JP2017137516A - 水添ブロック共重合体、及びその製造方法 - Google Patents

水添ブロック共重合体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】制振性、柔軟性、ゴム弾性及び耐候性に優れる水添ブロック共重合体、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】芳香族ビニル化合物由来の構造単位からなる重合体ブロック(A)と、ファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%含有し、ファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含有する重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体であって、重合体ブロック(B)中の炭素−炭素二重結合が50mol%以上水素添加され、−60〜0℃における動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)が0.1以上である水添ブロック共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ファルネセン由来の単量体単位を含有する水添ブロック共重合体、及びその製造方法に関する。
芳香族ビニル化合物由来の構造単位からなる重合体ブロック、及び共役ジエン由来の構造単位からなる重合体ブロックで構成されるブロック共重合体の水素添加物は、さらに加硫することなく加硫ゴムと同等の特性を示し、制振性、柔軟性、ゴム弾性及び耐候性に優れることから、日用雑貨品、自動車用部品、各種工業用品等に広範囲に使われている。
このようなブロック共重合体の水素添加物は、例えば、芳香族ビニル化合物、及びイソプレン、ブタジエン等の共役ジエンを逐次重合して得られるブロック共重合体を水素添加することで得られる(例えば、特許文献1,2参照)。
なお、特許文献3,4には、β−ファルネセンの重合体が記載されているが、実用的な物性については十分に検討されていない。
特許第2777239号 特開2010−090267号公報 特表2012−502135号公報 特表2012−502136号公報
特許文献1,2で開示されているブロック共重合体の水素添加物は、制振性、柔軟性、ゴム弾性及び耐候性に優れるが、なお改善の余地がある。
しかして、本発明の目的は、上記した各性能が一層優れる新規な水添ブロック共重合体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、
[1]芳香族ビニル化合物由来の構造単位からなる重合体ブロック(A)と、ファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%含有し、ファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含有する重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体であって、重合体ブロック(B)中の炭素−炭素二重結合が50mol%以上水素添加されている水添ブロック共重合体、及び
[2]前記重合体ブロック(A)と前記重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体をアニオン重合により得る重合工程、及び該ブロック共重合体中の重合体ブロック(B)中の炭素−炭素二重結合を50mol%以上水素添加する工程を有する、前記水添ブロック共重合体の製造方法、
を提供することにより達成される。
本発明によれば、制振性、柔軟性、ゴム弾性及び耐候性に優れる水添ブロック共重合体、及びその製造方法を提供できる。
[水添ブロック共重合体]
水添ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位からなる重合体ブロック(A)と、ファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%含有し、ファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含有する重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(P)と称する)であって、重合体ブロック(B)中の炭素−炭素二重結合が50mol%以上水素添加されている水添ブロック共重合体(以下、水添ブロック共重合体(HP)と称する)である。
<重合体ブロック(A)>
前記重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位で構成される。かかる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−4−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、4−メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン及びジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの芳香族ビニル化合物は1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。中でも、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンがより好ましく、スチレンが更に好ましい。
<重合体ブロック(B)>
前記重合体ブロック(B)は、ファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%含有し、ファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含有する。
〔ファルネセンに由来する構造単位(b1)〕
構造単位(b1)は、α−ファルネセン、又は下記式(I)で表されるβ−ファルネセン由来の構造単位のいずれでもよいが、ブロック共重合体(P)の製造容易性の観点から、β−ファルネセン由来の構造単位であることが好ましい。なお、α−ファルネセンとβ−ファルネセンとは組み合わせて用いてもよい。
〔ファルネセン以外の共役ジエンに由来する構造単位(b2)〕
ファルネセン以外の共役ジエンに由来する構造単位(b2)を構成する共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−ブタジエン、2−フェニル−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、ミルセン及びクロロプレン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。中でも、ブタジエン、イソプレン及びミルセンがより好ましい。
