JP2014177626A - 振動減衰材用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた振動減衰性を発揮し、塗膜に振動減衰効果が求められる用途において好適に用いることができる振動減衰材用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】単量体成分を重合してなるポリマーと、高分子系増粘剤と、可塑剤とを含むことを特徴とする振動減衰材用樹脂組成物。前記高分子系増粘剤は、ポリビニル系増粘剤、ポリビニルピロリドン系増粘剤、不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤、セルロース誘導体系増粘剤、及び、ポリエーテルウレタン変性物系増粘剤からなる群から選択された少なくとも1種である。
【選択図】なし

Description

本発明は、振動減衰材用樹脂組成物に関する。より詳しくは、各種構造体における振動を減衰させて振動に起因する機械的な揺れ及び騒音を防止して安定性及び静寂性を保つために使用される振動減衰材の材料等として有用な振動減衰材用樹脂、振動減衰材用樹脂組成物及びそれによって形成される振動減衰材に関する。
各種構造体における振動を減衰させて振動に起因する機械的な揺れ及び騒音を防止して安定性及び静寂性を保つために、振動減衰材が用いられている。振動減衰材は、例えば、自動車の室内床下等に用いられている他、鉄道車両、船舶、航空機や電気機器、建築構造物、建設機器等にも広く利用されている。このような振動減衰材に用いられる材料としては、従来、振動吸収性能及び吸音性能を有する材料を素材とする板状成形体やシート状成形体等の成形加工品が使用されている。一方で、振動や音響の発生箇所の形状が複雑な場合には、これらの成形加工品を振動発生箇所に適用することが困難であることから、作業性を改善して振動減衰効果を充分に発揮させるための手法が種々検討されている。例えば、自動車の室内床下等には無機粉体を含んだアスファルトシートが用いられてきたが、熱融着させる必要性があることから、作業性等の改善が望まれており、振動減衰材を形成する種々の振動減衰材用樹脂組成物や重合体の検討がなされている。
このように、成形加工品の代替材料として、塗布型振動減衰材(塗料)が開発されており、例えば、該当箇所にスプレーにより吹き付けるか又は任意の方法により塗布することにより形成される塗膜により、振動減衰効果及び吸音効果を得ることが可能な振動減衰塗料が種々提案されるに至っている。具体的には、例えば、アスファルト、ゴム、合成樹脂等の展色剤に合成樹脂粉末を配合して得られる塗膜硬度を改良した水系振動減衰塗料の他、自動車の室内用に適するものとして、樹脂エマルションに充填剤として活性炭を分散させた振動減衰塗料等が開発されている。しかしながら、これらの従来品をもってしても未だ、振動減衰性能が充分に満足できるレベルにあるとはいえず、更に充分に振動減衰性能を発揮できるようにする技術が求められている。
このような振動減衰材用途に用いられる樹脂組成物として、極性基を有する樹脂エマルジョンと、該樹脂エマルジョンの極性基との水素結合の形成および制御の可能な水素結合形成能を有し、一分子中少なくとも一つのヒドロキシル基を有する芳香属化合物として特定の化合物とを含み、更に無機充填剤を含む制振塗料組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、母材となる特定の高分子に、母材における双極子モーメント量を増加させるベンゾトリアゾール基を持つ化合物、及びジフェニルアクリレート基を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以上からなる活性成分が含まれたエネルギー変換組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、塗料組成物中に、同塗料成分における双極子モーメント量を増加させる活性成分を含む制振塗料において、塗膜成分としてカルボキシル基で置換したアクリル系ポリマーを用いたものが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。更に、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム、又は水系エマルジョン樹脂により構成されたマトリックス相中に、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン及びオクチル化ジフェニルアミンから選択された1種若しくは2種の化合物からなる分散相を有する有機減衰材料であって、前記分散相は、前記マトリックス相中において、前記化合物がミクロ相分離した分散相、又は、完全相溶した分散相であり、前記熱可塑性樹脂が特定の樹脂から選択される有機減衰材料が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特許第4172536号明細書 特許第3318593号明細書 国際公開第01/40391号 特許第4465023号明細書
上記のように、振動減衰材用途に用いられる樹脂組成物として種々の構成のものが開示されているが、このような樹脂組成物が用いられる用途においては、更に優れた振動減衰性を発揮する樹脂組成物が求められており、このような要求に応える振動減衰性をより向上させた樹脂組成物を開発することが課題となっている。
また、塗料として用いたときに塗料中の顔料等の分散が良好となる形態の組成物、塗布後に塗料がタレることがなく塗布後の外観が良好となる形態の組成物も望まれている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、優れた振動減衰性を発揮し、塗膜に振動減衰効果が求められる用途において好適に用いることができる振動減衰材用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、振動減衰材用樹脂組成物について種々検討し、単量体成分を重合してなるポリマーに可塑剤を含有させた組成物が、優れた振動減衰性能を示すことを見出した。
さらに、上記組成物に高分子系増粘剤を添加することにより、特に適した特性を示すことを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、単量体成分を重合してなるポリマーと、高分子系増粘剤と、可塑剤とを含むことを特徴とする振動減衰材用樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、単量体成分を重合してなるポリマー、高分子系増粘剤及び可塑剤を含むものであるが、これらをそれぞれ少なくとも1種ずつ含んでいればよく、2種以上含むものであってもよい。また、単量体成分を重合してなるポリマー、高分子系増粘剤及び可塑剤を含む限り、その他の成分を含んでいてもよい。
本発明において、振動減衰材用樹脂組成物が含む可塑剤は、振動減衰材用樹脂組成物の振動減衰性を向上させるために添加される成分である。
可塑剤を加えることによって樹脂組成物の性質が粘性体に近くなり、制振性(損失係数)が高くなる。
また、振動減衰材用樹脂組成物が高分子系増粘剤を含むことによって、塗料として用いたときに顔料分散性が向上するとともに塗布時のタレが抑制される。
また、本発明の振動減衰材用樹脂組成物から得られる塗膜は、外観に割れが生じることがなく、耐衝撃性が高く、柔軟性に優れて曲げても割れがたいものとなる。また、乾燥後に薄膜になるという効果も得られる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物が含む単量体成分を重合してなるポリマーは、本発明の作用効果を発揮することができる限り特に限定されないが、単量体成分として、不飽和カルボン酸単量体、窒素原子を有する不飽和単量体、芳香環を有する不飽和単量体、及び、不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体からなる群から選択された少なくとも1種の単量体を含むことが好ましい。
特に、不飽和カルボン酸単量体を含む単量体成分から得られたものであることが好ましい。より好ましくは、不飽和カルボン酸単量体及び不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体とを含む単量体成分から得られたものであることが好ましい。不飽和カルボン酸単量体としては、分子中に不飽和結合を含み、さらにカルボキシル基、カルボキシル基の塩、又は、カルボキシル基から誘導されるエステルを有する化合物であれば特に限定されるものではないが、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を含むことが好ましい。
また、不飽和カルボン酸単量体の他に、塩化ビニル、エチレン、ブタジエン、スチレン等も単量体として使用可能である。単量体成分を重合してなるポリマーとして、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等も使用可能である。
上記エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノメチルマレエート、モノエチルマレエート等の不飽和カルボン酸類又はその誘導体等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸から誘導されるエステル又は塩、及び、メタクリル酸から誘導されるエステル又は塩が単量体として好ましい。
なお、本明細書中、(メタ)アクリル酸系単量体とは、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基、又は、これらの基における水素原子が他の原子若しくは原子団に置き換わった基を有し、かつ、−COOH基を有する単量体である。(メタ)アクリル酸系単量体にはアクリル酸及びメタクリル酸が含まれる。
また、本明細書中、(メタ)アクリル系単量体とは、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基、又は、これらの基における水素原子が他の原子若しくは原子団に置き換わった基を有し、かつ、−COOH基がエステルとなった形態若しくは塩となった形態の単量体又はそのような単量体の誘導体である。(メタ)アクリル系単量体にはアクリレート及びメタクリレートが含まれる。
上記ポリマーの原料となる単量体成分としては、(メタ)アクリル系単量体を、全単量体成分100質量%に対して、20質量%以上含有するものであることが好ましい。より好ましくは、30質量%以上である。また、(メタ)アクリル系単量体を、全単量体成分100質量%に対して、100質量%以下含有するものであることが好ましい。
このような(メタ)アクリル系単量体の含有割合にすると、重合安定性に優れ、Tgの調整が容易であるため好ましい。
上記(メタ)アクリル系単量体のうち、−COOH基がエステルとなった形態の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ノニルアクリレート、ノニルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソノニルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート等;が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することが好適である。
上記(メタ)アクリル系単量体のうち、−COOH基が塩となった形態の単量体の場合、塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等であることが好ましい。金属塩を形成する金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の1価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の2価の金属原子;アルミニウム、鉄等の3価の金属原子が好適である。また、有機アミン塩としては、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩や、トリエチルアミン塩が好適である。
また、上記ポリマーの原料となる単量体成分における(メタ)アクリル酸系単量体の含有割合は、重合安定性の観点から全単量体成分100質量%に対して0〜20質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸系単量体を含むことにより、本発明の振動減衰材用樹脂組成物が、後述する無機質充填剤等の充填剤を含む場合、充填剤の分散性が向上し、振動減衰性がより向上することになる。
