JP3877066B2 - 制振材用エマルション及び多価金属酸化物 - Google Patents

制振材用エマルション及び多価金属酸化物 Download PDF

Info

Publication number
JP3877066B2
JP3877066B2 JP2002301514A JP2002301514A JP3877066B2 JP 3877066 B2 JP3877066 B2 JP 3877066B2 JP 2002301514 A JP2002301514 A JP 2002301514A JP 2002301514 A JP2002301514 A JP 2002301514A JP 3877066 B2 JP3877066 B2 JP 3877066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
emulsion
monomer
vibration damping
hours
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002301514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003193025A (ja
Inventor
重保 森広
幸弘 宮脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2002301514A priority Critical patent/JP3877066B2/ja
Publication of JP2003193025A publication Critical patent/JP2003193025A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3877066B2 publication Critical patent/JP3877066B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振材用エマルション及び多価金属酸化物に関する。詳しくは、制振材配合物を構成するものとして好適に用いられる制振材用エマルション及び制振材配合物に用いる多価金属酸化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
制振材は、各種の構造体における振動や騒音を防止して静寂性を保つためのものであり、自動車の室内床下等に用いられている他、鉄道車両、船舶、航空機や電気機器、建築構造物、建設機器等にも利用されている場合がある。このような制振材としては、例えば、自動車の室内床下等には無機粉体を含んだアスファルトシートが用いられてきたが、熱融着させる必要性があることから、作業性等の改善が望まれ、制振材を形成する種々の制振材用組成物や重合体の検討がなされている。
【0003】
合成樹脂エマルション、アスファルトエマルションから選ばれる少なくとも1種の展色剤、無機充填材及び合成樹脂粉末を特定量含む水系制振塗料組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、(a)脂肪族共役ジエン系単量体、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体及び(c)これら単量体以外の他の単量体を特定重量割合でα−メチルスチレンダイマーの存在下に共重合して得られる共重合体ラテックスであって、損失係数(tanδ)やトルエン不溶分が特定された水系塗料用共重合体ラテックスが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
共役ジエン系単量体(a)、エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体(b)、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(c)及び前記以外のエチレン系不飽和単量体(d)を特定重量割合で含む単量体混合物を無機過硫酸塩系の重合開始剤の存在下に乳化重合して得られる耐チッピング塗料用共重合体ラテックスが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。また、共役ジエン系単量体(a)、エポキシ基を有するエチレン系不飽和単量体(b)、エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体(c)、前記(b)及び(c)以外のエチレン系不飽和単量体(d)を特定重量割合で含む単量体混合物を乳化重合して得られる制振材用共重合体ラテックスが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。更に、共役ジエン系単量体(a)、エポキシ基を有するエチレン系不飽和単量体(b)、エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体(c)、(b)及び(c)以外のエチレン系不飽和単量体(d)を特定重量割合で含む単量体混合物を乳化重合して得られる制振材用共重合体ラテックスが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
【0005】
しかしながら、これらの技術では、優れた加熱乾燥性と制振性との両立を達成する制振材を得ることができなかった。すなわち合成樹脂エマルションやアスファルトエマルションを用いる場合には、塗膜を加熱乾燥して形成するときに表面乾燥すると共に未乾燥塗膜中の水分が蒸発しようとするためにフクレが発生しやすいことから、加熱乾燥性を向上させる工夫の余地があり、また、共役ジエン系単量体とその他の単量体とから形成される共重合体ラテックスを用いる場合には、共役ジエン系単量体による単量体単位が制振性を充分に発揮するものではなく、優れた加熱乾燥性と制振性とを両立させる工夫の余地があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−104842号公報(第1、2頁)
【特許文献2】
特開平11−29737号公報(第1、2頁)
【特許文献3】
特開2000−178497号公報(第1、2頁)
【特許文献4】
特開2000−178498号公報(第1、2頁)
【特許文献5】
特開2000−178499号公報(第1、2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、安定性や分散性が向上して、優れた加熱乾燥性と制振性とを発揮する水系制振材を与える制振材配合物を形成することができる制振材用エマルション及び多価金属酸化物を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々の制振材配合物に用いられる原材料を検討するうち、水系制振材を与えるエマルションが作業性等の点において優れていることにまず着目し、このようなエマルションとして不飽和カルボン酸単量体を必須として含んでなる単量体成分を重合してなるエマルションと、エマルションの粒子間架橋を行うことができる架橋剤とを組み合わせることにより、加熱乾燥性が優れたものとなると共に、制振性も向上することを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。本発明の制振材用エマルションを必須とする制振材配合物から形成される制振材においては、各種の構造体における振動や騒音を防止して静寂性を保つ作用が向上する効果が上記のようにエマルションの粒子間架橋により達成されることになるが、このような作用効果は、制振材が制振材用エマルションとして好適な上記エマルションにより構成されること等に起因するものと考えられる。また、エマルションのガラス転移点(Tg)を特定範囲に設定したり、エチレン系不飽和カルボン酸単量体及び他のエチレン系不飽和単量体を特定質量割合で含む単量体成分により形成したりすると、水系制振材において優れた加熱乾燥性と制振性とをより確実に発揮することができることも見いだした。
