JP2008063650A - 圧粉磁心および圧粉磁心用の鉄基粉末 - Google Patents

圧粉磁心および圧粉磁心用の鉄基粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄基粉末の流動性と充填性を向上させることによって生産効率を高めることができる圧粉磁心用の鉄基粉末を提供する。他の目的は、生産効率が高く、しかも圧粉成形して圧粉磁心としたときの渦電流損を低減できる絶縁皮膜付き鉄基粉末を提供する。更に他の目的は、生産効率が高く、しかも圧粉成形して圧粉磁心としたときの鉄損を低減できる絶縁皮膜付き鉄基粉末を提供する。更に他の目的は、こうした絶縁皮膜付き鉄基粉末を成形した圧粉磁心を提供する。
【解決手段】圧粉磁心用の鉄基粉末の平均アスペクト比を3〜10とすると共に、目開き250μmの篩を用いて篩い分けしたときの通過分を95質量%以上とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、鉄粉や鉄基合金粉末(以下、これらを総称して鉄基粉末と呼ぶことがある)等の軟磁性鉄基粉末を圧粉成形し、電磁気部品用の圧粉磁心を製造する際に用いる圧粉磁心用鉄基粉末に関するものである。
交流で使用される電磁気部品(例えば、モータなど)の磁心(コア材)には、従来、電磁鋼板や電気鉄板等を積層したものが用いられていたが、近年は、軟磁性鉄基粉末を圧粉成形した圧粉磁心が利用されるようになってきた。この圧粉磁心は、軟磁性鉄基粉末を金型に流し込み、これを圧粉成形し、次いで歪取焼鈍して製造される。鉄基粉末を圧粉成形することで、形状の自由度が高くなり、三次元形状の磁心でも簡単に製造できる。そのため電磁鋼板や電気鉄板等を積層した磁心を用いるよりも電磁気部品を小型化したり、或いは軽量化できる。
こうした鉄基粉末を製造する技術としては、例えば特許文献1や2が知られている。これらの文献には、電解鉄粉と同等以上の磁気特性を有する圧粉磁性体用の原料鉄粉を提供するために、鉄粉の化学組成の他、鉄粉の見掛密度や粒子厚み、粒度分布、圧粉密度、フェライト粒度などを規定することが開示されている。
ところで鉄基粉末から圧粉磁心を製造するに当たっては、鉄基粉末を金型に流し込むときの流れ易さ(流動性)や、鉄基粉末を金型へ流し込んだときの充填性が良好であることが望まれる。この流動性や充填性が、生産効率の向上に大きく作用するからである。しかし上記特許文献1や2では、偏平化による磁気特性向上を優先し、鉄基粉末の流動性や充填性については考慮されておらず、生産効率が悪かった。また、偏平化による鉄粉形状の異方性に起因する圧粉磁心の異方性についても考慮されていなかった。
こうした圧粉磁心は、例えば1kHz以上の高周波帯域では良好な電磁変換特性を示すが、一般にモータが動作している駆動条件下[例えば、駆動周波数が数100Hz〜1kHzで、駆動磁束が1T(テスラ)以上]では、電磁変換特性が劣化する傾向がある。この電磁変換特性の劣化[即ち、磁気変換時のエネルギー損失(鉄損)]は、材料内磁束変化が緩和現象(磁気共鳴など)を伴わない領域であれば、ヒステリシス損と渦電流損の和で表されることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
このうちヒステリシス損は、原料粉末の製造時や圧粉成形時に導入された歪みに影響を受けることが知られている。そのため圧粉成形後に歪取焼鈍すれば、導入された歪みが解放され、ヒステリシス損を低減することができる。
これに対し、渦電流損は、磁場変化に対する電磁誘導で発生する起電力に伴う誘導電流のジュール損失である。この渦電流損は、磁場変化速度、つまり周波数の2乗に比例すると考えられており、圧粉磁心の電気抵抗が小さいほど、また渦電流の流れる範囲が大きいほど渦電流損は大きくなる。この渦電流は、個々の鉄基粉末粒子内に流れる粒子内渦電流と、鉄基粉末粒子間にまたがって流れる粒子間渦電流に大別される。そのため個々の鉄基粉末の電気的な絶縁が完全であれば、粒子間渦電流は発生しないため、粒子内渦電流のみとなり、渦電流損を低減できる。
特開昭61−223101号公報 特開昭62−137812号公報 「SEIテクニカルレビュー第166号」、住友電気工業発行、2005年3月、P.1〜6
