JP4166460B2 - 複合磁性材料およびそれを用いた磁性素子とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変圧器、電動機、チョーク、ノイズフィルタ等に用いられる高性能な金属系の複合磁性材料に関し、特に磁芯用の軟磁性材料として用いられる複合磁性材料およびそれを用いた磁性素子とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気・電子機器の小型・高周波化が進み、その中で重要な電子部品の一つであるインダクタンス部品においては小型で高効率の磁性素子を実現できる高性能な磁性材料が要求されており、高周波で用いられるチョークコイルなどにはフェライト磁芯や圧粉磁芯が使用されている。これらのうち、比較的安価な金属酸化物からなるフェライト磁芯は飽和磁束密度が小さいという欠点を有しており、金属磁性粉を成形して作製される圧粉磁芯はフェライト磁芯に比べて著しく大きい飽和磁束密度を有している。
【0003】
しかしながら圧粉磁芯はコア損失が大きいという欠点があり、このコア損失はヒステリシス損失と渦電流損失からなり、渦電流損失は周波数の二乗と渦電流が流れるサイズの二乗に比例して増大する。この渦電流の発生を抑制するために、金属磁性粉表面に電気絶縁性樹脂等を用いて絶縁被覆することが知られている。一方、ヒステリシス損失は圧粉磁芯の成形が通常数ton/cm2以上の成形圧力で行われることによって、磁性体として歪みが増大するとともに透磁率も劣化するためにヒステリシス損失が増大する。このヒステリシス損失を回避するために歪みを解放することが行われ、例えば特開平6−342714号公報に記載されているような成形後の熱アニール処理が行われていた。これらの欠点を改良した圧粉磁芯を用いた磁性素子は直流重畳特性に優れ、小型化に有利である。
【0004】
また、小型化を図るためにコイル内蔵のコアも提案されており(特開昭54−163354号公報参照)、この方法の磁性材料はフェライトに樹脂を分散させたものを用いている。しかしながらこのフェライトの充填率には限界があり、その結果として材料固有の材料定数と合わせて更にコア部の飽和磁束密度が低くなり、直流重畳特性が悪いといった問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、軟磁性合金粉末は鉄(Fe)成分が多いほど高飽和磁束密度を有していることから直流重畳特性に有利であるものの、高温多湿時に錆が発生したり、その錆が磁性素子として回路基板上に実装された時に基板上へ落下することによる回路動作不良の発生などの原因となっている。
【0006】
そのため、上記課題を防止するために金属磁性粉の表面を電気絶縁性樹脂などで被覆しているが、金型プレスによる磁性素子の形状に成形した後に金型から離型するときに金型面と接触する成形体の側面の電気絶縁性樹脂がはがれやすく、最終製品でもその箇所での錆の発生が顕著である。
【0007】
また、磁性合金にクロム(Cr)の添加が耐食性に効果があることはステンレス鋼をはじめよく知られている。しかしながら、Crの添加量は12wt%以上でないと耐食性への効果はなく、逆に12wt%以上のCrの添加は透磁率の低下、ヒステリシス損失の増大等を招き、磁性合金粉の軟磁気特性を劣化させることになり、特に100kHz以上の高周波数領域で用いられる磁心材料としての使用は実用上問題があった。
【0008】
そのために最終製品のコア部を樹脂等で保護コーティングしたり、あるいは保護ケースに充填する等の対策がとられているが小型化、コストの面で不利である。
【0009】
本発明は上記従来の技術における課題を解決し、優れた磁気特性と耐食性を有する複合磁性材料およびそれを用いた磁性素子とその製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明は、軟磁性合金粉末と熱硬化性樹脂からなり、加圧成形後に熱処理を施すことにより軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜が形成されると共に、前記熱硬化性樹脂が硬化された複合磁性材料において、用いられる軟磁性合金粉末の組成が、1wt%≦成分A≦7wt%、2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%、0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%、そして残部が鉄(Fe)であり、成分Aとしてシリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)の内、少なくとも一つ以上を含む複合磁性材料であり、Crを添加しても磁気特性を損ねることなく、かつ耐食性に優れた複合磁性材料を実現することができる。
【0012】
本発明の請求項2に記載の発明は、軟磁性合金粉末と熱硬化性樹脂からなり、加圧成形後に熱処理を施すことにより軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜が形成されると共に、前記熱硬化性樹脂が硬化された複合磁性材料において、用いられる軟磁性合金粉末の組成が、2wt%≦ニッケル(Ni)≦15wt%、2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%、0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%、そして残部が鉄(Fe)である複合磁性材料であり、請求項1と同じ作用効果を実現することができる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の発明は、熱処理は空気中で80℃以上の温度で行った請求項1または2のいずれか一つに記載の複合磁性材料であり、軟磁性合金粉体表層の不導体膜をより強固にすることにより耐食性に優れた複合磁性材料を実現することができる。