【0009】
更に、多価金属酸化物を制振材配合物に配合すると、優れた加熱乾燥性と制振性とを発揮する水系制振材を与えることができることも見いだし、特に多価金属酸化物としては酸化亜鉛、酸化ジルコニウムが好適であることを見いだし、本発明に到達したものである。
【0010】
すなわち本発明は、不飽和カルボン酸単量体を必須とする単量体成分を重合してなるエマルションと、架橋剤とを含んでなる制振材用エマルションである。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明の制振材用エマルションは、不飽和カルボン酸単量体を必須とする単量体成分を重合してなるエマルションと、架橋剤とを含んでなる。
本発明では、エマルションとともに架橋剤を必須として含むことにより、制振材用エマルションの加熱乾燥性や、このような制振材用エマルションを必須とする制振材配合物から形成される制振材の制振性を向上することができる。
【0012】
上記架橋剤としては、カルボキシル基と反応して架橋し得るものであればよく、1種又は2種以上を用いることができるが、金属酸化物、(ブロック)イソシアナート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物及びビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、金属酸化物が好適であり、より好ましくは、多価金属酸化物である。
【0013】
上記多価金属酸化物としては、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化ジルコニウムが好適である。これらの中でも、酸化亜鉛を必須とすることが好ましく、本発明の作用効果をより充分に発揮して更に加熱乾燥性が優れたものとなると共に、制振性も向上することになる。また、酸化亜鉛の使用量としては、エマルションの固形分100重量部に対して、酸化亜鉛が0.1〜20重量部となるようにすることが好ましい。すなわち制振材用エマルションは、エマルションの固形分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1〜20重量部含むことが好ましい。より好ましくは、0.1〜15重量部であり、更に好ましくは、3重量部を超えて、15重量部以下である。また、制振材用エマルションの安定性がより向上することになることから酸化ジルコニウムを必須とすることが好ましい。酸化ジルコニウムの使用量としては、エマルションの固形分100重量部に対して、酸化ジルコニウムが0.1〜20重量部となるようにすることが好ましい。より好ましくは、0.1〜15重量部であり、更に好ましくは、1重量部を超えて、15重量部以下である。
【0014】
上記架橋剤の形態としては、粉体、水分散体を用いることができる。これらの中でも、水分散体を用いることにより、制振材用エマルションを必須とする制振材配合物への分散性が向上し、更に長期の貯蔵安定性も良好なことから、乳化剤で水分散の状態にした形態で使用することが好ましい。このような乳化剤で水分散の状態にして使用すると、架橋剤がエマルション中に充分に分散されてエマルションと架橋剤とを組み合わせることによる作用効果が充分に発揮されることになる。これにより、制振材用エマルションを必須とする制振材配合物の安定性や分散性が向上し、更に加熱乾燥性が優れたものとなると共に、制振性も向上することになる。
【0015】
上記エマルションは、水を連続相とし、不飽和カルボン酸単量体を必須とする重合体が分散している水系のものである。通常ではこのようなエマルションを必須とする制振材用エマルションと、必要に応じて他の添加剤や溶剤等とを含んでなる制振材配合物を塗布することにより制振材を形成することになる。
【0016】
本発明におけるエマルションを形成することになる単量体成分としては、不飽和カルボン酸単量体を必須とし、本発明の作用効果を発揮することができる限り特に限定されず、必要に応じて不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体を含むことになるが、不飽和カルボン酸単量体及び不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体を含んでなるものであることが好ましい。不飽和カルボン酸単量体としては、分子中に不飽和結合とカルボキシル基とを有する化合物であれば特に限定されるものではないが、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を含むことが好ましい。すなわちエチレン系不飽和カルボン酸単量体を必須とする単量体成分を重合してなるエマルションを含んでなる制振材用エマルションは、本発明の好ましい形態の1つである。
【0017】
本発明ではまた、単量体成分が、アクリル系単量体を必須として含んでなることが好ましい。アクリル系単量体とは、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体を意味する。
【0018】
上記単量体成分におけるアクリル系単量体の含有量としては、例えば、全単量体成分に対して50質量%以上となるようにすることが好ましい。このような単量体成分としては、制振性の点から、共役ジエン系単量体の含有量が全単量体成分に対して10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、5質量%以下であり、最も好ましくは、共役ジエン系単量体を含有しないことである。
【0019】
本発明では、上記単量体成分が、全単量体成分に対して官能基を有する不飽和単量体を10質量%未満含有するものであることが好ましい。官能基を有する不飽和単量体における官能基は、エマルションを重合により得る際に架橋することができる官能基であればよい。このような官能基の作用により、エマルションの成膜性や加熱乾燥性を向上することができることになる。より好ましくは、0.1〜3.0質量%である。
なお上記質量割合は、全単量体成分100質量%に対する質量割合である。
【0020】
上記官能基としては、例えば、エポキシ基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジニル基、イソシアネート基、メチロール基、ビニルエーテル基、シクロカーボネート基、アルコキシシラン基等が挙げられる。これらの官能基は、不飽和単量体の1分子中に1種あってもよく、2種以上あってもよい。
【0021】
上記官能基を有する不飽和単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−i−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性不飽和単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有不飽和単量体類等が挙げられる。これらの中でも、官能基を2個以上有する不飽和単量体(多官能性不飽和単量体)を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