また、上記ポリマーは、その他の共重合可能なエチレン系不飽和単量体を単量体成分として含んでいてもよく、窒素原子を有する不飽和単量体、芳香環を有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体が含まれる。
その他の共重合可能なエチレン系不飽和単量体を含むことにより、ポリマーの酸価、Tgや物性等を調整しやすくなる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物がこれらの単量体から形成されるものであると、振動減衰性に加え、加熱乾燥性にも優れたものとすることが可能となる。
上記芳香環を有する不飽和単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等が挙げられる。好ましくはスチレンである。
すなわち、上記単量体成分を重合してなるポリマーが、スチレンを含む単量体成分から得られたスチレン(メタ)アクリル系重合体であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記単量体成分を重合してなるポリマーがスチレン(メタ)アクリル系重合体である場合、原料となる単量体成分は、単量体成分100質量%に対して、スチレン系単量体を1〜90質量%含むことが好ましい。より好ましくは、1〜80質量%であり、更に好ましくは、1〜70質量%である。また特に好ましくは、1〜50質量%であり、中でも特に好ましくは5〜45質量%であり、最も好ましくは10〜40質量%である。
上記窒素原子を有する不飽和単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−i−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。好ましくはアクリロニトリルである。
また、不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
上記単量体成分を重合してなるポリマーは、極性基含有単量体を含む単量体成分から得られたものであることが好ましい。振動減衰材用樹脂組成物が含むポリマーが極性基を有すると、ポリマーと可塑剤との相互作用が大きくなり、振動減衰性がより充分に発揮されることとなる。更に振動減衰材用樹脂組成物がポリマーを2種以上含む場合には、これらのポリマー間の相互作用がより大きなものとなり、ポリマー間の摩擦がより大きくなることから、振動減衰性がより充分に発揮されることとなる。
極性基含有単量体の含有割合は、単量体成分100質量%に対して40〜100質量%であることが好ましい。
極性基含有単量体の含有割合が40質量%より多いと、振動減衰性がより充分に発揮される。
より好ましくは45〜95質量%であり、更に好ましくは50〜90質量%である。
また更に、振動減衰材用樹脂組成物がポリマーを2種類以上含むと振動減衰性がより充分に発揮される。
上記極性基含有単量体が有する極性基としては、有機化合物において一般に極性基とされるものであればよいが、カルボン酸エステル、水酸基、ニトリル基、カルボキシル基、アミド基及びピロリドン基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、カルボン酸エステル、水酸基、及び/又はカルボキシル基である。
上記ポリマーを形成する単量体成分は、更に、官能基を有する不飽和単量体を含んでいてもよい。該官能基を有する不飽和単量体における官能基としては、例えば、エポキシ基、グリシジル基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジニル基、イソシアネート基、メチロール基、ビニルエーテル基、シクロカーボネート基、アルコキシシラン基等が挙げられる。これらの官能基は、不飽和単量体の1分子中に1種あってもよく、2種以上あってもよい。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有不飽和単量体類等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、官能基を1分子中に1つ有する単官能性不飽和単量体であってもよく、2つ以上有する多官能性不飽和単量体であってもよい。
上記多官能性不飽和単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−i−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物が単量体成分を重合してなるポリマーを2種以上含む場合、2種の重合体は、例えば、重量平均分子量やガラス転移温度、SP値、使用される単量体の種類、単量体の使用割合等の各種物性のうちいずれかにおいて異なるものであればよい。中でも、重量平均分子量、ガラス転移温度の少なくとも1つで差を有するものであることが好適である。
ガラス転移温度に差を有する2種類以上のポリマーを本発明の振動減衰材用樹脂組成物の構成で用いると、単純に2種類以上のポリマーを加えただけの構成と比較して、幅広い温度領域で振動減衰性能を発現させることが可能となる。
また、ポリマーを適宜選択することで、振動減衰性能を発現させる温度領域も任意に設定することが可能となる。
上記単量体成分を重合してなるポリマーは、ガラス転移温度が−25〜180℃であることが好ましい。ポリマーとして、このようなガラス転移温度を有するものを用いると、振動減衰材の実用温度域での振動減衰性能を効果的に発現することができることとなる。ポリマーのガラス転移温度は、より好ましくは−20〜150℃であり、更に好ましくは、−20〜120℃である。特に好ましくは、−15〜100℃であり、最も好ましくは−10〜80℃である。
なお、ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、既に得られている知見に基づいて決定されてもよいし、後述する単量体成分の種類や使用割合によって制御されてもよいが、理論上は、以下の計算式(1)より算出することができる。
Figure 2014177626
式中、Tg’は、ポリマーのTg(絶対温度)である。W1’、W2’、・・・Wn’は、全単量体成分に対する各単量体の質量分率である。Tg1、Tg2、・・・Tgnは、各単量体成分からなるホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度(絶対温度)である。
また、本発明の振動減衰材用樹脂組成物が単量体成分を重合してなるポリマーを2種以上含む場合、それらの中にガラス転移温度の差が5〜100℃である2種のポリマーを含むことが好ましい。
2種のポリマーのガラス転移温度の差が5℃以上100℃以下の場合には、高い振動減衰性を発現する温度域が充分に広くなる。
このようにガラス転移温度(Tg)に差を設けることにより、例えば、振動減衰材用途に適用したときに、幅広い温度領域下でより高い振動減衰性を発現させることが可能となり、特に実用的範囲である10〜60℃域での振動減衰性が格段に向上されることとなる。ガラス転移温度(Tg)の差は、より好ましくは5〜90℃であり、更に好ましくは5〜80℃である。
中でも更に好ましくは、5〜60℃であり、特に好ましくは、5〜50℃であり、最も好ましくは、5〜40℃である。
また、ガラス転移温度(Tg)の差の下限は、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、15℃以上が更に好ましい。
後述するように、本発明の振動減衰材用樹脂組成物が単量体成分を重合してなるポリマーを2種以上含む場合には、2種以上のポリマーがコア部とシェル部とを有するエマルションの形態で存在する場合も含まれる。
その場合には、コア部を形成するポリマーのガラス転移温度とシェル部を形成するポリマーのガラス転移温度の差が上記範囲にあることが好ましい。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物が、単量体成分を重合してなるポリマーが水系溶媒中にエマルションの形態で存在した水系のものである場合、振動減衰材用樹脂組成物が含むポリマーは1種であってもよく、2種以上であってもよい。2種以上のポリマーを含む場合、それらは、コア部とシェル部とを有するエマルションの形態であることが好ましい。
コア部とシェル部とを有するエマルション粒子を含む場合、コア部とシェル部とが完全に相溶し、これらを区別できない均質構造のものであってもよく、これらが完全には相溶せずに不均質に形成されるコア・シェル複合構造やミクロドメイン構造であってもよいが、これらの構造の中でも、エマルションの特性を充分に引き出し、安定なエマルションを作製するためには、コア・シェル複合構造であることが好ましい。
コア・シェル複合構造を有するエマルションは、実用温度範囲内の幅広い範囲における振動減衰性に優れる。特に高温域においても、他の形態の振動減衰材配合物と比較して優れた振動減衰性を発揮し、その結果、実用温度範囲内において、常温から高温域まで幅広い範囲に渡って振動減衰性能を発揮することができる。
なお、上記コア・シェル複合構造においては、コア部の表面がシェル部によって被覆された形態であることが好ましい。この場合、コア部の表面は、シェル部によって完全に被覆されていることが好適であるが、完全に被覆されていなくてもよく、例えば、網目状に被覆されている形態や、所々においてコア部が露出している形態であってもよい。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物がコア部とシェル部とを有するエマルション粒子を含む場合、(メタ)アクリル系単量体及び(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体は、エマルションのコア部を形成する単量体成分、シェル部を形成する単量体成分のいずれに含まれていてもよく、これらの両方に用いられるものであってもよい。
また、振動減衰材用樹脂組成物が、コア部とシェル部とを有するエマルション粒子を含む場合、コア部を構成する単量体成分の合計質量とシェル部を構成する単量体成分の合計質量との質量比(コア部/シェル部)が、30/70〜70/30であることが好ましい。このような範囲にあると、コア・シェル複合構造であることの効果をより充分に発揮することができる。より好ましくは、35/65〜65/35である。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物が含むポリマーの少なくとも1種がコア部とシェル部とを有するエマルション粒子の形態である場合、コア部を形成する単量体成分から得られるポリマーとシェル部を形成する単量体成分から得られるポリマーとは、重量平均分子量やガラス転移温度、SP値(溶解度係数)、使用される単量体の種類、単量体の使用割合等の各種物性のうちいずれかにおいて異なるものであればよいが、中でも、重量平均分子量、ガラス転移温度の少なくとも1つで差を有するものであることが好適である。
コア部を形成する単量体成分から得られるポリマーとシェル部を形成する単量体成分から得られるポリマーとのガラス転移温度(Tg)の差は、上述したポリマーを2種以上含む場合のガラス転移温度の差と同様であることが好ましい。
また、コア部を形成する単量体成分とシェル部を形成する単量体成分とを合わせたトータルの単量体成分からから得られるポリマーのTgは、−25〜180℃であることが好ましい。より好ましくは、−20〜150℃であり、更に好ましくは、−20〜120℃である。中でも更に好ましくは、−20〜100℃であり、特に好ましくは−15〜100℃であり、中でも特に好ましくは、−10〜100℃であり、最も好ましくは、−10〜80℃である。
上記コア部とシェル部とを有するエマルション粒子は、後述する乳化重合法(多段重合)を用いて得ることができる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物が単量体成分を重合してなるポリマーが水系溶媒中にエマルションの形態で存在した水系のものである場合、水系溶媒としては、後述するポリマーエマルションの製造の際に用いる水系溶媒と同様のものを用いることができる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物が単量体成分を重合してなるポリマーを2種以上含む場合、そのうち少なくとも1つのポリマーは、重量平均分子量が500〜150万であるものが好ましい。このような重量平均分子量のものを用いることで、振動減衰性をより高めることができる。より好ましくは、500〜100万であり、更に好ましくは、500〜50万であり、更に一層好ましくは、500〜30万である。特に好ましくは、500〜20万であり、中でも特に好ましくは、1000〜10万であり、最も好ましくは2000〜5万である。単量体成分を重合してなるポリマーの重量平均分子量は、後述するGPCを用いた方法により測定することができる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、振動減衰材用樹脂組成物の総量100質量%に対して、単量体成分を重合してなるポリマーを5〜80質量%含んでなるものが好ましい。
