JP2014060183A - 軟磁性体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 高抵抗の軟磁性体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 軟磁性体の製造方法、軟磁性金属粒子の表面に、鉄系酸化物からなる被膜を被覆する被覆工程と、被膜で被覆した軟磁性金属粒子を圧縮成形して成形体を得る成形工程と、成形体を、570℃を超える温度で焼結する焼結工程と、焼結させた前記成形体を冷却する冷却工程と、を有する。冷却工程において、焼結した前記成形体を、570℃以下350℃以上の温度域で0.5以上5時間以下の間保持する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、磁心などに用いられる軟磁性体及びその製造方法に関する。
軟磁性体は、例えば、圧粉磁心として、ロータやステータなどのモータコア用の磁心材料、トランス、モータ、ソレノイドなどの磁気回路用の磁心材料に用いられる。圧粉磁心は、軟磁性金属粒子の表面を絶縁被膜で被覆して被覆粒子とし、これを圧縮成形及び焼結して形成される軟磁性体である。軟磁性金属粒子の絶縁被膜は、磁性材であっても、その透磁率、飽和磁化特性が軟磁性金属粒子に比べて相対的に低い。また、被覆粒子は、耐熱性及び強度の低い樹脂バインダを用いて圧縮成形されて成形体とされる。このため、成形体の焼結温度が低く、強度不足が課題となっている。そこで、軟磁性金属粒子の表面に薄い無機系絶縁被膜を形成することで、高温焼結により高強度化する検討が進められている。
例えば、特許文献1では、鉄粉などの軟磁性金属粒子に高抵抗物質を被覆し、その表面に更にリン酸系化成被膜を形成することで、高抵抗物質の剥離を防止している。
特許文献2では、金属磁性粒子の表面に金属材料を被覆し、更にその表面を酸化物磁性被膜であるフェライト被膜で被覆している。これにより、圧縮成形後の焼結で、酸化物磁性被膜の還元反応を抑制している。
特許文献3では,軟磁性金属粒子粉末と酸化物微粒子粉末とをプレミックスした後、圧縮・せん断力よりなる機械的エネルギーを作用させて、軟磁性金属粒子粉末の粒子表面に絶縁層を形成している。絶縁層により、軟磁性粉末の耐熱性が向上する。
特許文献4では、微細粒径でありフェライトで被覆したFe−Si系軟磁性粉末と、粗大粒径でありフェライトで被覆したFe−Si系軟化磁性粉末と、Fe粉末とを混合し、圧縮成形し焼結することで、高密度を有し透磁性に優れたFe−Si系複合軟磁性焼結材を形成している。
特許文献5では、鉄及び珪素を主成分とする磁性材料に対して還元処理を行うことで、磁性材料の表面のFe酸化物を除去し、Fe酸化物が除去された磁性材料に対して酸化処理を行うことで磁性材料の表面にSiO薄膜を形成している。
特開2001−85211号公報 特開2005−85967号公報 特開2009−188270号公報 特開2003−193174号公報 特開2010−40666号公報
しかしながら、特許文献1では、高抵抗物質の剥離を防止するためにリン酸系化成処理被膜工程を追加して行っている。このため、軟磁性粒子の製造工程数が増加してしまう。
特許文献2では、酸化物磁性被膜の形成前に、金属材料で金属磁性粒子表面を被覆している。このため、金属材料の被覆工程が増加してしまう。特許文献3では、軟磁性金属粒子粉末表面に形成された絶縁層が、非磁性であるため、軟磁性粉末の磁気特性が低下してしまう。特許文献4では、分級した軟磁性粉末ごとにフェライト層を被覆した後に、所定の割合で微細粒径の軟磁性粉末と粗大粒径の軟磁性粉末とを混合する工程があり、工程数が増える。特許文献5では、磁性材料の表面に形成されたSiO薄膜は、高圧圧縮成形時に破壊したり、成形後の熱処理で絶縁性が劣化したりするおそれがある。
上記特許文献は無機系絶縁被膜を用い、何れも絶縁性粉末を用いた絶縁処理である点に特徴がある。粉末に絶縁処理を施した後の圧縮成形、焼結での絶縁性劣化に対応するために工程を増やしている。
本願発明者は、上記従来技術とは異なる手法で、軟磁性体の抵抗を高めるべく、鋭意探求した。本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、高抵抗の軟磁性体及びその製造方法を提供することを課題とする。
(1)本発明の軟磁性体の製造方法は、軟磁性金属粒子の表面に、鉄系酸化物からなる被膜を被覆する被覆工程と、前記被膜で被覆した前記軟磁性金属粒子を圧縮成形して成形体を得る成形工程と、前記成形体を、570℃を超える温度で焼結する焼結工程と、焼結させた前記成形体を冷却する冷却工程、を有し、前記冷却工程において、焼結した前記成形体を、570℃以下350℃以上の温度域で0.5以上5時間以下の間保持することを特徴とする。
本発明の軟磁性体の製造方法は、上記の工程を行うことで、高抵抗の軟磁性体を製造することができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
焼結工程で570℃以上に成形体を焼結すると、鉄系酸化物の還元と軟磁性金属粒子の酸化により、FeO相が生成する。FeO相は、常温で常磁性であり、導電性が有り、強度が低い。このため、軟磁性体内にFeO相が多量に存在すると、透磁率、損失等の磁気特性及び強度が低くなる。FeO相は、高温において準安定相であり、570℃以下で長時間保持すると、共析変態が生じて、FeO相からFe相及びFe相が生成する。Fe相は強磁性体であり、また、Fe相は高抵抗で、強度も高い。
本発明においては、焼結工程の後の冷却工程で、焼結後の成形体を、570℃以下350℃以上の温度域で0.5〜5時間の間保持している。このため、FeO相から、Fe相及びFe相を析出させることができる。これにより、軟磁性金属粒子間に、Fe相からなる鉄含有層を形成するとともに、軟磁性金属粒子と鉄含有層との間に、Fe相などの高抵抗物質からなる高抵抗層を形成することができる。このため,本発明の軟磁性体の製造方法によれば、高抵抗の軟磁性体を製造することができる。
また、軟磁性金属粒子の表面に鉄系酸化物を被覆し、圧縮成形し焼結させた後に所定の温度域に所定時間保持するという簡素な工程で、高い抵抗の軟磁性体を製造することができる。
鉄系酸化物は、570℃を超える温度で焼結させたときに、FeO相を形成するものであればよい。FeO相が形成すれば、その後に冷却工程で、570℃以下350℃以上の温度域に0.5〜5時間保持することで、Feなどの高抵抗物質を析出させることができる。
(2)本発明の軟磁性体の製造方法において、鉄系酸化物は、軟磁性フェライトからなることが好ましい。軟磁性フェライトは、570℃を超える温度でFeO相となりやすく、このため、冷却工程時に高抵抗物質が析出しやすい。しかも、軟磁性フェライトは、軟磁性体であるため、軟磁性体の透磁率を高くできる。
(3)本発明の軟磁性体の製造方法において、軟磁性金属粒子は、純鉄粉と、鉄元素と、鉄元素よりも酸化されやすい添加元素Mとを有する鉄合金粉末であることが好ましい。
圧縮成形後の焼結時に、軟磁性金属粒子内に拡散する酸素と鉄(Fe)と添加元素Mとの反応により、Fe−O化合物、及び、高抵抗なFe−M−O化合物が生成する。Fe−M−O化合物が生成されると、Fe−M−O化合物よりも内部に酸素が拡散することが抑制され、軟磁性体の透磁率の低減を抑えることができる。
