JPWO2003015109A1 - フェライト被覆金属微粒子圧縮成形複合磁性材料及びその製造方法 - Google Patents

フェライト被覆金属微粒子圧縮成形複合磁性材料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

表面にフェライト層の被覆を有する金属または金属間化合物の強磁性体微粒子が圧縮成形され、フェライト層と金属または金属間化合物との複合体を形成することにより、金属または金属間化合物強磁性体微粒子同士が電気的に絶縁され、磁気的に結合された高飽和磁化、高透磁率で高絶縁性の複合磁性材料が構成される。フェライト層の被覆は、フェライトめっきによって、特に、超音波励起のフェライトめっきによって形成したものが良好である。この複合磁性材料は、前記強磁性体微粒子とフェライト超微粒子とが混合され、圧縮成形されて複合体を形成することによって、より高い絶縁性が得られる。フェライト層にはアモルファスフェライト相を主な相とすることもできる。

Description

技術分野
本発明は、高絶縁性で高透磁率の複合磁性材料及びその製造方法に係り、さらに詳しくは表面にフェライトが被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子が圧縮成形されている高絶縁性と高透磁率を合わせ持つ複合磁性材料、およびその製造方法に関する。
背景技術
酸化物の磁性材料であるフェライトは、金属の磁性材料に比べて電気抵抗率が非常に高いという特徴があり、高い周波数や高速動作に用いる磁心として幅広く利用されてきた。しかしフェライトはフェリ磁性を示す酸化物磁性体であることから、その飽和磁化の値が通常0.3〜0.5T程度と比較的小さい。近年、電子機器の小型化にともなうインダクタンス素子など磁気素子の小型化のために、より高磁束密度の磁性材料の必要性が高まり、飽和磁化の値がフェライトに比べて大きい金属強磁性体が多く用いられるようになった。金属強磁性体は、その電気抵抗率が例えば10−7Ω・mの程度であり、非常に小さい。このため高い周波数あるいは高速動作で用いる場合には、渦電流を抑制する対策として、金属強磁性体を多層の薄膜状に構成し、隣接する金属磁性体薄膜の間を絶縁体の層をはさんで絶縁を行う。こうすることによって渦電流による透磁率の低下を防ぎ、高い周波数あるいは高速動作での使用を可能にしている。
このようにして渦電流を抑制した薄膜において、薄膜1層の厚さdの選択には、次式の電磁波の浸透する深さを表す表皮厚さδが基準として用いられる。
Figure 2003015109
ここにρは電気抵抗率、fは周波数、μは透磁率でありμ=μμ(ここにμは比透磁率、μは真空の透磁率)である。
上記の式では透磁率μを実数として扱われているが、高い周波数においては透磁率μは遅れ成分を伴うようになり、比透磁率μが複素比透磁率μ′−iμ″で表されようになる。比透磁率の周波数特性は、実数部μ′が薄膜の厚さdがδに近づく周波数の手前で減少し、dがほぼδに一致する周波数になるとμ′はほぼ半減し、他方で比透磁率の虚数部μ″(損失分)が増大する。磁心として用いる場合には、dがδよりも十分に小さい周波数条件が選ばれ、他方で損失を積極的に利用する用途では、dをδに近づけた条件が選ばれる。
ところで金属磁性材料を薄膜や多層の構造にしたものは、磁路をその薄膜の平面内で形成しなければならず、立体的に磁路を構成することができないという制約がある。そこで金属磁性材料を薄膜状や多層状にする代わりに、微粒子にして電磁波が金属磁性材料の内部に浸透できるようにし、この金属磁性材料の微粒子を樹脂などの絶縁物に分散し混合して、微粒子間を電気的に絶縁した状態で成形した磁性材料が用いられている。金属磁性材料を微粒子にした場合にも、渦電流を抑制するための微粒子の大きさdの選択には、上述の薄膜の場合と同様に表皮厚さδが基準として用いられる。
しかし、このようにして微粒子を成形した磁性材料には、薄膜化した磁性材料の場合のような磁路の形成についての空間的な制約はないものの、磁路が樹脂などの非磁性の絶縁体によって寸断され不連続となるため、薄膜化した磁性材料に比べて、比透磁率が低い値しか得られないという制約があった。逆に磁路を寸断しないように高密度に粒子を充填すると電気抵抗率の小さい粒子同士が電気的に導通の状態となり、磁性材料として電気抵抗率を高くすることができなかった。
フェライトなどの高周波で用いられる磁性材料の用途としては、磁心などの用途のほかに、特筆すべきものとして電波吸収体としての利用がある。最近では電子機器や通信機器などが発達し、その普及が進んだ結果、それらの機器からの電磁波の漏洩防止、機器相互の干渉防止などの必要性が高まり、この対策に磁性材料が不要な電磁波を吸収する電波吸収体として重要な役割を果すようになった。フェライトはこのような電波吸収体として優れた性能を有しており、広く実用に供されてきた(例えば清水、杉浦編著「電波妨害波の基本と対策」電子情報通信学会発行(1995年刊)、第5章参照)。
最近においては、コンピュータのCPUなどの高速化、そしてGHz帯域化により、電子機器や通信機器などから発生する電磁波の高周波化(サブマイクロ波化やマイクロ波化)が進行し、また装置およびこれに用いる部品の小型化が進行している。このような機器や部品から発生する電磁波の高周波化と、機器や部品の小型化に対応するために、電波吸収体として、フェライトよりも飽和磁化の大きい金属磁性材料を用い、より小さな体積でより高効率に電磁波が吸収できる材料の開発が行なわれている。その例として、金属磁性材料の薄膜やその多層膜(日本応用磁気学会誌第18巻第511−514頁(1994))や、金属磁性体微粒子であるカルボニル鉄を絶縁性の樹脂に分散し充填率を高めた複合磁性材料(日本応用磁気学会誌第22巻第885−888頁(1998))、あるいはセンダスト(Fe−Si−Al合金)を高分子材料に分散した複合磁性材料などがある。すでに述べたように、これらの複合磁性材料においては、粒子ごとに樹脂などの絶縁体によって磁路が寸断されて不連続となるため、その比透磁率は低い値に限られるという制約がある。
そこで金属磁性材料とフェライトを複合化することにより、上記磁性材料の持つ制約を打破することが試みられている。特開昭56−38402号公報には、1〜10μmの粒子からなる金属磁性材料の表面を、スピネル組成の金属酸化物磁性材料で被覆した高密度焼結磁性体の発明が開示されている。この発明は、フェライトの成分となる金属の硫酸塩溶液に金属磁性材料粒子を分散し、この溶液に水酸化ナトリウムをpHが12〜13になるまで加えてフェライト粒子を析出させ、この金属磁性材料と析出したフェライト粒子とを洗浄し乾燥し、高温で焼結して焼結体としたものである。この焼結磁性体は低抵抗であり、高抵抗は得られていない。この高密度焼結体が低抵抗で高抵抗は得られていないことは、溶液から析出したフェライト粒子が金属磁性材料粒子に付着するだけで、金属磁性材料粒子の表面を被覆できておらず、このため金属磁性材料粒子同士が接触し低抵抗を生じていることを示している。
また特開平11−1702号公報には、鉄基金属磁性粉末を含むアルカリ水溶液に、鉄の金属塩と、鉄以外の2価金属塩とを溶解した水溶液を非酸化性雰囲気中で添加した後、所定の温度に加熱しながらアルカリ水溶液を添加してpH7以上とし、その後酸素を吹き込んで、鉄基金属磁性粉末の表面にフェライト酸化物の被膜を形成する鉄基金属−フェライト酸化物複合粉末の製造方法が開示されている。この方法によって作製された粉末の成形体も、電気抵抗率が1500μΩm以下と非常に低い値であり、高周波で用いることのできる磁性材料が得られていない。従ってこの場合も金属粉末に対するフェライトの被覆が十分になされておらず、金属粉末粒子同士が接触し、低抵抗が生じている。
