JP2012207103A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単量体成分を乳化重合してなるエマルションを含有する塗料用樹脂組成物であって、該エマルションは、酸基を有する単量体を含む全単量体成分100質量%に対して1〜3質量%の乳化剤を用いて得られ、25℃、10Hz、固形分20質量%の条件における動的表面張力が60mN/m以上のものであり、該塗料用樹脂組成物は、エマルションとともにスルホン酸塩型界面活性剤を含む塗料用樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
このような工業的に使用される塗料組成物においては、優れた塗膜を形成することができることに加え、塗料組成物が取扱い性、作業性や貯蔵性の高いものであることも重要な要件であり、塗料組成物には、優れた機械的安定性を発揮することも求められている。
以下に本発明を詳述する。
また、本発明におけるエマルション、スルホン酸塩型界面活性剤を含む限り、本発明におけるエマルションに該当しないエマルション等のこれら以外の成分を含んでいてもよい。
なお、本発明におけるエマルションが後述するコア部とシェル部とを有する形態のものである場合、コア部を形成する重合体の原料となる単量体成分とシェル部を形成する重合体の原料となる単量体成分を合計した全体に対して、酸基を有する単量体、その他の共重合可能な単量体の割合が上記のようなものであればよい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノメチルマイエート、モノエチルマイエート等の不飽和カルボン酸類又はその誘導体等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル系単量体が好ましい。
すなわち、本発明におけるエマルションが、(メタ)アクリル系単量体を含む単量体成分から得られたアクリル系重合体によって形成されるアクリル系エマルションであることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、(メタ)アクリル酸系単量体以外の(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ノニルアクリレート、ノニルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソノニルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート等の他、これらの塩やエステル化物等の1種又は2種以上を使用することが好適である。
また、本発明におけるエマルションの原料となる単量体成分は、(メタ)アクリル酸系単量体以外の(メタ)アクリル系単量体を全単量体成分100質量%に対して、20質量%以上含有するものであることが好ましい。より好ましくは、30質量%以上である。
すなわち、本発明におけるエマルションが、(メタ)アクリル系単量体に加え、スチレンを含む単量体成分から得られたアクリルスチレン系重合体によって形成されるアクリルスチレン系エマルションであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
動的表面張力は、動的表面張力計(SITA science line t60、SITA社製)を用い、固形分濃度20質量%に調整したエマルションを用いて、25℃、10Hzの条件で測定することができる。
平均付加モル数が10モル以上のオキシアルキレン基を有する乳化剤は、長いオキシアルキレン基を有することに起因して、エマルション粒子に吸着すると脱離し難く、また、反応性乳化剤は、エマルションを形成する重合体に結合するので、いずれも高い反発安定性を発揮することができる。このような乳化剤を用いると、上記のような動的表面張力を有するエマルションを製造することができる。
オキシアルキレン基を有する乳化剤のオキシアルキレン基の平均付加モル数は、より好ましくは、12モル以上であり、更に好ましくは、15モル以上である。乳化剤は、オキシアルキレン基の平均付加モル数がこのような値以上のものであれば、いずれも好適に用いることができるが、オキシアルキレン基の平均付加モル数が80モル以下のものを用いることが好ましい。
すなわち、本発明において、塗料用樹脂組成物が含むエマルションは、単量体成分を乳化重合する際にノニオン系界面活性剤及び/又は硫酸エステル型アニオン系界面活性剤を乳化剤として用いて得られたものであることが好ましい。
上記乳化剤は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これらの構造の中でも、エマルションの特性を充分に引き出し、安定なエマルションを作製するためには、コア・シェル複合構造であることが好ましい。
なお、上記コア・シェル複合構造においては、コア部の表面がシェル部によって被覆された形態であることが好ましい。この場合、コア部の表面は、シェル部によって完全に被覆されていることが好適であるが、完全に被覆されていなくてもよく、例えば、網目状に被覆されている形態や、所々においてコア部が露出している形態であってもよい。
また、コア部を形成する重合体とシェル部を形成する重合体とは、例えば、重量平均分子量やガラス転移温度、SP値(溶解度係数)、使用される単量体の種類、単量体の使用割合等の各種物性のうちいずれかにおいて異なるものであればよい。
平均粒子径がこの範囲にあるエマルション粒子を用いると、塗料用樹脂組成物を加熱乾燥性、塗工性等の基本性能に優れたものとすることができる。上記上限は、400nmであることがより好ましい。更に好ましくは、350nmである。エマルション粒子の平均粒子径がこのような範囲であると、これらの作用効果がより効果的に発揮されることになる。
平均粒子径(体積平均粒子径)は、例えば、エマルションを蒸留水で希釈し充分に攪拌混合した後、ガラスセルに約10ml採取し、これを動的光散法による粒度分布測定器(Particle Sizing Systems社製「NICOMP Model 380」)で測定することにより求めることができる。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、既に得られている知見に基づいて決定されてもよいし、後述する単量体成分の種類や使用割合によって制御されてもよいが、理論上は、以下の計算式(1)より算出することができる。
