本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置11について、図1及び図2を参照して説明する。インクジェット記録装置11は、搬送装置12と共に記録システム10に含まれる。インクジェット記録装置11では、記録媒体16が搬送され、記録媒体16に画像が記録される。インクジェット記録装置11では、各種の記録媒体16を対象として画像が記録される。記録媒体16は、例えば、各種材質のプレート材又はシート材である。画像の記録に用いられるインク色は、ブラック、マゼンタ、イエロー及びシアンの4色とする。インク色は、これら以外の色であってもよい。インク色数は、3色以下又は5色以上としてもよい。インクジェット記録装置11は、ベルト搬送装置20と、キャリッジ40と、インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kを備える。
ベルト搬送装置20は、ベルトコンベアである。ベルト搬送装置20には、記録媒体16が載せ置かれる。ベルト搬送装置20は、記録媒体16を搬送する。ベルト搬送装置20によって搬送される記録媒体16は、インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kを通過する(図1参照)。図1では、インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kを通過した記録媒体16は、2点鎖線で図示されている。ベルト搬送装置20に関するこの他の説明は、後述する。実施形態では、ベルト搬送装置20によって記録媒体16が搬送される方向を、「第一方向」という。第一方向に直交する方向を、「第二方向」という(図2参照)。第一方向と第二方向は、共に鉛直方向に直交する方向となる。
キャリッジ40には、インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kが、第一方向に隣り合った状態で搭載される。実施形態では、インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kは、第一方向の上流側から下流側に向けて、インクジェットヘッド41Y、インクジェットヘッド41M、インクジェットヘッド41C、インクジェットヘッド41Kの順で設けられている。インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kの第一方向における配置順は、前述した配置順とは異なる順序としてもよい。これらの配置順は、諸条件を考慮して適宜決定される。インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kは、キャリッジ40に搭載された状態で、ベルト搬送装置20の上方に設けられる。インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kは、複数のノズルが第二方向に配列されたライン型のインクジェットヘッドである。
インクジェットヘッド41Yは、イエローインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド41Mは、マゼンタインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド41Cは、シアンインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド41Kは、ブラックインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kによれば、フルカラーの画像を、記録媒体16に記録することができる。キャリッジ40及びインクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kは、公知のインクジェット記録装置が備えるキャリッジ及びインクジェットヘッドと同様である。従って、キャリッジ40及びインクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kに関するこの他の説明は、省略する。
搬送装置12は、ベルト搬送装置20の第一方向の下流側に、ベルト搬送装置20に並べて設けられる。搬送装置12は、ベルト搬送装置20の第一方向の下流側端まで搬送された記録媒体16を、更に第一方向に搬送する。搬送装置12による記録媒体16の搬送速度は、ベルト搬送装置20による記録媒体16の搬送速度と同じとされる。実施形態では、搬送装置12は、駆動ローラ13と、従動ローラ14と、無端ベルト15を備える。搬送装置12では、第一方向の下流側に設けられる駆動ローラ13には、駆動部が連結される。この駆動部は、駆動ローラ13を第一方向に対応する方向に回転させる。図1では、駆動ローラ13を第一方向に回転させる駆動部の図示は、省略されている。従動ローラ14は、回転自在に支持される。搬送装置12としては、公知のベルトコンベアを採用することができる。但し、搬送装置12は、ベルトコンベアとは異なる搬送装置としてもよい。例えば、搬送装置12は、ローラコンベアとしてもよい。従って、搬送装置12に関するこの他の説明は、省略する。図1で、駆動ローラ13及び従動ローラ14の内部に示す矢印は、駆動ローラ13の回転方向を示し、無端ベルト15の内側に示す矢印は、無端ベルト15の回転方向を示す。図2では、搬送装置12の図示は、省略されている。
<ベルト搬送装置>