(4)本発明の軟磁性体の製造方法において、添加元素Mは、珪素(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びマンガン(Mn)の中から選ばれる1種以上からなることが好ましい。これらの添加元素Mを軟磁性金属粒子に添加することにより、軟磁性体の透磁率の低減を更に抑えることができる。
(5)本発明の軟磁性体の製造方法において、被膜で被覆する前の前記軟磁性金属粒子の全体を100質量部としたときに、前記添加元素Mの含有量は、0.3〜6.5質量部であることが好ましい。この範囲の量の添加元素Mを軟磁性金属粒子に添加することにより、更に高い抵抗の軟磁性体を製造することができる。
(6)本発明の軟磁性体の製造方法において、軟磁性金属粒子は、被膜で被覆する前に、弱酸化性雰囲気下で熱処理を行うことが好ましい。弱酸化性雰囲気下での熱処理により、軟磁性金属粒子内の添加元素Mが、粒子表面近傍に濃化する。このため、軟磁性金属粒子内の添加元素Mが少なくても、高抵抗で鉄損が少ない軟磁性体を製造することができる。
(7)本発明の軟磁性体は、複数の軟磁性金属粒子と、軟磁性金属粒子間に形成され鉄元素を有する鉄含有層と、軟磁性金属粒子と鉄含有層との間に形成されて軟磁性金属粒子の表面を被覆する高抵抗層とを有する軟磁性体であって、高抵抗層は、Fe−O系化合物からなる高抵抗物質を有し、且つ、高抵抗層に含まれる鉄元素は、前記鉄含有層に含まれる鉄元素よりも少ないことを特徴とする。
鉄含有層は、鉄元素を含み、導電性が高い。一方、高抵抗層は、Fe−O系化合物からなる高抵抗物質を有する。高抵抗層は、軟磁性金属粒子と鉄含有層との間に形成されて軟磁性金属粒子の表面を被覆している。このため、軟磁性金属粒子間、及び軟磁性金属粒子と鉄含有層との間の、絶縁性が確保される。ゆえに、鉄損を少なく抑えることができる。
(8)本発明の軟磁性体において、高抵抗物質は、Feからなることが好ましい。Feは、マグネタイトとも言われ、高抵抗で強度も高い。このため、軟磁性体が高抵抗となり、鉄損を低減させることができる。
(9)本発明の軟磁性体において、鉄含有層は、αFe相を有することが好ましい。αFe相は、強磁性体であるため、軟磁性体の透磁率を高めることができる。
(10)本発明の軟磁性体において、軟磁性金属粒子は、鉄元素と、鉄元素よりも酸化されやすい添加元素Mとを有し、軟磁性金属粒子の表面部分には、鉄元素、添加元素M及び酸素元素からなる化合物が形成されていることが好ましい。
軟磁性金属粒子の表面部分に、鉄元素、添加元素及び酸素元素からなる化合物が形成されていることにより、軟磁性金属粒子内部への酸素拡散が抑制され、軟磁性体の磁束密度を高めることができる。
(11)本発明の軟磁性体の製造方法において、添加元素Mは、珪素(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びマンガン(Mn)の中から選ばれる1種以上からなることが好ましい。これらの添加元素Mを軟磁性金属粒子が含むことにより、更に高い抵抗を有する軟磁性体を製造することができる。
本発明によれば、軟磁性金属粒子の表面に鉄系酸化物からなる被膜を被覆し圧縮成形し、焼結した後に冷却を行い、冷却の際には、焼結した成形体を、上記所定温度域で所定時間の間保持している。このため、高抵抗の軟磁性体を得ることができる。
本発明の軟磁性体の製造方法を示す説明図である。 Fe−O系状態図である。 軟磁性フェライトで被覆する前の軟磁性金属粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。 軟磁性フェライトで被覆した後の軟磁性金属粒子のSEM写真である。 試料P−1、P−2のX線回折結果である。 EPMA(電子線マイクロアナライザ)による、試料R−1の電子線照射領域でのBSE像(反射電子像、1000倍)である。 EPMA(電子線マイクロアナライザ)による、試料R−1の電子線照射領域でのBSE像(反射電子像、5000倍)である。 EPMAによる元素別面分析マップを示し、左上段、右上段、左下段、右下段は、順に、Si、O、Fe、Niである。 EPMA(電子線マイクロアナライザ)による、試料R−2の電子線照射領域でのBSE像(反射電子像、1000倍)である。 EPMA(電子線マイクロアナライザ)による、試料R−2の電子線照射領域でのBSE像(反射電子像、5000倍)である。 EPMAによる元素別面分析マップを示し、左上段、右上段、左下段、右下段は、順に、Si、O、Fe、Niである。 試料R−2のPoint1-1でのEDX(エネルギー分散型蛍光X線分析)結果である。 試料R−2のPoint1-2でのEDX(エネルギー分散型蛍光X線分析)結果である。 試料R−2のPoint1-3でのEDX(エネルギー分散型蛍光X線分析)結果である。
本発明の軟磁性体の製造方法、及び軟磁性体について説明する。
<軟磁性体の製造方法>
本発明の軟磁性体の製造方法では、図1に示すように、被覆工程と、成形工程と、焼結工程と、冷却工程とを行う。
(被覆工程)
被覆工程では、図1に示すように、軟磁性金属粒子1の表面に、鉄系酸化物からなる被膜2を被覆して、被覆粒子3とする。軟磁性金属粒子の材質としては、鉄系材料を採用することができる。鉄系材料は純鉄系でも良いし、鉄と鉄以外の添加元素とを含む鉄合金系でも良い。軟磁性金属粒子は、純鉄からなる純鉄粉でもよく、また、鉄と添加元素とを含む鉄合金粒子であってもよい。添加元素は、鉄以外の元素であればよいが、その中でも、鉄よりも酸化性の強い添加元素Mを含むことが好ましい。軟磁性金属粒子は、純鉄粉と、鉄元素と、鉄元素よりも酸化されやすい添加元素Mとを有する鉄合金粉末からなることが好ましい。
軟磁性金属粒子の材質は、鉄元素を主成分とすると共に鉄元素よりも酸化性の強い添加元素Mを含有していることが好ましい。焼結時に、鉄元素と添加元素Mと酸素が反応し、Fe−M−O化合物が生成する。鉄元素よりも酸化性の強い添加元素Mとしては、例えば、シリコン(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びマンガン(Mn)の中から選ばれる1種以上からなる。
鉄元素と添加元素Mとを有する軟磁性金属粒子は、圧縮成形後の焼結時に、鉄系酸化物が還元され、軟磁性金属粒子内に拡散する酸素と鉄(Fe)と添加元素Mとの反応により、Fe−O化合物とともに、高抵抗なFe−M−O化合物が生成する。Fe−M−O化合物は、軟磁性金属粒子の表面部分に層状に形成される。Fe−M−O化合物は、軟磁性金属粒子の表面部分に進入してきた酸素と、軟磁性金属粒子内の鉄及び添加元素Mとで生成する。層状のFe−M−O化合物が生成されると、Fe−M−O化合物よりも内部に酸素が拡散することが抑制され、粒子間の絶縁性を確保できる。これにより損失の小さい高抵抗な軟磁性体を製造することができる。
