JP2007067219A - 複合磁性材料、磁気部品及び磁気部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フェライト被覆金属磁性粒子の金属磁性粒子材料として、Ni−Fe合金系材料を用い、その材料のFe比率を適切に選択することにより、直流磁場を重畳した状態でも高い透磁率を有する複合磁性材料を提供する。
【解決手段】 Ni−Fe合金粒子のFe比率が30〜48質量%であるNi−Fe合金粒子をフェライトで被覆したフェライト被覆金属磁性粒子を主成分とすることを特徴とする複合磁性材料、前記複合磁性材料を圧縮成形してなることを特徴とする磁気部品、及び前記フェライト被覆金属磁性粒子を圧縮成形する工程と、得られた圧縮成形品を酸素含有雰囲気中で急速加熱を行う工程とを有することを特徴とする磁気部品の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フェライト被覆金属磁性粒子からなる複合磁性材料、該複合磁性材料を圧縮成形してなる磁気部品及び磁気部品の製造方法に関する。この磁気部品はスイッチング電源などに搭載されるトランスやリアクトルなどに有用である。
近年、各種電子機器は小型・軽量化されてきており、なおかつ低消費電力化が求められている。これに伴い電子機器に搭載される電源として高効率かつ小型のスイッチング電源に対する要求が高まっている。特にノート型パソコンや携帯電話等の小型情報機器、薄型CRT、フラットパネルディスプレイに用いられるスイッチング電源では、小型・薄型化が強く求められている。
従来のスイッチング電源では、その主要な構成部品であるトランスやリアクトルなどの磁気部品が大きな体積を占めており、スイッチング電源を小型・薄型化するためには、これら磁気部品の体積を縮小することが必要不可欠となっていた。
従来、このような磁気部品には、センダストやパーマロイ等の金属磁性材料や、フェライト等の酸化物磁性材料が使用されていた。
金属磁性材料は、一般に高い飽和磁束密度と透磁率を有するが、電気抵抗率が低いため、特に高周波数領域では渦電流損失が大きくなってしまう。スイッチング電源では、高効率化および小型化のため回路を高周波駆動することが行われているが、上記の渦電流損失の影響から高周波駆動できないため金属磁性材料をスイッチング電源用の磁気部品に使用することは困難である。
一方、フェライトに代表される酸化物磁性材料は、金属磁性材料に比べ電気抵抗率が高いため、高周波数領域でも発生する渦電流損失が小さい。しかしながら、トランスやリアクトルを小型化した場合、コイルに流す電流は同じでも磁心にかかる磁場は強くなってしまう。一般に、フェライトの飽和磁束密度は金属磁性材料に比べて小さく、スイッチング電源の磁気部品として使用した場合、上記の理由によりその小型化には限界がある。
つまり、いずれの材料を用いても、スイッチング電源の磁気部品に対して要求される、高周波駆動と小型化の双方を満足させることは困難となっていた。
最近、金属磁性材料および酸化物磁性材料の両者の長所を有する磁性材料として、飽和磁束密度および透磁率が高い金属磁性材料の表面に、電気抵抗率の高い酸化物磁性材料の被膜を形成した磁性材料が提案されている。
例えば、金属磁性材料の粉末の表面に高透磁率金属酸化物の被膜を形成した高透磁率材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、1〜10μmの粒子からなる金属磁性材の表面をM-FexO4(但しM=Ni、Mn、Zn、x≦2)で表されるスピネル組成の金属酸化物磁性材で被覆してなる高密度焼結磁性体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、表面に超音波励起フェライトめっきによって形成されたフェライト層の被覆を有する金属または金属間化合物の強磁性体微粒子粉末が圧縮成形され、前記フェライト層を介して前記強磁性体粒子間に磁路を形成するものであることを特徴とする複合磁性材料の提案もある(例えば、特許文献3参照。)。