発明の開示
本発明者は、上記したような従来技術においては、金属の強磁性体微粒子の表面をフェライト層によって確実に被覆する技術が未確立であることに着目し、金属などの強磁性体微粒子の表面にフェライト層を形成する技術を確立し、これによって金属または金属間化合物の表面にしっかりとしたフェライト層を形成することにより粒子表面に確固とした被覆を行い、この表面被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を成形することによって、従来には得られなかった高い電気抵抗率と、フェライトを介して金属または金属間化合物の強磁性体微粒子間の磁気的結合による高い透磁率などの優れた磁気特性を示す複合磁性材料を得ることを目的として研究を行った。
本発明者は、継続的に行ってきたフェライトめっきに関する研究の一つの展開としてこの研究を位置づけて研究をを進めた。その結果、金属または金属間化合物強磁性体微粒子表面をフェライトめっきすることによって、金属または金属間化合物強磁性体微粒子とフェライトとの間に配位結合性の強い化学結合が得られ、強固で良好な被覆を行なうことができること、そして金属または金属間化合物強磁性体微粒子の表面に絶縁性のフェライトを被覆した微粒子を成形することにより、高い絶縁性と高い透磁率とを有する磁性材料が得られることを見出し、さらに研究を行ない、本発明を完成するに至った。
本発明の複合磁性材料は、金属または金属間化合物の強磁性体微粒子と、前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を被覆するフェライト層とを備え、前記フェライト層で被覆された前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子が圧縮成形されていることを特徴とする。
本発明の複合磁性材料において、フェライト層はフェライトめっきによって形成されたものが適しており、フェライトめっきの中でも超音波励起のフェライトめっきが特に適している。
本発明の複合磁性材料においては、フェライトが均一かつ強固に被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子が圧縮成形されているので、この強磁性体微粒子の周囲には、フェライトの層が強磁性体微粒子表面を被覆しており、このフェライト層が金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を互いに絶縁する役割を果す。他方でこのフェライトの層は磁性層であるため、金属または金属間化合物強磁性体微粒子同士を磁気的に結合する役割を果す。このような構成により、従来には得ることのできなかった高電気抵抗率を得ることができるようになり、高周波において渦電流が抑制され高透磁率を示す複合磁性材料が得られるようになった。このため、本発明によれば、例えば100MHzを超えても比透磁率が40以上を有するなど、高周波で比透磁率の高い複合磁性材料が得られるようになった。
こうした複合磁性材料において、金属または金属間化合物の強磁性体微粒子表面の均一かつ強固なフェライト層による被覆は、フェライトメッキを用いることにより得ることができる。
本発明によれば、金属または金属間化合物強磁性体微粒子と磁性体であるフェライトとを構成要素として形成され、高分子結合剤のような非磁性体の介在を必要としないので、非磁性材料を含むことにより飽和磁化が減少するのを抑えることができる。またフェライト被覆層が粒子間に介在しているので、高分子結合剤が用いられている場合に比べて耐熱性にも優れる。
本発明の複合磁性材料の製造方法は、金属または金属間化合物の強磁性体微粒子をフェライトめっき反応液中に分散し、前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子の表面をフェライトめっきによりフェライト層で被覆するフェライト被覆工程と、フェライト層で被覆された前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を圧縮成形する圧縮成形工程とを備えたことを特徴としている。
発明を実施するための最良の形態
本発明の複合磁性材料における金属または金属間化合物強磁性体微粒子としては、例えば純鉄、鉄−けい素合金、鉄−ニッケル合金、センダスト合金、コバルトおよびコバルト合金、ニッケルおよびニッケル合金、各種アモルファス合金などの各種の軟磁性材料、あるいはNd−Fe−B、Sm−Coなどの磁気異方性の磁性材料など各種の強磁性体微粒子を用いることができる。
本発明においては、金属または金属間化合物強磁性体微粒子として、飽和磁化の値が被覆層のフェライトの飽和磁化に比べて大きいものを用いることが好ましい。被覆層のフェライトの飽和磁気分極の値が常温で約0.5T以下であるのに対し、金属または金属間化合物強磁性体微粒子は、この飽和磁化の値より大きいことか好ましく、1T以上であれば複合化の効果が顕著に得られることからより好ましく、1.5T以上であれば複合化の効果がさらに顕著に得られることからさらに好ましい。従って本発明に用いる金属強磁性体微粒子として、飽和磁化の大きい金属強磁性体微粒子である鉄、鉄系合金、コバルト、コバルト系合金、鉄−コバルト系合金などの微粒子が特に好ましい。
また本発明の複合磁性材料における金属または金属間化合物強磁性体微粒子の形状としては、ほぼ球状のほか、円板状、フレーク状、針状または粒状、その他各種形状が可能であり、圧縮成形によって微粒子の形状の変形を生じていてもよい。
さらに本発明の複合磁性材料における金属または金属間化合物強磁性体微粒子の粒子サイズは、先に述べたように、複合磁性材料が使用される周波数における表皮厚さδを基準として選ぶことができる。損失の小さい磁心として用いる場合には、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の平均粒子径をδよりも小さく、例えばδの1/2以下であることが好ましく、δの1/4以下であることがさらに好ましい。また損失材として用いる場合には、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の平均粒子径をδに近い値、例えば平均粒子径をδの1/2から2倍の範囲に選べばよい。本発明の複合磁性材料を1MHz未満の比較的低周波からマイクロ波領域までの各周波数範囲への応用を対象とする場合には、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の平均粒子径として、周波数に応じて数100μmから数nmの範囲から選んで用いればよい。
本発明においては、上記した各種の金属または金属間化合物強磁性体微粒子を単独で用いることができるが、目的に応じて複数種のこれら微粒子を組み合わせて用いることもできる。
