキシ樹脂で含浸して試料を作成し
た。
【0024】透磁率の測定は、LCRメーターにおいて
周波数10kHzで、コア損失の測定は交流B−Hカー
ブ測定機を用いて測定周波数100kHz、測定磁束密
度0.1Tで測定を行った。また用途によって若干異な
るがチョークコイルでは、測定周波数100kHz、測
定磁束密度0.1Tでコア損失1000kW/m3
下、透磁率は50以上必要とされるが、測定周波数10
0kHz、測定磁束密度0.1Tでコア損失1000k
W/m3以下、透磁率は80以上がより好ましい。
【0025】(表2)に示す結果から明らかなように、
平均粒子径が1μm以上100μm以下のFe−Ni系
軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤を圧縮成形してなる圧粉
磁芯の損失を小さくすることができ、好ましくは平均粒
径を1μm以上50μm以下とすることによりさらに損
失を低減することができる。
【0026】また、(表2)には請求項に示した組成範
囲をすべて記載していないが、請求項に示した組成範囲
では、平均粒子径を1μm以上100μm以下とするこ
とにより、高透磁率かつ低損失な圧粉磁芯を実現できる
ことはいうまでもない。
【0027】
【表2】
【0028】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3における複合磁性体について説明する。
【0029】最終組成においてNiが50.2wt%、
Siが1.1wt%、Geが3.8wt%、残Feを主
成分とするFe−Ni系軟磁性合金粉末の酸素含有量が
(表3)に示す量になるように水アトマイズ法により作
成し、ふるいを用いて、平均粒子径が35μmになるよ
う分級した。これら粉末の保持力は1200A/mであ
った。その金属粉末100重量部に対し絶縁性結着剤と
して有機シリコーン樹脂3.2重量部を加え混合した。
その混合粉を一軸プレス機により、圧力12t/cm2
で、外径25mm、内径15mm、厚み約13mmのト
ロイダル形状の成形体を形成した。この成形体を窒素雰
囲気中720℃の温度で熱処理した後、エポキシ樹脂で
含浸して試料を作成した。
【0030】透磁率の測定は、LCRメーターにおいて
周波数10kHzで、コア損失の測定は交流B−Hカー
ブ測定機を用いて測定周波数100kHz、測定磁束密
度0.1Tで測定を行った。また用途によって若干異な
るがチョークコイルでは、測定周波数100kHz、測
定磁束密度0.1Tでコア損失1000kW/m3
下、透磁率は50以上必要とされるが、測定周波数10
0kHz、測定磁束密度0.1Tでコア損失1000k
W/m3以下、透磁率は80以上がより好ましい。
【0031】(表3)に示す結果から明らかなように、
酸素含有量を4000ppm以下のFe−Ni系軟磁性
合金粉末と絶縁性結着剤を圧縮成形してなる圧粉磁芯の
損失を小さくすることができる。
【0032】また、(表3)には請求項に示した組成範
囲をすべて記載していないが、請求項に示した組成範囲
では、軟磁性合金粉末の酸素含有量を4000ppm以
下とすることにより、高透磁率かつ低損失な圧粉磁芯を
実現できることはいうまでもない。
【0033】
【表3】
【0034】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4における複合磁性体について説明する。
【0035】最終組成においてNiが51.5wt%、
Geが3.0wt%、Snが2.1wt%、残Feを主
成分とするFe−Ni系軟磁性合金粉末の保持力が(表
4)に示す値になるように水アトマイズ法により作成
し、ふるいを用いて、平均粒子径が25μmになるよう
分級した。これら粉末の酸素含有量は4000ppm以
下であった。その金属粉末100重量部に対し絶縁性結
着剤として有機シリコーン樹脂4.1重量部を加え混合
した。その混合粉を一軸プレス機により、圧力8t/c
2で、外径25mm、内径15mm、厚み約10.5
mmのトロイダル形状の成形体を形成した。この成形体
を窒素雰囲気中670℃の温度で熱処理した後、エポキ