重合体ブロック(B)は、ファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%含有し、ファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含有する。ファルネセンに由来する構造単位(b1)の含有量が1質量%未満であると、水添ブロック共重合体(HP)の制振性が低下する。
重合体ブロック(B)中の構造単位(b1)の含有量は、制振性の観点から30〜100質量%が好ましく、45〜100質量%がより好ましく、65〜100質量%がより好ましく、85〜100質量%が更に好ましい。
水添ブロック共重合体(HP)は、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)をそれぞれ少なくとも1個含むブロック共重合体(P)の水素添加物であり、重合体ブロック(A)を2個以上、及び重合体ブロック(B)を1個以上含むブロック共重合体(P)の水素添加物であることが好ましい。
重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)の結合形態は特に制限されず、直線状、分岐状、放射状、又はそれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。中でも、各ブロックが直線状に結合した形態が好ましく、重合体ブロック(A)をA、重合体ブロック(B)をBで表したときに、(A−B)l、A−(B−A)m、又はB−(A−B)nで表される結合形態が好ましい。なお、前記l、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数を表す。
前記結合形態としては、ゴム弾性、力学的特性及び取り扱い性等の観点から、A−B−Aで表されるトリブロック共重合体が好ましい。
また、ブロック共重合体(P)が、重合体ブロック(A)を2個以上又は重合体ブロック(B)を2個以上有する場合には、それぞれの重合体ブロックは、同じ構造単位からなる重合体ブロックであっても、異なる構造単位からなる重合体ブロックであってもよい。例えば、〔A−B−A〕で表されるトリブロック共重合体における2個の重合体ブロック(A)において、それぞれの芳香族ビニル化合物は、その種類が同じであっても異なっていてもよい。
<ブロック共重合体(P)の特性>
ブロック共重合体(P)中の重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との質量比[(A)/(B)]は、水添ブロック共重合体(HP)の機械強度及び制振性の観点から、5/95〜80/20が好ましく、7/93〜70/30がより好ましく、9/91〜65/35が更に好ましい。
<水添ブロック共重合体(HP)の特性>
水添ブロック共重合体(HP)のピークトップ分子量(Mp)は、成形性の観点から、4,000〜1,500,000が好ましく、9,000〜1,200,000がより好ましく、50,000〜1,100,000がより好ましく、90,000〜1,100,000がより好ましく、120,000〜900,000がより好ましく、150,000〜600,000が更に好ましく、180,000〜300,000がより更に好ましい。
なお、本明細書におけるピークトップ分子量(Mp)は、後述する実施例に記載した方法で測定した値を意味する。
水添ブロック共重合体(HP)の分子量分布(Mw/Mn)は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が更に好ましい。分子量分布が前記範囲内であると、水添ブロック共重合体(HP)の粘度のばらつきが小さい。
水添ブロック共重合体(HP)の−60〜0℃における動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)は、0.1以上であることが好ましい。−60〜0℃における損失正接(tanδ)は0.15以上であることがより好ましく、0.2以上であることが更に好ましい。損失正接が前記範囲内であることにより、本発明の水添ブロック共重合体(HP)は制振性に優れたものとなる。
〔その他の単量体由来の重合体ブロック(C)〕
ブロック共重合体(P)は、前記重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)のほか、本発明の効果を阻害しない限り、他の単量体で構成される重合体ブロック(C)を含有していてもよい。
かかる他の単量体としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の不飽和炭化水素化合物;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタクリロイルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル等の官能基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
ブロック共重合体(P)が重合体ブロック(C)を有する場合、その含有量は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
[水添ブロック共重合体(HP)の製造方法]
水添ブロック共重合体(HP)は、例えばブロック共重合体(P)をアニオン重合により得る重合工程、及び該ブロック共重合体(P)中の重合体ブロック(B)中の炭素−炭素二重結合を50mol%以上水素添加する工程により好適に製造できる。
<重合工程>
ブロック共重合体(P)は、溶液重合法の方法等により製造することができる。中でも溶液重合法が好ましく、例えば、アニオン重合やカチオン重合等のイオン重合法、ラジカル重合法等の公知の方法を適用できる。中でも、アニオン重合法が好ましい。アニオン重合法としては、溶媒、アニオン重合開始剤、及び必要に応じてルイス塩基の存在下、芳香族ビニル化合物、ファルネセン及び/又はファルネセン以外の共役ジエンを逐次添加して、ブロック共重合体(P)を得る。
アニオン重合開始剤としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属;前記アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド系希土類金属を含有する化合物等が挙げられる。中でもアルカリ金属及びアルカリ金属を含有する化合物、有機アルカリ金属化合物が好ましい。
