JP2010106168A - 制振材用エマルション及び制振材配合物 - Google Patents

制振材用エマルション及び制振材配合物 Download PDF

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Abstract

【課題】より高いレベルで制振性に優れる良好な制振材を形成することができる制振材用エマルション及び制振材配合物を提供する。
【解決手段】本発明は、モノマー成分を重合して得られるポリマーから構成される制振材用エマルションであって、ポリマー密度が1.11g/cm以上である制振材用エマルション、並びに、該制振材用エマルション、顔料、発泡剤及び増粘剤を必須成分とする制振材配合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、制振材用エマルション及び制振材配合物に関する。より詳しくは、各種構造体における振動や騒音を防止して静寂性を保つために使用される制振材の材料として有用な制振材用エマルション及び制振材配合物に関する。
制振材は、各種構造体における振動や騒音を防止して静寂性を保つためのものであり、例えば、自動車の室内床下等に用いられている他、鉄道車両、船舶、航空機や電気機器、建築構造物、建設機器等にも広く利用されている。このような制振材に用いられる材料としては、従来、振動吸収性能及び吸音性能を有する材料を素材とする板状成形体やシート状成形体等の成形加工品が使用されているが、振動や音響の発生箇所の形状が複雑な場合には、これらの成形加工品を振動発生箇所に適用することが困難であることから、作業性を改善して制振性を充分に発揮させるための手法が種々検討されている。例えば、自動車の室内床下等には無機粉体を含んだアスファルトシートが用いられてきたが、熱融着させる必要性があることから、作業性等の改善が望まれていた。
そこで、このような成形加工品の代替材料として、塗布型制振材(塗料)が開発されており、例えば、該当箇所にスプレーにより吹き付ける、又は、任意の方法により塗布することで形成される塗膜によって、振動吸収効果及び吸音効果を得ることが可能な制振塗料が種々提案されるに至っている。具体的には、例えば、アスファルト、ゴム、合成樹脂等の展色剤に合成樹脂粉末を配合して得られる塗膜硬度を改良した水系制振塗料の他、自動車の室内用に適するものとして、樹脂エマルションに充填剤として活性炭を分散させた制振塗料等が開発されている。
制振材用のエマルションとしては、例えば、ガラス転移温度の異なる2種以上の重合体を含有してなる重合体水性分散物であって、該重合体水性分散物が少なくとも、特定の構造を有する低いガラス転移温度の重合体、ならびに、特定の構造を有する高いガラス転移温度の重合体を含有してなる水性制振材用エマルションが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、アクリル系モノマーを必須とするモノマー混合物を共重合してなる制振材用共重合エマルションであって、該モノマー混合物に対してメチルメタクリレートを25質量%以上含有するものである制振材用共重合エマルションが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このような従来の制振材用エマルションでは、幅広い温度領域での高い制振性を与えることを目的としているものであったが、各種構造体の制振材に用いられる材料としてより好適なものとするため、更に高いレベルの制振性を有するものとすることが求められていた。
更に、制振性水性塗料組成物としては、樹脂エマルションと充填剤とを必須成分として含んでなる制振性水性塗料組成物であって、該樹脂エマルションが、Tgが10〜50℃であり、損失角正接(tanδ)が1.5以上であり、樹脂粒子の平均粒子径が150〜1000nmである樹脂エマルションであり、該充填剤が活性炭を1〜45重量%含んでなる制振性水性塗料組成物(例えば、特許文献3参照。)、酢酸ビニル系樹脂エマルションと充填剤とを必須成分として含んでなる制振性水性塗料組成物において、酢酸ビニル系樹脂が、Tgが10〜50℃であり、メタノール溶媒で測定したゲル分率が0〜30%であり、損失角正接(tanδ)が1.5以上である制振性水性塗料組成物(例えば、特許文献4参照。)が開示されているが、このような組成物と他の原料とを含む制振材配合物としたときの、他の原料の分散性や加熱乾燥性等において充分な特性が得られているものではなく、各種構造体等に対して好適に用いることができる制振材用エマルションとしては改善の余地があった。
特開2005−281576号公報(第1−2頁) 特開2005−281577号公報(第1−2頁) 特開平10−324822号公報(第1−2頁) 特開平10−204370号公報(第1−2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、より高いレベルで制振性に優れる制振材を形成することができる制振材用エマルション及び制振材配合物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、モノマー成分を重合して得られるポリマーから構成される制振材用エマルションを用いて、優れた制振性を有する制振材を製造する方法について種々検討したところ、ポリマー密度と該エマルションを用いて形成される膜の制振性とに相関性があるという知見を見いだした。すなわち、ポリマー密度がある特定値以上となるように高く設計することによって、制振材において際立って優れた制振性を示すエマルションを得ることができることを見いだした。このような知見は従来技術にはまったく認められず、本発明者によって見いだされた新たな知見であり、ポリマー密度が制振性能に大きく影響することを見いだしたこと自体に重要な技術的意義があるといえる。ポリマー密度は、計算によって求めることができ、これを1.11g/cm以上とすることによって、制振性の指標となる、制振材用エマルションから形成される膜の動的粘弾性の損失正接(tanδ)、制振材用エマルションを含む制振材配合物の損失係数をこれまでにない高いものとすることができる。また、ポリマーの重量平均分子量を制御することや、アクリル系モノマーを主体として合成したポリマーを用いることによって、加熱乾燥性や、制振材配合物中に含まれる他の原料の分散性を高め、より優れた制振材とすることができることを見いだした。そして、このような制振材用エマルションを用いて形成される制振材は、制振性を要する各種構造体に対して好適に用いることができ、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
なお、本発明は、ポリマー密度の計算によって、制振材用エマルションのポリマー設計を可能にするという新たなポリマー設計手法を提供するものでもある。ポリマー設計をいわゆるシミュレーションできる手法として、これまでにない効率性、有用性を有するものであるといえる。
すなわち本発明は、モノマー成分を重合して得られるポリマーから構成される制振材用エマルションであって、ポリマー密度が1.11g/cm以上である制振材用エマルションである。