前記フェライト被覆金属磁性粒子を圧縮成型した磁気部品において、直流磁場を重畳した状態で高い透磁率を実現させるためには、金属磁性粒子を構成する材料を適切に選択する必要がある。金属磁性粒子としては、パーマロイと呼ばれるNi−Fe合金系の材料が最も広く使われている。中でも、Ni比率42〜49質量%のPBパーマロイや、Ni比率75〜80質量%にMoを3〜5質量%添加したPCパーマロイはJISで成分規格も定められており、一般的材料である。
特開昭53−91397号公報 特開昭56−38402号公報 国際公開第03/015109号パンフレット
しかし、PCパーマロイをフェライト被覆金属磁性粒子の磁性粒子材料として用いた場合、ゼロ磁場での透磁率は高くできるが、飽和磁束密度が0.7Tesla弱と小さいため、直流磁場を重畳すると透磁率が著しく低下してしまい、1000A/m程度の直流磁場の下では、通常のフェライトと大差がなくなってしまう。
一方、PBパーマロイをフェライト被覆金属磁性粒子の磁性粒子材料として用いると、飽和磁束密度が1.5Tesla程度で比較的高く、直流磁場を重畳しても透磁率は低下しにくい。だが、もともとの透磁率を高くすることはできない。フェライト被覆磁性金属粒子は、圧縮成形後に熱処理をすると、フェライト被膜と金属磁性粒子表層間での元素拡散により界面層が形成されることにより、高透磁率が得られる。しかし、PBパーマロイではこの界面層がFeO等の非磁性鉄酸化物になってしまい、熱処理しても高透磁率とすることができない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、フェライト被覆金属磁性粒子の金属磁性粒子材料として、Ni−Fe合金系材料を用い、その材料のFe比率を適切に選択することにより、直流磁場を重畳した状態でも高い透磁率を有する複合磁性材料を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の複合磁性材料は、Fe比率が30〜48質量%であるNi−Fe合金粒子をフェライトで被覆したフェライト被覆金属磁性粒子を主成分とすることを特徴とする。このFe比率は30〜40質量%であることが好ましい。
また本発明の磁気部品はFe比率が30〜48質量%であるNi−Fe合金粒子をフェライトで被覆したフェライト被覆金属磁性粒子を主成分とする複合磁性材料を圧縮成形してなることを特徴とする。
また、本発明の磁気部品の製造方法は、Fe比率が30〜48質量%であるNi−Fe合金粒子をフェライトで被覆したフェライト被覆金属磁性粒子をを主成分とする複合磁性材料を圧縮成形する工程と、得られた圧縮成形品を酸素含有雰囲気中で急速加熱を行う工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、直流磁場を重畳しても高い透磁率を維持する磁気部品を作製することができる。これにより、ノート型パソコン、小型携帯機器、薄型ディスプレイなどのスイッチング電源に向けた、高性能で小型・薄型の磁気部品を作製することができる。
本発明において、金属磁性粒子における金属としては、Fe比率が30〜48質量%であるNi−Fe合金粒子が用いられ、このFe比率は30〜40質量%であることが好ましい。Fe比率が多くなるに従い飽和磁束密度が増加し、直流磁場を重畳しても透磁率の低下が少なくなってくる。その効果はFe比率が30質量%以上になると飛躍的に顕著になってくる。
一方、Fe比率が48質量%を超えると、圧縮成形後の熱処理により、形成されるフェライト被膜と金属磁性粒子の間に形成される界面層が非磁性の鉄酸化物になり、熱処理により透磁率を高めることができない。これに対して、Fe比率が48質量%以下であれば、この界面層が磁性を有するスピネル型鉄酸化物になるので、透磁率を大きく上昇させることができる。
Fe比率が上記の範囲であれば、Ni−Fe合金粒子の他の成分はNiのみからなっていてもよく、6質量%以下であれば、MoやCuを含むNiであってもよい。
金属磁性粒子の粒径は特に限定されるものではないが、1〜30μmであることが好ましい。