このようなポリマー含有量にすることで振動減衰性をより高めることができる。
より好ましくは、10〜80質量%含んでなるものである。更に好ましくは、15〜70質量%含んでなるものであり、特に好ましくは、20〜70質量%含んでなるものである。
上記単量体成分を重合してなるポリマーは、重量平均分子量が1万〜150万であることが好ましい。
重量平均分子量をこの範囲に設定することで、良好な加熱乾燥性が得られ、塗膜外観を損なわずに振動減衰性をより充分に発揮させることが可能となる。
ポリマーの重量平均分子量は、より好ましくは1万〜100万であり、更に好ましくは、2万〜40万であり、特に好ましくは、3万〜40万であり、最も好ましくは、4万〜40万である。
なお、単量体成分を重合してなるポリマーの重量平均分子量は、例えば、以下の測定条件下で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により求めることができる。
測定機器:HLC−8120GPC(商品名、東ソー社製)
分子量カラム:TSK−GEL GMHXL−Lと、TSK−GEL G5000HXL(いずれも東ソー社製)とを直列に接続して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
検量線用標準物質:ポリスチレン(東ソー社製)
測定方法:測定対象物を固形分が約0.2質量%となるようにTHFに溶解し、フィルターにてろ過した物を測定サンプルとして分子量を測定する。
上記単量体成分を重合してなるポリマーは、溶解度パラメータ(SP値)が7〜13であることが好ましい。ポリマーのSP値がこのような範囲にあると、可塑剤との相溶性に優れる。SP値はより好ましくは、7.3〜12.5であり、更に好ましくは、7.6〜12である。
ポリマーのSP値は、以下のSmallの式により求めることができる。
Figure 2014177626
式中、δは、ポリマーのSP値である。Δeは、ポリマーを構成する単量体各成分の蒸発エネルギーの計算値(kcal/mol)であり、ΣΔeは、ポリマーを構成する全単量体成分の当該計算値の合計値である。ΔVmは、ポリマーを構成する単量体各成分の分子容の計算値(ml/mol)であり、ΣΔVmは、ポリマーを構成する全単量体成分の当該計算値の合計である。xは、ポリマーを構成する単量体各成分のモル分布である。
なお、単量体成分の蒸発エネルギー、及び、単量体成分の分子容は、通常用いられる計算値を用いることができる。
このように、構成する単量体の種類及びその構成比を調整することによって、ポリマーのSP値を調整することができる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、可塑剤を含む。
好ましい可塑剤としては、例えば、芳香族炭化水素類、複素芳香族化合物類、有機酸類、及び、それらの変性物からなる群から選択された少なくとも1種である可塑剤が挙げられる。
本明細書中、「芳香族炭化水素類、複素芳香族化合物類、有機酸類、及び、それらの変性物からなる群から選択された少なくとも1種」とは、「芳香族炭化水素類、芳香族炭化水素類の変性物、複素芳香族化合物類、複素芳香族化合物類の変性物、有機酸類、及び、有機酸類の変性物からなる群から選択された少なくとも1種」と同義である。
可塑剤の重量平均分子量としては100〜4000であるものが好ましい。より好ましくは120〜3000であり、更に好ましくは140〜2000であり、特に好ましくは160〜1000である。可塑剤の重量平均分子量が上記範囲内であると、ポリマーとの相溶性に優れるため好ましい。
可塑剤の重量平均分子量を上記範囲に設定することで可塑剤のブリードアウトや加熱乾燥時の揮発を防止でき、振動減衰性を更に高めることが可能となる。
可塑剤の重量平均分子量は、例えば、以下の測定条件下で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により求めることができる。
測定機器:HLC−8120GPC(商品名、東ソー社製)
分子量カラム:TSK−GEL SuperHZ1000、TSK−GELSuperMultiporeHZ−M(いずれも東ソー社製)とを直列に接続して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
検量線用標準物質:ポリスチレン(東ソー社製)
測定方法:測定対象物を固形分が約0.2質量%となるようにTHFに溶解し、フィルターにてろ過した物を測定サンプルとして分子量を測定する。
可塑剤は極性構造を可塑剤の重量平均分子量1000に対して1個以上の割合で有することが好ましい。より好ましくは重量平均分子量900に対して1個以上であり、更に好ましくは重量平均分子量800に対して1個以上であり、更に一層好ましくは重量平均分子量700に対して1個以上であり、特に好ましくは重量平均分子量600に対して1個以上であり、最も好ましくは重量平均分子量500に対して1個以上である。
極性構造とはヘテロ原子を含む構造であり、好ましくはエステル基、水酸基(水酸基にはフェノール性水酸基を含む)、ニトリル基、アミン基、カルボキシル基、クロロ基、リン酸基、アミド基、ピロリドン基、エーテル(環状エーテルを含む)、チアゾール、トリアゾール、キノリンである。より好ましくはエステル基、水酸基、アミン基であり、更に好ましくは水酸基、アミン基であり、最も好ましくは水酸基である。
例えば、重量平均分子量200の可塑剤が1分子に1個のアミン基を持つ場合、重量平均分子量1000に換算すると5個の極性構造を持つことになる。
可塑剤が上記割合で、上記種類の極性構造を有することにより、ポリマーとの相溶性に優れ、可塑剤の溶出の無い塗膜が得られやすくなる。
可塑剤の好ましい流動点としては、−70〜200℃である。より好ましくは−60〜170℃であり、さらに好ましくは−50〜140℃であり、特に好ましくは−40〜110℃であり、最も好ましくは−30〜80℃である。
可塑剤が上記範囲に流動点を有するとポリマーとの相溶性に優れ、ポリマーと可塑剤とを含む本発明の振動減衰材用樹脂組成物の損失係数のピーク温度(DPTとする)の調整が容易になる。
可塑剤としての芳香族炭化水素類又は芳香族炭化水素類の変性物としては、例えば、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ビス(2−ブトキシエチル)、フタル酸ジトリデシル等のフタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)等のテレフタル酸エステル類、安息香酸グリコールエステル等の安息香酸エステル類、スチレン化フェノール類等が挙げられる。
さらに、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン(例えば、オクチル化ジフェニルアミン)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニルベンゼンジアミンとスチレン、2,4,4−トリメチルペンタンとの反応物等の芳香族第二級アミン類、1,3−ジフェニルグアニジン、N,N’−ジフェニルグアニジン、N,N’−ジオルトトリルグアニジン等のグアニジン類、N,N’−ジフェニルチオ尿素等のチオウレア類、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、n−ブチルアルデヒドアニリン等のアニリン類、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のジフェニルアクリレート類、2−ハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシド等のベンゾフェノン類、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロへキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−プロピルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビスフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,5−ジメチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2−メチル−5−エチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2−メチル−5−プロピルフェノール)、4,4’−エチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,7−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−〔(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4−ビニルフェノール、テトラキス(メチレン−ジ−t−ブチル−4−ヒドロハイドロシンナメート)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレ−ト、ペンタエリスリチル−テトラ[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、テトラキス(メチレン−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロハイドロシンナメート)、ハイドロキノン等のフェノール類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−1−ナフトール、2−アミノ−6−ヒドロキシナフトール等のナフトール類が挙げられる。
また、複素芳香族化合物類又は複素芳香族化合物類の変性物としては、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等のキノリン類、N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−(t−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジシクロへキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルスルフィド等のベンゾチアジル類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクチル、3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオン酸オクチル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ハイドロキシ−3’−(3,4,5,6−テトラハイドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−t−オクチルフェノール)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類等が挙げられる。
また、有機酸類又は有機酸類の変性物としては、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)等のアジピン酸エステル類、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル類、セバシン酸ジブチル等のセバシン酸エステル類、アゼライン酸ジヘキシル、アゼライン酸ジオクチル等のアゼライン酸類、ステアリン酸エステル類、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類、エポキシ化大豆油等のエポキシ化油脂類、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類、グリセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネート等のグリセリン類、トリエチレングリコールジカプレート類、ポリカプロラクトン類、アジピン酸ポリエステル等のポリエステル類等が挙げられる。
さらに、3,3’−チオビスプロピオン酸ジトリデシル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジドデシル等の有機チオ酸類、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト等の亜リン酸類、リン酸トリフェニル、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−ジ−2,6−キシレニルホスフェート、3,9−ビス(4−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファピロ[5.5]ウンデカン等のリン酸エステル類等が挙げられる。