シ樹脂で含浸して試料を作成した。
【0036】透磁率の測定は、LCRメーターにおいて
周波数10kHzで、コア損失の測定は交流B−Hカー
ブ測定機を用いて測定周波数100kHz、測定磁束密
度0.1Tで測定を行った。また用途によって若干異な
るがチョークコイルでは、測定周波数100kHz、測
定磁束密度0.1Tでコア損失1000kW/m3
下、透磁率は50以上必要とされるが、測定周波数10
0kHz、測定磁束密度0.1Tでコア損失1000k
W/m3以下、透磁率は80以上がより好ましい。
【0037】(表4)に示す結果から明らかなように、
磁性合金粉末の保持力を1200A/m以下としたFe
−Ni系軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤を圧縮成形して
なる圧粉磁芯の損失を小さくすることができる。
【0038】また、(表4)には請求項に示した組成範
囲をすべて記載していないが、請求項に示した組成範囲
では、Fe−Ni系軟磁性合金粉末の保持力を1200
A/m以下とすることにより、高透磁率かつ低損失な圧
粉磁芯を実現できることはいうまでもない。
【0039】
【表4】
【0040】(実施の形態5)以下、本発明の実施の形
態5における複合磁性体について説明する。
【0041】最終組成においてNiが51.5wt%、
Siが2.0wt%、Geが2.5wt%、残Feを主
成分とするFe−Ni系軟磁性合金粉末を水アトマイズ
法により作成し、ふるいを用いて、平均粒子径が30μ
mになるよう分級した。これら粉末の酸素含有量は40
00ppm以下で粉末の保持力は1200A/m以下で
あった。その軟磁性金属粉末同士の隙間δに存在するス
ペーシング材が、10 -3≦δ/d≦10-1で制御される
関係を軟磁性合金粉末に対して満たしている割合が(表
5)に示す値になるように絶縁性結着剤を添加し、軟磁
性合金粉末と混合した。その混合粉を一軸プレス機によ
り、圧力12t/cm2で、外径25mm、内径15m
m、厚み約9mmのトロイダル形状の成形体を形成し
た。この成形体を窒素雰囲気中710℃の温度で熱処理
した後、シリコーン樹脂で含浸して試料を作成した。
【0042】透磁率の測定は、LCRメーターにおいて
周波数10kHzで、コア損失の測定は交流B−Hカー
ブ測定機を用いて測定周波数100kHz、測定磁束密
度0.1Tで測定を行った。また用途によって若干異な
るがチョークコイルでは、測定周波数100kHz、測
定磁束密度0.1Tでコア損失1000kW/m3
下、透磁率は50以上必要とされるが、測定周波数10
0kHz、測定磁束密度0.1Tでコア損失1000k
W/m3以下、透磁率は80以上がより好ましい。
【0043】(表5)に示す結果から明らかなように、
Fe−Ni系軟磁性金属粉末同士の隙間δに存在するス
ペーシング材が、10-3≦δ/d≦10-1で制御される
関係を軟磁性合金粉末に対して満たしている割合が70
%以上とすることで圧粉磁芯の損失を小さくすることが
できる。
【0044】また、(表5)には請求項に示した組成範
囲をすべて記載していないが、請求項に示した組成範囲
では、Fe−Ni系軟磁性金属粉末同士の隙間δに存在
するスペーシング材が、10-3≦δ/d≦10-1で制御
される関係を軟磁性合金粉末に対して満たしている割合
が70%以上とすることにより、高透磁率かつ低損失な
圧粉磁芯を実現できることはいうまでもない。
【0045】
【表5】
【0046】(実施の形態6)以下、本発明の実施の形
態6における複合磁性体について説明する。
【0047】最終組成においてNiが54.5wt%、
Siが5.0wt%、Geが0.8wt%、残Feを主
成分とするFe−Ni系軟磁性合金粉末をガスアトマイ
ズ法により作成し、ふるいを用いて、平均粒子径が22
μmになるよう分級した。これら粉末の酸素含有量は4
000ppm以下で粉末の保持力は1200A/m以下
であった。その金属粉末100重量部に対し絶縁性結着
剤として有機シリコーン樹脂3.7重量部を加え混合し
た。その混合粉を一軸プレス機により、圧力10t/c
2で、外径25mm、内径15mm、厚み約13mm
