JP2019178402A - 軟磁性粉末 - Google Patents

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Abstract

【課題】高絶縁性と高透磁率とを併せ備えた軟磁性体の材料となりうる軟磁性粉末を提供する。【解決手段】酸化被膜が形成されたFe(鉄)−Si(ケイ素)−Al(アルミニウム)系軟磁性合金粒子からなる軟磁性粉末であって、軟磁性合金粒子の平均粒径が10μm以上100μm以下であり、酸化被膜は、10質量%以上30質量%以下のO(酸素),5質量%以上20質量%以下のSi(ケイ素),5質量%以上30質量%以下のAl(アルミニウム),残部Fe(鉄)及び不可避的不純物からなり、平均厚さが5nm以上40nm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、軟磁性粉末に関する。
従来、絶縁被膜で被覆された軟磁性金属粒子からなる軟磁性粉末を成形して得られる軟磁性体が知られている。このような軟磁性体としては、磁性シートや、磁心や、回転機、ソレノイド、リアクトル、チョークコイル、及びインダクタのコアなどの各種電磁気回路部品が例示される。特許文献1,2では、上記のような軟磁性体が、特許文献3では、上記のような軟磁性体の材料となる軟磁性粉末が、それぞれ開示されている。
特許文献1の圧粉磁心(軟磁性体)は、酸化アルミニウムを主材とした絶縁被膜が形成されたFe−Si−Al系の軟磁性粒子からなる圧粉磁心用粉末を、成形したものである。この絶縁被膜の厚さは、150nm〜2μmである。また、圧粉磁心用粉末の平均粒径は、20μm〜450μmである。
特許文献2の軟磁性体は、鉄系酸化物からなる被膜で被覆された軟磁性金属粒子からなる粉末を、成形したものである。鉄系酸化物からなる被膜で被覆された軟磁性金属粒子は、軟磁性金属粒子を覆う鉄含有層と、軟磁性金属粒子と鉄含有層との間に形成された高抵抗層とを有する。被膜の厚さは、0.1μm〜10μmである。
特許文献3の軟磁性粉末は、軟磁性粉末の表面が、Mg及びSiを含有する酸化物で被覆されたものである。このMi及びSi含有酸化物被覆軟磁性粉末は、酸化物被膜軟磁性体粉末に一酸化ケイ素の粉末を添加して加熱し、更に、マグネシウム粉末を添加し加熱することによって得たものである。
特開2016−4813号公報 特開2014−60183号公報 特開2007−13069号公報
上記のような軟磁性体のうち、磁性シートは、軟磁性粉末をポリマー材料に混練して、それをシート状に成形したものである。磁性シートは、磁力線を効率よく吸収させるために、高い透磁率が要求される。加えて、磁性シートは、磁気損失を低減するために、高い電気抵抗値(絶縁性)が要求される。ところが、一般に、軟磁性粉末の酸化物層の被膜が薄くなるに従って当該軟磁性粉末からなる軟磁性体の絶縁性が低くなる傾向があり、逆に、軟磁性粉末の酸化物層の被膜が厚くなるに従って当該軟磁性粉末からなる軟磁性体の透磁率が低くなる傾向がある。
特許文献1及び特許文献2の軟磁性粉末は、酸化被膜が0.1μm以上と比較的厚いことから保磁力が高いことが予想される。特許文献3の軟磁性粉末は、特許文献1及び特許文献2の軟磁性粉末の製造工程と比較して工程数が多く、加えて、絶縁層に起因して保磁力が高いことが予想される。保磁力の高い軟磁性粉末からなる軟磁性体では、要求される高透磁率が得られないことがある。このように、特許文献1〜3の軟磁性粉末では、高絶縁性と高透磁率とを併せ備えた軟磁性体を得ることが難しい。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、高絶縁性と高透磁率とを併せ備えた軟磁性体の材料となりうる軟磁性粉末を提案することにある。