本発明ではまた、上記単量体成分が、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜20質量%及び他の共重合可能なエチレン系不飽和単量体99.9〜80質量%を含んでなることが好ましい。エチレン系不飽和カルボン酸単量体を含むことにより、本発明の制振材用エマルションを必須とする制振材配合物において、無機粉体等の充填剤の分散性が向上し、制振性がより向上することになる。また、その他の共重合可能なエチレン系不飽和単量体を含むことにより、エマルションの酸価、Tgや物性等を調整しやすくなる。上記単量体成分において、エチレン系不飽和カルボン酸単量体が0.1質量%未満であっても、20質量%を超えても、いずれも、エマルションが安定に共重合できないおそれがある。
本発明におけるエマルションでは、これらの単量体から形成される単量体単位の相乗効果により、水系制振材において優れた加熱乾燥性と制振性とをより充分に発揮することが可能となる。
なお上記質量割合は、全単量体成分100質量%に対する質量割合である。
【0023】
上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノメチルマイエート、モノエチルマイエート等の不飽和カルボン酸類又はその誘導体等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0024】
上記他の共重合可能なエチレン系不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、上述した官能基を有する不飽和単量体や、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン等の芳香族不飽和単量体等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0025】
上記エマルションはまた、ガラス転移点(Tg)が−50〜40℃であることが好ましい。Tgが−50℃未満であっても40℃を超えても制振性が充分とはならないおそれがある。より好ましくは、−10〜20℃である。なおエマルションのTgは、エマルションを形成する各単量体の単独重合体のTgにより計算することができる。
【0026】
上記エマルションは、数平均分子量が小さいと、エマルションを必須とする本発明の制振材用エマルションを含んでなる制振材配合物において、無機粉体等の充填剤とエマルションとの親和性が向上して分散性が向上することになる。
【0027】
上記エマルションは、トルエン溶媒で測定したゲル分率が0〜45質量%であることが好ましい。本発明におけるゲル分率とは、エマルションから形成される皮膜のトルエン溶媒への溶解性を示す指標であり、ゲル分率が高い程トルエン溶媒への溶解性が少なくなることを意味する。ゲル分率は、樹脂の分子構造を反映するものであり、エマルションのゲル分率が45質量%を超えると、制振材配合物にしたときに充分な制振性が発揮されないおそれがある。また、制振性の温度依存性が大きくなり、例えば、特定の温度領域に制振性のピークを有することになる。優れた制振性が発揮されるようにするためには、5〜45質量%とすることが好ましい。より好ましくは、0〜30質量%である。
【0028】
上記ゲル分率の測定方法としては、例えば、以下に記載するようなトルエン不溶分測定方法により測定することが好ましい。
ゲル分率(トルエン不溶分)の測定方法
エマルションを離型紙上、0.2cm厚みの型枠中に流し込み、厚さ0.2cmのフィルムを作製する。このフィルムを2cm(縦)×2cm(横)×0.2cmに切りだし試験フィルムとする。この試験フィルムをトルエン100mlに浸漬し、室温において、マグネチックスターラーで6時間攪拌する。その後、100メッシュ金網で濾過し、濾液の固形分を求め、ゲル分を算出する。
【0029】
上記エマルションは、例えば、以下に記載するように制振材配合物を調製したときに、制振材配合物の損失係数(tanδ)が0.15以上であることが好ましい。すなわち、本発明におけるエマルションを用いて以下に記載するように制振材配合物を調製し、この制振材配合物から形成される皮膜の損失係数(tanδ)が0.15以上となることが好ましい。なお、制振性すなわち損失係数は用いる皮膜のtanδに相関し、tanδが高い程損失係数が高く制振性に優れていることになる。
上記損失係数(tanδ)が0.15未満であると、水系制振材において優れた制振性を発揮することができなくなるおそれがある。より好ましくは、0.16以上であり、更に好ましくは、0.18以上である。
【0030】
制振材配合物の組成
エマルション 100重量部
炭酸カルシウム:NN♯200(商品名、日東粉化工業社製) 250重量部
分散剤:デモールEP(商品名、花王社製) 1重量部
増粘剤:アクリセットWR−600(商品名、日本触媒社製) 2重量部
消泡剤:ノプコ8034L(商品名、サンノプコ社製) 0.3重量部
【0031】
損失係数(tanδ)の測定方法
上記制振材配合物をカチオン電着塗装鋼板(15幅×250長さ×厚み0.8mm)上、3mm厚の型枠中に流し込み、150℃×30分乾燥し、試験片とする。この試験片について小野測器社製の損失係数測定システム・片持ち梁法を用いて25℃の測定環境の損失係数を測定する。
【0032】
上記エマルションの製造方法について以下に説明する。
上記エマルションは、不飽和カルボン酸単量体を必須とする単量体成分を重合してなる。単量体成分を重合する方法としては、例えば、乳化重合法を好適に適用することができる。乳化重合を行う形態としては特に限定されず、例えば、水性媒体中に単量体成分、重合開始剤及び界面活性剤を適宜加えて重合することにより行うことができる。また、分子量調節のために重合連鎖移動剤等を用いてもよい。
【0033】
上記水性媒体としては特に限定されず、例えば、水、水と混じり合うことができる溶媒の1種又は2種以上の混合溶媒、このような溶媒に水が主成分となるように混合した混合溶媒等が挙げられる。これらの中でも、水を用いることが好ましい。
【0034】
上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、ブチルハイドロパーオキサイド等の公知の水溶性又は油溶性開始剤等が挙げられる。また、乳化重合を促進させるため、還元剤として亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸等を用いてレドックス系開始剤としてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
上記重合開始剤の使用量としては特に限定されず、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、全単量体成分100重量部に対して、0.1〜2重量部とすることが好ましい。より好ましくは、0.2〜1重量部である。
【0036】
上記界面活性剤としては特に限定されず、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、ノニオンアニオン性乳化剤のいずれの乳化剤も使用することができる。これらの乳化剤の中でも、乳化重合安定性の点でノニオン性乳化剤、ノニオンアニオン性乳化剤を用いることが好ましく、ノニオン性乳化剤とノニオンアニオン性乳化剤とを併用するのがより好ましい。アニオン性乳化剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸石鹸、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