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、鉄基粉末の流動性と充填性を向上させることによって生産効率を高めることができる圧粉磁心用の鉄基粉末を提供することにある。本発明の他の目的は、生産効率が高く、しかも圧粉成形して圧粉磁心としたときの渦電流損を低減できる絶縁皮膜付き鉄基粉末を提供することにある。本発明の他の目的は、生産効率が高く、しかも圧粉成形して圧粉磁心としたときの鉄損を低減できる絶縁皮膜付き鉄基粉末を提供することにある。本発明の他の目的は、こうした絶縁皮膜付き鉄基粉末を成形した圧粉磁心を提供することにある。
本発明者らが、鉄基粉末を金型に流し込むときの流動性と、該鉄基粉末を金型に充填したときの充填性を高めて生産効率を高めるべく、検討を重ねてきた。その結果、鉄基粉末の形状と粒度を適切に制御すればよいことを見出した。また、この鉄基粉末を圧粉成形して圧粉磁心としたときの渦電流損や鉄損を低減するには、鉄基粉末の表面に形成する絶縁皮膜の種類を特定すればよいことを見出し、本発明を完成した。
即ち、上記課題を解決することのできた本発明に係る圧粉磁心用の鉄基粉末とは、平均アスペクト比が3〜10であり、且つ目開き250μmの篩を用いて篩い分けしたときの通過分が95質量%以上である点に要旨を有する。
前記鉄基粉末の表面には、絶縁皮膜が形成されているものが好ましく、前記絶縁皮膜は、例えば、リン酸系化成皮膜である。このリン酸系化成皮膜には、Na,S,Si,WおよびCoよりなる群から選択される1種以上の元素が含まれているものがよい。前記リン酸系化成皮膜の表面には、更にシリコーン樹脂皮膜が形成されているものがこのましい。なお、本発明には、上記鉄基粉末を成形して得られた圧粉磁心も包含される。
本発明によれば、鉄基粉末の形状と粒度を適切に制御しているため、鉄基粉末の流動性と、該鉄基粉末を金型に充填したときの充填性を向上させることができ、生産効率を高めることができる。また、本発明によれば、鉄基粉末の表面に形成する絶縁皮膜の種類を特定しているため、この絶縁皮膜付き鉄基粉末を圧粉成形して得られる圧粉磁心は、渦電流損や鉄損が小さくなる。
鉄基粉末の流動性と、該鉄基粉末を金型に充填したときの充填性を高めるには、鉄基粉末の平均アスペクト比を3〜10に制御すると共に、目開き250μmの篩を用いて篩い分けしたときの通過分が95質量%以上となるように調整する。
鉄基粉末の平均アスペクト比については、平均アスペクト比が3未満では、鉄基粉末の形状は球状に近くなるため流動性は良くなるものの、該鉄基粉末を金型に充填したときの見掛密度が小さくなるため充填性が悪くなる。従って生産効率を高めることができない。鉄基粉末の平均アスペクト比は、3.5以上が好ましく、より好ましくは4以上である。しかし平均アスペクト比が10を超えると、鉄基粉末の偏平度合いが大きくなり過ぎるため、流動性が悪くなる他、鉄基粉末を金型に充填したときの見掛密度が小さくなるため充填性が悪くなる。
また、鉄基粉末が偏平し過ぎて異方性が大きくなると、圧粉成形時には、粉末の長手が圧縮方向に対して垂直な方向に揃うため、圧縮軸に垂直な方向には、圧粉磁心の透磁率が大きくなるが、圧縮方向の透磁率は小さくなる。このように透磁率に差が生じるのは、鉄基粉末の異方性が大きくなるほど鉄基粉末内部に発生する長手方向の反磁界力が小さくなるため、磁束が流れ易くなって透磁率が大きくなるからである。従って鉄基粉末を圧粉成形して形成した圧粉磁心において、厚みが小さく、薄い円盤状のように偏平化された粉末を用いた場合、圧粉磁心の圧縮軸方向の透磁率は、圧縮面方向の透磁率よりも小さく、圧粉磁心の磁気特性が等方向でなくなるため、3次元的な磁気回路を構成する磁心[例えば、モータのコア(例えば、ロータやステータなど)]になると、圧粉磁心内部の透磁率に異方性が生じるため、圧粉磁心全体の物性が予測し難くなり、実用し難い。これに対し、本発明の鉄基粉末は、その平均アスペクト比を10以下としているため、3次元的な磁気回路を構成する圧粉磁心用としても好適に用いることができる。鉄基粉末の平均アスペクト比は、9以下であるのが好ましく、より好ましくは8以下である。
アスペクト比は、後述するように、偏平加工するときの条件(例えば、偏平加工時間など)を変化させれば制御できる。