軟磁性金属粒子を100質量%としたとき、鉄の含有量は93.5質量%以上100質量%以下であることがよい。軟磁性金属粒子に添加元素Mを添加する場合には、製造条件にもよるが、軟磁性金属粒子全体を100質量%としたとき、添加元素Mは0.3質量%以上6.5質量%以下であることがよく、更には0.5質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。添加元素Mの含有量が過少の場合には、添加元素M添加による効果,即ち軟磁性金属粒子の表面部分に高抵抗なFe−M−O化合物が生成しにくくなるおそれがある。添加元素Mの含有量が過剰である場合には、軟磁性金属粒子が硬くなり、成形性が低下するおそれがある。
軟磁性金属粒子が鉄系材料からなる場合、鉄系材料の粉末の組成及び形状によっては、成形工程で、軟磁性金属粒子を所望形状の成形体に固化させにくい場合がある。例えば、鉄合金粉末での添加元素Mの濃度が高く高硬度の鉄合金粉末、ガスアトマイズ法などで製造された球状の軟磁性金属粒子は、成形工程で成形体に固化させにくく成形性が劣るおそれがある。
添加元素Mの多くは、鉄元素よりも原子量が小さいものが多い。このため、軟磁性金属粒子への添加元素Mの添加量を多くすると、軟磁性体の密度が低下する傾向にある。例えば、軟磁性体の密度を7.4g/cm以上とするときに、熱間成形が適用可能である場合には、鉄系粉末を100質量%としたときの添加元素Mの濃度は、3質量%以下とすることがよく、更には、0.3質量%以上2.0質量%以下であることがよい。また、生産性に優れる冷間、温間成形を行う場合には、1質量%以下とすることがよく、更には0.3質量%以上0.8質量%以下であることが望ましい。
軟磁性体の密度を7.4g/cm未満とするときに、冷間、温間、熱間での加圧成形では、鉄系粉末を100質量%としたときの添加元素Mの濃度は、6.5質量%以下とすることがよく、更には、0.5質量%以上3.0質量%以下であることがよい。
また、軟磁性金属粒子が球状である場合には、球状の軟磁性金属粒子に、変形が容易で粉末同士の結合が強い純鉄粉を混合することが、成形性改良の観点から、好ましい。ガスアトマイズ法により球状の軟磁性金属粒子を製造する場合、球状の軟磁性金属粒子及び純鉄粉を合わせて100質量%としたときに、純鉄粉の混合量は10質量%以上50質量%以下であるとよく、更には、20質量%以上30質量%以下であることが望ましい。
軟磁性金属粒子は水アトマイズ法で製造したものでも良いし、ガスアトマイズ法で製造したものでも良いし、場合によっては、機械的破砕法で製造したものでも良い。この中、ガスアトマイズ法で製造することで、球状の軟磁性金属粒子が得られ、粒子の表面積を小さくすることができる。このため、鉄損を低く維持しつつ、粒子表面を被覆する被膜の量を低減させることができる。被膜の量を少なくすると、軟磁性体の中の軟磁性金属粒子の含有量が相対的に多くなり、磁束密度が高くなる。
軟磁性金属粒子の粒径は、例えば、10〜1000μm、殊に50〜300μm、50〜150μmであるとよい。軟磁性金属粒子の粒径が過剰に小さいと、満足する磁気特性が得られにくい。軟磁性金属粒子の粒径が過剰に大きいと、成形体の成形性が低下する。成形体の密度を高めるためには、粒径を揃えた軟磁性金属粒子を用いるよりも、大きい粒径をもつ軟磁性金属粒子と、小さい粒径をもつ軟磁性金属粒子とを併せて用いることが好ましい。
軟磁性金属粒子が添加元素Mを含む場合でも、冷却工程で570℃以下350℃以上の温度域で0.5〜5時間保持することにより、内部酸化層内のFeO相をFe相及びαFe相へ共析変態させ、軟磁性体に析出させることができる。更に、高抵抗のFe−M−O化合物が、反応防止層として機能し、酸素の粉末コア内部への継続的な拡散を抑制する。冷却工程で570℃以下350℃以上の温度域に長時間保持する際に、焼結した成形体の磁気特性の低下を抑制することができる。
軟磁性金属粒子は、被膜で被覆する前に、熱処理を行うことがよい。これにより、軟磁性金属粒子製造時に蓄積された軟磁性金属粒子内の歪みを緩和させることができる。熱処理は、600〜1100℃の温度で行うとよい。
また、軟磁性金属粒子が添加元素Mを含む場合には、被膜で被覆する前に、弱酸性雰囲気で熱処理を行うとよい。軟磁性体の成形性の観点からは、軟磁性金属粒子内の添加元素Mは低濃度であることがよいが、一方で、軟磁性金属粒子の表面部分に高抵抗のFe−M−O化合物を生成させにくくなる。そこで、弱酸化性雰囲気での熱処理により、添加元素Mを粉末表面近傍に濃化させることが可能である。これにより、添加元素Mの濃度が低い鉄系粉末でも、高抵抗のFe−M−O化合物を生成させることが可能である。弱酸性雰囲気は、大気雰囲気よりも低い酸素濃度の雰囲気であるとよく、例えば、不活性ガス、水素を含む雰囲気下で行うとよい。
軟磁性金属粒子が添加元素Mを含む場合の熱処理の温度は、900〜1100℃であることが好ましい。この場合には、添加元素Mを、軟磁性金属粒子の表面部分に効果的に濃化させることができる。
軟磁性金属粉末の表面に、鉄系酸化物からなる被膜を被覆する。鉄系酸化物は、570℃を超える温度で焼結させたときに、FeO相を形成するものであるとよい。FeO相が形成すれば、その後に冷却工程で、570℃以下350℃以上の温度域に0.5〜5時間保持することで、FeなどのFe−O系化合物からなる高抵抗物質を析出させることができる(図2参照)。
鉄系酸化物は、例えば、軟磁性フェライト、マグネタイト(Fe)、ヘマタイト(Fe)などが挙げられる。この中、鉄系酸化物は、軟磁性フェライトであることがよい。軟磁性フェライトは、570℃を超える温度になると、ほぼ100%がFeO相を生成する。
軟磁性フェライトは、一般的にスピネル型構造を有する。スピネル型フェライトは、一般式NF(Nは、Fe、Zn、Cu、Mn、Ni、Co、Mgの中から選ばれる1種以上)で表される。結晶磁気異方性が比較的小さいため、透磁率、飽和磁束密度が高い。Nは鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)の中から選ばれる1種以上とするとよい。
一方、鉄系酸化物からなる被膜は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を含まない方がよい。Co、Ni、Mnは、オーステナイト相(γFe相)の生成に関与していると考えられている。オーステナイト相は,非磁性で、透磁率を低下させる。オーステナイト相はCo、Ni、Mn等のオーステナイト形成元素により安定化されるため、被膜がこれらの元素を含まないことで、軟磁性体中のオーステナイト相を低減させることができる。
鉄系酸化物を100質量%としたときに、鉄系酸化物中のNi、Co及びMnの合計量が20質量%以下であることが好ましい。鉄系酸化物中のNiなどの含有量を上記の所定量以下とすることにより、オーステナイト相の生成を効果的に抑えることができる。
被覆工程では、軟化性金属粉末の表面に鉄系酸化物からなる被膜を被覆するために、軟化性金属粉末及び鉄系酸化物粉末に機械的エネルギーを与えるとよい。例えば、メカニカルアロイとも呼ばれるメカノフュージョンを行うとよい。その他、気相法、メッキなどの方法を採用することが可能である。
メカノフュージョンとは、複数の粒子に機械的エネルギーを付与して粒子同士を衝突させることにより、粒子を複合化させることをいう。ここで、軟磁性金属粒子と鉄系酸化物粒子とにメカノフュージョンを行うと、軟磁性金属粒子表面に鉄系酸化物からなる被膜が被覆されて、被覆粒子が形成される。メカノフュージョンによる被覆処理は、気相法、メッキ等に比べて、比較的厚い被膜でも短時間に被覆することができる。