また、その他の可塑剤としては、ポリエーテル類、ポリブテン類、塩素化パラフィン類等が挙げられる。
本明細書において、スチレン化フェノール類とは、フェノール類とスチレン類を反応原料として得られる有機低分子である。
フェノール類としては、例えば、フェノールの他、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン等の多価フェノール類、(o−,m−,p−)クレゾール、4−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルカテコール、4−オクチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール等のアルキルフェノール類、1−ナフトール、2−ナフトール、1,4−ジヒドロキシナフタレン、9,10−アントラセンジオール等の多環芳香族(多価)フェノール類が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−t−ブチルスチレン、4−ビニル安息香酸等が挙げられ、好ましくはスチレンである。
これらのフェノール類とスチレン類が反応して得られるスチレン化フェノール類としては、フェノールとスチレンが反応して得られるモノ(又はジ,トリ)(α−メチルベンジル)フェノールが好ましい。
スチレン化フェノール類が、モノ(又はジ,トリ)(α−メチルベンジル)フェノールである場合、モノ−α−メチルベンジルフェノール、ジ−α−メチルベンジルフェノール、トリ−α−メチルベンジルフェノールのうちの1種を含んでもよく、2種以上を含む混合物でもよい。上記2種以上の混合物の場合にそれらの配合割合は特に限定されるものではない。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物における可塑剤の含有量は、振動減衰材用樹脂組成物中の単量体成分を重合してなるポリマー100重量部に対して10〜2000重量部であることが好ましい。このような割合で可塑剤を含むことで、振動減衰材用樹脂組成物がより優れた振動減衰性を発揮するものとなる。より好ましくは、単量体成分を重合してなるポリマー100重量部に対して可塑剤を10〜1000重量部含んでなるものであり、更に好ましくは、10〜500重量部含んでなるものである。また特に好ましくは、10〜200重量部含んでなるものであり、中でも特に好ましくは、15〜180重量部含んでなるものであり、最も好ましくは、20〜160重量部含んでなるものである。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、高分子系増粘剤を含む。
好ましい高分子系増粘剤の構造例としては、ポリビニルアルコール系増粘剤、ポリビニルピロリドン系増粘剤、不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤、セルロース誘導体系増粘剤、及び、ポリエーテルウレタン変性物系増粘剤が挙げられる。
また、本発明の高分子系増粘剤の分類の例としては、チキソトロピー付与型増粘剤及びニュートン流動性付与型増粘剤が挙げられる。
ここで、本発明におけるチキソトロピー付与型増粘剤とは、液体の粘度を向上させる増粘剤であって、チキソトロピー(揺変性)を付与する作用を有するものをいう。一方ニュートン流動性付与型増粘剤とは、エマルションのような非ニュートン粘性の液体の性質を、ニュートン粘性に近づけるもの、即ち非ニュートン粘性の液体にニュートン流動性を付与する作用を有する増粘剤をいう。
これらのうち、本発明の高分子系増粘剤としては、チキソトロピー付与型増粘剤がより好ましい。
チキソトロピー付与型増粘剤は、低剪断粘度(η1)を増大させる作用が強く、それに比べて高剪断粘度(η2)を増大させる作用が弱い。この特性は本発明で用いる高分子系増粘剤として適した特性であるといえる。
チキソトロピー付与型増粘剤の具体例としては、不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤、例えばプライマル(登録商標)ASE−60、プライマルTT−615(ローム&ハース社製)、ゾーゲン(登録商標)100、ゾーゲン150、ゾーゲン200、ゾーゲン250、ゾーゲン350(第一工業製薬(株)製)、RHEOLATE1、RHEOLATE101、RHEOLATE430(RHEOX社製)、SNシックナーA−815、SNシックナーA−818(サンノプコ(株)製)、RHEOVIS CR(一方社油脂工業(株)製)、アロンB−300K、アロンA−7070(東亞合成(株)製)、チクゾールK−150B(共栄社油脂化学工業(株)製)、アクリセット(登録商標)WR−503A、アクリセットWR−507、アクリセットWR−650((株)日本触媒製)、ポリエーテルウレタン変性物系増粘剤、例えばアデカノール(登録商標)UH−462、アデカノールUH−752(旭電化工業(株)製)、RHEOLATE266、RHEOLATE288(RHEOX社製)が挙げられる。チキソトロピー付与型増粘剤として、これらの1種または2種以上を使用することができる。
ニュートン流動性付与型増粘剤の具体例として、不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤、例えばプライマルASE−75、プライマルASE−95、プライマルASE−108、プライマルRM−5(ローム&ハース社製)、SNシックナーA−850(サンノプコ(株)製)、ポリエーテルポリオール系の増粘剤、例えばRHEOLATE300、RHEOLATE310、RHEOLATE350(RHEOX社製)、SNシックナーA−801、SNシックナーA−806、SNシックナーA−816(サンノプコ(株)製)、チクゾールT−210、チクゾールT−212(共栄社油脂化学工業(株)製)、ポリエーテルウレタン変性物系増粘剤、例えばアデカノールUH−140S、アデカノールUH−420、アデカノールUH−438、アデカノールUH−472、アデカノールUH−450、アデカノールUH−540、アデカノールUH−550、アデカノールUH−541、アデカノールUH−526、アデカノールUH−530(旭電化工業(株)製)、RHEOLATE244、RHEOLATE255、RHEOLATE278(RHEOX社製)、SNシックナーA−803、SNシックナーA−804、SNシックナーA−807、SNシックナーA−812、SNシックナーA−814(サンノプコ(株)製)が挙げられる。上記のもの以外のニュートン流動性付与型増粘剤の具体例として、さらに、DKシックナーSCT−200、DKシックナーSCT−270(第一工業製薬(株)製)を挙げることができる。ニュートン流動性付与型増粘剤として、これらの1種または2種以上を使用することができる。
また、ポリビニルアルコール系増粘剤としては、PVA−105、PVA−CST、PVA−217、PVA−420H((株)クラレ製)等が挙げられる。
ポリビニルピロリドン系増粘剤としては、ポリビニルピロリドンK−30、K−85、K−90((株)日本触媒製)等が挙げられる。
不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤としては、上記チキソトロピー付与型増粘剤の具体例又はニュートン流動性付与型増粘剤の具体例として挙げた増粘剤が挙げられる。
セルロース誘導体系増粘剤としては、CMCダイセル2200、2260、2280、2450(ダイセルファインケム(株)製)、ポイズC−60H、C−150L(花王社製)等が挙げられる。
ポリエーテルウレタン変性物系増粘剤としては、上記チキソトロピー付与型増粘剤の具体例又はニュートン流動性付与型増粘剤の具体例として挙げた増粘剤が挙げられる。
これらの中でも、不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤がより好ましく、アルカリ可溶型の不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤がさらに好ましい。
不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤は、飽和カルボン酸単量体を重合してなるポリマーと併用した場合にポリマーとの親和性に優れるため好ましい。
高分子系増粘剤の添加量は、単量体成分を重合してなるポリマーの固形分100重量部に対する固形分換算で、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、さらに好ましくは0.25重量部以上で、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下である。
また、高分子系増粘剤の重量平均分子量は、好ましくは300,000以上、より好ましくは500,000以上、さらに好ましくは700,000以上、最も好ましくは1,000,000以上である。
高分子系増粘剤の重量平均分子量は、上述するGPCを用いた方法により測定することができる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物の損失正接(tanδ)のピーク温度(TPTとする)は、0℃以上100℃以下であることが好ましい。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物のTPTは、振動減衰材用樹脂組成物が含むポリマーと可塑剤と高分子増粘剤を混合した状態で測定した動的粘弾性測定での損失正接(tanδ)のピーク温度として定められる。
振動減衰材用樹脂組成物のTPTは0℃以上であることが好ましく、より好ましくは10℃以上であり、さらに好ましくは20℃以上である。
また、振動減衰材用樹脂組成物のTPTは100℃以下であることが好ましく、より好ましくは80℃以下であり、さらに好ましくは60℃以下である。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物のTPTがこのような範囲にあると、振動減衰材用樹脂組成物のDPTを実用温度域に調整することが容易であるため好ましい。
上記損失正接の測定方法としては、動的粘弾性測定により、損失正接tanδを求める方法を用いることができる。動的粘弾性測定は、例えば、レオメーター(RSAIII、TAinstruments社製、又は、ARES、TAinstruments社製)を用いて行うことができる。
上記損失正接のピーク温度は、表面が平滑なテフロン(登録商標)板上に乾燥後膜厚が0.2mmとなるように振動減衰材用樹脂組成物を塗布し、90℃で30分乾燥後、100℃で30分減圧乾燥し、長さ25mm×幅5mmのサイズに切り出したサンプルにより測定することができる。
又は、表面が平滑なテフロン(登録商標)板上に乾燥後膜厚が0.5mmとなるように振動減衰材用樹脂組成物を塗布し、90℃で30分乾燥後、100℃で30分減圧乾燥し、直径25mmのサイズに切り出したサンプルを用いた、ずりモードによる測定方法により行うことができる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、単量体成分を重合してなるポリマーが水系溶媒中にエマルションの形態で存在し、可塑剤及び高分子系増粘剤がポリマー中に含まれるか、または水系溶媒中にエマルションの形態で存在した水系の組成物であることが好ましい。
増粘剤がエマルションの水相に溶解した状態であることがとくに好ましい。
また、単量体成分を重合してなるポリマーが水系溶媒中にエマルションの形態で存在し、可塑剤及び高分子系増粘剤がポリマー中に含まれるか、または水系溶媒中にエマルションの形態で存在した水系の振動減衰材用樹脂組成物もまた、本発明の振動減衰材用樹脂組成物の好適な実施形態の1つである。
本発明において、振動減衰材用樹脂組成物の粘度は、特に限定されないが、振動減衰材用樹脂組成物が含むポリマー、可塑剤及び高分子系増粘剤を混合した状態で、B型回転粘度計を用いて測定した粘度として定められる。
B型回転粘度計を用いて、25℃、20rpmの条件下で測定した粘度(以下、高剪断粘度(η2))と、25℃、2rpmの条件下で測定した粘度(以下、低剪断粘度(η1))を測定して得られる、低剪断粘度(η1)と高剪断粘度(η2)の比(=η1/η2)をTI値と呼び、TI値が1以上9以下であることが好ましい。
TI値のより好ましい下限値は2であり、更に好ましい下限値は3である。
また、TI値のより好ましい上限値は8であり、更に好ましい上限値は7である。
また、高分子増粘剤を含まない、単量体成分を重合してなるポリマーと可塑剤が含まれる組成物の粘度は、25℃、20rpmの条件下で測定した粘度が10〜10000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは15〜8000mPa・sであり、更に好ましくは20〜6000mPa・sである。
