JP2010183057A - 軟磁性材料の製造方法、軟磁性材料、および圧粉磁心 - Google Patents

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Abstract

【課題】軟磁性金属粒子の外周に健全なシリコーン被膜が形成され、優れた磁気特性と高い強度を兼ね備える圧粉磁心を製造することができる軟磁性材料の製造方法を提供する。
【解決手段】軟磁性金属粒子1からなる材料粉末を用意すると共に、加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンを含む第1樹脂材料と、前記材料粉末とを混合する。次いで、熱処理を施すことで第1樹脂材料の縮重合反応が進んだ内側被膜2を軟磁性金属粒子1の表面に形成する。さらに、加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンを含む第2樹脂材料と、内側被膜2を有する軟磁性金属粒子1からなる材料粉末とを混合する。そして、熱処理を施すことで第2樹脂材料の縮重合反応が前記内側被膜2よりも未反応部分を多く残した状態で進んだ外側被膜3を軟磁性金属粒子1の最外周に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉磁心の材料であり、軟磁性金属粒子の外周にシリコーン被膜を有する複合磁性粒子からなる軟磁性材料の製造方法、その製造方法により得られた軟磁性材料、およびその軟磁性材料を用いて作製された圧粉磁心に関するものである。
ハイブリッド自動車などは、モータへの電力供給系統に昇圧回路を備えている。この昇圧回路の一部品として、コアにコイルを巻回した構成のリアクトルが利用されている。このようなリアクトルを交流磁場で使用した場合、コアに鉄損と呼ばれるエネルギー損失が生じる。鉄損は、概ね、ヒステリシス損と渦電流損との和で表され、特に、高周波での使用において顕著になる。
リアクトルのコアにおける鉄損を低減するために、圧粉磁心でできたコアを用いることがある。圧粉磁心は、軟磁性金属粒子の表面に絶縁被膜を形成した複合磁性粒子からなる軟磁性材料を加圧して形成され、金属粒子同士が絶縁被膜により絶縁されているので、特に、渦電流損を低減する効果が高い。
しかし、圧粉磁心は、加圧成形を経て作製されるため、この加圧成形時の圧力により複合磁性粒子の絶縁被膜が損傷する虞がある。その結果、圧粉磁心における軟磁性金属粒子同士が接触して渦電流損の増大を招き、圧粉磁心の高周波特性が低下する虞がある。
また、加圧成形後に軟磁性金属粒子に導入された歪みや転移は、ヒステリシス損を増加させる要因となるため、この歪みや転移を除去するために加圧成形体を熱処理しなければならない。しかし、絶縁被膜を劣化させる虞があるため、高温での熱処理を行うことが難しい。熱処理温度が十分でないと、金属粒子に導入された歪みなどを十分に除去することができず、その結果、ヒステリシス損の増大を招き、圧粉磁心の高周波特性が低下する虞がある。
このような問題に対して、例えば、特許文献1に記載の技術は、軟磁性金属粒子の表面に多層の絶縁被膜を形成することで、加圧成形および熱処理による問題を解決している。この文献の技術では、内側にある絶縁被膜としてリン化合物やケイ素化合物などを、外側にある絶縁被膜としてシリコーンなどを利用できるとしている。
特開2006−202956号公報
ここで、組成の異なる複数層の絶縁被膜を形成するのは生産性が悪く、層間で剥離が生じる虞もあるため、出来れば単一組成の絶縁被膜を備える複合磁性粒子からなる軟磁性材料が望まれている。その絶縁被膜として、可撓性と耐熱性に優れるシリコーン被膜が好適であると考えられる。一般に、シリコーン被膜を形成するには、被膜対象となる軟磁性金属粒子とシリコーンとを混合した後、乾燥処理にてシリコーンを加水分解・縮重合反応により硬化させる。
しかし、上記のようなシリコーン被膜の形成方法では、軟磁性金属粒子にシリコーン被膜が形成されていない箇所が生じ易く、この磁性粒子を使用した圧粉磁心において鉄損(特に、渦電流損)が十分に低減されない虞がある。例えば、生産性に優れる水アトマイズ法で作製された軟磁性金属粒子は、非常に凹凸の大きな形状であり、特に、金属粒子の凸部の先端にシリコーン被膜が形成され難い。これは、金属粒子とシリコーンとを混合する際、金属粒子の凸部が別の金属粒子に接触するからであると推察される。加えて、加水分解・縮重合の過程で、シリコーンが凝集したり、加水分解の生成物である有機物が離脱することでシリコーン被膜にピンホールができたりすることもシリコーン被膜が形成されていない箇所が生じる原因ではないかと推察される。