本発明におけるエマルションとその他のエマルションとの質量比(本発明におけるエマルション/その他のエマルション)は、100〜50/0〜50であることが好ましい。
本発明の塗料用樹脂組成物が含むスルホン酸塩型界面活性剤は、構造中にアルキレンオキサイド構造を有さないものが好ましい。スルホン酸塩型界面活性剤として構造中にアルキレンオキサイド構造を有さないものを用いると、樹脂組成物をより機械的安定性に優れたものとすることができる。
このように、スルホン酸塩型界面活性剤が構造中にアルキレンオキサイド構造を有さないもの、すなわち、非オキシアルキレン型であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
<マーロン安定度試験>
熊谷理機工業社製マーロン試験安定度試験機(カタログNo.2312−I)を用いて、「JIS K6828(1996) 5.8機械安定性」の記載に従って、エマルションの凝集率を測定する。サンプル量100g、円板回転数1000回転/分、加重10kg、測定時間10分、測定温度25℃とし、測定前後のろ過は100メッシュの金網を使用し、測定後の乾燥は100℃で30分行う。凝集率は下記式により算出する。
凝集率(%)={(測定後の金網の乾燥重量−(測定前の金網の乾燥重量)}/(サンプル重量)×100
本明細書中、pHは、pHメーターにより測定することができる。pHメーター(堀場製作所社製「F−23」)を用いて25℃での値を測定することが好ましい。
なお、粘度は、B型回転粘度計を用いて、25℃、20rpmの条件下で測定することができる。
すなわち、単量体成分を乳化重合してなるエマルションを含有する塗料用樹脂組成物を製造する方法であって、上記製造方法は、酸基を有する単量体を含む単量体成分に対して、平均付加モル数が10モル以上のオキシアルキレン基を有する乳化剤及び/又は反応性乳化剤を用いて乳化重合してエマルションを合成する工程と上記乳化重合によって得られたエマルションに対して、スルホン酸塩型界面活性剤を添加する工程とを含む塗料用樹脂組成物の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記重合開始剤の使用量としては特に限定されず、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、エマルションを形成するのに用いられる単量体成分の総量100重量部に対して、0.1〜2重量部であることが好ましく、より好ましくは、0.2〜1重量部である。
上記還元剤の使用量としては特に限定されず、例えば、エマルションを形成するのに用いられる単量体成分の総量100重量部に対して、0.05〜1重量部であることが好ましい。
また単量体成分や重合開始剤等の添加方法としては特に限定されず、例えば、一括添加法、連続添加法、多段添加法等の方法を適用することができる。また、これらの添加方法を適宜組み合わせてもよい。
顔料を配合する場合、塗料用樹脂組成物と顔料との質量比は、1/1〜1/3であることが好ましい。
このように、本発明の塗料用樹脂組成物と顔料とを1/1〜1/3の質量比で含む塗料用組成物もまた、本発明の1つである。
また、このような塗料用組成物を含む塗料もまた、本発明の1つである。
このように、本発明の塗料用組成物の固形分濃度が70質量%以上であることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
なお、ここで固形分濃度とは、塗料用組成物が含む溶媒以外の成分を意味する。
増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース系誘導体、ポリカルボン酸系樹脂等が挙げられる。増粘剤の配合量としては、塗料用組成物の固形分100重量部に対し、固形分で0.01〜2重量部とすることが好ましい。より好ましくは、0.05〜1.5重量部であり、更に好ましくは、0.1〜1重量部である。
なお、上記他の成分は、例えば、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、スパイラルミキサー、ニーダー、ディゾルバー等を用いて、上記塗料用組成物等と混合され得る。
上記消泡剤としては、例えば、シリコン系消泡剤等が挙げられる。
多価金属化合物の形態としては、例えば、粉体、水分散体や乳化分散体等であってよい。中でも、塗料用組成物中への分散性が向上することから、水分散体又は乳化分散体の形態で使用することが好ましく、より好ましくは乳化分散体の形態で使用することである。また、多価金属化合物の使用量は、塗料用組成物中の固形分100重量部に対して、0.05〜5.0重量部とすることが好ましい。より好ましくは0.05〜3.5重量部である。
<不揮発分(N.V.)>
得られた水性樹脂分散体約1gを秤量、熱風乾燥機で110℃×1時間後、乾燥残量を不揮発分として、乾燥前質量に対する比率を質量%で表示した。
<pH>
pHメーター(堀場製作所社製「F−23」)により25℃での値を測定した。
<粘度>
B型回転粘度計を用いて、25℃、20rpmの条件下で測定した。
動的光散乱法による粒度分布測定器(Particle Sizing Systems社製「NICOMP Model 380」)を用い、体積平均粒子径を測定した。
また、標準偏差をその体積平均粒子径で割った値(標準偏差/体積平均粒子径×100)を粒度分布として算出した。
単量体組成から、下記計算式(1)を用いて算出した。
上記計算式(1)により重合性単量体成分のガラス転移温度(Tg)を算出するのに使用したそれぞれのホモポリマーのTg値を下記に示した。
メチルメタクリレート(MMA):105℃
スチレン(St):100℃
ブチルアクリレート(BA):−56℃
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):−70℃
アクリル酸(AA):95℃
動的表面張力計(SITA science line t60、SITA社製)を用い、固形分濃度20質量%に調整したエマルションを用いて、25℃、10Hzの条件で測定した。
<機械的安定性(凝集率)>