アスペクト比とは、短径に対する長径の比(長径/短径)を意味し、例えば次の手順で測定できる。まず、日本粉末冶金工業会で規定される「金属粉のふるい分析試験方法」(JPMA P02−1992)に準拠して目開きが250μm、180μm、150μm、106μm、75μm、63μm、45μmの篩を用いて、粒径が45μm未満、45μm以上63μm未満、63μm以上75μm未満、75μm以上106μm未満、106μm以上150μm未満、150μm以上180μm未満、180μm以上250μm未満、250μm以上となるように分級し、粒径が250μm以上の鉄基粉末を除去する。次に、粒径が45μm未満、45μm以上63μm未満、63μm以上75μm未満、75μm以上106μm未満、106μm以上150μm未満、150μm以上180μm未満、180μm以上250μm未満に分級された夫々の粉末群から無作為に10個ずつ粉末を採取し、これら70個の粉末のアスペクト比(長径/短径)を顕微鏡[例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)]を用いて100〜200倍で観察して測定する。測定結果を平均したものを平均アスペクト比とする。なお、長径とは、粉末の外接円相当径(粉末の最大長さ)を意味し、短径とは、粉末の長径方向(粉末の最大長さ方向)に垂直な方向における粉末の厚みを意味する。
本発明の鉄基粉末は、平均アスペクト比を3〜10とする他、目開き250μm(60メッシュ)の篩を用いて篩い分けしたときの通過分が99質量%以上である。即ち、目開き250μm(60メッシュ)の篩を用いて篩い分けしておき、篩上に残った粉末を除去する。粒子径が250μm以上の粉末を除去し、粒子径が250μm未満の粉末を多くすることで、上記アスペクト比と相まって、鉄基粉末を金型に充填したときの見掛密度を高めることができ、金型への充填性を高めることができる。
本発明では、目開き150μm(100メッシュ)の篩を用いて篩い分けしたときの通過分が80質量%以上であることが好ましい。なお、目開き45μm(325メッシュ)の篩を用いて篩い分けしたときの通過分は、除去してもよい。
上記の通り、本発明の鉄基粉末は、該鉄基粉末の形状と粒度を適切に制御することで、鉄基粉末の流動性と充填性を向上させることができ、これによって生産効率を高めることができる。
こうした鉄基粉末を圧粉成形して得られる圧粉磁心の渦電流損を低減するには、上記鉄基粉末を圧粉成形したときに、鉄基粉末同士の界面に絶縁体が存在していればよい。鉄基粉末同士の界面に絶縁体を存在させるには、例えば、上記鉄基粉末の表面に絶縁皮膜を積層したものを圧粉成形するか、上記鉄基粉末と絶縁用粉末を混合したものを圧粉成形すればよい。好ましくは上記鉄基粉末の表面に絶縁皮膜を積層したものを圧粉成形するのがよい。
上記絶縁皮膜や上記絶縁用粉末の種類は特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、成形体の比抵抗を4端子法で測定したときに、比抵抗が50μΩ・m程度以上になるものであればよい。
上記絶縁皮膜の素材としては、例えば、リン酸系化成皮膜やクロム系化成皮膜などの無機物や樹脂を用いることができる。樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン/アクリル樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレンなどのオレフィン樹脂、カーボネート樹脂、ケトン樹脂、フッ化メタクリレートやフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、PEEKなどのエンジニアリングプラスチックまたはその変性品などを使用できる。
こうした絶縁皮膜の中でも、特にリン酸系化成皮膜を形成すればよい。リン酸系化成皮膜は、オルトリン酸(H3PO4)などによる化成処理によって生成するガラス状の皮膜であり、電気絶縁性に優れている。
リン酸系化成皮膜の膜厚は1〜250nm程度が好ましい。膜厚が1nmより薄いと絶縁効果が発現し難いからである。しかし膜厚が250nmを超えると絶縁効果が飽和する上、圧粉体の高密度化を阻害するため望ましくない。付着量として言えば0.01〜0.8質量%程度が好適範囲である。
上記リン酸系化成皮膜は、Na,S,Si,WおよびCoよりなる群から選択される1種以上の元素が含まれていることが好ましい。これらの元素は、リン酸系化成皮膜中の酸素が高温での歪取焼鈍中にFeと半導体を形成するのを阻害し、歪取焼鈍による比抵抗の低下を抑制するのに有効に作用すると考えられるからである。
これらの元素は、2種以上を併用しても構わない。組み合わせが容易で、熱的安定性に優れていたのは、SiとW、NaとSとCoの組み合わせであり、最も好ましいのはNaとSとCoの組み合わせである。
