JP2013098384A - 圧粉磁心 - Google Patents
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Abstract
【課題】高透磁率で低損失な圧粉磁心、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を有する複数の被覆粒子から構成される圧粉磁心であり、軟磁性粒子がFe-Si-Al合金粒子とFe-Ni合金粒子とで構成されている。Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径が25μm〜100μm、Fe-Ni合金粒子の平均粒径が25μm未満である。複数のFe-Si-Al合金粒子がつくる隙間に、相対的に圧縮性に優れる上に保磁力が小さい微粒のFe-Ni合金粒子を充填させることで、成形性に優れる上に、透磁率の向上及び低損失を図ることができる。原料粉末を圧縮成形した後、加熱温度:550℃〜900℃の熱処理を施すことで、成形時の歪を除去してヒステリシス損を低減でき、かつ絶縁被膜の熱的損傷を防止して渦電流損を低減できることからも、低損失な圧粉磁心が得られる。
【選択図】図1
【解決手段】軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を有する複数の被覆粒子から構成される圧粉磁心であり、軟磁性粒子がFe-Si-Al合金粒子とFe-Ni合金粒子とで構成されている。Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径が25μm〜100μm、Fe-Ni合金粒子の平均粒径が25μm未満である。複数のFe-Si-Al合金粒子がつくる隙間に、相対的に圧縮性に優れる上に保磁力が小さい微粒のFe-Ni合金粒子を充填させることで、成形性に優れる上に、透磁率の向上及び低損失を図ることができる。原料粉末を圧縮成形した後、加熱温度:550℃〜900℃の熱処理を施すことで、成形時の歪を除去してヒステリシス損を低減でき、かつ絶縁被膜の熱的損傷を防止して渦電流損を低減できることからも、低損失な圧粉磁心が得られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、リアクトルやインダクタといった回路部品などに具える磁心に利用される圧粉磁心、及びその製造方法に関するものである。特に、Fe-Si-Al合金粉末を主たる材料とし、高透磁率で低損失な圧粉磁心に関するものである。
スイッチング電源やDC/DCコンバータなどのエネルギーを変換する回路に具える部品として、巻線を巻回してなるコイルと、このコイルが配置され、閉磁路を形成する磁心とを具える磁気部品がある。
上記磁心として、軟磁性材料からなる粉末を用いて製造される圧粉磁心がある。圧粉磁心は、例えば、軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を具える軟磁性粉末を所定の形状に加圧して圧縮成形し、得られた圧粉成形体に熱処理(焼成)を施すことで製造される。上述の方法により得られた圧粉磁心は、軟磁性粒子同士の間に介在される絶縁材(上記絶縁被膜や焼成により生成されたものなど)によって絶縁が確保されて渦電流損が小さく、かつ熱処理によって歪を除去することでヒステリシス損が小さく、結果として鉄損が小さくなって低損失である。
特に、周波数が100kHz程度で利用される圧粉磁心では、軟磁性材料として、センダストに代表されるFe-Si-Al合金を利用したものがある。センダストは、例えば、純鉄に比較して鉄損を低減し易いものの、非常に硬くて変形し難い材料である。そのため、センダスト粉末を用いて得られた圧粉磁心は、当該圧粉磁心を構成する個々の粒子間に空隙が多くなり、透磁率が低くなる傾向にある。
特許文献1では、酸化皮膜を有するセンダスト粉末に、純鉄やFe-3%Si合金といった高圧縮性軟磁性金属粉を所定の配合で混合し、当該高圧縮性軟磁性金属粉により圧縮性を高めることを開示している。
しかし、センダストと混合する高圧縮性軟磁性金属として、特許文献1に記載される純鉄、Fe-3%Si合金はいずれも、保磁力が大きい材料である。従って、この構成では、センダストのみの場合に比較して透磁率を向上できるものの、鉄損、とりわけヒステリシス損が大幅に増大する。
そこで、本発明の目的の一つは、高透磁率で低損失な圧粉磁心を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高透磁率で低損失な圧粉磁心を製造することができる圧粉磁心の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、センダストよりも圧縮性に優れ、かつセンダストと同等の保磁力を有するFe-Ni合金、代表的にはパーマロイをセンダストに混合した粉末を原料に用いて、高透磁率、低保磁力、低損失(低鉄損)の圧粉磁心を得ることを検討した。しかし、単に、センダストとパーマロイとを混合した粉末を原料に用いて、従来と同様の成形・熱処理を行った場合、透磁率の向上効果が少なく、かつ、鉄損が増大することが分かった。その主な原因としては、後述する試験例に示すように、センダスト粉末の粒径とパーマロイ粉末の粒径とを同じ大きさにしたことが考えられる。そこで、更に検討した結果、センダストを特定の大きさとすると共に、パーマロイをセンダストよりも微粒とすることで、高透磁率、低保磁力、低損失の圧粉磁心が得られる、との知見を得た。本発明は、上記知見に基づくものである。
本発明の圧粉磁心は、複数の軟磁性粒子と、各軟磁性粒子の表面を覆う絶縁被膜とを具え、上記軟磁性粒子は、Fe-Si-Al合金粒子とFe-Ni合金粒子とで構成される。そして、上記Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径が25μm以上100μm以下、上記Fe-Ni合金粒子の平均粒径が25μm未満である。
本発明圧粉磁心は、例えば、以下の本発明圧粉磁心の製造方法によって製造することができる。本発明の圧粉磁心の製造方法は、以下の原料準備工程と、造粒工程と、成形工程と、熱処理工程とを具え、原料に用いる粉末の大きさ、及び熱処理時の温度を特定の範囲とする。
原料準備工程:原料として、軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を有する複数の被覆粒子からなる被覆粉末を準備する工程。
造粒工程:上記被覆粉末に成形用樹脂を混合して造粒し、造粒粉を形成する工程。
成形工程:上記造粒粉を圧縮成形して圧粉成形体とする工程。
熱処理工程:上記圧粉成形体に熱処理を施す工程。
上記軟磁性粒子は、平均粒径が25μm以上100μm以下のFe-Si-Al合金粒子と、平均粒径が25μm未満のFe-Ni合金粒子とで構成されるものとする。