金属磁性粒子の表面を被覆するフェライトとしては、NiZnフェライト、Coフェライト、CoZnフェライトこれらを主成分とする複合フェライトを例示でき、用いる金属材料に合わせて、適宜選択すればよい。例えば、Ni−Fe合金、Ni−Mo−Fe合金に対してはNiZnフェライトが、Co−Fe合金に対してはCoZnフェライトが好ましく用いられる。
金属磁性粒子とフェライト被膜の境界に形成される界面層は磁性粒子を構成する金属とフェライトの間での原子の相互拡散により形成されるもので、磁性を有する鉄酸化物からなることが好ましい。この磁性を有する鉄酸化物としては、γ−三二酸化鉄、四三酸化鉄であることが好ましい。あるいは、原子の拡散により、熱処理前とは組成が変化したフェライトであってもよい。
金属磁性粒子とフェライト被膜の境界に界面層が形成されると、金属磁性粒子とフェライト被膜の化学的結合性が向上し、空隙も少なくなる。かつ、界面層が磁性を有する鉄酸化物であると、金属磁性粒子間における磁路の形成を妨げることがなく、従来材料に比べて飛躍的に高い透磁率を有する複合磁性材料および磁気部品の実現が可能となる。
金属磁性粒子のフェライト被覆膜厚は粒子間の電気抵抗を高めることができる厚さであれば特に限定されないが、20nm以上であることが好ましく、透磁率を高める観点からは500nm以下であることが好ましい。
金属磁性粒子の表面にフェライト被覆を形成する方法としては、フェライトめっきなどのめっき法等を挙げることができる。めっき法の中では超音波励起フェライトめっき法が好ましく用いられる。
フェライト被覆金属磁性粒子の金属磁性粒子とフェライト被膜の境界に界面層を形成する方法としては、フェライト被覆金属磁性粒子を酸素含有雰囲気中で熱処理する方法を挙げることができる。
この熱処理は、金属磁性粒子とフェライト被膜の境界に金属酸化物からなる界面層を形成するため、大気中で500〜1000℃で1秒〜60分間行うのが好ましい。より好ましくは大気中で500〜700℃で1〜60秒間熱処理を行うのがよい。
この熱処理は複合磁性材料を熱処理してもよく、複合磁性材料を所望の形状に圧縮成型して磁気部品としてから、この磁気部品を熱処理してもよいが、磁気部品を熱処理することが好ましい。
フェライト被覆金属磁性粒子の金属磁性粒子とフェライト被膜の境界に界面層が形成されたかどうかの確認は熱処理前後の試料のX線回折による結晶構造解析により行うことができる。
複合磁性材料は上記のフェライト被覆金属磁性粒子を主成分とする。すなわち、上記のフェライト被覆金属磁性粒子のみからなっていてもよく、フェライト被覆磁性粒子のほかに後述の潤滑剤、補助剤等を含んでいてもよい。
複合磁性材料の圧縮成形としては、金型を用いて、例えば上下方向から加圧圧縮する単軸圧縮成形、圧縮圧延成形、フェライトめっき軟磁性粒子をゴム型などにつめて全方向から加圧圧縮する静圧圧縮成形、これらを温間で行う温間単軸圧縮成形、温間静圧圧縮成形(WIP)、熱間で行う熱間単軸圧縮成形および熱間静圧圧縮成形(HIP)などを用いることができる。これらの圧縮成形は、1回または複数回行ってもよく、その際異なる圧縮成形方法を用いてもよい。圧縮温度は、成形性が向上する温度であって、フェライトめっき層が保たれる温度であれば特に制限させるものではない。成形が容易であり、かつフェライトめっき層が保たれる温度は、室温以上500℃未満である。加熱手段としては、抵抗加熱、輻射加熱、熱媒による伝導加熱、誘導加熱、高周波誘導加熱、放電プラズマ加熱などの当該技術において知られている任意の加熱手段を用いることができる。圧縮圧力は、良好な成形体が得られ、フェライトめっき層が保たれる圧力であれば特に制限されない。例えば200〜2000MPa、好ましくは400〜1000MPaである。
成形の際には、ステアリン酸塩、ワックスなどの潤滑剤、および成形のために、ポリビニルアルコール、セルロースなどの補助剤を用いることができる。しかし、これらは、加温時に成形体から揮発するなどして成形体に残留しないものであることが望ましい。