上記界面活性剤の使用量としては特に限定されず、乳化剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、全単量体成分100重量部に対して、0.05〜5.0重量部とすることが好ましい。より好ましくは、0.1〜3重量部である。
【0038】
上記重合連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素;メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトピロピオン酸トリデシルエステル等のメルカプトカルボン酸アルキルエステル;メルカプト酢酸メトキシブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステル等のメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステル;オクタン酸2−メルカプトエチルエステル等のカルボン酸メルカプトアルキルエステルや、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、アニソール、アリルアルコール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を用いることが好ましい。重合連鎖移動剤の使用量としては、例えば、全単量体成分100重量部に対して、通常0〜1重量部、好ましくは0〜0.5重量部である。
【0039】
上記乳化重合においては、必要に応じて、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレート剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の分散剤や無機塩等の存在下で行ってもよい。また、単量体成分や重合開始剤等の添加方法としては、例えば、一括添加法、連続添加法、多段添加法等の方法を適用することができる。また、これらの添加方法を適宜組み合わせてもよい。
【0040】
上記乳化重合における反応条件としては、単量体成分の組成や用いる重合開始剤等に応じて適宜設定すればよい。重合温度は、例えば、5〜90℃とすることが好ましい。より好ましくは、20〜85℃である。重合時間は、例えば、3〜8時間とすることが好ましい。また、重合や滴下は攪拌下に行われることが好ましい。
【0041】
上記製造方法においては、乳化重合によりエマルションを製造した後、中和剤によりエマルションを中和することが好ましい。これにより、エマルションが安定化されることになる。中和剤としては特に限定されず、例えば、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等の三級アミン;アンモニア水;水酸化ナトリウム等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制振材用エマルションを必須とする制振材配合物から形成される塗膜の耐水性等が向上することから、塗膜の加熱時に揮散する揮発性塩基を用いることが好ましい。より好ましくは、加熱乾燥性が良好となり、制振性が向上することから、沸点が80〜360℃のアミンを用いることが好ましい。このような中和剤としては、例えば、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等の三級アミンが好適である。より好ましくは、沸点が130〜280℃のアミンを用いることである。
なお、上記沸点は、常圧での沸点である。
【0042】
上記中和剤の添加量としては特に限定されず、例えば、エマルションの酸価、すなわちエマルションが有する酸基1当量に対して中和剤の塩基が0.6〜1.4当量となるように添加することが好ましい。より好ましくは、0.8〜1.2当量である。
【0043】
本発明はまた、制振材配合物に配合されてなる多価金属酸化物でもある。
すなわち本発明においては、多価金属酸化物を制振材配合物に配合することにより、制振材配合物を構成する配合物の加熱乾燥性や、このような多価金属酸化物が必須として配合される制振材配合物から形成される制振材の制振性を向上することができることになる。
【0044】
上記多価金属酸化物としては、1種又は2種以上を用いることができ、好ましい形態としては、上述したのと同様である。また、多価金属酸化物とともに制振材配合物に配合される配合物、すなわち制振材配合物を構成するその他の配合物としては特に限定されず、例えば、上述したエマルション等が好適である。
【0045】
本発明の制振材用エマルションは、必要に応じて添加剤や溶剤等を配合することにより制振材配合物を製造することができるものである。このような、本発明の制振材用エマルションを必須とする制振材配合物は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0046】
本発明の制振材用エマルションを必須とする制振材配合物を製造する方法としては、制振材配合物に本発明の制振材用エマルションの必須成分であるエマルションと架橋剤とが含まれることになる限り特に限定されず、例えば、(1)上記エマルションと架橋剤とを予め混合した形態の制振材用エマルションを製造し、これと必要に応じて添加剤や溶剤等とを混合して制振材用エマルションを必須とする制振材配合物を製造する方法、(2)上記エマルションと架橋剤とを予め混合せず、必要に応じて添加剤や溶剤等を混合して制振材用エマルションを必須とする制振材配合物を製造する方法等が挙げられる。これらの方法において、添加順序は特に限定されるものではない。
【0047】
上記制振材配合物における制振材用エマルションの配合量としては、例えば、制振材配合物の固形分100質量%に対して、制振材用エマルションの固形分が30〜60質量%となるようにすることが好ましい。また、制振材配合物の固形分濃度としては、例えば、制振材配合物100質量%に対して10〜40質量%となるようにすることが好ましい。
【0048】
上記添加剤としては、例えば、充填剤、着色剤、防腐剤、分散剤、増粘剤、揺変剤、凍結防止剤、pH調整剤、消泡剤、湿潤剤、防錆剤、密着付与剤等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、充填剤を含むことが好ましい。
【0049】
上記充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン、ガラストーク等の無機質の充填剤;ガラスフレーク、マイカ等の鱗片状無機質充填剤;金属酸化物ウィスカー、ガラス繊維等の繊維状無機質充填剤等が挙げられる。
【0050】
上記充填剤の配合量としては、例えば、エマルションの固形分100重量部に対して、50〜400重量部とすることが好ましい。より好ましくは、100〜350重量部である。
【0051】
上記溶剤としては、本発明の作用効果を奏する限り特に限定されず、1種又は2種以上を用いることができる。また、溶剤の配合量としては、例えば、制振材配合物の固形分濃度が上述した範囲となるように適宜設定すればよい。
【0052】
上記制振材配合物の製造に用いる装置としては特に限定されず、例えば、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、スパイラルミキサー、ニーダー、ディゾルバー等が挙げられる。
【0053】
上記制振材配合物は、優れた加熱乾燥性と制振性とを発揮して、水系制振材を形成することができるものである。このような、本発明の制振材用エマルションを必須とする制振材配合物から形成される制振材は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0054】
