JP2013199531A - 制振材用エマルジョン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】制振性を十分に得られる塗工可能な樹脂組成物を得ることを目的とする。
【解決手段】(A)ビニルエステル及び(B)(メタ)アクリル系単量体との乳化共重合体と乳化剤とを含有するエマルジョンであり、乳化共重合体の重量平均分子量が50,000以上500,000以下であり、得られる乾燥皮膜について動的粘弾性測定により求めた損失正接(tanδ)が、2.0以上であり、かつ、この損失正接のピーク温度位置が0℃以上80℃以下であるエマルジョンを用いる。
【選択図】なし

Description

この発明は、制振材用のエマルジョン樹脂組成物に関する。
制振材は、各種構造体における振動や騒音を防止し、静寂性を保つために用いられる。そのような制振材は、自動車の室内床下や、鉄道車両、船舶、航空機、電気機器、建築構造物、建設機器等に広く利用されている。
制振材に用いられる材料として、振動吸収性や吸音性を有する材料を用いた成形体等が知られている。しかし、振動や音響の発生箇所の形状が複雑な場合、形状を振動発生箇所に合わせて形成することが難しく、制振性を発揮させることが困難となる場合がある。
これに対し、作業性を改善して、形状が複雑な場所に対しても、制振性を充分に発揮させるための手法が種々検討されている。例えば、自動車の室内床下等には無機粉体を含んだアスファルトシートが用いられて、複雑な形状の場所に対応している。しかし、熱融着させる必要性があり作業性に問題点を有する上、シートをカットした際に発生する廃材の処理も困難であった。
これに対し、制振性を有する樹脂組成物を塗工して皮膜を形成させることにより、複雑な形状の場所に対応すると共に、作業性を改善し、併せて軽量化により燃費効率を向上することが考えられている。このような例として、スチレン−ジアクリレート系樹脂中に硬化性モノマー/オリゴマー及び重合開始剤を配合したもの(特許文献1)や、不飽和カルボン酸単量体を含む樹脂組成物にノニオン系樹脂を配合したもの(特許文献2)等が知られている。
特開2009−114231号公報 特開2009−270063号公報
しかしながら、これらの樹脂の場合、十分な制振性が得られない場合があった。
そこで、この発明は、制振性を十分に得られる塗工可能な樹脂組成物を得ることを目的とする。
この発明は、(A)ビニルエステル及び(B)(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位を有する乳化共重合体と乳化剤とを含有するエマルジョンであり、前記乳化共重合体の重量平均分子量が50,000以上500,000以下であり、得られる乾燥皮膜について動的粘弾性測定により求めた損失正接(tanδ)が、2.0以上であり、かつ、この損失正接のピーク温度位置が0℃以上80℃以下である制振材用エマルジョン樹脂組成物を用いることにより、前記課題を解決したのである。
この発明にかかる制振材用エマルジョン樹脂組成物は、特定の組成の共重合体樹脂を用いるので、高いtanδが得られる。このtanδが高い樹脂を用いることで制振性が向上し、得られる樹脂組成物の制振性が向上する。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる制振材用エマルジョン樹脂組成物は、ビニルエステル(以下、「(A)成分」と称することがある。)及び(メタ)アクリル系単量体(以下、「(B)成分」と称することがある。)由来の構成単位を有する乳化共重合体と乳化剤とを含有するエマルジョンである。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」の表現は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
[(A)成分]
この発明にかかる(A)成分、すなわち、ビニルエステルは、ビニル基を有するエステル化合物をいい、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、(メタ)アクリル酸ビニル等が挙げられる。
[(B)成分]
この発明にかかる(B)成分、すなわち、(メタ)アクリル系単量体とは、(メタ)アクリル基を有する単量体である。この単量体としては、後述する極性官能基を有さない(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、水酸基、カルボキシル基、エーテル基、ニトリル基、アミド基等の極性官能基を有する(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸s−ペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸t−ペンチル、(メタ)アクリル酸3−メチルブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−ヘプチル、(メタ)アクリル酸3−ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチルが挙げられる。これらの中でも、アルキル基の炭素原子数が1〜24の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、とりわけアルキル基の炭素原子数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
