JP2008248185A - 減衰性塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温の環境下に保管されたとしても、減衰性能を発揮させることの容易な減衰性塗料を提供する。
【解決手段】減衰性塗料には、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、塗膜に対して減衰性を付与する減衰性付与成分とが含有されている。減衰性付与成分は、ベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物、及び正リン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物である。減衰性塗料には、更にグリコール類が含有される。グリコール類は、減衰性塗料中の水分100質量部に対して5質量部以上含有される。
【選択図】なし

Description

本発明は、振動エネルギー、衝撃エネルギー等のエネルギーを減衰する減衰性塗料に関するものである。
従来、例えばベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物等は、各種樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与成分として知られている(特許文献1参照)。さらに、こうした減衰性付与成分と、塗膜を形成する樹脂成分とを含有する減衰性塗料が知られている(例えば特許文献2,3参照)。この減衰性塗料から得られる塗膜では、減衰性付与成分の作用によって、減衰性能が高められている。
国際公開第97/42844号パンフレット 国際公開第99/28394号パンフレット 国際公開第01/40391号パンフレット
最近では、環境に対する影響を配慮して、水系分散媒中に樹脂粒子が分散している水系樹脂分散液を減衰性塗料として使用する試みがなされている。ところが、そうした減衰性塗料は、所定量の水分が含有されているため、低温の環境下の保管において凍結し易い。減衰性塗料の凍結が過剰に進行した場合、その減衰性塗料を解凍したとしても樹脂粒子が分散不良を起こす結果、得られる塗膜の減衰性能が十分に得られないおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温の環境下に保管されたとしても、減衰性能を発揮させることの容易な減衰性塗料を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、前記塗膜に対して減衰性を付与する減衰性付与成分とを含有する減衰性塗料であって、前記減衰性付与成分は、ベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物、及び正リン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、前記減衰性塗料中の水分100質量部に対してグリコール類を5質量部以上含有することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の減衰性塗料において、前記グリコール類の含有量が前記樹脂粒子100質量部に対して20質量部以下であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の減衰性塗料において、前記グリコール類として、エチレングリコール又はプロピレングリコールを含むことを要旨とする。
本発明によれば、低温の環境下に保管されたとしても、減衰性能を発揮させることが容易である。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における減衰性塗料には、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、塗膜に対して減衰性を付与する減衰性付与成分とが含有されている。減衰性塗料には、更にグリコール類が含有される。グリコール類は、減衰性塗料中の水分100質量部に対して5質量部以上含有される。
水系樹脂分散液に含有される樹脂粒子を構成する高分子材料としては、例えばアクリル系樹脂、アクリル/スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル/アクリル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン共重合ゴム、スチレン/ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、及びイソプレンゴムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。なお、これらの高分子材料は変性体であってもよい。
樹脂粒子は、単独種の高分子材料から形成されていてもよいし、複数種の高分子材料から形成されていてもよい。さらに、水系樹脂分散液には、これらの高分子材料から構成される樹脂粒子を単独で含有させてもよいし、複数種の樹脂粒子を含有させてもよい。
高分子材料の中でも、上述した減衰性付与成分によって高い減衰性能が発揮され易いという観点から、アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルを単量体とする単独重合体、これらの単独重合体の混合物、並びにこれらの単量体が重合した共重合体が挙げられる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、2−エチルヘキシルエステル、エトキシエチルエステル等が挙げられる。アクリル/スチレン系樹脂としては、上記アクリル系樹脂を形成する単量体と、スチレン単量体との共重合体が挙げられる。