【0014】
本発明の請求項4に記載の発明は、軟磁性合金粉末の平均粒径が1μm以上、100μm以下で構成されている請求項1または2のいずれか一つに記載の複合磁性材料であり、渦電流の低減に効果的であり、100kHz以上の高周波領域で優れた磁気特性を実現する複合磁性材料を実現することができる。
【0015】
本発明の請求項5に記載の発明は、コイルが請求項1または2のいずれか一つに記載の複合磁性体の中に埋設されている磁性素子であり、コアとコイル間の絶縁、絶縁耐圧を維持することができる。
【0016】
本発明の請求項6に記載の発明は、軟磁性合金粉末の組成が、1wt%≦成分A≦7wt%、2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%、0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%、そして残部が鉄(Fe)であり、成分Aとしてシリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)の内少なくとも一つ以上を含む軟磁性合金粉末と未硬化の熱硬化性樹脂を混合する工程と、その後顆粒状にする工程と、前記顆粒を金型内に入れると共に前記顆粒内にコイルが埋設されるように前記コイルを入れて加圧成形する工程と、次に加熱によってこの熱硬化性樹脂を硬化させるとともに軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜を形成する工程を含む磁性素子の製造方法であり、高周波領域で優れた磁気特性を有する小型の磁性素子の製造方法を実現することができる。
【0017】
本発明の請求項7に記載の発明は、軟磁性合金粉末の組成が、2wt%≦ニッケル(Ni)≦15wt%、2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%、0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%、そして残部が鉄(Fe)である軟磁性合金粉末と未硬化の熱硬化性樹脂を混合する工程と、その後顆粒状にする工程と、前記顆粒を金型内に入れると共に前記顆粒内にコイルが埋設されるように前記コイルを入れて加圧成形する工程と、次に加熱によってこの熱硬化性樹脂を硬化させるとともに軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜を形成する工程を含む磁性素子の製造方法であり、請求項6と同じ作用を有する磁性素子を実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複合磁性材料およびそれを用いた磁性素子とその製造方法について実施の形態を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1により請求項1、5、6に記載の発明を説明する。
【0020】
始めに、(表1)に示す組成を有する軟磁性合金粉末を水アトマイズ法で作成した。作成した軟磁性合金粉末の粒径(平均粒径)はアトマイズ条件を制御することによって、すべて5〜25μmの範囲であった。この軟磁性合金粉末を作製する手法はどのような方法であってもよく、粒子の形状、粒度を目的によって制御できる方法であれば良い。その後得られた軟磁性合金粉末に、絶縁性結着剤として作用するビスフェノールA型樹脂を3.5重量部加えてよく混合・混練することによって造粒し、その後ふるいを通して整粒した。
【0021】
次に、0.8mm径の被覆銅線を用いて、内径4mmの2段積みにて3.5ターン巻きのコイルを準備し、製粒粉末を金型の中へコイルと共に入れて圧力;4トン/cm2で磁性素子の形状に加圧成形し、その後金型より取り出した後120℃にて1時間加熱処理して軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜を形成する熱処理と、添加したビスフェノールA型樹脂の熱硬化を実施した。
【0022】
このように、前記の工程を経てサイズ:10mm×10mm、厚み:3.4〜3.6mmのコイル内蔵の磁性素子を得た。このコイル内蔵の磁性素子のインダクタンス(L)値を測定周波数;300kHz、測定電流値;30Aの条件にて測定した。その結果を(表1)に示す。用途によって若干異なるが、100kHz以上の周波数領域で用いるためには、インダクタンス値:L≧0.8μH、好ましくはL≧1.0μHが必要となる。また、耐食性試験を温度:85℃、湿度:85%の高温高湿条件下で試験時間:1000時間で実施した。結果の評価は光学顕微鏡の外観検査で行い、光学顕微鏡では錆が認められなかったものを○、肉眼では確認できなかったものは△、肉眼で錆が認められたものを×とした。
【0023】
【表1】
Figure 0004166460
【0024】
また、回路基板上に実装した状態での耐食性試験において、肉眼で錆が観測されなかったものについては基板上への錆の脱落等はなく、実用上問題がないレベルであった。
【0025】