こうして得られた磁気部品を熱処理することが好ましい。この熱処理により、Ni−Fe合金系金属粒子とフェライト被覆層の間に界面層が形成される。この熱処理は酸素含有雰囲気中で行うのが好ましい。この酸素含有雰囲気は大気であることが好ましく、熱処理雰囲気の酸素分圧を調整するために大気に窒素、あるいは不活性ガスを混合してもよい。また、大気の代わりに酸素を用いて、酸素と窒素あるいは不活性ガスの混合ガス中で熱処理を行ってもよい。
酸素含有雰囲気中の酸素含有率は、1〜50vol%であることが好ましい。酸素含有率1vol%未満では熱処理の効果が不十分となり、50vol%を超えると比透磁率の低い酸化物が形成されるためと推測されるが、成形体の比透磁率が大きくならないので好ましくない。
この熱処理は急速加熱熱処理であることが好ましい。
急速加熱熱処理とは、最高到達温度を700℃以上、好ましくは700〜1200℃とし、少なくとも500℃以上における昇温速度及び降温速度を100℃/min以上、好ましくは200〜1000℃/minの速度で行い、最高到達温度での保持時間を30秒以下、好ましくは1〜10秒とする熱処理である。
[実施例1]
金属磁性粒子として水アトマイズ法により作製した平均粒子径8μmのNi70Feパーマロイ(Niが70質量%、Fe30質量%からなるパーマロイ)粒子粉末を用い、超音波励起フェライトめっき法によりフェライトめっき金属磁性粒子を以下のようにして作製した。
フェライトめっきの前処理として、この粒子を0.2%H2SO4+0.025%HClの溶液中(液温70℃)に入れて、5分間超音波を印加した。その後、純水を入れたガラス製の反応容器中にNi70Fe粒子を移し替え、19.5kHzの超音波を印加した。この反応容器に反応液(H2O:500ml+FeCl2・4H2O:7.95g+NiCl2・6H2O:2.38g+ZnCl2:1.36g)および酸化剤溶液(H2O:500ml+NaNO2:1.00g)をそれぞれ3ml/min、2ml/minの速度で供給しながら、適宜アンモニア水を滴下することによりpHを10.0に保って45分間めっき処理を行った。この時、めっき層の温度を湯浴により60℃に保った。めっき処理後、粒子を分級・乾燥してフェライト組成(Ni0.5Zn0.5)Fe24、めっき膜厚50nmのフェライトめっきNi70Fe粒子を得た。
このフェライト被覆Ni70Fe粒子を超硬合金製の金型に充填し、981MPa(10ton/cm2)の一軸プレスにより内径3mmφ、外径8mmφ、厚さ3mmのリングコア形状に成型した。このリングコアを大気雰囲気、最高到達温度700℃、700℃での保持時間1秒、昇温速度300℃/min、降温速度300℃/minの急速熱処理(500℃以上の保持時間81秒)を行った。
熱処理後のリングコアに1次および2次巻線をそれぞれ5ターン、直流磁場印加用の3次巻線を20ターン巻回した。3次巻線に直流電流を流して0〜約1000A/mの直流磁場を重畳させながら、B−Hアナライザにて複素透磁率μ=μ′+ iμ″を10kHz〜10MHzの周波数領域で測定した。その実部μ′を直流磁場に対してプロットした直流重畳特性を図1のデータAに示す。
[実施例2]
金属磁性粒子として水アトマイズ法により作製した平均粒子径8μmのNi60Feパーマロイ(Niが60質量%、Feが40質量%からなるパーマロイ)粒子粉末を用いた以外は実施例1と同様にして試料を作成し、直流重畳特性を調べた。その結果を図1のデータBに示す。
[比較例1]
金属磁性粒子として水アトマイズ法により作製した平均粒子径8μmのNi78Mo5Feパーマロイ(Niが78質量%、Moが5質量%、Feが17質量%からなるパーマロイ)粒子粉末を用いた以外は実施例1と同様にして試料を作成し、直流重畳特性を調べた。その結果を図1のデータCに示す。
[比較例2]
金属磁性粒子として水アトマイズ法により作製した平均粒子径8μmのNi78Feパーマロイ(Niが78質量%、Feが22質量%からなるパーマロイ)粒子粉末を用いた以外は実施例1と同様にして試料を作成し、直流重畳特性を調べた。その結果を図1のデータDに示す。
[比較例3]