フェライトの電気抵抗率は通常10〜10Ω・mあるいはそれ以上であり、金属磁性材料の電気抵抗率が10−7Ω・m程度であるのに比べると圧倒的に大きい。このため、本発明の複合磁性材料において、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の表面をフェライト層で被覆することにより、微粒子間の電気抵抗を著しく高めることができる。金属または金属間化合物強磁性体微粒子表面を被覆するフェライトとしては、高い電気抵抗率を持つものが微粒子間の電気抵抗を高める上で好ましい。そのような高い電気抵抗率を持つフェライトとしては、10〜10Ω・mの高い電気抵抗率値を持つNiZnフェライト、Coフェライト、Mgフェライトがある。
また金属または金属間化合物強磁性体微粒子表面を被覆するフェライトとしては、高い飽和磁化を有することが好ましい。このような高い飽和磁化と高い電気抵抗率とを合わせ持つフェライトとして、NiZnフェライト、Coフェライト、CoZnフェライトやこれらのフェライトを主成分とする複合フェライトが金属または金属間化合物強磁性体微粒子表面を被覆し微粒子間を絶縁するフェライトとして特に好ましい。
本発明の複合磁性体において、金属または金属間化合物強磁性体微粒子表面を被覆するフェライト被覆層の厚さは、圧縮成形後の成形体においてフェライト被覆層が保たれることにより粒子間の電気抵抗を高めることができる厚さであれば特に制限されず、その厚さは20nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがさらに好ましい。しかしながら、フェライトの比率が大きくなると飽和磁化の大きい金属または金属間化合物微粒子を用いて複合化して飽和磁化の大きい複合磁性材料を得るという効果が小さくなってしまう。このため、複合磁性材料の体積比としてはフェライトの比率が50%以下であることが好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。他方で高い電気抵抗率を得るために1%以上であることが好ましい。
また本発明の複合磁性材料において、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の平均粒子径は、加圧成形時の際にフェライト被覆層の損傷が少なく、高い電気抵抗率を保った成形体が容易に得られる条件を選ぶことが望ましい。そのような金属または金属間化合物強磁性体微粒子の平均粒子径として、100μm以下が好ましく、30μm以下がさらに好ましい。本発明者は、平均粒子径をこのように小さくすると、加圧成形時のフェライト被覆層の損傷が少なく、高い電気抵抗率の成形体が容易に得られることを見出した。こうした結果の得られる理由について、まだ十分に明らかにできてはいないが、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の平均粒子径を小さくすることにより、加圧成形時の粒子に加わる応力の絶対値が小さくなり、その結果、粒子の破損や変形が少なくなり、フェライト被覆層の破損も少なくなって、成形された複合磁性材料が高い電気抵抗率を示すものと考えられる。
このようにして、成形された複合磁性材料が高い電気抵抗率を持つためには、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の平均粒子径が小さいほど有利であるものの、平均粒子径があまり小さくなると、磁気特性を確保し必要な比透磁率を得ることが困難となる。このため比透磁率を確保するために平均粒子径は20nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがさらに好ましい。
本発明の複合磁性材料は、金属または金属間化合物強磁性体微粒子が軟磁性体であり、その形状がほぼ球状であるなど、形状異方性の小さい微粒子であって、その周囲が絶縁性の磁性体であるフェライトで被覆され、圧縮成形された複合磁性材料であってもよい。圧縮成形された複合磁性材料が磁気的に等方的であれば、使用の際に材料の方位についての制約なしに使用することができる。
また本発明の複合磁性材料においては、金属または金属間化合物強磁性体微粒子が強い磁気異方性を有する微粒子であってもよく、また粒子形状として平板状あるいは棒状などの形状異方性を持つ微粒子であってもよい。形状異方性を持つ微粒子は圧縮成形の工程で微粒子の方向を揃えることができ、成形される複合磁性材料に異方性を持たせることができる。また強い磁気異方性を有する微粒子は圧縮成形時に磁界を作用させることにより方位を揃えることができる。
本発明の複合磁性材料においては、絶縁性のフェライトにより被覆された金属または金属間化合物強磁性体微粒子が粒度分布を持ち、大きい粒子の隙間を小さい粒子が埋める構造とすることができる。このようにすることによって、粒子の充填率を高めることができ、また高い充填率により高い飽和磁化を得ることができる。
また、所定の高周波領域において高い透磁率や高い磁気損失を得るために、複合磁性材料の自然共鳴周波数を調整することができる。例えば金属磁性材料として、磁気異方性定数Kと飽和磁化Mの比K/Mが適度に高い値を持つ金属または金属間化合物強磁性体微粒子を選んで用いることにより、所定の高周波領域において高い透磁率や高い磁気損失が得られるように、自然共鳴周波数f=γ(K/M)/2πを調節することができる。
本発明の複合磁性材料においては、フェライト層で被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子にフェライト超微粒子が混合されて圧縮成形された複合磁性材料であってもよい。本発明者はフェライト超微粒子をフェライト層で被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子に混合することによって、高充填率と高電気抵抗率とを兼ね備えた複合磁性材料を得ることができることを見出した。フェライト層で被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子に、この微粒子よりも粒子径が十分に小さいフェライト超微粒子が加わると、圧縮成形時にフェライト超微粒子が潤滑剤として働くとともに、成形される強磁性体微粒子の空隙にフェライト超微粒子がすべりこんで充填されるので、強磁性体微粒子やその被覆層は破壊されず、このため高絶縁性を保ちつつ、高密度の複合磁性体が得られるものと考えられる。
この場合の強磁性体微粒子に混合されるフェライト超微粒子の平均粒子径は、強磁性体微粒子よりも十分に小さい平均粒子径であればよく、具体的には100nm以下であることが好ましく、また30nm以下であることがさらに好ましい。またフェライト超微粒子の混合量は、こうした作用効果が十分に得られるよう、フェライト層で被覆された強磁性体微粒子に対し、体積比にて3%以上とすることが好ましく、6%以上とすることがさらに好ましい。他方で、所要の磁気特性を確保するためには、フェライト超微粒子の混合量は30%以下であることが好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。