(表1)の結果より明らかなように、軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤からなり、熱処理を施した複合磁性材料において用いられる軟磁性合金粉末の組成が、1wt%≦成分A≦7wt%で2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%でかつ0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%で残部が鉄(Fe)であり、成分Aとしてシリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)のとき、優れた磁気特性と耐食性を示すことが分かる。
【0026】
さらに、成分Aの二つ以上の組み合わせであっても、全体として1wt%から7wt%の範囲内であれば、同様な効果が得られることも確認できている。
【0027】
また、絶縁性結着剤は熱硬化型樹脂材料であれば使用することができるが、特にシリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが最適であり、前記樹脂材料を単独あるいは混合樹脂として用いることもできる。
【0028】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2により請求項2、7に記載の発明を説明する。
【0029】
(表2)に示す組成を有する軟磁性合金粉末を、実施の形態1と同様な方法で作成した。粒径(平均粒径)はすべて20〜50μmであった。得られた軟磁性合金粉末にシリコン樹脂を3重量部加えてよく混合した後、ふるいを通して製粒した。
【0030】
次に、0.8mm径の被覆銅線を用いて内径4mmの2段積み3.5ターンコイルを準備し、製粒粉末の一部を金型にコイル共に入れて、成形圧力;4トン/cm2で加圧成形し、金型より取り出した後、150℃にて1時間加熱処理して軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜を形成する熱処理と添加したシリコン樹脂を熱硬化させた。このようにして、サイズ:10mm×10mm×厚み:3.4〜3.6mmのコイル内蔵の磁性素子を得た。このコイル内蔵素子のインダクタンス(L)値を周波数;300kHz、電流値;30Aで測定した。用途によって若干異なるが、インダクタンス値:L≧0.8μH、好ましくはL≧1.0μHが必要となる。また、耐食性試験およびその硬化方法に付いては実施の形態1と同じ条件、内容で実施をした。評価結果を(表2)に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0004166460
【0032】
(表2)の結果より明らかなように軟磁性合金粉末と絶縁性結着剤からなり、熱処理を施した複合磁性材料において用いられる軟磁性合金粉末の組成が、2wt%≦ニッケル(Ni)≦15wt%でかつ2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%でかつ0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%で残部が鉄(Fe)であるとき、優れた磁気特性と耐食性を有することが分かる。
【0033】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3により請求項3に記載の発明を説明する。
【0034】
組成が、Cr=2.0wt%、Si=3.0wt%、O=0.2wt%、Mn=0.2wt%、C=0.15wt%で残部がFeである軟磁性合金粉末を実施の形態1と同じ方法により作成した。得られた軟磁性合金粉末の粒径(平均粒径)はすべて20〜50μmであった。前記軟磁性合金粉末にシリコン樹脂を1.2重量部加えてよく混合し、ふるいを通して製粒した。この製粒粉末を金型中にて、成形圧力;8トン/cm2の条件で加圧成形し、型より取り出した後(表3)に示す熱処理温度で1時間処理した。また、その後780℃にてN2中、2時間の加熱条件にて熱処理してトロイダルコア形状の圧粉磁芯を得た。このようにして得られた圧粉磁芯のサンプルについて透磁率、コア損失を測定した。透磁率はLCRメーターを用いて、周波数;200kHzで測定し、コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数;200kHz、測定磁束密度;0.1Tの測定条件にて測定を行った。
【0035】
用途によって若干異なるがチョークコイルでは、測定周波数;200kHz、測定磁束密度;0.1Tでコア損失;6000kW/m3以下、初透磁率は60以上必要とされる
が、より好ましくはコア損失4000kW/m3以下である。
【0036】
また、耐食性試験および評価を実施の形態1と同じ方法にて行った。評価結果を(表3)に示す。
【0037】
【表3】
Figure 0004166460
【0038】
(表3)の結果より明らかなように、軟磁性合金粉末が空気中で80℃以上の温度で熱処理されることにより金属表面に強固な不導体の酸化皮膜が形成され、その後高温で加熱処理されても酸化皮膜が劣化することがなくなるために耐食性が向上していると思われる。また、空気中で80℃以上の温度で熱処理されておれば、後工程において高温での熱処理がなくとも同様な効果があることはいうまでもない。
【0039】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4により請求項4に記載の発明を説明する。
【0040】
組成が、Cr=4.0wt%、Al=3.5wt%、O=0.2wt%、Mn=0.2wt%、C=0.15wt%で、残部がFeである軟磁性合金粉末を表4に示す粒径(平均粒径)になるようにアトマイズ法で作成した。これらの軟磁性合金粉末にフェノール樹脂を1.5重量部を加えてよく混合した後、ふるいを通して製粒した。