上記熱処理工程は、非酸化性雰囲気とし、加熱温度を550℃以上900℃以下とする。
原料準備工程:原料として、軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を有する複数の被覆粒子からなる被覆粉末を準備する工程。
造粒工程:上記被覆粉末に成形用樹脂を混合して造粒し、造粒粉を形成する工程。
成形工程:上記造粒粉を圧縮成形して圧粉成形体とする工程。
熱処理工程:上記圧粉成形体に熱処理を施す工程。
上記軟磁性粒子は、平均粒径が25μm以上100μm以下のFe-Si-Al合金粒子と、平均粒径が25μm未満のFe-Ni合金粒子とで構成されるものとする。
上記熱処理工程は、非酸化性雰囲気とし、加熱温度を550℃以上900℃以下とする。
本発明圧粉磁心は、Fe-Si-Al合金粒子よりも相対的に成形性に優れるFe-Ni合金粒子を含有することで、圧縮成形時、成形性に優れることから、生産性に優れる。かつ、本発明圧粉磁心は、成形性に優れるFe-Ni合金粒子が相対的に微細であることで、相対的に大きなFe-Si-Al合金粒子がつくる隙間に介在でき、軟磁性材料の充填率を高められて、高密度となり、透磁率や飽和磁化が高い。また、Fe-Ni合金は、純鉄やFe-Si合金よりも保磁力が低いことで、ヒステリシス損の増加を抑制することができる上に、合金粒子間に介在する絶縁被膜によって渦電流損も低減できるため、本発明圧粉磁心は、鉄損が低く、低損失である。
本発明の製造方法は、Fe-Si-Al合金粒子よりも相対的に成形性に優れるFe-Ni合金粒子を含有するものを原料に利用することで、圧縮成形時、成形性に優れ、精度よく圧粉成形体を成形することができる。特に、本発明の製造方法では、Fe-Si-Al合金粒子よりも相対的に微細なFe-Ni合金粒子を原料に用いることで、相対的に大きなFe-Si-Al合金粒子間にFe-Ni合金粒子を容易に、かつ十分に介在させられる。従って、本発明の製造方法は、軟磁性材料の充填率が高い圧粉成形体を製造できる。かつ、本発明の製造方法では、得られた圧粉成形体に特定の温度の熱処理を施すことで、圧縮成形時に合金粒子に導入された歪を十分に除去できると共に、絶縁被膜の熱的損傷を抑制して、圧粉磁心を構成する粒子間に絶縁材を十分に介在させることができる。従って、上述の歪の除去によってヒステリシス損を低減でき、かつ上述の絶縁材の介在によって渦電流損を低減することができる結果、本発明の製造方法は、圧粉磁心の鉄損を低減できる。そのため、本発明の製造方法は、高透磁率で低損失な圧粉磁心を製造することができる。
本発明圧粉磁心の一形態として、上記Fe-Si-Al合金粒子の質量をMFeSiAl、上記Fe-Ni合金粒子の質量をMFeNi、両合金粒子の質量割合をMFeNi/MFeSiAlとするとき、上記質量割合MFeNi/MFeSiAlは0.01以上0.25以下を満たす形態が挙げられる。
上記形態は、透磁率が高く、かつ損失がより低い。
本発明圧粉磁心は、高透磁率で低損失である。本発明圧粉磁心の製造方法は、高透磁率で低損失な圧粉磁心を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず、圧粉磁心の製造方法を説明し、その後に圧粉磁心を説明する。なお、元素の含有量は、質量%とする。
[圧粉磁心の製造方法]
(原料準備工程)
主たる原料として、軟磁性材料である二種類のFe基合金から構成される合金粉末、つまり合金粒子の集合体を用意する。具体的には、Fe-Si-Al合金粒子からなるFe-Si-Al合金粉末と、Fe-Ni合金粒子からなるFe-Ni合金粉末とを用意する。各合金粒子はいずれも、後述する絶縁被膜を形成して被覆粉末とする。
(原料準備工程)
主たる原料として、軟磁性材料である二種類のFe基合金から構成される合金粉末、つまり合金粒子の集合体を用意する。具体的には、Fe-Si-Al合金粒子からなるFe-Si-Al合金粉末と、Fe-Ni合金粒子からなるFe-Ni合金粉末とを用意する。各合金粒子はいずれも、後述する絶縁被膜を形成して被覆粉末とする。
<Fe-Si-Al合金粒子>
Fe-Si-Al合金粒子を構成するFe-Si-Al合金は、添加元素としてSi及びAlを含有し、残部がFe及び不純物から構成される。Fe-Si-Al合金の代表例には、センダストが挙げられる。Fe-Si-Al合金中のSiの含有量は、4%〜13%程度、特に7%〜10%程度が好ましく、Alの含有量は、4%〜10%程度、特に5%〜7質量%が好ましい。{Siの含有量+(Alの含有量/2)}の値が大きいほどFe-Si-Al合金が硬質になる傾向があり、上記式の値が5質量%以上、更に7質量%以上、特に10質量%以上を満たすことが好ましい。この組成のFe-Si-Al合金粒子は、硬質であることで、圧縮成形時の圧力で変形し難くなるが、本発明では、成形性に優れるFe-Ni合金粒子を混合することで、緻密化し易く、高透磁率の圧粉磁心を精度よく成形することができる。
Fe-Si-Al合金粒子を構成するFe-Si-Al合金は、添加元素としてSi及びAlを含有し、残部がFe及び不純物から構成される。Fe-Si-Al合金の代表例には、センダストが挙げられる。Fe-Si-Al合金中のSiの含有量は、4%〜13%程度、特に7%〜10%程度が好ましく、Alの含有量は、4%〜10%程度、特に5%〜7質量%が好ましい。{Siの含有量+(Alの含有量/2)}の値が大きいほどFe-Si-Al合金が硬質になる傾向があり、上記式の値が5質量%以上、更に7質量%以上、特に10質量%以上を満たすことが好ましい。この組成のFe-Si-Al合金粒子は、硬質であることで、圧縮成形時の圧力で変形し難くなるが、本発明では、成形性に優れるFe-Ni合金粒子を混合することで、緻密化し易く、高透磁率の圧粉磁心を精度よく成形することができる。
そして、本発明では、原料に用いるFe-Si-Al合金粒子の平均粒径を25μm以上100μm以下とする。ここで、Fe-Si-Al合金粒子は、上述のように硬質であり、圧縮成形によって変形し難い。そのため、圧縮成形後に得られた圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粒子の粒径は、原料のFe-Si-Al合金粒子の粒径を実質的に維持する。つまり、原料のFe-Si-Al合金粉末を構成するFe-Si-Al合金粒子の粒径と、圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粒子の粒径とは、実質的に等価と見なすことができる。従って、上述の平均粒径を満たすFe-Si-Al合金粉末を原料に用いることで、圧縮成形後に得られた圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粒子も概ね同程度の粒径となる。そのため、この圧粉磁心を、例えば、1kHz以上の高周波域で使用した場合でも渦電流損の増大を十分に抑制できる上に、透磁率が十分に高い。