熊谷理機工業社製マーロン試験安定度試験機(カタログNo.2312−I)を用いて、「JIS K6828(1996) 5.8機械安定性」の記載に従って、エマルションの凝集率を測定する。サンプル量100g、円板回転数1000回転/分、加重10kg、測定時間10分、測定温度25℃とし、測定前後のろ過は100メッシュの金網を使用し、測定後の乾燥は100℃で30分行う。凝集率は下記式により算出した。
凝集率(%)={(測定後の金網の乾燥重量−(測定前の金網の乾燥重量)}/(サンプル重量)×100
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水300部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートにスチレン305部、メチルメタクリレート205部、2−エチルヘキシルアクリレート190部、ブチルアクリレート290部、アクリル酸15部、予め20%水溶液に調整したハイテノールW−2320(商品名、第一工業製薬社製)100.0部及び脱イオン水274部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの10部、5%過硫酸カリウム水溶液5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10部を添加し、初期重合を行った。初期重合後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を180分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液100部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液100部を180分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持した。得られた反応液を室温まで冷却後、ジグリコールアミン12部を添加し、不揮発分55%、pH8.0、粘度420mPa・s、平均粒子径230nm、粒度分布22%、Tg0℃のエマルションを得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水300部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。−方、上記滴下ロートにスチレン305部、メチルメタクリレート205部、2−エチルへキシルアクリレート190部、ブチルアクリレート290部、アクリル酸15部、予め20%水溶液に調整したハイテノールLA−10(商品名、第一工業製薬社製)100.0部及び脱イオン水274部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの10部、5%過硫酸カリウム水溶液5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10部を添加し、初期重合を行った。初期重合後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を180分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液100部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液100部を180分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持した。得られた反応液を室温まで冷却後、ジグリコールアミン12部を添加し、不揮発分55%、pH8.2、粘度320mPa・s、平均粒子径200nm、粒度分布25%、Tg0℃の工マルションを得た。
撹絆機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水300部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートにスチレン305部、メチルメタクリレート205部、2−エチルヘキシルアクリレート190部、ブチルアクリレート290部、アクリル酸15部、予め20%水溶液に調整したアデカリアソープSR−20(商品名、ADEKA社製)100.0部及び脱イオン水274部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの10部、5%過硫酸カリウム水溶液5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10部を添加し、初期重合を行った。初期重合後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を180分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液100部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液100部を180分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持した。得られた反応液を室温まで冷却後、ジグリコールアミン12部を添加し、不揮発分55%、pH8.1、粘度220mPa・s、平均粒子径240nm、粒度分布24%、Tg0℃のエマルションを得た。
撹絆機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水300部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートにスチレン305部、メチルメタクリレート220部、2−エチルへキシルアクリレート190部、ブチルアクリレート290部、予め20%水溶液に調整したハイテノールW−2320(商品名、第一工業製薬社製)100.0部及び脱イオン水274部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの10部、5%過硫酸カリウム水溶液5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10部を添加し、初期重合を行った。