本発明はまた、上記制振材用エマルション、顔料、発泡剤及び増粘剤を必須成分とする制振材配合物でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明の制振材用エマルションは、モノマー成分を重合して得られるポリマーから構成されるものである。上記制振材用エマルションは、通常、ポリマー及び媒体を含むものであって、該ポリマーが媒体中に粒子状に分散された形態で存在するものである。なお、媒体としては、ポリマーが媒体に溶解せず、媒体中に分散された形態にすることができるものであれば特に限定されるものではない。このような媒体としては、例えば、水、水と混じり合うことができる溶媒の1種又は2種以上の混合溶媒、このような溶媒に水が主成分となるように混合した混合溶媒等の水性媒体が挙げられる。中でも、本発明の制振材用エマルションを含む塗料を塗布する際の安全性や環境への影響を考慮すると、水が好適である。
上記ポリマーとしては、一種のモノマーを重合して得られるホモポリマー(単独重合体)であってもよいし、二種以上のモノマーを重合して得られるコポリマー(共重合体)であってもよく、特に限定されるものではない。また、制振材用エマルションは、単一種のポリマーから構成されるものであってもよいし、複数種のポリマーから構成されるものであってもよい。例えば、ホモポリマーとコポリマーの2種のポリマーを含むものであってもよいし、3種以上のポリマーを含むものであってもよい。含有されるポリマーの組み合わせは特に限定されるものではなく、制振材の用途に応じて適宜決定することが好ましい。
上記制振材用エマルション中の不揮発分、すなわち、モノマー成分を重合してなるポリマーの含有割合としては、制振材用エマルションの総量100質量%に対し、30〜70質量%であることが好適である。70質量%を超えると、制振材用エマルションの粘度が高くなり過ぎて充分な分散安定性を保持することができず、凝集するおそれがある。30質量%未満であると、充分な制振性を発揮しないおそれがある。より好ましくは40〜65質量%である。
上記ポリマーは、ポリマー密度が1.11g/cm以上である。ポリマー密度は、より高い方が優れた制振性を発揮することとなるが、これは、ポリマー鎖が密に詰まっていることによって、ポリマー鎖同士の摩擦が起こりやすく、振動エネルギーを熱エネルギーに変換する効率が向上したためと考えられる。上記ポリマー密度は、制振材用エマルションに含まれるポリマー全体として1.11g/cm以上であればよい。すなわち、制振材用エマルションに含まれるポリマー密度の平均が1.11g/cm以上であればよく、本発明の制振材用エマルションの中には、ポリマー密度が1.11g/cm未満のポリマーが含まれていてもよい。ポリマー密度としてより好ましくは、1.13g/cm以上であり、更に好ましくは、1.19g/cm以上であり、特に好ましくは、1.22g/cm以上である。
本発明において、「ポリマー密度」は、ポリマーを製造するためのモノマーから計算によって算出することができ、これに基づいてポリマーを構成する単量体組成を設計することができる。上記ポリマー密度は、アクセルリス株式会社製のSynthiaモジュール Materials Studio Ver4.3(シンシアモジュール マテリアル スタジオ バージョン4.3)を用いて計算することができる。まず、アクセルリス株式会社製のVisualizer Materials Studio Ver4.3(ヴィジュアライザー マテリアル スタジオ バージョン4.3)から3−D Sketcher(スケッチャー)を用いてモノマー構造を作成し、繰り返し構造を定義する。定義したモノマー構造を用いてSynthiaモジュールで高分子物性(ポリマー密度等)を計算する。なお、上記ポリマー密度は、温度298K、分子量を100000と設定して計算を行ったものであることが好ましい。Synthiaモジュールは定量的構造物性相関(QSPR:Quantitative structure property relationship)を用いることにより高分子の物性を計算できるソフトウェアであり、グラフ理論から得られる結合性指数を用いてモノマー構造から高分子の物性を計算することができる。詳細な理論は、以下の文献に記載されている。
タイトル:「Prediction of Polymer Properties,Third Edition」
著者:Jozef Bicerano
出版元:Marcel Dekker Ink.,New York
ISBN:978 0824 708214
Copyright:2002
上記ポリマー密度は、ホモポリマー(単独重合体)でも、コポリマー(共重合体)でも、上述のSynthiaモジュールを用いて計算することができる。なお、実際にコポリマーを合成して制振材用エマルションを製造する場合、通常、複数の粒子状のポリマーが形成されることとなるが、これらの粒子状のポリマーは、それぞれで原料モノマーに由来する構造の割合が異なる場合がある。そのため、コポリマー中のモノマー構造が占める割合(質量分率)は、ポリマーを合成する時のモノマー成分の割合から求めることが好ましい。
上記制振材用エマルションが複数種のポリマーを含有する場合、複数種のポリマーの合計密度は、全ポリマーの総量から体積分率によって求めることができる。例えば、制振材用エマルション中のポリマーの総量を100質量%とすると、ポリマー密度がXであるポリマーXがa質量%、ポリマー密度がYであるポリマーYがb質量%含まれる場合(a+b=100)には、全体のポリマー密度Z=(a+b)/(a/X+b/Y)、すなわち、(ポリマー全体の重量)/(ポリマー全体の体積)によって求めることができる。3種以上のポリマーを用いる場合にも同様の方法により求めることができる。なお、複数種のポリマーが制振材用エマルション中に含まれる場合には、該制振材用エマルション中のポリマー密度が全体として1.11g/cm以上となればよく、例えば、ポリマー密度が1.11g/cm以上のポリマーと、ポリマー密度が1.11g/cm未満のポリマーとが含まれる形態であってもよい。
上記ポリマーは、ポリマー密度が1.11g/cm以上であるが、これによれば、従来の制振材用エマルションから製造されるものでは得ることができない、より優れた制振性能を有する制振材を形成することができる。例えば、制振性は動的粘弾性測定における損失正接によって評価することができ、上記ポリマー密度を1.11g/cm以上とすることで、この制振材用エマルションから形成される膜の損失正接のピーク値を2.5以上と優れたものとすることができる。すなわち、上記制振材用エマルションから形成された膜は、動的粘弾性測定における損失正接(ピーク値)が2.5以上であることが好ましい。上記損失正接としては、2.6以上であることがより好ましく、更に好ましくは、2.7以上であり、特に好ましくは、2.8以上であり、最も好ましくは、2.9以上である。
上記損失正接は、通常、tanδとして表され、動的粘弾性測定により得られ、損失弾性率を貯蔵弾性率で除することにより得られる値である。tanδの値は、弾性率を損失させた割合が大きいほど大きくなる。弾性率を損失させることは、すなわち制振することであるから、tanδの値が大きいほど制振性能が優れていることになる。
上記損失正接は、フィルムを試料として用い、動的粘弾性測定装置(型式:RSA III、TAインスツルメント社製)を用いて測定することができる。測定条件については、以下の条件で測定することが好ましい。
測定モード:引っ張りモード
測定周波数:1Hz
昇温速度:3℃/min.