上記制振材配合物は、例えば、基材に塗布して乾燥することにより制振材となる皮膜を形成することになる。基材としては特に限定されるものではない。また、制振材配合物を基材に塗布する方法としては、例えば、刷毛、へら、エアスプレー、エアレススプレー、モルタルガン、リシンガン等を用いて塗布することができる。
【0055】
上記制振材配合物の塗布量としては、用途や所望する性能等により設定すればよいが、例えば、乾燥時の皮膜の膜厚が0.5〜5.0mmとなるようにすることが好ましく、より好ましくは、1.5〜4.5mmである。
【0056】
上記制振材配合物を塗布した後、乾燥して皮膜を形成させる条件としては、例えば、加熱乾燥してもよく、常温乾燥してもよいが、効率性の点で加熱乾燥することが好ましく、本発明では加熱乾燥性に優れることから、好適である。加熱乾燥の温度としては、例えば、80〜210℃とすることが好ましい。より好ましくは、110〜160℃である。
【0057】
本発明の制振材用エマルションや多価金属酸化物を必須とする制振材配合物の用途としては特に限定されず、優れた加熱乾燥性と制振性とを発揮することができるため、例えば、自動車の室内床下の他、鉄道車両、船舶、航空機、電気機器、建築構造物、建設機器等に好適に適用することができる。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は、「重量部」を、「%」は、「質量%」を意味するものとする。
【0059】
実施例1
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン240.0部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート5.0部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を4.7部添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)7.3部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.9%、pHは8.6、粘度は110mPa・sであった。
【0060】
実施例2
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン240.0部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート5.0部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を4.7部添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)3.7部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.9%、pHは8.9、粘度は120mPa・sであった。
【0061】
実施例3
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン240.0部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート5.0部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を4.7部添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)2.4部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.7%、pHは8.5、粘度は100mPa・sであった。
【0062】
実施例4
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン242.5部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2.5部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を4.7部添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)7.3部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は53.1%、pHは8.8、粘度は190mPa・sであった。
【0063】
実施例5
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン242.5部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2.5部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して脱イオン水4.8部とジメチルエタノールアミン9.3部の混合液を添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)7.3部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.5%、pHは8.7、粘度は210mPa・sであった。
【0064】
実施例6
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン242.5部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2.5部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して脱イオン水3.1部とジエタノールアミン11.0部の混合液を添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)7.3部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.5%、pHは8.5、粘度は230mPa・sであった。
【0065】
実施例7
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン242.5部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2.5部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して脱イオン水4.8部とジメチルエタノールアミン9.3部の混合液を添加した。後にWS−600(商品名、水溶液タイプのオキサゾリン基含有物:日本触媒社製)5.0部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.6%、pHは9.0、粘度は135mPa・sであった。
【0066】
実施例8
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン242.5部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2.5部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して脱イオン水4.8部とジメチルエタノールアミン9.3部の混合液を添加した。後にK−2030(商品名、エマルションタイプのオキサゾリン基含有物:日本触媒社製)7.3部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.4%、pHは8.4、粘度は175mPa・sであった。