これらの元素の添加によって高温で歪取焼鈍しても比抵抗の低下を抑制するためには、リン酸系化成皮膜形成後の鉄粉100質量%中の量として、Pは0.005〜1質量%、Naは0.002〜0.6質量%、Sは0.001〜0.2質量%、Siは0.001〜0.2質量%、Wは0.001〜0.5質量%、Coは0.005〜0.1質量%が好適である。
また、本発明のリン酸系化成皮膜には、MgやBが含まれていてもよい。このとき、リン酸系化成皮膜形成後の鉄粉100質量%中の量として、Mg,B共に、0.001〜0.5質量%が好適である。
本発明では、上記リン酸系化成皮膜の表面には、更にシリコーン樹脂皮膜が形成されているのが推奨される。シリコーン樹脂皮膜は、電気絶縁性の熱的安定性を向上させる他、圧粉磁心の機械的強度も高める作用を有する。即ち、シリコーン樹脂の架橋・硬化反応終了時(圧粉成形体の成形時)には、耐熱性に優れたSi−O結合を形成して熱的安定性に優れた絶縁皮膜となる。また、粉末同士が強固に結合するので、機械的強度が増大する。
シリコーン樹脂としては、硬化が遅いものでは粉末がベトついて皮膜形成後のハンドリング性が悪いので、二官能性のD単位(R2SiX2:Xは加水分解性基)よりは、三官能性のT単位(RSiX3:Xは前記と同じ)を多く持つものが好ましい。しかし、四官能性のQ単位(SiX4:Xは前記と同じ)が多く含まれていると、予備硬化の際に粉末同士が強固に結着してしまい、後の成形工程が行えなくなるため好ましくない。よって、T単位が60モル%以上のシリコーン樹脂が好ましく、80モル%以上のシリコーン樹脂がより好ましく、全てT単位であるシリコーン樹脂が最も好ましい。
上記シリコーン樹脂としては、上記Rがメチル基またはフェニル基となっているメチルフェニルシリコーン樹脂が一般的で、フェニル基を多く持つ方が耐熱性は高いとされている。
但し、リン酸系化成皮膜に、Na,S,Si,WおよびCoよりなる群から選択される1種以上の元素を含有させ、高温で歪取焼鈍する際には、上記フェニル基の存在は、それほど有効とは言えない。その理由は、フェニル基の嵩高さが、緻密なガラス状網目構造を乱して、熱的安定性や鉄との化合物形成阻害効果を逆に低減させるのではないかと考えられる。よって高温で歪取焼鈍する際には、メチル基が50モル%以上のメチルフェニルシリコーン樹脂(例えば、信越化学工業製のKR255、KR311等)を用いることが好ましく、70モル%以上(例えば、信越化学工業製のKR300等)がより好ましく、フェニル基を全く持たないメチルシリコーン樹脂(例えば、信越化学工業製のKR251、KR400、KR220L、KR242A、KR240、KR500、KC89等)が最も好ましい。なお、シリコーン樹脂のメチル基とフェニル基の比率や官能性については、FT−IR等で分析可能である。
シリコーン樹脂皮膜の厚みとしては、1〜200nmが好ましい。より好ましい厚みは1〜100nmである。また、リン酸系化成皮膜とシリコーン樹脂皮膜との合計厚みは250nm以下とすることが好ましい。250nmを超えると、磁束密度の低下が大きくなることがある。また、鉄損を小さくするには、リン酸系化成皮膜をシリコーン樹脂皮膜より厚めに形成することが望ましい。
上記シリコーン樹脂皮膜の付着量は、リン酸系化成皮膜が形成された鉄基粉末とシリコーン樹脂皮膜との合計を100質量%としたとき、0.05〜0.3質量%となるように調整することが好ましい。0.05質量%より少ないと、絶縁性に劣り、電気抵抗が低くなる。一方、0.3質量%より多く加えると、成形体の高密度化が達成しにくい。
上記では、鉄基粉末の表面に絶縁皮膜を積層したものを圧粉成形する場合を中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上記鉄基粉末の表面に、リン酸系化成皮膜やクロム系化成皮膜などの無機物を被覆した粉末と、上記樹脂からなる絶縁用粉末を混合したものを圧粉成形してもよい。樹脂の配合量は、混合粉末全体に対して、0.05〜0.5質量%程度とするのがよい。
本発明の圧粉磁心用鉄基粉末には、さらに潤滑剤が含有されたものであってもよい。この潤滑剤の作用により、鉄基粉末を圧粉成形する際の粉末間、あるいは鉄基粉末と成形型内壁間の摩擦抵抗を低減でき、成形体の型かじりや成形時の発熱を防止することができる。
このような効果を有効に発揮させるためには、潤滑剤が粉末全量中、0.2質量%以上含有されていることが好ましい。しかし、潤滑剤量が多くなると、圧粉体の高密度化に反するため、0.8質量%以下にとどめることが好ましい。なお、圧粉成形する際に、成形型内壁面に潤滑剤を塗布した後、成形するような場合(型潤滑成形)には、0.2質量%より少ない潤滑剤量でも構わない。
