JPH061727B2 - 鉄 心 - Google Patents

鉄 心

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JPH061727B2
JPH061727B2 JP59273308A JP27330884A JPH061727B2 JP H061727 B2 JPH061727 B2 JP H061727B2 JP 59273308 A JP59273308 A JP 59273308A JP 27330884 A JP27330884 A JP 27330884A JP H061727 B2 JPH061727 B2 JP H061727B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は、鉄心に関するものであり、より詳しくは、磁
性粉間の電気絶縁性を良好にして高周波帯域での鉄損を
減少せしめた鉄心に関するものである。
[発明の技術的背景とその問題点] 般に、交流を直流に交換する装着、直流を交換に変換
流する装置、ある周波数の交流を異なる周波数の交流に
変換する装置、および所謂チョッパ等の直流を直流に変
換する装置等のような電力変換装置、あるいは無接点遮
断器等の電気機器には、その電気回路の構成要素とし
て、サイリスタまたはトランジスタに代表される半導体
スイッチング素子ならびにこれに接続されたターンオン
ストレス緩和用リアクトル、転流リアクトル、エネルギ
ー蓄積用リアクトル、あるいはマッチング用変圧器等が
使用されている。
このようなリアクトルや変圧器には、半導体のスイッチ
ングに伴い、スイッチング周波数と同じ周波数の電流の
他に、スイッチング周波数より遥かに高い周波数である
数十kHzから、場合によっては、500kHzを超える程度
にまで達する高い周波数成分を持つ電流が流れることが
ある。
このようなリアクトルや変圧器を構成している鉄心に
は、従来、次のようなものが使用されている。
(a)層間絶縁を施した薄い電磁鋼板またはパーマロイ等
を積層した積層鉄心、 (b)カーボニル鉄微粉,パーマロイ微粉等を例えばフェ
ノール樹脂等の樹脂を使用して結着した所謂ダストコア
と呼ばれる圧粉鉄心、 (c)酸化物系磁性材料を焼結して作製した所謂フェライ
トコア、 等があげられる。
これらの中で、積層鉄心は、商用周波数においては優れ
た電気特性を示すものの、高い周波数帯域においては鉄
心の鉄損が著しく大きくなる。
特に、渦電流損室が周波数の2乗に比例して増加し、ま
た鉄心を形成する板材の表面から内部に入るにつれ鉄心
材料の表皮効果によって磁化力が変化しにくくなるとい
う性質を有している。
したがって、積層鉄心は、高い周波数帯域においては、
本来鉄心材料自体が有している飽和磁束密度よりも遥か
に低い磁束密度でしか使用することができず、渦電流損
失も極めて大きくなるという問題がある。
さらに、積層鉄心は高い周波数に対する実効透磁率が商
用周波数に対する実効透磁率と比較して著しく低いとい
う問題もある。
これらの問題点を有している積層鉄心を、半導体スイッ
チング素子に接続されていて高い周波数成分を有する電
流が流れるリアクトルまたは変圧器に使用する場合に
は、実用透磁率および磁束密度の低さを補償するため
に、鉄心自身を大型化しなければならず、それに伴い鉄
損が大きくなり鉄心に巻かれているコイルの長さが長く
なるため銅損も大きくなるという欠点があった。
また、前述のダストコアと呼ばれる圧粉磁性体を鉄心と
して使用することも従来行なわれ、例えば特許第112235
公報にそのことは詳細に説明されている。
しかしながら、このようなダストコアは、一般に、その
磁束密度および透磁率はかなり低い値を有するものであ
る。これらの中でも比較的高い磁束密度を有するカーボ
ニル鉄粉を使用したダストコアにおいても、10000A/mの
磁化力における磁束密度は0.1Tをやや上回る程度であ
り、透磁率は1.25×10-5H/m程度のものである。
したがって、ダストコアを鉄心材料として使用したリア
クトルや変圧器においては、磁束密度や透磁率の低さを
補償をするために、積層鉄心の場合と同様に鉄心の大型