伸び率:0.1%
測定温度:−40〜80℃
上記フィルムは、本発明の制振材用エマルションを型枠ガラス板上に乾燥膜厚が0.1mmになるように流延し、95℃×30分乾燥後、130℃×30分乾燥し、ガラス板から剥離することによって得ることができる。フィルムの寸法としては、25mm(長さ)×5mm(幅)×0.1mm(厚み)の大きさに作製したものを用いることができる。
上記ポリマーは、ホモポリマー密度が1.15g/cm以上のモノマーを、全モノマー成分100質量%に対して20質量%以上含有するモノマー成分を重合してなることが好ましい。このようなポリマーであることによって、より優れた制振性を有する膜を形成することができ、制振性が優れることを要求される用途に特に好適に使用することができるものとなる。上記ホモポリマー密度が1.15g/cm以上のモノマーを、30質量%以上含有するモノマー成分であることがより好ましく、更に好ましくは、40質量%以上含有するものである。
上記ポリマーのガラス転移温度(Tg)、すなわち、モノマー成分を重合して得られるポリマーのガラス転位温度は、−20〜40℃であることが好適である。このような範囲であることにより、実用温度範囲における幅広い温度領域下でより高い制振性を発現させることが可能となる。より好ましくは、−15〜35℃であり、更に好ましくは、−10〜30℃である。
なお、ポリマーのTgとしては、各種熱分析法で測定すると値が大きく異なる場合があるため、本件では、単独重合体(ホモポリマー)の場合には、ポリマーハンドブック(ジェイ・ブランドラップ(J.Brandrup)等編集、ポリマーハンドブック、第3版、 ニューヨーク、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社版(John Wiley & Sons,Inc.)、1989年、IV209〜IV258)における値を引用する。また、共重合体(コポリマー)のTg(K)は、上記ホモポリマーのTgを用いて、下記式(1)で示される理論式で求める。
Figure 2010106168
式中、Tg’は、ポリマーのTg(絶対温度)である。W’、W’、・・・W’は、全モノマー成分に対する各モノマーの質量分率である。T、T、・・・Tは、各モノマー成分からなるホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度(絶対温度)である。
上記ポリマーとして2種以上のポリマーを用いる場合には、Tgが異なるものを用いることが好適である。このようにガラス転移温度(Tg)に差を設けることにより、幅広い温度領域下でより高い制振性を発現させることが可能となる。なお、3種以上のポリマーを用いる場合には、このうちの少なくとも2種のポリマーがTgの異なるものであればよく、残りの1種以上については、当該2種のポリマーのいずれかとTgが同じものであってもよい。
上記Tgの異なるポリマーとして、Tgの高いものを「ポリマー(A)」、低いものを「ポリマー(B)」とすると、これらのTgの差は、10℃以上であることが好ましい。差が10℃未満であると、実用的温度範囲、例えば、20〜60℃の範囲のいずれかで制振性をより充分に発現できないおそれがある。Tgの差としてより好ましくは12℃以上であり、更に好ましくは14℃以上である。また、温度差が大き過ぎても、実用的温度範囲での制振性がより充分なものとはならないおそれがあることから、Tgの差は100℃以下とすることが好ましい。より好ましくは90℃以下であり、更に好ましくは80℃以下である。
上記ポリマー(A)のガラス転移温度(TgA)としては、具体的には0℃以上であることが好適である。これにより、本発明の制振材用エマルションを含む塗料(制振材配合物)を用いて形成された制振材塗膜の乾燥性が良好となり、塗膜表面の膨張やクラックが充分に抑制されることになる。すなわち、格段に優れた制振性を有する制振材が形成されることとなる。ポリマー(A)のガラス転移温度(TgA)として、より好ましくは5℃以上である。また、上記ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)としては、−50℃以上、10℃以下が好ましい。より好ましくは、−20℃以上、0℃以下である。
上記ポリマーとしては、重量平均分子量が20000〜400000であることが好適である。20000未満であると、制振材用エマルションを含む制振材配合物を塗布し、加熱乾燥を行った際に塗膜が膨れる等のおそれがあり、充分な加熱乾燥性が得られないおそれがある。400000を超えると、加熱乾燥を行う際に、塗膜が割れる、基材から剥がれる等のことが生じるおそれがあり、充分な造膜性が得られないおそれがある。重量平均分子量が大きすぎると、充分な制振性が得られなくなるおそれがある。また、制振性のバランスを充分に保つことができないおそれがある。重量平均分子量としてより好ましくは、30000〜300000であり、更に好ましくは、35000〜250000であり、特に好ましくは、40000〜200000である。
なお、重量平均分子量は、例えば、以下の測定条件下で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により求めることができる。
測定機器:HLC−8120GPC(商品名、東ソー社製)
分子量カラム:TSK−GEL GMHXL−Lと、TSK−GELG5000HXL(いずれも東ソー社製)とを直列に接続して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
検量線用標準物質:ポリスチレン(東ソー社製)
測定方法:測定対象物を固形分が約0.2質量%となるようにTHFに溶解し、フィルターにてろ過した物を測定サンプルとして分子量を測定する。
上述したように、ポリマーのガラス転移温度及び重量平均分子量をより好ましい範囲に設定することで、より広い温度範囲で制振性を充分なものとすることができ、種々の構造体に用いる場合に特に好適に使用することができる。好ましいポリマーの形態としては、ガラス転移温度が−20〜40℃であり、重量平均分子量が20000〜400000となる形態である。
上記ポリマーを形成するためのモノマー成分としては、制振材用エマルションのポリマー密度が1.11g/cm以上とすることができる重合性モノマーであればよく、特に限定されない。例えば、複数種のポリマーを制振材用エマルションが含む場合、少なくとも1種のポリマーのポリマー密度が1.11g/cm以上となるように使用する重合性モノマーを選択し、複数種のポリマーの平均としてポリマー密度が1.11g/cm以上となればよい。例えば、(メタ)アクリル系モノマーや、後述する(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なその他の重合性モノマー(例えば、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なエチレン系不飽和モノマー)を用いることができる。これらのモノマーは、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
このようなモノマー成分を重合してなるポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、SBR樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−アクリル系樹脂、塩化ビニル−エチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂等でもよく、制振材用エマルション中のポリマーのポリマー密度が全体として1.11g/cm以上となれば、本発明の効果は充分に発揮されることとなる。
上記ポリマーを形成するためのモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル系モノマーと、その他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーを含んでなる形態であってもよい。(メタ)アクリル系モノマーと他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーを含むことにより、エマルションの酸価、Tgや物性等を調整しやすくなる。また、(メタ)アクリル系モノマーを用いることによって、後述するように、顔料、発泡剤、増粘剤等の分散性の向上、制振性の向上、制振剤配合物を製造した場合等の、貯蔵安定性の向上を図ることができる。
上記(メタ)アクリル系モノマーと、その他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーとの含有割合としては、全モノマー成分100質量%に対して(メタ)アクリル系モノマーを10〜100質量%、その他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーを0〜90質量%含んでなることが好ましい。上記モノマー成分において、(メタ)アクリル系モノマーが10質量%未満である場合、エマルションが安定に共重合できないおそれがある。本発明におけるエマルションでは、これらのモノマーから形成されるモノマー単位の相乗効果により、水系制振材において優れた加熱乾燥性と制振性とをより充分に発揮することが可能となる。より好ましくは、全モノマー成分100質量%に対して(メタ)アクリル系モノマーを20〜100質量%、その他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーを0〜80質量%含んでなることである。