原料のFe-Si-Al合金粒子の平均粒径が小さいほど、得られた圧粉磁心の渦電流損を低減できるため、当該平均粒径は95μm以下、更に75μm以下がより好ましい。一方、原料のFe-Si-Al合金粒子の平均粒径が小さ過ぎると、Fe-Si-Al合金粒子がつくる隙間にFe-Ni合金粒子が介在し難くなり、圧粉磁心の透磁率が低下することから、当該平均粒径は、30μm以上、更に40μm以上がより好ましい。
また、原料のFe-Si-Al合金粒子の最大径が300μm未満、特に200μm以下であると、更に低損失な圧粉磁心が得られ易い。かつ、Fe-Si-Al合金粒子の最大径が45μm以上である粉末を原料に用いることで、更に高い透磁率を有する圧粉磁心が得られ易い。このように平均粒径に加えて最大径をも、特定の範囲を満たすFe-Si-Al合金粒子を原料に利用することで、より低損失で高透磁率な圧粉磁心を製造できる。
更に、Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径が、後述するFe-Ni合金粒子の平均粒径の5倍以上、更に7倍以上であるものを原料に用いると、硬質のFe-Si-Al合金粒子間に比較的軟質のFe-Ni合金粒子を充填し易くなり、緻密な圧粉磁心を製造し易い。
<Fe-Ni合金粒子>
Fe-Ni合金粒子を構成するFe-Ni合金は、添加元素としてNiを含有し、残部がFe及び不純物から構成される。更に、添加元素としてCu,Cr,Co,Moなどの元素を含む場合もある。Fe-Ni合金の代表例には、パーマロイが挙げられる。JIS規格には、Niの含有量が41%〜51%であるPBパーマロイやPEパーマロイ、Niの含有量が70%〜85%であって、Moなどの添加元素を含むPCパーマロイ、Niの含有量が35%〜40%であるPDパーマロイなどが規定されている。本発明では、Niの含有量が41%〜80%のFe-Ni合金が適しており、特に、Niの含有量が41%〜51%であるFe-Ni合金、即ち、PBパーマロイやPEパーマロイを好適に利用できる。なお、圧縮成形後の圧粉磁心を構成する合金粒子の組成は、原料に用いた合金粒子の組成を実質的に維持する。従って、原料に例えばPBパーマロイの粒子を用いた場合、圧粉磁心もPBパーマロイの粒子を含む。
Fe-Ni合金粒子を構成するFe-Ni合金は、添加元素としてNiを含有し、残部がFe及び不純物から構成される。更に、添加元素としてCu,Cr,Co,Moなどの元素を含む場合もある。Fe-Ni合金の代表例には、パーマロイが挙げられる。JIS規格には、Niの含有量が41%〜51%であるPBパーマロイやPEパーマロイ、Niの含有量が70%〜85%であって、Moなどの添加元素を含むPCパーマロイ、Niの含有量が35%〜40%であるPDパーマロイなどが規定されている。本発明では、Niの含有量が41%〜80%のFe-Ni合金が適しており、特に、Niの含有量が41%〜51%であるFe-Ni合金、即ち、PBパーマロイやPEパーマロイを好適に利用できる。なお、圧縮成形後の圧粉磁心を構成する合金粒子の組成は、原料に用いた合金粒子の組成を実質的に維持する。従って、原料に例えばPBパーマロイの粒子を用いた場合、圧粉磁心もPBパーマロイの粒子を含む。
そして、本発明では、原料に用いるFe-Ni合金粒子の平均粒径を25μm未満とする。ここで、Fe-Ni合金粒子は、上述のようにFe-Si-Al合金粒子よりも軟質であり、圧縮成形によって変形するものの、圧縮成形後に得られた圧粉磁心を構成する粒子の断面積は、原料に用いる粒子の断面積を実質的に維持する。即ち、原料粉末を構成する粒子の粒径と、圧粉磁心を構成する粒子における断面積の等価円の直径とは、実質的に等価と見なすことができる。従って、上述の平均粒径を満たすFe-Ni合金粉末を原料に用いることで、圧縮成形後に得られた圧粉磁心を構成するFe-Ni合金粒子も概ね同程度の粒径となる。
原料のFe-Ni合金粒子の平均粒径が小さいほど、Fe-Si-Al合金粒子がつくる隙間にFe-Ni合金粒子を充填し易く、Fe-Ni合金粒子が変形することで緻密な圧粉磁心を得易いことから、当該平均粒径の下限を設けない。但し、小さ過ぎるとFe-Ni合金粉末が取り扱い難く、作業性の低下を招く恐れがあることから、Fe-Ni合金粒子の平均粒径は5μm以上程度が好ましいと考えられる。また、Fe-Ni合金粒子の最大径が20μm以下であるFe-Ni合金粉末を原料に用いることで、更に緻密化し易く、高透磁率である圧粉磁心を得易い。このように平均粒径に加えて最大径をも、特定の範囲を満たすFe-Ni合金粒子を原料に利用することで、成形性に優れ、より高透磁率な圧粉磁心を製造できる。
<両合金粒子の配合>
原料に用いるFe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との配合は、両合金粉末の合計質量を100%とするとき、質量割合で、Fe-Si-Al合金粒子が80%以上99%以下、Fe-Ni合金粒子が1%以上20%以下であることが好ましい。Fe-Ni合金粒子の配合量を1%以上とすることで、センダストのみからなる圧粉磁心に比べて透磁率を高められ、Fe-Ni合金粒子の配合量を20%以下とすることで、Fe-Si-Al合金粒子が十分に多く、かつFe-Ni合金粒子が過剰に多くならず、Fe-Ni合金粒子同士が導通して、渦電流損の増大による損失の増大を抑制できる。Fe-Ni合金粒子の配合量は、2%以上15%以下、更に5%以上10%以下が好ましい。
原料に用いるFe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との配合は、両合金粉末の合計質量を100%とするとき、質量割合で、Fe-Si-Al合金粒子が80%以上99%以下、Fe-Ni合金粒子が1%以上20%以下であることが好ましい。Fe-Ni合金粒子の配合量を1%以上とすることで、センダストのみからなる圧粉磁心に比べて透磁率を高められ、Fe-Ni合金粒子の配合量を20%以下とすることで、Fe-Si-Al合金粒子が十分に多く、かつFe-Ni合金粒子が過剰に多くならず、Fe-Ni合金粒子同士が導通して、渦電流損の増大による損失の増大を抑制できる。Fe-Ni合金粒子の配合量は、2%以上15%以下、更に5%以上10%以下が好ましい。
<絶縁被膜>
原料として用意した軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を形成して被覆粉末とする。絶縁被膜は、酸化ケイ素を主成分とする無機質からなる無機絶縁層を具える形態が挙げられる。この酸化ケイ素を主成分とする無機絶縁層は、高硬度であり、被覆粉末を圧縮成形するときの圧力で破壊され難く、かつ、耐熱性に優れ、圧粉成形体に施す熱処理時の熱でも分解されない。従って、この無機絶縁層を具える被覆粉末を原料に用いた場合、圧粉磁心を構成する軟磁性粒子の周囲にも無機絶縁層が存在する。この無機絶縁層の介在によって圧粉磁心は、軟磁性粒子間の絶縁を確保でき、渦電流損を低減して低損失である。なお、この絶縁被膜は、焼成後の成形体において保形材としても機能する。
