JPH0812808A - 高分子重合体エマルジョン組成物及び紙塗工用組成物 - Google Patents

高分子重合体エマルジョン組成物及び紙塗工用組成物

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JPH0812808A
JPH0812808A JP14906894A JP14906894A JPH0812808A JP H0812808 A JPH0812808 A JP H0812808A JP 14906894 A JP14906894 A JP 14906894A JP 14906894 A JP14906894 A JP 14906894A JP H0812808 A JPH0812808 A JP H0812808A
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polymer emulsion
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dimethyl
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JP14906894A
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Inventor
Tomoya Watanabe
智也 渡辺
Tetsushi Kono
哲史 河野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高分子重合体エマルジョンの固形分100重
量部に対し、下記(1)式に示される化合物1種以上を
0.1〜20重量部含有することを特徴とするアクリル
樹脂エマルジョン組成物および該アクリル樹脂エマルジ
ョン組成物に鉱物性顔料含有する紙塗工用組成物であ
る。(R1 、R2 は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖も
しくは分枝のアルキル基から選ばれ、Mは炭素数1〜1
0のアルキレン叉はビニレン基を示す。) 【効果】 本発明の組成物を用いることにより、塗工紙
表面強度、剛度、耐ブリスター性に優れた塗工紙を提供
する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗工紙表面強度、剛
度、耐ブリスター性に優れた紙塗工用塗料組成物を提供
することに関するものであり、一般の塗工紙、板紙、軽
量塗工紙、微塗工紙、超軽量塗工紙、アート紙、キャス
トコート紙などに使用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、カルボキシ変性スチレンーブタジ
エン共重合体エマルジョンは、カゼイン、デンプンなど
天然および合成のバインダーと併用して紙塗工用バイン
ダーとして広く使用されている。これらの水性分散体を
含有した塗工用組成物をコーティングした塗工紙は、白
色度、光沢など、種々の性能が優れており、様々な用途
に使用されているが、特に輪転オフセット印刷方式によ
って一層大量に用いられるようになった。一般に、輪転
オフセット用塗工紙は、紙面強度−紙の剛度−耐ブリス
ター性について高性能を要求されている。そこで塗工紙
表面強度即ち印刷時の塗工紙表面強度を向上させるため
の方法として、ポリマーのゲル分率を高くする、ブ
タジエンのような低Tgモノマーの共重合比率を高め
る、の手法が提案されている。しかしながら、の方法
では、ポリマー自体の強度は強くなるがポリマー鎖のモ
ビリティーが低下するために耐ブリスター性が低下し、
の方法では、成膜性は改善されるが塗工紙の耐べたつ
き性、耐ブロッキング性が低下する等の問題があり紙面
強度と耐ブリスター性のバランスがとれない。一方、よ
り簡便に紙面強度を向上させる方法としては、特開昭5
7ー11297号公報による一時的合着剤(造膜助剤)
叉は永久的合着剤(可塑剤)を用いて成膜性を改良し、
塗工紙表面強度を高める方法があるが、合着剤の使用量
が多くする必要があり、かつ合着剤の沸点が高くため合
着剤が紙面に残存する。その為、耐ブリスター性が低下
し、又紙面強度の向上も充分でなく、工業的に問題があ
つた。又この欠点を改良した技術として、特開昭61ー
266695号公報による、水に難溶性の沸点60℃〜
120℃の有機溶剤を造膜助剤として用いる方法があ
る。この方法では低沸点溶剤を造膜助剤として用いる
為、紙面への造膜助剤の残存が無く、耐ブリスター性は
維持されるが、充分な紙面強度が得られず、安全性にも
問題がある事から、造膜性、顔料混和性、低毒性、安全
性、揮発性を有する工業的に満足しうる造膜助剤の開発
が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、塗工紙表
面強度、剛度、耐ブリスター性の向上させる方法とし
て、優れた造膜性能を有する造膜助剤を含有する高分子
重合体エマルジョン組成物と該組成物を含有する紙塗工
用組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子重合体
エマルジョンの固形分100重量部に対し、下記(1)
式に示される化合物1種以上を0.1〜20重量部含有
することを特徴とする高分子重合体エマルジョン組成
物。
【0005】
【化2】
【0006】(R1 、R2 は水素原子又は炭素数1〜6
の直鎖もしくは分枝のアルキル基から選ばれ、Mは炭素
数1〜10のアルキレン叉はビニレン基を示す。) 本発明で用いる(1)式の化合物は、公知の二塩基酸の
エステルであるが、従来の助剤にはない、優れた造膜性
を有している。(1)式の化合物が優れた造膜性を有し
且つ紙面強度を向上させる理由は充分には解明されては
いないが、造膜性については、物質間の相溶性の尺度を
示すSP値(溶解度パラメーター)が水性分散体と同程
度(8〜9)であるため効率的にポリマー側に分配し、
可塑化効果が発現していると考えられる。又このことが
高分子重合体エマルジョンの顔料との融着性を高めるこ
ととなり紙面強度が向上すると考えられる。更にはこの
優れた造膜性能は、即ち助剤の使用量の減少となり、そ
のことが結果的に助剤の高分子重合体エマルジョン、紙
面からの揮発性向上をもたらすことになる。この様な造
膜性、揮発性を合わせ持つ助剤は従来になく、この化合
物を紙用高分子重合体エマルジョンの造膜助剤として使
用する事により塗工紙面強度と耐ブリスターバランスを
向上させたことを見出し本発明を完成させた。
【0007】また、本発明は、(1)式で示される化合
物の中から選ばれた、1種以上の化合物を高分子重合体
エマルジョン固形分100重量部に対して0.1〜20
重量部含有する組成物及び鉱物性顔料100重量部と該
高分子重合体エマルジョン組成物1〜30重量部含有す
る紙塗工用塗料組成物に関するものである。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。(1)式に
おいて、R1 、R2 は水素原子および炭素数1〜6の直
鎖もしくは分枝のアルキル基であって、例えばメチル
基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ターシャリ
ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ
る。Mは炭素数1〜10のアルキレン叉はビニレン基で
る。このような構造の化合物としては、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、メサコン酸、ジヒドロムコン酸、グル
タコン酸等の酸及びそれぞれの酸のモノエステル及びジ
エステルであり、ジエステルは非対象エステルであって
もよい。具体的には、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジ
メチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、ア
ジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ブチルシクロヘキシ
ル、アジピン酸ジシクロヘキシル、アジピン酸ターシャ
リーブチルシクロヘキシル、アゼライン酸ジブチル、セ
バシン酸ジブチル、フマル酸ジメチルフマル酸ジイソプ
ロピル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジイソプロピ
ル等があり、好ましくは、アジピン酸ジメチル、コハク
酸ジメチル、グルタル酸ジメチルを挙げられ、単独或い
は2種以上の混合物で使用する。アジピン酸ジメチル、
コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチルの三者混合物で
使用することも好ましい態様である。
【0009】これらの化合物の使用量は、高分子重合体
エマルジョンの粘度、MFT(最低成膜温度)等の性質
により異なるが、高分子重合体エマルジョンの固形分1
00部に対し0.1〜20重量部の範囲が好ましい。使
用量が0.1重量%より少ないときは造膜助剤としての
効果が乏しくなり、また20重量%より多い場合は、高
分子重合体エマルジョンの粘度が著しく上昇し、塗膜形
成速度も低下し又塗工乾燥時の造膜助剤の揮発性が悪く
なり、造膜助剤が紙面に残存し、ブロッキング性の低下
の原因となり好ましくない。
【0010】本発明で用いる高分子重合体エマルジョン
は、例えば、スチレンーブタジエン系、アクリルニトリ
ルーブタジエン系、クロロプレン系等の合成ゴムラテッ
クス、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン
系、アクリル系、ウレタン系等の樹脂エマルジョン等、
通常使用されているものであればよく、好ましくは、カ
ルボキシ変性スチレンーブタジエン系エマルジョンであ
る。また、それは、アニオン性、カチオン性、ノニオン
性、両性のいずれでも特に限定されるものではない。高
分子重合体エマルジョンは単独で使用しても、2種類以
上の混合物として使用してもよい。高分子重合体エマル
ジョンは、市販されており、これらの中から任意に選択
して使用することもできる。コアが架橋しているコア・
シェル型エマルジョン、中空エマルジョン、複合エマル
ジョンも限定されることはなく、要求性能に合わせて適
宜選択し、使用することができる。
【0011】これらの高分子重合体エマルジョンは、次
に示すモノマー単量体組成を通常の乳化重合方法で重合
することにより調整される。例えば、高分子重合体エマ
ルジョンの好ましい組成としては、単量体の全重量基準
で、(a)脂肪族共役ジエン単量体10〜80重量%、
(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜15
重量%、(c)これらと共重合可能な他の単量体10〜
89.9重量%を乳化重合して得られる。
【0012】ここで用いる高分子重合体は、架橋構造を
有してもよく、THE可溶分の数平均分子量は500〜
20万が好ましく、特に、1000〜10万が好まし
い。適当な(a)脂肪族共役ジエン単量体としては、
1,3―ブタジエン、2―メチル―1,3―ブタジエン
等である。(b)エチレン性不飽和カルボン酸として
は、アクリル酸、α―クロロアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、
シトラコン酸、メサコン酸等の単独または混合物であ
る。次に(c)これらと共重合可能な他の単量体として
は、2―ヒドロキシエチルアクリレート、2―ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2―ヒドロキシプロピルアク
リレート、2―ヒドロキシプロピルメタクリレート、3