このような粘度の振動減衰材用樹脂組成物を用いることで顔料の分散性が向上し、振動減衰性をより充分に発揮することが可能となる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、振動減衰材用樹脂組成物全体100質量%に対する、組成物中の不揮発分が20〜90質量%であることが好ましい。不揮発分量がこのような範囲にあることで、振動減衰材用樹脂組成物が塗布により塗膜を形成しやすく、また、塗膜がより優れた振動減衰性を発揮することとなる。組成物中の不揮発分は、より好ましくは、30〜87質量%であり、更に好ましくは、40〜84質量%である。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物が、単量体成分を重合してなるポリマーが水系溶媒中にエマルションの形態で存在した水系のものである場合、各エマルション粒子の平均粒子径は50〜450nmであるものであることが好ましい。
平均粒子径がこの範囲にあるエマルション粒子を用いることにより、振動減衰材に要求される加熱乾燥性、塗工性等の基本性能を充分なものとした上で、振動減衰性をより優れたものとすることができる。上記上限は、より好ましくは400nm以下であり、更に好ましくは350nm以下である。また、上記下限は、特に好ましくは、100nm以上である。エマルション粒子の平均粒子径がこのような範囲であると、本発明の振動減衰材用樹脂組成物の作用効果がより効果的に発揮されることになる。また、平均粒子径の下限は、好ましくは65nm以上であり、より好ましくは80nm以上である。
平均粒子径(体積平均粒子径)は、例えば、エマルションを蒸留水で希釈し、充分に攪拌混合した後、ガラスセルに約10ml採取し、これを動的光散法による粒度分布測定器(Particle Sizing Systems社製「NICOMP Model 380」)で測定することにより求めることができる。
上記平均粒子径を有するエマルション粒子は、標準偏差をその体積平均粒子径で割った値(標準偏差/体積平均粒子径×100)で定義される粒度分布が、40%以下であることが好ましい。より好ましくは30%以下である。粒度分布がこれらの範囲にあれば、エマルション粒子の粒子径分布の幅が適正なものとなり、振動減衰材用樹脂組成物が充分な加熱乾燥性を発揮することができる。
また、本発明の振動減衰材用樹脂組成物が水系の組成物である場合、組成物のpHとしては特に限定されないが、4〜12であることが好ましく、より好ましくは5〜11であり、更に好ましくは6〜10である。振動減衰材用樹脂組成物のpHは、当該樹脂に、アンモニア水、水溶性アミン類、水酸化アルカリ水溶液等を添加することによって調整することができる。
このようなpHにすると振動減衰材用樹脂組成物の機械的安定性が向上し、加熱乾燥時の塗膜外観を損なわず振動減衰性をより充分に発揮することが可能となる。
本明細書中、pHは、pHメーターにより測定することができる。例えば、pHメーター(堀場製作所社製「F−23」)を用いて25℃での値を測定することが好ましい。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、単量体成分を重合してなるポリマー、高分子系増粘剤及び可塑剤とを含むものである限り、その他の成分を含んでもよい。
その他の成分を含む場合、振動減衰材用樹脂組成物全体に対して、その他の成分の割合は、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。なお、ここでいうその他の成分とは、振動減衰材用樹脂組成物を塗布し、加熱乾燥した後も塗膜中に残る不揮発分(固形分)のことを意味し、水性媒体や有機溶媒は含まれない。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、固形分の含有割合が振動減衰材用樹脂組成物全体に対して40〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜80質量%である。
このような固形分の含有割合にすることで加熱乾燥性が向上し、塗膜外観を損なわず振動減衰性をより充分に発揮することが可能となる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物が含む単量体成分を重合してなるポリマーがエマルションの形態である場合、すなわち、本発明の振動減衰材用樹脂組成物が水系の振動減衰材用樹脂組成物である場合、本発明の振動減衰材用樹脂に含有されるポリマーは、乳化剤の存在下で乳化重合法により単量体成分を重合することになるが、乳化重合を行う形態としては特に限定されず、例えば、水性媒体中に単量体成分、重合開始剤及び乳化剤を適宜加えて重合することにより行うことができる。また、分子量調節のために重合連鎖移動剤等を用いることが好ましい。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物に含有されるポリマーがコア部とシェル部とを有するエマルションである場合、通常の乳化重合法を用いて得ることが好ましい。具体的には、乳化剤及び/又は保護コロイドの存在下、水系溶媒中で単量体成分を乳化重合させてコア部を形成した後、該コア部を含むエマルションに更に単量体成分を乳化重合させてシェル部を形成する多段重合により得ることが好ましい。このように、本発明の振動減衰材用樹脂組成物に含有されるポリマーがコア部とシェル部とを有するエマルションであって、該エマルションがコア部を形成した後、シェル部を形成する多段重合により得られるものである形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記水系溶媒としては特に限定されず、例えば、水、水と混じり合うことができる溶媒の1種又は2種以上の混合溶媒、このような溶媒に水が主成分となるように混合した混合溶媒等が挙げられる。これらの中でも、本発明の振動減衰材用樹脂組成物を含む塗料を塗布する際の安全性や環境への影響を考慮すると、水が好適である。
上記乳化剤の使用量としては、重合性不飽和結合基を有する化合物の総量100質量%に対して、好ましくは0.1〜10質量%である。より好ましくは0.5〜7質量%であり、更に好ましくは1〜6質量%である。これらの範囲に使用量があれば、機械安定性を充分に向上でき、重合安定性も充分に維持できる。
上記乳化剤としては、アニオン性(系)、カチオン性(系)、ノニオン性(系)、両性の各種界面活性剤、及び、高分子界面活性剤の1種又は2種以上を用いることができる。
上記アニオン系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシアルキレン(モノ、ジ、トリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(モノ、ジ、トリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルコハク酸ジ塩;ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等のアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノエート;スルホン化パラフィン塩等のアルキルスルホネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルスルホネート;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記アニオン系界面活性剤として好適な市販品としては、例えば、ラテムルWX、ラテムル118B、ペレックスSS−H、エマルゲンA−60、B−66、レベノールWZ(花王社製)、ニューコール707SF、ニューコール707SN、ニューコール714SF、ニューコール714SN、AB−26S、ABEX−2010、2020、2030、DSB(ローディア日華社製)等を挙げることができる。
また、これらのノニオンタイプに相当する界面活性剤も使用することができる。
上記アニオン系界面活性剤としては、また反応性界面活性剤として、反応性アニオン系界面活性剤、スルホコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤、アルケニルコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤等の1種又は2種以上を用いることができる。
スルホコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤の市販品としては、ラテムルS−120、S−120A、S−180及びS−180A(いずれも商品名、花王社製)、エレミノールJS−2(商品名、三洋化成工業社製)、アデカリアソープSR−10、SR−20、SR−30(ADEKA社製)等が挙げられる。
アルケニルコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤の市販品としては、ラテムルASK(商品名、花王社製)等が挙げられる。
更に、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルフォネート塩(例えば、三洋化成工業社製「エレミノールRS−30」、日本乳化剤社製「アントックスMS−60」等)、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルフォネー卜塩(例えば、第一工業製薬社製「アクアロンKH−10」等)等のアリル基を有する硫酸エステル(塩)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム(例えば、花王社製「ラテムルPD−104」等)等も用いることができる。
また、上記アニオン系界面活性剤としては、更に反応性界面活性剤として、下記の界面活性剤等も用いることができる。
炭素数3〜5の脂肪族不飽和カルボン酸のスルホアルキル(炭素数1〜4)エステル塩型界面活性剤、例えば、2−スルホエチル(メタ)アクリレートナトリウム塩、3−スルホプロピル(メタ)アクリレートアンモニウム塩等の(メタ)アクリル酸スルホアルキルエステル塩型界面活性剤;スルホプロピルマレイン酸アルキルエステルナトリウム塩、スルホプロピルマレイン酸ポリオキシエチレンアルキルエステルアンモニウム塩、スルホエチルフマル酸ポリオキシエチレンアルキルエステルアンモニウム塩等の脂肪族不飽和ジカルボン酸アルキルスルホアルキルジエステル塩型界面活性剤。
上記ノニオン系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪族エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル;グリセロールのモノラウレート等の脂肪族モノグリセライド;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミド又は酸との縮合生成物等が挙げられる。また、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン(例えば、ADEKA社製「アデカリアソープER−20」等)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(例えば、花王社製「ラテムルPD−420」、「ラテムルPD−430」等)等の反応性を有するノニオン系界面活性剤も用いることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記カチオン系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、エステル型ジアルキルアンモニウム塩、アミド型ジアルキルアンモニウム塩、ジアルキルイミダゾリニウム塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記両性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記高分子界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール及びその変性物;(メタ)アクリル系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)アクリル系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記界面活性剤の中でも、環境面からは、非ノニルフェニル型の界面活性剤を用いることが好適である。