また本発明の複合磁性材料においては、フェライトメッキの条件を選択することによって、金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を被覆するフェライト層に、アモルファスフェライト相を用いることができる。金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を被覆するフェライト層に高電気抵抗率のアモルファスフェライトを用いることにより、結晶質のフェライト層を用いた場合に比べ、複合磁性材料の電気抵抗率を大きくすることができる。アモルファスフェライトの被覆層としては、例えばキレート化フェライトめっきによって、希土類鉄ガーネットと同じ化学組成を持つアモルファス層被覆によって形成することができる。アモルファスフェライトは、結晶質フェライトと併用し、金属または金属間化合物の強磁性体微粒子の被覆に用いてもよい。
本発明の複合磁性材料の製造方法において、フェライトめっきによるフェライト被覆工程には、超音波励起を用いた超音波励起フェライトめっきを用いることが好ましい。超音波励起を用いた超音波励起フェライトめっきを用いれば、金属または金属間化合物の強磁性体微粒子の表面に、強固なフェライト被覆層を均一性よく形成することができるので、良質のフェライト被覆のされた金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を生産性よく安定して得ることができる。
このようにして、本発明の複合磁性材料の製造方法によれば、フェライトめっきを用いることにより、金属または金属間化合物の強磁性体微粒子に対し良質の被覆を形成し、これを圧縮成形することによって、高絶縁性と高透磁率とをあわせもつ複合磁性材料を得ることができる。
金属または金属間化合物の強磁性体微粒子に対するフェライトめっき層の形成は、例えば次のようにして行うことができる。FeClなどの2価鉄イオン塩、MClなどの2価金属イオン塩、および必要に応じてFeClなどの3価の鉄イオンを含むフェライトめっき反応液に金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を分散し、液の温度を室温から100℃未満の温度、例えば80℃で一定に保ちながらフェライトめっきを行う。ここでフェライトめっきは、例えば超音波ホーンにより超音波を加えることによって液を激しく運動させながら、亜硝酸NaNOなどの酸化剤を徐々に加えて酸化することによって進行させ、またpHコントローラにより、NHOHなどでpHを調整し、ほぼ中性の反応液中に金属または金属間化合物強磁性体微粒子を浸漬して行うことができる。このようにして、金属または金属間化合物の強磁性体微粒子は、フェライトめっきの反応液によって侵されることなく、表面にフェライトめっきの被覆層を形成することができる。
次にフェライトめっき層によって被覆された金属または金属間化合物強磁性体微粒子は、微粒子を圧縮成形することによって成形体を得ることができる。これは内部が金属または金属間化合物であり、圧縮成形によって塑性変形して充填が進み、成形体となるためと考えられる。
本発明において、フェライトで被覆された金属または金属間化合物強磁性体微粒子の圧縮成形には、金型を用いて例えば上下方向から加圧圧縮する単軸圧縮成形、圧縮圧延成形、微粒子をゴム型などにつめて全方向から加圧圧縮する静圧圧縮成形、これらを温間で行う温間単軸圧縮成形、温間静圧圧縮成形(WIP)、熱間で行う熱間単軸圧縮成形、および熱間静圧圧縮成形(HIP)などのいずれをも用いることができる。これら圧縮成形は、1回の処理で行ってもよいし、複数回行ってもよく、その際に異なる圧縮成形方法を組み合わせて用いてもよい。
これら圧縮成形時の温度については、成形性が向上する温度であって、フェライト被覆層が保たれる温度であれば特に制限されるものではないが、成形が容易となり、しかもフェライト被覆層が保たれる200〜500℃の温度で圧縮成形を行うのが好ましく、300〜400℃の温度で圧縮成形を行うのがさらに好ましい。圧縮成形の圧力は、良好な成形体が得られ、フェライト被覆層が保たれる圧力であればよく、好ましくは200〜2000MPa、より好ましくは400〜1000MPaである。圧縮成形は成形時の温度を高めに選ぶほど、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の可塑性が増し、より低い圧力で成形できる。このため成形圧力を低めに選び、成形時の温度として絶縁性のフェライト相が、維持できる範囲で可能な限り高めに選んで成形することが好ましい。
本発明の複合磁性材料の製造方法においては、ステアリン酸の塩やワックスなど、成形の際の潤滑材や成形のための補助剤を用いることができる。しかし、これら潤滑材や成形のための補助剤は、加温時に成形体から揮発するなどして複合磁性材料に残留しないものであることが望ましい。潤滑剤の場合は、ダイの内面など金型と微粒子とが接触する部分に用いることが特に有効である。
本発明の複合磁性材料の製造に用いる金属または金属間化合物の強磁性体微粒子としては、酸化物などをガス還元法または固体還元法によって製造したもの、カルボニルなどの熱分解法や、電解法、機械的粉砕法、噴霧法(アトマイズ法)などの各種製法によって製造されたものを用いることができる。
また本発明の複合磁性材料の製造に用いる金属または金属間化合物の強磁性体微粒子の形状としては、球状、楕円体状、針状、鋭角状、樹枝状、繊維状、板状、立方体状、あるいは球状など、各種の形状を有するものを、単独または複数種組み合わせて用いることができる。
これら複合磁性材料の製造に用いる金属または金属間化合物の強磁性体微粒子の選択には、飽和磁化や磁気異方性などの磁気特性のほか、フェライトの被覆性、圧縮成形性などを考慮して選択することができる。またその粒子径分布などについても、磁気特性、充填性、圧縮成形性などを考慮して適宜選択することができる。
また本発明の複合磁性材料の製造方法において、金属または金属間化合物強磁性体微粒子の平均粒子径としては、100μm以下、より好ましくは30μm以下のものを好ましく用いることができる。このように平均粒子径を小さくすると、加圧成形時のフェライト被覆層の損傷が少なくなり、高い電気抵抗率の成形体が容易に得られる。他方で磁気特性を確保し必要な比透磁率を得るために、平均粒子径は20nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがさらに好ましい。
本発明の複合磁性材料の製造方法においては、圧縮成形工程の際にフェライト層で被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子にフェライト超微粒子を添加することにより、圧縮成形が容易となり、圧縮成形される複合磁性材料の高充填率と高電気抵抗率とを得ることができる。
上記フェライト層で被覆された強磁性体微粒子としては、めっき溶液中に生成するフェライト超微粒子とともに回収したものを用いることができる。即ち、めっき溶液中に生成するフェライト超微粒子を、除去せずに強磁性体微粒子に混合しておくことにより、圧縮成形を容易にし、圧縮成形される複合磁性材料の高充填率と高電気抵抗率とを得るのに利用することができる。
上記フェライト層で被覆された強磁性体微粒子を圧縮成形する際に添加するフェライト超微粒子としては、大気開放系かつ室温におけるフェライトめっき反応を用いて製造したフェライトの超微粒子を好ましく用いることができる。
本発明の複合磁性材料の製造方法におけるフェライト被覆工程として、強磁性体微粒子にフェライトを被覆するフェライトメッキ反応の過程を、前記強磁性体微粒子を乾燥する工程をはさんで複数回に分けて行うことができる。