のトロイダル形状の成形体を形成した。この成形体を窒
素雰囲気中において(表6)に示す温度条件で熱処理し
た後、エポキシ樹脂で含浸して試料を作成した。
【0048】透磁率の測定は、LCRメーターにおいて
周波数10kHzで、コア損失の測定は交流B−Hカー
ブ測定機を用いて測定周波数100kHz、測定磁束密
度0.1Tで測定を行った。また用途によって若干異な
るがチョークコイルでは、測定周波数100kHz、測
定磁束密度0.1Tでコア損失1000kW/m3
下、透磁率は50以上必要とされるが、測定周波数10
0kHz、測定磁束密度0.1Tでコア損失1000k
W/m3以下、透磁率は80以上がより好ましい。
【0049】(表6)に示す結果から明らかなように、
熱処理温度を500℃以上900℃以下とすることによ
り、Fe−Ni系軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤を圧縮
成形してなる圧粉磁芯の損失を小さくすることができ
る。
【0050】また、(表6)には請求項に示した組成範
囲をすべて記載していないが、請求項に示した組成範囲
では、Fe−Ni系軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤を圧
縮成形した成形体を窒素雰囲気中において500℃以上
900℃以下で熱処理することにより、高透磁率かつ低
損失な圧粉磁芯を実現できることはいうまでもない。
【0051】
【表6】
【0052】(実施の形態7)以下、本発明の実施の形
態7におけるコイル部品、すなわち添加物としてIVB族
であるSi、Ge、Snのうち少なくとも一つを0.1
〜6.5wt%加えたFe−Ni系軟磁性合金粉末を圧
縮成形してなる圧粉磁芯を用いたチョークコイルについ
て説明する。
【0053】このチョークコイルは、従来のフェライト
を用いたものよりも、リーケージフラックス、動作時の
唸りに非常に有効である。これは、フェライトタイプで
は直飽和を抑制する磁気ギャップが例えば中足に集中し
て構成させるのに対して、圧粉磁芯磁性材は磁性材内に
ギャップが分散されて構成されているのでコア同士はギ
ャップなしで突き合わせることができ、このため発生す
るリーケージフラックスは分散され巻線したコイルの高
周波の渦電流による発熱の影響は大きく緩和できるだけ
でなく、磁気ギャップに起因する唸りの問題も解消でき
る。
【0054】さらに用いるコアの圧粉磁芯からなる磁性
材の中で、その構成が上記内容のもので、低コア損失
で、高い透磁率を有しているので、従来のものに比べ
て、高インダクタンスで低損失のチョークコイルが達成
できる。逆に言うと、小形化が可能である。
【0055】このことを確認するために、実際の回路を
用いて検討した結果を(表7)に示した。
【0056】
【表7】
【0057】(表7)に従来のギャップ付きフェライト
を磁芯として用いたチョークコイル(1)、本実施の形
態1に示す比較例圧粉磁芯を用いたチョークコイル
(2)、そして本実施の形態1に示す圧粉磁芯を用いた
チョークコイル(3)の3種類のLと実際のDC/DC
コンバータ(周波数:300kHz)の降圧用チョーク
として用いた時の、電源回路効率を示した。
【0058】その結果、(1)従来のフェライト、
(2)本実施の形態1に示す比較例圧粉磁芯系に比べ、
(3)本実施の形態1に示す圧粉磁芯を用いた系は約
1.2倍のインダクタンスが得られ、これを用いた電源
効率も高い値を示している。
【0059】これは、本発明の圧粉磁芯を用いることに
より、高インダクタンス化が図れる。逆に、これはチョ
ークコイルの小形化が図れるということである。更に、
電源効率においても高効率化が達成し、高周波駆動での
低損失化も図れるというメリットを持つ。
【0060】これは、コイル部品として、小形化、高信
頼性を図れることを示している。
【0061】従って、この圧粉磁芯を用いたコイル部品
を用いた電源装置においては、薄形化等の小形化、低騒
音、高品質、低コストな電源装置が得られる。
【0062】セットの電源装置別に詳細に特に有効な効
果を述べると、テレビやディスプレイのような画面を有