このような有機アルカリ金属化合物としては、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、ジリチオメタン、ジリチオナフタレン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。中でも有機リチウム化合物が好ましく、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムがより好ましく、sec−ブチルリチウムが特に好ましい。なお、有機アルカリ金属化合物は、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして用いてもよい。
重合に用いる有機アルカリ金属化合物の使用量は、ブロック共重合体(P)の分子量によっても異なるが、通常、芳香族ビニル化合物とファルネセン及びファルネセン以外の共役ジエンから選ばれる1種又は2種以上との総量に対して0.01〜3質量%の範囲である。
溶媒としては、アニオン重合反応に悪影響を及ぼさなければ特に制限はなく、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。溶媒の使用量には特に制限はない。
ルイス塩基は、ファルネセン由来の構造単位及びファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位におけるミクロ構造を制御する役割がある。かかるルイス塩基としては、例えばジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;ピリジン;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;カリウム−t−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;ホスフィン化合物等が挙げられる。ルイス塩基を使用する場合、その量は、通常、アニオン重合開始剤1モルに対して0.01〜1000モル等量の範囲であることが好ましい。
重合反応の温度は、通常、−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃の範囲である。重合反応の形式は回分式でも連続式でもよい。重合反応系中の芳香族ビニル化合物、ファルネセン及び/又はファルネセン以外の共役ジエンの存在量が特定範囲になるように、重合反応液中に各単量体を連続的あるいは断続的に供給するか、また、重合反応液中で各単量体が特定比となるように順次重合することで、ブロック共重合体(P)を製造できる。
重合反応は、メタノール、イソプロパノール等のアルコールを重合停止剤として添加して停止できる。得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いでブロック共重合体(P)を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することによりブロック共重合体(P)を単離できる。
{変性共重合体}
本重合工程では、前記のように未変性のブロック共重合体(P)を得てもよいが、以下のように変性したブロック共重合体(P)を得てもよい。
後述の水素添加工程の前に、前記ブロック共重合体(P)を変性してもよい。導入可能な官能基としては、例えばアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、メルカプト基、イソシアネート基、酸無水物等が挙げられる。
ブロック共重合体の変性方法としては、例えば、重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤を添加する方法が挙げられる。また、単離後の共重合体に無水マレイン酸等をグラフト化して用いることもできる。
官能基が導入される位置はブロック共重合体(P)の重合末端でも、側鎖でもよい。また上記官能基は1種又は2種以上を組み合わせてもよい。上記変性剤は、アニオン重合開始剤に対して、通常、0.01〜10モル等量の範囲であることが好ましい。
(水素添加工程)
前記方法により得られたブロック共重合体(P)を水素添加する工程に付すことにより、水添ブロック共重合体(HP)を得ることができる。水素添加する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、水素添加反応に影響を及ぼさない溶媒にブロック共重合体(P)を溶解させた溶液に、チーグラー系触媒;カーボン、シリカ、けいそう土等に担持されたニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム金属触媒;コバルト、ニッケル、パラジウム、ロジウム、ルテニウム金属を有する有機金属錯体等を、水素添加触媒として存在させて水素化反応を行う。水素添加工程においては、前記したブロック共重合体(P)の製造方法によって得られたブロック共重合体(P)を含む重合反応液に水素添加触媒を添加して水素添加反応を行ってもよい。本発明においては、パラジウムをカーボンに担持させたパラジウムカーボンが好ましい。
水素添加反応において、水素圧力は0.1〜20MPaが好ましく、反応温度は100〜200℃が好ましく、反応時間は1〜20時間が好ましい。
ブロック共重合体(P)中の重合体ブロック(B)中の炭素−炭素二重結合の水素添加率は、耐熱性、耐侯性に優れる水添ブロック共重合体(HP)を得る観点から50〜100mol%であり、70〜100mol%が好ましく、90〜100mol%がより好ましい。なお、水素添加率は後述する実施例に記載の方法により算出できる。
<水添ブロック共重合体(HP)の用途>
水添ブロック共重合体(HP)は、粘接着剤、シート、フィルム、チューブ、ホース、ベルト等の成形品として好適に用いることができる。具体的には、ホットメルト接着剤、粘着テープ、保護フィルムの粘着層等の粘接着材;防振ゴム、マット、シート、クッション、ダンパー、パッド、マウントゴム等の各種防振、制振部材;スポーツシューズ、ファッションサンダル等の履物;テレビ、ステレオ、掃除機、冷蔵庫等の家電用品部材;建築物の扉、窓枠用シーリング用パッキン等の建材;バンパー部品、ボディーパネル、ウェザーストリップ、グロメット、インパネ等の表皮、エアバッグカバー等の自動車内装、外装部品;はさみ、ドライバー、歯ブラシ、スキーストック等のグリップ;食品ラップフィルム等の食品用包装材;輸液バッグ、シリンジ、カテーテル等の医療用具;食品、飲料、薬等を貯蔵する容器用の栓、キャップライナー等に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、β−ファルネセン(純度97.6重量%Amyris Biotechnology社製)は、3Åのモレキュラーシーブにより精製し、窒素雰囲気下で蒸留することで、ジンギベレン、ビサボレン、ファルネセンエポキシド、ファルネソール異性体、E,E−ファルネソール、スクアレン、エルゴステロール及びファルネセンの数種の二量体等の炭化水素系不純物を除き、以下の重合に用いた。