ベルト搬送装置20について、図1〜図4を参照して説明する。ベルト搬送装置20は、駆動ローラ21と、駆動部22と、従動ローラ23と、中間ローラ24と、無端ベルト25と、第一接触部26と、第二接触部30を備える。図1及び図2では、第一接触部26及び第二接触部30の図示は、簡略化されている。
駆動ローラ21には、駆動部22が連結される(図2参照)。駆動部22は、モータである。駆動部22として採用されるモータとしては、エンコーダ付のサーボモータが例示される。駆動部22は、第一方向に対応する方向に駆動ローラ21を回転させる。図1及び図2で、駆動ローラ21の内部に示す矢印は、駆動ローラ21の回転方向を示す。ライン型のインクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kを備えるインクジェット記録装置11のベルト搬送装置20では、駆動部22による駆動ローラ21の回転は、所定の一定速度で連続的に行われる。従って、ベルト搬送装置20による記録媒体16の搬送は、所定の一定速度で連続的に行われる。実施形態では、駆動ローラ21の回転方向は、左回転とされている。以下では、駆動ローラ21の回転方向を、左回転として説明する。
従動ローラ23は、駆動ローラ21より第一方向の上流側に設けられ、回転自在に支持される。中間ローラ24は、従動ローラ23より第一方向の下流側に設けられ、回転自在に支持される。実施形態では、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24の第一方向の配置に関し、駆動ローラ21は、最下流側に設けられ、従動ローラ23は、最上流側に設けられ、中間ローラ24は、駆動ローラ21と従動ローラ23の間に設けられている(図1及び図2参照)。
無端ベルト25は、無端環状の金属性のベルトである。無端ベルト25を形成する金属材料としては、スチール又はステンレスが例示される。但し、無端ベルト25は、前述した金属材料とは異なる金属製のベルトであってもよい。無端ベルト25は、無端環状の樹脂製のベルトであってもよい。無端ベルト25の第二方向の寸法は、幅W1とされる(図2及び図3参照)。ベルト搬送装置20では、第二方向の寸法が無端ベルト25の幅W1より幅広である幅W2の記録媒体16が搬送対象とされることもある(図2参照)。無端ベルト25は、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24に、張力が作用した状態で架け渡される。無端ベルト25では、内周面が、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24の各外周面に接する。実施形態では、中間ローラ24と駆動ローラ21の間となる無端ベルト25の部分を、「第一領域R1」という(図2参照)。駆動ローラ21と従動ローラ23の間となる無端ベルト25の部分を、「第二領域R2」という(図2参照)。従動ローラ23と中間ローラ24の間となる無端ベルト25の部分を、「第三領域R3」という(図2参照)。
駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24の鉛直方向の配置に関し、駆動ローラ21は、従動ローラ23と中間ローラ24より鉛直方向の下側に設けられる(図1及び図2参照)。実施形態では、従動ローラ23の外周面と中間ローラ24の外周面は、鉛直方向に同一の高さに設定されている。従って、無端ベルト25が駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24に架け渡された状態において、第三領域R3の外周面は、水平な状態となる。
ベルト搬送装置20では、駆動部22によって駆動ローラ21が左回転すると、無端ベルト25が左回転する。従動ローラ23及び中間ローラ24は、左回転する無端ベルト25に従動して左回転する。図1及び図2で、従動ローラ23及び中間ローラ24の内部に示す矢印は、従動ローラ23及び中間ローラ24の回転方向を示す。図1で無端ベルト25の内側に示し、図2で無端ベルト25の外周面に示し、図3で第一領域R1の外周面又は第二領域R2の内周面に示す矢印は、無端ベルト25の回転方向を示す。記録媒体16は、従動ローラ23の位置で、第三領域R3の外周面に載せ置かれる。これに伴い、ベルト搬送装置20では、記録媒体16は、第三領域R3を第一方向に搬送される。ベルト搬送装置20では、水平な状態とされる第三領域R3の外周面は、搬送対象の記録媒体16が載せ置かれる搬送面となる。
第一接触部26は、第二方向の第一側及び第二側から、第一領域R1の第二方向の第一側及び第二側の各端面に接する(図2及び図3参照)。実施形態では、第二方向の第一側に設けられる第一接触部26の部分を、「第一部分27」といい、第二方向の第二側に設けられる第一接触部26の部分を、「第二部分28」という。第一接触部26において、第一部分27と第二部分28は、第一方向に沿った基準線Lを基準として線対称の形状とされる(図3参照)。基準線Lは、無端ベルト25の第二方向の中心線に一致する。第一接触部26は、駆動ローラ21の側となる端部が駆動ローラ21と隣り合う状態で、第一領域R1に設けられる(図2参照)。このとき、第一接触部26は、第一部分27及び第二部分28の駆動ローラ21の側の各端部が、駆動ローラ21と接触することとならない範囲で、駆動ローラ21に接近した状態で設けるようにするとよい。この場合、無端ベルト25は、第一接触部26を通過した直後、内周面が駆動ローラ21の外周面に接した状態となる。
