JP2010219159A - 圧粉磁心及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高密度、低損失、優れた直流重畳特性である、圧粉磁心を提供する。
【解決手段】第1混合工程では、鉄、珪素及びアルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末と潤滑剤とを混合する。第1混合工程を経た混合物を結着性絶縁樹脂で被覆する被覆工程は、第1混合工程を経た混合物にメチルフェニル系シリコーン粘着剤を混合し、150℃の温度で2時間加熱乾燥を行う。被覆工程を経た混合物に潤滑剤を混合する第2混合工程では、潤滑剤を被覆した第1混合物に結着性絶縁樹脂を混合する。成形工程では、前記のようにして結着剤により被覆した軟磁性合金を、窒素雰囲気中にて成形圧力1600MPaで加圧成形することにより、成形体を形成する。この時、加圧乾燥された結着性絶縁樹脂は、成形時のバインダーとして作用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟磁性合金粉末からなる圧粉磁心及びその製造方法に関する。
高周波で用いられるチョークコイルとして、フェライト磁心や圧粉磁心が使用されている。これらの中で、フェライト磁心は飽和磁束密度が小さいと言う欠点を有している。これに対して、金属合金粉末を成形して作製される圧粉磁心は、軟磁性フェライトに比べて高い飽和磁束密度を持つため、直流重畳特性に優れている。この金属合金粉末として珪素・アルミ・鉄合金であるセンダスト、ニッケル・鉄合金であるパーマロイ、珪素・鉄合金の圧粉磁心が用いられている。この中で、より低損失で、透磁率が高く、安価なセンダストがよく用いられている。
また、圧粉磁心は、エネルギー交換効率の向上や低発熱などの要求から、小さな印加磁場で、大きな磁束密度を得ることが出来る磁気特性と、磁束密度変化におけるエネルギー損失が小さいという磁気特性とが求められる。
圧粉磁心を交流磁場で使用した場合、鉄損と呼ばれるエネルギー損失が生じる。この鉄損は、ヒステリシス損失、渦電流損失、異常渦電流損失の和で表され、主に問題となるのは、ヒステリシス損失と渦電流損失である。ヒステリシス損失は動作周波数に比例し、渦電流損失は動作周波数の2乗に比例する。そのため、ヒステリシス損失は低周波領域で支配的になり、渦電流損失は高周波領域で支配的になる。
圧粉磁心は、この鉄損の発生を小さくする磁気特性が求められている。従来から、主に渦電流損失を低減することを目的として、様々な絶縁性結着剤の使用が検討されてきた。(1)絶縁性結着剤として、絶縁性に優れ接着強度が強いエポキシ樹脂などの有機系樹脂を使用する方法(例えば、特許文献1参照)、(2)無機系の絶縁性結性着剤の水ガラスを使用する方法(例えば、特許文献2参照)、(3)Fe−Si−Alを主成分とする合金粉末と、有機バインダーとしてシリコーン樹脂とステアリン酸を混合してAr雰囲気または酸化雰囲気中において、500〜900℃で熱処理を行い圧環強度と耐電圧の改善を図る方法が知られている(例えば、特許文献3,4参照)。
特公平4−6441号公報 特開昭56−155510号公報 特開平7−211531号公報 特開平7−211532号公報
しかしながら、有機系絶縁性結着剤を使用した特許文献1の発明の場合、軟磁性金属粉末を加圧成形すると、圧縮歪みによる軟磁気特性の劣化が起こり、成形圧力が高いほど劣化が甚だしくなる。このような圧縮歪みに対しては、成形体を熱処理することで、歪みを開放し、軟磁気特性の回復を図ることができる。しかし、このような歪みが開放される温度範囲では、殆どの有機系絶縁性結着剤は分解されて使用できなく問題点があった。
水ガラスを使用した特許文献2の発明の場合、熱処理を行っても水を吸収してしまうため耐久性が低下するという問題点があった。さらに、接着強度が弱いため充分な強度が得られない問題も発生していた。
特許文献3,4の発明の場合、シランカップリング剤などの耐熱性保護被膜を使用していないため、酸化雰囲気中で熱処理を行うと、透磁率の低下が著しい問題点があった。また、これらの文献中には、コアロス(鉄損)の低減に関しての記述や示唆はなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高密度、低損失及び優れた直流重畳特性を有する圧粉磁心及びその製造方法を提供することである。