また、圧粉磁心は、脆く破損し易いため、扱いに注意を要すると言う問題もある。これは、粉体を加圧成形することで得られる粉末成形体に見られる一般的な問題であり、圧粉磁心も粉末成形体の一種であるからである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、軟磁性金属粒子の外周に健全なシリコーン被膜が形成され、優れた磁気特性と高い強度を兼ね備える圧粉磁心を製造することができる軟磁性材料の製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、本発明軟磁性材料の製造方法により得られた軟磁性材料、およびその軟磁性材料を用いて作製された圧粉磁心を提供することにある。
本発明は、軟磁性金属粒子の外周にシリコーン被膜を備える複合磁性粒子からなる軟磁性材料の製造方法であって、以下の工程を備えることを特徴とする。
(A) 軟磁性金属粒子からなる材料粉末を用意する準備工程。
(B) 加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンを含む第1樹脂材料と、前記材料粉末と、を混合する第1混合工程。
(C) 前記第1混合工程で得られた混合物に熱処理を施して、第1樹脂材料の縮重合反応が進んだ内側被膜を軟磁性金属粒子の表面に形成する第1膜形成工程。
(D) 加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンを含む第2樹脂材料と、前記内側被膜を有する軟磁性金属粒子からなる材料粉末と、を混合する第2混合工程。
(E) 前記第2混合工程で得られた混合物に熱処理を施して、第2樹脂材料の縮重合反応が前記内側被膜よりも未反応部分を多く残した状態で進んだ外側被膜を軟磁性金属粒子の最外周に形成する第2膜形成工程。
本発明軟磁性材料の製造方法のように、シリコーン被膜の形成を複数回に分けて行なうことで、軟磁性金属粒子の表面を実質的に覆うようにシリコーン被膜を形成した複合磁性粒子からなる軟磁性材料を製造することができる。より具体的に図1(A)の模式図を参照して説明すると、先に形成された内側被膜2で覆いきれなかった金属粒子1の表面を後から形成された外側被膜3が覆うようになっている。従って、この軟磁性材料を使用すれば、金属粒子同士の絶縁が確保された圧粉磁心を作製できる。
また、本発明の製造方法により得られた軟磁性材料では最外層となる外側被膜における縮重合反応が進みきっていないため、圧粉磁心を作製する際、軟磁性材料を構成する各複合磁性粒子の表面にある外側被膜の未反応部分同士が縮重合して、複合磁性粒子同士を強固に結合させることができる。その結果、強度が高い圧粉磁心とすることができる。
以下、本発明軟磁性材料の製造方法を詳細に説明する。
<材料粉末の用意>
用意する材料粉末は、軟磁性金属粒子を集合したものである。軟磁性金属粒子としては、鉄を50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、純鉄(Fe)が挙げられる。その他、鉄合金、例えば、Fe−Si系合金、Fe−Al系合金、Fe−N系合金、Fe−Ni系合金、Fe−C系合金、Fe−B系合金、Fe−Co系合金、Fe−P系合金、Fe−Ni−Co系合金、及びFe−Al−Si系合金から選択される1種からなるものが利用できる。特に、透磁率及び磁束密度の点から、99質量%以上がFeである純鉄が好ましい。
軟磁性金属粒子の平均粒径は、1μm以上70μm以下とすると良い。軟磁性金属粒子の平均粒径を1μm以上とすることによって、軟磁性材料の流動性を落とすことがなく、軟磁性材料を用いて製作された圧粉磁心の保磁力およびヒステリシス損の増加を抑制できる。逆に、軟磁性金属粒子の平均粒径を70μm以下とすることによって、1kHz以上の高周波域において発生する渦電流損を効果的に低減できる。より好ましい軟磁性金属粒子の平均粒径は、40μm以上70μm以下である。この平均粒径の下限が40μm以上であれば、渦電流損の低減効果が得られると共に、軟磁性材料の取り扱いが容易になり、より高い密度の成形体とすることができる。なお、この平均粒径とは、粒径のヒストグラム中、粒径の小さい粒子からの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径をいう。