軟磁性金属粒子を100質量部としたときの、鉄系酸化物の被覆量は、軟磁性金属粒子の表面積にもよるが、例えば、0.5〜8.0質量部であることがよく、更には、0.5〜2.0質量部であることが好ましい。この場合には、高抵抗で磁束密度も高い軟磁性体を形成することができる。
被膜の厚みは、軟磁性金属粒子の粒子径にもよるが、0.1〜10μmであることがよく、殊に0.1μm〜2μm、0.2μm〜1μmとすることがよい。被膜厚みが厚いと、磁気特性が比較的低い粉末粒界の影響で透磁率が低下し、被膜厚みが薄いと、粒子間の絶縁性が確保できないおそれがある。
(成形工程)
成形工程では、図1に示すように、被膜2で被覆した軟磁性金属粒子1を圧縮成形して成形体4を得る。即ち、軟磁性金属粒子1表面に鉄系酸化物からなる被膜2を被覆してなる被覆粒子3は、圧縮成形されて成形体4が得られる。成形体4は、上記した被覆粒子3同士が接合されて構成されている。即ち、軟磁性フェライトからなる被膜2で被覆した軟磁性金属粒子1の集合体を圧縮成形することにより、各軟磁性金属粒子1同士が被膜2を介して一体的に接合された成形体4を得る。
被覆粒子3同士を圧縮成形する手段としては、冷間加圧成形、温間加圧成形、又は熱間加圧成形を例示できる。添加元素Mを有する硬度の高い軟磁性金属粒子や球状の軟磁性金属粒子を用いた場合には、成形性の観点から、温間加圧成形又は熱間加圧成形を行うとよい。
ここで、冷間加圧成形とは、被膜で被覆した軟磁性金属粒子の集合体を、加熱することなく加圧することで一体的に結合させる成形方法をいう。冷間加圧成形での温度は、常温付近、例えば20〜100℃であることがよい。冷間加圧成形の場合の加圧力は、軟磁性金属粒子の硬度及び形状によって異なるが、概して、600〜1200MPa、殊に800〜1000MPaとするとよい。冷間加圧成形での加圧時間は例えば、0.1〜5分間とすることができるが、これに限定されるものではない。
温間加圧成形の場合の温度は、100〜200℃であることがよい。加圧力は、600〜1200MPa、殊に800〜1000MPaとするとよい。冷間加圧成形での加圧時間は例えば0.1〜5分間とすることができる。ただし、これに限定されるものではない。
熱間加圧成形の場合の温度は、200〜600℃であることがよい。加圧力は、300〜800MPa、殊に500〜600MPaとするとよい。冷間加圧成形での加圧時間は例えば5〜10分間とすることができる。ただし、これに限定されるものではない。
成形工程での圧縮成形の雰囲気は、アルゴンガス雰囲気、大気雰囲気を採用することができる。
(焼結工程)
焼結工程では、成形体4を、570℃を超える温度で焼結させる。570℃を超える温度で成形体を焼結させると、成形工程で蓄積された粒子内部及び粒子間での歪が緩和される。また、570℃を超える温度では、被膜2を構成する鉄系酸化物の還元と、軟磁性金属粒子1の内部酸化で、FeO相(ウスタイト相)を有する介在層20が生成する(図2参照)。570℃は、鉄系酸化物とFeとが共存したときに、鉄系酸化物の還元と鉄の酸化により、FeO相が析出する変態温度である。
焼結工程での、成形体の焼結温度の下限は600℃、650℃であることがよく、上限は900℃、好ましくは850℃であることが好ましい。焼結の時間は、0.1時間〜1時間がよく、更には0.1時間〜0.5時間であることが好ましい。焼結温度が低すぎたり、焼結時間が短すぎると、FeO相が析出しにくく、冷却時にFeOの共析変態によりマグネタイト相が生成しにくくなるおそれがある。焼結温度が過剰に高い場合又は焼結時間が会場に長い場合には、生産コストがかかる。
焼結工程での成形体の焼結は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。不活性雰囲気は、例えば、不活性ガスを含む雰囲気である。
(冷却工程)
冷却工程では、焼結後の成形体を、冷却する。冷却の際には、570℃以下350℃以上の間の温度域で0.5時間以上5時間以内の間、保持することが必要である。これにより、軟磁性金属粒子1間に鉄元素を有する鉄含有層6を形成する。軟磁性金属粒子1と鉄含有層6との間であって軟磁性金属粒子1の表面には、鉄含有層6に含まれる鉄元素よりも少ない量の鉄元素と、酸素元素とを有し、鉄元素と酸素元素とから形成された高抵抗物質からなる高抵抗層7を形成する。冷却工程で、570〜350℃に所定時間保持することで、鉄含有層6と高抵抗層7とが形成されるのは、以下の理由によると考えられる。
焼結工程で生成するFeO相は、常温で常磁性であり、導電性が有り、強度が低いことから、軟磁性体内にFeO相が多量に存在すると、透磁率、損失等の磁気特性及び強度が低くなる。FeO相は、高温における準安定相であり、570℃以下で長時間保持すると、共析変態が生じて、FeO相からFe相及びFe相が生成する(4FeO=Fe+Fe)。Fe相は強磁性体である。Fe相は絶縁性が高く、強度も高い。
FeO相を、焼結後の冷却工程で570℃以下350℃以上の温度域に0.5時間以上5時間以下の間保持することにより、Fe相は及びFe相を析出させることができる。これにより、軟磁性金属粒子1間に、Fe相からなる鉄含有層6を形成するとともに、軟磁性金属粒子1と鉄含有層6との間に、絶縁性の高いFe相などの高抵抗物質からなる高抵抗層を形成することができる。保持温度の下限が350℃未満では、反応速度が遅すぎて、Fe相が析出しにくくなる。保持温度の上限が570℃を超える場合には、FeO相からFe相及びFe相への共析変態が生じない。
高抵抗物質は、絶縁性(抵抗)の高い酸化鉄からなるとよく、例えば、Fe(マグネタイト)相がよい。高抵抗物質は、主として、被覆工程で軟磁性粒子の表面に被覆した鉄系酸化物から生成した物質からなる。高抵抗物質は、また、軟磁性金属粒子の内部に含まれることがある添加元素を含んでいても良い。この場合、高抵抗物質は、鉄元素と添加元素と、酸素元素とから構成された化合物、例えば、Fe−M−O化合物を含む場合もある。
更には、焼結体は、550℃以下350℃以上の間の温度域で、0.5時間以上5時間以下の間保持することがよい。この場合には、Fe相などの高抵抗物質が析出しやすくなる。
焼結体は、570℃以下350℃以上の間の温度域に保持すればよく、この温度域の中の所定の温度で0.5〜5時間の間保持してもよいし、この温度域で温度を変化させてもよい。経時的に徐冷してもよく、また、所定時間一定の温度に保持した後に徐冷してもよい。570〜350℃の温度域で、温度の上昇と下降を繰り返しても良い。
冷却工程で、焼結温度から常温に戻るまでの間、冷却速度を一定としてもよいし、570〜350℃の温度域では、それ以外の温度域よりも冷却速度を遅くしても良い。いずれの場合にも、570℃以下350℃以上の温度域に保持される時間が、従来よりも長くなり、この保持時間の間に、FeO相からFe相及びFe相を生成させることができる。
570〜350℃の温度域では、冷却速度を7.3℃/min.以下とすることがよく、更には6.7℃/min.以下とすることが好ましい。また、冷却速度の下限は、0.67℃/minとすることがよく、さらには0.73℃/min.とすることが好ましい。この場合には、焼結した成形体を、570〜350℃の温度域で0.5〜5時間の間保持することができる。