前記の目的を達成するために、本発明の圧粉磁心は、軟磁性合金粉末に対して、潤滑剤を混合し、その混合物を結着性絶縁樹脂で被覆し、結着性絶縁樹脂で被覆した混合物に対して、再度潤滑剤を混合し、その混合物を、加圧成形処理して成形体を作製し、成形体を焼鈍処理し、前記軟磁性合金粉末に対して1度目に混合する潤滑剤の添加量が軟磁性合金粉末に対して0.1〜0.6wt%であり、前記軟磁性合金粉末に対して2度目に混合する潤滑剤の添加量が軟磁性合金粉末に対して0.2wt%以上であることを特徴とする。
なお、大気中で熱処理を行うことで、メチル基が熱分解して炭素として残ることがなく、機械的強度を高くできる点、潤滑剤としてステアリン酸の金属塩を使用する場合は、金属の種類によってメチル基の熱分解速度(温度)を早めることが可能となり、より低温からでも丈夫なシリカ層が形成できる点、軟磁性金属粉末を有機金属カップリング剤(シランカップリング剤)で処理する点も本発明の一形態である。
本発明によれば、本発明の圧粉磁心は、鉄、珪素、アルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末に対して、潤滑剤を2回に分けて軟磁性合金粉末に混合する。最初に混合した潤滑剤により、粒粉の中の軟磁性合金粉末同士の滑りが良くし、成形時の密度が向上することができる。また、2度目に混合した潤滑剤により、結着性絶縁樹脂で被覆した混合物同士の滑りを良くすることができると共に、成形時に使用する金型への焼き付きを防止することができる。これにより、成形時の密度を向上することができ、ヒステリシス損失が低い低損失の圧粉磁心を提供することができる。
実施例の圧粉磁心の製造方法を示すフローチャート。 比透磁率μ/μ0と印加磁界(kA/m)との関係を示した図。
[1.製造工程]
本発明の圧粉磁心の製造方法は、図1に示すような次のような各工程を有する。
(1)軟磁性合金粉末に対して、潤滑剤を混合する第1混合工程(ステップ1)。
(2)第1混合工程を経た混合物を結着性絶縁樹脂で被覆する被覆工程(ステップ2)。
(3)結着性絶縁樹脂で被覆した混合物に対して、潤滑剤を混合する第2混合工程(ステップ3)。
(4)第2混合工程を経た混合物を、加圧成形処理して成形体を作製する成形工程(ステップ4)。
(5)成形工程を経た成形体を焼鈍処理する焼鈍工程(ステップ5)。
以下、各工程を具体的に説明する。
(1)第1混合工程
第1混合工程では、鉄、珪素及びアルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末と、この軟磁性合金粉末に対して0.1〜0.6wt%の潤滑剤とを混合する。ここで潤滑剤として、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸石鹸、エチレンビスステアラマイドなどのワックスを使用することができる。潤滑剤を添加することにより、粒粉の中の粉末同士の滑りがよくなり、密度が向上する。これにより、ヒステリシス損失を低下させることができる。混合する潤滑剤の量は、この軟磁性合金粉末に対して0.1〜0.6wt%とする。これより少なければ、十分な効果を得ることができず、これより多いと、密度低下による最大磁束密度の低下、ヒステリシス損失の増加による磁気特性の低下する問題が発生する。
(2)被覆工程
前記混合工程を経た混合物を結着性絶縁樹脂で被覆する被覆工程は、混合工程を経た混合物と、前記軟磁性合金粉末に対して0.2〜3.0wt%の結着性樹脂を混合し、加熱乾燥を行う。すなわち、前記混合工程を経た混合物に対して、結着性樹脂により、軟磁性合金粉末の表面に耐熱性絶縁皮膜を形成するためである。ここで、結着性樹脂としては、メチルフェニル系シリコーン粘着剤を使用することができる。メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量は、前記軟磁性合金粉末に対して0.2〜2.0wt%が適量である。適量よりも少なければ、成形体の強度が不足して、割れが発生する。また、適量より多いと、密度低下による最大磁束密度の低下、ヒステリシス損失の増加による磁気特性が低下する問題が発生する。
さらに、軟磁性金属粉末に対して、前記軟磁性合金粉末の1.0wt%の有機金属カップリング剤(シランカップリング剤など)により処理をしてもよい。この有機金属カップリング剤は、結着性樹脂の分量を少なくするために使用する。ここで添加された結着性樹脂は、成形時のバインダーとして作用する。
(3)第2混合工程