また、軟磁性金属粒子は、その円形度が1.0に近ければ、後工程におけるシリコーン被膜の形成が容易であるが、本発明軟磁性材料の製造方法によれば、金属粒子の円形度が0.8以下であっても健全な樹脂被膜を形成できる。円形度は、粒子の断面における面積と周囲長に基づいて粒子の形状の複雑さを測る指標であって、「4πS/L(S:面積、L:周囲長)」で表される。測定対象が真円の場合、円形度は1.0となり、測定対象が真円から遠ざかる複雑形状になるほど円形度は低くなる。円形度を算出するには、粒子を撮影した画像を2値化処理し、粒子に相当する部分の面積と周囲長を測定することにより求めれば良い。
上記円形度が0.8以下である軟磁性金属粒子は、円形度が1.0に近いもの(真円に近いもの)に比べて、圧粉磁心にしたときに反磁界係数を大きくでき、高周波特性に優れた圧粉磁心とすることができる。また、円形度が0.8以下の軟磁性金属粒子は、圧粉磁心にしたときに圧粉磁心の強度を向上させる効果も有する。このような円形度の軟磁性金属粒子は、水アトマイズ法により得ることができる。水アトマイズ法は、軟磁性金属粒子を製造する一般的な手法であり、金属粒子の生産効率が良い。そのため、金属粒子の製造コスト、ひいては金属粒子を用いた軟磁性材料とこの材料を用いた圧粉磁心の製造コストを低くできる。
軟磁性金属粒子はその表面に後述するシリコーンとは異なる絶縁被膜を有していても良い。この絶縁被膜を有することにより、金属粒子の表面にシリコーン被膜を備えることによる効果(金属粒子同士の接触を抑制し、成形体の比透磁率を抑える効果)をより向上させることが期待される。絶縁被膜の厚さは、10nm以上あれば十分である。
絶縁被膜は、絶縁性に優れるものであれば良く、例えば、リン酸塩やチタン酸塩などを好適に利用できる。特に、リン酸塩からなる絶縁被膜は変形性に優れるので、軟磁性材料を加圧して圧粉磁心を作製する際に軟磁性金属粒子が変形しても、この変形に追従して変形することができる。また、リン酸塩被膜は鉄系の軟磁性金属粒子に対する密着性が高く、金属粒子表面から脱落し難い。リン酸塩としては、リン酸鉄やリン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムなどのリン酸金属塩化合物を利用することができる。この絶縁被膜は、軟磁性金属粒子の円形度が低くても粒子の表面を実質的に覆うように設けることができるが、耐熱性が低い傾向にある。
上記絶縁被膜は、水和水を含有するものであることが好ましい。水和水を含有する絶縁被膜を備える材料粉末を使用すれば、後述するシリコーン被膜の形成工程において同被膜の形成時間を大幅に短くすることができる。これは、絶縁被膜に含有される水和水が、シリコーン被膜の形成を促進するからである。詳しいメカニズムは、後段で詳述する。なお、水和水を含む絶縁被膜は、予め水和水を含有する材料を用いて形成しても良い。
<樹脂材料の用意>
第1混合工程と第2混合工程で用意する第1樹脂材料と第2樹脂材料は、加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンであれば特に限定されない。代表的には、Si(OR)(m、nは自然数)で表される化合物を利用することができる。ORは、加水分解基であり、例えば、アルコキシ基やアセトキシ基、ハロゲン基、イソシアネート基、ヒドロキシル基などを挙げることができる。アルコキシ基(−OR)としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。特に、加水分解後の反応生成物を除去する手間を考慮すると、加水分解基はメトキシが良い。これら樹脂材料は、単独で用いても、組み合わせて用いてもかまわない。また、第1混合工程で使用される第1樹脂材料と、第2混合工程で使用される第2樹脂材料とは、同一であっても異なっていても良い。
樹脂材料が加水分解・縮重合して形成されるシリコーン被膜は、変形性に優れるので、軟磁性材料を加圧する際に割れや亀裂が生じ難く、絶縁被膜の表面から剥離し難い。しかも、シリコーン被膜は、耐熱性に優れるので、軟磁性材料を加圧成形した後の熱処理温度を高温にしても、優れた絶縁性を維持することができる。さらに、シリコーン被膜は、軟磁性金属粒子の表面にリン酸塩などの絶縁被膜が形成されている場合、その絶縁被膜を熱などから保護する役目も果たす。
<シリコーン被膜の形成>
本発明軟磁性材料の製造方法においては、軟磁性金属粒子の外周にシリコーン被膜の形成を少なくとも2回行なう。1回目のシリコーン被膜(内側被膜)の形成は、軟磁性金属粒子の表面(当該粒子がリン酸塩などの絶縁被膜を有する場合、その絶縁被膜の表面)に対して行なわれる。また、2回目のシリコーン被膜(外側被膜)の形成は、軟磁性金属粒子の最外層となるように行なう。内側被膜と外側被膜との間に、さらにシリコーン被膜を有していても良く、その場合、複合磁性粒子間の絶縁性を高めることができる。但し、生産性を考慮して内側被膜と外側被膜の2層構造とすることが好ましい。