第一接触部26では、第一部分27と第二部分28は、第二方向に対向した状態とされる。第一接触部26の第一部分27で第二部分28と対向する面には、第一溝部29が設けられる(図3及び図4参照)。第一部分27の第一溝部29には、第一領域R1の第二方向の第一側の端部が嵌り込む。第一領域R1の第二方向の第一側の端部は、第二方向の第一側の端面を含む第一領域R1の縁部分である。第一接触部26の第二部分28で第一部分27と対向する面には、第一接触部26の第一部分27と同じ形状の第一溝部29が設けられる(図4参照)。第二部分28の第一溝部29には、第一領域R1の第二方向の第二側の端部が嵌り込む。第一領域R1の第二方向の第二側の端部は、第二方向の第二側の端面を含む第一領域R1の縁部分である。第一接触部26の第一部分27及び第二部分28の対向する各面は、第一溝部29を有さない平面としてもよい。
第一接触部26では、第一領域R1の第二方向の第一側及び第二側の各端面と接する第一部分27及び第二部分28の各面は、無端ベルト25の幅W1に対応する距離だけ、第二方向に離間した状態とされる。第一部分27と第二部分28に第一溝部29を設けた第一接触部26では、前述した第一部分27及び第二部分28の各面は、第二方向に対向する各第一溝部29の底面である。第一溝部29の底面は、第一溝部29を形成する3個の面のうち、第二方向に垂直な面である。
第一接触部26では、第一部分27が第二方向の第一側から第二側に向けて付勢され、第二部分28が第二方向の第二側から第一側に向けて付勢される(図3参照)。第一部分27の付勢は、例えば、第一部分27の第二方向の第一側に、所定の付勢部を設け、この付勢部によって、第一部分27を第二方向の第一側から第二側に押圧して行われる。第二部分28の付勢は、例えば、第二部分28の第二方向の第二側に、所定の付勢部を設け、この付勢部によって、第二部分28を第二方向の第二側から第一側に押圧して行われる。第一部分27と第二部分28に設けられる付勢部としては、ばねが例示される。但し、付勢部としては、ばねとは異なる公知の弾性体、又はエアシリンダのようなアクチュエータを採用するようにしてもよい。これに伴い、第一接触部26は、第一領域R1を第二方向から挟み込む。図3では、第一接触部26で、第一部分27と第二部分28に設けられる付勢部の図示は、省略されている。第一接触部26では、第一部分27及び第二部分28の第二方向への付勢は、省略するようにしてもよい。この場合、前述の付勢部は、省略される。第一部分27と第二部分28は、無端ベルト25の幅W1に対応する距離だけ、第二方向に離間した状態で、所定の位置に固定される。
第二接触部30は、第二方向の第一側及び第二側から、第二領域R2の第二方向の第一側及び第二側の各端面に接する(図2及び図3参照)。実施形態では、第二方向の第一側に設けられる第二接触部30の部分を、「第三部分31」といい、第二方向の第二側に設けられる第二接触部30の部分を、「第四部分32」という。第二接触部30において、第三部分31と第四部分32は、第一方向に沿った基準線Lを基準として線対称の形状とされる(図3参照)。第二接触部30は、従動ローラ23の側となる端部が従動ローラ23と隣り合う状態で、第二領域R2に設けられる(図2参照)。このとき、第二接触部30は、第三部分31及び第四部分32の従動ローラ23の側の各端部が、従動ローラ23と接触することとならない範囲で、従動ローラ23に接近した状態で設けるようにするとよい。この場合、無端ベルト25は、第二接触部30を通過した直後、内周面が従動ローラ23の外周面に接した状態となる。発明者は、第一接触部26と第二接触部30の設置位置について検討を行った。この検討結果については、後述する。
第二接触部30では、第三部分31と第四部分32は、第二方向に対向した状態とされる。第二接触部30の第三部分31で第四部分32と対向する面には、第二溝部33が設けられる(図3及び図4参照)。第三部分31の第二溝部33には、第二領域R2の第二方向の第一側の端部が嵌り込む。第二領域R2の第二方向の第一側の端部は、第二方向の第一側の端面を含む第二領域R2の縁部分である。第二接触部30の第四部分32で第三部分31と対向する面には、第二接触部30の第三部分31と同じ形状の第二溝部33が設けられる(図4参照)。第四部分32の第二溝部33には、第二領域R2の第二方向の第二側の端部が嵌り込む。第二領域R2の第二方向の第二側の端部は、第二方向の第二側の端面を含む第二領域R2の縁部分である。第二接触部30の第三部分31及び第四部分32の対向する各面は、第二溝部33を有さない平面としてもよい。
第二接触部30では、第二領域R2の第二方向の第一側及び第二側の各端面と接する第三部分31及び第四部分32の各面は、無端ベルト25の幅W1に対応する距離だけ、第二方向に離間した状態とされる。第三部分31と第四部分32に第二溝部33を設けた第二接触部30では、前述した第三部分31及び第四部分32の各面は、第二方向に対向する各第二溝部33の底面である。第二溝部33の底面は、第二溝部33を形成する3個の面のうち、第二方向に垂直な面である。