なお、その他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーには、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な、(メタ)アクリル系モノマー以外のモノマーが含まれることとなる。
上記ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを主体として重合されてなることが好ましい。上記ポリマーが(メタ)アクリル系モノマーを主体として重合されてなる(メタ)アクリル系ポリマーであることにより、本発明の制振材用エマルションを必須とする制振材配合物に必要に応じて含まれる、顔料、発泡剤、増粘剤等の分散性が向上し、制振性がより向上することになる。また、上記制振材用エマルションを用いて制振剤配合物を製造した場合等に、貯蔵安定性が良好である点でも好ましい。例えば、酢酸ビニルを主体として重合されてなるポリマーを用いた場合、制振材配合物(塗料)としたときに、ポリマーの凝集が生じること等により貯蔵安定性が悪くなるおそれがあるが、(メタ)アクリル系モノマーを主体として重合されたものでは、優れた貯蔵安定性を得ることができる。
なお、(メタ)アクリル系モノマーを主体として重合される場合、本発明の制振材用エマルションの製造において、重合される全モノマー成分100質量%に対して50質量%以上の(メタ)アクリル系モノマーを含有するモノマー成分を重合してなることが好ましい。(メタ)アクリル系モノマーの含有量としてより好ましくは、55質量%以上であり、更に好ましくは、60質量%以上である。
上記(メタ)アクリル系モノマーとは、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであることを意味し、該(メタ)アクリロイル基は置換基があってもよい。例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸の金属塩等であってもよい。また、(メタ)アクリロイル基には置換基があってもよく、クロトン酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等も(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに含まれ、これらの1種又は2種以上を用いてもよい。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、単独重合体でもよいし、共重合体でもよく、特に限定されないが、広い温度範囲で優れた制振性を有するものとする観点からは、アクリル系共重合体であることが好ましい。すなわち、上記ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを主体として共重合されてなることが好ましい。(メタ)アクリル系共重合体とは、少なくとも1種の(メタ)アクリル系モノマーと、必要に応じて他の重合性モノマーを用いて得られる共重合体である。すなわち、上記モノマーの少なくとも1種が、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル系モノマーであることを意味する。なお、2種以上のアクリル系ポリマーを使用する場合、これらは、例えば、重量平均分子量やガラス転移温度、SP値(溶解度係数)、使用されるモノマーの種類、モノマーの使用割合等の各種物性のうちいずれかにおいて異なるものであればよい。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ノニルアクリレート、ノニルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソノニルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等の他、これらの塩やエステル化物等の1種又は2種以上を使用することが好適である。ホモポリマーのポリマー密度が高い観点からは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリル酸等が好ましい。より好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレートである。
上記塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等であることが好ましい。金属塩を形成する金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の1価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の2価の金属原子;アルミニウム、鉄等の3価の金属原子が好適であり、また、有機アミン塩としては、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩や、トリエチルアミン塩が好適である。
上記モノマー成分としては、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なその他の重合性モノマーを含んでいてもよい。その他の重合性モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル等の芳香環を有しないビニル系モノマー;スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、クロロメチルスチレン、フルオロメチルスチレン等の芳香環を有するビニル系モノマー;等のビニル系モノマーや、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の窒素原子及び不飽和結合を有する重合性モノマー等が挙げられる。
上記他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーのうち、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の窒素原子と不飽和結合とを有する重合性モノマーは、全モノマー成分100質量%に対して、40質量%以下で含有されることが好ましい。より好ましくは、20質量%以下である。
上記ポリマーは、モノマー成分を乳化重合してなるものであることが好ましい。これによれば、ポリマーが媒体に均一に分散した形態とすることができるため、制振材用エマルション中の均一性が向上し、より安定した特性を有するものとすることができる。
本発明の制振材用エマルションは、アニオン性乳化剤を用いてモノマー成分を乳化重合してなるポリマーの製造に使用されるモノマー成分の総量100重量部に対し、1.0重量部以上のアニオン性乳化剤を含有して重合されたものであることが好ましい。1.0重量部未満であると、優れた乾燥性や制振性を発揮することができないおそれがある。また、顔料と混合した際の顔料混和性が充分とはならないおそれがあり、各種構造体の制振材に有用なものとすることができないおそれがある。好ましくは2.0重量部以上であり、より好ましくは2.5重量部以上である。また、経済性を考慮すると、5.0重量部以下であることが好適である。
上記制振材用エマルションは、水を連続相とし、上記アニオン性乳化剤の存在下でモノマー成分を重合してなる重合体が分散している水系のものであることが好ましい。通常ではこのようなポリマー(エマルション粒子)を必須とする制振材用エマルションと、必要に応じて他の添加剤や溶剤等とを含んでなる制振材配合物を塗布することにより制振材を形成することになる。なお、以下では粒子状のポリマーをエマルション粒子ともいう。
上述したことから、上記制振材用エマルションの製造方法としては、アニオン性乳化剤の存在下で乳化重合することによりモノマー成分を重合する工程を含むことが好ましい。乳化重合を行う形態としては特に限定されず、例えば、水性媒体中にモノマー成分、重合開始剤及びアニオン性乳化剤を適宜加えて重合することにより行うことができる。また、分子量調節のために重合連鎖移動剤等を用いることが好ましい。重合連鎖移動剤を添加して重合を行うことにより、重量平均分子量を制御することができる。例えば、従来の制振材用エマルションの製造方法において重合連鎖移動剤を用いない場合には、重量平均分子量が10万以下になる可能性は極めて低く、重量平均分子量が大きくなり、充分な造膜性が得られないおそれがあるが、重合連鎖移動剤を用いることによって、重量平均分子量を制御する(例えば、10万以下とする)ことができる。すなわち、上記ポリマーが重合連鎖移動剤を用いて重合され、重量平均分子量が10万以下である形態も本発明の好ましい形態の一つである。なお、ここでは乳化重合を行う場合について述べたが、重合連鎖移動剤を用いることは、乳化重合によりポリマーの重合を行わない場合にも適用できるものである。
アニオン性乳化剤としては、後述するものを用いることができる。また、乳化重合を行う際にアニオン性乳化剤と共にその他の乳化剤を用いることができる。その他の乳化剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等の1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の制振材用エマルションは、アニオン性乳化剤を用いてモノマー成分を乳化重合してなるエマルション粒子と他のエマルション粒子とを混合(ブレンド)したものであってもよい。この場合、アニオン性乳化剤を用いてモノマー成分を乳化重合してなるエマルション粒子と他のエマルション粒子との質量比(アニオン性乳化剤を用いてモノマー成分を乳化重合してなるエマルション粒子/他のエマルション粒子)が、100〜50/0〜50となるように設定することが好ましい。