潤滑剤としては、従来から公知のものを使用すればよく、具体的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウムなどのステアリン酸の金属塩粉末、およびパラフィン、ワックス、天然または合成樹脂誘導体等が挙げられる。
本発明の圧粉磁心用鉄基粉末は、もちろん圧粉磁心の製造のために用いられるものであるが、本発明の鉄基粉末を成形して得られた圧粉磁心は本発明に包含される。この圧粉磁心は、主に交流で使用されるモータのロータやステータ等のコアとして使用される。
本発明の鉄基粉末は、平均アスペクト比と粒度分布が上記要件を満足するものであり、その製造方法は特に限定されないが、例えば、原料鉄基粉末に偏平加工を施した後、還元し、これを解砕した後、目開き250μmの篩を用いて篩い分けすれば製造することができる。
原料鉄基粉末は、強磁性体の金属粉末であり、具体例としては、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイなど)、およびアモルファス粉末等が挙げられる。こうした原料鉄基粉末は、例えば、アトマイズ法によって製造できる。
原料鉄基粉末は、予備分級として、目開きが250μmの篩を用いて篩い分けして篩上に残った粉末を除去しておけばよい。
偏平加工は、例えば、ボールミル(例えば、振動ボールミル)やアトライタ圧延などの塑性加工などを用いて鉄基粉末の平均アスペクト比が3〜10となるように行えばよい。
偏平加工の条件は、鉄基粉末の成分組成や、用いる装置によって異なるため、一律に規定することはできないが、鉄基粉末の投入量やボールの種類、ボールの大きさ、ボールの投入量、振動数(回転数)、偏平加工時間、振幅などを制御すれば、鉄基粉末のアスペクト比を調整できる。
偏平加工した粉末は、還元性雰囲気中で加熱して還元する。還元条件は、特に限定されず、還元性雰囲気(例えば、水素ガス雰囲気、水素ガス含有雰囲気など)で、800〜1100℃程度で加熱すればよい。
還元後には、解砕し、日本粉末冶金工業会で規定される「金属粉のふるい分析試験方法」(JPMA P02−1992)に準拠して目開き250μmの篩を用いて篩い分けし、篩上に残った粉末を除去すれば、本発明の鉄基粉末を得ることができる。
次に、本発明の鉄基粉末に、絶縁皮膜を積層する方法について説明する。なお、以下では、絶縁皮膜として、リン酸系化成皮膜とシリコーン樹脂皮膜をこの順で鉄基粉末の表面に積層する場合について説明する。
分級して得られた上記鉄基粉末の表面に、絶縁皮膜としてリン酸系化成皮膜を積層させるには、水性溶媒にオルトリン酸(H3PO4:P源)などを溶解させて得た溶液(処理液)を上記鉄基粉末と混合し、乾燥すればよい。
また、このリン酸系化成皮膜に、Na,S,Si,WおよびCoよりなる群から選択される1種以上の元素を含有させる場合には、皮膜に含ませようとする元素を含む化合物を溶解させて得た溶液(処理液)を上記鉄基粉末と混合し、乾燥することで形成できる。
この化合物としては、Na2HPO4(PおよびNa源)、Na3[PO4・12WO3]・nH2O(P、NaおよびW源)、Na4[SiW1240]・nH2O(Na、SiおよびW源)、Na2WO4・2H2O(NaおよびW源)、H2SO4(S源)、H3PW1240・nH2O(PおよびW源)、SiO2・12WO3・26H2O(SiおよびW源)、MgO(Mg源)、H3BO3(B源)、Co3(PO42(PおよびCo源)、Co3(PO42・8H2O(PおよびCo源)等が使用可能である。
上記水性溶媒としては、水、アルコールやケトン等の親水性有機溶媒、これらの混合物を使用することができ、必要に応じて溶媒中には公知の界面活性剤を添加してもよい。
リン酸系化成皮膜を積層するに当たっては、固形分0.1〜10質量%程度の処理液を調製し、上記鉄基粉末100質量部に対し、1〜10質量部程度添加して、公知の混合機(例えば、ミキサー、ボールミル、ニーダー、V型混合機、造粒機等)で混合し、大気中、減圧下または真空下で、150〜250℃で乾燥することにより、リン酸系化成皮膜が形成された鉄基粉末が得られる。
上記リン酸系化成皮膜の表面に、更にシリコーン樹脂皮膜を形成する場合には、アルコール類や、トルエン、キシレン等の石油系有機溶剤等にシリコーン樹脂を溶解させ、この溶液と、リン酸系化成皮膜を形成した鉄基鉄粉とを混合して有機溶媒を揮発させることにより形成することができる。