上記保護コロイドとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;グアーガム等の天然多糖類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なお、保護コロイドは単独で使用されてもよいし、界面活性剤と併用されてもよい。
上記保護コロイドの使用量としては、使用条件等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、重合体を形成するのに用いられる単量体成分の総量100重量部に対して10重量部以下であることが好ましく、より好ましくは5重量部以下であり、特に好ましくは3重量部以下である。
このように保護コロイドを使用することで重合安定性や機械的安定性に優れたエマルションを得ることができる。
上記重合開始剤としては、熱によって分解し、ラジカル分子を発生させる物質であれば特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素とアスコルビン酸、t−ブチルヒドロパーオキサイドとロンガリット、過硫酸カリウムと金属塩、過硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス系重合開始剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記重合開始剤の使用量としては特に限定されず、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、重合体を形成するのに用いられる単量体成分の総量100重量部に対して、0.1〜2重量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1重量部である。
上記重合開始剤には、重合を促進させるため、必要に応じて還元剤を併用することができる。還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記還元剤の使用量としては特に限定されず、例えば、重合体を形成するのに用いられる単量体成分の総量100重量部に対して、0.05〜1重量部であることが好ましい。
上記重合連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素;メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトピロピオン酸トリデシルエステル等のメルカプトカルボン酸アルキルエステル;メルカプト酢酸メトキシブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステル等のメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステル;オクタン酸2−メルカプトエチルエステル等のカルボン酸メルカプトアルキルエステルや、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、アニソール、アリルアルコール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を用いることが好ましい。重合連鎖移動剤の使用量としては、例えば、全単量体成分100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは、10重量部以下である。更に好ましくは、5.0重量部以下、特に好ましくは2.0重量部以下、最も好ましくは1.0重量部以下である。
上記重合は、必要に応じて、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレート剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の分散剤や、無機塩等の存在下で行ってもよい。また、単量体成分や重合開始剤等の添加方法としては、例えば、一括添加法、連続添加法、多段添加法等の方法を適用することができる。また、これらの添加方法を適宜組み合わせてもよい。
上記製造方法における重合条件に関し、重合温度としては特に限定されず、例えば、0〜100℃であることが好ましく、より好ましくは40〜95℃である。また、重合時間も特に限定されず、例えば、1〜15時間とすることが好適で、より好ましくは5〜10時間である。
単量体成分や重合開始剤等の添加方法としては特に限定されず、例えば、一括添加法、連続添加法、多段添加法等の方法を適用することができる。また、これらの添加方法を適宜組み合わせてもよい。
本発明の水系の振動減衰材用樹脂組成物に含有されるポリマーの製造方法においては、乳化重合によりエマルションを製造した後、中和剤によりエマルションを中和することが好ましい。これにより、エマルションが安定化されることになる。
中和剤としては特に限定されず、例えば、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等の三級アミン;ジグリコールアミン、アンモニア水;水酸化ナトリウム等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、振動減衰材用樹脂組成物から形成される塗膜の耐水性等が向上することから、塗膜の加熱時に揮散する揮発性塩基を用いることが好ましい。より好ましくは、加熱乾燥性が良好となり、振動減衰性が向上することから、沸点が80〜360℃のアミンを用いることが好ましい。このような中和剤としては、例えば、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等の三級アミン、ジグリコールアミンが好適である。より好ましくは、沸点が130〜280℃のアミンを用いることである。
なお、上記沸点は、常圧での沸点である。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、必要に応じて他成分を含むことができる。特に、さらに顔料を含むことを特徴とする振動減衰材用樹脂組成物も本発明の好適な実施形態の1つである。
このような本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、優れた加熱乾燥性を有し、種々の機能を発揮することができ、特に優れた振動減衰性を発揮し得る振動減衰材を形成することができるものである。
上記振動減衰材用樹脂組成物が顔料を含む場合、振動減衰材用樹脂組成物の総量100質量%に対し、固形分を20〜90質量%含有してなることが好ましく、より好ましくは30〜90質量%であり、更に好ましくは40〜90質量%である。
このような固形分の含有割合にすることで加熱乾燥性が向上し、塗膜外観を損なわず振動減衰性をより充分に発揮することが可能となる。
上記顔料を含む振動減衰材用樹脂組成物における単量体成分を重合してなるポリマーの配合量としては、例えば、振動減衰材用樹脂組成物の固形分100質量%に対し、単量体成分を重合してなるポリマーの固形分が10〜60質量%となるように設定することが好ましく、より好ましくは15〜60質量%である。
このようなポリマーの配合量とすることで振動減衰性がより充分に発揮される。
上記振動減衰材用樹脂組成物が顔料を含む場合、振動減衰材用樹脂組成物のpHは、7〜11であることが好ましく、より好ましくは7〜9である。当該pHは、上述したものと同様の方法により測定することができる。
このようなpHであると顔料の分散性が向上し、振動減衰性がより充分に発揮される。
上記顔料としては、例えば、後述する着色剤や防錆顔料等の1種又は2種以上を使用することができる。上記顔料の配合量としては、振動減衰材用樹脂組成物中の単量体成分を重合してなるポリマーの固形分100重量部に対し、50〜700重量部とすることが好ましく、より好ましくは100〜550重量部である。
このような顔料の配合量であると顔料の分散性が向上し、振動減衰性がより充分に発揮される。
その他、本発明の振動減衰材用樹脂組成物に配合することのできる他の成分としては、例えば、発泡剤;溶媒;水系架橋剤;充填剤;分散剤;消泡剤;着色剤;防錆顔料;安定剤;湿潤剤;防腐剤;発泡防止剤;老化防止剤;防黴剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を振動減衰材用樹脂組成物の形態に合わせて適宜選択して使用することができる。
なお、上記他の成分は、例えば、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、スパイラルミキサー、ニーダー、ディゾルバー等を用いて、上記振動減衰材用樹脂組成物等と混合され得る。
上記発泡剤としては、例えば、低沸点炭化水素内包の加熱膨張カプセル、有機発泡剤、無機発泡剤等が好適であり、これらの1種又は2種以上を使用することができる。加熱膨張カプセルとしては、例えば、マツモトマイクロスフィアーF−30、F−50(松本油脂社製);エクスパンセルWU642、WU551、WU461、DU551、DU401(日本エクスパンセル社製)等が挙げられ、有機発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジン、p−オキシビス(ベンゼンスルホヒドラジド)等が挙げられ、無機発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、シリコンハイドライド等が挙げられる。
上記発泡剤の配合量としては、振動減衰材用樹脂組成物中の単量体成分を重合してなるポリマーの固形分100重量部に対し、0.5〜5.0重量部とすることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0重量部である。
このような発泡剤の配合量にすることで塗膜の加熱乾燥性が向上し、塗膜外観を損なわず振動減衰性をより充分に発揮することが可能となる。
上記溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。溶媒の配合量としては、振動減衰材用樹脂組成物中の単量体成分を重合してなるポリマーの固形分濃度が上述した範囲となるように適宜設定すればよい。
上記水系架橋剤としては、例えば、エポクロスWS−500、WS−700、K−2010、2020、2030(いずれも商品名、日本触媒社製)等のオキサゾリン化合物;アデカレジンEMN−26−60、EM−101−50(いずれも商品名、ADEKA社製)等のエポキシ化合物;サイメルC−325(商品名、三井サイテック社製)等のメラミン化合物;ブロックイソシアネート化合物;AZO−50(商品名、50質量%酸化亜鉛水分散体、日本触媒社製)等の酸化亜鉛化合物等が好適である。水系架橋剤の配合量としては、例えば、振動減衰材用樹脂組成物中の単量体成分を重合してなるポリマーの固形分100重量部に対し、固形分で0.01〜20重量部とすることが好ましく、より好ましくは0.15〜15重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
このような架橋剤の配合量にすることで塗膜の加熱乾燥性が向上し、塗膜外観を損なわず振動減衰性をより充分に発揮することが可能となる。
水系架橋剤は、上記可塑剤及び高分子増粘剤を加える前の単量体成分を重合してなるポリマーに添加してもよいし、振動減衰材用樹脂組成物として他の成分を配合するときに同時に添加してもよい。上記振動減衰材用樹脂組成物に架橋剤を混合することにより、樹脂の強靱性が向上し、その結果、高温領域でより充分な高振動減衰性が発現する。中でもオキサゾリン化合物を用いることが好ましい。
上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン、ガラストーク、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、タルク、珪藻土、クレー等の無機質充填剤;ガラスフレーク、マイカ等の鱗片状無機質充填剤;金属酸化物ウィスカー、ガラス繊維等の繊維状無機質充填剤等が挙げられる。充填剤の配合量としては、振動減衰材用樹脂組成物中の単量体成分を重合してなるポリマーの固形分100重量部に対し、50〜700重量部とすることが好ましく、より好ましくは100〜550重量部である。
上記分散剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の無機質分散剤、及び、ポリカルボン酸系分散剤等の有機質分散剤が挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、シリコン系消泡剤等が挙げられる。
上記着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、ハンザイエロー、ベンジンイエロー、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等の有機又は無機の着色剤が挙げられる。
上記防錆顔料としては、例えば、リン酸金属塩、モリブデン酸金属塩、硼酸金属塩等が挙げられる。