本発明の一態様に係る軟磁性粉末は、
酸化被膜が形成されたFe(鉄)−Si(ケイ素)−Al(アルミニウム)系軟磁性合金粒子からなり、
前記軟磁性合金粒子の平均粒径が10μm以上100μm以下であり、
前記酸化被膜は、10質量%以上30質量%以下のO(酸素),5質量%以上20質量%以下のSi(ケイ素),5質量%以上30質量%以下のAl(アルミニウム),残部Fe(鉄)及び不可避的不純物からなり、平均厚さが5nm以上40nm以下であることを特徴としている。なお、平均粒径は、メジアン径(D50)である。
上記軟磁性粉末は、保磁力が50A/m以下であってよい。
上記軟磁性粉末は、軟磁性合金粒子の平均粒径、酸化被膜の厚さ、及び酸化被膜の組成の組み合わせにより、高い電気抵抗(絶縁性)と低い保磁力とを併せ備える。その結果、この軟磁性粉末が成形されてなる軟磁性体は高絶縁性と高透磁率とを併せ備えることとなる。
本発明によれば、高絶縁性と高透磁率とを併せ備えた軟磁性体の材料となりうる軟磁性粉末を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係る軟磁性粉末は、軟磁性合金粒子の表面に酸化被膜が形成されてなる被膜粒子の集合体である。この軟磁性粉末は、軟磁性合金粒子の平均粒径、酸化被膜の厚さ、及び酸化被膜の組成の組み合わせに特徴を有する。
軟磁性粉末の保磁力(Hc)は、50A/m以下であり、より好ましくは30A/m以下である。また、軟磁性粉末の充填体の体積抵抗率(ρ)は10Ω・cm以上が望ましい。
軟磁性合金粒子は、保磁力の値が低く、且つ、飽和磁化の値が高い粉末であることが好ましい。そこで、軟磁性合金粒子として、Fe(鉄)−Si(シリコン)−Al(アルミニウム)系軟磁性合金の球状粒子が採用される。一般に、Fe−Si−Al系合金は、保磁力の値及び飽和磁化の値に優れる。
軟磁性合金粒子の平均粒径(D50)は、酸化被膜で被覆されていない状態で、10μm以上100μm以下であり、15μm以上50μm以下であることが好ましく、20μm以上30μm以下であることが更に好ましい。
軟磁性合金粒子の平均粒径が10μm未満では、軟磁性合金粒子に対する酸化被膜の体積率が過度に大きくなり、軟磁性粉末の保磁力が前述の保磁力範囲より高くなる。また、軟磁性合金粒子の平均粒径が100μmを超えて大きくなると、軟磁性合金粒子に対する酸化被膜の体積率が過度に小さくなり、十分な体積抵抗率が得られない。
酸化被膜は、酸化被膜全体を100質量%として、10質量%以上30質量%以下のO(酸素),5質量%以上20質量%以下のSi(ケイ素),5質量%以上30質量%以下のAl(アルミニウム),残部Fe(鉄)及び不可避的不純物からなる。酸化被膜は、Fe−Si−Al系軟磁性合金粒子を大気雰囲気下で酸化させることにより、当該軟磁性合金粒子の表面に形成されたものであってよい。この場合、軟磁性合金粒子中のSi成分及びAl成分が表面に拡散して大気中の酸素と反応することにより、上記組成の酸化被膜が形成される。酸化被膜形成能は、Al>Si>Feの順に高いため、軟磁性合金粒子から被膜への拡散はAl成分が最も大きくなる傾向にある。
酸化被膜中のSi成分が5質量%未満、Al成分が5質量%未満、及び、O成分が10質量%未満のうち少なくとも1つが成立する場合には、酸化被膜の組成が純Feに近づいてしまい、酸化被膜が十分な絶縁性を備えない。一方、酸化被膜中のSi成分が20質量%を超える、Al成分が30質量%を超える、及び、O成分が30質量%を超えるのうち少なくとも1つが成立する場合には、軟磁性合金粒子の組成のセンダスト組成からのずれが大きくなることにより、軟磁性粉末の保磁力が前述の保磁力範囲より高くなる。なお、センダスト組成は、Fe−9.5質量%Si−5.5質量%Al近傍の組成であり、センダスト組成のFe−Si−Al系合金は透磁率が大きく磁気損失が小さい特性を有することが知られている。