ここで、FeO相の共析変態により析出するFe相は、αFeの他にγ鉄(オーステナイト相)も生成し得る。γFeは、非磁性体であるため、軟磁性体の磁気特性を低下させる要因となる。αFeは、強磁性である。このため、Fe相には、γFeよりもαFeを含む方が好ましい。
γFeの生成には、Niが関与していると考えられ、Ni、Mn、Co等のオーステナイト形成元素により安定化する。そのため、軟磁性フェライトには、Ni、Mn、Coを含まない方がよい。
<軟磁性体>
本発明の軟磁性体は、複数の軟磁性金属粒子と、軟磁性金属粒子間に形成され鉄元素を有する鉄含有層と、軟磁性金属粒子と鉄含有層との間に形成されて軟磁性金属粒子の表面を被覆する高抵抗層とからなる。
高抵抗層は、鉄含有層に含まれる鉄元素よりも少ない量の鉄元素と、酸素元素とを有する。高抵抗層では、Fe−O系化合物からなる高抵抗物質が形成されている。
鉄含有層は、鉄元素を含み、導電性が高い。高抵抗層は、軟磁性金属粒子と鉄含有層との間に形成されて軟磁性金属粒子の表面を被覆している。このため、軟磁性金属粒子間、及び軟磁性金属粒子と鉄含有層との間の、絶縁性が確保される。ゆえに、軟磁性体の鉄損を少なく抑えることができる。
本発明の軟磁性体は、上記の軟磁性体の製造方法により製造されるため、製造工程数が少なく、簡素に製造することができる。
高抵抗層に含まれる高抵抗物質は、Fe−O系化合物からなる。Fe−O系化合物は、酸化鉄であることがよく、酸化鉄の中でもFe(マグネタイト)であることが好ましい。Feは、強磁性体であり絶縁性及び強度も高い高抵抗物質である。このため、軟磁性体の鉄損を効果的に低減させることができる。
高抵抗層に含まれる鉄元素の濃度は、鉄含有層に含まれる鉄元素の濃度よりも低い。ここで、鉄含有層に含まれる鉄元素の濃度に対する、高抵抗層に含まれる鉄元素の濃度の比率は、0.5〜0.8であることがよく、更には0.65〜0.75であることが好ましい。
鉄含有層に含まれる鉄元素の濃度に対する鉄含有層に含まれる酸素元素の濃度の比率は、0.1以下であることがよく、更には0.01以下であることが好ましい。
高抵抗層に含まれる鉄元素の濃度に対する高抵抗層に含まれる酸素元素の濃度の比率は、0.3〜0.4であることがよく、更には0.35〜0.4であることが好ましい。
また、高抵抗層には、酸素元素が含まれている。高抵抗層の中の酸素元素の濃度は、鉄含有層に含まれる酸素元素の濃度よりも高いことがよい。高抵抗層に含まれる高抵抗物質は、絶縁性の高いFe−O系化合物からなる。高抵抗層は、この鉄系酸化物を形成するために必要な酸素濃度を有しているとよい。
鉄含有層に含まれる酸素元素の濃度に対する、高抵抗層に含まれる酸素元素の濃度の比率は、2〜60であることがよく、更に2.5〜50であることが好ましい。
高抵抗層は、軟磁性金属粒子の表面の少なくとも一部を被覆している。好ましくは、高抵抗層は、軟磁性金属粒子の表面全体を被覆している。
高抵抗層の厚みは、0.1μm〜10μmであることがよく、更には0.1μm〜1μmであることが好ましい。高抵抗層の厚みが過小の場合には、軟磁性金属粒子と鉄含有層との間の絶縁性が低下するおそれがある。高抵抗層の厚みが過大である場合には、軟磁性体における軟磁性金属粒子の量が相対的に少なくなり、軟磁性体の磁束密度が低下するおそれがある。
軟磁性金属粒子は、鉄元素と、鉄元素よりも酸化されやすい添加元素Mとを有し、軟磁性金属粒子の表面部分には、鉄元素、添加元素M及び酸素元素からなるFe−M−O化合物が形成されていることが好ましい。軟磁性金属粒子の内部に酸素が拡散することが抑制され、軟磁性体の磁束密度を高めることができる。
鉄元素よりも酸化性の強い添加元素Mとしては、例えば、シリコン(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びマンガン(Mn)の中から選ばれる1種以上からなることが好ましい。
Fe−M−O化合物は、高抵抗物質である。Fe−M−O化合物は、軟磁性金属粒子と、軟磁性金属粒子の表面部分との間に層状に形成される。層状のFe−M−O化合物が生成されると、Fe−M−O化合物よりも内部に酸素が拡散することが抑制され、軟磁性金属粒子の中心部分での金属鉄を残し、粒子間の絶縁性を確保できる。これにより損失の小さい高抵抗な軟磁性体を製造することができる。製造された軟磁性体は、例えば、圧粉磁心として用いることができる。
(実験例1)
以下の試料P−1,P−2.R−1.R−2を作製し、各試料についてX線解析を行った。
試料P−1を作製するために、以下に説明するように、被覆工程、成形工程、焼結工程、及び冷却工程を行った。
被覆工程において、軟磁性金属粒子粉末として、Fe-3%Si合金粉末を準備した。軟磁性金属粒子粉末の組成は、軟磁性金属粒子粉末全体を100質量%としたときに、Si:3質量%、Fe:残部、及び不可避不純物からなる。
メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン株式会社製)により、軟磁性金属粒子の表面に、軟磁性フェライト粉末を被覆した。軟磁性フェライト粉末は、戸田工業株式会社製のNi−Cu−Zn系フェライト(製品名:FRX−952)である。軟磁性フェライト粉末の平均粒径は0.7μmとした。
メカノフュージョン装置は、円筒形のケース(直径230mm)と、その内部に配置されたスクレーバ及びインナーピースとよりなる。ケースは、その中に軟磁性金属粒子粉末と軟磁性フェライトを入れた状態で回動するように構成されている。軟磁性金属粒子粉末と軟磁性フェライトの配合比は、質量比で、軟磁性金属粒子粉末100%:軟磁性フェライト4%とした。ケース内には、アルゴンガスを0.5L/min.の流速で供給しながら、ケースを回転数1000rpmで回転させた。処理時間は40分間とした。この処理では、遠心力でケースの内面に堆積した軟磁性金属粒子粉末と軟磁性フェライトとの混合物をスクレーバによる掻き取りと、インナーピースによる圧縮とを繰り返した。これにより、軟磁性金属粒子表面に軟磁性フェライトを被覆し、フェライト被覆Fe−3%Si(被覆粒子)を得た。
軟磁性フェライトで被覆する前の軟磁性金属粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を図3に示し、被覆後の軟磁性金属粒子のSEM写真を図4に示した。図3,図4に示すように、軟磁性フェライトの被覆により、軟磁性金属粒子の表面が若干粗面化された。軟磁性金属粒子の平均直径は100μmであり、軟磁性フェライトからなる被膜の厚みは1μmであった。
フェライト被覆Fe−3%Siに、焼結条件に相当する温度800℃で、アルゴンガス雰囲気下で、30分間の熱処理を行った。
次に、800℃で30分間保持したフェライト被覆Fe−3%Siを冷却した。焼結温度800℃から常温に戻すまでの冷却速度は、10℃/分とした。550℃〜350℃の温度域でも、10℃/分の冷却速度で冷却し、当該温度域が20分保持された。軟磁性フェライトで被覆した軟磁性金属粒子粉末(フェライト被覆Fe−3%Si)の焼結体(熱処理材)を、試料P−1とした。
