JPH07149808A - 共重合体ラテックス及び耐水性塗料組成物 - Google Patents

共重合体ラテックス及び耐水性塗料組成物

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JPH07149808A
JPH07149808A JP32995693A JP32995693A JPH07149808A JP H07149808 A JPH07149808 A JP H07149808A JP 32995693 A JP32995693 A JP 32995693A JP 32995693 A JP32995693 A JP 32995693A JP H07149808 A JPH07149808 A JP H07149808A
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JP
Japan
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monomer
weight
ethylenically unsaturated
carboxylic acid
unsaturated carboxylic
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JP32995693A
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Toshihiro Inoue
利洋 井上
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水や塩水などに浸漬した状態で放置しても長
期間白化せず且つ膨れや皺が生じない塗膜を得るための
耐水性塗料組成物及び化学的安定性に優れ且つ該組成物
に好適なラテックスを提供する。 【構成】 オキシエチレン平均重合度が20のポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムを含
有する水性媒体中で、スチレン及びメタクリル酸からな
る単量体(a)を重合し、次いでアクリル酸2−エチル
ヘキシル、スチレン、アクリル酸エチル、メタクリル酸
及びN−メチロールアクリルアミドを添加重合して共重
合体ラテックスを得る。このラテックスに成膜助剤、消
泡剤などを添加して耐水性塗料組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水性塗料組成物及び
これに用いるラテックスに関し、さらに詳しくは、水、
塩水、酸、アルカリなどに浸漬した状態で放置しても長
期間白化せず且つ膨れや皺が生じない塗膜を得るための
耐水性塗料組成物及び化学的安定性に優れ且つ該組成物
に好適なラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】金属などの基材に被覆される水性塗料組
成物は、生体に与える悪影響が少ないので、従来の溶剤
系塗料に置き換えられつつある。このような水性塗料組
成物の主成分を構成する共重合体ラテックスとしては、
アルキルベンゼンスルホン酸ソーダなどのアニオン性界
面活性剤を用いて得られるものが知られている。しか
し、この組成物を塗布して得られる塗膜の耐水性等が低
く、水などに浸漬した状態で放置すると、塗膜が白化し
又は膨れ、シワなどが発生する。従来、塗膜の耐水性等
を改善するために、界面活性剤の使用量を可能な限り減
量したラテックスを主成分とする塗料組成物が知られて
いるが、この組成物は化学的安定性、機械的安定性や耐
水性等が十分でなかった。また、共重合体のラテックス
に架橋剤を添加して得られる塗料組成物が知られている
が、この組成物は貯蔵安定性や化学的安定性が不十分で
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水や
塩水などに浸漬した状態で放置しても長期間白化せず且
つ膨れや皺が生じない塗膜を得るための耐水性塗料組成
物及び化学的安定性に優れ且つ該組成物に好適なラテッ
クスを提供することにある。本発明者らは、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、特定組成の単量体を、特
定の界面活性剤の存在下で乳化重合してなるラテックス
を用いることによって、水に浸漬した状態で放置しても