上記他の成分としては更に、多価金属化合物を用いてもよい。この場合、多価金属化合物により、振動減衰材用樹脂組成物の安定性、分散性、加熱乾燥性や、振動減衰材用樹脂組成物から形成される振動減衰材の振動減衰性が向上することとなる。多価金属化合物としては特に限定されず、例えば、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記多価金属化合物の形態としては、例えば、粉体、水分散体や乳化分散体等であってよい。中でも、振動減衰材用樹脂組成物中への分散性が向上することから、水分散体又は乳化分散体の形態で使用することが好ましく、より好ましくは乳化分散体の形態で使用することである。
また、多価金属化合物の使用量は、振動減衰材用樹脂組成物中の固形分100重量部に対して、0.05〜5.0重量部とすることが好ましく、より好ましくは0.05〜3.5重量部である。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、制振材として用いられることが望ましい。
例えば振動減衰材用樹脂組成物を基材に塗布して乾燥することにより塗膜を形成し、制振材として利用することができる。
また、本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、塗料として用いられることが望ましく、塗料としての振動減衰材用樹脂組成物を基材に塗布して塗膜を形成することにより用いることができる。
振動減衰材用樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、刷毛、へら、エアスプレー、エアレススプレー、モルタルガン、リシンガン等を用いて塗布することができる。
上記振動減衰材用樹脂組成物を塗布した後、乾燥して塗膜を形成させる条件としては、加熱乾燥してもよく、常温乾燥してもよいが、効率性の点で加熱乾燥することが好ましい。加熱乾燥の温度の下限としては、110℃以上とすることが好ましく、より好ましくは120℃以上である。また、加熱乾燥の温度の上限としては、210℃以下とすることが好ましく、より好ましくは170℃以下である。
このような乾燥温度にすることで加熱乾燥性が向上し、塗膜外観を損なわず振動減衰性をより充分に発揮することが可能となる。
また、振動減衰材用樹脂組成物を乾燥、成形して塗膜を作製し、上記塗膜を基材の必要部位に貼り付けることによっても、制振材として利用することができる。
上記振動減衰材用樹脂組成物を振動減衰材用途に適用する場合、その振動減衰性は、振動減衰材用樹脂組成物から形成される膜の損失係数を測定することにより評価することができる。
損失係数は、振動減衰材に対して与えた振動がどの程度減衰したかを示すものである。上記損失係数は、数値が高いほど振動減衰性能に優れていることを示す。
上記損失係数の測定方法としては、共振周波数付近で測定する共振法が一般的であり、半値幅法、減衰率法、機械インピーダンス法がある。本発明の振動減衰材用樹脂組成物において、振動減衰材用樹脂組成物から形成される膜の損失係数としては、片持ち梁法を用いた共振法(3dB法)により測定することが好適である。片持ち梁法を用いる測定は、例えば、株式会社小野測機製のCF−5200型FFTアナライザーを用いて行うことができる。
また、上記損失係数は、冷間圧延鋼板(SPCC−SD:長さ250mm×幅10mm×厚み1.6mm)上に、長さ200mm×幅10mm×厚み3.0mmの塗膜容量で振動減衰材用樹脂組成物を塗布し、95℃×30分間乾燥後、130℃×60分間焼付け乾燥して被膜を形成することにより、測定することが好ましい。
損失係数の測定は、例えば、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃及び60℃の各温度における損失係数を共振法(3dB法)により測定し、各測定数値を滑らかな曲線で結び、その曲線のピーク値により評価するのが好ましく、上述したDPTはその曲線のピーク温度とするのが好ましい。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物のDPTは、0℃以上、100℃以下であることが好ましい。
また、振動減衰材用樹脂組成物のDPTは、0℃以上であることが好ましく、より好ましくは10℃以上であり、更に好ましくは20℃以上である。
また、振動減衰材用樹脂組成物のDPTは100℃以下であることが好ましく、より好ましくは80℃以下であり、更に好ましくは60℃以下である。
また、振動減衰材用樹脂組成物から形成される膜の実用温度範囲が通常では10〜60℃であるので、10、20℃、30℃、40℃、50℃及び60℃の各温度における損失係数を合計した値で振動減衰性能を評価してもよく、10、20℃、30℃、40℃、50℃及び60℃の各温度における損失係数を合計した総損失係数が大きいほど、振動減衰材用樹脂組成物から形成される膜の実用温度範囲である10〜60℃において優れた振動減衰性を発揮しているということができる。
本発明の振動減衰材用樹脂組成物は、上述の構成よりなり、単量体成分を重合してなるポリマーと可塑剤との相互作用により優れた振動減衰性を発揮し、さらに、高分子増粘剤を含有しているために塗料として用いたときに顔料分散性が向上するとともに塗布時のタレが抑制される。また、本発明の振動減衰材用樹脂組成物から得られる塗膜は、外観に割れが生じることがなく、耐衝撃性が高く、柔軟性に優れて曲げても割れがたいものとなる。
そのため、鉄道車両、船舶、航空機等の輸送機器や電気機器、建築構造物、建設機器等の塗布型の振動減衰材が用いられる各種用途に好適に用いることができる組成物である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
製造例1
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水150部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートに、メチルメタクリレート56.5部、スチレン90部、2−エチルヘキシルアクリレート96部、アクリル酸7.5部、t−ドデシルメルカプタン0.2部、予め20%水溶液に調整したレベノールWZ(商品名、花王社製)45部及び脱イオン水48.5部からなる第1段目の単量体乳化物を仕込んだ。
次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの4部、5%過硫酸カリウム水溶液2.5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液5部を添加し、初期重合を開始した。20分後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を120分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液25部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液25部を120分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持した。
次いで、滴下ロートにスチレン80部、メチルメタクリレート17.5部、ブチルアクリレート145部、アクリル酸7.5部、t−ドデシルメルカプタン0.2部、予め20%水溶液に調整したレベノールWZ(商品名、花王社製)45部及び脱イオン水48.5部からなる第2段目の単量体乳化物を仕込み、120分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液25部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液25部を120分かけて均一に滴下し、滴下終了後90分同温度を維持し、重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却後、25%アンモニア水5.7部を添加し、不揮発分54.5%、pH7.3、粘度700mPa・s、平均粒子径190nm、重量平均分子量16万、1段目のTg10℃、2段目のTg−10℃、トータルTg0℃のエマルションを得た。なお、各製造例において重量平均分子量の測定は、単量体成分を重合してなるポリマーのGPCによる重量平均分子量の測定方法により測定した。
製造例2
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水150部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートに、メチルメタクリレート70部、n−ブチルアクリレート25.5部、イソボルニルメタクリレート100部、アクリル酸4.5部、t−ドデシルメルカプタン0.16部、ラテムルPD−104(商品名、花王社製、20%水溶液)36部及び脱イオン水38.8部からなる第1段目の単量体乳化物を仕込んだ。
次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの4部、5%過硫酸カリウム水溶液2.5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液5部を添加し、初期重合を開始した。20分後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を120分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液25部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液25部を120分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持した。
次いで、滴下ロートにメチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルアクリレート63部、イソボルニルメタクリレート200.3部、アクリル酸6.75部、t−ドデシルメルカプタン0.24部、ラテムルPD−104(商品名、花王社製、20%水溶液)54部及び脱イオン水58.2部からなる第2段目の単量体乳化物を仕込み、120分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液25部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液25部を120分かけて均一に滴下し、滴下終了後90分同温度を維持し、重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却後、25%アンモニア水4.3部を添加し、不揮発分54.2%、pH7.4、粘度500mPa・s、平均粒子径200nm、重量平均分子量15万、1段目のTg100℃、2段目のTg80℃、トータルTg88℃のエマルションを得た。
製造例3
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水150部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートに、メチルメタクリレート277.5部、2−エチルヘキシルアクリレート90部、n−ブチルアクリレート125部、アクリル酸7.5部、t−ドデシルメルカプタン2.5部、ラテムルPD−104(商品名、花王社製、20%水溶液)90部及び脱イオン水97部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの4部、5%過硫酸カリウム水溶液2.5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液5部を添加し、初期重合を開始した。20分後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を240分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液50部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液50部を240分かけて均一に滴下し、滴下終了後90分同温度を維持し、重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却後、25%アンモニア水2.8部を添加し、不揮発分54.4%、pH7.3、粘度230mPa・s、平均粒子径190nm、重量平均分子量8万、Tg9℃のエマルションを得た。
製造例4
サランラテックスL123D(商品名、旭化成ケミカルズ社製、塩化ビニルエマルション)を準備した。
製造例5
ナルスターSR−115(商品名、日本エイアンドエル社製、SBRエマルション)を準備した。
製造例6