また、軟磁性金属粒子として純鉄粉を用い、試料P−1と同様に、軟磁性フェライトからなる被膜の被覆を行い、フェライト被覆純鉄(被覆粒子)を得た。フェライト被覆純鉄を、試料P−1と同条件で熱処理及び冷却を行った。得られた軟磁性フェライトで被覆した磁性金属粒子粉末(フェライト被覆純鉄)の焼結体を、試料P−2とした。
なお、Fe−3%Si、純鉄粉、軟磁性フェライト粉末ともに、単体では熱処理による変化はみられなかった。
図5に、試料P−1、P−2のX線回折結果を示した。試料P−1では、αFeの他にはFeO(ウスタイト相)、γFe(オーステナイト相)が明瞭に検出された。Fe(マグネタイト)とSiを含むFeSiOも存在していた。試料P−2では、FeOピークが強く、γFe相ピークは小さかった。Feは痕跡程度に検出され、FeSiOは存在しなかった。以上のことより、熱処理により軟磁性フェライトが還元されてFeOが生成すること、Siを含む系ではFe−Si-O化合物相が生成することがわかった。
次に、試料P−1(フェライト被覆Fe−3%Si)、P−2(フェライト被覆純鉄)に生成した各相の分布を調べるために、各試料を作製する際に成形工程を追加して各試料を作製し、断面組織観察を実施した。即ち、試料P−1と同様に、軟磁性フェライトを被覆した軟磁性金属粒子粉末(フェライト被覆Fe−3%Si)を、圧粉成形して成形体を得た。圧粉成形の条件は、常温、600MPa、1分間とした。成形体を、熱処理し、冷却した。熱処理条件は、試料P−1と同様に、アルゴンガス雰囲気下、800℃、30分とし、冷却条件も、試料P−1と同様に、冷却速度10℃/分とした。得られたフェライト被覆Fe−3%Siの焼結成形体を試料R−1とし、フェライト被覆純鉄の焼結成形体を試料R−2とした。
EPMA(電子線マイクロアナライザ)により、電子線を試料R−1に照射した。試料R−1の電子線照射領域でのBSE像(反射電子像)を図6、図7に示した。図8には、EPMAによる元素別面分析マップを示し、左上段、右上段、左下段、右下段は、順に、Si、O、Fe、Niである。
図6、図7に示すように、粉末粒子内部に、組織変化を伴う酸素の拡散がみられた。図8に示す右上段のマップの中央には、白色乃至灰色部分が認められ、この部分には酸素が存在している。右上段のマップの中央部分でも、部分的に黒色部分が認められ、その部分は酸素濃度が低い部分である。この黒色部分は、Fe濃度が高いことから、本発明の鉄含有層に対応している。鉄含有層では、オーステナイト形成元素であるNiの濃度も高いので、オーステナイト相が形成されていると考えられる。
また、鉄含有層の周囲や、軟磁性金属粒子の表面は、酸素高濃度部分が認められた。この酸素高濃度部分は、鉄含有層よりもFe濃度が低かった。酸素高濃度部分は、X線回折(図5)で検出されたFeを含む高抵抗層と考えられる。
図8では、内部酸化層内又は境界部にSi及び酸素が高濃度な部分が層状に存在する。Siを含む系では、導電性のFeO生成により抵抗が低下するが、このSi系酸化物により、粒子間の高抵抗が維持されていると考えられる。図5の試料P−1のX線回折結果を考慮すると、軟磁性金属粒子の表面部分に生成したSi系酸化物は、FeSiOであると考えられる。
図6では、内部酸化が進行している部分と進行していない部分がみられる。内部酸化が進行していない部分は、Siの外方拡散と酸素の内方拡散との均衡が保たれ、SiO薄膜が粒子表面に生成したと考えられる。そして、SiO薄膜により、粒子内部への酸素の拡散が抑えられたと考えられる。Si選択酸化により析出するこれらのSi系酸化物は、非晶質構造が多く、X線回折では同定できない。
EPMAにより、電子線を試料R−2に照射した。試料R−2の電子線照射領域でのBSE像(反射電子像)を図9、図10に示した。図11には、元素別面分析マップを示し、左上段、右上段、左下段、右下段は、順に、Si、O、Fe、Niである。
図9、図10に示すように、粒子間の中央には、白色部分の層と、この層の両側に灰色部分の層とが、それぞれ層状に形成されていることがわかる。図11に示すように、粒子間に、Fe、Ni濃度が高く、酸素濃度が低い部分がみられる。この部分は、図9,図10に示される粒子間の白色の層に相当する部分である。この部分は、FeO相中に共析変態で析出したαFe相と考えられる。
また、図9、図10に示される粒子間の灰色部分は、図11ではFe濃度が低くO濃度が高い部分である。この灰色部分は、FeO相中に共析変態で析出したFe相と考えられる。
圧粉成形後の焼結(800℃)において、フェライト被膜の還元と軟磁性金属粒子の内部酸化でFeO相が生成する。FeO相は常温で常磁性であり、導電性があり、強度が低い。このため、軟磁性体の中に、FeO相が多量に存在すれば、透磁率、損失などの磁気特性及び強度が低くなる。FeO相は高温において準安定相であり、570℃以下で長時間保持すると、共析変態(4FeO=Fe+Fe)が生じる。Fe相及びαFe相は強磁性体であり、Fe相は絶縁性が高く、強度も高い。所定温度(570℃を超える温度)の焼結において生成したFeO相を、焼結後の冷却工程でFe相及びαFe相を析出させる。
図5に示すX線回折で同定されたγFe(オーステナイト相)は、粒子内部へのNiの高濃度の拡散は確認できないことから、粒子間に存在すると考えられる。軟磁性フェライトに含まれていたNiが、粒子間の中央部分(図9、図10の白色部分)に高濃度に偏析し、Feの析出の際にオーステナイト化したと考えられる。そして、オーステナイト化したFeを含む中央部分の両側の灰色部分は、酸素濃度が高く鉄濃度が低いことから、絶縁性の高い高抵抗物質としてのFe相が生成していると考えられる。図5のX線回折結果を考慮すると、灰色部分には、Fe相のほかに、焼結により生成したFeO相も残っていると考えられる。
図5に示すように、試料P−1のX線回折でもオーステナイト相が同定されていることから、この反応は粒子内にSiを含む試料P−1、R−1でも起こっていると考えられる。
このように、圧粉成形後の焼結(800℃)において、フェライト被膜の還元と軟磁性金属粒子の内部酸化でFeO相を生成させた後に、570℃以下350℃以上で長時間保持することで、共析変態(4FeO=Fe+Fe)を生じさせることにより、磁気特性及び強度に優れた軟磁性体が得られることがわかった。
(実験例2)
本実験例では、焼結後の冷却工程の冷却条件を検討した。軟磁性フェライトからなる被膜で軟磁性金属粒子の表面を被覆してなる被覆粒子としては、実験例1で作製したフェライト被覆Fe−3%Si、フェライト被覆純鉄粉を用いた。軟磁性金属粒子を100質量部としたときに、軟磁性フェライトの被覆量は、4質量部とした。被覆粒子粉末を圧縮成形して成形体を得た。圧縮成形は、冷間圧粉成形法により行い、常温、成形圧600MPaの条件とした。成形体の形状は、厚み3.0mm、幅4.0mm、長さ20mmの短冊状とした。次に、成形体について、アルゴンガス流通雰囲気下で800℃、30分の熱処理を行い、成形体を焼結させた。次に、焼結体を冷却した。冷却中の550〜350℃の温度域(所定温度域)での保持時間を、冷却速度を0.5〜10℃/分の間で調整することにより、変化させた。
試料A1では、被覆粒子粉末として、実験例1で作製したフェライト被覆純鉄粉を用いた。焼結後の冷却工程において、冷却速度2℃/分、上記所定温度域での保持時間は100分とした。