酸化被膜は、その平均厚さが5nm以上40nm以下である。酸化被膜の平均厚さが5nm未満では、十分な体積抵抗率が得られない。一方、酸化被膜の平均厚さが40nmを超えると、保磁力が大きくなり、透磁率は低くなる傾向にあるため、好ましくない。
〔軟磁性粉末の製造方法〕
ここで、上記軟磁性粉末の製造方法を説明する。軟磁性粉末の製造方法は、大きく分けて、軟磁性合金粒子を作製する粒子作製工程、軟磁性合金粒子を熱処理する熱処理工程、及び、軟磁性合金粒子の表面に酸化被膜を形成する酸化工程を含む。
(粒子作製工程)
軟磁性合金粒子は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、及びディスクアトマイズ法など各種アトマイズ法、又は、機械的粉砕法によって作製される。軟磁性合金粒子の含有酸素量は少ないことが好ましい。この観点から、粒子作製法として、上記の作製法の中ではガスアトマイズ法又はディスクアトマイズ法が好ましい。更に、量産性の観点からは、粒子作製法として、上記の作製法の中ではガスアトマイズ法が優れている。軟磁性合金粒子の含有酸素量を更に低減するために、不活性ガスを用いたガスアトマイズ法が好ましい。
軟磁性合金粒子の組成は、センダスト組成又はその近傍の組成であることが好ましい。即ち、軟磁性合金粒子は、好ましくは、8質量%以上11質量%以下のSi及び4質量%以上7質量%以下のAlを含むFe−Si−Al合金、より好ましくは、9質量%以上10質量%以下のSi及び5質量%以上6質量%以下のAlを含むFe−Si−Al合金である。
(熱処理工程)
熱処理工程では、被膜で被覆される前の軟磁性合金粒子に熱処理が施される。これにより、軟磁性合金粒子作製時に蓄積された軟磁性合金粒子内の歪みを緩和させ、軟磁性粉末の保磁力を低下させる効果が期待される。
熱処理工程では、軟磁性合金粒子を、真空又は不活性ガス雰囲気、且つ、700℃以上900℃以下の温度域で、所定の熱処理時間だけ保持する。熱処理時間は、処理量や生産性に応じて任意の時間が設定される。但し、熱処理時間は、長時間となると生産性が低下するため、5時間以内が好適である。熱処理の雰囲気は、軟磁性合金粒子の酸化を抑えるために、真空下又は不活性ガス雰囲気下とされる。不活性ガスは、窒素ガスよりもAr(アルゴン)ガスを採用することが、軟磁性粉末の低保磁力を保持するうえで好ましい。
(酸化工程)
酸化工程では、熱処理された軟磁性合金粒子に酸化処理が施される。これにより、軟磁性合金粒子の表面に酸化被膜が形成される。
酸化工程では、軟磁性合金粒子を大気雰囲気、且つ、300℃以上750℃以下の温度域で所定の酸化時間だけ保持する。酸化処理温度は、300℃以上750℃以下であるが、400℃以上600℃以下の温度域が更に好ましい。酸化処理温度が高いほど、酸化被膜の厚さが大きくなり、体積抵抗率が上昇する傾向があるが、一方で保磁力の値も上昇する傾向にある。従って、保磁力を上昇させないために、酸化処理温度は上記温度域内において低い値であることが好ましい。
酸化工程により軟磁性合金粒子の表面に形成される酸化被膜の厚さは、酸化処理温度及び酸化処理時間の調整によって、コントロールされる。また、軟磁性合金粒子の表面に形成される酸化被膜の組成は、酸化処理温度及び軟磁性合金粒子の組成の調整によって、コントロールされる。
以上説明したように、本実施形態に係る軟磁性粉末は、酸化被膜が形成されたFe(鉄)−Si(ケイ素)−Al(アルミニウム)系軟磁性合金粒子からなる。軟磁性合金粒子の平均粒径が10μm以上100μm以下である。酸化被膜は、10質量%以上30質量%以下のO(酸素),5質量%以上20質量%以下のSi(ケイ素),5質量%以上30質量%以下のAl(アルミニウム),残部Fe(鉄)及び不可避的不純物からなり、平均厚さが5nm以上40nm以下である。