前記被覆工程を経た混合物に潤滑剤を混合する第2混合工程では、結着性絶縁樹脂を被覆した混合物と、前記軟磁性合金粉末に対して0.2〜0.7wt%の潤滑剤とを混合する。ここで潤滑剤としては、第1混合工程で使用したステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸石鹸、エチレンビスステアラマイドなどのワックスが使用できるが、必ずしも第1混合工程と第2混合工程で同一の潤滑剤を使用する必要はない。これらを添加することにより、造粒粉同士の滑りを良くすることができるので、混合時の密度を向上することができ成形密度を高くすることができる。さらに、粉末が金型への焼き付きくことも防止することが可能である。混合する潤滑樹脂の量は、第1及び第2混合工程あわせて、前記軟磁性合金粉末に対して0.1〜0.8wt%とする。これよりも少なければ、十分な効果を得ることができず、これより多いと、密度低下による最大磁束密度の低下、ヒステリシス損失の増加による磁気特性が低下する問題が発生する。
(4)成形工程
成形工程では、前記のようにして結着剤により被覆した軟磁性合金を加圧成形することにより、成形体を形成する。この時、加圧乾燥された結着性絶縁樹脂は、成形時のバインダーとして作用する。成形時の圧力は従来の発明と同様で良く、本発明においては1600MPa程度が好ましい。
(5)焼鈍工程
焼鈍工程では、前記成形体に対して、大気中などの酸素雰囲気中にて、軟磁性合金粉末に被覆した絶縁膜が破壊される温度以下(700℃前後が好ましい)で、焼鈍処理を行うことで圧粉磁心が作製される。絶縁膜が破壊される温度以下で焼鈍処理を行うのは、成形工程での歪みを開放すると共に、焼鈍処理時の熱により軟磁性合金粉末の周囲に被覆した絶縁膜が破れることを防止するためである。一方、焼鈍温度を上げ過ぎると、この軟磁性合金粉末に被覆した絶縁膜が破れることにより、絶縁性能の劣化から渦電流損失が大きく増加してしまう。それにより、磁気特性が低下するという問題が発生する。
特に、軟磁性合金粉末として、鉄、珪素及びアルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末を使用すると、大気中などの酸化雰囲気中で焼鈍処理を行うことができる。大気中などの酸化雰囲気中で熱処理が行われると、焼鈍時の温度が350℃程度になるとSi基に直結しているメチル基が熱分解する。その後、シリカ(SiO)層として、軟磁性合金粉末表面に残り、これが強固なバインダーかつ絶縁膜となる。圧粉磁心の熱処理を大気中で行うことで、緻密で強固なシリカ層となるため、高温で熱処理をおこなっても絶縁性が劣化しないで、酸化などによるヒステリシス損失の増加が起きない。また、大気中で熱処理を行うことにより、熱分解してメチル基が炭素として残ることがないので、機械的強度が改善出来る。
本発明の実施例1〜12を、表1〜2を参照して、以下に説明する。
[1.測定項目]
測定項目として、透磁率と最大磁束密度と直流重畳性を次のような手法により測定する。透磁率は、作製された圧粉磁心に1次巻線(20ターン)を施し、インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー:4294A)を使用することで、100kHz、0.5Vにおけるインダクタンスから算出した。
コアロスは、圧粉磁心に1次巻線(20ターン)及び2次巻線(3ターン)を施し、磁気計測機器であるBHアナライザ(岩通計測株式会社:SY−8232)を用いて、周波数100kHz、最大磁束密度Bm=0.1Tの条件下で鉄損を測定した。下記[数1]の3式により、鉄損の周波数を最小2乗法により、ヒステリシス損失系数、渦電流系数を算出することで行った。
[数1]
Pc=Kh×f+Ke×f
Ph=Kh×f
Pe=Ke×f
Pc:鉄損
Kh:ヒステリシス損係数
Ke:渦電流損係数
f:周波数
Ph:ヒステリシス損失
Pe:渦電流損失
[2.特性比較(第2混合工程の有無の比較)]
特性比較では、被覆工程を経た混合物に潤滑剤を混合する第2混合工程の有無の比較を行った。表1は、本実施例において、比較例及び実施例の軟磁性合金粉末に添加した第1及び第2混合工程で添加した潤滑剤1,2の量、圧粉磁心の密度、透磁率及び磁気特性(Pcv,Phv,PEv)を示した表である。
本特性比較で使用する試料は、下記のように作製した。