上記アニオン性乳化剤は、硫酸塩化合物、又は、コハク酸塩化合物であって、該硫酸塩化合物は、炭素数8以上の脂肪族アルキル基、オレイル基、アルキルフェニル基、スチリル基、及び、ベンジル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有するものであることが好ましい。炭素数8以上の脂肪族アルキル基としては、炭素数12以上あるいは芳香環を1つ以上有するものがより好ましい。
また、上記アニオン性乳化剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシアルキレン(モノ、ジ、トリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(モノ、ジ、トリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルコハク酸ジ塩;及び、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等のアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノエート;スルホン化パラフィン塩等のアルキルスルホネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルスルホネート;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等の1種又は2種以上を用いることができる。これらのアニオン性乳化剤は、いずれも疎水性の強い骨格を有していることにより、いずれのものも同様の効果を発揮するものである。これらのアニオン性乳化剤を用いることにより、本発明の制振材用エマルションの特性がより効果的に発揮されることになる。
なお、ポリオキシアルキレン(モノ、ジ、トリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩とは、ポリオキシアルキレンモノスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩のいずれかを意味し、ポリオキシアルキレン(モノ、ジ、トリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル塩とは、ポリオキシアルキレンモノベンジルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンジベンジルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレントリベンジルフェニルエーテル硫酸エステル塩のいずれかを意味する。
上記アニオン性乳化剤として特に好適な化合物としては、例えば、ラテムルWX、ラテムル118B、ペレックスSS−H、エマルゲン1118S、エマルゲンA−60、B−66(花王社製)、ニューコール707SF、ニューコール707SN、ニューコール714SF、ニューコール714SN(日本乳化剤社製)、ABEX−26S、ABEX−2010、2020、2030、DSB(ローディア日華社製)等を挙げることができる。また、これらのノニオンタイプに相当する界面活性剤も使用することができる。
上記アニオン性乳化剤としてはまた、反応性乳化剤として、反応性アニオン系界面活性剤、スルホコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤、アルケニルコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤等の1種又は2種以上を用いることができる。スルホコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤の市販品としては、ラテムルS−120、S−120A、S−180及びS−180A(いずれも商品名、花王社製)、エレミノールJS−2(商品名、三洋化成社製)、アデカリアソープSR−10、SR−20、SR−30(ADEKA社製)等が挙げられる。アルケニルコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤の市販品としては、ラテムルASK(商品名、花王社製)等が挙げられる。更に、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルフォネート塩(例えば、三洋化成工業社製「エレミノールRS−30」、日本乳化剤社製「アントックスMS−60」等)、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルフォネー卜塩(例えば、第一工業製薬社製「アクアロンKH−10」等)等のアリル基を有する硫酸エステル(塩)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム(例えば、花王社製「ラテムルPD−104」等)等も用いることができる。
上記アニオン性乳化剤としては更に、反応性乳化剤として、下記の界面活性剤等も用いることができる。炭素数3〜5の脂肪族不飽和カルボン酸のスルホアルキル(炭素数1〜4)エステル塩型界面活性剤、例えば、2−スルホエチル(メタ)アクリレートナトリウム塩、3−スルホプロピル(メタ)アクリレートアンモニウム塩等の(メタ)アクリル酸スルホアルキルエステル塩型界面活性剤;スルホプロピルマレイン酸アルキルエステルナトリウム塩、スルホプロピルマレイン酸ポリオキシエチレンアルキルエステルアンモニウム塩、スルホエチルフマル酸ポリオキシエチレンアルキルエステルアンモニウム塩等の脂肪族不飽和ジカルボン酸アルキルスルホアルキルジエステル塩型界面活性剤。
上記ノニオン系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪族エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル;グリセロールのモノラウレート等の脂肪族モノグリセライド;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミド又は酸との縮合生成物等が挙げられる。また、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン(例えば、ADEKA社製「アデカリアソープER−20」等)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(例えば、花王社製「ラテムルPD−420」、「ラテムルPD−430」等)等の反応性を有するノニオン系界面活性剤も用いることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記カチオン系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、エステル型ジアルキルアンモニウム塩、アミド型ジアルキルアンモニウム塩、ジアルキルイミダゾリニウム塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記両性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記高分子界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール及びその変性物;(メタ)アクリル系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)アクリル系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記界面活性剤の中でも、環境面からは、非ノニルフェニル型の界面活性剤を用いることが好適である。上記界面活性剤の使用量としては、用いる界面活性剤の種類や単量体成分の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、エマルションを形成するのに用いられる単量体成分の総量100重量部に対して、1.0重量部以上であることが好ましく、より好ましくは、2.0重量部以上である。更に好ましくは、2.5重量部以上である。また、経済性の点からは、5.0重量部以下であることが好適である。
上記保護コロイドとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;グアーガム等の天然多糖類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なお、保護コロイドは単独で使用されてもよいし、界面活性剤と併用されてもよい。上記保護コロイドの使用量としては、使用条件等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、アクリル共重合体を形成するのに用いられる単量体成分の総量100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、より好ましくは3重量部以下である。
本発明におけるポリマーは、コア部とシェル部とを有するエマルション粒子であってもよい。エマルション粒子がこのような形態のものであると、本発明の制振材用エマルションがより優れた効果を発揮するものとなる。コア部とシェル部とを有するエマルション粒子は、実用温度範囲内の幅広い範囲における制振性に優れ、特に高温域においても、他の形態の制振材配合物と比較して優れた制振性を発揮する。その結果、実用温度範囲内において、常温から高温域まで幅広い範囲に渡って制振性能を発揮することができる。エマルション粒子がこのようなものである場合、コア部とシェル部とが完全に相溶し、これらを区別できない均質構造のものであってもよく、これらが完全には相溶せずに不均質に形成されるコア・シェル複合構造やミクロドメイン構造であってもよい。これらの構造の中でも、エマルション粒子の特性を充分に引き出し、安定なエマルション粒子を作製するためには、コア・シェル複合構造であることが好ましい。