また、本発明軟磁性材料の製造方法においては、複合磁性粒子の内方側にある内側被膜の方が外側被膜よりも縮重合反応が進んだ状態となるように内側被膜と外側被膜を形成する。内側被膜における縮重合反応の進行度合いは、外側被膜よりも大きければ良く、内側被膜に縮重合反応が起こっていない未反応部分が存在してもかまわない。但し、内側被膜は、実質的に未反応部分がない状態であることが好ましい。
上記のような内側被膜と外側被膜の縮重合度合いの差は、外側被膜を形成する際の加熱条件と、内側被膜を形成する際の加熱条件とを異ならせることで形成できる。縮重合は、高温・長時間になるほど進行する。そのため、内側被膜よりも外側被膜の縮重合度合いを小さくするには、外側被膜の形成にあたり、内側被膜の形成時と比較して加熱時間はそのままで加熱温度を下げたり、加熱温度はそのままで加熱時間を短くしたり、あるいは加熱温度を下げると共に加熱時間も短くすると良い。
その他、触媒の有無によっても被膜の縮重合度合いを調節することができる。その場合、混合工程において触媒を添加する。触媒は、第1樹脂材料の縮重合反応を、第2樹脂材料の縮重合反応よりも反応が進んだ状態とするために添加されるものであり、第1混合工程と第2混合工程の両方において添加を行っても良いし、第1混合工程においてのみ添加を行っても良い。また、触媒の添加と、上述した加熱条件の変更の両方を行なっても良い。
添加する触媒としては、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸などの有機酸や、塩酸、リン酸、硝酸、ほう酸、硫酸などの無機酸などを用いることができる。触媒の添加量は、多すぎると樹脂材料のゲル化を招くので、適切な量を選択すると良い。
次に、内側被膜と外側被膜の具体的な形成工程を説明すると、各被膜は、被膜対象である材料粉末と被膜の材料である樹脂材料とを混合する混合工程、および混合工程で得られた混合物に熱処理を施すことで樹脂材料を被膜化する膜形成工程を経ることにより形成される。各被膜を形成するための混合工程と膜形成工程は別個に行なっても良いし、同時に行なっても良い。
混合工程と膜形成工程を別個に行なうのであれば、まず材料粉末と樹脂材料とを混合し、その後一旦混合を止めて熱処理による被膜の形成を行えば良い。混合工程と膜形成工程を別個に行なう場合、混合工程は、樹脂材料の縮重合が起こる温度以下の温度で加熱しながら行なうことが好ましい。このような温度で加熱しながら混合すると、材料粉末の各粒子の表面に比較的均一に樹脂材料がまぶされた状態にすることができる。例えば、メチル系シリコーンの場合、縮重合の開始温度は80〜160℃であるので、例えば60〜80℃程度で1〜30分間、加熱しながら混合すると良い。
また、混合工程と膜形成工程を別個に行なう場合、膜形成工程は以下のように行なうと良い。まず、樹脂材料をほぼ完全に縮重合させた内側被膜を形成する第1膜形成工程では、樹脂材料の硬化開始温度以上の温度に設定したり、加熱時間を長めに設定する。例えば、前述のメチル系シリコーンの場合、第1膜形成工程の熱処理条件は、100〜200℃×0.5〜5時間とすると良い。これに対して、未反応部分を残した状態で樹脂材料を縮重合させた外側被膜を形成する第2膜形成工程では、樹脂材料の硬化開始温度の範囲で温度を設定したり、加熱時間を内側被膜の場合よりも短く設定すると良い。例えば、前述のメチル系シリコーンの場合、第2膜形成工程の熱処理条件は、80〜150℃×0.1〜1時間とすると良い。
一方、混合工程と膜形成工程を同時に行なう、即ち、加熱しながら混合することで被膜を形成するのであれば、そのときの温度条件は、混合工程と膜形成工程を別個に行なう場合の膜形成工程の温度条件よりも若干低めに設定することができる。例えば、前述のメチル系シリコーンの場合、樹脂材料が硬化を開始する温度範囲である80〜160℃の加熱雰囲気で材料粉末と樹脂材料の混合を行なうと良い。このように若干低めの温度範囲で加熱しつつ混合することで、樹脂材料の凝集を抑制しつつ軟磁性金属粒子の表面に比較的厚さの均一な樹脂被膜を形成することができる。
ここで、混合工程と膜形成工程を別個に行なうか同時に行なうかに関わらず、軟磁性金属粒子の表面に絶縁被膜を有し、さらにこの絶縁被膜に水和水が含まれる場合、絶縁被膜の水和水を樹脂材料の加水分解・縮重合反応に利用することができる。この構成では、樹脂材料の直下に水分子の発生源である絶縁被膜が存在するので、非常に短時間で絶縁材料の加水分解・縮重合が進行する。しかも、水分子の発生源が樹脂材料の近傍に存在することから、数10kgオーダーの大バッチでの混合を行っても、絶縁被膜の表面にまぶされた樹脂材料を確実にシリコーン被膜にすることができる。
