JP4107435B2 - 減衰性塗料 - Google Patents

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本発明は、振動エネルギー、衝撃エネルギー等のエネルギーを減衰する減衰性能を発揮する減衰性塗料に関するものである。
従来、例えばベンゾチアジル基を有する化合物等は、各種樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与成分として知られている。さらに、こうした減衰性付与成分と、塗膜を形成する樹脂成分とを含有する減衰性塗料が知られている(例えば特許文献1〜3参照)。この減衰性塗料から得られる塗膜は、減衰性付与成分の作用によって、減衰性能を発揮する。
特許第3318593号公報 国際公開第99/28394号パンフレット 国際公開第01/040391号パンフレット
最近では、環境に対する影響を配慮して、水系分散媒中に樹脂粒子が分散している水系樹脂分散液、すなわち水性塗料が広く用いられている。こうした水性塗料に対して、減衰性付与成分を配合する場合、既に樹脂粒子が分散している水系分散媒中に減衰性付与成分を分散させることになる。その場合、減衰性付与成分の分散は、水性塗料中の樹脂粒子に阻害され易くなる。すなわち、水系樹脂分散液中において、減衰性付与成分の分散性が低下する結果、こうした減衰性塗料から形成される塗膜では減衰性能が十分に発揮されにくい実情がある。一方、減衰性塗料から形成される塗膜では、その減衰性能が十分に発揮される温度領域が広ければ広いほど、塗膜の利用価値が高まる。ところが、水系樹脂分散液に配合する減衰性付与成分の種類や配合量を設定することによって、特定の温度付近で優れた減衰性能を発揮する減衰性塗料を構成したとしても、その特定の温度から、ある程度離れた温度付近では十分な減衰性能が発揮されにくくなるといった現象が生じる。すなわち、所定の温度領域において、減衰性能をバランスよく発揮させる減衰性塗料を構成することは困難であった。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定の温度領域において減衰性能をバランスよく発揮させることができる減衰性塗料を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、塗膜を形成する樹脂粒子が分散してなる水系樹脂分散液に対して前記塗膜に減衰性を付与する減衰性付与成分を配合してなる減衰性塗料であって、前記減衰性付与成分を、同減衰性付与成分の固体粒子が水系分散媒に分散した減衰性付与剤として配合してなり、前記減衰性付与成分は4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンであり、さらにポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合してなることを要旨とする。
この構成によれば、減衰性付与成分が減衰性付与剤として配合されることにより、減衰性塗料中における減衰性付与成分の分散性が改善される。さらに、特定の減衰性付与成分に対し、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合することにより、減衰性能の温度依存性を低減することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルを、前記減衰性付与成分100質量部に対して80〜220質量部配合したことを要旨とする。
この構成によれば、減衰性能の温度依存性を一層低減することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、ポリオキシエチレンラウリルエーテルであることを要旨とする。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、例えば請求項3に記載の成分を採用することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記樹脂粒子は、アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種の高分子材料から構成されることを要旨とする。
上記樹脂粒子として、例えば請求項4に記載の樹脂粒子を採用することができる。
本発明によれば、所定の温度領域において減衰性能をバランスよく発揮させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における減衰性塗料は、水系樹脂分散液に減衰性付与成分を配合して構成される。水系樹脂分散液は、塗膜を形成する樹脂粒子が分散して構成される。減衰性付与成分は、塗膜に減衰性を付与する成分であり、この減衰性付与成分は、減衰性付与剤として水系樹脂分散液に配合される。減衰性付与剤は、減衰性付与成分の固体粒子が水系分散媒に分散したものである。この減衰性塗料には、減衰性付与成分として4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが配合され、さらにポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合される。
水系樹脂分散液に含有される樹脂粒子は高分子材料から形成され、その高分子材料としては、例えばアクリル系樹脂、アクリル/スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル/アクリル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン共重合ゴム、スチレン/ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム等が挙げられる。なお、これらの高分子材料は変性体であってもよい。
これらの高分子材料は単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。さらに、水系樹脂分散液には、これらの高分子材料から構成される樹脂粒子を単独で含有させてもよく、複数種の樹脂粒子を含有させてもよい。