長期間白化せず且つ膨れや皺が生じない塗膜が得られる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、20℃、1気圧における水に対する溶解度が1重量
%以下の疎水性エチレン性不飽和単量体90〜99.9
重量%、エチレン性不飽和カルボン酸0.1〜10重量
%及びこれらと共重合可能なその他の単量体0〜9.9
重量%からなる単量体(a)2〜15重量部を、単量体
(a)に対して2〜15重量%の式2で表される界面活
性剤の存在下で、乳化重合した後、該疎水性エチレン性
不飽和単量体30〜99.8重量%、エチレン性不飽和
カルボン酸0.1〜10重量%、エチレン性不飽和カル
ボン酸アミド0.1〜5重量%及びこれらと共重合可能
なその他の単量体0〜69.8重量%からなる単量体
(b)98〜85重量部(ただし単量体(a)と単量体
(b)の合計量は100重量部)と、単量体(b)に対
して0.1〜2重量%の式2で表される界面活性剤とを
添加し乳化重合して得られる共重合体ラテックスが提供
される。
【0005】
【化2】
【0006】(ただし、Rはアルキル基又はアリール
基;Mは、Na、K又はNH4;nは5〜40であ
る。)
【0007】また、本発明によれば、前記ラテックスを
必須成分とする耐水性塗料組成物が提供される。
【0008】以下、本発明について説明する。本発明の
共重合体ラテックスは、式3で表される界面活性剤の存
在下に、疎水性エチレン性不飽和単量体、エチレン性不
飽和カルボン酸及びこれらと共重合可能な単量体(a)
を乳化重合した後、該疎水性エチレン性不飽和単量体、
エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボ
ン酸アミド及びこれらと共重合可能なその他の単量体か
らなる単量体(b)と該界面活性剤とを添加し乳化重合
してなるものである。
【0009】本発明に用いられる界面活性剤は式3によ
り表されるものである。
【0010】
【化3】
【0011】式中、Rはアルキル基又はアリール基であ
る。アルキル基としては、通常、炭素数が6〜12、好
ましくは8〜10のものが用いられ、アリール基として
は、通常、フェニル基、ナフタレン基が用いられる。M
は、Na、K又はNH4、好適にはNaである。nは5
〜40、好ましくは8〜30、さらに好ましくは10〜
25である。なお、nはオキシエチレンの平均重合度を
表す値である。
【0012】界面活性剤の具体例としては、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル硫酸ナトリルム、ポリオキシ
エチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナト
リウム等のポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸
エステル塩などが挙げられる。これら界面活性剤のう
ち、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナ
トリウムが好適であり、特にオキシエチレンの平均重合
度が18〜22のポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウムが好適である
【0013】本発明の共重合体ラテックスにおける、単
量体(a)は疎水性エチレン性不飽和単量体、エチレン
性不飽和カルボン酸及びこれらと共重合可能なその他の
単量体からなるものである。
【0014】疎水性エチレン性不飽和単量体は、20
℃、1気圧における水に対する溶解度が1重量%以下、
好ましくは0.5重量%以下のものである。疎水性エチ
レン性不飽和単量体の具体例としては、スチレン、ジビ
ニルベンゼン等の芳香族ビニル;アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル等の炭素数4以上のアルコ
ールとアクリル酸とのエステル;メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル等の炭素数2以上のアルコールとメ
タクリル酸とのエステル;塩化ビニル等のハロゲン化ビ
ニルなどが挙げられる。これらの疎水性エチレン性不飽
和単量体のうち、芳香族ビニル及び炭素数4以上のアル
コールとアクリル酸とのエステルは凝集物を発生せずに
重合できるので好適である。
【0015】疎水性エチレン性不飽和単量体の量は単量
体(a)の90〜99.9重量%、好ましくは94〜9
8重量%である。90重量%未満では重合安定性が低下