(1)分子量分布ピークトップ分子量(Mp)の測定
各実施例及び比較例で得られた水添ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求め、分子量分布のピークの頂点の位置からピークトップ分子量(Mp)を求めた。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
(2)水素添加率の測定方法
各実施例及び比較例において、ブロック共重合体(P)及び水素添加後の水添ブロック共重合体(HP)をそれぞれ重クロロホルム溶媒に溶解し、日本電子社製「Lambda−500」を用いて50℃で1H−NMRを測定した。水添ブロック共重合体(HP)中の重合体ブロック(B)の水素添加率は、得られたスペクトルの4.5〜6.0ppmに現れる炭素−炭素二重結合が有するプロトンのピークから、下記式により算出した。
水素添加率={1−(水添ブロック共重合体(HP)1molあたりに含まれる炭素−炭素二重結合のmol数)/(ブロック共重合体(P)1molあたりに含まれる炭素−炭素二重結合のmol数)}×100(mol%)
(3)耐候性
各実施例及び比較例で得られた水添ブロック共重合体を200℃、3分間圧縮成形することによって、厚さ2mmのシートを得た。このシートを、温度200℃の雰囲気下に60分放置後、日本電飾工業社製「ND−300A」を用いて、JIS Z8722に準拠してシートのb値を測定し、耐侯性の指標とした。b値が低いほど耐侯性に優れる。b値は15.0以下であることが好ましい。
(4)tanδの測定方法
各実施例及び比較例で得られた水添ブロック共重合体を200℃、3分間圧縮成形することによって、厚さ2mmのシートを得た。このシートから直径8mm、高さ2mmの円柱状試験片を打ち抜き、Rheometric Scientific社製「RDA3粘弾性測定装置」を用いて、測定温度−100〜50℃、周波数1Hz、歪み1%の条件でtanδを測定した。
(5)硬度の測定方法
タイプAデュロメータの圧子を用い、JIS K6253に準拠して測定した。
なお、水添ブロック共重合体(HP)の硬度が75以下であると、柔軟性に優れる。
(6)引張り永久伸び
各実施例及び比較例で得られた水添ブロック共重合体を200℃、3分間圧縮成形することによって、厚さ1mmのシートを得た。このシートよりJIS K6251に準拠してダンベル3号型の試験片を打ち抜いて作製し、試験片の平行部分に標線間距離2cmの標線をつけた。この試験片を、標線間距離が4cmとなるように伸張し(100%伸長)、温度24℃、相対湿度50%の雰囲気下に10分間保持した後、伸長を開放した。その後、温度24℃、相対湿度50%の雰囲気下に10分放置したときの、標線間距離(l':cm)を測定し、引張り永久伸び(%)=100×(l’−2)/2により求めた。
数値が低いほどゴム弾性に優れる。
(7)圧縮永久歪み(24℃,22時間)
各実施例及び比較例で得られた水添ブロック共重合体を200℃、3分間圧縮成形し、直径13.0±0.5mm、厚さ6.3±0.3mm(d0)の円柱状試験片を作製した。JIS K6262に準拠し、この円柱状試験片をスペーサー厚み4.8mm(d1)を用い25%圧縮変形し、24℃の雰囲気下に22時間保持した後、圧縮を開放した。その後、24℃、相対湿度50%雰囲気下に30分間放置したときの、円柱状試験片の厚さ(d2:mm)を測定し、圧縮永久歪み(%)=100×(d0−d2)/(d0−d1)により求めた。
数値が低いほど室温でのゴム弾性に優れることを表し、40%未満であることが好ましい。
(8)圧縮永久歪み(70℃,22時間)
圧縮時の温度を70℃としたこと以外は上記(7)と同様にして圧縮永久歪みを測定した。
数値が低いほど高温でのゴム弾性に優れることを表し、80%未満であることが好ましい。
(9)反発弾性率
各実施例及び比較例で得られた水添ブロック共重合体を200℃、3分間圧縮成形し、直径29.0±0.5mm、厚さ12.5±0.5mmの円柱状試験片を作製した。この円柱状試験片を−50℃で1時間放置した後、JIS K6255に準拠した方法でリュプケ式反発弾性試験を行い、−20℃になった時点での反発弾性率を測定した。反発弾性率は制振性を表す指標であり、50%未満であることが好ましい。
〔実施例1〕
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン62.4kg、アニオン重合開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)54.6gを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン(1)2.34kgを加えて1時間重合させ、引き続いてβ−ファルネセン10.92kgを加えて2時間重合を行い、更にスチレン(2)2.34kgを加えて1時間重合することにより、ポリスチレン−ポリ(β−ファルネセン)−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(P1)と称する)を含む反応液を得た。この反応液に、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を前記ブロック共重合体(P1)に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、更に真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリ(β−ファルネセン)−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、水添ブロック共重合体(HP1)と称する)を得た。水添ブロック共重合体(HP1)について、上記した評価を行った。結果を表1及び表4に示す。
〔実施例2〜9〕
表1に記載の配合にしたがったこと以外は、実施例1と同様にして水添ブロック共重合体(HP2)〜(HP9)を製造した。得られた水添ブロック共重合体(HP2)〜(HP9)について、上記した評価を行った。結果を表1及び表4に示す。
〔実施例10〕