樹脂粒子を分散する水系分散媒としては、水、及び水と一価アルコールとの混合液が挙げられる。一価アルコールとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる。水系樹脂分散液は、例えば乳化剤を含有した水溶液中に単量体及び重合開始剤を滴下する乳化重合等の周知の方法に従って得ることができる。
減衰性塗料中における水分の含有量は、樹脂粒子100質量部に対して好ましくは30〜300質量部、より好ましくは50〜200質量部、さらに好ましくは50〜150質量部である。この水分の含有量が樹脂粒子100質量部に対して30質量部未満の場合、樹脂粒子の分散性が十分に確保されないおそれがある。一方、水分の含有量が樹脂粒子100質量部に対して300質量部を超える場合、減衰性塗料の乾燥速度が遅延することで効率的に塗膜を形成することが困難となるおそれがある。
減衰性付与成分は、塗膜中の双極子モーメント量を増大させることによって、振動エネルギー、衝撃エネルギー、音のエネルギー等のエネルギー(但し、光エネルギー及び電気エネルギーを除く)を効率的に熱エネルギーへ変換するために含有される。減衰性付与成分は、ベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物、及び正リン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物である。
ベンゾチアジル系化合物としては、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DCHBSA)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(OBS)、及びN,N−ジイソプロピルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DPBS)から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、ベンゼン環にアゾール基が結合したベンゾトリアゾールを母核とし、これにフェニル基が結合したものであって、2−[2′−ハイドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラハイドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(2HPMMB)、2−(2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2HMPB)、2−(2′−ハイドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(2HBMPCB)、2−(2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(2HDBPCB)、及び2−(2′−ハイドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2HOPB)から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
ジフェニルアクリレート系化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(ECDPA)、及びオクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(OCDPA)から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
正リン酸エステル系化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及び2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
減衰性付与成分の含有量は、樹脂粒子と減衰性付与成分との合計量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。減衰性付与成分の含有量が20質量%を超える場合、塗膜の強度が低下することで塗膜に形状が長期にわたって維持され難くなる。さらに、減衰性付与成分の含有量は、樹脂粒子と減衰性付与成分との合計量に対して、好ましくは1質量%以上であり、最も好ましくは1〜10質量%である。減衰性付与成分の含有量が1質量%未満であると、優れた減衰性を付与することが困難になるおそれがある。
グリコール類は、水系分散媒の凝固点を低下させる成分である。グリコール類としては、グリコール及びグリセリンから選ばれる少なくとも一種を含む。グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びジエチレングリコールから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。グリコール類の中でも、安定性に優れるという観点から、エチレングリコール又はプロピレングリコールが好ましい。
減衰性塗料中におけるグリコール類の含有量は、減衰性塗料中の水分100質量部に対して5質量部以上であり、好ましくは6質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上である。一方、減衰性塗料中におけるグリコール類の含有量は、減衰性塗料中の水分100質量部に対して好ましくは40質量部以下、より好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である。グリコール類の含有量が、減衰性塗料中の水分100質量部に対して40質量部を超える場合、塗膜において外力による変形が生じ易くなることで、例えば長期の使用等に際して減衰性能が低下するおそれがある。