第二接触部30では、第三部分31が第二方向の第一側から第二側に向けて付勢され、第四部分32が第二方向の第二側から第一側に向けて付勢される(図3参照)。第三部分31の付勢は、例えば、第三部分31の第二方向の第一側に、所定の付勢部を設け、この付勢部によって、第三部分31を第二方向の第一側から第二側に押圧して行われる。第四部分32の付勢は、例えば、第四部分32の第二方向の第二側に、所定の付勢部を設け、この付勢部によって、第四部分32を第二方向の第二側から第一側に押圧して行われる。第三部分31と第四部分32に設けられる付勢部としては、ばねが例示される。但し、付勢部としては、ばねとは異なる公知の弾性体、又はエアシリンダのようなアクチュエータを採用するようにしてもよい。これに伴い、第二接触部30は、第二領域R2を第二方向から挟み込む。図3では、第二接触部30で、第三部分31と第四部分32に設けられる付勢部の図示は、省略されている。第二接触部30では、第三部分31及び第四部分32の第二方向への付勢は、省略するようにしてもよい。この場合、前述の付勢部は、省略される。第三部分31と第四部分32は、無端ベルト25の幅W1に対応する距離だけ、第二方向に離間した状態で、所定の位置に固定される。
図3から明らかな通り、実施形態では、第一接触部26と第二接触部30は、同じ構成とされている。第一接触部26と第二接触部30は、例えば、基準線Lに沿った方向の長さ寸法を異ならせた構成としてもよい。第一接触部26と第二接触部30は、搬送面となる第三領域R3の外周面より、鉛直方向の下側に設けられる(図1及び図2参照)。
<第一接触部及び第二接触部の設置位置の検討>
発明者は、無端ベルト25に対する第一接触部26及び第二接触部30の設置位置を検討するため、実験を行った。そこで、実験によって得られた結果の概略を、以下に説明する。実験に用いたベルト搬送装置50は、図5に示すように、駆動ローラ51と従動ローラ52と無端ベルト53と2個の接触部54,55による構成の搬送装置とした。駆動ローラ51には、駆動ローラ51を第一方向に対応する方向に回転させる駆動部が連結される。図5では、この駆動部の図示は、省略されている。第一方向は、上述した第一方向と同様、ベルト搬送装置50で搬送対象の物品が搬送される方向である。従動ローラ52は、回転自在に支持される。駆動ローラ51は、ベルト搬送装置20の駆動ローラ21に対応するローラであり、従動ローラ52は、ベルト搬送装置20の従動ローラ23に対応するローラである。ベルト搬送装置50では、駆動ローラ51は、第一方向の下流側に設けられ、従動ローラ52は、第一方向の上流側に設けられる。
無端ベルト53は、無端ベルト25と同様、金属性の無端環状のベルトである。無端ベルト53は、駆動ローラ51と従動ローラ52に張力が作用した状態で架け渡される。図5で、駆動ローラ51及び従動ローラ52の内部に示す矢印は、駆動ローラ51及び従動ローラ52の回転方向を示し、無端ベルト53の内側に示す矢印は、無端ベルト53の回転方向を示す。
接触部54,55は、第一接触部26及び第二接触部30と同様の構成を有し、第二方向の第一側及び第二側から、無端ベルト53の所定の部分の第二方向の第一側及び第二側の各端面にそれぞれ接する。第二方向は、上記同様、第一方向に直交する方向である。図5は、ベルト搬送装置50を第二方向の第二側から視た状態を示す図である。従って、図5では、第二方向の第一側に設けられる接触部54,55の部分の図示は、省略されている。
実験では、ベルト搬送装置50に対して、接触部54,55を、図5に示すような各位置に設置した。即ち、サンプル1の構成では、接触部54は、無端ベルト53の鉛直方向の上側の部分に設けられ、接触部55は、無端ベルト53の鉛直方向の下側の部分に設けられる。無端ベルト53の鉛直方向の上側の部分は、駆動ローラ51と従動ローラ52の間を第一方向に移動している無端ベルト53の部分である。無端ベルト53の鉛直方向の下側の部分は、駆動ローラ51と従動ローラ52の間を第一方向とは反対の方向に移動している無端ベルト53の部分である。更に、サンプル1の構成では、接触部54は、接触部54の第一方向の下流側の端部が、駆動ローラ51と接触することとならない範囲で、駆動ローラ51に接近した状態で設けられ、接触部55は、接触部55の第一方向の上流側の端部が、従動ローラ52と接触することとならない範囲で、従動ローラ52に接近した状態で設けられる。
サンプル2の構成では、接触部54,55は、共に無端ベルト53の鉛直方向の上側の部分に設けられる。更に、サンプル2の構成では、接触部54は、接触部54の第一方向の下流側の端部が、駆動ローラ51と接触することとならない範囲で、駆動ローラ51に接近した状態で設けられ、接触部55は、接触部55の第一方向の上流側の端部が、従動ローラ52と接触することとならない範囲で、従動ローラ52に接近した状態で設けられる。
サンプル3の構成では、接触部54,55は、共に無端ベルト53の鉛直方向の下側の部分に設けられる。更に、サンプル3の構成では、接触部54は、接触部54の第一方向の下流側の端部が、駆動ローラ51と接触することとならない範囲で、駆動ローラ51に接近した状態で設けられ、接触部55は、接触部55の第一方向の上流側の端部が、従動ローラ52と接触することとならない範囲で、従動ローラ52に接近した状態で設けられる。
サンプル1,2,3の各構成において、同一条件でベルト搬送装置50を駆動させ、無端ベルト53の蛇行量を測定した。その結果、サンプル1の構成において、無端ベルト53の蛇行量が最小となった。今回の実験によって得られた結果に基づけば、接触部54,55の最適な設置位置は、次の位置であると認められる。即ち、接触部54の最適な設置位置は、無端ベルト53の全周のうち、無端ベルト53の内周面が、駆動ローラ51の外周面に接することとなる直前の位置である。接触部55の最適な設置位置は、無端ベルト53の全周のうち、無端ベルト53の内周面が、従動ローラ52の外周面に接することとなる直前の位置である。ベルト搬送装置20では、今回の実験によって得られた結果に基づき、第一接触部26と第二接触部30が、上述した各位置に設置されている(図1及び図2参照)。