前記の水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体の例としては、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体(以下、「カルボキシル基含有(メタ)アクリル系単量体」と称する場合がある。)の例としては、(メタ)アクリル酸等があげられる。
前記エーテル基を有する(メタ)アクリル系単量体の例としては、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、アリルアルコール等が挙げられる。
前記ニトリル基やアミド基を有する(メタ)アクリル系単量体の例としては、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
[その他の単量体]
また、前記の(A)成分及び(B)成分に加えて、重合性二重結合を有するその他の単量体を含んでいてもよい。このようなその他の単量体としては、スチレン誘導体、ビニルエーテル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸以外のアクリル系化合物、カルボキシル基含有重合性単量体等が挙げられる。
前記スチレン誘導体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン等があげられる。さらに、前記ビニルエーテル系単量体の具体例としては、ビニルメチルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等が挙げられる。
前記カルボキシル基含有重合性単量体は、カルボキシル基を含有する、前記したカルボキシル基含有(メタ)アクリル系単量体以外の重合性単量体をいう。この例としては、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸又はそのモノエステル、フマル酸又はそのモノエステル、2−アクリロイルオキシプロピオン酸等が挙げられる。
[乳化重合]
この発明にかかる制振材用エマルジョン組成物は、前記の(A)成分及び(B)成分を水性媒体中で乳化重合することにより得られる。この乳化重合は、前記(A)成分及び(B)成分を、所定の乳化剤を用いて、常法によって重合する方法、例えば、あらかじめ適量の水や前記乳化剤を仕込んだ反応容器内に、前記重合成分及び重合開始剤、連鎖移動剤等を一括、分割又は連続して仕込み、撹拌しながら乳化状態下、所定の反応条件で重合させることにより、製造することができる。
前記(B)成分としては、得られる制振材用エマルジョン組成物が、次の(B1)又は(B2)の構成単位を有するような単量体を含有することが好ましい。
(B1):前記乳化共重合体中の(B)成分由来の構成単位であり、この構成単位中にカルボキシル基含有(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位を含む構成単位。
(B2):前記乳化共重合体中の(B)成分由来の構成単位に加えて、カルボキシル基含有重合性単量体由来の構成単位(ただし、前記(B1)に該当する構成単位を除く。)を含む構成単位。
このような(B1)構成単位を形成する(B)成分としては、前記のカルボキシル基含有(メタ)アクリル系単量体等があげられる。また、(B2)構成単位を形成する重合性単量体としては、前記のカルボキシル基含有重合性単量体等があげられる。
また、得られる制振材用エマルジョン組成物における前記乳化共重合体を構成する(A)成分と(B)成分との含有比率は、両者の合計を100重量部としたとき、重量比で、(A)/(B)で、99.5/0.5以下がよく、95.0/5.0以下が好ましい。一方、この重量比の下限は、20/80がよく、67/33が好ましい。この範囲を満たすことにより、重合を安定して行うことができ、tanδの高い水性分散液を得ることができるという特徴を発揮することができる。
前記乳化共重合体がカルボキシル基を有する構成単位を有する場合、このカルボキシル基を有する構成単位の含有比率は、前記乳化共重合体全体に対し、0.5重量%以上がよく、1重量%以上が好ましい。一方、この含有比率の上限は、7重量%がよく、5重量%が好ましい。この範囲を満たすことにより、重合を安定して行うことができ、tanδの高い水性分散液を得ることができるという特徴を発揮することができる。
前記乳化重合時における単量体混合物の濃度は、15〜60重量%がよく、30〜50重量%が好ましい。この範囲内とすると、得られる重合体水性分散液の粘度が低くなり、取扱い性の面から好ましい。
前記重合開始剤としては、一般に用いられるラジカル重合開始剤を用いることができ、その代表例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸、2,2−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルヒドロキシルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物等、又はこれらのラジカル発生剤とアルコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、重亜硫酸水素カリウム、及びロンガリット(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート)等と組み合わせたレドックス開始剤等があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。この重合開始剤の使用量は、前記単量体混合物100重量部に対して0.01〜3重量部が好ましい。