原料として用意した軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を形成して被覆粉末とする。絶縁被膜は、酸化ケイ素を主成分とする無機質からなる無機絶縁層を具える形態が挙げられる。この酸化ケイ素を主成分とする無機絶縁層は、高硬度であり、被覆粉末を圧縮成形するときの圧力で破壊され難く、かつ、耐熱性に優れ、圧粉成形体に施す熱処理時の熱でも分解されない。従って、この無機絶縁層を具える被覆粉末を原料に用いた場合、圧粉磁心を構成する軟磁性粒子の周囲にも無機絶縁層が存在する。この無機絶縁層の介在によって圧粉磁心は、軟磁性粒子間の絶縁を確保でき、渦電流損を低減して低損失である。なお、この絶縁被膜は、焼成後の成形体において保形材としても機能する。
或いは、原料の被覆粉末に具える絶縁被膜は、例えば、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩やシリコーン樹脂といったケイ素を含有する絶縁材からなるものが挙げられる。上記絶縁材は、変形性に優れ、被覆粉末を圧縮成形するときの圧力で絶縁被膜が破壊され難く、かつ、圧粉成形体に酸素含有雰囲気中で熱処理を施すことによって、酸化ケイ素を主成分とする無機質の絶縁材とすることができる。つまり、この形態も圧粉磁心を構成する軟磁性粒子の周囲に上述の無機絶縁層が存在し、軟磁性粒子間の絶縁を確保でき、低損失な圧粉磁心が得られる。
無機絶縁層の酸化ケイ素の含有量は、50質量%以上、更に70質量%以上、特に90質量%以上が好ましい。酸化ケイ素は、代表的にはSiO2が挙げられ、SiO及びSi2O3の少なくとも一方を含むことを許容する。
無機絶縁層の厚さは、20nm以上1μm以下とすると、(1)圧粉磁心を構成する軟磁性粒子間の絶縁を十分に確保できる、(2)圧粉磁心における軟磁性材料の量を十分に確保できる、(2)圧縮成形時の圧力によって破壊され難い、といった利点を有する。
絶縁被膜の形成は、原料の軟磁性粉末と絶縁被膜の材料とを混合・乾燥後、必要に応じて熱処理することで行われる。上述の無機絶縁層の形成には、例えば、低分子のシリコーン樹脂、水ガラスなどのケイ酸塩の水溶液を利用することが挙げられる。シリコーン樹脂を利用する場合、混合後に熱処理を施してシリコーン樹脂を分解してガラス化する(酸化ケイ素にする)ことで、無機絶縁層を形成できる。この熱処理の温度は、400℃〜1000℃、特に600℃〜900℃が好ましい。この熱処理の保持時間は30分〜2時間程度が挙げられる。一方、シリコーン樹脂からなる絶縁被膜の形成は、例えば、混合後、乾燥を行ったり、混合・乾燥後、加水分解・縮重合反応を行ったりすることが挙げられる。ケイ酸塩からなる絶縁被膜の形成は、混合後、50℃〜100℃で乾燥を行うのみでよく、この乾燥と後述する造粒とを連続して実施でき、ケイ酸塩の水溶液を用いた形態は、シリコーン樹脂と比べて取り扱いが簡便である。原料の被覆粉末に具える絶縁被膜の主成分をシリコーン樹脂やケイ酸塩とする場合、圧縮成形後の熱処理によって生成されるSiを含む化合物は、保形材としても機能することができる。
上記混合には、ミキサーなどが好適に利用できる。絶縁被膜の材料の配合量は、混合する軟磁性粒子の比表面積に応じて決定すると、軟磁性粒子の外周面に所定の厚みの絶縁被膜を具える被覆粒子を作製し易い。具体的な配合量は、例えば、軟磁性粒子と絶縁被膜の材料との混合物に対して、絶縁被膜の材料が0.02質量%〜1.8質量%程度が好ましく、更に0.05質量%〜1.5質量%、特に0.1質量%〜1.0質量%がより好ましい。
(造粒工程)
本発明では、上記被覆粉末に、成形用樹脂を混合して造粒し、造粒粉を形成する。その他、成形時の潤滑性を向上するための材料など、少なくとも1種の添加剤を混合した造粒粉を利用することができる。造粒粉を形成する形態とすることで、被覆粉末と成形用樹脂とを含有する混合物を取り扱い易く、成形用金型に充填し易く、作業性に優れる。
本発明では、上記被覆粉末に、成形用樹脂を混合して造粒し、造粒粉を形成する。その他、成形時の潤滑性を向上するための材料など、少なくとも1種の添加剤を混合した造粒粉を利用することができる。造粒粉を形成する形態とすることで、被覆粉末と成形用樹脂とを含有する混合物を取り扱い易く、成形用金型に充填し易く、作業性に優れる。
<成形用樹脂>
成形用樹脂は、被覆粉末を圧縮成形して圧粉成形体を作製するにあたり、当該圧粉成形体(熱処理前の成形体)の保形材として機能する樹脂であり、圧縮成形時の変形性と、圧粉成形体の機械的強度との両立の観点から熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の具体例は、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などが挙げられる。特に、アクリル樹脂は、成形時の変形性と、保形時の機械的強度とを両立できて好ましい。
成形用樹脂は、被覆粉末を圧縮成形して圧粉成形体を作製するにあたり、当該圧粉成形体(熱処理前の成形体)の保形材として機能する樹脂であり、圧縮成形時の変形性と、圧粉成形体の機械的強度との両立の観点から熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の具体例は、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などが挙げられる。特に、アクリル樹脂は、成形時の変形性と、保形時の機械的強度とを両立できて好ましい。
成形用樹脂は、圧粉成形体に施す熱処理によって気化(揮発)可能なものとすると、上記熱処理を経て得られた圧粉磁心に成形用樹脂が実質的に残存しない形態とすることができる。特に、450℃以下で気化する樹脂とすると、軟磁性粉末の表面に酸化相(主としてFe2O3相)が生成され難く、酸化相による磁気特性の低下(主として保磁力の増大)を抑制できて好ましい。また、成形用樹脂は、炭化温度が450℃超のものが好ましい。
上述の成形用樹脂などのバインダの含有量は、軟磁性粉末と当該バインダとの混合物の合計量に対して、合計で0.5質量%〜3質量%とすると、圧粉成形体を十分に保形できる上に、当該混合物中の樹脂量が適量であり、圧粉成形体や圧粉磁心を高密度にすることができる。造粒粉の粒径は適宜選択することができる。
(成形工程)