これらの高分子材料の中でも、高い減衰性能を発揮させることができるという観点から、アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルを単量体とする単独重合体、これらの単独重合体の混合物、並びにこれらの単量体が重合した共重合体が挙げられる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、2−エチルヘキシルエステル、エトキシエチルエステル等が挙げられる。アクリル系樹脂の中でも、減衰性付与成分との相溶性が良好であり、優れた減衰性能を発揮させ易いという観点から、メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体がさらに好ましい。
樹脂粒子の分散媒としては、水の他、水とアルコールとの混合液が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる。こうした樹脂粒子を含有する水系樹脂分散液は、例えば乳化剤を含有した水溶液中に単量体及び重合開始剤を滴下する乳化重合等の周知の方法に従って得ることができる。
減衰性付与成分は、樹脂材料中において、振動エネルギー、音のエネルギー、衝撃エネルギー等のエネルギー(但し、光エネルギー及び電気エネルギーを除く)を熱エネルギーに変換する作用を奏する化合物である。この減衰性付与成分である4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンとしては、樹脂用添加剤の市販品であるノクラック(商品名)CD(大内新興化学工業(株)製)等を使用することができる。この減衰性付与成分は、水系樹脂分散液に対して減衰性付与剤として配合される。減衰性付与剤は、減衰性付与成分が固体粒子として水系分散媒に分散したものであるため、水系樹脂分散液に対する減衰性付与成分の分散性、すなわち減衰性塗料中における減衰性付与成分の分散性は改善される。
減衰性付与剤は、固体状態の減衰性付与成分、及び水系分散媒を含有している。この減衰性付与剤には、その他の成分として分散剤等が含有される他、充填剤、粘度調整剤、増粘剤、流動改良剤、消泡剤、沈降防止剤等を必要に応じて配合することが可能である。減衰性付与剤中における減衰性付与成分の含有量は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは15〜60質量%である。この含有量が5質量%未満であると、所定量の減衰性付与成分を水系樹脂分散液に配合するに際し、減衰性付与剤の配合量が増大することになり、取り扱い性等が低下するおそれがある。一方、80質量%を超えると、減衰性付与成分の分散性が十分に得られないおそれがある。
減衰性付与剤に使用される水系分散媒としては、水の他、水とアルコールの混合液が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる。減衰性付与剤中における水系分散媒の含有量は、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜85質量%、さらに好ましくは30〜80質量%である。この含有量が10質量%未満であると、減衰性付与剤の分散性が十分に得られないおそれがある。一方、90質量%を超えると、所定量の減衰性付与成分を水系樹脂分散液に配合するに際し、減衰性付与剤の配合量が増大することになり、取り扱い性等が低下するおそれがある。
減衰性付与成分の粒子径は、好ましくは1〜100μmである。この粒子径が1μm未満であると、製造が困難となるおそれがある。一方、100μmを超えると、減衰性付与成分の分散安定性が低下するおそれがある。
水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量は、樹脂粒子と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算して、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは2〜55質量%、さらに好ましくは3〜50質量%、最も好ましくは5〜40質量%である。この配合量が1質量部未満であると、減衰性能を十分に付与することが困難となるおそれがある。一方、60質量%を超えると、それ以上の減衰性能が得られにくくなる。この減衰性付与剤の配合量を、樹脂粒子と減衰性付与成分との合計量に含有する減衰性付与成分の含有量に換算して5質量%以上に設定すると、塗膜に優れた減衰性能を付与することができるようになる。
減衰性付与成分であるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、減衰性能の温度依存性を低減させるために配合される成分である。このポリオキシエチレンアルキルエーテルは、例えば下記一般式(1)で示される。
RO(CHCHO)H ・・・(1)
(式中、Rは炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、nはオキシエチレン鎖の平均付加モル数を示す2〜30の整数である。)
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等が挙げられ、特に、上記樹脂粒子を構成する樹脂材料として、アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種を採用した場合、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが好適である。
ここで、上記減衰性付与成分は、40℃付近における減衰性能を高める作用に優れている。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、特に40℃付近より低温側(20℃付近まで)の減衰性能を改善する作用を発揮する。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの配合量は、減衰性付与成分100質量部に対し、好ましくは80〜220質量部、より好ましくは100〜190質量部である。この配合量が80質量部未満であると、40℃よりも低温側(20℃付近)における減衰性能が十分に発揮されにくくなるおそれがある。一方、220質量部を超えると、高温側(60℃付近)における減衰性能が十分に発揮されにくくなるおそれがある。
こうした減衰性塗料の減衰性能、すなわち減衰性塗料から得られる塗膜の減衰性能は、塗膜の損失係数によって示される。つまり、塗膜の損失係数が高ければ高いほど、塗膜の減衰性能が優れることが示される。塗膜の損失係数は、中央加振法損失係数測定装置(CF5200タイプ、小野測器(株)製)等によって測定することができる。
減衰性塗料には、その他の成分として、充填剤、ゲル化剤、発泡剤、発泡助剤、分散剤、粘度調整剤、増粘剤、流動改良剤、消泡剤、造膜助剤、沈降防止剤等を必要に応じて配合することが可能である。充填剤としては、マイカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、珪藻土、ゼオライト、フェライト、カーボン等が挙げられる。ゲル化剤としては、有機ゲル化剤と無機ゲル化剤とに分類され、有機ゲル化剤としてはでんぷん、でんぷん誘導体等が挙げられ、無機ゲル化剤としては硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。減衰性塗料には、減衰性能をさらに向上させるために充填剤を配合することが好ましい。その充填剤としては、マイカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、珪藻土、ゼオライト、フェライト、カーボン等が挙げられる。これらの充填剤は、単独で配合してもよいし、複数種を組み合わせて配合してもよい。
水系樹脂分散液、減衰性付与剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテルの混合は、各種ホモジナイザー等の攪拌装置を使用することができる。
減衰性塗料を使用するには、減衰性塗料を適用箇所に塗布した後、減衰性塗料を乾燥させることにより、塗膜を形成させる。この塗布には、エアスプレーガン、エアレススプレーガン、刷毛塗り等の塗布手段を用いることが可能である。この減衰性塗料は、振動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、振動エネルギーを減衰する制振塗料として利用することができる。こうした制振塗料は、例えば自動車、内装材、建材、家電機器等に適用され、モータ等の被制振箇所に適用することができる。また、この減衰性塗料は、衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、衝撃エネルギーを減衰する衝撃吸収塗料として利用することができる。こうした衝撃吸収塗料は、例えば靴、グローブ、各種防具、グリップ、ヘッドギア等のスポーツ用品、ギプス、マット、サポーター等の医療用品、壁材、床材、フェンス等の建材、各種緩衝材、各種内装材等に適用することができる。
さて、減衰性成分は減衰性付与剤として水系樹脂分散液に配合されるため、減衰性付与成分が十分に分散した状態の減衰性塗料を構成することができる。すなわち、本実施形態の減衰性塗料は、減衰性付与成分を粉体として水系樹脂分散液に配合した従来の減衰性塗料よりも、減衰性付与成分の分散性が改善された減衰性塗料となる。この減衰性塗料から形成される塗膜では、減衰性付与成分の配合によって、特定の温度付近における減衰性能が高められている。さらに、本実施形態の減衰性塗料には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されているため、そうした減衰性能における温度依存性が低減される。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) 減衰性付与成分を減衰性付与剤として配合したことにより、減衰性塗料中における減衰性付与成分の分散性が改善される。よって、この減衰性塗料から形成される塗膜中においても、減衰性付与成分が凝集した凝集物の発生を低減することができるようになる結果、特定の温度付近(例えば40℃付近)において優れた減衰性能を発揮するようになる。さらに、減衰性付与成分である4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンに対し、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合することにより、減衰性能の温度依存性を低減することができるようになる。従って、この減衰性塗料によれば、所定の温度領域(例えば20℃付近から40℃付近まで)において減衰性能をバランスよく発揮させることができる。
(2) ポリオキシエチレンアルキルエーテルを、前記減衰性付与成分100質量部に対して80〜220質量部配合することにより、所定の温度範囲(例えば20℃付近から60℃付近)における減衰性能の調和がとれるようになる。すなわち、減衰性能の温度依存性を一層低減することができるようになる。従って、所定の温度領域(例えば20℃付近から60℃付近まで)において減衰性能を一層バランスよく発揮させることができる。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ) 前記減衰性付与剤を、前記樹脂粒子と前記減衰性付与成分との合計量中における前記減衰性付与成分の含有量に換算して1〜60質量%配合した請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の減衰性塗料。
(ロ) 前記高分子材料としてメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体を含む請求項4に記載の減衰性塗料。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜5)
4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業(株)製、ノクラック(商品名)CD)が固体粒子として水系分散媒に分散している減衰性付与剤(不揮発分:38質量%、分散媒:水、固体粒子の平均粒径:1.0μm)を準備した。この減衰性付与剤と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてのポリオキシエチレンラウリルエーテル(旭電化工業(株)製、アデカトール(商品名)LB−103)とを水系樹脂分散液であるアクリル系エマルション(不揮発分53.7質量%、水等46.3質量%)に配合することにより、減衰性塗料を調製した。水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤(A)の配合量及びポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)の配合量を表1に示す。なお、表1に示す減衰性付与剤(A)の配合量は、樹脂粒子(不揮発分)と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算した値を示している。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)の配合量は、減衰性付与成分100質量部に対する質量部で示している。
(比較例1)
ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合しない以外は、実施例と同様に減衰性塗料を調製した。
(比較例2)
減衰性付与剤を配合せずに、実施例1と同様に水系樹脂分散液に対しポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合することにより、塗料を調製した。なお、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、実施例1と同量(5.0質量%)の減衰性付与剤を配合したと仮定し、その減衰性付与剤の配合量100質量部に対して81.0質量部に相当する量を配合した。
Figure 0004107435
なお、各実施例及び各比較例では、充填剤等がその他の成分として配合されている。その他の成分の配合量は、各実施例及び各比較例の樹脂粒子に対する量において同一となるように調整した。従って、各実施例及び各比較例において、減衰性能に対するその他の成分の影響は同じとみなすことができる。
<減衰性能の評価>
各実施例の減衰性塗料を鋼板(厚さ0.8mm)に塗布した後、140℃で25分間加熱乾燥することにより塗膜を形成し、これらの塗膜を試験片とした。なお、鋼板に対する減衰性塗料の塗布量は、加熱乾燥後における塗膜の面密度が2.0kg/mになるように調整している。同様に、各比較例の塗料から塗膜を形成し、この塗膜を試験片とした。各例の試験片について、中央加振法損失係数測定装置(CF5200タイプ、小野測器(株)製)を用いて、20℃、40℃、及び60℃における損失係数(η)を測定した。
<評価結果>
各実施例及び各比較例における損失係数の測定結果を表2に示す。なお、表2に示す損失係数の差は、40℃における損失係数から20℃における損失係数を引いた値である。また、実施例1、実施例5、比較例1及び比較例2における温度と損失係数の関係を図1に示す。
Figure 0004107435
比較例1では、減衰性付与剤の配合によって40℃における損失係数は高い値を示しているが、20℃における損失係数は減衰性付与剤を配合していない比較例2の損失係数よりも低い値を示している。すなわち、この比較例1では、40℃付近において減衰性能は発揮されるものの、20℃付近において減衰性能が十分に発揮されないことがわかる。
これに対し、各実施例では、40℃における損失係数を高い水準で維持しつつ、20℃における損失係数が向上されていることがわかる。すなわち、各実施例における損失係数の差は比較例1における損失係数の差よりも小さい値を示していることから、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合することにより、損失係数の温度依存性を低減することができることがわかる。なお、比較例2は、減衰性付与剤が配合されていないため、40℃における損失係数の値が各実施例の損失係数のよりも低く、十分な減衰性能が発揮されないことがわかる。
また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの配合量が増加するにつれ、20℃における損失係数は高まる一方、60℃における損失係数は低下する傾向がある。こうした傾向に着目し、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを、減衰性付与成分100質量部に対して80〜220質量部配合することにより、所定の温度領域(20℃付近から60℃付近まで)の減衰性能を一層バランスよく発揮させることができることがわかる。
実施例1、実施例5、比較例1及び比較例2における温度と損失係数の関係を示すグラフ。

Claims (4)

  1. 塗膜を形成する樹脂粒子が分散してなる水系樹脂分散液に対して前記塗膜に減衰性を付与する減衰性付与成分を配合してなる減衰性塗料であって、
    前記減衰性付与成分を、同減衰性付与成分の固体粒子が水系分散媒に分散した減衰性付与剤として配合してなり、
    前記減衰性付与成分は4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンであり、さらにポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合してなることを特徴とする減衰性塗料。
  2. 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルを、前記減衰性付与成分100質量部に対して80〜220質量部配合したことを特徴とする請求項1に記載の減衰性塗料。
  3. 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、ポリオキシエチレンラウリルエーテルであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の減衰性塗料。
  4. 前記樹脂粒子は、アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種の高分子材料から構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の減衰性塗料。
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