初期重合後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を180分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液100部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液100部を180分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持した。得られた反応液を室温まで冷却後、ジグリコールアミン0.5部を添加し、不揮発分55%、pH8.0、粘度220mPa・s、平均粒子径280nm、粒度分布28%、Tg0℃のエマルションを得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水300部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートにスチレン305部、メチルメタクリレート220部、2−エチルヘキシルアケリレート190部、ブチルアクリレート290部、予め20%水溶液に調整したアデカリアソープSR−20(商品名、ADEKA社製)100.0部及び脱イオン水274部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を80℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの10部、5%過硫酸カリウム水溶液5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10部を添加し、初期重合を行った。初期重合後、反応系内を80℃に維持したまま、残りの単量体乳化物を180分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液100部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液100部を180分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持した。得られた反応液を室温まで冷却後、ジグリコールアミン0.5部を添加し、不揮発分55%、pH8.3、粘度190mPa・s、平均粒子径260nm、粒度分布24%、Tg0℃のエマルションを得た。
製造例1のエマルション100部に対し、20%に希釈したネオペレックスG−65(花王社製)を7.5部添加し、樹脂組成物1を調製した。
製造例3のエマルション100部に対し、20%に希釈したネオペレックスG−65(花王社製)を7.5部添加し、樹脂組成物2を調製した。
製造例1のエマルション100部に対し、20%に希釈したペレックスSS−H(花王社製)を7.5部添加し、樹脂組成物3を調製した。
製造例1のエマルション100部に対し、20%に希釈したハイテノールW−2320(第一工業製薬社製)を7.5部添加し、樹脂組成物4を調製した。
製造例1のエマルションを樹脂組成物5とした。同様に、製造例2のエマルションを樹脂組成物6、製造例4のエマルションを樹脂組成物7、製造例5のエマルションを樹脂組成物8とした。
製造例1〜5のエマルションの動的表面張力、及び、上記樹脂組成物1〜8の機械的安定性(マーロン凝集率)測定を行った。結果を表1に示す。
また、樹脂組成物1〜8を用い、表1に示す配合により、塗料を調製した。配合1〜3は、以下に示すとおりである。なお、配合2、3における分散剤、消泡剤、増粘剤は、配合1と同じものを用いた。
調製した塗料についても機械的安定性(マーロン凝集率)測定を行った。結果を表1に示す。
樹脂組成物 100部
炭酸カルシウムNN#200*1 200部
分散剤アクアリツクDC−40S*2 0.5部
消泡剤ノプコ8034L*3 0.5部
増粘剤アクリセットWR−503A*4 1部
イオン交換水 30部
*1:日東粉化工業株式会社製 充填剤
*2:株式会社日本触媒製 ポリカルボン酸型分散剤(有効成分44%)
*3:株式会社日本触媒製 アルカリ可溶性のアクリル系増粘剤(有効成分30%)
*4:サンノプコ株式会社製 消泡剤(主成分:疎水性シリコーン+鉱物油)
樹脂組成物 100部
炭酸カルシウム 100部
分散剤 0.5部
消泡剤 0.5部
増粘剤 1部
樹脂組成物 100部
炭酸カルシウム 50部
分散剤 0.5部
消泡剤 0.5部
増粘剤 2部
イオン交換水 50部
Claims (8)
- 単量体成分を乳化重合してなるエマルションを含有する塗料用樹脂組成物であって、
該エマルションは、酸基を有する単量体を含む全単量体成分100質量%に対して1〜3質量%の乳化剤を用いて得られ、25℃、10Hz、固形分20質量%の条件における動的表面張力が60mN/m以上のものであり、
該塗料用樹脂組成物は、エマルションとともにスルホン酸塩型界面活性剤を含む
ことを特徴とする塗料用樹脂組成物。 - 前記エマルションは、アクリル系エマルションであることを特徴とする請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
- 前記乳化剤は、ノニオン系界面活性剤及び/又は硫酸エステル型アニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料用樹脂組成物。
- 前記乳化剤は、平均付加モル数が10モル以上のオキシアルキレン基を有する乳化剤及び/又は反応性乳化剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用樹脂組成物。
- 前記スルホン酸塩型界面活性剤は、非オキシアルキレン型であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の塗料用樹脂組成物と顔料とを1/1〜1/3の質量比で含むことを特徴とする塗料用組成物。
- 請求項6に記載の塗料用組成物を含むことを特徴とする塗料。
- 単量体成分を乳化重合してなるエマルションを含有する塗料用樹脂組成物を製造する方法であって、
該製造方法は、酸基を有する単量体を含む単量体成分に対して、平均付加モル数が10モル以上のオキシアルキレン基を有する乳化剤及び/又は反応性乳化剤を用いて乳化重合してエマルションを合成する工程と
該乳化重合によって得られたエマルションに対して、スルホン酸塩型界面活性剤を添加する工程とを含むことを特徴とする塗料用樹脂組成物の製造方法。
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