して凝集物が発生する。
【0016】エチレン性不飽和カルボン酸としては、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げ
られる。このエチレン性不飽和カルボン酸のうち、(メ
タ)アクリル酸は、水に対する溶解度が比較的低く、凝
集物を発生せずに重合できるので好適である。
【0017】エチレン性不飽和カルボン酸の量は単量体
(a)の0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重
量%である。10重量%を超えるとラテックスの粘度が
高くなる。
【0018】疎水性エチレン性不飽和単量体、エチレン
性不飽和カルボン酸及びこれらと共重合可能なその他の
単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル等炭素数3以下のアルコールと
アクリル酸とのエステル;メタクリル酸メチル;(メ
タ)アクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル;
1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量
体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のエチレ
ン性不飽和カルボン酸アミドなどが挙げられる。これら
のうち、エチレン性不飽和カルボン酸アミドは、単量体
(a)の、通常、0.5重量%以下、好ましくは0重量
%である。エチレン性不飽和カルボン酸アミドが0.5
重量%を超えると凝集物が発生しやすくなる。
【0019】単量体(a)を重合する際の、前記界面活
性剤の量は、単量体(a)に対して2〜15重量%、好
ましくは5〜12重量%である。2重量%未満では、重
合安定性が低下し、15重量%を超えると塗膜の耐水性
等が低下する。
【0020】単量体(a)の量は、単量体(a)と単量
体(b)との合計量100重量部に対して、2〜15重
量部、好ましくは3〜10重量部である。2重量部未満
では、反応時間が長くなり工業的生産に適しない傾向に
なる。逆に15重量部を超えるとラテックスの粘度が高
くなり又は凝集物が生じやすくなる。
【0021】本発明の共重合体ラテックスにおける、単
量体(b)は、疎水性エチレン性不飽和単量体、エチレ
ン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸ア
ミド及びこれらと共重合可能なその他の単量体からなる
ものである。
【0022】単量体(b)に用いる疎水性エチレン性不
飽和単量体としては前記のものと同じものが挙げられ、
これらのうち、芳香族ビニル及び炭素数4以上のアルコ
ールとアクリル酸とのエステルを併用すると凝集物を発
生せずに重合できるので、好適である。単量体(b)に
おける、疎水性エチレン性不飽和単量体の量は単量体
(b)の30〜99.8重量%、好ましくは60〜9
9.4重量%である。30重量%未満では塗膜の耐水性
等が低下する。
【0023】単量体(b)に用いるエチレン性不飽和カ
ルボン酸は前記のものと同じものが挙げられ、これらの
うち、(メタ)アクリル酸は、凝集物の発生が少ないの
で好適である。エチレン性不飽和カルボン酸の量は単量
体(b)の0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5
重量%である。0.1重量%未満ではラテックスの化学
的安定性が低下し、また塗膜の耐水性等が低下する。逆
に10重量%を超えるとラテックスの粘度が上昇して実
用に適しなくなる。
【0024】単量体(b)に用いるエチレン性不飽和カ
ルボン酸アミドとしては、(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。このエチレン性不
飽和カルボン酸アミドのうち、N−メチロール(メタ)
アクリルアミドは、耐水性、耐湿性などの塗膜特性が高
くなるので好適である。エチレン性不飽和カルボン酸ア
ミドの量は単量体(b)の0.1〜5重量%、好ましく
は0.3〜4重量%である。0.1重量%未満ではラテ
ックスの化学的安定性が低下し、また塗膜の耐水性等が
低下する。逆に5重量%を超えるとラテックスの粘度が
上昇して実用に適しなくなる。
【0025】単量体(b)に用いる疎水性エチレン性不
飽和単量体、エチレン性不飽和カルボン酸及びエチレン
性不飽和カルボン酸アミドと共重合可能なその他の単量