また本発明の複合磁性材料の製造方法におけるフェライト被覆工程として、強磁性体微粒子にフェライトを被覆するフェライトメッキ反応の過程を、有機物または無機物の層を形成する工程をはさんで複数回に分けて行うことができる。
さらに本発明の複合磁性材料の製造方法におけるフェライト被覆工程として、強磁性体微粒子にフェライトを被覆するフェライトメッキ反応の過程を、キレート化フェライトメッキ法による酸化物アモルファス層の形成をはさんで複数回に分けて行うことができる。
このようにして、フェライトメッキ反応の過程を、有機物または無機物の層の形成をはさんで複数回に分けて行うことによって、フェライトメッキ層の付着力を高めることができ、その結果、このフェライト被覆を設けた強磁性体微粒子を圧縮成形した複合磁性材料の電気抵抗率を高めることができる。
また本発明の複合磁性材料の製造方法においては、フェライト被覆工程としてキレート化フェライトメッキ法を用い、酸化物アモルファス層を形成することにより、高抵抗率の被覆層を形成することもできる。
また本発明の複合磁性材料の製造方法においては、圧縮成形工程の加熱手段として、高周波誘導加熱を用いることができる。圧縮成形工程において高周波誘導加熱を用いることにより、成形された複合磁性材料の充填率を高めることができる。
さらに本発明の複合磁性材料の製造方法においては、圧縮成形工程の加熱手段として放電プラズマ加熱を用い、成形された複合磁性材料の充填率を高めることができる。
次に、図面を参照し、本発明の実施の形態についてさらに詳細に述べる。
図1は本発明の実施形態の複合磁性材料の微粒子配列の例を模式的に示した図である。図1Aは、金属または金属間化合物強磁性体微粒子1がほぼ球状であって、その表面に絶縁性のフェライト2が被覆され、成形された複合磁性材料である。この複合磁性材料は等方的であるため、材料の方向についての制約を受けることなく使用することができる。
また図1Bは、表面がフェライト層2で被覆された金属または金属間化合物強磁性体微粒子1aおよび1bが、粒度分布をもって配合されており、大きい粒子1aが充填されて生じた粒子の隙間を小さい粒子1bが順次埋めてゆくことにより、粒子の充填率の高められた構造を模式的に示したものである。
さらに図1Cは、金属または金属間化合物強磁性体微粒子1が矢印の方向に強い磁気異方性を有する微粒子であり、その微粒子表面に絶縁性のフェライト2が被覆され、この磁気異方性を有する微粒子の方向が加圧成形の過程で揃えられた複合磁性材料を模式的に示したものである。ここに金属または金属間化合物強磁性体微粒子1とフェライト2とは飽和磁化の値が大きく異なるため、図1Cのように粒子を圧縮成形した状態でもなお、粒子形状による形状磁気異方性を有する。この複合磁性材料は、その方向性を利用することにより、より高い特性を得ることができる。
なお、図1には、本発明の複合磁性体の強磁性体微粒子として、球状微粒子や扁平状微粒子などの単純な形状の微粒子を用いた場合を例示したが、本発明の複合磁性体の強磁性体微粒子は、このような単純な形状の微粒子だけでなく、すでに述べたようなより複雑な微粒子形状の微粒子を用いることができ、またそれらを組み合わせて用いることができる。
図2は本発明の複合磁性材料の製造方法の一実施形態における工程の流れを簡単に示したものである。図2において、金属または金属間化合物強磁性体微粒子1で構成される粉体11は、フェライトめっき工程12で常温(3〜100℃)の水溶液中でフェライトめっきされ、表面にフェライト層2が被覆された金属または金属酸化物強磁性体微粒子の粉体13となる。
このフェライトめっき工程は次のようなものである。反応液として、例えばFe2+、Ni2+、Co2+、Zn2+などの2価金属の塩化物の水溶液を用い、その温度を100℃以下の例えば80℃に保ち、pHコントローラを用い、pH調整剤として例えばNHOH水溶液の添加により、pHを常に一定になるよう調整しながら、強磁性体微粒子の表面のOH基にFe2+など2価の金属イオンを表面に吸着させ、Hを放出させる。このOH基は金属または金属間化合物強磁性体微粒子の表面に存在するものである。ここで酸化剤として、例えば亜硝酸ナトリウム(NaNO)を用い、吸着されたFe2+イオンの一部またはすべてを酸化させてFe3+にすることによって粒子表面にフェライト結晶層を形成する。こうして形成されたフェライト結晶層の表面には、OH基が存在しており、再びOH基にFe2+、Ni2+、Co2+、Zn2+などの2価金属イオンを表面に吸着させ、Hを放出させ、吸着されたFe2+イオンの一部またはすべてを酸化させてFe3+にする過程を繰り返すことによって、スピネル構造のフェライト層が粒子表面で成長する。このようにしてフェライト層の被覆された微粒子は洗浄され乾燥される。
なお、水溶液からのフェライト((MFe)、ここにMは2価金属)の粒子の生成は従来から知られていたが、フェライト膜を粒子などの固体表面に堆積させる方法は本発明者によって発明されたものであり(応用磁気学会誌、第22巻第1225−1232頁(1998))、さらに本発明者は、このフェライトめっきに際し、超音波励起を行う超音波励起フェライトめっき(阿部ほか、IEEE Trans.Magn.,Vol.Mag.33 3649(1997))を開発して、本発明の複合磁性材料に適したフェライト層の形成をより良質なものにし、本発明の複合磁性材料を安定して生産することを可能にしたものである。
この粉体はさらに図2の圧縮成形工程14で成形され、複合磁性材料15となる。この圧縮成形工程は、単軸方向の加圧圧縮による圧縮成形を行うことによって、生産性よく、良好な成形体を得ることができる。強磁性体微粒子の性状にもよるが、強磁性体微粒子の温度を300〜400℃程度に昇温して圧縮成形を行うことによって、良好な成形性を得ることができる。
強磁性体微粒子の昇温には高周波誘導加熱を用いることにより、効率的に加熱でき、成形性を高めることができる。また放電プラズマ加熱法を用いた効率的な加熱を行うことができる。放電プラズマ加熱法は、山本節夫、棚町信次、堀江信司、栗巣普揮、松浦満、石田浩一;粉体粉末冶金、47,(7)757(2000)に記載されており、円筒状のグラファイト製ダイと円柱状のパンチを組み、その中に粉体試料を入れ、それをパンチ電極ではさんで加圧するとともに直流のパルス電流を通電し、パンチとダイに流れる電流のジュール熱で試料を外側から加熱するとともに、粉体試料に直流電流を通電することにより、粉体粒子間に放電プラズマの高エネルギーを発生させるものである。
また圧縮成形工程には、粉体に等方的な加圧圧縮を行って成形する静圧圧縮成形を用いることもできる。圧力媒体として耐熱性の油を用い、加温して静圧圧縮成形する温間静圧成形法(WIP)または圧力媒体として気体を用い、加熱して静圧圧縮成形する熱間静圧成形法(HIP)を用いることもできる。
このようにしてつくられた複合磁性材料15は、金属または金属間化合物強磁性体微粒子1にフェライト層2が被覆された微粒子の成形体であって、金属または金属間化合物強磁性体微粒子1がフェライト層2によって電気的に互いに絶縁されており、絶縁性の磁性材料を構成している。他方でこの複合磁性材料3は、金属または金属間化合物強磁性体微粒子同士がフェライト層を介して磁気的に互いに結合しているので、磁気的に結合し一体化された磁性材料である。
次に金属鉄とNiZnフェライトとの複合構造を持つ磁性体微粒子についての実施例を述べることにより、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