【0067】
実施例9
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン242.5部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、グリシジルメタクリレート2.5部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して脱イオン水4.8部とジメチルエタノールアミン9.3部の混合液を添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)7.3部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.9%、pHは8.6、粘度は155mPa・sであった。
【0068】
実施例10
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン242.5部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2.5部、アクリル酸7.5部、t−ドデシルメルカプタン1.0部を予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して脱イオン水4.8部とジメチルエタノールアミン9.3部の混合液を添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)7.3部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.9%、pHは9.0、粘度は200mPa・sであった。
【0069】
実施例11
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン242.5部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2.5部、アクリル酸7.5部、t−ドデシルメルカプタン1.0部を予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して脱イオン水4.8部とジメチルエタノールアミン9.3部の混合液を添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)3.7部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.8%、pHは9.0、粘度は180mPa・sであった。
【0070】
実施例12
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにスチレン295.8部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、トリメチロールプロパントリメタクリレート2.5部、アクリル酸5.0部、t−ドデシルメルカプタン1.0部を予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して脱イオン水4.8部とジメチルエタノールアミン9.3部の混合液を添加した。後にBacote 20T2(商品名、ジルコニアの分散体・20%ZrO2含有物:日本触媒社製)7.3部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は52.9%、pHは9.0、粘度は200mPa・sであった。
【0071】
比較例1
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン245.0部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、グリシジルメタクリレート5.0部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を4.7部添加した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は53.0%、pHは8.6、粘度は150mPa・sであった。
【0072】
比較例2
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水171.7部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート53.3部、スチレン240.0部、2−エチルヘキシルアクリレート189.2部、グリシジルメタクリレート10.0部、アクリル酸7.5部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)を20.0部及び20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)を50.0部、脱イオン水106.5部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に3.9%過硫酸カリウム水溶液65.8部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液60部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を4.7部添加した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は53.1%、pHは8.8、粘度は130mPa・sであった。
【0073】
実施例1〜12及び比較例1〜2において得られたエマルションについて、下記の評価試験を行った。その結果は、表1にそれぞれ示すとおりであった。
(評価方法)
実施例1〜12、比較例1〜2で得られた共重合エマルションを下記のとおり配合し、制振材配合物とした。この制振材配合物から次の物性を確認した。
アクリル共重合エマルション 148部
炭酸カルシウム:NN♯200(商品名、日東粉化工業社製) 240部
添加剤:プロピレングリコール 19部
分散剤:デモールEP(商品名、花王社製) 4.3部
増粘剤:アクリセットWR−600(商品名、日本触媒社製) 7部
消泡剤:ノプコ8034L(商品名、サンノプコ社製) 0.3部
【0074】
(1)加熱乾燥性試験
鋼板(商品名 SPCC−SD 75mm幅×150mm長さ×厚み0.8mm:日本テストパネル社製)の上に、作製した制振材配合物を配合物の塗布厚みが1.5mm、3.0mm、4.5mmとなるように塗布した。その後、熱風乾燥機を用いて、150℃で30分間乾燥し、得られた乾燥塗膜の膨れ・ワレ発生状態を以下の基準で評価した。
評価基準(目視評価)
〇:膨れ・ワレの発生なし
△:膨れ・ワレが少し発生
×:膨れ・ワレが多数発生
【0075】
(2)損失係数
鋼板(商品名 SPCC−SD 15幅×250長さ×厚み0.8mm:日本テストパネル社製)の上に、作製した制振材配合物を塗布し、熱風乾燥機を用いて、150℃で30分間乾燥した。塗布量は、この制振材配合物の配合物の厚みが1.5mm、3.0mm、4.5mmとなるように調整した。
制振性の測定は、小野測機社製の損失係数測定システムを用いて25℃の測定環境において片持ち梁法のtanδを測定し、制振性を評価した。すなわち、損失係数の値が大きい程、制振性が良いことを示す。
【0076】
【表1】
Figure 0003877066
【0077】
実施例13