上記軟磁性粉末を、本実施形態では平均粒径が10μm以上100μm以下のFe−Si−Al系軟磁性合金粒子を作製する粒子作製工程と、軟磁性合金粒子を、真空又は不活性ガス雰囲気、且つ、700℃以上900℃以下の温度域で所定の熱処理時間保持する熱処理工程と、熱処理された軟磁性合金粒子を、大気雰囲気、且つ、300℃以上750℃以下の温度域で所定の酸化時間保持することにより、軟磁性合金粒子の表面に10質量%以上30質量%以下のO(酸素),5質量%以上20質量%以下のSi(ケイ素),5質量%以上30質量%以下のAl(アルミニウム),残部Fe(鉄)及び不可避的不純物から成り、平均厚さが5nm以上40nm以下の酸化被膜を形成する酸化処理工程とを含む製造方法により得ている。
上記軟磁性粉末は、以下に説明する実施例で説明されるように、高い電気抵抗(絶縁性)と低い保磁力とを併せ備える。その結果、この軟磁性粉末が成形されてなる軟磁性体は高絶縁性と高透磁率とを併せ備えることとなる。
表1に示す番号1〜22の試料を作製し、各試料を評価した。番号1〜15は本発明の軟磁性粉末の実施例に係る試料であり、番号16〜22は比較例に係る試料である。
Figure 2019178402
(試料作製手順)
1)ガスアトマイズ法を用いて所定の成分の軟磁性合金粒子(原料粒子)を作製した。具体的には、合金材料をアルミナ製坩堝に入れて溶融し、坩堝下の直径5mmのノズルから合金溶湯を出湯し、これに高圧Arを噴霧することにより、軟磁性合金粒子を得た。軟磁性合金粒子の成分は、表1に「原料粉末組成」として示す。
2)得られた軟磁性合金粒子を300μm以下に分級した。分級には分級篩を用いた。
3)分級した軟磁性合金粒子を、Ar雰囲気且つ700℃以上900℃以下の温度域で2時間保持することにより、軟磁性合金粒子に熱処理を施した。
4)熱処理後の軟磁性合金粒子を、大気雰囲気且つ300℃以上750以下の温度域で2時間保持することにより、軟磁性合金粒子に酸化処理を施した。
5)酸化処理後の軟磁性合金粒子(被覆粒子からなる軟磁性粉末)を自然冷却して、試料を得た。
(軟磁性粉末の評価)
各試料について、平均粒径、保磁力、及び粉末充填体の体積抵抗率を測定した。各試料の平均粒径(D50)は、粒子径分布測定装置(日機装株式会社製 マイクロトラックMT3000)を用いて、レーザー回折法により測定した。各試料の保磁力の測定にはHcメーター(HJS社製 QumanoHC−801)を用い、直径6mm、高さ8mmの樹脂製容器に試料を充填して最大印加磁場144kA/mにおける保磁力を測定した。各試料の粉末充填体の体積抵抗率の測定には、粉体抵抗測定システム(株式会社三菱ケミカルアナリテック製 MCP−PD51)を用い、プローブシリンダー内に投入した試料に2kNの荷重がかかるように圧力を調整し、低抵抗率計(株式会社三菱ケミカルアナリテック製 Loresta−GX MCP−T700)で粉末充填体の体積抵抗率を測定した。
更に、各試料について、酸化被膜の膜厚及び成分の評価を行った。具体的には、各試料をTEM(transmission electron microscope)を用いて観察し、粉末表面における酸化被膜の厚さを測定するとともに、酸化被膜の成分を分析した。
各試料の評価結果は、表1に示されている。表1から、以下が明らかである。