成形工程は、二種類の合金からなる軟磁性粒子を具える被覆粉末と成形用樹脂、その他の潤滑剤などを混合した混合物の造粒粉を成形用金型に充填して圧縮し、所定の形状に成形して圧粉成形体を得る。圧縮時の圧力は、10ton/cm2〜12ton/cm2程度とすると、無機絶縁層などの絶縁被膜の損傷を抑制できると共に、緻密な圧粉成形体が得られる。この加圧は、常温下でもよいが、成形用樹脂に熱可塑性樹脂を使用した場合、当該樹脂のガラス転移温度以上で成形すると、成形性を向上して、圧粉成形体の密度及び強度を向上することができる。
成形工程は、二種類の合金からなる軟磁性粒子を具える被覆粉末と成形用樹脂、その他の潤滑剤などを混合した混合物の造粒粉を成形用金型に充填して圧縮し、所定の形状に成形して圧粉成形体を得る。圧縮時の圧力は、10ton/cm2〜12ton/cm2程度とすると、無機絶縁層などの絶縁被膜の損傷を抑制できると共に、緻密な圧粉成形体が得られる。この加圧は、常温下でもよいが、成形用樹脂に熱可塑性樹脂を使用した場合、当該樹脂のガラス転移温度以上で成形すると、成形性を向上して、圧粉成形体の密度及び強度を向上することができる。
(熱処理工程)
熱処理工程では、圧縮成形によって合金粒子に導入された歪を除去して、ヒステリシス損の低減を図る。特に、上述の成形用樹脂を含有する造粒粉を用いた場合には、熱処理を二度に分け、一回目の熱処理は、当該成形用樹脂を気化させるために行い、二回目の熱処理によって歪の除去を行うと、高透磁率で低損失な圧粉磁心を得易い。
熱処理工程では、圧縮成形によって合金粒子に導入された歪を除去して、ヒステリシス損の低減を図る。特に、上述の成形用樹脂を含有する造粒粉を用いた場合には、熱処理を二度に分け、一回目の熱処理は、当該成形用樹脂を気化させるために行い、二回目の熱処理によって歪の除去を行うと、高透磁率で低損失な圧粉磁心を得易い。
<第一熱処理>
一回目の熱処理では、上記成形用樹脂を炭化させないように気化させるために、炭化物の残渣物が生じ難い雰囲気、例えば、大気雰囲気といった酸素を含む雰囲気とすることが好ましい。加熱温度は、500℃以下が好ましく、保持時間は、15分〜90分程度が好ましい。
一回目の熱処理では、上記成形用樹脂を炭化させないように気化させるために、炭化物の残渣物が生じ難い雰囲気、例えば、大気雰囲気といった酸素を含む雰囲気とすることが好ましい。加熱温度は、500℃以下が好ましく、保持時間は、15分〜90分程度が好ましい。
複数種の成形用樹脂を用いた場合には、最も気化温度が高い樹脂の気化温度に応じた加熱温度として、全ての樹脂を一度に気化してもよいが、各樹脂の気化温度に応じて複数の段階の温度に保持すると、各樹脂を確実に気化できて好ましい。
<第二熱処理>
二回目の熱処理は、保磁力に影響を及ぼす酸化相の生成を抑制するために、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気などの非酸化性雰囲気で行う。
二回目の熱処理は、保磁力に影響を及ぼす酸化相の生成を抑制するために、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気などの非酸化性雰囲気で行う。
二回目の熱処理の加熱温度は550℃以上900℃以下とする。550℃以上とすることで、圧粉磁心のヒステリシス損を効果的に低減でき、900℃以下とすることで、絶縁被膜の熱的損傷を抑制して、渦電流損の増大を抑制できる。加熱温度は、600℃以上850℃以下、更に700℃以上850℃以下、特に700℃以上800℃以下が好ましい。この加熱温度における保持時間は、15分以上2時間以下が好ましい。15分以上とすることで、歪除去の効果を十分に達成でき、2時間以下とすることで、工業的な生産効率を高められる上に、絶縁被膜の熱的損傷を抑制できる。30分〜1時間程度が実用的である。この第二熱処理により、原料粉末の絶縁被膜の材質によっては、上述のように酸化ケイ素を主成分とする無機絶縁層を形成することができる。
その他、第二熱処理における加熱温度から常温への冷却過程において、500℃〜350℃の温度域を1℃/min以上の急冷とすると、FeNi3規則相の析出を防止して、異相:FeNi3規則相が少なく、低損失な圧粉磁心が得られる。この冷却速度は、速いほど異相の生成を抑制でき、3℃/min以上、特に10℃/min以上が好ましい。
また、第一熱処理の大気雰囲気から第二熱処理の非酸化性雰囲気への移行にあたり、熱処理炉内の雰囲気中の酸素濃度が体積割合で5000ppm以下になるまでは、雰囲気温度を500℃以下に保持することが好ましい。この入れ替えは、大気を窒素などの非酸化性ガスに徐々に入れ替えることで行うが、第一熱処理の加熱温度よりも第二熱処理の加熱温度が高いため、この入れ替えの間も圧粉成形体が昇温されると、炉内の雰囲気が非酸化性ガスに入れ替わる前に、つまり酸素濃度が高い状態のまま、酸化相が生じる高温に達する恐れがある。熱処理炉内の酸素濃度が十分に低くなり、非酸化性雰囲気に入れ替わるまでの間の温度を酸化相が生じ難い温度に保持することで、酸化相の発生を効果的に抑制でき、低損失な圧粉磁心が得られる。
[圧粉磁心]
<全体構成>
上記の製造方法により得られた圧粉磁心は、主として、上述した絶縁被膜を具える二種類の合金粒子:Fe-Si-Al合金粒子及びFe-Ni合金粒子の集合体である被覆粉末によって構成される。合金粒子間に存在する絶縁材、具体的には、上述のように熱処理時の熱で変成されたセラミックス系の材料(Si,C及びOを含む非晶質体など)や原料の被覆粉末に具える絶縁被膜は、保形材としても機能する。原料の被覆粉末に具える絶縁被膜として、酸化ケイ素を主成分とする無機絶縁層を具えるものを利用した場合、圧粉磁心を構成する軟磁性粒子の外表面近傍には当該無機絶縁層が存在し、この無機絶縁層の外側には、無機絶縁層に比べてCの含有量が多い材料、つまりSi,C及びOを含む非晶質体が存在すると考えられる。原料の被覆粉末に具える絶縁被膜として、ケイ酸塩やシリコーン樹脂を用いた場合、圧粉磁心は、熱処理時の熱で変成された無機絶縁層を具え、この無機絶縁層の上にSi,C及びOを含む非晶質体を具えると考えられる。この場合、圧粉磁心の絶縁被膜は、上記無機絶縁層と非晶質体とを含む。
<全体構成>
上記の製造方法により得られた圧粉磁心は、主として、上述した絶縁被膜を具える二種類の合金粒子:Fe-Si-Al合金粒子及びFe-Ni合金粒子の集合体である被覆粉末によって構成される。合金粒子間に存在する絶縁材、具体的には、上述のように熱処理時の熱で変成されたセラミックス系の材料(Si,C及びOを含む非晶質体など)や原料の被覆粉末に具える絶縁被膜は、保形材としても機能する。原料の被覆粉末に具える絶縁被膜として、酸化ケイ素を主成分とする無機絶縁層を具えるものを利用した場合、圧粉磁心を構成する軟磁性粒子の外表面近傍には当該無機絶縁層が存在し、この無機絶縁層の外側には、無機絶縁層に比べてCの含有量が多い材料、つまりSi,C及びOを含む非晶質体が存在すると考えられる。原料の被覆粉末に具える絶縁被膜として、ケイ酸塩やシリコーン樹脂を用いた場合、圧粉磁心は、熱処理時の熱で変成された無機絶縁層を具え、この無機絶縁層の上にSi,C及びOを含む非晶質体を具えると考えられる。この場合、圧粉磁心の絶縁被膜は、上記無機絶縁層と非晶質体とを含む。