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)インクジェット記録装置11は、ベルト搬送装置20を備える(図1及び図2参照)。ベルト搬送装置20には、駆動ローラ21と駆動部22と従動ローラ23と中間ローラ24が設けられ、無端ベルト25が駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24に架け渡される。ベルト搬送装置20では、駆動部22によって駆動ローラ21が左回転すると、無端ベルト25が左回転し、第三領域R3の外周面が記録媒体16が載せ置かれる搬送面とされた状態で、第三領域R3が第一方向に移動する。これに伴い、記録媒体16が第一方向に搬送される。第一領域R1に第一接触部26が設けられ、第二領域R2に第二接触部30が設けられる(図1及び図2参照)。第一接触部26は、第二方向の第一側及び第二側から、第一領域R1の第二方向の第一側及び第二側の各端面に接する(図2及び図3参照)。第二接触部30は、第二方向の第一側及び第二側から、第二領域R2の第二方向の第一側及び第二側の各端面に接する(図2及び図3参照)。第一接触部26と第二接触部30は、搬送面となる第三領域R3の外周面より、鉛直方向の下側に設けられる(図1及び図2参照)。
そのため、ベルト搬送装置20では、無端ベルト25の蛇行を抑制することができる。記録媒体16が第一方向に搬送される範囲を第三領域R3とすることで、記録媒体16と第一接触部26及び第二接触部30の接触を回避することができる。インクジェット記録装置11では、記録媒体16が直線的に搬送され、記録媒体16に高品質な画像を記録することができる。
(2)ベルト搬送装置20では、無端ベルト25が金属製とされる。そのため、無端ベルト25の剛性を高めることができる。第一接触部26で、第二方向の第一側及び第二側から第一領域R1を挟み込み、第二接触部30で、第二方向の第一側及び第二側から第二領域R2を挟み込んだ状態とすることができる。この状態における無端ベルト25の変形を抑制することができる。無端ベルト25の第二方向の位置を、第二方向の両側から2箇所で規制することができる。樹脂製の無端ベルトと比較し、無端ベルト25の耐熱性及び耐久性を高めることが可能である。インクジェット記録装置11では、画像の記録に、紫外線硬化型インクが用いられることがある。樹脂製の無端ベルトは、紫外線硬化型インクに対する耐性が低いことがある。無端ベルト25を金属製とすることで、紫外線硬化型インクに対する耐性を改善することができる。
ベルト搬送装置20では、無端ベルト25の幅W1より幅広の記録媒体16を、第一方向に搬送することができる(図2参照)。換言すれば、ベルト搬送装置20では、無端ベルト25の幅W1を狭くすることができる。無端ベルト25は、駆動ローラ21及び従動ローラ23の外周面に沿って湾曲される(図1及び図2参照)。
無端ベルトの素材となる金属製のシート材は、幅及び厚みの寸法が定型化されていることがある。この場合、幅が広くなると、厚みは厚くなることが多い。例えば、金属製のシート材の幅が600mm以下の場合、その厚みは0.3mmとされる。一方、金属製のシート材の幅が600mmを超えると、その厚みは0.6mm以上となる。無端ベルトを形成する金属製のシート材の厚みが厚くなると、シート材の許容曲げ半径が大きくなる。この場合、駆動ローラ及び従動ローラとして、シート材の許容曲げ半径に応じた径の大型のローラを採用する必要がある。ベルト搬送装置20では、無端ベルト25の幅W1を狭くすることが可能であり、駆動ローラ21及び従動ローラ23として、小型のローラを採用することができる。その結果、コンパクトなベルト搬送装置20とすることができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は、適宜省略する。
(1)インクジェット記録装置11は、ライン型のインクジェットヘッド41Y,41M,41C,41Kを備える(図1及び図2参照)。インクジェット記録装置としては、各色用のインクジェットヘッドが搭載されたキャリッジを第二方向に往復移動させる、シリアル型のインクジェット記録装置も実用化されている。ベルト搬送装置20は、シリアル型のインクジェット記録装置の搬送装置として採用することもできる。シリアル型のインクジェット記録装置では、ベルト搬送装置20による記録媒体16の搬送は、キャリッジの第二方向への往復移動に対応させて、間欠的に行われる。シリアル型のインクジェット記録装置は、公知のインクジェット記録装置である。従って、シリアル型のインクジェット記録装置に関するこの他の説明は、省略する。
(2)ベルト搬送装置20では、1本の無端ベルト25が駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24に架け渡される(図2参照)。ベルト搬送装置に設けられる無端ベルトの本数は、複数本としてもよい。例えば、ベルト搬送装置が備える無端ベルトの本数は、2本としてもよい。図6に基づき、2本の無端ベルト25A,25Bを備えるベルト搬送装置60について、その概略構成を説明する。図6に示すベルト搬送装置60では、図2に示すベルト搬送装置20との対応を明らかにするため、共通する又は対応する各部に対しては、上記で用いた符号又はこれに対応させた符号を付している。