また、減衰性塗料中におけるグリコール類の含有量は、樹脂粒子100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。グリコール類の含有量が、樹脂粒子100質量部に対して20質量部を超えると、塗膜において、外力による変形が生じ易くなることで、例えば長期の使用等に際して減衰性能が低下するおそれがある。
減衰性塗料には、その他の成分として、充填剤、ゲル化剤、発泡剤、発泡助剤、分散剤、粘度調整剤、増粘剤、流動改良剤、硬化剤、消泡剤、造膜助剤、沈降防止剤等を必要に応じて配合することが可能である。減衰性塗料には、減衰性能を高めるという観点から、充填剤をさらに配合することが好適である。充填剤としては、マイカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、珪藻土、ゼオライト、フェライト、カーボン等が挙げられる。充填剤の配合量は、樹脂粒子と充填剤との合計量に対して例えば1〜80質量%が好適である。ゲル化剤としては、有機ゲル化剤と無機ゲル化剤とに分類され、有機ゲル化剤としてはでんぷん、でんぷん誘導体等が挙げられ、無機ゲル化剤としては硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。
減衰性塗料は、水系樹脂分散液、減衰性付与成分、グリコール類等を攪拌機等の公知の混合手段によって混合することによって調製することができる。調製された減衰性塗料は、例えば容器に充填されて使用時まで保管される。このとき、減衰性塗料には、上述した水分に対して所定量のグリコール類が含有されているため、減衰性塗料中に含まれる水分の凝固点は低下されている。このため、例えば寒冷地等において減衰性塗料を保管するに際して、減衰性塗料中に含まれる水分を要因とした凍結の進行が抑制される。そして、減衰性塗料の使用に先だって、減衰性塗料を例えば常温(25℃)の環境下に所定時間放置して減衰性塗料をその温度まで昇温する。ここで、保管時の減衰性塗料においては、凍結の進行が抑制されていたので、使用時の減衰性塗料において、それに含まれる樹脂粒子等の分散性が確保される。
減衰性塗料を使用するには、減衰性塗料を適用箇所に塗布した後、減衰性塗料を乾燥させることにより、塗膜を形成させる。減衰性塗料の塗布方法は、減衰性塗料の流動性に応じて適宜選択すればよく、スリット等から減衰性塗料を吐出させるとともに適用箇所に塗布する方法の他、エアスプレーガン、エアレススプレーガン、刷毛塗り等の塗布手段を用いることが可能である。
減衰性塗料から形成される塗膜には、上述した減衰性付与成分が含有されている。このため、振動エネルギー、衝撃エネルギー、音のエネルギー等のエネルギー(但し、光エネルギー及び電気エネルギーを除く)が塗膜に伝わった際に、減衰性付与成分と塗膜を構成する高分子の分子鎖との相互作用によって、そうしたエネルギーが熱エネルギーに変換されると推測される。その一方で、減衰性塗料の保管時において凍結の進行が抑制されていると、減衰性塗料中において樹脂粒子の分散性に加えて、減衰性付与成分の分散性も確保され易い。こうした樹脂粒子及び減衰性付与成分の分散性は、塗膜における減衰性付与成分の分散性に寄与すると推測され、その結果、塗膜において、例えば振動エネルギー等のエネルギーが効率よく減衰されるようになる。
減衰性塗料の減衰性能、すなわち減衰性塗料から得られる塗膜の減衰性能は、塗膜の損失係数によって示される。つまり、塗膜の損失係数が高ければ高いほど、塗膜の減衰性能が優れることが示される。塗膜の損失係数は、周知の中央加振法損失係数測定装置によって測定することができる。
減衰性塗料は、振動エネルギーを減衰する制振塗料、衝撃エネルギーを減衰する衝撃吸収塗料等として利用することができる。制振塗料の適用分野としては、例えば自動車、建材、家電機器、産業機械等が挙げられる。衝撃吸収塗料の適用分野としては、例えば靴、グローブ、各種防具、グリップ、ヘッドギア等のスポーツ用品、ギプス、マット、サポーター等の医療用品、壁材、床材、フェンス等の建材、各種緩衝材、各種内装材等が挙げられる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) 減衰性塗料には、それに含まれる水分100質量部に対してグリコール類が5質量以上含有されている。すなわち、減衰性塗料に含まれる水分の凝固点は、その水分に相溶しているグリコール類によって低下される。このため、低温の環境下における減衰性塗料の保管に際して、減衰性塗料中に含まれる水分を要因とした凍結の進行を抑制することが可能である。従って、減衰性塗料中の樹脂粒子及び減衰性付与成分の分散性は、使用時においても確保され易い。よって、低温の環境下に保管されたとしても、減衰性能を発揮させることが容易である。
(2) 例えば、減衰性塗料中に充填剤を含有させた場合には、樹脂粒子から形成される塗膜の強度を確保することで塗膜全体の変形が抑制されるようになる。グリコール類の含有量を樹脂粒子100質量部に対して20質量部以下とすることで、樹脂粒子から形成される塗膜の強度が確保され易くなる。このため、塗膜全体について外力による変形を抑制することができる結果、塗膜の減衰性能が長期にわたって発揮され易くなる。また、塗膜の圧縮変形を抑制することができる結果、塗膜の形成時における厚さが維持され易い。このため、塗膜の形成時の厚さに応じた減衰性能が発揮され易くなる。
(3) グリコール類として、エチレングリコール又はプロピレングリコールを含むことが好ましい。エチレングリコール又はプロピレングリコールは、化学的な安定性に優れているため、上述した減衰性付与成分の機能を阻害し難い。従って、減衰性付与成分の含有に応じた減衰性能が発揮され易い。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記樹脂粒子を構成する高分子材料がアクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種である減衰性塗料。
・ 前記減衰性付与成分がベンゾチアジル系化合物である減衰性塗料。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜9)
水系樹脂分散液に対して、減衰性付与成分、グリコール類、水等を所定量配合して攪拌機によって混合することにより、表1及び表2に示す減衰性塗料を調製した。表1及び表2において、水系樹脂分散液(A)は、アクリル系エマルション(不揮発分55.0質量%、水45.0質量%、ガラス転移点50℃)であり、水系樹脂分散液(B)は、メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルション(不揮発分50.0質量%、水50質量%、ガラス転移点30℃)である。また、減衰性付与成分の種類欄に示す略号は以下のとおりである。
CBS:N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド
TPP:トリフェニルホスフェート
また、表1及び表2において、充填剤(a)及び充填剤(b)は、それぞれクラレ社製のマイカ200HK及び300Wを示している。
なお、表1及び表2における減衰性塗料の配合量を示す数値の単位は、質量部であり、各実施例には、分散剤、増粘剤、界面活性剤、消泡剤、架橋剤、ゲル化剤及び発泡剤が同量配合されている。
(比較例1〜4)
各比較例では、表3に示す配合に変更した以外は各実施例と同様にして減衰性塗料を調製した。なお、表3における減衰性塗料の配合量を示す数値の単位は、質量部であり、各比較例には、分散剤、増粘剤、界面活性剤、消泡剤、架橋剤、ゲル化剤及び発泡剤が各実施例と同量配合されている。
<減衰性能の評価>
各例の減衰性塗料を鋼板(厚さ0.8mm)に塗布した後、140℃で25分間加熱乾燥することにより塗膜を形成し、これらの塗膜を試験片とした。なお、鋼板に対する塗膜の厚みは、同一となるように塗布量を調整した。各例の試験片について、中央加振法損失係数測定装置(CF5200タイプ、小野測器(株)製)を用いて、20℃、40℃及び60℃における損失係数を測定した。その測定結果を表1〜表3に併記する。
<凍結安定性>
各例の減衰性塗料200gをそれぞれポリエチレン製の容器に入れ、その容器に蓋をすることで密閉した。次に、各容器を−15℃の低温に設定された恒温槽内に入れ、16時間放置した。続いて、その容器を室温(25℃)環境下に8時間放置して、減衰性塗料の分散状態を確認した。この結果を表1〜表3の「凍結安定性」欄に記載した。「凍結安定性」欄において、「良好」は調製直後の減衰性塗料における分散状態に対して変化がほとんどないものであり、「不良」は水系分散媒と樹脂粒子とが分離したことを示している。
Figure 2008248185
Figure 2008248185
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表1及び表2の結果から明らかなように、各実施例の減衰性塗料では、水分100質量部に対してグリコール類が5質量部以上含有されているため、上述した低温下の保管において、凍結の進行が抑制された結果、塗膜の減衰性能を発揮させることができることがわかった。これに対して、表3に示される各比較例の減衰性塗料では、水分100質量部に対するグリコール類の含有量が5質量部未満である。このため、上述した低温の環境下に保管されたとき、凍結が進行した結果、水系分散媒と樹脂粒子とが分離したことがわかる。よって、各比較例の減衰性塗料では、その影響を受けることで塗膜の減衰性能は十分に発揮されない。なお、各比較例の損失係数は、上述した低温の環境下に保管していない減衰性塗料から形成した塗膜の損失係数である。
また、各実施例の減衰性塗料では、グリコール類の含有量が樹脂粒子100質量部に対して20質量部以下であるため、塗膜の強度が確保され易い。従って、塗膜の減衰性能が長期にわたって発揮され易くなる。また、塗膜の圧縮変形が抑制されることで塗膜の形成時の厚さに応じた減衰性能が発揮され易くなる。

Claims (3)

  1. 塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、
    前記塗膜に対して減衰性を付与する減衰性付与成分とを含有する減衰性塗料であって、
    前記減衰性付与成分は、ベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物、及び正リン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、
    前記減衰性塗料中の水分100質量部に対してグリコール類を5質量部以上含有することを特徴とする減衰性塗料。
  2. 前記グリコール類の含有量が前記樹脂粒子100質量部に対して20質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の減衰性塗料。
  3. 前記グリコール類として、エチレングリコール又はプロピレングリコールを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の減衰性塗料。
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