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水150部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートに、メチルメタクリレート45.0部、n−ブチルアクリレート25.0部、イソボルニルメタクリレート400.0部、アクリル酸30.0部、t−ドデシルメルカプタン2.5部、ラテムルPD−104(商品名、花王社製、20%水溶液)90部及び脱イオン水97部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの4部、5%過硫酸カリウム水溶液2.5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液5部を添加し、初期重合を開始した。20分後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を240分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液50部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液50部を240分かけて均一に滴下し、滴下終了後90分同温度を維持し、重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却後、25%アンモニア水11.3部を添加し、不揮発分54.0%、pH7.4、粘度8500mPa・s、平均粒子径180nm、重量平均分子量8万、Tg144℃のエマルションを得た。
製造例7
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水150部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートに、メチルメタクリレート214部、n−ブチルアクリレート34.5部、アクリル酸1.5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、予め20%水溶液に調整したレベノールWZ(商品名、花王社製)45部及び脱イオン水48.5部からなる第1段目の単量体乳化物を仕込んだ。
次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの4部、5%過硫酸カリウム水溶液2.5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液5部を添加し、初期重合を開始した。20分後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を120分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液25部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液25部を120分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持した。
次いで、滴下ロートにメチルメタクリレート147部、n−ブチルアクリレート97.5部、アクリル酸5.5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、予め20%水溶液に調整したレベノールWZ(商品名、花王社製)45部及び脱イオン水48.5部からなる第2段目の単量体乳化物を仕込み、120分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液25部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液25部を120分かけて均一に滴下し、滴下終了後90分同温度を維持し、重合を終了した。得られた反応液を室温まで冷却後、25%アンモニア水2.6部を添加し、不揮発分54.9%、pH7.2、粘度300mPa・s、平均粒子径190nm、重量平均分子量20万、1段目のTg20℃、2段目のTg90℃、トータルTg43℃のエマルションを得た。
製造例8
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水150部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートに、メチルメタクリレート250.0部、スチレン52.5部、2−エチルヘキシルアクリレート50.0部、n−ブチルアクリレート140.0部、アクリル酸7.5部、t−ドデシルメルカプタン2.5部、ラテムルPD−104(商品名、花王社製、20%水溶液)90部及び脱イオン水97部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの4部、5%過硫酸カリウム水溶液2.5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液5部を添加し、初期重合を開始した。20分後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を240分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液50部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液50部を240分かけて均一に滴下し、滴下終了後90分同温度を維持し、重合を終了した。得られた反応液を室温まで冷却後、25%アンモニア水2.8部を添加し、不揮発分54.3%、pH7.2、粘度800mPa・s、平均粒子径190nm、重量平均分子量7万、Tg19℃のエマルションを得た。
(実施例1〜10、比較例1、2)
表1に示すように、製造例1〜8で準備したポリマー(エマルション)に可塑剤(1)〜(4)を加えてポリマーと可塑剤の混合物を調製した。
表1には可塑剤の添加量を、ポリマーと可塑剤の不揮発分の合計100重量%に対する割合(重量%)で示した。
さらに、ポリマーと可塑剤の混合物に下記成分を配合し、振動減衰材用樹脂組成物を得た。
ポリマーと可塑剤の混合物 359部
炭酸カルシウム(NN♯200※1) 620部
カーボンブラック 1部
デンプン 46.8部
分散剤(アクアリックDL−40S※2) 6部
高分子増粘剤 4部
(実施例1、4〜6、10、比較例1はAを、実施例2、8、9はBを、実施例3はCを、実施例7はDを使用した。比較例2は増粘剤を使用しなかった)
A:アクリセットWR−650※3
B:アクリセットWR−503A※4
C:プライマルTT−615※5
D:プライマルASE−95※6
消泡剤(ノプコ8034L※7) 1部
発泡剤(F−30※8) 6部
※1:日東粉化工業株式会社製 充填材(平均粒子径20μm)
※2:株式会社日本触媒製 ポリカルボン酸型分散剤(有効成分44%)
※3:株式会社日本触媒製 アルカリ可溶性のアクリル系増粘剤、チキソトロピー付与型(有効成分30%)
※4:株式会社日本触媒製 アルカリ可溶性のアクリル系増粘剤、チキソトロピー付与型(有効成分30%)
※5:ローム&ハース株式会社製 アルカリ可溶性のアクリル系増粘剤、チキソトロピー付与型(有効成分30%)
※6:ローム&ハース株式会社製 アルカリ可溶性のアクリル系増粘剤、ニュートン流動性付与型(有効成分30%)
※7:サンノプコ株式会社製 消泡剤(主成分:疎水性シリコーン+鉱物油)
※8:松本油脂社製 発泡剤
<制振性試験>
得られた振動減衰材用樹脂組成物を冷間圧延鋼板(SPCC・幅15mm×長さ250mm×厚み1.5mm)上に3mmの厚みで塗布して150℃で30分間乾燥し、冷間圧延鋼板上に面密度4.0Kg/mの塗膜を形成した。制振性の測定は、片持ち梁法(損失係数測定システム、小野測機社製)を用いて、25℃における損失係数を共振法(3dB法)により測定した。損失係数のピーク高さが大きいほど制振性に優れる。
なお、半値幅とは損失係数のピークトップ値を1/2にした部分の、ピークの温度幅を示す。評価結果を表1に示した。
<顔料分散性及び塗膜外観の観察>
上記制振性試験で形成した塗膜等の外観を観察し、顔料分散性、塗布時のタレ及び塗膜外観を評価した。
評価結果を表1に示した。
<顔料分散性>
顔料分散性は、得られた振動減衰材用樹脂組成物を目視観察して評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:顔料のダマが無くカーボンの着色が均一で滑らかな外観
×:顔料のダマがあったりカーボンの着色が不均一な外観
<塗布時のタレ>
塗布時のタレは、電着塗装鋼板(エポキシ系カチオン電着塗装板:日本テストパネル社製、幅70mm×長さ150mm×厚み0.8mm)に、振動減衰材用樹脂組成物を厚みが4mmとなるように塗布し、垂直に立てて60℃30分熱処理後の、塗膜下部のタレた長さを計測することにより評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:10mm未満
○:10mm以上〜15mm未満
×:15mm以上
<塗膜外観>
上記制振性試験で形成した塗膜の目視外観を確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:塗膜に割れ無し
×:塗膜の割れ有り
割れとは鋼板との界面で剥れるような状態の割れや、塗膜表面のひび割れ等のことである。
<塗膜特性の評価>
上記制振性試験で形成した塗膜について、塗膜耐衝撃性、塗膜曲げ及び塗膜膜厚を評価した。
評価結果を表1に示した。
<塗膜耐衝撃性の評価>
上記制振性試験で形成した試験片の塗膜面に対して、重量100gの鋼球を高さ30cmの高さから落とした時の塗膜外観を観察した。評価基準は以下のとおりである。
試験温度は損失係数のピーク温度とした。
○:塗膜の割れや剥離無し
×:塗膜の割れや剥離有り
<塗膜曲げの評価>
上記制振性試験で形成した試験片の中央部を塗膜の塗布面とは逆方向に30度曲げた時の塗膜の状態を確認した。評価基準は以下のとおりである。
試験温度は損失係数のピーク温度とした。
○:塗膜の割れや剥離無し
×:塗膜の割れや剥離有り
<塗膜膜厚の評価>
上記制振性試験で形成した試験片の、鋼板を除いた塗膜の膜厚を評価した。
膜厚は、比較例1の膜厚を1.0とした相対値で示した。
Figure 2014177626
表1中、可塑剤(1)〜(4)はそれぞれ以下のものを表す。
(1):2,2’―メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(大内新興化学工業社製、商品名:ノクラックNS−6)
(2):スチレン化フェノール(大内新興化学工業社製、商品名:ノクラックSP)
(3):オクチル化ジフェニルアミン(大内新興化学工業社製、商品名:ノクラックAD−F)
(4):アルキル化ジフェニルアミン(大内新興化学工業社製、商品名:ノクラックODA)
実施例1〜10の振動減衰材用樹脂組成物は、損失係数のピーク高さが0.14以上と高くなっており、ピーク高さ×半値幅の値も4.5以上と大きいことから、振動減衰作用が大きく、優れた特性を示した。また、顔料分散性、塗布時のタレ、塗膜外観、塗膜耐衝撃性、塗膜曲げ特性にも優れていた。さらに、膜厚の薄い膜が得られていた。

Claims (6)

  1. 単量体成分を重合してなるポリマーと、高分子系増粘剤と、可塑剤とを含むことを特徴とする振動減衰材用樹脂組成物。
  2. 前記高分子系増粘剤は、ポリビニルアルコール系増粘剤、ポリビニルピロリドン系増粘剤、不飽和カルボン酸(共)重合体系増粘剤、セルロース誘導体系増粘剤、及び、ポリエーテルウレタン変性物系増粘剤からなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の振動減衰材用樹脂組成物。
  3. 前記可塑剤は、芳香族炭化水素類、複素芳香族化合物類、有機酸類、及び、それらの変性物からなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動減衰材用樹脂組成物。
  4. 前記高分子系増粘剤の重量平均分子量は、300,000以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の振動減衰材用樹脂組成物。
  5. 前記振動減衰材用樹脂組成物の、B型回転粘度計を用いて2rpmで測定した低剪断粘度(η1)と、B型回転粘度計を用いて20rpmで測定した高剪断粘度(η2)の比(η1/η2)が1〜9であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の振動減衰材用樹脂組成物。
  6. さらに顔料を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の振動減衰材用樹脂組成物。
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