化が避けられず、それに伴い鉄心に巻かれているコイル
の長さが長くなりリアクトルや変圧器等の銅損が大きく
なるという欠点があった。
また、小型の電気機器に多く使用されているフェライト
コアは、高い固有抵抗値と比較的すぐれた高周波特性を
有している。
しかしながら、フェライトコアは、10000A/mの磁化力に
おける磁束密度が0.4T程度と低く、鉄心の使用温度範囲
である−40℃〜120℃において透磁率ならびに同一磁化
力における時束密度の値がそれぞれ数十%も変化すると
いう問題がある。
このため、フェライトコアを半導体スイッチング素子に
接続されたリアクトルや変圧器等の鉄心材料として使用
する場合には、時束密度が低いために鉄心を大型にする
必要がある。しかしながら、フェシトは焼結体であるた
め、大型鉄心の製造が困難であり、大型の電力用鉄心へ
の適用が難しい。
また、フェライトコアは、磁束密度が低いため鉄心に巻
くコイルの長さが長くなり銅損が大きくなる。また、透
磁率および磁束密度が使用温度によって大きな影響を受
けるためリアクトルや変圧器に使用した場合にその磁気
特性変化が大きくなる。さらには、電磁鋼板等と比較し
た場合に磁歪が大きいので鉄心から発せられる騒音が大
きくなる等、種々の問題があった。
[発明の目的] 本発明は、上記した問題点を解消し、例えば半導体素子
に接続されたリアクトルや変圧器等に使用される鉄心と
して、透磁率の周波数特性が優れていると共に磁束密度
が高く、しかも高周波帯域での鉄損が少なく、また製造
時の型抜き圧が低いなど作業性にも優れている圧縮成形
体の鉄心を提供することを目的とする。
[発明の概要] 本発明の鉄心は、金属磁性粉と、電気絶縁性結着樹脂
と、リン酸エステルとを必須成分とした成形体であるこ
とを特徴とする。
まず、本発明で用いる金属磁性粉としては、例えば、純
鉄の粉末、Fe-3%Siで代表されるFe-Si合金粉、Fe-Al系
合金粉、Fe-Si-Al系合金粉、Fe-Ni系合金粉、Fe-Co系合
金粉,鉄を含む非晶質合金磁性粉などをあげることがで
きる。上記した磁性粉は、それぞれ単独で用いてもよい
が適宜に組合せて使用してもよい。
また、上記した磁性粉は、その固有電気抵抗率が10μΩ
・cmから高々数十μΩ・cm程度である。従って、表皮効
果が生ずる高い周波数を含む交流電流においても充分な
鉄心材料性を得るためには、これら磁性粉を微細な粒子
にすることによって粒子表面から粒子内部までが充分磁
化するようにしなければならない。
上記した理由により、数十kHz程度までの周波数成分を
持つ電流により励磁され、その周波数帯域までの透磁率
特性が要求される鉄心については、磁性粉の平均粒径が
300μm以下程度であることが望ましい。
同様に、周波数帯域が100kHzを超える場合の鉄心で
は、磁性粉の平均粒径が100μm以下程度であることが
望ましい。
しかしながら、その平均粒径が10μm未満と極めて小さ
くなると、製造が困難となってしまう。また後述する鉄
心の成形段階で通常適用される1000MPa以下の成形圧で
は得られた鉄心の密度が大きくならず、その結果磁束密
度の低下という不都合を生ずるため、10μm以上程度が
望ましい。
成形体における磁性粉の配合割合は、要求される磁気特
性、例えば磁束密度等によって適宜設定することができ
る。しかしながら磁性粉が体積比で99%を超えると後述
の樹脂成分が少なくなり磁性粉間の結着が不十分となる
ため99%以下であることが好ましい。また磁性粉が体積
比で60%未満になると10000A/mの励磁力での鉄心の磁束
密度がフェライトコア程度(0.4T)に低下するため、こ
れ以上の磁束密度を必要とする場合には60%以上である
ことが望ましい。
本発明における電気絶縁性結着樹脂は、後述するリン酸
エステルを介して磁性粉の表面を被覆し、磁性粉末相互
間を互いに電気的絶縁状態にして鉄心全体の交流磁化に
対する充分な実効電気抵抗値を付与せしめると同時に、
これら粉末を結着せしめるバインダーとして機能する。
このような電気絶縁性結着樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂などがあげられる。上
記したような樹脂はそれぞれ単独で用いてもよいし適宜
に組合せて使用してもよい。
上記結着樹脂の成形体における配合割合は、体積比にし
て0.7%以上であることが望ましく、これより少ないと
磁性粉に対する結着強度が弱まる。
本発明におけるリン酸エステルは、後述する理由により
上記した磁性粉と結着樹脂とのぬれ性及び接着性を高め
ると共に、圧縮成形後の金型からの抜き圧を低くする機
能を有する。したがって、リン酸エステルは、結着樹脂
の分散性,磁性粉被覆を向上せしめてその結果、磁性粉
間の電気絶縁性を高めて鉄心の鉄損を減少させる。
本発明におけるリン酸エステルは、格別限定されるもの
ではないが、次式で示される化合物が特に好ましい。す
なわち、 (式中、m,nはそれぞれ1もしくは2の数を表わ
すと共にm+n=3の関係を満たし、Rは炭素数
8以上のアルキル基を表わす。) で示されるリン酸エステル、及び (式中、m,nはそれぞれ1もしくは2の数を表わ
すと共にm+n=3の関係を満たし、Rは炭素数
8以上のアルキル基又はアルキルフェニル基を表わし、
nは自然数を表わす。) で示されるリン酸エステルである。
該リン酸エステルが磁性粉と結着樹脂と共に混合された
際、上式で示されるリン酸エステル中の水酸基は磁性粉
表面上に吸着した水分と常温で容易に反応して、リン原
子が酸素原子を介して磁性粉表面と強固に結合する。一
方、反応せずに残った他の基 は有機物質である結着樹脂とのぬれ性及び接着性にすぐ
れている。したがって、リン酸エステルは磁性粉,結着
樹脂との両方に対して優れた結合性,接着性を揮発す
る。
上記(1)式で示されるリン酸エステルとしては、例え
ば、 ジオクチルホスフェート, モノイソデシルホスフェート 等が挙げられる。
上記(2)式で示されるリン酸エステルとしては、例え
ば、 ジ(オクトキシエトキシエチル)ホスフェート, モノ(メチルフェノキシエチル)ホスフェート 等が挙げられる。これらの化合物は1種類で用いてもよ
いし、あるいは2種以上の混合物を用いてもよい。
なお、本発明において、リン酸エステルは少量の添加含
有で上記したぬれ性・接着性の効果が揮発されるが、あ
まり少ないと結着樹脂が磁性粉間に充分に廻り込まず、
絶縁性が低くなるので鉄損の減少の効果が少ないため、
実用上は体積比で0.1%以上であることが好ましい。
本発明は上記した3成分のみで充分な鉄損減少の効果が
得られるが、更に、電気絶縁性無機化合物粉末を加えて
もよい。
電気絶縁性無機化合物の粉末は、鉄心の成形時に磁性粉
相互間における摩擦抵抗を減少させて鉄心の成形密度を
高めると同時に、導電体である磁性粉相互間に介在して
鉄心全体の交流磁化に対する実効電気抵抗値を高めて鉄
損を減少させる機能を有する。
このような電気絶縁性無機化合物の粉末としては、例え
ば、炭酸カルシウム、シリカ、マグネシア、アルミナ、
各種ガラスなどの粉末があげられる。これらの無機化合
物は、上記した磁性粉,結着樹脂と相互に化学反応を起
こさないものでなければならない。上記したような無機
化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし適宜に組合せて
使用してもよい。
上記した無機化合物の粉末の平均粒径は、その分散性,
鉄心材料特性との関係からして、上記した磁性粉の平均
粒径よりも小さく、望ましくは20μm以下であることが
好ましい。
無機化合物粉末は少量でその効果を発揮するが、その配
合割合は、体積比にして0.3〜30%の範囲が好ましい。
0.3%未満の場合には成形密度の向上や鉄損の減少の効
果が少なく、30%を超えると鉄心としての機械的強度が
低下してしまうからである。
次に、本発明の鉄心の製造方法について説明する。
まず、磁性粉とリン酸エステルとを、直接またはリン酸
エステルを溶剤に溶解せしめた状態で、混合する。この
工程で磁性粉の表面がリン酸エステルによって覆われ
る。次に、これに結着樹脂を加えて混合物とする。
この場合、磁性粉と結着樹脂とリン酸エステルの3成分
を同時に混合してもよく、また、リン酸エステルと結着
樹脂とを予め混合したものに磁性粉を混合させる方法で
もよい。