実施例1〜12では、砕法により得られた、平均粒子経(D50)37μmのFe:Si:Al=84.6:9.7:5.7の合金粉末を用意した。次にこの粉末を1000℃で6時間、水素雰囲気中で熱処理を行った。次に、潤滑剤の前混合として、この合金粉末に潤滑剤1としてエチレンビスステアラマイドを混合機(V型混合機)で2時間混合した。その後、シランカップリング剤を1.0wt%、メチルフェニル系シリコーンワニスを2.0wt%で混合し、150度で2時間の加熱乾燥を行った。更に、潤滑剤の後混合として、潤滑剤2としてエチレンビスステアラマイドを混合した(V型混合機)。
これを室温にて1600MPaの圧力で加圧成形し、外径16.5mm、内径11mm、高さ11mmのリング状の成形体を作製した。次に、この積層体を酸素雰囲気(大気)中にて、700度で6時間の熱処理を行い、圧粉磁心を作製した。これらについて、100KHzでの透磁率、100KHzでの磁気特性(Pcv,Phv,Pev)を測定した。
表1は、実施例1〜3と比較例1について、軟磁性合金粉末に添加した潤滑剤1,2の量と圧粉磁心の密度、透磁率及び磁気特性(Pcv,Phv,Pev)を示した表である。実施例1〜3と比較例1では、潤滑剤の量を、潤滑剤の前混合及び後混合時合わせて、前記軟磁性合金粉末の0.5wt%とした。
Figure 2010219159
表1からは、比較例1よりも実施例1〜3の方が、密度が向上し、ヒステリシス損失(Phv)が減少している。すなわち、軟磁性合金粉末に対して、潤滑剤1を1.0wt%以上混合することにより、全体での磁気特性が向上していることが判る。
表2は、実施例4〜12と比較例1について、軟磁性合金粉末に添加した潤滑剤1,2の量と圧粉磁心の密度、透磁率及び磁気特性(Pcv,Phv,PEv)を示した表である。実施例4〜12における潤滑剤の添加量は、結着性樹脂を混合する前に混合する潤滑剤1の量が0.1〜0.4wt%、結着性樹脂を混合した後に混合する潤滑剤2の量が0.2〜0.4wt%である。
Figure 2010219159
表2からは、結着性樹脂を被覆する前の軟磁性合金粉末に対して潤滑剤1を混合していない比較例1と、軟磁性合金粉末と0.1wt%の潤滑剤1と0.2wt%の潤滑剤2とを混合した実施例4を比較すると、磁気特性のうちヒステリシス損失(Phv)が低下していることが判る。これにより、潤滑剤1は0.1wt%以上、潤滑剤2は0.2wt%以上及び潤滑剤1,2合わせて0.3wt%以上で効果があることが解る。
また、潤滑剤1及び2を合わせて0.6〜0.8wt%となる実施例7,9,10〜12では、密度が5.77g/cc以上である。この中の実施例11と12を比較すると、潤滑剤1と2を合わせた量が実施例11より多い実施例12の方が、密度か低く且つ磁気特性のうちヒステリシス損失(Phv)が増加していることが判る。これにより、潤滑剤1及び2を合わせて0.3〜0.8wt%以内で大きな効果を得ることができることが判る。
以上より、軟磁性合金粉末に対して、第1及び第2混合工程で潤滑剤を混合すると、造粒の中の粉末同士の滑りを良くすると共に、造粒粉同士の滑りを良くすることができるので室温で、低圧成形を行っても相対密度の高い圧粉磁心を作製することができる。また、熱処理時に造粒粉と金型の焼付けを防止することができるので、利便性を向上することもできる。
[3.第2の特性比較(直流重畳特性の比較)]
第2の特性比較では、軟磁性合金粉末に対する脆化処理の有無における直流重畳特性の比較を行った。図2は、本実施例において、直流バイアス磁界がH(A/m)のときの比透磁率であるμと、直流バイアス磁界が0(A/m)のときの比透磁率であるμ0とから規格化した透磁率である比透磁率μ/μ0と印加磁界(kA/m)との関係を示した図である。
図2からは、実施例1及び実施例12は、比較例1に比べて、各印加磁界における比透磁率が高いことが判る。すなわち、実施例1,12は、潤滑剤1を混合することにより、高密度な圧粉磁心となるため、圧粉磁心の直流重畳特性が向上している。以上により、潤滑剤を2度に分けて添加することにより、透磁率に優れた圧粉磁心を提供できるだけでなく、高密度で直流重畳特性に優れた圧粉磁心を提供することができる。
[他の実施例]
本発明は、前記の実施例に限定されるものではない。以下のような他の実施例も包含する。前記実施例において、前記被覆工程を経た混合物に潤滑剤を混合する第2混合工程を省略することもできる。潤滑剤を混合する工程を1度とすることにより、圧粉磁心の製造工程を簡略することができる。この時の潤滑剤の量は、軟磁性合金粉末に対して0.1〜0.8wt%であれば良い。この適量から外れると、少なければ十分な効果を得ることができず、これより多いと、密度低下による最大磁束密度の低下、ヒステリシス損失の増加による磁気特性が低下する問題が発生する。