次に、内側被膜と外側被膜を形成するための樹脂材料の量について以下に述べる。まず、内側被膜の形成から外側被膜の形成までに使用した樹脂材料の合計量は、作製する圧粉磁心に要求される特性を満たす厚さのシリコーン被膜が形成できるように適宜選択することが好ましい。言い換えれば、好ましい厚さのシリコーン被膜を形成できるだけの樹脂材料を用意して、その量を分割して内側被膜と外側被膜を形成することが好ましい。この合計量は、軟磁性金属粒子の表面を実質的に覆うことができるように、金属粒子(材料粉末)の特徴量(代表的には比表面積(cm/cm)や粒径など)から決定すると良い。但し、用途が概ね限定されている軟磁性材料において、使用する金属粒子の粒径も比表面積もある程度決まった範囲に収まるので、材料粉末の質量を材料粉末の特徴量としてもかまわない。例えば、樹脂材料の量を、材料粉末に対する質量比で決定すると良い。具体的には、用意する樹脂材料の量は、材料粉末の質量の0.1〜2.5質量%とすると良い。樹脂材料の量がこの範囲であれば、軟磁性金属粒子の表面全体を実質的にシリコーン被膜で覆うことができるので、軟磁性金属粒子間の絶縁性を高めることができる。
なお、金属粒子の特徴量から割り出した好ましい量を第1樹脂材料(第2樹脂材料)の量として内側被膜(外側被膜)を形成し、さらに第1樹脂材料と別個に用意した第2樹脂材料(第1樹脂材料)で外側被膜(内側被膜)を形成しても良い。この場合、好ましい量を上回る量の樹脂材料でシリコーン被膜を形成するため、圧粉磁心としたときに各軟磁性金属粒子同士の絶縁性を高めることができるので鉄損を低減できるものの、圧粉磁心に占める金属粒子の割合が低下するので磁束密度が低下する。
各混合工程で用いられる樹脂材料の量は、等しい必要はない。但し、第1混合工程における樹脂材料の混合量は、材料粉末の質量の0.2〜1.0質量%であることが好ましい。この範囲の混合量であれば、金属粒子の表面全体に樹脂材料がまぶされた状態となるし、樹脂材料が凝集することも抑制されるものと考えられる。一方、第2混合工程における第2樹脂材料の混合量は、内側被膜により金属粒子の表面がある程度覆われた状態にあるため、内側被膜で覆いきれなかった部分を覆うことができるだけの量であれば良い。そのため、第2樹脂材料の混合量は、第1樹脂材料の混合量よりも少なくても多くても同じでも良い。
<軟磁性材料>
以上のようにして作製された軟磁性材料は、軟磁性金属粒子の表面全体を実質的に覆うようにシリコーン被膜が形成された複合磁性粒子からなるので、この軟磁性材料を加圧して成形しても、軟磁性金属粒子同士が直接接触することが殆どない。また、軟磁性金属粒子の表面を覆うシリコーン被膜は、成形体を熱処理したときにバインダーの役割を果たし、各金属粒子間の絶縁を維持した状態でシリカ化する。その結果、加圧成形後に熱処理することで完成した圧粉磁心は、磁気特性に優れた圧粉磁心、特に、高周波での使用においてエネルギー損失の少ない圧粉磁心となる。
本発明軟磁性材料の製造方法により製造された軟磁性材料は、その軟磁性材料を構成する各複合磁性粒子において、軟磁性金属粒子の表面に複数層のシリコーン被膜が形成されると考えられる。既に述べたように、軟磁性材料の製造の際に投入される樹脂材料は、時期をずらして投入されるため、金属粒子の表面に形成されるシリコーン被膜も層状に順次形成されることになる。
また、各複合磁性粒子に備わる内側被膜と外側被膜の縮重合度合いは、各被膜の単位体積あたりの炭素含有量を測定することで確認することができる。樹脂材料の加水分解・縮重合が起こると、その分解生成物として有機物、例えば、加水分解基がメトキシであればメタノールが被膜から離脱する。つまり、加水分解・縮重合が進行するほど被膜における単位体積あたりの炭素含有量が、原料となる樹脂材料の単位体積あたりの炭素含有量よりも少なくなる。従って、樹脂材料の縮重合が進んでいて未反応の加水分解基が殆どない内側被膜の炭素含有量は、未反応の加水分解基が多く残っている外側被膜の炭素含有量よりも小さくなるはずである。そのため、本発明の製造方法で得られた複合磁性粒子のシリコーン被膜について、被膜の厚さ方向の炭素含有量を測定すれば、被膜の表面側から内方に向かって炭素含有量が少なくなっていると推定される。
<圧粉磁心の製造>
圧粉磁心は、軟磁性材料を加圧して成形する工程と、この工程の後に行われる熱処理工程とを経ることにより得ることができる。
加圧成形工程は、代表的には、所定の形状の成形金型内に本発明軟磁性材料を投入し、圧力をかけて押し固めることで行うことができる。このときの圧力は、適宜選択することができるが、例えば、リアクトルのコアとなる圧粉磁心を製造するのであれば、約900〜1300MPa(好ましくは、960〜1280MPa)程度とすることが好ましい。