体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル等炭素数3以下のアルコールとアクリ
ル酸とのエステル;メタクリル酸メチル;(メタ)アク
リロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル;1,3−
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量体;酢酸ビ
ニルなどのカルボン酸ビニルエステルなどが挙げられ
る。
【0026】単量体(b)を重合する際に添加する前記
界面活性剤の量は、単量体(a)を重合する際に使用し
た界面活性剤とは別に、単量体(b)に対して0.1〜
2重量%、好ましくは0.2〜1重量%である。0.1
重量%未満では、重合安定性が低下し、2重量%を超え
ると塗膜の耐水性等が低下する。
【0027】本発明の共重合体ラテックスに含まれる該
界面活性剤の全量は、単量体(a)と単量体(b)との
合計量100重量部に対して、0.2〜4重量部、好ま
しくは0.4〜3重量部である。0.2重量部未満で
は、ラテックスの重合安定性が低下し、凝集物が生じや
すくなる。4重量部を超えると塗膜の耐水性、耐塩水
性、耐湿性などが低下傾向になる。
【0028】本発明の共重合体ラテックスは、20℃、
1気圧における静的表面張力が、通常、40〜65dy
n/cm、好ましくは45〜65dyn/cmである。
40dyn/cm未満では塗膜の耐水性、耐塩水性が低
下傾向になる。65dyn/cmを超えるとラテックス
の化学的安定性が低下傾向になる。なお、静的表面張力
は後記の方法で得られる値である。
【0029】本発明の共重合体ラテックスは、それを構
成する共重合体のガラス転移温度が、通常、−50〜+
100℃、好ましくは−40〜+100℃である。−5
0℃未満では塗膜の耐水性等が低下傾向になる。+10
0℃を超えると成膜性が低下傾向になる。なお、ガラス
転移温度は後記の方法で得られる値である。
【0030】本発明の共重合体ラテックスは、それを構
成する共重合体粒子の平均粒子径が、通常、50〜50
0nm、好ましくは100〜400nmである。50n
m未満ではラテックスの粘度が上昇して実用に適しない
傾向になる。500nmを超えると耐水性等が低下傾向
になる。なお、平均粒子径は後記の方法で得られる値で
ある。
【0031】本発明の共重合体ラテックスは、20℃に
おけるpHが、通常、7〜11、好ましくは7.5〜1
0に調製する。pH7未満では機械的安定性が低下傾向
になり、pH11を超えると塗膜の耐水性等の低下又は
刺激臭の発生しやすくなる。pHの調整剤としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン
などが挙げられる。これらのうちアンモニアは、塗膜の
耐水性、耐塩水性及び耐酸性が高くなるので好適に用い
られる。
【0032】本発明の共重合体ラテックスの製法は、前
記の界面活性剤の存在下で前記の疎水性エチレン性不飽
和単量体、エチレン性不飽和カルボン酸及びこれらと共
重合可能なその他の単量体からなる単量体(a)を乳化
重合した後、疎水性エチレン性不飽和単量体、エチレン
性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸アミ
ド及びこれらと共重合可能なその他の単量体からなる単
量体(b)と該界面活性剤とを添加し乳化重合するもの
である。
【0033】前記の界面活性剤の存在下に単量体(a)
を乳化重合する方法としては、該界面活性剤を溶解した
水性媒体中に単量体(a)を添加して重合するか、該界
面活性剤と単量体(a)とを混合しエマルジョンにした
後、水性媒体中又は該界面活性剤を溶解した水性媒体中
に添加して重合する。ここで、水性媒体とは、水を主成
分とするものである。共重合体ラテックスの表面張力が
上記範囲内になるものであれば、アルコール、ケトンな
どの親水性有機溶剤を含有していてもよい。
【0034】単量体(a)の重合に用いる重合開始剤と
しては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫
酸塩;過酸化水素水;クメンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチ
ルシクロヘキシルハイドロパーオキサイド、p−メンタ
ンハイドロパーオキサイド等の過酸化物などが挙げられ
る。単量体(a)の重合に用いる重合開始剤の量は、単