するセットの電源装置では、リーケージフラックスによ
る画面揺れを起こさないで、実装面積を低減できるメリ
ットを付加できる。
【0063】照明の分野においては、薄形化、低ノイズ
化が強く求められており、特にコイル部品の低背化が強
く求められている中で、有効に低背化、さらには低リー
ケージフラックス化による低ノイズ化も図れるメリット
を付加できる。
【0064】パソコンの分野においても、薄形化が強く
求められており、特にコイル部品の低背化が強く求めら
れている中で、有効に低背化が図れるメリットを付加で
きる。
【0065】事務機器の分野においては、高さ方向のス
ペースが強く求められる場合が多く、有効に低背化が図
れるメリットを付加できる。
【0066】
【発明の効果】以上説明から明らかなように本発明によ
れば、高周波領域において低損失で透磁率の高い優れた
磁気特性を有する圧粉磁芯を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 19/03 C22C 45/04 B 45/02 B22F 3/00 C 45/04 3/02 M H01F 1/147 H01F 1/14 B 27/255 27/24 D (72)発明者 御堂 勇治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松谷 伸哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K017 AA04 BA06 BB01 BB06 BB16 BB18 CA07 DA02 EA03 EB01 4K018 AA08 AA30 AC01 BA16 BB04 BC08 BD01 CA08 DA11 DA21 KA44 5E041 AA07 AA19 BB03 CA02 CA04 NN12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 添加元素としてIVB族であるSi、G
    e、Snのうち少なくとも一つを0.1〜6.5wt%
    加えたFe−Ni系軟磁性合金粉末を圧縮成形してなる
    圧粉磁芯。
  2. 【請求項2】 Fe−Ni系軟磁性合金粉末の組成が重
    量で45%≦Ni≦68%、残Feを主成分とすること
    を特徴とする請求項1記載の圧粉磁芯。
  3. 【請求項3】 前記軟磁性合金粉末が、ガスアトマイズ
    法または水アトマイズ法または溶融による合金化後の粉
    砕法により形成されたものであることを特徴とする請求
    項1記載の圧粉磁芯。
  4. 【請求項4】 前記軟磁性合金粉末の酸素含有量が40
    00ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の
    圧粉磁芯。
  5. 【請求項5】 前記軟磁性合金粉末の平均粒径が1μm
    以上100μm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の圧粉磁芯。
  6. 【請求項6】 前記軟磁性合金粉末の保持力が1200
    A/m以下であることを特徴とする請求項1記載の圧粉
    磁芯。
  7. 【請求項7】 隣り合う平均粒径dの軟磁性合金粉末同
    士の隙間δに存在するスペーシング材が、10-3≦δ/
    d≦10-1で制御される関係を軟磁性合金粉末の70%
    以上で満足していることを特徴とした請求項1記載の圧
    粉磁芯。
  8. 【請求項8】 前記軟磁性合金粉末を電気的絶縁性結着
    剤と混合して圧縮成形後、500℃以上900℃以下の
    温度で熱処理したことを特徴とする請求項1記載の圧粉
    磁芯。
  9. 【請求項9】 前記電気的絶縁性結着剤が、エポキシ樹
    脂、フェノール樹脂、塩化ビニール樹脂、ブチラール樹
    脂、有機シリコーン樹脂のうち少なくとも1つからなる
    ことを特徴とする請求項7記載の圧粉磁芯。
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