試料A2では、焼結後の冷却工程において、冷却速度1℃/分、上記所定温度域での保持時間を200分とした点を除いて、試料A1と同様である。
試料A3では、被覆粒子として、実験例1で作製したフェライト被覆Fe−3%Siを用いた。焼結後の冷却工程において上記所定温度域での保持時間は200分とした。
試料B1では、被覆粒子粉末として、実験例1で作製したフェライト被覆純鉄粉を用いた。被覆粒子を圧縮成形して成形体を得たが、これを焼結しなかった。
試料B2では、冷却工程で、冷却速度10℃/分、上記所定温度域での保持時間を20分とした他は、試料A1と同様に試験片を作製した。
試料B3では、冷却工程で、冷却速度0.5℃/分、上記所定温度域での保持時間を400分とした他は、試料A1と同様に試験片を作製した。
試料B4では、被覆粒子粉末として、実験例1で作製したフェライト被覆Fe−3%Siを用いた。焼結後の冷却工程において上記所定温度域での保持時間は20分とした。
試料B5では、被覆粒子粉末として、実験例1で作製したフェライト被覆Fe−3%Siを用いた。焼結後の冷却工程において上記所定温度域での保持時間は400分とした。
得られた試料A1〜A3及びB1〜B5の試験片について密度を測定した。密度は、軟磁性体の密度であり、試験片の単位体積当たりの試験片の質量である。
また、試料A1〜A3及びB1〜B5の試験片について抗折試験を行った。抗折試験は、JIS−Z−2248に準拠し、精密万能試験機(オートグラフ)を用い、3点曲げ試験を実施した。支点間距離15mm、試験片の加圧速度4〜5mm/分の条件で実施し、最大試験力から抗折強度を求めた。各試料の成形条件、焼結条件と抗折強度の測定結果を表1に示した。
表1に示すように、焼結を行っていない試料B1では、被覆粒子粉末の成形のみで極端に抗折強度が低く、実用的に使用しがたい。
成形後に焼結を行うことで強度は向上する。しかし、焼結後の冷却速度が速く共折反応が十分進行していない試料B2では、徐冷した試料A1、A2に比べて強度向上幅が小さい。更に冷却速度を遅くした試料B3では、試料A1,A2に比べて、強度の向上はなく、若干低下した。550〜350℃の温度域で長時間保持することにより粉末粒子内への酸素拡散が進んだ影響と考えられる。焼結のコストは工程時間に大きく依存するため、共折反応がほぼ平衡に達する保持時間は5時間以下がよい。このことから、550〜350℃の温度域での保持時間は20分よりも長く,且つ400分未満であること、更に、0.5時間以上5時間以下であることがよいことがわかった。
軟磁性金属粉末にFe−3%Siを用いた試料A3,B4,B5では、軟磁性金属粉末が添加元素Mを含むため、粉末の硬度が高くなり、焼結体密度が低くなった。また、強度も高い値ではないが、冷却工程の保持時間を20分よりも長く,且つ400分未満であること、更に、0.5時間以上5時間以下とすることにより、最大の強度が得られた。
(実験例3)
本実験例では、成形工程で熱間成形を行った場合の試料への影響を調べた。本実験例では、実施例1で作製したフェライト被覆Fe−3%Siを用い、これを成形工程で熱間成形した。熱間成形は、放電プラズマ焼結(SPS)法を採用しているSPSシンテック株式会社製SPS−3.20Sを用いて行い、熱間成形の条件は、成形圧600MPa、成形温度550℃とした。熱間成形により得た成形体は、外径20mm、高さ11mm以下の円柱状である。成形体を900℃で熱処理することにより成形体を焼結させた。焼結後に焼結体を冷却した。冷却中の550〜350℃の温度域(所定温度域)での保持時間を、冷却速度を0.5〜5℃/分の間で調整することにより、変化させた。
試料A4では、被覆粒子として、実験例1で作製したフェライト被覆Fe−3%Siを用いた。焼結後の冷却工程において、冷却速度1℃/分、上記所定温度域での保持時間は200分とした。
試料B6では、被覆粒子を圧縮成形して成形体を得たが、これを焼結しなかった。
試料B7では、焼結後の冷却工程において、冷却速度0.5℃/分、上記所定温度域での保持時間は400分とした。
上記各試料からリング状の試験片(外径20mm、内径14mm)及び短冊状の試験片(厚み3.0mm、幅4.0mm、長さ1〜20mm)をワイヤーカットで切り出した。各試験片の磁気特性及び強度を測定した。リング状の試験片は磁気特性の測定に供し、短冊状の試験片は抗折強度に供した。
磁気特性評価では、透磁率の指標として、直流B−Hカーブトレーサ(理研電子株式会社製)での外部磁場8kA/mでの磁束密度Bm(T)を測定した。また、交流B−Hアナライザー(岩通計測株式会社製)により振幅1.0T、周波数800Hzでの鉄損を計測した。各試料の成形条件、焼結条件と抗折強度の測定結果を表2に示した。
表2に示すように、高硬度のFe−3%Siを用いて作製された試料A4,B6、B7であっても、SPS(熱間)成形により比較的高い密度に達し、高い強度を示した。焼結していない試料B6では、成形時の歪が残るため、鉄損が高い。しかし、試料B7、A4のように、900℃の焼結(磁気焼鈍)を施すことで、鉄損が低減された。焼結後の冷却工程での所定温度域での保持時間が短い試料B7では、粒子間にFeOが多く残り、磁束密度及び強度が低下した。試料A4のように、保持時間を適切な範囲とすることで磁束密度及び強度の高い軟磁性体が得られた。また、高温からゆっくり除冷することで歪みの少ない鉄損の低い軟磁性体が得られた。
(実験例4)
上記実験例3では、高温焼結でも渦電流損失が増加しないように耐熱性を上げるため、軟磁性フェライトの被覆量を多くして、比較的厚い被膜を形成した。しかし、モータ用磁心材料として用いるためには、軟磁性フェライトの被覆量を多くして製造した軟磁性体は、透磁性が低い。このため、軟磁性フェライトの被覆量を低減することを検討した。また、Fe−3%Siからなる軟磁性金属粒子粉末は、硬度が高く、高密度化のためには、熱間成形が必要となり、生産性が低い。そこで、Siを低濃度化した軟磁性金属粒子粉末を原料に用い、冷間、温間での高密度成形を試みた。
本実験例4では、軟磁性金属粒子粉末へのSiの添加量及び成形法を検討した。軟磁性金属粒子として、0.6質量%Si−Fe合金水アトマイズ粉末(Fe−0.6%Si)及び0.7質量%Si−Fe合金ガスアトマイズ粉末(Fe−0.7%Si)を用いた。これらの軟磁性金属粒子表面に、メカノフュージョン法により、軟磁性フェライトを被覆した。軟磁性フェライトの被覆量は、被覆前の粒子粉末全体を100質量部としたときに、1質量部または2質量部とした。500トンプレスを用い、冷間から温間(成形圧:1000MPa、成形温度:室温から120℃)での圧粉成形を実施した。圧粉成形では、円柱状の試料(外形72mm、高さ20mm以下)を成形し、焼結を施した。
試料A5では、軟磁性金属粒子粉末として、0.6質量%Si−Fe合金水アトマイズ粉末(Fe−0.6%Si)を用いた。軟磁性フェライトで被覆した軟磁性金属粒子粉末全体を100質量部としたとき、2質量部とした。圧粉成形は、冷間条件(室温)で行った。焼結温度は600℃とした。焼結後の冷却工程で、冷却速度1℃/分、550〜350℃の温度域(所定温度域)での保持時間は200分とした。
試料A6では、圧粉成形を温間条件(120℃)で行った点を除いて、試料A5と同様である。