皮膜形成条件は特に限定されないが、固形分が2〜10質量%程度になるように調製した樹脂溶液を、上記リン酸系化成皮膜が形成された鉄基粉末100質量部に対し、0.5〜10質量部程度添加して混合し、乾燥すればよい。0.5質量部より少ないと混合に時間がかかるが、10質量部を超えると乾燥に時間がかかったり、皮膜が不均一になるおそれがある。樹脂溶液は適宜加熱しておいても構わない。
混合機は前記したものと同様のものが使用可能である。但し、シリコーン樹脂皮膜を形成する場合は、加熱乾燥により有機溶媒を揮発させればよい。加熱乾燥の際には、例えばオーブン等で加熱してもよいが、混合容器を温水等で加温してもよい。乾燥後は、目開き300μm程度の篩を通過させておくことが好ましい。
乾燥後には、シリコーン樹脂皮膜を予備硬化させることが推奨される。シリコーン樹脂を予備硬化させた後、解砕することで、流動性に優れた粉末が得られ、圧粉成形の際に成形型へ、砂のようにさらさらと投入することができるようになる。予備硬化させないと、例えば温間成形の際に粉末同士が付着して、成形型への短時間での投入が困難となることがある。予備硬化は、実操業上、ハンドリング性の向上のために非常に有意義である。また、予備硬化させることによって、得られる圧粉磁心の比抵抗が非常に向上することが見出されている。この理由は明確ではないが、硬化の際の鉄粉との密着性が上がるためではないかと考えられる。
予備硬化は、具体的には、100〜200℃で、5〜100分の加熱処理を行う。130〜170℃で10〜30分がより好ましい。予備硬化後も、前記したように、目開き300μm程度の篩を通過させておくことが好ましい。
次に、圧粉磁心を製造するに当たっては、上記鉄基粉末の表面に絶縁皮膜が形成された粉末(例えば、上記リン酸系化成皮膜を形成した鉄基粉末、或いはリン酸系化成皮膜の表面に更にシリコーン樹脂皮膜を形成した鉄基粉末)を、成形した後、歪取焼鈍すればよい。
圧粉成形法は特に限定されず、公知の方法を採用できる。圧粉成形の好適条件は、面圧で490〜1960MPa(より好ましくは790〜1180MPa)である。成形温度は、室温成形、温間成形(100〜250℃)のいずれも可能である。型潤滑成形で温間成形を行う方が、高強度の圧粉磁心が得られるため好ましい。
成形後は、圧粉磁心のヒステリシス損を低減するため歪取焼鈍する。歪取焼鈍の条件は特に限定されず、公知の条件を適用できる。
特に、上記リン酸系化成皮膜が、Na,S,Si,WおよびCoよりなる群から選択される1種以上の元素を含む場合には、歪取焼鈍の温度を従来よりも高くすることができ、圧粉磁心のヒステリシス損を一層低減できる。このときの歪取焼鈍の温度は400℃以上が好ましく、比抵抗の劣化がなければ、より高温で歪取焼鈍することが望ましい。
歪取焼鈍を行う雰囲気は酸素を含まなければ特に限定されないが、窒素等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。歪取焼鈍を行う時間は特に限定されないが、20分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、1時間以上がさらに好ましい。
なお、上記では、本発明の鉄基粉末に絶縁皮膜を積層したものを圧粉成形する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、鉄基粉末の表面に、リン酸系化成皮膜やクロム系化成皮膜などの無機物を被覆した粉末と、上記樹脂からなる絶縁用粉末を混合したものを圧粉成形してもよい。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1
神戸製鋼所製のアトマイズ粉末「アトメル300NH」50kgを振動式ボールミルに入れ、粉末に偏平加工を施した。
振動式ボールミルは、中央化工機製の「MB−50型」を用い、これに大きさが5/8インチのカーボン鋼球を400kg入れ、振動数を1200cpm(回/分)、振幅を8mmとして偏平加工した。このとき加工時間を下記表1に示すように変化させた。
偏平加工後、水素ガス雰囲気中で、970℃で2時間還元した。還元後、解砕した粉末を日本粉末冶金工業会で規定される「金属粉のふるい分析試験方法」(JPMA P02−1992)に準拠して目開きが250μmの篩を用いて篩い分けし、篩上に残った粉末を除去して鉄基粉末を得た。