量体(a)に対して、通常、2〜10重量%、好ましく
は4〜8重量%である。10重量%を超えると塗膜の耐
水性等が低下傾向になる。単量体(a)の重合転化率
は、通常、70%以上、好ましくは90%以上にする。
70%未満では凝集物の発生や粘度の上昇が生じやすく
なる。
【0035】単量体(a)の重合転化率が70%以上に
なった後、単量体(b)と前記界面活性剤とを添加し乳
化重合する。単量体(a)の重合転化率が70%以上に
なってから、単量体(b)の重合を開始するまでの間
は、重合反応系の温度を、通常、40〜90℃、好まし
くは50〜80℃に維持することが好ましい。40℃未
満に温度を下げると、ラテックスを塗被して得られる塗
膜の耐水性等が低下傾向になる。
【0036】単量体(b)と界面活性剤との添加方法
は、単量体(b)と、界面活性剤をそのまま又は界面活
性剤の水溶液とを別々に添加してもよいし、単量体
(b)と界面活性剤と水とを混合しエマルジョンにした
後、添加してもよい。単量体(b)と、界面活性剤をそ
のまま又は界面活性剤の水溶液とを別々に添加する場
合、それらを同時に添加してもよいし、またどちらか一
方を先に添加し他方を後に添加してもよい。
【0037】単量体(b)の重合に用いる重合開始剤
は、前記単量体(a)の重合の際に用いるものと同じも
のが挙げられる。単量体(b)の重合に用いる重合開始
剤の量は、単量体(a)の重合の際に用いた重合開始剤
とは別に、単量体(b)に対して、通常、1重量%以
下、好ましくは0.8重量%以下である。1重量%を超
えると塗膜の耐水性等が低下する。また、単量体(a)
と単量体(b)との重合に用いる重合開始剤の全量は、
単量体(a)と単量体(b)との合計量100重量部に
対して、通常、0.1〜2重量部、好ましくは0.2〜
1.5重量部、さらに好ましくは0.2〜1.2重量部
である。2重量部を超えると塗膜の耐水性等が低下す
る。単量体(b)の重合転化率は、通常、90%以上、
好ましくは95%以上である。単量体(a)及び単量体
(b)の重合における重合温度は、通常、40〜90
℃、好ましくは50〜80℃である。
【0038】本発明の耐水性塗料組成物は、前記ラテッ
クスを必須成分とするものであり、必要に応じて消泡
剤、防腐剤、成膜助剤、湿潤剤、防錆剤、顔料などの塗
料用配合副資材を他の成分とするものである。
【0039】本発明の耐水性塗料組成物は水性分散液で
ある。その固形分濃度は、通常、50〜90重量%であ
る。50重量%未満では塗膜にひび割れが生じやすくな
り、逆に90重量%を超えると塗料組成物の粘度が高く
なって、実用に適しない傾向になる。
【0040】本発明の耐水性塗料組成物は、通常、ニー
ダー、ディスパー等の分散機を用いて、共重合体ラテッ
クスに塗料用配合副資材を添加し攪拌するか、又は塗料
用配合副資材に共重合体ラテックスを添加し攪拌するか
して調製する。
【0041】本発明の耐水性塗料組成物は、基材に塗布
し使用される。基材としては、ステンレス、鋼板、錫メ
ッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、鉛メッキ鋼板等の
メッキ鋼板に代表される鉄、アルミニウム、亜鉛などの
金属板;ガラス板;プラスチック板などが挙げられる。
これらのうち鉄板が好適である。
【0042】基材に対する組成物の塗布量は、通常、乾
燥塗膜厚が50〜400μm、好ましくは100〜25
0μmになる範囲である。50μm未満では塗膜の耐水
性等が低下し、400μmを超えると乾燥に時間がかか
るので塗装作業性が低下する。
【0043】塗布の方法としては、通常、エアスプレー
塗布、エアレススプレー塗布、刷毛塗り、ロール塗り等
が採用される。エアスプレー又はエアレススプレー塗布
が好適に用いられる。乾燥の方法としては、通常、20
〜70℃の温度条件下に放置して乾燥する。
【0044】本発明の共重合体ラテックスの好適な態様
を以下に示す。 (1)疎水性エチレン性不飽和単量体が、芳香族ビニル
及び炭素数4以上のアルコールとアクリル酸とのエステ
ルである本発明の共重合体ラテックス。 (2)エチレン性不飽和カルボン酸が(メタ)アクリル
酸である本発明の共重合体ラテックス。 (3)エチレン性不飽和カルボン酸アミドがN−メチロ
ール(メタ)アクリルアミドである本発明の共重合体ラ
テックス。 (4)疎水性エチレン性不飽和単量体が、芳香族ビニル
及び炭素数4以上のアルコールとアクリル酸とのエステ
ルであり、エチレン性不飽和カルボン酸が(メタ)アク