上記3成分に加えて無機化合物も配合する場合には、 (1)磁性粉と無機化合物粉末とを混合したのち、リン
酸エステル,結着樹脂を順次混合する方法、 (2)磁性粉と無機化合物粉末と結着樹脂とリン酸エス
テルとを同時に混合する方法、 (3)予め無機化合物粉末を結着樹脂中に分散せしめた
ものに、磁性粉,リン酸エステルを混合する方法、 などいずれの方法でもよいが、無機化合物粉末を単独で
添加する方法よりも、予め結着樹脂中に分散せしめてお
く方法が効果的である。
次に、上記の混合物を金型に充填して圧縮成形する。こ
のとき適用する成形圧は1000MPa以下でよい。得られた
所定形状の成形体は、そのまま鉄心として使用に共され
るが、必要に応じて結着樹脂硬化のための熱処理を施し
てもよい。
[発明の実施例] 以下に本発明の実施例を説明する。
磁性粉,結着樹脂,リン酸エステル,無機化合物を所定
の割合で配合し、これを充分に混合した。なおこのと
き、無機化合物粉末は予め決着樹脂中に分散混合させて
使用した。
得られた混合物を成形用金型に充填して600MPaの圧力で
圧縮成形した後、成形体を金型から抜き取り、得られた
成形体に熱処理を施して鉄心を製造した。
この熱処理としては、結着樹脂にエポキシ樹脂を用いた
場合、160〜200℃,0.5〜2時間の加熱、ポリアミド樹
脂を用いた場合、160℃,15分間の加熱を行なった。
第1表に、磁性粉,結着樹脂,リン酸エステル,無機化
合物粉末の組成種類及び配合比、さらに粉末にあっては
その平均粒径を示した。またあわせて、B=0.05Tにお
ける50KHz及び100kHzでの鉄損も示した。
実施例1〜8 実施例1〜8は磁性粉の配合比を固定して、リン酸エス
テル,無機化合物の配合比を変けたものである。又、比
較例1〜3はリン酸エステルを含有しないものである。
鉄損値は、商用周波数である50Hzでは各試料とも明白な
差は認められなかったが、高周波帯域である50kHz、お
よび100kHzでは、第1表から明らかなようにリン酸エ
ステルを0.1%以上添加した実施例1〜8は、比較例1
〜3に比べて鉄損が著しく小さくなっていた。さらに、
200kHzではその差が大きく、3.5倍以上になった。また
結着樹脂の一部を減らし、CaCO3を添加したものは鉄損
が更に小さくなっていることがわかる。
このように本発明の鉄心で高周波域での鉄損の低減が実
現されているのは、磁性粉間の絶縁が良好で渦電流損失
が小さいためである。
また、第1図に実施例3の実効透磁率の周波数特性を示
した(曲線a)。比較例2についても第1図中に曲線b
として示した。同図から明かなように本発明の実施例で
は40kHz〜1000kHzの広い周波数範囲でほとんど実効透
磁率の変化がなく周波数特性に優れているのに対し、比
較例では高周波域で大幅に実効透磁率が低下しているこ
とがわかる。
このように渦電流損失が小さい本発明は、高周波帯域で
の実効透磁率の低下が少ない。また、CaCO3を含有する
実施例5でもほとんど高周波域における実効透磁率の低
下はみられなかったが、磁性粉粒径の大きい実施例6で
はやや低下する傾向がみられた。
また実施例3と比較例2の鉄心試料について、成形後の
同一形状、寸法(直径20cm,高さ20cmの円柱状)の成形
体について、抜き圧を比較した。この結果、実施例3で
は1000kg以下であったが、比較例2では1500〜2000kgと
高く、リン酸エステルは成型後の抜き圧を減少させて、
成形工程を容易にすると共に、型抜きの際の鉄心の破損
も少なく歩留りを向上させる効果もあることが判明し
た。
なお実施例1〜8の鉄心試料は励磁力10000A/mにおい
て、何れも0.6T以上の高い磁束密度を示した。
実施例9〜15 実施例9〜15は磁性粉の配合比をかえたものであり、比
較例4〜9はリン酸エステルを含有しないものである。
第1表から明らかなように磁性粉の配合比がほぼ同等の
試料で比較すると、本発明の鉄心の方が鉄損が少なく、
特に100kHzではその差が更に大きくなっている。また
無機化合物粉末としてCaCO3を添加した実施例11と比較
例6、およびSiO2を添加した実施例13と比較例8は更に
大きな差が見られた。
なお本実施例の鉄心は、励磁力10000A/mの磁束密度が0.