金属磁性粒子として水アトマイズ法により作製した平均粒子径8μmのNi47Feパーマロイ(Niが47質量%、Feが53質量%からなるパーマロイ)粒子粉末を用いた以外は実施例1と同様にして試料を作成し、直流磁場を重畳していない状態で複素透磁率を測定した。その実部μ′および虚部μ″の周波数依存性をそれぞれ図2のデータEとFに示す。
比較例1(C)、2(D)から、Fe比率が17質量%から22質量%に変化しても直流磁場の頂上による透磁率の減少率はあまり変わらず、どちらも大きいものとなっている。これに対して、Fe比率が30質量%である実施例1(A)では透磁率の減少率が緩やかになり始めていることがわかる。さらにFe比率を40質量%まで高めた実施例2(B)では、直流重畳特性が大幅に改善している。
これらの結果から、フェライト被覆したNi−Fe合金系粒子では、Fe比率を30質量%以上にすることによって、直流磁場を重畳しても透磁率が低下しにくい複合磁性材料を得ることができることがわかる。
また、比較例3の結果から、Fe比率が53質量%の場合は、μ′が70程度であり、実施例1、2のようにFe比率がより少ない場合に比べてかなり小さくなっている。このようにFe比率を53質量%以上まで増加させてしまうと、熱処理をしても透磁率が大きく向上しないので、150以上の高い透磁率を得るためにはFe比率を53質量%未満にする必要があることがわかる。
以上の結果から、フェライト被覆したNi−Fe合金系粒子においては、Fe比率を30質量%以上、53質量%未満にすることによって、熱処理による高透磁率化を可能とし、なおかつ直流磁場の重畳による透磁率の低下を改善できることがわかる。
本発明によれば、直流磁場を重畳しても高い透磁率を維持する磁気部品を作製することができ、これにより、ノート型パソコン、小型携帯機器、薄型ディスプレイなどのスイッチング電源に向けた、高機能で小型・薄型の磁気部品を作ることが可能となる。
実施例1、2、及び比較例1、2に記載した、フェライト被覆したNi70Fe粒子、Ni60Fe粒子、Ni78Mo5Fe粒子及びNi78Fe粒子の複素透磁率の実部μ′を直流磁場Hに対してプロットした直流重畳特性のグラフである。 比較例3に記載した、フェライト被覆Ni47Fe粒子の複素透磁率の実部μ′及び虚部μ″を周波数に対してプロットしたグラフである。
符号の説明
A:フェライト被覆したNi70Fe粒子の複素透磁率の実部μ′を直流磁場に対してプロットしたデータ
B:フェライト被覆したNi60Fe粒子の複素透磁率の実部μ′を直流磁場に対してプロットしたデータ
C:フェライト被覆したNi78Mo5Fe粒子の複素透磁率の実部μ′を直流磁場に対してプロットしたデータ
D:フェライト被覆したNi78Fe粒子の複素透磁率の実部μ′を直流磁場に対してプロットしたデータ
E:フェライト被覆したNi47Fe粒子の複素透磁率の実部μ′を周波数に対してプロットしたデータ
F:フェライト被覆したNi47Fe粒子の複素透磁率の虚部μ″を周波数に対してプロットしたデータ

Claims (5)

  1. Fe比率が30〜48質量%であるNi−Fe合金粒子をフェライトで被覆したフェライト被覆金属磁性粒子を主成分とすることを特徴とする複合磁性材料。
  2. Ni−Fe合金粒子のFe比率が30〜40質量%であることを特徴とする請求項1記載の複合磁性材料。
  3. Fe比率が30〜48質量%であるNi−Fe合金粒子をフェライトで被覆したフェライト被覆金属磁性粒子を主成分とする複合磁性材料を圧縮成形してなることを特徴とする磁気部品。
  4. 前記Ni−Fe合金粒子のFe比率が30〜40質量%であることを特徴とする請求項3記載の磁気部品。
  5. Ni−Fe合金粒子のFe比率が30〜48質量%であるNi−Fe合金粒子をフェライトで被覆したフェライト被覆金属磁性粒子を主成分とする複合磁性材料を圧縮成形する工程と、得られた圧縮成形品を酸素含有雰囲気中で急速加熱を行う工程とを有することを特徴とする磁気部品の製造方法。
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