<合金粒子の平均粒径>
この圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粒子及びFe-Ni合金粒子の大きさは、原料に特定の平均粒径の満たす合金粉末を用いたことで、上述のように原料の大きさ(合金粒子の断面積)を維持している。具体的には、本発明圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粒子の平均粒径は25μm以上100μm以下であり、Fe-Ni合金粒子の平均粒径は25μm未満である。
この圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粒子及びFe-Ni合金粒子の大きさは、原料に特定の平均粒径の満たす合金粉末を用いたことで、上述のように原料の大きさ(合金粒子の断面積)を維持している。具体的には、本発明圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粒子の平均粒径は25μm以上100μm以下であり、Fe-Ni合金粒子の平均粒径は25μm未満である。
圧粉磁心を構成する合金粒子の粒径については、上述の原料の項で述べた事項が当てはまる。概略を述べると、Fe-Si-Al合金の平均粒径は、小さいほど渦電流損を抑制でき、95μm以下、更に75μm以下が好ましく、30μm以上、更に40μm以上であると、高い透磁率を有することができる。また、上述のようにFe-Si-Al合金粒子の最大径が45μm以上300μm未満、特に200μm以下であると、より低損失で高透磁率な圧粉磁心とすることができる。Fe-Ni合金粒子の平均粒径は、小さいほど、高密度な圧粉磁心となり易く、特に下限を設けない。また、Fe-Ni合金粒子の最大径が20μm以下であると、更に高密度な圧粉磁心となり易く、高透磁率な圧粉磁心とすることができる。
<両合金粒子の配合>
原料におけるFe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との配合は、圧粉磁心においても実質的に維持される。即ち、圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との配合は、上述の原料の項で述べた事項が当てはまる。具体的には、質量割合で、Fe-Si-Al合金粒子が80%以上99%以下、Fe-Ni合金粒子が1%以上20%以下の原料を用いた場合、圧粉磁心では、圧粉磁心を構成する両合金粒子の質量割合:MFeNi/MFeSiAlが0.01以上0.25以下を満たす。質量割合:MFeNi/MFeSiAlが0.25以下であることで、この圧粉磁心は、Fe-Si-Al合金が十分に存在し、かつ、Fe-Ni合金粒子が過剰に多くなく、高透磁率で低損失である。質量割合:MFeNi/MFeSiAlは0.02以上0.15以下、更に0.05以上0.10以下がより好ましい。
原料におけるFe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との配合は、圧粉磁心においても実質的に維持される。即ち、圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との配合は、上述の原料の項で述べた事項が当てはまる。具体的には、質量割合で、Fe-Si-Al合金粒子が80%以上99%以下、Fe-Ni合金粒子が1%以上20%以下の原料を用いた場合、圧粉磁心では、圧粉磁心を構成する両合金粒子の質量割合:MFeNi/MFeSiAlが0.01以上0.25以下を満たす。質量割合:MFeNi/MFeSiAlが0.25以下であることで、この圧粉磁心は、Fe-Si-Al合金が十分に存在し、かつ、Fe-Ni合金粒子が過剰に多くなく、高透磁率で低損失である。質量割合:MFeNi/MFeSiAlは0.02以上0.15以下、更に0.05以上0.10以下がより好ましい。
圧粉磁心を構成する各合金粒子が所望の平均粒径や最大値、配合量となるように、原料粉末の平均粒径や最大径、配合量を選択するとよい。
<磁気特性>
その他、この圧粉磁心は透磁率が高く、透磁率が80以上、更に90以上、特に92以上を満たす形態が挙げられる。
その他、この圧粉磁心は透磁率が高く、透磁率が80以上、更に90以上、特に92以上を満たす形態が挙げられる。
〔試験例1:Fe-Ni合金粒子の平均粒径〕
Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径を一定とし、Fe-Ni合金粒子の平均粒径を異ならせた原料を用いて圧粉磁心を作製し、得られた圧粉磁心の磁気特性を調べた。
Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径を一定とし、Fe-Ni合金粒子の平均粒径を異ならせた原料を用いて圧粉磁心を作製し、得られた圧粉磁心の磁気特性を調べた。
<圧粉磁心の作製>
原料として、質量%で、センダスト:Fe-9.5%Si-5.5%Alからなり、平均粒径が53μmであるFe-Si-Al合金粉末、パーマロイ:Fe-50%Niからなり、平均粒径が表1に示す値であるFe-Ni合金粉末を用意した。原料に用意した各合金粉末の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布装置により、積算重量が50%となる粒径(50%粒径)を測定した。また、原料に用意した各粉末の最大径も上記装置によって測定した。その結果を表1に示す。試料No.1-1は、センダスト粉末のみの例、試料No.1-2〜1-5は、センダスト粉末とパーマロイ粉末との混合粉末の例、試料No.1-100は、センダスト粉末と純鉄粉との混合粉末を用いた例であって、特許文献1に記載する従来例である。試料No.1-2〜1-5,1-100において原料として用意した二種類の粉末の配合は、両粉末の合計質量に対して、Fe-Ni合金粉末又は純鉄粉が10質量%となるように調整した。試料No.1-1を除く試料No.1-2〜1-5,1-100の原料粉末をそれぞれ、V型混合機にて120分混合した。
原料として、質量%で、センダスト:Fe-9.5%Si-5.5%Alからなり、平均粒径が53μmであるFe-Si-Al合金粉末、パーマロイ:Fe-50%Niからなり、平均粒径が表1に示す値であるFe-Ni合金粉末を用意した。原料に用意した各合金粉末の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布装置により、積算重量が50%となる粒径(50%粒径)を測定した。また、原料に用意した各粉末の最大径も上記装置によって測定した。その結果を表1に示す。試料No.1-1は、センダスト粉末のみの例、試料No.1-2〜1-5は、センダスト粉末とパーマロイ粉末との混合粉末の例、試料No.1-100は、センダスト粉末と純鉄粉との混合粉末を用いた例であって、特許文献1に記載する従来例である。試料No.1-2〜1-5,1-100において原料として用意した二種類の粉末の配合は、両粉末の合計質量に対して、Fe-Ni合金粉末又は純鉄粉が10質量%となるように調整した。試料No.1-1を除く試料No.1-2〜1-5,1-100の原料粉末をそれぞれ、V型混合機にて120分混合した。