熱処理工程は、加圧成形工程で軟磁性金属粒子に導入された歪みや転移などを除去すると共に、シリコーン被膜をシリカ化して圧粉磁心の形状を固定するために行う。つまり、シリコーン被膜は、圧粉磁心を製造する際のバインダーとして機能する。この熱処理の際、図1(A)に示すように本発明軟磁性材料の複合磁性粒子の表面には未反応の加水分解基(図中では−OH、−OMeを例示)が存在するため、軟磁性材料を加圧形成して熱処理する過程で、図1(B)に示すようにまず複合磁性粒子同士が縮重合反応により強固に結合する。そして、熱処理の温度がさらに上がっていくと、強固に結合した状態の内側被膜と外側被膜がシリカ化するので、高強度の圧粉磁心を製造することができる。
これに対して、図2(A)に示すように従来の製造方法により得られた軟磁性材料の複合磁性粒子の表面には未反応の加水分解基が殆どないため、図2(B)に示すように、軟磁性材料を加圧成形して熱処理する過程で複合磁性粒子同士が縮重合反応により接合することがない。そのため、被膜のシリカ化の際に複合粒子同士の接触面が化学的に結合されない境界面として残り、その境界面を起点にして割れ易い圧粉磁心になると推察される。
上記熱処理温度は、400℃以上、特に550℃以上、さらに650℃以上が好ましい。金属粒子の歪みなどを除去する観点から、熱処理の上限は約800℃程度とする。このような熱処理温度であれば、歪みの除去と共に、加圧時に金属粒子に導入される転移などの格子欠陥も除去できるし、シリコーン被膜中の有機物を効果的に除去することができる。
本発明軟磁性材料の製造方法によれば、軟磁性金属粒子と、この金属粒子の表面全体を実質的に覆うシリコーン被膜とを備える複合磁性粒子からなる軟磁性材料を製造することができる。製造された軟磁性材料は、内側被膜と外側被膜を備えるシリコーン被膜により、加圧成形のときにも、加圧成形後の熱処理のときにも、各金属粒子間の絶縁を確保することができる。その結果、高周波での使用においてエネルギー損失が少ない圧粉磁心となるので、例えば、この圧粉磁心をリアクトルのコアとして利用した場合、優れた磁気特性を有するコアとなる。この圧粉磁心は直流重畳特性に優れるため、ギャップレスのコアとすることも可能である。
(A)は、本発明軟磁性材料を構成する複合磁性粒子の表面状態を示す模式図であり、(B)は(A)に示す複合磁性粒子同士の接合状態を示す模式図である。図中、加水分解基の代表として示される−OMeのMeはメチル基である。 (A)は、従来の軟磁性材料を構成する複合磁性粒子の表面状態を示す模式図であり、(B)は(A)に示す複合磁性粒子同士の接合状態を示す模式図である。
[実施例1]
本発明軟磁性材料の製造方法を含む種々の製造方法により作製した軟磁性材料を使用して圧粉磁心(試料1〜3)を作製し、その物理特性を測定した。そして、これら試料1〜3の物理特性を比較した。試料1〜3の具体的な作製手順は次の通りである。
<試作材の作製>
(a) 軟磁性金属粒子を集合した材料粉末を用意する工程。
(b) 水分子の存在下で加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンを含む樹脂材料を用意する工程。
(c) 粉末材料と、用意した樹脂材料の一部とを大気雰囲気下で混合する工程。
(d) 工程(c)で得られた粉末を大気雰囲気下で高温加熱し、軟磁性金属粒子の表面に内側被膜を形成する工程。
(e) 工程(d)で得られた粉末に、用意した樹脂材料の残りを加えて、大気雰囲気下で混合する工程。
(f) 工程(e)で得られた粉末を大気雰囲気下で高温加熱し、内側被膜の表面に外側被膜を形成する工程。
(g) 軟磁性材料を加圧して成形する工程。
(h) 加圧成形時に軟磁性金属粒子に導入される歪みを取り除くための熱処理工程。
≪工程a≫
軟磁性金属粒子として、株式会社神戸製鋼所製のアトマイズ純鉄粉(商品名:アトメル300NH)を用意した。この金属粒子は、水アトマイズ法により作製された、純度が99.8%以上である異形状の鉄粉であり、その平均粒径が57μmであった。平均粒径は、50%粒径により求めた。
≪工程b≫
加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンとして、分子末端がアルコキシシリル基(≡Si−R)で封鎖されたアルコキシレジンタイプのシリコーンであって、加水分解基(−R)がメトキシである樹脂を用意した。この樹脂材料を、軟磁性金属粒子の全量に対して0.5質量%用意した。なお、工程aと工程bの順序は問わない。
≪工程c≫