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)7.8部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は55.3%、pHは8.9、粘度は650mPa・sであった。
【0078】
実施例14
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート127.2部、スチレン230.1、ブチルアクリレート170.8部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)15.7部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は55.2%、pHは8.8、粘度は700mPa・sであった。
【0079】
実施例15
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)31.4部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は55.1%、pHは8.9、粘度は800mPa・sであった。
【0080】
実施例16
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)44.8部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は55.3%、pHは8.9、粘度は650mPa・sであった。
【0081】
実施例17
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して中和剤としてジメチルエタノールアミンを6.7部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)31.4部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は55.0%、pHは9.1、粘度は900mPa・sであった。
【0082】
実施例18
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)57.1部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は55.0%、pHは8.9、粘度は550mPa・sであった。
【0083】
実施例19
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却してジメチルエタノールアミンを6.7部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)57.1部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は54.9%、pHは8.9、粘度は550mPa・sであった。
【0084】
実施例20
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)89.6部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は54.9%、pHは9.0、粘度は450mPa・sであった。
【0085】
実施例21
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)112.0部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は54.8%、pHは9.1、粘度は480mPa・sであった。
【0086】
実施例22
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却してジメチルエタノールアミンを6.7部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)112.0部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は54.6%、pHは9.1、粘度は480mPa・sであった。
【0087】
実施例23
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタアクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)168.0部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は54.5%、pHは9.1、粘度は550mPa・sであった。
【0088】
比較例3
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタクリレート132.6部、スチレン230.1、ブチルアクリレート170.8部、グリシジルメタクリレート5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。後にAZO−50(酸化亜鉛の分散体・50%酸化亜鉛含有物:日本触媒社製)31.4部を添加して30分間攪拌した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は55.1%、pHは6.1、粘度は1500mPa・sであった。
【0089】
比較例4
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けたセパラブルフラスコに脱イオン水170.5部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を70℃まで昇温した。一方上記滴下ロートにメチルメタクリレート126.9部、スチレン253.9部、2−エチルヘキシルアクリレート147.3部、グリシジルメタクリレート5.4部、アクリル酸5.4部、予め25%水溶液に調整したノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンフェニルエーテル:三洋化成工業社製)53.8部、20%水溶液に調整したハイテノールN−08(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩:第一工業製薬社製)21.5部及び脱イオン水129.3部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次にセパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら上記単量体乳化物を3時間かけて均一に滴下した。このとき同時に5%過硫酸カリウム水溶液53.9部、2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、76℃で3時間熟成後、冷却して25%のアンモニア水を5.1部添加した。それら乳化物を冷却後100メッシュのステンレス金網によりろ過を行い取り出した。これにより水性樹脂(共重合エマルション)を得た。得られた水性樹脂の不揮発分は55.3%、pHは8.6、粘度は680mPa・sであった。
【0090】
実施例13〜23及び比較例3〜4で得られた共重合エマルションを下記のとおりに配合し、制振材配合物とした。この制振材配合物を用いて、鋼板のかわりにカチオン電着塗装板を用いたこと以外は実施例1〜12と同様に評価試験(加熱乾燥性試験及び損失係数の測定)を行い、加熱乾燥性及び制振性を確認した。結果を表2及び表3に示した。
(制振材配合物の組成)