【0041】
その後、この製粒軟磁性合金粉末を成形金型中にて圧力;9トン/cm2の条件で加圧成形した後、金型より取り出し、次に温度;800℃、窒素雰囲気中にて1時間加熱処理してトロイダルコア形状の圧粉磁芯を得た。このようにして得られたサンプルについて透磁率、コア損失を測定した。透磁率は、LCRメーターで周波数;200kHzで測定し、コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数;200kHz、測定磁束密度;0.1Tで測定を行った。その結果を(表4)に示す。
【0042】
望まれている特性は用途によって若干異なるが、チョークコイルでは測定周波数;200kHz、測定磁束密度;0.1Tにおいて、コア損失;6000kW/m3以下、初透磁率;60以上が必要とされる。さらに高性能な特性を要求される磁性素子においてはコア損失;4000kW/m3以下である。
【0043】
【表4】
Figure 0004166460
【0044】
(表4)の結果より明らかなように、粒径が小さいと透磁率が低くなり、粒径が大きくなるとコア損失が大きくなる。その結果、平均粒径が1μm以上、100μm以下の条件において、透磁率を損なわず、低損失な圧粉磁芯を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、優れた磁気特性を有し、かつ優れた耐食性を有する複合磁性材料を提供することができる。この複合磁性材料は、トランスやチョークコイル等の小型化あるいは高周波領域での使用に十分適応できる磁性素子を実現することができるとともに、生産性に優れた磁性素子の製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. 軟磁性合金粉末と熱硬化性樹脂からなり、加圧成形後に熱処理を施すことにより軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜が形成されると共に、前記熱硬化性樹脂が硬化された複合磁性材料において、用いられる軟磁性合金粉末の組成が、1wt%≦成分A≦7wt%、2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%、0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%、そして残部が鉄(Fe)であり、成分Aとしてシリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)の内少なくとも一つ以上を含む複合磁性材料。
  2. 軟磁性合金粉末と熱硬化性樹脂からなり、加圧成形後に熱処理を施すことにより軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜が形成されると共に、前記熱硬化性樹脂が硬化された複合磁性材料において、用いられる軟磁性合金粉末の組成が、2wt%≦ニッケル(Ni)≦15wt%、2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%、0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%、そして残部が鉄(Fe)である複合磁性材料。
  3. 熱処理は空気中で80℃以上の温度で行った請求項1または2のいずれか一つに記載の複合磁性材料。
  4. 軟磁性合金粉末の平均粒径が1μm以上100μm以下で構成されている請求項1または2のいずれか一つに記載の複合磁性材料。
  5. コイルが請求項1または2のいずれか一つに記載の複合磁性材料の中に埋設されている磁性素子。
  6. 軟磁性合金粉末の組成が、1wt%≦成分A≦7wt%、2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%、0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%、そして残部が鉄(Fe)であり、成分Aとしてシリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)の内少なくとも一つ以上を含む軟磁性合金粉末と未硬化の熱硬化性樹脂を混合する工程と、その後顆粒状にする工程と、前記顆粒を金型内に入れると共に前記顆粒内にコイルが埋設されるように前記コイルを入れて加圧成形する工程と、次に加熱によってこの熱硬化性樹脂を硬化させるとともに軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜を形成する工程を含む磁性素子の製造方法。
  7. 軟磁性合金粉末の組成が、2wt%≦ニッケル(Ni)≦15wt%、2wt%≦クロム(Cr)≦8wt%、0.05wt%≦酸素(O)≦0.6wt%、0.01wt%≦マンガン(Mn)≦0.2wt%、0.005wt%≦カーボン(C)≦0.2wt%、そして残部が鉄(Fe)である軟磁性合金粉末と未硬化の熱硬化性樹脂を混合する工程と、その後顆粒状にする工程と、前記顆粒を金型内に入れると共に前記顆粒内にコイルが埋設されるように前記コイルを入れて加圧成形する工程と、次に加熱によってこの熱硬化性樹脂を硬化させるとともに軟磁性合金粉末の表面に酸化皮膜を形成する工程を含む磁性素子の製造方法。
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