実施例に係る番号1〜15の試料では、酸化被膜の平均厚さが5nm以上34nm以下の十分に小さな値であった。加えて、番号1〜15の試料では、保磁力(Hc)が13A/m以上38A/m以下であって、要求される値(50A/m以下)を十分に下回っていた。よって、番号1〜15の試料に相当する軟磁性粉末からなる軟磁性体は、透磁率の実数部が大きく、高透磁率を備えることができる。更に、番号1〜15の試料では、粉末充填体の体積抵抗率が要求される値(10Ω・cm以上)を十分に上回っていた。これにより、番号1〜15の試料に相当する軟磁性粉末からなる軟磁性体は、高絶縁性を備えることができる。つまり、番号1〜15の試料に相当する軟磁性粉末からなる軟磁性体は、高絶縁性と高透磁率とを併せ備えるものとなりうる。
比較例に係る番号16,17の試料は、実施例(即ち、番号1〜15の試料)と対比して酸化処理が行われていない点で相違する。番号16,17の試料では、酸化被膜が得られなかった。そのため、番号16,17の試料では、粉末充填体の体積抵抗率が実施例と比較して小さい。また、比較例に係る番号17の試料では、熱処理が施されていないため、実施例と比較して高い保磁力が示されている。
比較例に係る番号18の試料は、原料粒子である軟磁性合金粒子の平均粒径(D50)が実施例と比較して大きい。なお、実施例の軟磁性合金粒子の平均粒径(D50)は14μm〜87μmであるのに対し、番号18の試料の磁性合金粒子の平均粒径(D50)は108μmである。番号18の試料では、酸化被膜中の絶縁材料の割合が低下してしまい、粉末充填体の体積抵抗率が実施例と比較して小さい。
比較例に係る番号19の試料は、原料粒子である軟磁性合金粒子の平均粒径(D50)が実施例と比較して小さい。そのために、番号19の試料では、実施例と比較して高い保磁力が示されている。
比較例に係る番号20の試料は、酸化処理温度が実施例と比較して高い。なお、実施例の酸化処理温度が300℃〜750℃であるのに対し、番号20の試料の酸化処理温度は800℃である。そのために、番号20の試料では、被膜厚さが実施例と比較して大きい。更に、番号20の試料では、酸化被膜の組成と原料粒子である軟磁性合金粒子の組成(原料粉末組成)との差異が大きく、その結果、実施例と比較して高い保磁力が示されている。
比較例に係る番号21の試料は、軟磁性合金粒子の組成(原料粉末組成)のSi及びAlの割合が実施例と比較して低い。なお、実施例の軟磁性合金粒子の組成は、センダスト組成又はそれに類似する組成であるのに対し、番号21の試料の軟磁性合金粒子の組成は、Siが2.0質量%、Alが2.0質量%である。そのために、番号21の試料では、酸化被膜のSi及びAlの割合が実施例と比較して低い。これにより、番号21の試料は、十分な絶縁特性を示さず、粉末充填体の体積抵抗率が実施例と比較して小さい。更に、番号21の試料は軟磁性合金粒子の組成が純Feの組成に近づくため、実施例と比較して高い保磁力が示されている。
比較例に係る番号22の試料は、酸化被膜の平均厚さが実施例と比較して小さい。なお、実施例の酸化被膜の平均厚さが5nm〜34nmであるのに対し、番号22の試料の酸化被膜の平均厚さは3nmである。そのため、番号21の試料では、粉末充填体の体積抵抗率が実施例と比較して小さい。

Claims (2)

  1. 酸化被膜が形成されたFe(鉄)−Si(ケイ素)−Al(アルミニウム)系軟磁性合金粒子からなり、
    前記軟磁性合金粒子の平均粒径が10μm以上100μm以下であり、
    前記酸化被膜は、10質量%以上30質量%以下のO(酸素),5質量%以上20質量%以下のSi(ケイ素),5質量%以上30質量%以下のAl(アルミニウム),残部Fe(鉄)及び不可避的不純物からなり、平均厚さが5nm以上40nm以下である、
    軟磁性粉末。
  2. 保磁力が50A/m以下である、
    請求項1に記載の軟磁性粉末。
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