Claims (10)

  1. 軟磁性合金粉末に対して、潤滑剤を混合し、その混合物を結着性絶縁樹脂で被覆し、
    被覆した混合物を、加圧成形処理して成形体を作製し、成形体を焼鈍処理してなる圧粉磁心において、
    前記軟磁性合金粉末に対して混合する潤滑剤の添加量が軟磁性合金粉末に対して0.1〜0.8wt%であることを特徴とする圧粉磁心。
  2. 軟磁性合金粉末に対して、潤滑剤を混合し、その混合物を結着性絶縁樹脂で被覆し、
    結着性絶縁樹脂で被覆した混合物に対して、再度潤滑剤を混合し、
    その混合物を、加圧成形処理して成形体を作製し、成形体を焼鈍処理してなる圧粉磁心において、
    前記軟磁性合金粉末に対して1度目に混合する潤滑剤の添加量が軟磁性合金粉末に対して0.1〜0.6wt%であり、
    前記軟磁性合金粉末に対して2度目に混合する潤滑剤の添加量が軟磁性合金粉末に対して0.2wt%以上であることを特徴とする圧粉磁心。
  3. 前記結着性樹脂は、メチルフェニル系シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の圧粉磁心。
  4. 前記軟磁性合金粉末が、鉄、珪素及びアルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末であり、
    前記成形体は、酸化雰囲気中で焼鈍処理してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
  5. 前記潤滑剤は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸石鹸、エチレンビスステアラマイドなどのワックスの中から選択された材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
  6. 軟磁性合金粉末に対して、潤滑剤を混合する第1混合工程と、
    第1混合工程を経た混合物を結着性絶縁樹脂で被覆する被覆工程と、
    結着性絶縁樹脂で被覆した混合物を、加圧成形処理して成形体を作製する成形工程と、
    成形工程を経た成形体を焼鈍処理する焼鈍工程とを有する圧粉磁心の製造方法において、
    前記軟磁性合金粉末に対して混合する潤滑剤の添加量が軟磁性合金粉末に対して0.5〜0.8wt%であることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  7. 軟磁性合金粉末に対して、潤滑剤を混合する第1混合工程と、
    第1混合工程を経た混合物を結着性絶縁樹脂で被覆する被覆工程と、
    結着性絶縁樹脂で被覆した混合物に対して、潤滑剤を混合する第2混合工程と、
    第2混合工程を経た混合物を、加圧成形処理して成形体を作製する成形工程と、
    成形工程を経た成形体を焼鈍処理する焼鈍工程とを有する圧粉磁心の製造方法において、
    前記第1の混合工程で混合する潤滑剤の添加量が軟磁性合金粉末に対して0.1〜0.6wt%であり、且つ前記第2の混合工程で混合する潤滑剤の添加量が軟磁性合金粉末に対して0.2wt%以上であることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  8. 前記被覆工程は、熱処理を経た軟磁性合金粉末をメチルフェニル系シリコーン樹脂で被覆することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の圧粉磁心の製造方法。
  9. 前記軟磁性合金粉末が、鉄、珪素及びアルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末であり、
    前記焼鈍工程は、成形工程を経た成形体を酸化雰囲気中で焼鈍処理することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の圧粉磁心の製造方法。
  10. 前記潤滑剤は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸石鹸、エチレンビスステアラマイドなどのワックスの中から選択された材料であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の圧粉磁心の製造方法。
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