なお、上記コア・シェル複合構造においては、コア部の表面がシェル部によって被覆された形態であることが好ましい。この場合、コア部の表面は、シェル部によって完全に被覆されていることが好適であるが、完全に被覆されていなくてもよく、例えば、網目状に被覆されている形態や、所々においてコア部が露出している形態であってもよい。
上記コア部とシェル部とを有するエマルション粒子において、コア部を形成する重合体と、シェル部を形成する重合体とは、例えば、ポリマー密度、重量平均分子量、ガラス転移温度、SP値(溶解度係数)、使用されるモノマーの種類、モノマーの使用割合等の各種物性のうちいずれかにおいて異なるものであればよい。中でも、ポリマー密度、重量平均分子量、ガラス転移温度の少なくとも1つで差を有するものであることが好適である。
上記エマルションの粒子がコア部とシェル部とを有するエマルション粒子である場合、ポリマー密度は、コア部を形成するポリマー及びシェル部を形成するポリマーについて個別にポリマー密度を算出し、全ポリマーの総量から体積分率によって求めることができる。例えば、制振材用エマルション中のポリマーの総量を100質量%として、コア部を形成するポリマーCのポリマー密度がCであり、シェル部を形成するポリマーのポリマー密度がSであり、ポリマーCの質量分率がd質量%、ポリマーSの質量分率がe質量%である場合、全体のポリマー密度F=(d+e)/(d/C+e/S)、すなわち、(ポリマー全体の重量)/(ポリマー全体の体積)によって求めることができる。
上記ポリマーがコア部とシェル部とを有するエマルション粒子である場合、コア部を形成するモノマー成分とシェル部を形成するモノマー成分とのガラス転位温度(Tg)の差が10〜60℃であることが好ましい。Tgの差が10℃未満である場合や、60℃より大きい場合には、幅広い温度領域(20℃〜60℃)にわたっての制振性が得られないおそれがある。より好ましくはTgの差が15〜55℃であることであり、更に好ましくは、20〜50℃である。
また上記コア部とシェル部とを有するエマルション粒子においては、コア部を形成するモノマー成分とシェル部を形成するモノマー成分との質量比が20/80〜70/30であることが好ましい。コア部を形成するモノマー成分の質量比が20/80よりも小さい場合や、70/30よりも大きい場合には、幅広い温度領域での制振性が得られなくなるおそれがある。
上記制振材用エマルションのpHとしては特に限定されないが、例えば、2〜10であることが好ましく、より好ましくは、3〜9である。制振材用エマルションのpHは、該エマルションに、アンモニア水、水溶性アミン類、水酸化アルカリ水溶液等を添加することによって調整することができる。
上記制振材用エマルションの粘度としては特に限定されないが、例えば、10〜10000mPa・sであることが好ましい。より好ましくは、50〜5000mPa・sであり、更に好ましくは、100〜2000mPa・sである。
なお、粘度は、B型回転粘度計を用いて、25℃、20rpmの条件下で測定することができる。
本発明におけるエマルション粒子がコア部とシェル部とを有するエマルションである場合、通常の乳化重合法を用いて得ることが好ましい。具体的には、乳化剤及び/又は保護コロイドの存在下、水性媒体中でモノマー成分を乳化重合させてコア部を形成した後、該コア部を含むエマルションに更にモノマー成分を乳化重合させてシェル部を形成する多段重合により得ることが好ましい。
上記重合開始剤としては、熱によって分解し、ラジカル分子を発生させる物質であれば特に限定されないが、水溶性開始剤が好適に使用される。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解系開始剤;過酸化水素とアスコルビン酸、t−ブチルヒドロパーオキサイドとロンガリット、過硫酸カリウムと金属塩、過硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス系重合開始剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記重合開始剤の使用量としては特に限定されず、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、ポリマーを形成するのに用いられるモノマー成分の総量100重量部に対して、0.1〜2重量部であることが好ましく、より好ましくは、0.2〜1重量部である。
上記重合開始剤にはまた、乳化重合を促進させるため、必要に応じて還元剤を併用することができる。還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記還元剤の使用量としては特に限定されず、例えば、ポリマーを形成するのに用いられるモノマー成分の総量100重量部に対して、0.05〜1重量部であることが好ましい。
上記重合連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素;メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトピロピオン酸トリデシルエステル等のメルカプトカルボン酸アルキルエステル;メルカプト酢酸メトキシブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステル等のメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステル;オクタン酸2−メルカプトエチルエステル等のカルボン酸メルカプトアルキルエステルや、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、アニソール、アリルアルコール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を用いることが好ましい。重合連鎖移動剤の使用量としては、例えば、全モノマー成分100重量部に対して、通常2.0重量部以下、好ましくは1.0重量部以下である。
上記乳化重合においては、必要に応じて、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレート剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の分散剤や無機塩等の存在下で行ってもよい。また、モノマー成分や重合開始剤等の添加方法としては、例えば、一括添加法、連続添加法、多段添加法等の方法を適用することができる。また、これらの添加方法を適宜組み合わせてもよい。
上記製造方法における乳化重合条件に関し、重合温度としては特に限定されず、例えば、0〜100℃であることが好ましく、より好ましくは、40〜95℃である。また、重合時間も特に限定されず、例えば、1〜15時間とすることが好適で、より好ましくは、5〜10時間である。
またモノマー成分や重合開始剤等の添加方法としては特に限定されず、例えば、一括添加法、連続添加法、多段添加法等の方法を適用することができる。また、これらの添加方法を適宜組み合わせてもよい。
本発明における制振材用エマルションの製造方法においては、乳化重合によりエマルションを製造した後、中和剤によりエマルションを中和することが好ましい。これにより、エマルションが安定化されることになる。中和剤としては特に限定されず、例えば、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等の三級アミン;アンモニア水;水酸化ナトリウム等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の制振材用エマルションは、他成分(制振材用エマルション以外の成分)とともに、制振材配合物を構成することができるものである。このような本発明の制振材用エマルションを必須とする制振材配合物は、本発明の好ましい実施形態の1つであり、優れた制振性を発揮し得る制振材を形成することができるものである。
上記制振材配合物としては、例えば、制振材配合物の総量100質量%に対し、固形分を50〜90質量%含有してなることが好ましい。より好ましくは、60〜90質量%であり、更に好ましくは、70〜90質量%である。また、制振材配合物のpHは、7〜11とすることが好ましい。より好ましくは、7〜9である。
上記制振材配合物における制振材用エマルションの配合量としては、例えば、制振材配合物の固形分100質量%に対し、制振材用エマルションの固形分が10〜60質量%となるように設定することが好ましい。より好ましくは、15〜55質量%である。
上記制振材配合物の制振性は、制振材配合物から形成される膜の損失係数を測定することにより評価することができる。
損失係数は、通常ηで表され、制振材に対して与えた振動がどの程度減衰したかを示すものである。上記損失係数は、数値が高いほど制振性能に優れていることを示す。上記制振材配合物から形成される膜の損失係数のピーク値として好ましくは、20%以上である。より好ましくは、21%以上であり、更に好ましくは、22%以上であり、特に好ましくは、23%以上である。
上記損失係数の測定方法としては、共振周波数付近で測定する共振法が一般的であり、半値幅法、減衰率法、機械インピーダンス法がある。本発明の制振材配合物において、制振材配合物から形成される膜の損失係数としては、片持ち梁法を用いた共振法(3dB法)により測定することが好適である。片持ち梁法を用いる測定は、例えば、株式会社小野測機製のCF−5200型FFTアナライザーを用いて行うことができる。