次に、シリコーン樹脂を用意し、各試料の軟磁性粉末と共にミキサーで混合し、80℃程度で乾燥させ、軟磁性粒子の表面にシリコーン樹脂からなる被覆を形成した。上記シリコーン樹脂と軟磁性粉末との配合量は、両者の混合物に対して0.3質量%となるようにした。
以上の工程により、軟磁性粒子の表面にシリコーン樹脂からなる絶縁被膜を具える被覆粒子の集合体である被覆粉末を作製した。
得られた被覆粉末に成形用樹脂を混合して、造粒粉を作製した。造粒粉中の軟磁性粉末と成形用樹脂との混合比は、質量割合で軟磁性粉末:成形用樹脂=100:1とした。成形用樹脂には、気化温度が異なる2種類のアクリル樹脂を用いた。
次に、各試料の造粒粉を成形用金型に供給し、圧縮することで圧粉成形体とする。この加圧成形時の面圧は10ton/cm2とした。なお、この面圧であれば、成形時にFe-Si-Al合金粒子は実質的に変形しない。
得られた圧粉成形体に熱処理を施した。ここでは、以下の第一熱処理及び第二熱処理を行った。第一熱処理は、上述の成形用樹脂を気化させるために行い、大気雰囲気、450℃×保持時間:60分とした。第二熱処理は、成形による歪を除去するために行い、窒素雰囲気、800℃×保持時間:1時間とした。また、加熱温度:800℃から常温までの冷却は、炉冷とし、10時間かけて常温にした(冷却速度:1.3℃/min)。
上記第一熱処理によって、成形用樹脂は実質的に消失していると考えられる。また、上記第二熱処理によって、シリコーン樹脂による絶縁被膜は、酸化ケイ素を主成分とする無機絶縁層(絶縁被膜)に変成していると考えられる。得られた焼成体:圧粉磁心は、リング状であり、外径:34mm、内径:20mm、厚さ:5mmである。
<評価>
上述のようにして作製した各試料の圧粉磁心について、次に示す手順で磁気特性を測定した。
上述のようにして作製した各試料の圧粉磁心について、次に示す手順で磁気特性を測定した。
まず、磁気特性を測定するために、リング状の圧粉磁心に巻線を配置した測定部材を作製した。この測定部材について、透磁率μを測定した。透磁率の測定には、DC/AC-BHトレーサ(メトロン技研株式会社製)を用いた。また、この測定部材に対して、B-H/μアナライザ SY-8258(岩通計測株式会社製)を用いて、励起磁束密度Bm:1kG(=0.1T)、測定周波数:100kHzにおける鉄損W1/100kを測定した。その結果を表2に示す。
鉄損は、ヒステリシス損と渦電流損とで表わされる。ここでは、鉄損の周波数曲線を下記の3つの式で最小二乗法によりフィッティングし、ヒステリシス損及び渦電流損を算出した。
(鉄損)=(ヒステリシス損)+(渦電流損)
(ヒステリシス損)=(ヒステリシス損係数)×(周波数)
(渦電流損)=(渦電流損係数)×(周波数)2
(鉄損)=(ヒステリシス損)+(渦電流損)
(ヒステリシス損)=(ヒステリシス損係数)×(周波数)
(渦電流損)=(渦電流損係数)×(周波数)2
表2に示すように、センダストのみの試料No.1-1は、鉄損は低いものの、透磁率も低いことが分かる。一方、センダストに純鉄粉を添加した試料No.1-100は、試料No.1-1より透磁率が高いものの、鉄損が大幅に増大していることが分かる。
他方、センダストにパーマロイを添加した試料No.1-2〜1-5は、センダストのみの試料No.1-1よりも透磁率が高いことが分かる。しかし、パーマロイの平均粒径が25μm以上であると、センダストのみの試料No.1-1よりも鉄損が大きく、25μm未満であると、センダストのみの試料No.1-1よりも透磁率が十分に高い上に、鉄損が同程度であり、低損失であることが分かる。このような結果となったのは、センダストの粒子間の隙間に相対的に微細なパーマロイの粒子を十分に充填することができたため、と考えられる。
図1は、試料No.1-5の圧粉磁心を切断して、断面を走査型電子顕微鏡:SEMで観察した顕微鏡写真である。図1において、濃い色の粒子がセンダストの粒子(Fe-Si-Al合金粒子)、比較的薄い色の粒子がパーマロイの粒子(Fe-Ni合金粒子)である。各粒子の成分の同定は、EDX(Energy-Dispersive X-ray spectroscopy)によって行った。図1に示すように試料No.1-5は、粗大なセンダストの粒子間に微細なパーマロイの粒子が介在していることが分かる。このことから、上述のセンダストの粒子間につくられる隙間に微細なパーマロイが充填されたことで、センダストのみの場合と同等の低いヒステリシス損を維持でき、かつ、パーマロイの存在によって透磁率の向上を図ることができた、と考えられる。
なお、上述のSEM観察像を用いて、試料No.1-2〜1-5の圧粉磁心を構成するセンダストの粒子及びパーマロイの粒子の平均粒径及び最大径を求めた。具体的には、上述した合金粒子の断面積における等価円の直径を粒径として利用して測定したところ、原料に用いた合金粉末の平均粒径及び最大径を実質的に維持していることを確認している。後述する試験例2,3についても同様である。また、試料No.1-2〜1-5は、EDXの成分の同定によって、Fe2O3相及びFeNi3規則相の析出が少なかったことも確認している。
〔試験例2:Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径〕
Fe-Ni合金粒子の平均粒径を一定とし、Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径を異ならせた原料を用いて圧粉磁心を作製し、得られた圧粉磁心の磁気特性を試験例1と同様にして調べた。
Fe-Ni合金粒子の平均粒径を一定とし、Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径を異ならせた原料を用いて圧粉磁心を作製し、得られた圧粉磁心の磁気特性を試験例1と同様にして調べた。
試験例1と同様の組成のセンダストからなり、平均粒径が表3に示す値であるFe-Si-Al合金粉末、試験例1の試料No.1-5に用いたパーマロイ粉末、即ち、平均粒径:14μm(最大粒径:20μm)のFe-Ni合金粉末を用意した。Fe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との配合は、試験例1と同様にした(Fe-Ni合金粉末:10質量%)。用意した合金粉末を用いて、試験例1と同様にして、リング状の圧粉磁心を作製し、試験例1と同様に測定部材を作製して、磁気特性を測定した。その結果を表4に示す。