平均粒子径4μmカルボニル鉄微粒子の表面にフェライトめっきによって平均厚さ0.5μmのフェライト層を形成した。
フェライトめっきは図3に示したガラスの反応容器31(容積500ml)を用い、反応液32中に金属磁性体微粒子であるカルボニル鉄微小球粒子1を浸漬し、超音波ホーン38により超音波を印加しながら行った。ここに符号39は反応液の酸化性を予め除いておくための窒素ガス供給配管である。フェライトめっき条件は次のとおりである。
反応液:
FeCl(12g/l)+NiCl(4g/l)+ZnCl(0.5g/l)
(酸化剤NaNOが酸化剤供給管33により供給され、Fe2+の一部がFe3+に酸化されるにともないスピネル構造を持つ、高抵抗率のフェライトめっき層を得る)
pH: 6.0
(pHメータ34にて測定し、NHOH供給管35からのNHOHの供給をpHコントローラ36により調整して反応液のpHを制御)
温度: 80℃ (熱浴37により温度を保持)
超音波: 周波数19.5kHz、パワー600w
(超音波ホーン38により反応液を加振)
めっき時間: 30分
次にこの金属鉄とNiZnフェライトとの複合構造を持つ磁性体微粒子を図4に模式的断面で示した圧縮成形装置で成形し、図4(A)で断面が外径8mm、内径3mmの円筒状の成形体、また同図(B)で外径8mmの円柱板状の成形体を得た。
図4Aにおいて、ダイ41aとアロッド42との間に下から挿入した下パンチ43aの加圧面に金属鉄とNiZnフェライトとの複合構造を持つ磁性体微粒子15を供給し、上パンチ44aを上から挿入して加圧した。この金属鉄とNiZnフェライトとの複合構造を持つ磁性体微粒子からなる粉体15の加圧成形は、加温のための発熱体45によって350℃に加温し、図示されていない加圧装置によりプランジャー46、47を介して785MPa(8トン重/cm)の圧力を加えて圧縮成形し、円筒状の複合磁性材料の成形体を得た。
また同様にして、図4Bにおいて、ダイ41bに下から挿入した下パンチ43bの加圧面に金属鉄とNiZnフェライトとの複合構造を持つ磁性体微粒子13を供給し、上パンチ44bを上から挿入して加圧した。この金属鉄とNiZnフェライトとの複合構造を持つ磁性体微粒子13の加圧成形は、加温のための発熱体45によって上記と同じ条件の350℃に加温し、図示されていない加圧装置によりプランジャー46、47を介して785MPaの圧力を加えて圧縮成形し、円柱状の複合磁性材料の成形体を得る。なおこの圧縮成形装置においては、圧縮成形時に、例えば図に示したような磁界Hを外部から印加することによって磁界中配向成形を行うこともできる。
このようにして得られる複合磁性材料は、フェライトで被覆された鉄微粒子が密に充填され、鉄微粒子の間にはフェライト層が介在したものとなる。また導電性の金属磁性体微粒子がフェライト層によって電気的に互いに絶縁されることにより、比透磁率の高周波特性が向上し、2GHzで比透磁率の実数部が10を超える値が得られた。また、このようにして得られる複合磁性材料は、微粒子が密に充填していることと、フェライト層が飽和磁化の一部を担っており、飽和磁化の値として1.0Tを大きく上回る値が得られた。
また、円筒状(断面が長方形の環状)の上記成形体について、高周波比透磁率の測定を行い、800MHzで高周波比透磁率100が得られた。この値はカルボニル鉄微粒子がカップリング処理されて高密度に分散した成形体の比透磁率が最大で7であるのに比べて非常に大きい値である。これは本実施例の成形体においては、カルボニル鉄微粒子同士がフェライト層によって磁気的に互いに結合されていることを示すものである。また複合磁性材料の比透磁率と周波数の関係は、NiZnフェライトの比透磁率と周波数の関係曲線に関するスネークの限界線を超え、カルボニル鉄微粒子を樹脂に高い充填率で充填させた複合磁性材料の限界線をも上回ることができた。
(実施例2)
以下の方法でNiZnフェライト超微粒子を作製した。すなわち、300mlのビーカーに純水100mlを入れ、スタラーで攪拌しながら、0.16molのNi0.7Zn0.3Fe2.0のフェライトめっきに必要な出発物質として、FeCl・4HO 7.952g、FeCl・6HO 10.812g、NiCl・6HO 6.656g、ZnCl 1.636gを50mlの純水に溶解した反応液と、0.15molのNHCl溶液50mlをそれぞれ5ml/分の速度で加え反応させた。すなわち50ml/(5ml/分)=10分間反応させた。この反応によって得られた生成物を洗浄し、乾燥させた。こうして平均粒子径8nmのNiZnフェライト超微粒子を得た。
実施例1と同じ方法で作製したフェライトめっき膜で被覆された鉄微粒子に、上記のNiZnフェライト超微粒子を体積比にして10%加えて、実施例1と同じ手順で圧縮成形した。
その結果、フェライト超微粒子を加えることによって、フェライト超微粒子を加えない実施例1の場合に比べて、同じかさ密度の複合磁性体を得るのに必要な圧力が20%程度減少した。またフェライト超微粒子を加えた複合磁性体は、フェライト超微粒子を加えない場合の同じかさ密度の複合磁性体(実施例1の複合磁性体)に比べて、電気抵抗率が約3倍に上昇した。
(実施例3)
実施例1と同様の手順により、平均粒子径70nmのカルボニル鉄微粒子の表面にフェライトメッキによって平均厚さ15nmのNiZnフェライトフェライト層を形成した。
次に実施例1と同様の手順により、この金属鉄とNiZnフェライトとの複合構造を持つ磁性体微粒子を圧縮成形して成形し、フェライトで被覆された鉄微粒子が密に充填され、鉄微粒子の間にはフェライト層が介在した複合磁性材料を得た。この成形体の高周波比透磁率の実数部として、2GHzで10を超える値が得られた。
(実施例4)
鉄微粒子に対し、実施例1に記載されているフェライトめっき反応を10分間行った後、磁石を用いて分離し、これをろ紙の上で60℃で乾燥させた。その後、この微粒子に対し再び同じフェライトめっき反応を15分間行った後、再び磁石を用いて分離し、ろ紙の上で60℃で乾燥させた。続いてこの微粒子に対しもう1度同じフェライトめっき反応を15分間行った後、洗浄し分離乾燥してフェライト被覆強磁性体微粒子を得た。このフェライト被覆強磁性体微粒子を実施例1と同じ手順で圧縮成形して複合磁性材料を得た。本実施例で得られた複合磁性材料は、乾燥過程を入れない実施例1の場合と比較し、電気抵抗率が2ないし3倍に増大していた。これは、乾燥過程を挿入したことによって、(1)めっき反応時間の総量は同じでも膜厚が増大したこと、および(2)フェライト層の強磁性体微粒子表面への付着力が増大したため、圧縮成形の過程でフェライト被覆が強磁性体微粒子の表面から剥離することが抑制されたからである。(1)、(2)の理由は次のとおりである。
(1)上記のように乾燥過程をはさんで3回フェライトめっきした強磁性体微粒子の断面切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観測したところ、図5Aに模式的に示したように、3層の柱状構造をしていた。図5Aにおいて1は金属または金属間化合物の強磁性体微粒子、2A、2Bおよび2Cはそれぞれ柱状のフェライト層である。フェライト生成反応で得られたフェライト層の柱状構造を持つ結晶粒の成長が、乾燥の過程を入れたことによって中断させられ、次のフェライト反応によって新たな柱状結晶粒が成長していた。これまでの平面基板上へのフェライトめっきの研究から、柱状の結晶粒の径が増大するにともない、結晶粒間に働く応力によってフェライト層の強磁性体微粒子表面に対する付着力が弱められることがわかっている。上記の乾燥過程の挿入によって結晶粒の成長を、いわば“仕切りなおして”抑制することによって付着力が増大したのである。