また、上記損失係数は、冷間圧延鋼板(SPCC−SD:250×10×1.6mm)上に200×10×3.0mmの塗膜容量で塗布し、95℃×30分乾燥後、130℃×60分焼付け乾燥することで被膜を形成して測定することが好ましい。損失係数の測定は、例えば、20℃、30℃、40℃、50℃及び60℃の各温度における損失係数を共振法(3dB法)により測定し、その中のピーク値により評価するのが好ましい。また、制振材配合物から形成される膜の実用温度範囲が通常では20〜60℃であるので、20〜60℃の各温度における損失係数を合計した値で制振性能を評価してもよい。
上記他成分としては、例えば、溶媒;可塑剤;安定剤;増粘剤;湿潤剤;防腐剤;発泡剤;充填剤;着色剤;分散剤;防錆顔料;消泡剤;老化防止剤;防黴剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤等の1種又は2種以上を使用することができる。中でも、充填剤を含むことが好ましい。また、顔料(着色剤や防錆顔料)を含むことも好適である。
なお、上記他の成分は、例えば、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、スパイラルミキサー、ニーダー、ディゾルバー等を用いて、上記制振材用エマルション等と混合され得る。
上記制振材配合物は、制振材用エマルション、顔料、発泡剤及び増粘剤を必須成分とすることが好ましい。すなわち、本発明は、上記制振材用エマルション、顔料、発泡剤及び増粘剤を必須成分とする制振材配合物でもある。このような形態とすることにより、種々の用途に好適に用いることができる制振材配合物とすることができる。
上記顔料(着色剤)としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、ハンザイエロー、ベンジンイエロー、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等の有機又は無機の顔料が挙げられる。
上記防錆顔料としては、例えば、リン酸金属塩、モリブデン酸金属塩、硼酸金属塩等が挙げられる。
上記増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース系誘導体、ポリカルボン酸系樹脂等が挙げられる。増粘剤の配合量としては、制振材用エマルションの固形分100重量部に対し、固形分で0.01〜2重量部とすることが好ましい。より好ましくは、0.05〜1.5重量部、更に好ましくは、0.1〜1重量部である。
上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン、ガラストーク、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、タルク、珪藻土、クレー等の無機質の充填剤;ガラスフレーク、マイカ等の鱗片状無機質充填剤;金属酸化物ウィスカー、ガラス繊維等の繊維状無機質充填剤等が挙げられる。無機質充填剤の配合量としては、制振材用エマルションの固形分100重量部に対し、50〜700重量部とすることが好ましい。より好ましくは、100〜550重量部である。また、上記制振材配合物は、充填剤の体積分率が50〜90%であることが好ましい。このような範囲とすることによって、加熱乾燥性等の良好な塗膜が得られる。充填剤の体積分率として、より好ましくは、60〜88%であり、更に好ましくは、70〜85%である。
上記他成分としては、発泡剤を用いることが好ましく、この場合には、後述するように、上記制振材配合物を加熱乾燥して制振材塗膜を形成することが好適である。上記制振材用エマルションに更に発泡剤を混合することにより、制振材の均一な発泡構造の形成と厚膜化等の効果が発揮され、それに起因して充分な加熱乾燥性や高制振性が発現することとなる。このように、本発明の制振材用エマルション及び発泡剤を含んでなる制振材配合物もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。なお、必要に応じて更に他の成分を含んでいてもよい。
上記発泡剤としては特に限定されず、例えば、低沸点炭化水素内包の加熱膨張カプセル、有機発泡剤、無機発泡剤等が好適であり、これらの1種又は2種以上を使用することができる。加熱膨張カプセルとしては、例えば、マツモトマイクロスフィアーF−30、F−50(松本油脂社製);エクスパンセルWU642、WU551、WU461、DU551、DU401(日本エクスパンセル社製)等が挙げられ、有機発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジン、p−オキシビス(ベンゼンスルホヒドラジド)等が挙げられ、無機発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、シリコンハイドライド等が挙げられる。
上記発泡剤の配合量としては、制振材用エマルション100重量部に対し、0.5〜5.0重量部とすることが好ましい。より好ましくは、1.0〜3.0重量部である。
上記更に発泡剤を含んでなる制振材配合物はまた、無機顔料を含んでなることが好適であり、これにより、上述したような加熱乾燥性や高制振性の発現性をより充分に確認することが可能となる。
上記無機顔料としては特に限定されず、例えば、上述した無機の着色剤や無機の防錆顔料等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。溶剤の配合量としては、制振材配合物中の制振材用エマルションの固形分濃度が上述した範囲となるように適宜設定すればよい。
上記分散剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の無機質分散剤及びポリカルボン酸系分散剤等の有機質分散剤が挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、シリコン系消泡剤等が挙げられる。
上記他成分としては更に、多価金属化合物を用いてもよい。この場合、多価金属化合物により、制振材配合物の安定性、分散性、加熱乾燥性や、制振材配合物から形成される制振材の制振性が向上することとなる。多価金属化合物としては特に限定されず、例えば、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記多価金属化合物の形態は特に限定されず、例えば、粉体、水分散体や乳化分散体等であってよい。中でも、制振材配合物中への分散性が向上することから、水分散体又は乳化分散体の形態で使用することが好ましく、より好ましくは乳化分散体の形態で使用することである。また、多価金属化合物の使用量は、制振材配合物中の固形分100重量部に対して、0.05〜5.0重量部とすることが好ましい。より好ましくは0.05〜3.5重量部である。
上記制振材配合物は、例えば、基材に塗布して乾燥することにより制振材となる塗膜を形成することになる。基材としては特に限定されるものではない。また、制振材配合物を基材に塗布する方法としては、例えば、刷毛、へら、エアスプレー、エアレススプレー、モルタルガン、リシンガン等を用いて塗布することができる。
上記制振材配合物の塗布量は、用途や所望する性能等により適宜設定すればよいが、乾燥時の塗膜の膜厚が、0.5〜8.0mmとなるようにすることが好ましい。より好ましくは、3.0〜6.0mmである。
また、乾燥時(後)の塗膜の面密度が1.0〜7.0kg/mとなるように塗布することも好ましい。より好ましくは、2.0〜6.0kg/mである。なお、本発明の制振材配合物を使用することにより、乾燥時に膨張やクラックが生じにくく、しかも傾斜面の塗料のずり落ちも発生しにくい塗膜を得ることも可能となる。
このように、乾燥時の塗膜の膜厚が、0.5〜8.0mmとなるように塗工し、乾燥する制振材配合物の塗工方法や、乾燥後の塗膜の面密度が2.0〜6.0kg/mとなるように塗工し、乾燥する制振材配合物の塗工方法もまた、本発明の好ましい実施形態のひとつである。また、上記制振材配合物の塗工方法によって得られた制振材もまた、本発明の好ましい実施形態のひとつである。
上記制振材配合物を塗布した後、乾燥して塗膜を形成させる条件としては、加熱乾燥してもよく、常温乾燥してもよいが、効率性の点で加熱乾燥することが好ましい。加熱乾燥の温度としては、80〜210℃とすることが好ましい。より好ましくは、110〜180℃、更に好ましくは、120〜170℃である。
本発明の制振材用エマルションは上述の構成よりなり、より高いレベルで制振性に優れる良好な制振材を形成することができる。そして、各種構造体における振動や騒音を防止して静寂性を保つことができ、例えば、自動車の室内床下等に用いられている他、鉄道車両、船舶、航空機や電気機器、建築構造物、建設機器等にも広く利用される制振材配合物とすることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
なお、以下の実施例において、各種物性等は以下のように評価した。
<ポリマー密度>
上述した方法を用いて、Synthiaモジュール(Materials Studio Ver4.3、アクセルリス株式会社製)により計算したホモポリマー密度と、実施例、比較例及び参考例で用いた共重合体のポリマー密度とを算出した。なお、ポリマー密度の計算においては、温度を298K、分子量を100000と設定した。
以下に、実施例1〜5、比較例1〜3及び参考例1〜2で用いた重合性モノマーについて、計算したそれぞれのホモポリマーのポリマー密度を示す。