試料A7では、軟磁性金属粒子粉末として、0.7質量%Si−Fe合金ガスアトマイズ粉末(Fe−0.7%Si)を用いた。更に、純鉄粉も材料として用いた。また、材料全体を100質量%としたときのFe−0.7%Si及び純鉄粉の配合比は、Fe−0.7%Si:純鉄=80質量%:20質量%とした。
試料A8では、試料A7と同様の組成をもつ材料に、弱酸化熱処理を施した。弱酸化熱処理の条件は、900℃、Nフロー、1時間とした。弱酸化熱処理後に、温間条件(120℃)で圧粉成形を行い、700℃で焼結させた。焼結後の冷却工程での冷却速度は、1℃/分、試料A8での上記所定温度域での保持時間は200分とした。
試料B8では、被覆粒子の成形を温間条件(120℃)で行い、上記所定温度域での保持時間を20分とした点を除いて、試料A5と同様である。
上記各試料からリング状の試験片(外径20mm、内径14mm)及び短冊状の試験片(厚み3.0mm、幅4.0mm、長さ1〜20mm)をワイヤーカットで切り出した。各試験片の磁気特性及び抗折強度を測定した。円柱状の試験片は磁気特性の測定に供し、短冊状の試験片は抗折強度に供した。磁気特性及び抗折強度の測定項目及び測定法は、実験例3と同様である。測定結果を表3に示す。
表3に示すように、軟磁性金属粒子粉末としてFe−0.6%Siを用いた場合にも、焼結後の冷却工程において550〜350℃の温度域での保持時間が200分の場合の方(試料A5,E6)が、20分の場合(試料B8)に比べて、鉄損が少なかった。
また、成形を冷間で行う場合(試料A5)よりも温間で行う方(試料A6)が、軟磁性体密度、磁束密度及び抗折強度も高くなり、更に鉄損も低減された。また、材料として、Fe−0.7%Siに加えて純鉄粉を用いた場合にも、温間加圧成形の方(試料A8)が、冷間加圧成形の場合(試料A7)よりも、軟磁性体密度、磁束密度及び抗折強度が高くなり、更に鉄損も低減された。これは、温間で成形する方が、冷間で成形するよりも成形体の圧縮率が大きいためである。また、温間の方が、成形体に残る歪が少なく、鉄損が低減されたためである。
特に、試料A7、A8では、試料A5,A6よりもフェライト被覆量が少なく、磁束密度が高かった。被覆工程の後で成形行程の前に弱酸化熱処理を行った試料A8では、弱酸化熱処理を行わなかった試料A7に比べて、鉄損が著しく低くなった。これは、弱酸化雰囲気での熱処理でSiの選択酸化反応で表面近傍にSiが濃化されて、粒子全体のSi濃度が低くても、粒子の表面部分に、Fe−Si−O化合物が層状に形成され(図8参照)、この化合物により酸素の粒子内部拡散が抑制されたと考えられる。
一方、軟磁性金属粒子粉末として、0.7質量%Si−Fe合金ガスアトマイズ粉末を用いて圧縮成形を行った。このガスアトマイズ粉はほぼ球状であり、高密度成形では型から抜き出すと成形体が崩壊してしまい、固化できなかった。このため、試料A7,A8では、軟磁性金属粒子粉末として、軟らかく変形能の高い純鉄粉を、0.7質量%Si−Fe合金ガスアトマイズ粉末に混合して、高密度成形を行った。
また、600℃での焼結において、軟磁性フェライトの被覆量を低減させると、粒子間の絶縁性が低下し鉄損が高くなる傾向がある。このため、鉄損が高くならない程度のフェライト被覆量は、被覆前の粒子粉末全体を100質量部としたときに、Fe−0.6%Si(水アトマイズ粉末)については2質量部が限界であった。これに対して、Fe−0.7%Si(ガスアトマイズ粉末)では、フェライト被覆量が1質量部で、Fe−0.6%Si(水アトマイズ粉末)と同様の低い鉄損となった。ガスアトマイズ粉末は、表面の整った球状粉末であり、不定形の水アトマイズ粉末と比べると、比表面積が大幅に小さく、表面を被覆するための軟磁性フェライト量も少なくても粒子間の絶縁性を維持できると考えられる。
アトマイズ粉は粉末製造時の加工歪が残り、圧粉成形での粉末の変形を阻害する。このため、圧粉成形前の粉末への熱処理がよい。この熱処理を比較的高温とすることで粉末内の結晶粒の数(結晶粒界)を低減させ、ヒステリシス損が低減される。
本発明の軟磁性体は、圧粉磁心として用いることができ、例えば、電子機器、電気機器に装備される磁気回路部材に適用することができる。具体的には、例えば、モータや電磁アクチュエータ等に装備される鉄心等の磁気回路部材、ロータやステータなどのモータコア用の磁心材料、トランス、モータ、ソレノイドなどの磁気回路用の磁心材料に適用することができる。
1:軟磁性金属粒子、2:被膜、3:被覆粒子、4:成形体、5:軟磁性体、20:介在層。

Claims (11)

  1. 軟磁性金属粒子の表面に、鉄系酸化物からなる被膜を被覆する被覆工程と、
    前記被膜で被覆した前記軟磁性金属粒子を圧縮成形して成形体を得る成形工程と、
    前記成形体を、570℃を超える温度で焼結する焼結工程と、
    焼結させた前記成形体を冷却する冷却工程、を有し、
    前記冷却工程において、焼結した前記成形体を、570℃以下350℃以上の温度域で0.5以上5時間以下の間保持する軟磁性体の製造方法。
  2. 前記鉄系酸化物は、軟磁性フェライトからなる請求項1記載の軟磁性体の製造方法。
  3. 前記軟磁性金属粒子は、純鉄粉と、鉄元素と、鉄元素よりも酸化されやすい添加元素Mとを有する鉄合金粉末である請求項1又は2に記載の軟磁性体の製造方法。
  4. 前記添加元素Mは、珪素(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びマンガン(Mn)の中から選ばれる1種以上からなる請求項3記載の軟磁性体の製造方法。
  5. 前記被膜で被覆する前の前記軟磁性金属粒子の全体を100質量%としたときに、前記添加元素Mの含有量は、0.3〜6.5質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の軟磁性体の製造方法。
  6. 前記軟磁性金属粒子は、前記被膜で被覆する前に、弱酸化性雰囲気下で熱処理を行う請求項3〜5のいずれか1項に記載の軟磁性体の製造方法。
  7. 複数の軟磁性金属粒子と、前記軟磁性金属粒子間に形成され鉄元素を有する鉄含有層と、前記軟磁性金属粒子と前記鉄含有層との間に形成されて前記軟磁性金属粒子の表面を被覆する高抵抗層とを有する軟磁性体であって、
    前記高抵抗層は、Fe−O系化合物からなる高抵抗物質を有し、且つ、前記高抵抗層に含まれる鉄元素は、前記鉄含有層に含まれる鉄元素よりも少ない軟磁性体。
  8. 前記高抵抗物質を構成する前記Fe−O系化合物は、Feからなる請求項7記載の軟磁性体。
  9. 前記鉄含有層は、αFe相を有する請求項7又は8に記載の軟磁性体。
  10. 前記軟磁性金属粒子は、鉄元素と、鉄元素よりも酸化されやすい添加元素Mとを有し、前記軟磁性金属粒子の表面部分には、鉄元素、前記添加元素M及び酸素元素からなる化合物が形成されている請求項7〜9のいずれか1項に記載の軟磁性体。
  11. 前記添加元素Mは、珪素(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びマンガン(Mn)の中から選ばれる1種以上からなる請求項10記載の軟磁性体。
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