ベルト搬送装置60では、2本の無端ベルト25A,25Bは、第二方向に並んだ状態で設けられる。無端ベルト25Aは、第二方向の第一側に設けられる。無端ベルト25Bは、第二方向の第二側に設けられる。ベルト搬送装置60では、2本の無端ベルト25A,25Bに対する駆動ローラ21及び従動ローラ23の各本数は、1本とされている。一方、中間ローラについては、無端ベルト25Aに対して中間ローラ24Aが設けられ、無端ベルト25Bに対して中間ローラ24Bが設けられている。無端ベルト25Aは、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24Aに、張力が作用した状態で架け渡される。無端ベルト25Bは、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24Bに、張力が作用した状態で架け渡される。
図6で、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24A,24Bの内部に示す矢印は、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24A,24Bの回転方向を示す。図6で、無端ベルト25A,25Bの外周面に示す矢印は、無端ベルト25A,25Bの回転方向を示す。
第一接触部26は、第三接触部61と、第四接触部62を含む。第三接触部61は、第二方向の第一側及び第二側から、無端ベルト25Aの第一領域R1の第二方向の第一側及び第二側の各端面に接する。無端ベルト25Aの第一領域R1は、中間ローラ24Aと駆動ローラ21の間となる無端ベルト25Aの部分である。第三接触部61は、図3に示す第一接触部26と同様、第一部分27と、第二部分28を含む。第四接触部62は、第二方向の第一側及び第二側から、無端ベルト25Bの第一領域R1の第二方向の第一側及び第二側の各端面に接する。無端ベルト25Bの第一領域R1は、中間ローラ24Bと駆動ローラ21の間となる無端ベルト25Bの部分である。第四接触部62は、図3に示す第一接触部26と同様、第一部分27と、第二部分28を含む。
第二接触部30は、第五接触部63と、第六接触部64を含む。第五接触部63は、第二方向の第一側及び第二側から、無端ベルト25Aの第二領域R2の第二方向の第一側及び第二側の各端面に接する。無端ベルト25Aの第二領域R2は、駆動ローラ21と従動ローラ23の間となる無端ベルト25Aの部分である。第五接触部63は、図3に示す第二接触部30と同様、第三部分31と、第四部分32を含む。第六接触部64は、第二方向の第一側及び第二側から、無端ベルト25Bの第二領域R2の第二方向の第一側及び第二側の各端面に接する。無端ベルト25Bの第二領域R2は、駆動ローラ21と従動ローラ23の間となる無端ベルト25Bの部分である。第六接触部64は、図3に示す第二接触部30と同様、第三部分31と、第四部分32を含む。
ベルト搬送装置60では、水平な状態とされる無端ベルト25A,25Bの各第三領域R3の外周面は、搬送対象の記録媒体16が載せ置かれる搬送面となる。無端ベルト25Aの第三領域R3は、従動ローラ23と中間ローラ24Aの間となる無端ベルト25Aの部分である。無端ベルト25Bの第三領域R3は、従動ローラ23と中間ローラ24Bの間となる無端ベルト25Bの部分である。ベルト搬送装置60では、ベルト搬送装置20と比較し、より幅広の記録媒体16(幅W4>幅W2 図6及び図2参照)を、第一方向に搬送することができる。ベルト搬送装置60では、第一接触部26(第三接触部61及び第四接触部62)と第二接触部30(第五接触部63及び第六接触部64)が、搬送面となる無端ベルト25A,25Bの各第三領域R3の外周面より、鉛直方向の下側に設けられる。そのため、記録媒体16の幅W4がベルト搬送装置60における幅W3より幅広であっても、記録媒体16と第一接触部26及び第二接触部30の接触を回避することができる。幅W3は、無端ベルト25Aの第二方向の第一側の端面と無端ベルト25Bの第二方向の第二側の端面の間の第二方向の距離である。
ベルト搬送装置60では、中間ローラ24A,24Bは、ベルト搬送装置20の中間ローラ24と同様、回転自在に支持される。中間ローラ24Aでは、中間ローラ24Aの回転軸が、第二方向に一致した第一状態と、第一方向に対して傾斜し且つ第二方向に対して傾斜した第二状態に切り換え可能に支持されるようにしてもよい。図6で1点鎖線で示す中心線C1は、中間ローラ24Aの回転軸の中心軸を示す。中間ローラ24Bでは、中間ローラ24Bの回転軸が、第二方向に一致した第一状態と、第一方向に対して傾斜し且つ第二方向に対して傾斜した第二状態に切り換え可能に支持されるようにしてもよい。図6で1点鎖線で示す中心線C2は、中間ローラ24Bの回転軸の中心軸を示す。ベルト搬送装置20の中間ローラ24についても、中間ローラ24の回転軸が、第二方向に一致した第一状態と、第一方向に対して傾斜し且つ第二方向に対して傾斜した第二状態に切り換え可能に支持されるようにしてもよい。このような構成によれば、無端ベルト25A,25B及び無端ベルト25の斜行を抑制することができる。