リル酸であり且つエチレン性不飽和カルボン酸アミドが
N−メチロール(メタ)アクリルアミドである本発明の
共重合体ラテックス。 (5)界面活性剤がオキシエチレンの平均重合度が18
〜22のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫
酸ナトリウムである本発明の共重合体ラテックス。 (6)共重合体ラテックスを構成する共重合体のガラス
転移温度が−50〜+100℃である本発明の共重合体
ラテックス。 (7)共重合体ラテックスを構成する共重合体の平均粒
子径が50〜500nmである本発明の共重合体ラテッ
クス。 (8)疎水性エチレン性不飽和単量体が、芳香族ビニル
及び炭素数4以上のアルコールとアクリル酸とのエステ
ルであり、エチレン性不飽和カルボン酸が(メタ)アク
リル酸であり、エチレン性不飽和カルボン酸アミドがN
−メチロール(メタ)アクリルアミドであり、界面活性
剤がオキシエチレンの平均重合度が18〜22のポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムで
あり、共重合体ラテックスを構成する共重合体のガラス
転移温度が−50〜+100℃で且つ平均粒子径が50
〜500nmである本発明の共重合体ラテックス。
【0045】
【発明の効果】本発明の共重合体ラテックスは、化学的
安定性に優れ、このラテックスを塗布して得られる塗膜
は耐水性、耐塩水性などに優れるので、塗料組成物に好
適に用いられる。また、本発明のラテックスは含浸紙、
ビーターシート、建材などにも適用できる。
【0046】
【実施例】以下、本発明について、実施例を挙げて具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これらの例中の部および%は重量基準であ
る。
【0047】共重合体ラテックス及び塗膜の評価方法を
以下に説明する。 [静的表面張力]固形分濃度30%の共重合体ラテック
スについて、オートテンションメーター(Type68
01ES:離合社製)を用いて、20℃の条件で測定し
た。
【0048】[ガラス転移温度]共重合体ラテックスを
硝子板に流延し、20℃で5日間乾燥してフィルムを得
た後、SSC5200熱分析計(セイコー電子工業社
製)を用いて、−50〜200℃の範囲について昇温速
度10℃/分の条件で測定した。
【0049】[化学的安定性]固形分濃度50%の共重
合体ラテックス100部に、濃度5、10、15、2
0、25、30または35%の塩化カルシウム水溶液を
100部添加し攪拌して、一晩20℃下に放置後、10
0メッシュ金網で濾過し、金網に固形物が有るか否か観
察し、固形物が観察できなかった塩化カルシウム濃度の
うち最も高い塩化カルシウム水溶液の濃度を指標として
示した。
【0050】[平均粒子径]レーザー散乱型粒子径測定
装置(NICOMP MODEL370:PACIFI
C SCIENTIFIC社製)を用いて測定し、粒子
径の体積平均値を求めた。
【0051】[B型粘度]固形分濃度50%の共重合体
ラテックスをBM型粘度計を用いて、No.3ローター
で、20℃、60rpmの条件で測定した。
【0052】[耐水性]脱脂したSPCC−SB鋼板に
塗料組成物をエアスプレーを用いて乾燥膜厚が150μ
mになるように塗装後、80℃で1時間乾燥し塗膜を
得、この塗装鋼板を、一カ月間水道水に浸漬した後、塗
膜面の状態を観察した。 ◎・・変化なし ○・・膨れ又は皺の発生面積が全体の0.5%以下であ
る △・・膨れ又は皺の発生面積が全体の0.5超5%以下
である ×・・膨れ又は皺の発生面積が全体の5%超である
【0053】[耐塩水性]水道水に代えて、濃度5%の
食塩水を用いた他は耐水性の評価方法と同様に行った。
【0054】[耐酸性]水道水に代えて、濃度5%の硫
酸水溶液を用いた他は耐水性の評価方法と同様に行っ
た。
【0055】[耐アルカリ性]水道水に代えて、濃度5
%の水酸化カリウム水溶液を用いた他は耐水性の評価方
法と同様に行った。
【0056】[成膜性]脱脂したSPCC−SB鋼板に
塗料組成物をエアスプレーを用いて乾燥膜厚が150μ
mになるように塗装後、120℃で1時間乾燥し塗膜を
得、この塗膜面の状態を耐水性の評価方法と同じ基準で
評価した。
【0057】[耐湿性]脱脂したSPCC−SB鋼板に
塗料組成物をエアスプレーを用いて乾燥膜厚が150μ
mになるように塗装後、80℃で1時間乾燥し塗膜を
得、この塗装鋼板を、湿度95%、温度50℃の恒温恒