5T以上を示すが、磁性粉の配合比が60%未満である実施
例15は鉄損は小さいものの励磁力0000A/mの磁束密度は
0.4T以下となった。
実施例16〜19 実施例16〜19は磁性粉のみを変えたものであり、比較例
10〜13はリン酸エステルを含有しないものである。
第1表から明らかなように本発明の実施例の方が低鉄損
であり、特に100kHzの高周波数での鉄損が比較例に比
べて非常に小さいことがわかる。
また第2図に実施例17の実効透磁率の周波特性を示した
(曲線c)。
また、比較例11についても曲線dとして第2図にあわせ
て示した。
本発明による鉄心は高周波帯域でも実効透磁率の低下は
殆ど見られないが、比較例の鉄心は100kHzを超えると
大幅に低下していることがわかる。この傾向は実施例16
と比較例10、実施例18と比較例12、実施例19と比較例13
についても同様である。
またこれら実施例16〜19の鉄心試料の、励磁力10000A/m
における磁束密度は何れも0.6T以上であった。
実施例20 平均粒径105μmのFe-Si-B系非晶質磁性粉を85%配合
したほかは、実施例16と同様にして鉄心を作製した。ま
た比較例14としてリン酸エステルは配合せず、他は実施
例20と同様の鉄心を作製した。
B=0.05Tのときの鉄損をそれぞれ測定したところ、
実施例20は比較例14と比較して、50kHzでは55%、100
kHzでは70%の鉄損が減少していた。
[発明の効果] 以上説明した如く、本発明の鉄心では、磁性粉の表面が
リン酸エステルによって被覆され、このリン酸エステル
の親油性基の働きにより、磁性粉と結着樹脂とのぬれ性
及び結着性、分散性が非常に良好である。
したがって、本発明の鉄心は、磁性粉間の結着樹脂によ
る電気絶縁性が優れているため渦電流損が小さい。
このため、本発明の鉄心は、特に高周波帯域での鉄損が
小さく、発熱もなく実効透磁率の低下もなく高い磁束密
度を維持できるなど優れた磁気特性を有している。
さらに、圧縮成形後の金型からの抜き圧も小さく作業性
も良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ鉄心における実効透磁率の
周波数特性を示した図である。
フロントページの続き (72)発明者 森田 幹郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特公 昭49−11260(JP,B1)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属磁性粉と、電気絶縁性結着樹脂と、リ
    ン酸エステルとを必須成分とした成形体であることを特
    徴とする鉄心。
  2. 【請求項2】該リン酸エステルの含有量が体積比にして
    0.1%以上である特許請求の範囲第1項記載の鉄心。
  3. 【請求項3】該リン酸エステルが (式中、m,nはそれぞれ1もしくは2の数を表わ
    すと共にm+n=3の関係を満たし、Rは炭素数
    8以上のアルキル基を表わす。) で示される化合物である特許請求の範囲第1項もしくは
    第2項記載の鉄心。
  4. 【請求項4】該リン酸エステルが (式中、m,nはそれぞれ1もしくは2の数を表わ
    すと共にm+n=3の関係を満たし、Rは炭素数
    8以上のアルキル基又はアルキルフェニル基を表わし、
    nは自然数を表わす。) で示される化合物である特許請求の範囲第1項もしくは
    第2項記載の鉄心。
  5. 【請求項5】前記成形体が、更に電気絶縁性無機化合物
    の粉末を含有する特許請求の範囲第1項,第2項,第3
    項または第4項記載の鉄心。
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