(2)一般にフェライトめっきによる層厚の成長速度は時間とともに飽和する傾向があるので、“仕切りなおし”によって飽和傾向の効果を抑えることができ、合計された層厚が増大したのである。
このようにして、フェライトメッキの途中で乾燥過程を入れることによって、このようにフェライト層が多層化された構造が得られ、絶縁性が良好でかつ強固な被覆を形成することができた。
(実施例5)
鉄微粒子に対し、実施例1に記載されているフェライトめっき反応を10分間行った後、磁石を用いてこの鉄微粒子を分離し、水洗し、続いて60℃、濃度1.0g/lのデキストラン((C10)n,n=1200〜1800)水溶液中に超音波をかけながら分散させ、この鉄微粒子に形成されたフェライト層の表面にデキストランの単分子膜を吸着させた。その後、この鉄微粒子に対し再び同じフェライトめっき反応を15分間行い、続いて磁石を用いて分離し、水洗し、60℃、濃度1.0g/lのデキストラン((C10)n,n=1200〜1800)水溶液中に超音波をかけながら分散させ、この鉄微粒子に形成されたフェライト層表面にデキストランの単分子膜を吸着させた。続いてこの微粒子に対しもう1度同じフェライトめっき反応を15分間行った後、洗浄し分離乾燥してフェライト被覆強磁性体微粒子を得た。このフェライト被覆強磁性体微粒子を実施例1と同じ手順で圧縮成形して複合磁性材料を得た。
このようにして得られた本実施例の複合磁性材料は、乾燥過程を経ていないにもかかわらず、実施例4の場合と同様に、実施例1の場合と比べて電気抵抗率が2ないし3倍に増大していた。
上記のようにデキストランの単分子膜の吸着をはさんで3回フェライトめっきした強磁性体微粒子の断面切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観測したところ、図5Bに模式的に示したように、実施例4の場合と同様に、3層の柱状構造をしていた。図5Bにおいて1は金属または金属間化合物の強磁性体微粒子、2A、2Bおよび2Cはそれぞれ柱状のフェライト層である。また4Aおよび4Bはデキストラン単分子膜の中間層である。図5Bに示されているように、フェライト生成反応で得られたフェライト層の柱状構造を持つ結晶粒の成長が、デキストランの単分子膜吸着の過程を入れたことによって中断させられ、次のフェライト反応によって新たな柱状結晶粒が成長していた。
このようにして、フェライトメッキの途中でデキストランの単分子膜吸着の過程を入れることによって、このようにフェライト層が多層化された構造が得られ、絶縁性が良好でかつ強固な被覆を形成することができた。
(実施例6)
上記実施例5において、フェライト層表面にデキストラン単分子膜を堆積させるかわりに、無機物のアモルファスYFe12薄層を堆積させた。
アモルファスYFe12薄層の堆積は次の手順(文献1:Q.Zhang,T.Itoh,M.Abe,and M.J.Zhang;J.Appl.Phys.,75,(10),6094(1994).)に記載した方法によった。
すなわち、実施例1に記載の超音波フェライトめっき装置を用い、80℃に保たれた純水中に平均粒子径約4μmのカルボニル鉄微粒子を超音波(19.5kHz、600W)を印加することによって分散させ、実施例1と同じ条件でフェライトめっきを10分間行ってスピネルフェライト層を形成した後、反応液の外側に磁石をおいてこの鉄微粒子を吸引し、反応液を流し去り、この鉄微粒子を水洗した。その後、反応液としてpH=5.8に調整したFeCl(0.5g/l)+YCl3(2.0g/l)、酸化剤としてpH=7.1に調整したNaNO(1g/l)+CHCOONH(4.0g/l)を、10分間供給することによって、鉄微粒子表面にアモルファス層を堆積させた。この後、反応容器の外側から磁石を近づけてこの鉄微粒子を吸引しながら反応液を流し去り、この鉄微粒子を水洗し、再び実施例1と同じ反応液と条件でフェライトめっきを10分間行ってスピネルフェライト層を形成した後、再び上記と同じ手順で鉄微粒子表面にアモルファス層を堆積させた。さらにもう1度実施例1と同じ条件でフェライトめっきを10分間行ない、スピネルフェライト層を形成した。
こうしてアモルファス層の形成によりフェライト層の結晶粒の成長をいわば“仕切りなおし”させることによって、非磁性体である有機物であるデキストランを用いた場合に比べ、多層フェライト被覆層がより強固となり、フェライト被覆された強磁性体微粒子を圧縮成形して得られた複合磁性材料は、同時間連続フェライトめっきした実施例1の場合に比べ、電気抵抗が約3倍に増大した。
(実施例7)
実施例2に記載した方法によって作製した多層構造のNiZnフェライト層で被覆されたカルボニル球を、高周波コイルの中心に置かれたアルミナ製のダイ、パンチ、アロットを用いて次の条件で高周波誘導加熱しつつコア状にプレス成型した。
高周波の周波数:120kHz、 出力:300W、
高周波コイル:内径70φ、外径86φ、15段(高さ150mm)
ダイおよびピストン:アルミナ製
得られたコア状の複合磁性体は、誘導加熱を行わない場合に比べ、初期透磁率が約3倍に上昇していた。
(実施例8)
実施例6にて作製したアモルファスYFe12膜を中間層として多層化したフェライト層で被覆されたカルボニル球を、実施例7に記した方法で誘導加熱しつつ圧縮成形して得たコア状の複合磁性材料を得た。この複合磁性材料の初期透磁率は、誘導加熱しない場合に比べ、2.5倍に上昇した。
(実施例9)
鉄カルボニル球に対し、無機物のアモルファスYFe12薄層を直接形成した。形成条件は実施例6に記載の条件において、反応時間を10分から30分に変えたものである。このアモルファスYFe12膜で被覆された鉄カルボニル球を圧縮成形して複合磁性材料を作製した。電気抵抗率は実施例5に比べ10倍に増大し、また初期透磁率は約2倍に増大した。
なお上記の実施例は本発明によって可能な実施例の一部を示したに過ぎない。本発明によれば、金属または金属間化合物磁性体の材料組成、微粒子形状や粒度、フェライト被覆層、成形条件など、各条件を選ぶことによって、多様な特性の複合磁性材料が得られる。例えば数10μmの比較的大きな粒子径を選ぶことにより、高い比透磁率を有し比較的低い周波数領域で用いるのに適したものが得られ、また粒子径を小さく選び、あるいは適度の磁気異方性を有する微粒子を選ぶことにより、マイクロ波領域で用いることのできるものが得られるなど、幅広い用途にそれぞれ適したさまざまの高絶縁性で高透磁率の複合磁性材料を得ることができる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、飽和磁化の大きい金属磁性材料の微粒子表面に、高抵抗で強固なフェライト層によって被覆し、この微粒子を圧縮成形することにより、複合磁性材料を得ることができる。この複合磁性材料は金属磁性微粒子同士が電気的に絶縁しており、しかも金属磁性微粒子同士は磁気的に互いに結合しているので、高い飽和磁化を有するとともに電気抵抗が高く、かつ高透磁率が得られる。しかもフェライトめっきを用いた場合の微粒子表面被覆プロセスは、良質であり生産性の良好なプロセスである。このため本発明の複合磁性材料は、高周波における電波吸収体やインダクタンス素子をはじめとする幅広い用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の複合磁性材料における微粒子の充填の状況を模式的に示した図であって、図1Aはほぼ球状金属または金属間化合物強磁性体微粒子が表面をフェライト層で被覆され成形された複合磁性材料を示した図であり、また図1Bは金属または金属間化合物強磁性体微粒子が粒度分布をもって配合され表面をフェライト層で被覆され粒子の充填率の高められた構造を模式的に示した図であり、さらに図1Cは金属または金属間化合物強磁性体微粒子が形状磁気異方性を有し、その表面に絶縁性のフェライトが被覆され、方向が揃えられ成形された複合磁性材料を模式的に示した図である。