酢酸ビニル(VAc):1.22g/cm
メチルアクリレート(MA):1.24g/cm
エチルアクリレート(EA):1.15g/cm
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):1.00g/cm
メチルメタクリレート(MMA):1.16g/cm
ブチルメタクリレート(BMA):1.04g/cm
スチレン(St):1.07g/cm
アクリル酸(AA):1.35g/cm
<Tg>
各段で用いたモノマー組成から、上述したFoxの式(上記計算式(1))を用いて算出した。なお、全ての段で用いたモノマー組成から算出したTgを「トータルTg」として記載した。重合性モノマー成分から合成したポリマーのガラス転移温度(Tg)を算出するのに使用した、それぞれのホモポリマーのTg値を下記に示した。なお、ホモポリマーのガラス転移温度については、上述したポリマーハンドブックを引用した。
酢酸ビニル(VAc):30℃
メチルアクリレート(MA):9℃
エチルアクリレート(EA):−22℃
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):−70℃
メチルメタクリレート(MMA):105℃
ブチルメタクリレート(BMA):20℃
スチレン(St):100℃
アクリル酸(AA):95℃
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、上述したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により求めた。
<動的粘弾性測定>
損失正接は、動的粘弾性測定装置(型式:RSA III、TAインスツルメント社製)を用いて、上述した測定条件により測定した。試料として用いたクリアーフィルムの製造方法についても同様である。
<動的粘弾性測定>
上記損失係数は、上述したように、株式会社小野測機製のCF−5200型FFTアナライザーを用いた片持ち梁法を用い、20℃、30℃、40℃、50℃及び60℃の各温度における損失係数を共振法(3dB法)により測定した。下記表1にはその中のピーク値を示している。また、制振材配合物により作製した塗膜の製造方法についても同様である。
<加熱乾燥性>
カチオン電着塗装板の上に、作製した水性塗料組成物を、乾燥膜厚が1.5mm、3.0mm、および4.5mmとなるように塗布した。その後、熱風乾燥器を用いて、150℃で30分間乾燥し、得られた乾燥塗膜のフクレ・割れ発生状態を以下の基準で評価した。
・評価基準(目視評価)
○:フクレ・割れの発生が未確認
△:フクレ・割れが少し発生確認
×:フクレ・割れが多数発生
<不揮発分(NV)>
得られた制振材用エマルション約1gを秤量、熱風乾燥機で110℃×1時間後、乾燥残量を不揮発分として、乾燥前質量に対する比率を質量%で表示した。
<pH>
pHメーター(堀場製作所社製「F−23」)により25℃での値を測定した。
<粘度>
B型回転粘度計を用いて、25℃、20rpmの条件下で測定した。
実施例1
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水35部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートに酢酸ビニル 33部、メチルアクリレート 33部、エチルアクリレート 32部、アクリル酸 2部、連鎖移動剤であるt−ドデシルメルカプタン 0.4部、予め26%水溶液に調整したポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩(商品名:ラテムルWX、花王株式会社製) 9.6部及び脱イオン水 26部からなる単量体エマルションを仕込んだ。
70℃に調整した重合器に、単量体エマルションを滴下することで反応を開始させ、75℃まで温度を上げた後、内温を75℃に維持しながら単量体エマルションを3時間かけて均一に滴下した。同時に、5%過硫酸カリウム水溶液 10部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10部を3時間かけて均一に添加した。滴下終了後、75℃で2時間反応を続け、各モノマーを完全に消費させた。その後、反応溶液を25℃まで冷却して25%アンモニア水を適量添加し、制振材用エマルションを得た。
得られた制振材用エマルションの不揮発分は53.2%、pHは7.9、粘度は110mPa・sであった。
実施例2〜5、比較例1〜3、及び、参考例1〜2
下記表1及び2に示すモノマー組成にした以外は、実施例1と同様にして制振材用エマルションを得た。得られた制振材用エマルションについて、実施例1と同様にして各種物性を測定し、その結果を下記表1及び2に示した。
制振材配合物の調製
実施例1〜5、比較例1〜3及び参考例1〜2で得られた制振材用エマルションを下記の通り配合し、制振材配合物として損失係数及び加熱乾燥性について評価した。評価結果については、下記表1及び2に示す。
制振材用エマルション 100部
充填剤 炭酸カルシウム NN#200*1 250部
分散剤 アクアリックDL−40S*2 1部
増粘剤 アクリセットWR−650*3 2部
消泡剤 ノプコ8034L*4 0.3部
発泡剤 F−30*5 2部
* 1:日東粉化工業株式会社製 充填剤
* 2:株式会社日本触媒製 特殊ポリカルボン酸型分散剤(有効成分44%)
* 3:株式会社日本触媒製 アルカリ可溶性のアクリル系増粘剤(有効成分30%)
* 4:サンノプコ株式会社製 消泡剤(主成分:疎水性シリコーン+鉱物油)
* 5:松本油脂社製 発泡剤
Figure 2010106168
Figure 2010106168
この結果、ポリマー密度が1.11g/cm以上となる実施例1〜5においては、損失正接のピーク値は、2.5以上となり、優れた制振性を有するものであった。また、損失係数のピーク値においても20%以上であった。比較例1〜3では、ポリマー密度が1.11g/cm未満の数値であり、損失正接のピーク値についても2.40以下と低いものであった。また、参考例1ではポリマー密度が1.11g/cm以上であり、高い制振性は得られているものの、重量平均分子量が12000であり、20000よりも小さいものであったため、加熱乾燥時に塗膜の膨れが観察され、加熱乾燥性としては充分ではなかった。また、参考例2においては、重量平均分子量が560000であり、400000よりも大きいものであったため、加熱乾燥時に塗膜の割れや、基材からの剥離が多数観察された。また、重量平均分子量が大きいことによって、同様のモノマー組成で製造した実施例3と比較して制振性が低下することとなった。また、貯蔵安定性において、実施例1及び3〜5のように、(メタ)アクリル系モノマーを主体として重合されたポリマーを用いた制振材用エマルションが優れているものであった。酢酸ビニルを主体として重合を行った実施例2においては、制振材配合物としたときに、25℃で1週間貯蔵した場合にポリマー粒子の凝集が生じたが、実施例1及び3〜5では、同様にして25℃で1週間貯蔵した場合にも凝集は生じていなかった。
上記結果より、ポリマー密度が1.11g/cm以上であることによって、優れた制振性を有する制振剤を形成することができることが立証されている。更に、重量平均分子量を制御することによって加熱乾燥性をも両立することができることが立証されたものである。
なお、参考として、他の化合物のホモポリマー密度についても以下に記載する。
ブチルアクリレート(BA):1.07g/cm
シクロヘキシルアクリレート(CHA):1.14g/cm
メタクリル酸(MAA):1.22g/cm
アクリルニトリル(AN):1.18g/cm
アクリルアミド(AAm):1.27g/cm
ヒドロキシエチルアクリレート(HEA):1.30g/cm
フッ化ビニル:1.31g/cm
塩化ビニル:1.38g/cm

Claims (7)

  1. モノマー成分を重合して得られるポリマーから構成される制振材用エマルションであって、
    ポリマー密度が1.11g/cm以上であることを特徴とする制振材用エマルション。
  2. 前記ポリマーは、ホモポリマー密度が1.15g/cm以上のモノマーを、全モノマー成分100質量%に対して20質量%以上含有するモノマー成分を重合してなることを特徴とする請求項1に記載の制振材用エマルション。
  3. 前記ポリマーは、重量平均分子量が20000〜400000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振材用エマルション。
  4. 前記ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを主体として重合されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制振材用エマルション。
  5. 前記ポリマーは、ガラス転移温度が−20〜40℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の制振材用エマルション。
  6. 前記制振材用エマルションから形成された膜は、動的粘弾性測定における損失正接が2.5以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の制振材用エマルション。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の制振材用エマルション、顔料、発泡剤及び増粘剤を必須成分とすることを特徴とする制振材配合物。
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