中間ローラ24A,24B及び中間ローラ24を第一状態と第二状態に切り換え可能とする場合、中間ローラ24A,24B及び中間ローラ24を第一方向及び第二方向に対して傾斜させる角度を、任意の角度又は予め設定された複数の角度に調整できる機構を、中間ローラ24A,24B及び中間ローラ24をそれぞれ回転自在に支持する支持部に設けるようにしてもよい。実施形態の各図では、前述した支持部の図示は、省略されている(駆動ローラ21及び従動ローラ23の支持部についても同じ)。このような構成によれば、無端ベルト25A,25B及び無端ベルト25の斜行量に応じて、中間ローラ24A,24B及び中間ローラ24を傾斜させる角度を設定することができる。
ベルト搬送装置60で、中間ローラ24A,24Bをそれぞれ第一状態と第二状態に切り換え可能な構成を採用しない場合、中間ローラは、従動ローラ23と同様の1本のローラとしてもよい。この場合、無端ベルト25A,25Bは、第二方向に並んだ状態で、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラに、張力が作用した状態で架け渡される。ベルト搬送装置60では、図2に示す幅W2の記録媒体16を、2枚同時又は個別に第一方向に搬送することもできる。この場合、従動ローラ23の位置で、1枚の記録媒体16が無端ベルト25Aの第三領域R3の外周面に載せ置かれ、他の1枚の記録媒体16が無端ベルト25Bの第三領域R3の外周面に載せ置かれる。更に、ベルト搬送装置60では、図2に示す幅W2の記録媒体16を、単独で第一方向に搬送することもできる。この場合、従動ローラ23の位置で、1枚の記録媒体16が無端ベルト25A又は無端ベルト25Bの第三領域R3の外周面に載せ置かれる。
(3)ベルト搬送装置20では、第一接触部26は、第一部分27と第二部分28を含み、第二接触部30は、第三部分31と第四部分32を含む(図3参照)。第一部分27は、第一領域R1の第二方向の第一側の端面に沿った壁状とされる。第二部分28は、第一領域R1の第二方向の第二側の端面に沿った壁状とされる。第三部分31は、第二領域R2の第二方向の第一側の端面に沿った壁状とされる。第四部分32は、第二領域R2の第二方向の第二側の端面に沿った壁状とされる。
第一接触部26の第一部分及び第二部分と第二接触部30の第三部分及び第四部分は、図7に示すような構成としてもよい。図7で第一領域R1の外周面又は第二領域R2の内周面に示す矢印は、無端ベルト25の回転方向を示す。図7に示す第一接触部26では、第一部分71は、回転自在に支持された4個の接触ローラ80を含み、第二部分72は、回転自在に支持された4個の接触ローラ80を含む。図7に示す第二接触部30では、第三部分73は、回転自在に支持された4個の接触ローラ80を含み、第四部分74は、回転自在に支持された4個の接触ローラ80を含む。
第一部分71及び第二部分72での接触ローラ80の数は、4個とは異なる数としてもよい。第一部分71及び第二部分72での接触ローラ80の数は、例えば、1個〜3個又は5個以上としてもよい。但し、第一部分71及び第二部分72での接触ローラ80の数は、同じ数とするとよい。図7に示す第一接触部26において、第一部分71と第二部分72は、第一方向に沿った基準線Lを基準として線対称の形状とされる。第三部分73及び第四部分74での接触ローラ80の数は、4個とは異なる数としてもよい。第三部分73及び第四部分74での接触ローラ80の数は、例えば、1個〜3個又は5個以上としてもよい。但し、第三部分73及び第四部分74での接触ローラ80の数は、同じ数とするとよい。図7に示す第二接触部30において、第三部分73と第四部分74は、第一方向に沿った基準線Lを基準として線対称の形状とされる。
図7に示す第一接触部26では、第一部分71と第二部分72は、第一部分71の4個の接触ローラ80の外周側面と第二部分72の4個の接触ローラ80の外周側面が対向した状態とされる。図7に示す第二接触部30では、第三部分73と第四部分74は、第三部分73の4個の接触ローラ80の外周側面と第四部分74の4個の接触ローラ80の外周側面が対向した状態とされる。
接触ローラ80の外周側面には、溝部81が全周に亘って設けられる。第一部分71では、4個の接触ローラ80の各溝部81には、第一領域R1の第二方向の第一側の端部が嵌り込む。第二部分72では、4個の接触ローラ80の各溝部81には、第一領域R1の第二方向の第二側の端部が嵌り込む。第三部分73では、4個の接触ローラ80の各溝部81には、第二領域R2の第二方向の第一側の端部が嵌り込む。第四部分74では、4個の接触ローラ80の各溝部81には、第二領域R2の第二方向の第二側の端部が嵌り込む。
図7に示す第一接触部26では、第一部分71及び第二部分72は、接触ローラ80の溝部81の底面で、第一領域R1の第二方向の第一側及び第二側の各端面と接する。溝部81の底面は、溝部81を形成する3個の面のうち、第二方向に垂直な面である。第一部分71では、駆動ローラ21の回転(図2参照)に伴い無端ベルト25が回転すると、4個の接触ローラ80は、第一領域R1で無端ベルト25が移動する方向に対応する方向に従動して回転する。この場合、第一部分71の4個の接触ローラ80の回転方向は、右回転となる。第二部分72では、駆動ローラ21の回転(図2参照)に伴い無端ベルト25が回転すると、4個の接触ローラ80が、第一領域R1で無端ベルト25が移動する方向に対応する方向に従動して回転する。この場合、第二部分72の4個の接触ローラ80の回転方向は、左回転となる。