図2は、本発明の複合磁性材料の製造方法における工程の流れを示した図である。
図3は、本発明の一実施例において微粒子にフェライトめっきを行うのに用いた反応装置を模式的に示した図である。
図4は、本発明の複合磁性材料の製造方法の実施例において、フェライトめっきにより被覆された微粒子を温間成形によって圧縮成形する工程を模式的に示した図であって、図4Aは円筒状の成形体の圧縮成形、また図4Bは円柱または円板状の成形体の圧縮成形を示した図である。
図5は、本発明の複合磁性材料の製造方法の実施例により製造された複合磁性材料における多層のフェライト被覆層の切断面を透過型電子顕微鏡観察した結果を模式的に示した図であって、図5Aは乾燥過程をはさんだ3回のフェライトめっきによる強磁性体微粒子の被覆層、また図5Bはデキストランの単分子膜の吸着をはさんた3回フェライトめっきによる強磁性体微粒子の被覆層である。

Claims (20)

  1. 金属または金属間化合物の強磁性体微粒子と、前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を被覆するフェライト層とを備え、前記フェライト層で被覆された前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子が圧縮成形されていることを特徴とする複合磁性材料。
  2. 前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を被覆するフェライト層が、フェライトめっきによって形成されたものであることを特徴とする請求の範囲1記載の複合磁性材料。
  3. 前記フェライトめっきが超音波励起フェライトめっきであることを特徴とする請求の範囲2記載の複合磁性材料。
  4. 前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子の飽和磁化が前記フェライトの飽和磁化に比べて大であることを特徴とする請求の範囲1記載の複合磁性材料。
  5. 前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子の平均粒子径が20nm以上100μm以下であることを特徴とする請求の範囲1記載の複合磁性材料。
  6. 前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子が磁気異方性の金属または金属間化合物であることを特徴とする請求の範囲1記載の複合磁性材料。
  7. 前記複合磁性材料が、表面をフェライト層により被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子とフェライト超微粒子とが混合され、圧縮成形されて複合体を形成していることを特徴とする請求の範囲1記載の複合磁性材料。
  8. 前記フェライト層がアモルファスフェライトを主な相とするものであることを特徴とする請求の範囲1記載の複合磁性材料。
  9. 金属または金属間化合物の強磁性体微粒子をフェライトめっき反応液中に分散し、前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子の表面をフェライトめっきによりフェライト層で被覆するフェライト被覆工程と、
    フェライト層で被覆された前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子を圧縮成形する圧縮成形工程と
    を備えたことを特徴とする複合磁性材料の製造方法。
  10. 前記フェライト被覆工程が、超音波を用いて励起を行う超音波励起フェライトめっきであることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  11. 前記金属または金属間化合物の強磁性体微粒子として平均粒子径20nm以上100μm以下のものを用いることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  12. 前記圧縮成形工程において、前記フェライト層で被覆された強磁性体微粒子にフェライト超微粒子を添加することを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  13. 前記フェライト超微粒子として、大気開放系かつ室温におけるフェライトめっき反応を用いて製造したフェライトの超微粒子を用いることを特徴とする請求の範囲12記載の複合磁性材料の製造方法。
  14. 圧縮成形に用いるフェライト層で被覆された前記強磁性体微粒子が、めっき溶液中に生成するフェライト超微粒子とともに回収されたものであり、該フェライト超微粒子の混合されたものであることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  15. 前記フェライト被覆工程が、前記強磁性体微粒子にフェライトを被覆するフェライトメッキ反応の過程を、前記強磁性体微粒子を乾燥する工程をはさんで複数回に分けて行うものであることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  16. 前記フェライト被覆工程が、前記強磁性体微粒子にフェライトを被覆するフェライトメッキ反応の過程を、有機物または無機物の層の形成をはさんで複数回に分けて行うものであることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  17. 前記フェライト被覆工程が、前記強磁性体微粒子にフェライトを被覆するフェライトメッキ反応の過程を、キレート化フェライトメッキ法による酸化物アモルファス層の形成をはさんで複数回に分けて行うものであることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  18. 前記フェライト被覆工程が、キレート化フェライトメッキ法により酸化物アモルファス層を形成するものであることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  19. 前記圧縮成形工程が、高周波誘導加熱による加熱を用いるものであることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
  20. 前記圧縮成形工程が、放電プラズマ加熱による加熱を用いるものであることを特徴とする請求の範囲9記載の複合磁性材料の製造方法。
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