湿器に一カ月間放置して、塗膜面の状態を耐水性の評価
方法と同じ基準で評価した。
【0058】[白化性]SPCC−SB鋼板に代えて厚
さ0.8mmのガラス板を用い、以下の評価基準に従っ
た他は耐水性の評価方法と同様に行った。 ◎・・該ガラス板を新聞紙の上に静置し、該ガラス板を
通して新聞の活字が肉眼で判読できる。 ×・・該ガラス板を新聞紙の上に静置し、該ガラス板を
通して新聞の活字が肉眼で判読できない。
【0059】実施例1 軟水29部に、アクリル酸2−エチルヘキシル28.5
部、スチレン60.25部、アクリル酸エチル3.8
部、メタクリル酸0.95部、N−メチロールアクリル
アミド1.5部及びオキシエチレン平均重合度が20の
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム0.4部を添加混合して、単量体(b)乳化物を得
た。一方、反応器に軟水58部及びオキシエチレン平均
重合度が20のポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル硫酸ナトリウム0.3部を添加し、さらにスチレン
4.8部及びメタクリル酸0.2部からなる単量体
(a)を添加して乳化分散させた後、温度を80℃に昇
温し、80℃を維持した状態で、過硫酸アンモニウムの
10%水溶液2部を添加して重合を開始させた。重合開
始から1時間後、過硫酸アンモニウムの10%水溶液4
部を添加し、次に前記単量体乳化物を3時間かけて添加
した。単量体乳化物添加終了後、さらに2時間重合し、
次いで、残留単量体を除去し、固形分濃度50%に調整
した後、温度を20℃に冷却して、本発明の共重合体ラ
テックスを得た。単量体(b)添加時の単量体(a)の
重合転化率及び単量体(b)の重合転化率は共に98%
以上であった。
【0060】このラテックスに成膜助剤(CS−12:
チッソ社製)2部及び消泡剤(フォーマスターVL:サ
ンノプコ社製)0.2部を添加し混合して、耐水性塗料
組成物を得た。この評価結果を表1に示した。
【0061】実施例2〜6及び比較例1〜4 実施例1において単量体、界面活性剤の組成を表1又は
表2の処方のものに変えた他は実施例1と同様にして共
重合体ラテックス及び塗料組成物を得た。これらの評価
結果を表1又は表2に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】表1及び表2から、本発明の共重合体ラテ
ックスを必須成分とする塗料組成物は、耐水性、耐塩水
性、耐酸性、耐アルカリ性、耐湿性及び成膜性に優れた
塗膜を得ることができることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃、1気圧における水に対する溶解
    度が1重量%以下の疎水性エチレン性不飽和単量体90
    〜99.9重量%、エチレン性不飽和カルボン酸0.1
    〜10重量%及びこれらと共重合可能なその他の単量体
    0〜9.9重量%からなる単量体(a)2〜15重量部
    を、単量体(a)に対して2〜15重量%の式1で表さ
    れる界面活性剤の存在下で、乳化重合した後、 該疎水性エチレン性不飽和単量体30〜99.8重量
    %、エチレン性不飽和カルボン酸0.1〜10重量%、
    エチレン性不飽和カルボン酸アミド0.1〜5重量%及
    びこれらと共重合可能なその他の単量体0〜69.8重
    量%からなる単量体(b)98〜85重量部(ただし単
    量体(a)と単量体(b)の合計量は100重量部)
    と、単量体(b)に対して0.1〜2重量%の式1で表
    される界面活性剤とを添加し乳化重合して得られる共重
    合体ラテックス。 【化1】 (ただし、Rはアルキル基又はアリール基;Mは、N
    a、K又はNH4;nは5〜40である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のラテックスを必須成分と
    する耐水性塗料組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012207103A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Nippon Shokubai Co Ltd 塗料用樹脂組成物

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