アクリル共重合エマルション 185部
炭酸カルシウム:NN♯200(商品名、日東粉化工業社製) 250部
分散剤:デモールEP(商品名、花王社製) 1部
増粘剤:アクリセットAT−2(商品名、日本触媒社製) 2部
消泡剤:ノプコ8034L(商品名、サンノプコ社製) 0.3部
【0091】
【表2】
Figure 0003877066
【0092】
【表3】
Figure 0003877066
【0093】
【発明の効果】
本発明の制振材用エマルションや多価金属酸化物は、上述のような構成よりなるため、優れた加熱乾燥性と制振性とを発揮する水系制振材を与える制振材配合物を形成することができる。本発明の制振材用エマルションや多価金属酸化物を必須とする制振材配合物は、自動車の室内床下の他、鉄道車両、船舶、航空機、電気機器、建築構造物、建設機器等に適用することができるものである。

Claims (3)

  1. 不飽和カルボン酸単量体を必須とする単量体成分を重合してなるエマルションと、架橋剤とを含んでなる制振材用エマルションであって、
    該不飽和カルボン酸単量体を必須とする単量体成分を重合してなるエマルションは、トルエン溶媒で測定したゲル分率が0〜30質量%であり、
    該架橋剤は、金属酸化物及び/又はオキサゾリン化合物である
    ことを特徴とする制振材用エマルション。
  2. 前記架橋剤は、多価金属酸化物である
    ことを特徴とする請求項1記載の制振材用エマルション。
  3. 前記多価金属酸化物は、酸化亜鉛を必須とし、
    前記制振材用エマルションは、エマルションの固形分100重量部に対して、酸化亜鉛を0.1〜20重量部含む
    ことを特徴とする請求項2記載の制振材用エマルション。
JP2002301514A 2001-10-19 2002-10-16 制振材用エマルション及び多価金属酸化物 Expired - Fee Related JP3877066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002301514A JP3877066B2 (ja) 2001-10-19 2002-10-16 制振材用エマルション及び多価金属酸化物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001322185 2001-10-19
JP2001-322185 2001-10-19
JP2002301514A JP3877066B2 (ja) 2001-10-19 2002-10-16 制振材用エマルション及び多価金属酸化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003193025A JP2003193025A (ja) 2003-07-09
JP3877066B2 true JP3877066B2 (ja) 2007-02-07

Family

ID=27615600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002301514A Expired - Fee Related JP3877066B2 (ja) 2001-10-19 2002-10-16 制振材用エマルション及び多価金属酸化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3877066B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101405353B (zh) 2002-02-04 2010-11-03 爱信化工株式会社 烘烤-干燥型水性阻尼涂料组合物
JP5765869B2 (ja) 2006-12-20 2015-08-19 ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company 液状適用音響減衰材
JP5046823B2 (ja) * 2007-09-20 2012-10-10 アイシン化工株式会社 水系塗布型制振材料
US7893151B2 (en) 2007-11-08 2011-02-22 Rohm And Haas Company Liquid-applied sound damping
JP5685002B2 (ja) * 2009-04-28 2015-03-18 株式会社日本触媒 制振材用エマルション及び制振材組成物
JP2015196118A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 株式会社日本触媒 制振性塗膜及びその製造方法
JP6510209B2 (ja) 2014-09-30 2019-05-08 株式会社日本触媒 塗布型加熱乾燥用制振材配合物用樹脂組成物
JP6714416B2 (ja) * 2016-03-30 2020-06-24 株式会社日本触媒 加熱乾燥用樹脂組成物
JP7455320B2 (ja) 2020-03-31 2024-03-26 国立大学法人東京工業大学 制振性塗膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003193025A (ja) 2003-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100744980B1 (ko) 제진재용 에멀션 및 내칩핑재용 에멀션
JP5030779B2 (ja) 制振材用エマルション
JPWO2007023819A1 (ja) 制振材用エマルション
WO2007023821A1 (ja) 制振材用エマルション
JP3877066B2 (ja) 制振材用エマルション及び多価金属酸化物
JP4245829B2 (ja) 制振材用共重合エマルション
JP2008133357A (ja) 制振材用重合体水性分散液、制振材用塗料及び制振材
JP4210616B2 (ja) 制振材用エマルション
JP4201626B2 (ja) 加熱乾燥用塗料組成物
JP4050058B2 (ja) 制振材又は耐チッピング材用共重合エマルション
JP4262128B2 (ja) 制振材用エマルション
JP2004115665A (ja) 水系制振材用エマルション
JP4229730B2 (ja) 制振材用エマルション
JP5815233B2 (ja) 制振材用エマルション樹脂組成物及び制振材
JP5284914B2 (ja) 制振材用樹脂組成物
JP4443089B2 (ja) 加熱乾燥用エマルション
JP5770432B2 (ja) 加熱乾燥用エマルション組成物、その製造方法及び制振材組成物
JP5685002B2 (ja) 制振材用エマルション及び制振材組成物
JP3804956B2 (ja) 制振材用エマルション
JP2009270064A (ja) 制振材用エマルション組成物
JP4346267B2 (ja) 制振材又は耐チッピング材用共重合エマルション
JP5679250B2 (ja) 制振材用配合物
JP4987061B2 (ja) 制振材及び耐チッピング材
JP2014156608A (ja) 制振材用配合物
JP2005281575A (ja) 水分散体樹脂組成物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3877066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131110

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees