JP2008248188A - 減衰性塗料 - Google Patents
減衰性塗料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008248188A JP2008248188A JP2007093865A JP2007093865A JP2008248188A JP 2008248188 A JP2008248188 A JP 2008248188A JP 2007093865 A JP2007093865 A JP 2007093865A JP 2007093865 A JP2007093865 A JP 2007093865A JP 2008248188 A JP2008248188 A JP 2008248188A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- parts
- damping
- coating film
- contained
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
【課題】加熱時間を短縮しても減衰性能を発揮させることの容易な減衰性塗料を提供する。
【解決手段】減衰性塗料には、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、無機充填剤とが含有されている。無機充填剤は、マイカ及び炭酸カルシウムである。減衰性塗料中の水分は、樹脂粒子100質量部に対して80〜112質量部の範囲で含有される。無機充填剤は、その水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有される。無機充填剤としての炭酸カルシウムは、マイカ100質量部に対して10〜100質量部の範囲で含有される。この減衰性塗料は、適用箇所において振動エネルギー、衝撃エネルギー等のエネルギーを減衰する機能を発揮する。
【選択図】なし
【解決手段】減衰性塗料には、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、無機充填剤とが含有されている。無機充填剤は、マイカ及び炭酸カルシウムである。減衰性塗料中の水分は、樹脂粒子100質量部に対して80〜112質量部の範囲で含有される。無機充填剤は、その水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有される。無機充填剤としての炭酸カルシウムは、マイカ100質量部に対して10〜100質量部の範囲で含有される。この減衰性塗料は、適用箇所において振動エネルギー、衝撃エネルギー等のエネルギーを減衰する機能を発揮する。
【選択図】なし
Description
本発明は、振動エネルギー、衝撃エネルギー等のエネルギーを減衰する減衰性塗料に関するものである。
従来、例えばベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物等は、各種樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与成分として知られている(特許文献1参照)。さらに、こうした減衰性付与成分と、塗膜を形成する樹脂成分とを含有する減衰性塗料が知られている(例えば特許文献2,3参照)。この減衰性塗料から得られる塗膜では、減衰性付与成分の作用によって、減衰性能が高められている。
国際公開第97/42844号パンフレット
国際公開第99/28394号パンフレット
国際公開第01/40391号パンフレット
最近では、環境に対する影響を配慮して、水系分散媒中に樹脂粒子が分散している水系樹脂分散液を減衰性塗料として使用する試みがなされている。こうした減衰性塗料から塗膜を形成するには、適用箇所に塗布された減衰性塗料を所定の温度で加熱することにより、減衰性塗料に含有される水系分散媒を揮発させる。このとき、水系分散媒は、例えば溶剤系の塗料に含まれる溶剤よりも揮発し難いため、水系樹脂分散液を含有する減衰性塗料においては塗膜の乾燥が不十分になり易い。このように塗膜の乾燥が不十分であると、塗膜の弾性が十分に得られないおそれがある。こうした塗膜の一部分に対して例えば圧縮力が加わった場合、その部分の塗膜は圧縮変形した状態で硬化することになる。このため、塗膜の厚さにばらつきが生じ易く、所望する減衰性能が発揮され難くなる。一方、樹脂粒子に対する水分量を削減することにより、塗膜の乾燥性が高まるように構成したとしても、塗膜の減衰性能が十分に発揮されないという問題があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱時間を短縮しても減衰性能を発揮させることの容易な減衰性塗料を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、無機充填剤とを含有し、該無機充填剤はマイカ及び炭酸カルシウムであり、適用箇所にて減衰性を発揮させるための減衰性塗料であって、
該減衰性塗料中において、水分は、前記樹脂粒子100質量部に対して80〜112質量部の範囲で含有され、前記無機充填剤は、前記水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有され、前記炭酸カルシウムは、前記マイカ100質量部に対して10〜100質量部の範囲で含有されることを要旨とする。
該減衰性塗料中において、水分は、前記樹脂粒子100質量部に対して80〜112質量部の範囲で含有され、前記無機充填剤は、前記水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有され、前記炭酸カルシウムは、前記マイカ100質量部に対して10〜100質量部の範囲で含有されることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の減衰性塗料において、前記塗膜に対して減衰性を付与する減衰性付与成分として、ベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物、及び正リン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を更に含有することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の減衰性塗料において、前記減衰性付与成分が、前記樹脂粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲で含有されることを要旨とする。
本発明によれば、加熱時間を短縮しても減衰性能を発揮させることが容易である。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における減衰性塗料には、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と無機充填剤とが含有されている。無機充填剤は、マイカ及び炭酸カルシウムである。この減衰性塗料中において、水分は、樹脂粒子100質量部に対して80〜112質量部の範囲で含有される。また、無機充填剤は、水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有される。また、炭酸カルシウムは、マイカ100質量部に対して10〜100質量部の範囲で含有される。
本実施形態における減衰性塗料には、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と無機充填剤とが含有されている。無機充填剤は、マイカ及び炭酸カルシウムである。この減衰性塗料中において、水分は、樹脂粒子100質量部に対して80〜112質量部の範囲で含有される。また、無機充填剤は、水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有される。また、炭酸カルシウムは、マイカ100質量部に対して10〜100質量部の範囲で含有される。
水系樹脂分散液に含有される樹脂粒子を構成する高分子材料としては、例えばアクリル系樹脂、アクリル/スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル/アクリル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン共重合ゴム、スチレン/ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、及びイソプレンゴムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。なお、これらの高分子材料は変性体であってもよい。
樹脂粒子は、単独種の高分子材料から形成されていてもよいし、複数種の高分子材料から形成されていてもよい。さらに、水系樹脂分散液には、これらの高分子材料から構成される樹脂粒子を単独で含有させてもよいし、複数種の樹脂粒子を含有させてもよい。
高分子材料の中でも、上述した減衰性付与成分によって高い減衰性能が発揮され易いという観点から、アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルを単量体とする単独重合体、これらの単独重合体の混合物、並びにこれらの単量体が重合した共重合体が挙げられる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、2−エチルヘキシルエステル、エトキシエチルエステル等が挙げられる。アクリル/スチレン系樹脂としては、上記アクリル系樹脂を形成する単量体と、スチレン単量体との共重合体が挙げられる。
樹脂粒子を分散する水系分散媒としては、水、及び水と一価アルコールとの混合液が挙げられる。一価アルコールとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる。水系樹脂分散液は、例えば乳化剤を含有した水溶液中に単量体及び重合開始剤を滴下する乳化重合等の周知の方法に従って得ることができる。
減衰性塗料中における水分の含有量は、樹脂粒子100質量部に対して80〜112質量部、好ましくは90〜112質量部、さらに好ましくは100〜112質量部である。この水分の含有量が樹脂粒子100質量部に対して80質量部未満の場合、樹脂粒子及び無機充填剤の分散性が十分に確保されない。一方、水分の含有量が樹脂粒子100質量部に対して112質量部を超える場合、減衰性塗料の乾燥性、すなわち塗膜の乾燥性が十分に得られない。
無機充填剤は、マイカ及び炭酸カルシウムであり、塗膜の減衰性を高めるために含有される。マイカは、天然マイカであってもよいし、合成マイカであってもよい。また、マイカは、膨潤性を高める処理が施された膨潤性マイカであってもよい。こうしたマイカの中でも、塗膜の乾燥性を高めるという観点から、天然マイカを含有させることが好ましい。減衰性塗料中における無機充填剤の含有量は、水分100質量部に対して170〜230質量部、より好ましくは180〜220質量部である。無機充填剤の含有量が水分100質量部に対して170質量部未満の場合、塗膜の減衰性が十分に得られないおそれがある。一方、無機充填剤の含有量が水分100質量部に対して230質量部を超える場合、塗膜が圧縮変形し易くなる傾向にあり、塗膜の減衰性が維持され難くなるおそれがある。
また、無機充填剤を構成する炭酸カルシウムの含有量は、マイカ100質量部に対して10〜100質量部、好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは20〜50質量部である。炭酸カルシウムの含有量がマイカ100質量部に対して10質量部未満の場合、塗膜の乾燥性が十分に得られないおそれがある。一方、炭酸カルシウムの含有量がマイカ100質量部に対して100質量部を超える場合、塗膜の減衰性が十分に得られないおそれがある。
減衰性付与成分は、塗膜中の双極子モーメント量を増大させることによって、振動エネルギー、衝撃エネルギー、音のエネルギー等のエネルギー(但し、光エネルギー及び電気エネルギーを除く)を効率的に熱エネルギーへ変換するために含有されることが好ましい。減衰性付与成分は、ベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物、及び正リン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物である。
ベンゾチアジル系化合物としては、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DCHBSA)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(OBS)、及びN,N−ジイソプロピルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DPBS)から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、ベンゼン環にアゾール基が結合したベンゾトリアゾールを母核とし、これにフェニル基が結合したものであって、2−[2′−ハイドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラハイドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(2HPMMB)、2−(2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2HMPB)、2−(2′−ハイドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(2HBMPCB)、2−(2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(2HDBPCB)、及び2−(2′−ハイドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2HOPB)から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
ジフェニルアクリレート系化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(ECDPA)、及びオクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(OCDPA)から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
正リン酸エステル系化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及び2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
減衰性付与成分の含有量は、樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部である。減衰性付与成分の含有量が樹脂粒子100質量部に対して1質量部未満の場合、上述したエネルギー変換作用が十分に得られないおそれがある。一方、減衰性付与成分の含有量が樹脂粒子100質量部に対して10質量部を超える場合、塗膜の塗膜が圧縮変形し易くなる傾向にあり、塗膜の減衰性が維持され難くなるおそれがある。
減衰性塗料には、その他の成分として、充填剤、ゲル化剤、発泡剤、発泡助剤、分散剤、粘度調整剤、増粘剤、流動改良剤、硬化剤、消泡剤、造膜助剤、凍結防止剤、沈降防止剤等を必要に応じて配合することが可能である。充填剤は、マイカ及び炭酸カルシウム以外の充填剤であって、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、珪藻土、ゼオライト、フェライト、カーボン等が挙げられる。これらの充填剤の含有量は、上述した無機充填剤の作用効果を阻害しないという観点から、樹脂粒子100質量部に対して好ましくは5質量部未満、より好ましくは3質量部未満、さらに好ましくは1質量部未満である。ゲル化剤としては、有機ゲル化剤と無機ゲル化剤とに分類され、有機ゲル化剤としてはでんぷん、でんぷん誘導体等が挙げられ、無機ゲル化剤としては硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。
減衰性塗料は、水系樹脂分散液、無機充填剤、水等を攪拌機等の公知の混合手段によって混合することによって調製することができる。
減衰性塗料を使用するには、まず減衰性塗料を適用箇所に塗布する。減衰性塗料の塗布方法は、減衰性塗料の流動性に応じて適宜選択すればよく、スリット等から減衰性塗料を吐出させるとともに適用箇所に塗布する方法の他、エアスプレーガン、エアレススプレーガン、刷毛塗り等の塗布手段を用いることが可能である。次に塗布した減衰性塗料を乾燥させることにより、塗膜を形成させる。こうした減衰性塗料の乾燥において、水系分散媒の揮発を促進して効率よく乾燥させるために、塗布した減衰性塗料は例えば100℃以上の温度環境下で加熱される。また、塗膜の急激な乾燥は、その厚さにばらつきが生じるといった不具合を招くおそれがあるため、例えば150℃未満の温度環境下、好ましくは140℃付近の温度環境下で加熱される。このとき、減衰性塗料には、水分が上述した含有量にて含有されている。このため、減衰性塗料、すなわち塗膜の乾燥性は高められ、より短時間の乾燥が実現される。さらに、減衰性塗料には、無機充填剤が所定の質量比で含有されているため、乾燥された塗膜の減衰性を高めることができる。
減衰性塗料を使用するには、まず減衰性塗料を適用箇所に塗布する。減衰性塗料の塗布方法は、減衰性塗料の流動性に応じて適宜選択すればよく、スリット等から減衰性塗料を吐出させるとともに適用箇所に塗布する方法の他、エアスプレーガン、エアレススプレーガン、刷毛塗り等の塗布手段を用いることが可能である。次に塗布した減衰性塗料を乾燥させることにより、塗膜を形成させる。こうした減衰性塗料の乾燥において、水系分散媒の揮発を促進して効率よく乾燥させるために、塗布した減衰性塗料は例えば100℃以上の温度環境下で加熱される。また、塗膜の急激な乾燥は、その厚さにばらつきが生じるといった不具合を招くおそれがあるため、例えば150℃未満の温度環境下、好ましくは140℃付近の温度環境下で加熱される。このとき、減衰性塗料には、水分が上述した含有量にて含有されている。このため、減衰性塗料、すなわち塗膜の乾燥性は高められ、より短時間の乾燥が実現される。さらに、減衰性塗料には、無機充填剤が所定の質量比で含有されているため、乾燥された塗膜の減衰性を高めることができる。
こうした塗膜は適用箇所において減衰性能を発揮する。減衰性塗料の減衰性能、すなわち減衰性塗料から得られる塗膜の減衰性能は、塗膜の損失係数によって示される。つまり、塗膜の損失係数が高ければ高いほど、塗膜の減衰性能が優れることが示される。塗膜の損失係数は、周知の中央加振法損失係数測定装置によって測定することができる。
減衰性塗料から形成される塗膜には、上述した減衰性付与成分が含有されていることが好ましい。こうした減衰性付与成分は、振動エネルギー、衝撃エネルギー、音のエネルギー等のエネルギー(但し、光エネルギー及び電気エネルギーを除く)が塗膜に伝わった際に、減衰性付与成分と塗膜を構成する高分子の分子鎖との相互作用によって、そうしたエネルギーが熱エネルギーに変換されると推測される。
減衰性塗料は、振動エネルギーを減衰する制振塗料、衝撃エネルギーを減衰する衝撃吸収塗料等として利用することができる。制振塗料の適用分野としては、例えば自動車、建材、家電機器、産業機械等が挙げられる。衝撃吸収塗料の適用分野としては、例えば靴、グローブ、各種防具、グリップ、ヘッドギア等のスポーツ用品、ギプス、マット、サポーター等の医療用品、壁材、床材、フェンス等の建材、各種緩衝材、各種内装材等が挙げられる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) 減衰性塗料には、それに含まれる樹脂粒子100質量部に対して水分が80〜112質量部の範囲で含有されているため、水分を含む塗膜の乾燥性が高められている。よって、水分を含む塗膜を加熱してその塗膜を十分に乾燥させるに際して、加熱時間を短縮することができる。さらに減衰性塗料には、無機充填剤としてのマイカ及び炭酸カルシウムが水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有されている。このため、乾燥された塗膜の減衰性が高められる。よって、こうした減衰性塗料によれば、減衰性塗料を塗布することで形成した塗膜の加熱時間を短縮しても、乾燥した塗膜の減衰性能を発揮させることが容易である。
(1) 減衰性塗料には、それに含まれる樹脂粒子100質量部に対して水分が80〜112質量部の範囲で含有されているため、水分を含む塗膜の乾燥性が高められている。よって、水分を含む塗膜を加熱してその塗膜を十分に乾燥させるに際して、加熱時間を短縮することができる。さらに減衰性塗料には、無機充填剤としてのマイカ及び炭酸カルシウムが水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有されている。このため、乾燥された塗膜の減衰性が高められる。よって、こうした減衰性塗料によれば、減衰性塗料を塗布することで形成した塗膜の加熱時間を短縮しても、乾燥した塗膜の減衰性能を発揮させることが容易である。
(2) 減衰性塗料には、上述した減衰性付与成分が含有されることで、塗膜の減衰性を高めることができる。さらに、減衰性付与成分が樹脂粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲で含有されることで、塗膜の減衰性が十分に発揮され易く、その減衰性能が維持され易くなる。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記樹脂粒子を構成する高分子材料がアクリル系樹脂である減衰性塗料。
・ 前記減衰性付与成分は、ベンゾチアジル系化合物である減衰性塗料。
・ 前記樹脂粒子を構成する高分子材料がアクリル系樹脂である減衰性塗料。
・ 前記減衰性付与成分は、ベンゾチアジル系化合物である減衰性塗料。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
水系樹脂分散液に対して、無機充填剤、水等を所定量配合して攪拌機によって混合することにより、表1に示す減衰性塗料を調製した。表1において、水系樹脂分散液(A)は、アクリル系エマルション(不揮発分55.0質量%、水45.0質量%)であり、水系樹脂分散液(B)は、メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルション(不揮発分50.0質量%、水50質量%)である。
(実施例1)
水系樹脂分散液に対して、無機充填剤、水等を所定量配合して攪拌機によって混合することにより、表1に示す減衰性塗料を調製した。表1において、水系樹脂分散液(A)は、アクリル系エマルション(不揮発分55.0質量%、水45.0質量%)であり、水系樹脂分散液(B)は、メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルション(不揮発分50.0質量%、水50質量%)である。
また、表1において、充填剤(a)及び充填剤(b)は、それぞれクラレ社製のマイカ200HK及び300Wを示しており、炭酸カルシウムは丸尾カルシウム社製のR重炭である。
減衰性付与成分を示す略号は以下の通りである。
CBS:N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド
TPP:トリフェニルホスフェート
なお、表1における減衰性塗料の配合量を示す数値の単位は、質量部であり、各実施例には、分散剤、増粘剤、界面活性剤、消泡剤、架橋剤、ゲル化剤及び発泡剤が同量配合されている。
CBS:N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド
TPP:トリフェニルホスフェート
なお、表1における減衰性塗料の配合量を示す数値の単位は、質量部であり、各実施例には、分散剤、増粘剤、界面活性剤、消泡剤、架橋剤、ゲル化剤及び発泡剤が同量配合されている。
(比較例1〜4)
各比較例では、表1に示す配合に変更した以外は各実施例と同様にして減衰性塗料を調製した。各比較例においても、分散剤、増粘剤、界面活性剤、消泡剤、架橋剤、ゲル化剤及び発泡剤が各実施例と同量配合されている。
各比較例では、表1に示す配合に変更した以外は各実施例と同様にして減衰性塗料を調製した。各比較例においても、分散剤、増粘剤、界面活性剤、消泡剤、架橋剤、ゲル化剤及び発泡剤が各実施例と同量配合されている。
<乾燥状態の評価>
各例の減衰性塗料を鋼板(厚さ0.8mm)に塗布した後、表1に示す加熱条件で乾燥することにより塗膜を形成し、これらの塗膜の乾燥状態について合否を判定した。すなわち、十分に乾燥されている塗膜を合格(○)、乾燥が不十分である塗膜を不合格(×)として表1に併記した。
各例の減衰性塗料を鋼板(厚さ0.8mm)に塗布した後、表1に示す加熱条件で乾燥することにより塗膜を形成し、これらの塗膜の乾燥状態について合否を判定した。すなわち、十分に乾燥されている塗膜を合格(○)、乾燥が不十分である塗膜を不合格(×)として表1に併記した。
<減衰性能の評価>
各例の減衰性塗料を鋼板(厚さ0.8mm)に塗布した後、表1に示す加熱条件で乾燥することにより塗膜を形成し、これらの塗膜を試験片とした。なお、鋼板に対する塗膜の厚みは、同一となるように塗布量を調整した。各例の試験片について、中央加振法損失係数測定装置(CF5200タイプ、小野測器(株)製)を用いて、20℃、40℃及び60℃における損失係数を測定した。その測定結果を表1に併記する。
各例の減衰性塗料を鋼板(厚さ0.8mm)に塗布した後、表1に示す加熱条件で乾燥することにより塗膜を形成し、これらの塗膜を試験片とした。なお、鋼板に対する塗膜の厚みは、同一となるように塗布量を調整した。各例の試験片について、中央加振法損失係数測定装置(CF5200タイプ、小野測器(株)製)を用いて、20℃、40℃及び60℃における損失係数を測定した。その測定結果を表1に併記する。
Claims (3)
- 塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、無機充填剤とを含有し、該無機充填剤はマイカ及び炭酸カルシウムであり、適用箇所にて減衰性を発揮させるための減衰性塗料であって、
該減衰性塗料中において、水分は、前記樹脂粒子100質量部に対して80〜112質量部の範囲で含有され、前記無機充填剤は、前記水分100質量部に対して170〜230質量部の範囲で含有され、前記炭酸カルシウムは、前記マイカ100質量部に対して10〜100質量部の範囲で含有されることを特徴とする減衰性塗料。 - 前記塗膜に対して減衰性を付与する減衰性付与成分として、ベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物、及び正リン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の減衰性塗料。
- 前記減衰性付与成分が、前記樹脂粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲で含有されることを特徴とする請求項2に記載の減衰性塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007093865A JP2008248188A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 減衰性塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007093865A JP2008248188A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 減衰性塗料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008248188A true JP2008248188A (ja) | 2008-10-16 |
Family
ID=39973516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007093865A Pending JP2008248188A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 減衰性塗料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008248188A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010235881A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Cci Corp | 制振塗料組成物 |
JP2010248294A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-04 | Cci Corp | 制振塗料組成物 |
JP2014177626A (ja) * | 2013-02-14 | 2014-09-25 | Nippon Shokubai Co Ltd | 振動減衰材用樹脂組成物 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07145331A (ja) * | 1993-11-24 | 1995-06-06 | Nippon Tokushu Toryo Co Ltd | 制振性を有する水系塗料 |
WO1999028394A1 (en) * | 1997-12-01 | 1999-06-10 | Shishiai-Kabushikigaisha | Vibration-damping paint |
WO1999038922A1 (fr) * | 1998-02-02 | 1999-08-05 | Shishiai-Kabushikigaisha | Materiau de revetement anti-vibrations |
JP2000044818A (ja) * | 1998-07-30 | 2000-02-15 | Tokai Rubber Ind Ltd | 高減衰材料組成物 |
JP2006249413A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-09-21 | Aisin Chem Co Ltd | 塗布型制振材料 |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007093865A patent/JP2008248188A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07145331A (ja) * | 1993-11-24 | 1995-06-06 | Nippon Tokushu Toryo Co Ltd | 制振性を有する水系塗料 |
WO1999028394A1 (en) * | 1997-12-01 | 1999-06-10 | Shishiai-Kabushikigaisha | Vibration-damping paint |
WO1999038922A1 (fr) * | 1998-02-02 | 1999-08-05 | Shishiai-Kabushikigaisha | Materiau de revetement anti-vibrations |
JP2000044818A (ja) * | 1998-07-30 | 2000-02-15 | Tokai Rubber Ind Ltd | 高減衰材料組成物 |
JP2006249413A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-09-21 | Aisin Chem Co Ltd | 塗布型制振材料 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010235881A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Cci Corp | 制振塗料組成物 |
JP2010248294A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-04 | Cci Corp | 制振塗料組成物 |
JP2014177626A (ja) * | 2013-02-14 | 2014-09-25 | Nippon Shokubai Co Ltd | 振動減衰材用樹脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2013142843A (ru) | Огнезащитные средства | |
JP2014136744A (ja) | 発泡性耐火塗料組成物 | |
JP2010235887A (ja) | 制振組成物 | |
JP2008248188A (ja) | 減衰性塗料 | |
JP4107435B2 (ja) | 減衰性塗料 | |
JP2006225441A (ja) | 減衰性付与剤及び減衰性塗料 | |
JP4221419B2 (ja) | 減衰性塗料 | |
JP5221487B2 (ja) | 減衰性樹脂組成物 | |
JP5396130B2 (ja) | 制振材料 | |
JP2008248185A (ja) | 減衰性塗料 | |
JP5221196B2 (ja) | 制振塗料組成物 | |
JP5049606B2 (ja) | 減衰性塗料 | |
JP2010235888A (ja) | 制振組成物 | |
JP2007262220A (ja) | 減衰性塗料の製造方法 | |
JP2009242450A (ja) | 制振塗料組成物 | |
JP2008248187A (ja) | 減衰性塗料 | |
JP2008248186A (ja) | 減衰性塗料 | |
JP2009242451A (ja) | 制振塗料組成物 | |
JP5221185B2 (ja) | 制振塗料組成物 | |
JP5523728B2 (ja) | 制振組成物 | |
JP5188859B2 (ja) | 制振塗料組成物 | |
JP3888460B2 (ja) | 衝撃吸収材料 | |
JP5558734B2 (ja) | 制振塗料組成物 | |
JP5113575B2 (ja) | 制振組成物 | |
JP2009249505A (ja) | 制振塗料組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100108 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120424 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120821 |