この鉄基粉末について、目開きが250μm、180μm、150μm、106μm、75μm、63μm、45μmの篩を用いて、粒径が45μm未満、45μm以上63μm未満、63μm以上75μm未満、75μm以上106μm未満、106μm以上150μm未満、150μm以上180μm未満、180μm以上250μm未満、250μm以上の8種類に分級した。その結果、目開き250μm(60メッシュ)の篩を用いて篩い分けしたときの通過分は下記表1に示す通りであり、目開き150μm(100メッシュ)の篩を用いて篩い分けしたときの通過分は80質量%以上であった。
分級された夫々の粉末(但し、粒径が250μm以上の粉末を除く)から無作為に10個ずつ粉末を採取し、これら70個の粉末の形状を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて100〜200倍で観察し、アスペクト比(長径/短径)を測定した。測定結果を平均して平均アスペクト比を算出し、その結果を下記表1に示す。また、偏平加工時間と平均アスペクト比の関係を図1に示す。
一方、上記鉄基粉末の見掛密度、流動性、充填性を下記の手順で評価した。
鉄基粉末の見掛密度は、日本粉末冶金工業会で規定される「金属粉の見掛密度試験方法」(JPMA P06−1992)に準拠して測定した。測定結果と下記基準で評価した結果を下記表1に示す。また、鉄基粉末の見掛密度と平均アスペクト比の関係を図2に示す。
[基準]
◎:見掛密度が3.20g/cm3以上
○:見掛密度が3.15g/cm3以上、3.20g/cm3未満
△:見掛密度が2.90g/cm3以上、3.15g/cm3未満
×:見掛密度が2.90g/cm3未満
鉄基粉末の流動度は、日本粉末冶金工業会で規定される「金属粉の流動度試験方法」(JPMA P07−1992)に準拠して測定し、粉末の流動性を評価した。測定結果と下記基準での評価結果を下記表1に示す。また、鉄基粉末の流動度と平均アスペクト比の関係を図3に示す。
[基準]
◎(合格):流動度が19.0秒/50g以下
○(合格):流動度が19.0秒/50gを超え、22.0秒/50g以下
△(不合格):流動度が22.0秒/50gを超え、25.0秒/50g以下
×(不合格):流動度が25.0秒/50gを超える
鉄基粉末の充填性は、見掛密度と流動度の結果を比べて評価の低い方を採用し、判断した。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2008063650
表1から次のように考察できる。No.1は、偏平加工していない例であり、鉄基粉末の形状はほぼ球状であるため流動性は良いが、見掛密度が小さくなるため、金型に充填する際の充填性が悪い。これに対し、No.2〜4は、鉄基粉末の形状と粒度が適切に制御されているため、見掛密度が大きく、しかも流動性もよくなり、充填性が良好となる。一方、No.5〜12は、見掛密度か流動度の何れかが悪く、充填性も悪い。
図2から明らかなように、鉄基粉末の平均アスペクト比を3〜10に制御すれば、見掛密度が3.2g/cm3以上となる。図3から明らかなように、鉄基粉末の平均アスペクト比を3〜10に制御すれば、流動度を22秒/50g以下にすることができる。
実施例2
上記実施例1の表1に示した鉄基粉末(表1のNo.1〜4)の表面に、絶縁処理を施し、これを圧粉成形して圧粉磁心を得た。
絶縁処理は、下記手順で、(1)シリコーン樹脂皮膜のみ形成、(2)リン酸系化成皮膜のみ形成、(3)リン酸系化成皮膜の表面に、シリコーン樹脂皮膜を形成、の3種類とした。
[絶縁処理条件]
リン酸系化成皮膜は、水を1000部、H3PO4を70部、リン酸ナトリウム[Na3PO4]を270部、および硫酸ヒドロキシルアミン[(NH2OH)22SO4]を70部混合したものを原液とし、これを20倍に希釈した処理液50部を、上記粉末1000部に添加して、V型混合機を用いて5〜60分混合した後、大気中で200℃、30分間乾燥し、目開き300μmの篩を通した。リン酸系化成皮膜の膜厚は、約50nmであった。
シリコーン樹脂皮膜は、信越化学工業製の「KR220L」(メチル基100モル%、T単位100モル%)をトルエンに溶解させて、2質量%の固形分濃度の樹脂溶液を作製し、鉄粉に対して樹脂固形分が0.1%となるように添加混合し、加熱乾燥(75℃、30分間)した。即ち、シリコーン樹脂皮膜の付着量は、上記(1)の場合は、シリコーン樹脂皮膜が形成された鉄基粉末を100質量%としたとき0.1質量%、上記(3)の場合は、リン酸系化成皮膜が形成された鉄基粉末とシリコーン樹脂皮膜との合計を100質量%としたとき0.1質量%であった。