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン62.4kg、アニオン重合開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)109.2gを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン(1)2.34kgを加えて1時間重合させ、引き続いてβ−ファルネセン5.46kgとイソプレン5.46kgの混合物を加えて2時間重合を行い、更にスチレン(2)2.34kgを加えて1時間重合することによりポリスチレン−ポリ(β−ファルネセン/イソプレン)−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(P10)と称する)を含む反応液を得た。この反応液に、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)をブロック共重合体(P10)に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、更に真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリ(β−ファルネセン/イソプレン)トリブロック共重合体の水素添加物(以下、水添ブロック共重合体(HP10)と称する)を得た。水添ブロック共重合体(HP10)について、上記した評価を行った。結果を表2及び表4に示す。
〔実施例11〜14〕
表2に記載の配合にしたがったこと以外は、実施例10と同様して水添ブロック共重合体(HP11)〜(HP14)を製造した。得られた水添ブロック共重合体(HP11)〜(HP14)について、上記した評価を行った。結果を表2及び表4に示す。
〔比較例1〕
特許文献4の実施例4と同様の方法により、スチレン−(β−ファルネセン)ブロック共重合体を得た。得られたスチレン−(β−ファルネセン)ブロック共重合体について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。
〔比較例2〕
実施例1と同様の方法にて重合を行い、ブロック共重合体(P1)を含む反応液を濃縮し、更に真空乾燥することにより、ブロック共重合体(P1)を得た。ブロック共重合体(P1)について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。
〔比較例3〕
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン62.4kg、アニオン重合開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)210.6gを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン(1)1.88kgを加えて1時間重合させ、引き続いてイソプレン17.05kgを加えて2時間重合を行い、更にスチレン(2)1.88kgを加えて1時間重合することによりポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(R−P3)と称する)を含む反応液を得た。該反応液に、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)をブロック共重合体(R−P3)に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、更に真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、水添ブロック共重合体(R−HP3)と称する)を得た。水添ブロック共重合体(R−HP3)について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。
〔比較例4〕
表3に記載の配合にしたがったこと以外は、比較例3と同様にして水添ブロック共重合体(R−HP4)を製造した。得られた水添ブロック共重合体(R−HP4)について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。
〔比較例5〕
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン62.4kg、アニオン重合開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)163.1g、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン360.3gを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン(1)2.08kgを加えて1時間重合させ、引き続いてイソプレン16.64kgを加えて2時間重合を行い、更にスチレン(2)2.08kgを加えて1時間重合することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(R−P5)と称する)を含む反応液を得た。該反応液に、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)をブロック共重合体(R−P5)に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、更に真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、水添ブロック共重合体(R−HP5)と称する)を得た。水添ブロック共重合体(R−HP5)について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。
〔比較例6〜7〕
表3に記載の配合にしたがったこと以外は、比較例5と同様にして、水添ブロック共重合体(R−HP6)〜(R−HP7)を製造した。得られた水添ブロック共重合体(R−HP6)〜(R−HP7)について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。
〔比較例8〕
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン62.4kg、アニオン重合開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)179.4gを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン(1)2.34kgを加えて1時間重合させ、引き続いてイソプレン5.46kgとブタジエン5.46kgの混合物を加えて2時間重合を行い、更にスチレン(2)2.34kgを加えて1時間重合することによりポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(R−P8)と称する)を含む反応液を得た。該反応液に、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)をブロック共重合体(R−P8)に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、更に真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、水添ブロック共重合体(R−HP8)と称する)を得た。水添ブロック共重合体(R−HP8)について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。