図7に示す第二接触部30では、第三部分73及び第四部分74は、接触ローラ80の溝部81の底面で、第二領域R2の第二方向の第一側及び第二側の各端面と接する。第三部分73では、駆動ローラ21の回転(図2参照)に伴い無端ベルト25が回転すると、4個の接触ローラ80は、第二領域R2で無端ベルト25が移動する方向に対応する方向に従動して回転する。この場合、第三部分73の4個の接触ローラ80の回転方向は、左回転となる。第四部分74では、駆動ローラ21の回転(図2参照)に伴い無端ベルト25が回転すると、4個の接触ローラ80が、第二領域R2で無端ベルト25が移動する方向に対応する方向に従動して回転する。この場合、第四部分74の4個の接触ローラ80の回転方向は、右回転となる。
図7に示す第一接触部26では、第一部分71が第二方向の第一側から第二側に向けて付勢され、第二部分72が第二方向の第二側から第一側に向けて付勢される。第一部分71の付勢は、例えば、第一部分71の第二方向の第一側に、所定の付勢部を設け、この付勢部によって、第一部分71を第二方向の第一側から第二側に押圧して行われる。第二部分72の付勢は、例えば、第二部分72の第二方向の第二側に、所定の付勢部を設け、この付勢部によって、第二部分72を第二方向の第二側から第一側に押圧して行われる。第一部分71と第二部分72に設けられる付勢部としては、ばねが例示される。但し、付勢部としては、ばねとは異なる公知の弾性体、又はエアシリンダのようなアクチュエータを採用するようにしてもよい。これに伴い、図7に示す第一接触部26は、第一領域R1を第二方向から挟み込む。図7では、第一接触部26で、第一部分71と第二部分72に設けられる付勢部の図示は、省略されている。図7に示す第一接触部26でも、図3に示す第一接触部26と同様、第一部分71及び第二部分72の第二方向への付勢は、省略するようにしてもよい。この場合、前述の付勢部は、省略され、第一部分71及び第二部分72は、図3に示す第一接触部26で付勢部を省略した場合と同様、所定の位置に固定される。
図7に示す第二接触部30では、第三部分73が第二方向の第一側から第二側に向けて付勢され、第四部分74が第二方向の第二側から第一側に向けて付勢される。第三部分73の付勢は、例えば、第三部分73の第二方向の第一側に、所定の付勢部を設け、この付勢部によって、第三部分73を第二方向の第一側から第二側に押圧して行われる。第四部分74の付勢は、例えば、第四部分74の第二方向の第二側に、所定の付勢部を設け、この付勢部によって、第四部分74を第二方向の第二側から第一側に押圧して行われる。第三部分73と第四部分74に設けられる付勢部としては、ばねが例示される。但し、付勢部としては、ばねとは異なる公知の弾性体、又はエアシリンダのようなアクチュエータを採用するようにしてもよい。これに伴い、図7に示す第二接触部30は、第二領域R2を第二方向から挟み込む。図7では、第二接触部30で、第三部分73と第四部分74に設けられる付勢部の図示は、省略されている。図7に示す第二接触部30でも、図3に示す第二接触部30と同様、第三部分73及び第四部分74の第二方向への付勢は、省略するようにしてもよい。この場合、前述の付勢部は、省略され、第三部分73と第四部分74は、図3に示す第二接触部30で付勢部を省略した場合と同様、所定の位置に固定される。
図7に示す第一接触部26及び第二接触部30は、図3に示す第一接触部26及び第二接触部30と同様、同じ構成とされている。第一接触部26及び第二接触部30の一方を、接触ローラ80による構成とし、第一接触部26及び第二接触部30の他方を、図3に示す構成としてもよい。第一接触部26及び第二接触部30として接触ローラ80を用いる構成は、図6に示すベルト搬送装置60が備える第一接触部26の第三接触部61及び第四接触部62と第二接触部30の第五接触部63及び第六接触部64のうちの全部又は一部に採用することもできる。
(4)ベルト搬送装置20に対して、更に、無端ベルト25に作用する張力を維持させる機構を設けるようにしてもよい。例えば、この機構は、調整ローラと、付勢部を備える。調整ローラは、外周面が無端ベルト25の内周面に接した状態で、回転自在に設けられる。無端ベルト25は、駆動ローラ21と従動ローラ23と中間ローラ24と調整ローラに、張力が作用した状態で架け渡される。調整ローラは、無端ベルト25の回転に従動して回転する。付勢部は、調整ローラを無端ベルト25の外周面の側に付勢する。付勢部としては、ばね又はエアシリンダのようなアクチュエータが例示される。付勢部によって、調整ローラに対する無端ベルト25の外周面の側への付勢力を増加させると、無端ベルト25に作用する張力を高めることができる。無端ベルト25が第二方向の第一側又は第二側に片寄ることがある。このような場合、無端ベルト25に作用する張力を高めることで、前述した無端ベルト25の片寄りを抑制することができる。調整ローラは、例えば、第二領域R2の所定の位置に設けられる。この場合、第二接触部30は、例えば、従動ローラ23に対する設置状態(図1及び図2参照)と同様の状態で、駆動ローラ21と調整ローラの間で、調整ローラに接近させて設けられる。図6に示すベルト搬送装置60に前述した機構を設ける場合、調整ローラは、中間ローラ24A,24Bと同様、無端ベルト25A,25Bに対してそれぞれ設けられる。2個の調整ローラは、別体の付勢部によってそれぞれ付勢される。
(5)ベルト搬送装置20,60は、記録媒体16とは異なる物品の搬送装置とすることもできる。即ち、ベルト搬送装置20,60は、各種の物品を搬送する搬送装置として、各種の装置又はシステムに採用することができる。ベルト搬送装置20,60では、例えば、第二接触部30は、省略するようにしてもよい。この場合、例えば、無端ベルト25又は無端ベルト25A,25Bの蛇行の状態が考慮される。