表4に示すように、センダストの平均粒径を25μm以上100μm以下とすることで、高い透磁率を有しながら(ここでは90以上)、鉄損が低いことが分かる。
従って、試験例1,2から、圧粉磁心を構成するFe-Si-Al合金粒子の平均粒径が25μm以上100μm以下、Fe-Ni合金粒子の平均粒径が25μm未満であることで、高透磁率で低損失な圧粉磁心であることが確認された。
〔試験例3:Fe-Ni合金粒子の含有量〕
パーマロイの配合量を異ならせた原料を用いて圧粉磁心を作製し、得られた圧粉磁心の磁気特性を試験例1と同様にして調べた。
パーマロイの配合量を異ならせた原料を用いて圧粉磁心を作製し、得られた圧粉磁心の磁気特性を試験例1と同様にして調べた。
試験例1と同様の組成のセンダスト及びパーマロイからなり、試験例2の試料No.2-4に用いた粉末と同様の平均粒径を有するもの、即ち、平均粒径:53μm(最大粒径:150μm)のFe-Si-Al合金粉末、平均粒径:14μm(最大粒径:20μm)のFe-Ni合金粉末を用意した。この試験では、Fe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との配合を表5に示すように変化させた(両合金粉末の合計:100質量%)。用意した合金粉末を用いて、試験例1と同様にして、リング状の圧粉磁心を作製し、試験例1と同様に測定部材を作製して、磁気特性を測定した。その結果を表5に示す。
表5に示すように原料において、Fe-Si-Al合金粉末とFe-Ni合金粉末との合計質量に対するFe-Ni合金粉末の含有量を少なくするほど、高透磁率でありながら、より低損失な圧粉磁心が得られることが分かる。特に、Fe-Ni合金粒子が20質量%以下、好ましくは15質量%以下であると、損失をより低減できることが分かる。
なお、上述の配合を満たす原料を用いた圧粉磁心について、Fe-Si-Al合金粒子とFe-Ni合金粒子との質量割合:MFeNi/MFeSiAlを調べた。具体的には、以下のようにして求めた。まず、圧粉磁心の断面をとり、断面をSEM/EDXにより分析し、Fe-Si-Al粒子の面積相当半径(等価円の半径)の平均値RFeSiAl及びFe-Ni粒子の面積相当半径の平均値RFeNiを算出する。また、Fe-Si-Al粒子の数量nFeSiAl及びFe-Ni粒子の数量nFeSiAをカウントし、これらの値からFe-Si-Al合金粒子の体積率:SFeSiAl(=4π×RFeSiAl 3×nFeSiAl/3)及びFe-Ni合金粒子の体積率:SFeNi(=4π×RFeNi 3×nFeNi/3)を算出する。また、EDX分析結果からFe-Si-Al合金粒子におけるSiの含有量:NSi、Alの含有量:NAl、Fe-Ni合金粒子におけるNiの含有量:NNiを測定する。Feの密度:7.87g/cm3、Siの密度:2.33g/cm3、Alの密度:2.70g/cm3、Niの密度:8.90g/cm3とするとき、Fe-Si-Al合金粒子の質量:MFeSiAlは、[{7.87×(100-NSi-NAl)}/100+(2.33×NSi)/100+(2.70×NAl)/100]×SFeSiAl、Fe-Ni合金粒子の質量:MFeNiは、[{7.87×(100-NNi)}/100+(8.90×NNi)/100]×SFeNiから求められる。そして、試料No.3-1〜3-4における両合金粒子の質量割合:MFeNi/MFeSiAlは、0.05〜0.25であり、原料の配合を実質的に維持していることが分かる。
〔試験例4:熱処理条件の温度〕
熱処理時における加熱温度と損失との関係を調べた。ここでは、試験例1で作製した試料No.1-5を基準とし、圧粉成形体に施す第2熱処理時の加熱温度を変えて合計6種類の焼成体を作製し、試験例1と同様にして鉄損、渦電流損及びヒステリシス損を求めた。その結果を図2に示す。
熱処理時における加熱温度と損失との関係を調べた。ここでは、試験例1で作製した試料No.1-5を基準とし、圧粉成形体に施す第2熱処理時の加熱温度を変えて合計6種類の焼成体を作製し、試験例1と同様にして鉄損、渦電流損及びヒステリシス損を求めた。その結果を図2に示す。
図2に示すように、加熱温度を550℃以上とすると、ヒステリシス損が大幅に低下すること、900℃を超えると渦電流損が大幅に増大することが分かる。そのため、熱処理時の加熱温度を550℃以上900℃以下とすることで、ヒステリシス損と渦電流損との和で示される鉄損を効果的に低減できるといえる。特に、600℃以上850℃以下とすると鉄損が顕著に低く、低損失な圧粉磁心が得られることが分かる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、軟磁性粒子の組成、絶縁被膜の材質などを適宜変更することができる。
本発明圧粉磁心は、高周波チョークコイル、高周波同調用コイル、バーアンテナコイル、電源用チョークコイル、電源トランス、スイッチング電源用トランス、リアクトルなどの回路部品に具える磁心に好適に利用することができる。本発明圧粉磁心の製造方法は、各種の回路部品に具える磁心の製造に好適に利用することができる。
Claims (3)
- 複数の軟磁性粒子と、各軟磁性粒子の表面を覆う絶縁被膜とを具える圧粉磁心であって、
前記軟磁性粒子は、Fe-Si-Al合金粒子とFe-Ni合金粒子とで構成され、
前記Fe-Si-Al合金粒子の平均粒径が25μm以上100μm以下、
前記Fe-Ni合金粒子の平均粒径が25μm未満であることを特徴とする圧粉磁心。 - 前記Fe-Si-Al合金粒子の質量をMFeSiAl、前記Fe-Ni合金粒子の質量をMFeNi、両合金粒子の質量割合をMFeNi/MFeSiAlとするとき、前記質量割合:MFeNi/MFeSiAlは0.01以上0.25以下を満たすことを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心。
- 原料として、軟磁性粒子の表面に絶縁被膜を有する複数の被覆粒子からなる被覆粉末を準備する原料準備工程と、
前記被覆粉末に成形用樹脂を混合して造粒し、造粒粉を形成する造粒工程と、
前記造粒粉を圧縮成形して圧粉成形体とする成形工程と、
前記圧粉成形体に熱処理を施す熱処理工程とを具え、
前記軟磁性粒子は、平均粒径が25μm以上100μm以下のFe-Si-Al合金粒子と、平均粒径が25μm未満のFe-Ni合金粒子とで構成され、
前記熱処理工程は、非酸化性雰囲気とし、加熱温度を550℃以上900℃以下とすることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
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