工程aで用意した材料粉末を混合容器であるミキサーに投入すると共に、工程bで用意した樹脂材料の半分量を投入し、60℃で15分間、混合した。
≪工程d≫
工程cを経ることで軟磁性金属粒子の表面にまぶされた状態にある樹脂材料を加熱により硬化させる。加熱条件は、200℃×1時間とした。この加熱条件であれば、投入した樹脂材料はほぼ完全に加水分解・縮重合してシリコーン被膜(内側被膜)となる。
≪工程e≫
さらに、用意した樹脂材料の残り(用意した量の半分量)を混合容器に投入し、60℃以上の温度で15分間、混合した。
≪工程f≫
工程eを経ることで内側被膜の表面にまぶされた状態にある樹脂材料を加熱により硬化させる。加熱条件は、150℃×1時間とした。この加熱条件であれば、投入した樹脂材料の加水分解・縮重合が完全に進行することなく、未反応の加水分解基を有する状態のシリコーン被膜(外側被膜)が形成される。
以上の工程を経て得られた軟磁性材料におけるシリコーン被膜の形成状態を確認したところ、実質的に金属粒子の表面の90%以上にシリコーン被膜が形成されていた。金属粒子の表面を樹脂被膜が実質的に覆っているか否かは、金属粒子の比表面積と樹脂の添加量と実際の重量から求めた。
≪工程g≫
工程fで得られた軟磁性材料を所定の形状の金型内に注入し、1cmあたり13tonの面圧(約1275MPa)をかけて加圧成形することで、リング状の試験片と棒状の試験片を得た。試験片のサイズは以下の通りである。
リング状の試験片…鉄損の評価用
外形34mm、内径20mm、厚み5mm
棒状の試験片…抗折力の評価用
10mm×55mm×5mm
≪工程h≫
工程gで得られた各試験片を窒素雰囲気下で500℃×1時間、熱処理した。熱処理を終えた試験片が、いわゆる圧粉磁心である。
<試料2,3の作製>
試料2,3の製造方法は、以下に示す点が試料1と異なる。
(試料2)
工程bで用意した樹脂材料を工程cで全量投入し、工程dにおいて200℃で1時間の熱処理を行なった。つまり、工程eとfは行なわなかった。
(試料3)
工程dと工程fにおける熱処理温度を両方とも200℃×2時間とした。つまり、内側被膜と同様に外側被膜もほぼ完全に加水分解・縮重合が進んだシリコーン被膜とした。
以上説明した試料1〜3の製造条件を表1にまとめる。
Figure 2010183057
<評価>
作製した各試料について、以下に列挙する特性値を測定した。特性値の測定・算出結果は後段の表2にまとめて記載する。
≪磁気特性≫
リング状の試験片に巻線を施し、試験片の磁気特性を測定するための測定部材を作製した。この測定部材について、AC−BHカーブトレーサを用いて、励起磁束密度Bm:2kG(=0.2T)、測定周波数f:10kHzにおける鉄損W2/10k(W/kg)を測定した。
≪抗折強度≫
棒状の各試験片についてJIS Z 2511に規定する抗折試験を行い、各試験片の抗折強度を求めた。
Figure 2010183057
≪評価結果≫
表2に示すように、本発明品である試料1の鉄損は、試料3の鉄損よりも若干低い程度であるが、従来品である試料2の鉄損よりも格段に低かった。そのため、試料1および試料3を、例えば、リアクトル用のコアとすれば優れた磁気特性を発揮することが期待できる。
試料1および試料3の鉄損が低かったのは、軟磁性材料のシリコーン被膜が比較的健全に形成されており、軟磁性材料の金属粒子同士の絶縁が確保されていたからであると推察される。より具体的には、図1(A)の模式図に示すように、軟磁性金属粒子1の表面に内側被膜2が形成され、内側被膜2で覆いきれなかった金属粒子1の表面と内側被膜2の外周を覆うように外側被膜3が形成されていたからであると推察される。これに対して、試料2の鉄損が試料1や試料3よりも高くなっていたのは、図2(A)の模式図に示すように各軟磁性金属粒子1の表面にシリコーン被膜4で覆いきれなかった部分があるため、当該粒子1同士の絶縁が確保されていないためと推察される。
また、試料1の抗折強度は、試料2および試料3の抗折強度に比べて格段に優れていた。そのため、試料1では、扱う際に欠損などの不具合が生じ難いので、リアクトルのコアとして好適である。
試料1の抗折強度が高かったのは、図1(A)、(B)の模式図に示すように、軟磁性金属粒子1の最外周に形成される外側被膜3の表面に加水分解基(−OHや−OMe)が存在するため、軟磁性材料を加圧形成して熱処理する過程で、まず各複合磁性粒子の外側被膜3同士が縮重合反応により強固に結合するからであると推察される。この状態からさらに熱処理温度が高くなると、全ての内側被膜2と外側被膜3とが一体にシリカ化して、強度の高い圧粉磁心になると考えられる。