絶縁皮膜が形成された鉄基粉末を、上記と同じ方法で目開きが250μmの篩を用いて分級し、篩上に残った粉末を除去し、粒度を調整した。粒度調整後の粉末に、予備硬化処理(大気中で、150℃、30分間)した後、これを用いて圧粉成形を行った。
圧粉成形は、ステアリン酸亜鉛をアルコールに分散させたものを金型表面に塗布した後、上記予備硬化処理した粉末を入れ、室温(25℃)で、面圧を10ton/cm2(980MPa)で加圧して成形した。比抵抗測定用の成形体の寸法は、31.75mm×12.7mm×厚み約5mmであり、この成形体の密度を下記表2に示す。鉄損測定用の成形体の形状は、外径45mm、内径33mm、厚み約5mmのリング状で、1次巻線を400ターン、2次巻線を25ターンとした。この成形体の密度を下記表2に示す。
圧粉成形後、窒素雰囲気下で、450℃、30分間の歪取焼鈍を行い、圧粉磁心を得た。昇温速度は約50℃/分とし、歪取焼鈍後は炉冷した。
得られた圧粉磁心の比抵抗は、表面を400番で研磨したものを、岩崎通信機製のデジタルマルチメータ「VOAC−7510」を用いて4端子法で測定した。測定結果を下記基準で評価した。評価結果を表2に示した。
[基準]
◎:比抵抗が100μΩ・m以上
○:比抵抗が50μΩ・m以上、100μΩ・m未満
△:比抵抗が35μΩ・m以上、50μΩ・m未満
×:比抵抗が35μΩ・m未満
また、得られた成形体の鉄損を横河電機製の自動磁気試験装置「Y−1807」を用いて周波数200Hz、励磁磁束密度1.5Tとして測定した。測定結果を下記基準で評価し、評価結果を表2に併記した。
[基準]
◎:鉄損が40W/kg以下
○:鉄損が40W/kg超、50W/kg未満
△:鉄損が50W/kg以上、60W/kg未満
×:鉄損が60W/kg以上
Figure 2008063650
実施例3
リン酸系化成皮膜の組成と比抵抗の関係について調べた。上記実施例1の表1に示した鉄基粉末(No.2)の表面に、上記実施例2と同様の手順で絶縁処理を施し、これを圧粉成形して圧粉磁心を得た。なお、リン酸系化成皮膜を形成する際には、下記に示す組成の原液を用い、リン酸系化成皮膜の組成を変化させた。
No.31で用いた原液…水を1000部、H3PO4を193部
No.32で用いた原液…水を1000部、H3PO4を193部、MgOを31部、H3BO3を30部
No.33で用いた原液…水を1000部、H3PO4を193部、MgOを31部、H3BO3を30部、H3PW1240・nH2Oを143部
No.34で用いた原液…水を1000部、H3PO4を193部、MgOを31部、H3BO3を30部、SiO2・12WO3・26H2Oを143部
No.35で用いた原液…水を1000部、Na2HPO4を270部、H3PO4を70部、(NH2OH)22SO4を70部
No.36で用いた原液…水を1000部、H3PO4を70部、Na3PO4を270部、(NH2OH)22SO4を70部、Co3(PO42・8H2Oを100部
得られた圧粉磁心の比抵抗と鉄損を、上記実施例2と同じ条件で測定し、同様に評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2008063650
図1は、偏平加工時間と平均アスペクト比の関係を示すグラフである。 図2は、鉄基粉末の見掛密度と平均アスペクト比の関係を示すグラフである。 図3は、鉄基粉末の流動度と平均アスペクト比の関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 圧粉磁心用の鉄基粉末であって、平均アスペクト比が3〜10であり、且つ目開き250μmの篩を用いて篩い分けしたときの通過分が95質量%以上であることを特徴とする圧粉磁心用の鉄基粉末。
  2. 請求項1に記載の鉄基粉末の表面に、絶縁皮膜が形成されているものである絶縁皮膜付き鉄基粉末。
  3. 前記絶縁皮膜が、リン酸系化成皮膜である請求項2に記載の鉄基粉末。
  4. 前記リン酸系化成皮膜に、Na,S,Si,WおよびCoよりなる群から選択される1種以上の元素が含まれているものである請求項3に記載の鉄基粉末。
  5. 前記リン酸系化成皮膜の表面に、更にシリコーン樹脂皮膜が形成されているものである請求項3または4に記載の鉄基粉末。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の絶縁皮膜付き鉄基粉末を成形して得られたものであることを特徴とする圧粉磁心。
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