〔比較例9〕
表3に記載の配合にしたがったこと以外は、比較例8と同様にして水添ブロック共重合体(R−HP9)を製造した。得られた水添ブロック共重合体(R−HP9)について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。
〔比較例10〕
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン62.4kg、アニオン重合開始剤としてsec−ブチルリチウム(10.5質量%シクロヘキサン溶液)78.0g、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン373.0gを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン(1)0.47kgを加えて1時間重合させ、引き続いてイソプレン6.86kgとブタジエン6.86kgの混合物を加えて2時間重合を行い、更にスチレン(2)1.41kgを加えて1時間重合することによりポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(R−P10)と称する)を含む反応液を得た。該反応液に、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)をブロック共重合体(R−P10)に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、更に真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、水添ブロック共重合体(R−HP10)と称する)を得た。水添ブロック共重合体(R−HP10)について、上記した評価を行った。結果を表3及び表5に示す。

表1、2及び4より、実施例1〜14の水添ブロック共重合体(HP1)〜(HP14)は、柔軟性、耐侯性、ゴム弾性に優れ、さらに−60〜0℃のtanδが0.1以上であるため反発弾性率が低く、制振性に優れることが分かる。実施例1〜8の水添ブロック共重合体(HP1)〜(HP8)は、特に硬度、引張り永久伸び、圧縮永久歪み、反発弾性率が低い値であり、柔軟性に優れ、高いゴム弾性、制振性を有する。
一方、表3及び表5より、比較例1で得られたブロック共重合体は、水素添加されていないため耐侯性に劣り、0℃でのtanδが0.1未満であるため制振性に劣り、更にトリブロック共重合体の含有量が20質量%未満で、圧縮永久歪みの値が高いため、ゴム弾性にも劣る。なお、引張り永久伸び、反発弾性率は測定中にサンプルが破損したため、評価できなかった。
比較例2のブロック共重合体(P1)は、水素添加されていないため耐侯性に劣る。
比較例3〜8及び比較例10の水添ブロック共重合体〔(R−HP3)〜(R−HP8)及び(R−HP10)〕は、重合体ブロック(B)にβ−ファルネセン由来の構造単位を含まないため、−60℃又は0℃におけるtanδの値が0.1未満であり、制振性に劣る。また70℃の永久圧縮歪みの値が高く、高温でのゴム弾性に劣る。
なお、比較例9で得られた水添ブロック共重合体(R−HP9)は、流動性が乏しく、各種物性を評価するための圧縮成形シートが得られなかった。

Claims (10)

  1. 芳香族ビニル化合物由来の構造単位からなる重合体ブロック(A)と、ファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%含有し、ファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含有する重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体であって、重合体ブロック(B)中の炭素−炭素二重結合が50mol%以上水素添加され、−60〜0℃における動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)が0.1以上である水添ブロック共重合体。
  2. 前記ファルネセンがβ−ファルネセンである、請求項1に記載の水添ブロック共重合体。
  3. 前記重合体ブロック(B)中の炭素−炭素二重結合の水素添加率が70mol%以上である、請求項1又は2に記載の水添ブロック共重合体。
  4. 前記重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との質量比[(A)/(B)]が5/95〜80/20である、請求項1〜3のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  5. ピークトップ分子量(Mp)が4,000〜1,500,000である、請求項1〜4のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  6. 分子量分布(Mw/Mn)が1〜4である、請求項1〜5のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  7. 前記芳香族ビニル化合物がスチレンである、請求項1〜6のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  8. 前記ファルネセン以外の共役ジエンが、イソプレン、ブタジエン及びミルセンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  9. 前記重合体ブロック(B)中の構造単位(b1)の含有量が30〜100質量%である、請求項1〜8のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  10. 前記重合体ブロック(A)と前記重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体をアニオン重合により得る重合工程、及び該ブロック共重合体中の重合体ブロック(B)の炭素−炭素二重結合を50mol%以上水素添加する工程を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の水添ブロック共重合体の製造方法。
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