これに対して、試料2の抗折強度が低かったのは、図2(A)、(B)に示すように、シリコーン被膜4の表面に未反応の加水分解基が殆どないため、軟磁性材料を加圧成形して熱処理する過程で複合磁性粒子同士が縮重合反応により接合することがないからであると推察される。試料3の抗折強度が低かったのも、試料2と同様の理由によるものと推察される。
[実施例2]
実施例2では、混合工程と膜形成工程を同時に行なって内側被膜と外側被膜を形成した試料4を作製し、その物理特性を測定した。
試料4の製造方法は、以下に示す点が実施例1の試料1と異なる。
(試料4)
工程cと工程dを同時に行なう、即ち、加熱しながら混合することで内側被膜を形成した。加熱条件は、150℃×15分とした。
工程eと工程fを同時に行なう、即ち、加熱しながら混合することで外側被膜を形成した。加熱条件は、100℃×15分とした。
得られた試料4について実施例1と同様に密度、鉄損および抗折強度を測定したところ、それぞれ84W/kg、および30MPaであった。このように、試料4は、試料1とほぼ同等の特性を有することがわかった。
なお、本発明の実施形態は、上述したものに限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明の軟磁性材料の製造方法により製造された軟磁性材料は、高周波特性に優れた圧粉磁心の作製に好適に利用可能である。
1 軟磁性金属粒子 2 内側被膜 3 外側被膜 4 シリコーン被膜

Claims (9)

  1. 軟磁性金属粒子の外周にシリコーン被膜を備える複合磁性粒子からなる軟磁性材料の製造方法であって、
    軟磁性金属粒子からなる材料粉末を用意する準備工程と、
    加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンを含む第1樹脂材料と、前記材料粉末と、を混合する第1混合工程と、
    前記第1混合工程で得られた混合物に熱処理を施して、第1樹脂材料の縮重合反応が進んだ内側被膜を軟磁性金属粒子の表面に形成する第1膜形成工程と、
    加水分解・縮重合反応により硬化するシリコーンを含む第2樹脂材料と、前記内側被膜を有する軟磁性金属粒子からなる材料粉末と、を混合する第2混合工程と、
    前記第2混合工程で得られた混合物に熱処理を施して、第2樹脂材料の縮重合反応が前記内側被膜よりも未反応部分を多く残した状態で進んだ外側被膜を軟磁性金属粒子の最外周に形成する第2膜形成工程と、
    を備えることを特徴とする軟磁性材料の製造方法。
  2. 前記外側被膜を形成する際の加熱温度を、前記内側被膜を形成する際の加熱温度に比べて低くすることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性材料の製造方法。
  3. 前記外側被膜を形成する際の加熱時間を、前記内側被膜を形成する際の加熱時間に比べて短くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟磁性材料の製造方法。
  4. 前記混合工程において、前記第1樹脂材料の縮重合反応を、前記第2樹脂材料の縮重合反応よりも反応が進んだ状態とする触媒を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の軟磁性材料の製造方法。
  5. 前記第1混合工程と第1膜形成工程、および前記第2混合工程と第2膜形成工程はそれぞれ別個に行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の軟磁性材料の製造方法。
  6. 前記第1混合工程と第1膜形成工程、および前記第2混合工程と第2膜形成工程はそれぞれ同時に行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の軟磁性材料の製造方法。
  7. 軟磁性材料の製造の際に使用される樹脂材料の合計量は、前記材料粉末の特徴量に応じた量であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の軟磁性材料の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の軟磁性材料の製造方法により得られたことを特徴とする軟磁性材料。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の軟磁性材料の製造方法により得られた軟磁性材料を加圧成形することで得られたことを特徴とする圧粉磁心。
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