前記乳化共重合反応の反応温度は、20〜95℃が好ましく、また、反応時間は、2〜8時間が好ましい。
前記乳化剤としては、各種公知の乳化剤を使用することができる。この乳化剤としては、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤、両イオン系乳化剤があげられる。前記アニオン系乳化剤としては、オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル燐酸エステル等があげられる。
また、カチオン系乳化剤としては、ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタドデシルアンモニウムクロライド等があげられる。
さらに、ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等があげられる。
さらにまた、両イオン系乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等があげられる。
これらの中でも、前記のアニオン系乳化剤とノニオン系乳化剤との複合乳化剤を用いると、アニオン系乳化剤による良好な粒子の安定性と、ノニオン系乳化剤による優れた顔料分散性を両立できる点で特徴を発揮することができる。
前記乳化剤の使用量は、前記単量体混合物100重量部に対し、1重量部以上がよく、2重量部以上が好ましい。1重量部より少ないと、乳化重合中や生成した水性分散液の安定性が不足する場合がある。一方、使用量の上限は、8重量部がよく、5重量部が好ましい。8重量部より多いと、生成する皮膜の耐水性が悪化する場合がある。
[制振材用エマルジョン樹脂組成物の性質]
この発明にかかる制振材用エマルジョン樹脂組成物を構成する前記乳化共重合体の重量平均分子量は、50,000以上が必要で、100,000以上が好ましい。重量平均分子量が50,000未満では耐熱性が低下して塗膜の乾燥時に塗料が垂れたり流れたりするという問題点を生じる場合がある。一方、重量平均分子量の上限は、500,000が必要で、400,000が好ましい。500,000より大きいと、塗膜を乾燥する際、表面にひび(クラック)が入ることがある。
さらに、この発明にかかる制振材用エマルジョン樹脂組成物を構成する前記乳化共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−20℃以上がよく、0℃以上が好ましい。−20℃より低いと、高温側での制振性が不十分となりやすい。一方、ガラス転移温度の上限は、40℃がよく、25℃が好ましい。40℃より高いと、低温側での制振性が不足するという問題点を生じる場合がある。
ところで、この発明にかかる制振材用エマルジョン樹脂組成物が制振性、すなわち、振動を吸収して、振動を伝えることを防ぐ性質は、動的粘弾性測定により求めた損失正接(tanδ)の値で判断でき、この値が高い程、制振性が高くなる。これは、この損失正接(tanδ)が高いということは、その材質の液体的性質、すなわち、振動を吸収し、熱に変換する能力が高いことを示すからである。
なお、動的粘弾性測定は、例えばRheogel−Eシリーズ(株式会社ユービーエム製)等の動的粘弾性測定装置(レオメーター)を用いて測定することができる。
この発明にかかる制振材用エマルジョン樹脂組成物から得られる乾燥皮膜について、動的粘弾性測定により求めた損失正接(tanδ)は、2.0以上が必要で、2.2以上が好ましい。2.0未満では十分な制振性を得ることができない。一方、損失正接(tanδ)の上限は、特に限定されないが、通常用いられている制振材の特性値を考慮すると、2.5前後で十分である。
さらに、この発明にかかる制振材用エマルジョン樹脂組成物から得られる乾燥皮膜について、動的粘弾性測定により求めた損失正接(tanδ)のピーク温度位置は、0℃以上が必要で、20℃以上が好ましい。0℃より低いと、高温側での制振性が不十分となりやすい。一方、損失正接(tanδ)のピーク温度位置の上限は、80℃が必要で、60℃が好ましい。80℃より高いと、低温側での制振性が不足するという問題を生じる場合がある。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。まず、評価方法及び使用した原材料について説明する。
まず、実施例で用いられている原材料及び評価方法について説明する。
<評価方法>
[ガラス転移温度(Tg)]
共重合体中の各構成単量体a,b,…の構成重量分率をWa,Wb,…とし、各構成単量体a,b,…の単独重合体のガラス転移温度をTga,Tgb,…としたとき、下記に示すFOXの式で、共重合であるビニル重合体のTgの値を求めた。
1/Tg=Wa/Tga+Wb/Tgb+…
[平均粒子径]
動的光散乱法粒度分布測定装置(大塚電子(株)製:ELS−8000)を用いて平均粒子径を測定した。
[不揮発分]
重合体水性分散液約1gを精秤し熱風循環乾燥機にて105℃×3時間乾燥させた後、デシケーターの中で放冷しその重量を測定した。そして、下記の式にしたがい、不揮発分を算出した。
不揮発分(%)=(乾燥後の試料の重量/乾燥前の試料の重量)×100
[粘度]
25℃の重合体水性分散液1kgを1リットル容のガラスビーカーにとり、ブルックフィールド型粘度計(東京計器(株)製、B型粘度計、形式BM)を用い、ローターの回転数60rpmで測定した。
[pH]
約500mlの重合体水性分散液を、気泡が混入しないように採り、試験温度25℃±1℃にて、JIS Z 8802に規定するpH計に、JIS Z 8805に規定するガラス電極を取り付けて測定した(JIS K 6828に準拠)。
[重量平均分子量(Mw)]
得られたポリマーをテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーエミッションクロマトグラフィーを用いてポリメタクリル酸メチル換算での重量平均分子量を算出した。
[tanδ及びそのピーク温度]
重合体水性分散液をテフロン(商品名)板上に厚さ750μmとなるように塗工してフィルム化し、60〜90℃で表1日、裏1日乾燥させた後、動的粘弾性測定装置Rheogel E−4000(ユービーエム社製)を用いて皮膜のtanδを測定した。
(ゲル分率)
乳化重合体約20mgを精秤し、これにテトラヒドロフラン(THF)20mlを加え、室温で24時間静置した後、孔径0.45μmのフィルターでろ過した残分を、105℃で3時間乾燥して回収された不溶分の量を測定してゲル分率を算出した。
<原材料>
[(A)成分]
・酢酸ビニル…日本合成化学工業(株)製、以下、「VAc」と略する。
[(B)成分]
・アクリル酸ブチル…三菱化学(株)製、以下、「BA」と略する。
・アクリル酸エチル…三菱化学(株)製、以下、「EA」と略する。
・メタクリル酸メチル…三菱レイヨン(株)製、以下「MMA」と略する。
・アクリル酸…三菱化学(株)製、以下「AA」と略する。
・メタクリル酸…三菱レイヨン(株)製、以下「MAA」と略する。
・イタコン酸…磐田化学(株)製、以下「IA」と略する。
[その他の単量体]
・アクリルアミド…ダイヤニトリックス(株)製、以下、「AAm」と略する。
[乳化剤]
・アニオン系乳化剤…ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸ナトリウム、花王(株)製:ラテムルWX、以下「ラテムルWX」と略する。
・反応性アニオン系乳化剤…アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩、三洋化成(株)製:エレミノールJS−20、以下「JS−20」と略する。
・反応性アニオン系乳化剤…α−スルホ−ω−(1−アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ−1,2−エタンジイル)アンモニウム塩、(株)アデカ製:アデカリアソープSR−1025、以下「SR−1025」と略する。
・ノニオン系乳化剤…ポリオキシエチレン(POE)ラウリルエーテル、花王(株)製:エマルゲン120、以下「エマルゲン120」と略する。
(実施例1〜9、比較例1〜2)
攪拌機、還流冷却機及び原料投入口を備えた1Lフラスコにイオン交換水150重量部、及び表1に記載の乳化剤を仕込み、その内温を80℃に保ちながら、重合開始剤としてAPS(過硫酸アンモニウム)を0.5重量部添加した後、イオン交換水185重量部及び表1に記載の単量体を4時間かけて滴下した。
滴下終了後、内温を80℃に保ちながら2時間熟成した。得られた乳化液を30℃に冷却し、重合体水性分散液を得た。得られた重合体水性分散液を用いて、上記の各評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
Figure 2013199531

Claims (7)

  1. (A)ビニルエステル及び(B)(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位を有する乳化共重合体と乳化剤とを含有するエマルジョンであり、
    前記乳化共重合体の重量平均分子量が50,000以上500,000以下であり、
    得られる乾燥皮膜について動的粘弾性測定により求めた損失正接(tanδ)が、2.0以上であり、かつ、この損失正接のピーク温度位置が0℃以上80℃以下である制振材用エマルジョン樹脂組成物。
  2. 前記乳化共重合体のガラス転移温度が−20℃以上40℃以下である請求項1に記載の制振材用エマルジョン樹脂組成物。
  3. 前記乳化共重合体中の構成単位(A)と構成単位(B)の比率が、両者の合計を100重量部としたときに、
    (A)/(B)=99.5/0.5〜20/80
    の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振材用エマルジョン樹脂組成物。
  4. 前記乳化共重合体は、カルボキシル基を有する構成単位を含有し、
    かつその含有比率が、前記乳化共重合体全体に対し、0.5重量%以上、7重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の制振材用エマルジョン樹脂組成物。
  5. 前記カルボキシル基を有する構成単位が、アクリル酸又はメタクリル酸由来の構成単位であることを特徴とする請求項4に記載の制振材用エマルジョン樹脂組成物。
  6. 前記カルボキシル基を有する構成単位が、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸並びに/もしくはそのモノエステル、フマル酸並びに/もしくはそのモノエステル、2−アクリロイルオキシルプロピオン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の単量体由来の構成単位であることを特徴とする請求項4に記載の制振材用エマルジョン樹脂組成物。
  7. 前記乳化剤がアニオン系乳化剤とノニオン系乳化剤との複合乳化剤であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の制振材用エマルジョン樹脂組成物。
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