―ヒドロキシプロピルアクリレート、3―ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、4―ヒドロキシブチルアクリレ
ート、4―ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチレ
ングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコール
モノメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n―プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、
ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、
ヘキシルアクリレート、2―エチルヘキシルメタクリレ
ート、ヘプチルアクリレート、ヘプチルメタクリレート
など、アルキル基内に炭素原子約20までを有する同様
なエステルが使用可能であり、さらに、1、4―ブチレ
ングリコールジアクリレート、1、6―ヘキサングリコ
ールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレ
ングリコールジメタクリレート、1、3―ブチレングリ
コールジメタクリレート、1、4―ブチレングリコール
ジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジ
ビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどの多官能性単
量体、スチレン、α―アルキルスチレン、α―クロロス
チレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸
ビニル等も使用できる。
【0013】上述のモノマー混合物については、単一組
成の重合も、異なる組成のものを数段に分割して重合す
ることも、組成を連続的に変化させて重合することも可
能である。また、多官能性単量体を使用すると、高い硬
度の塗膜が形成できる。高分子重合体エマルジョンの乳
化重合時に用いられる乳化剤としては、例えば、アニオ
ン性界面活性剤あるいはノニオン性界面活性剤が使用で
きる。
【0014】界面活性剤としては、例えば高級アルコー
ル硫酸エルテル塩、脂肪族ないしは芳香族スルホン酸
塩、燐酸エステル塩、カルボン酸塩等のアニオン性界面
活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェノールエーテル、エチレンオ
キサイド―プロピレンオキサイドブロックポリマー、ソ
ルビタン誘導体、ジエタノールアミン誘導体等のノニオ
ン性界面活性剤が好ましい。
【0015】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過
酸化水素、クメンヒドロペルオキシド等の水溶性開始剤
のほか、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチ
ロニトリル等の油溶性開始剤が用いられる。連鎖移動剤
としては、従来公知のもの、例えばt−ドデシルメルカ
プタン、四塩化炭素、オクチルメルカプタン、n−ドデ
シルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t
−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカ
プタン、t−ヘキサデシルメルカプタン、テトラエチル
チウラムスルフィド、塩化メチレン、臭化エチレン、ジ
ペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、ジイソプロ
ピルキサントゲンジスルフィド、α―メチルスチレンダ
イマーなど乳化重合反応における一般的分子量調整剤を
使用できる。
【0016】本発明の高分子重合体エマルジョン組成物
の調製は、高分子重合体エマルジョンの重合時に(1)
式の化合物を添加しても、あるいは高分子重合体エマル
ジョンに(1)式の化合物を直接添加しても良い。ま
た、セロソルブ、カルビトールアセテート等を(1)式
の化合物の造膜助剤と併用することも可能である。
【0017】本発明における、紙塗工用組成物は高分子
重合体エマルジョン組成物に鉱物性顔料の他に、必要に
応じポリスチレン等の有機顔料を添加して調整するか叉
は、高分子重合体エマルジョンを鉱物性顔料、有機顔料
とともに水性分散液とし、その後に(1)式の化合物を
添加して調整した後塗工用紙に塗布される。この際固形
分換算で顔料100重量部に対して、高分子重合体エマ
ルジョン組成物1〜30重量部使用され、全体の組成物
中の固形分濃度は通常40〜70重量%に調整される。
【0018】本発明を実施する際に用いる適当な紙塗工
用顔料としては、公知の紙塗工用組成物において通常使
用される従来の鉱物性顔料が挙げられる。適当な顔料の
例としては、粘土(特にカオリン型のもの)、炭酸カル
シウム、二酸化チタン、サチンホワイト等が挙げられ
る。さらに、その他の顔料又は充填物質、例えばタル
ク、沈降硫酸バリウム、オーカー、カーボンブラック、
アルミニウム粉末等を少量で前記鉱物性顔料と共に使用
できる。さらに、その他の公知の紙塗工塗料用添加剤、
例えばシックナー(例えば、アルギン酸又はカルボキシ
メチルセルロース)、硬化剤(例えば、メラミンホルム
アルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、グリオキ
サール等)、分散剤(例えば、ピロリン酸4ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等)、中和剤、消泡剤
(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、
シリコンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシ
アンジアミド、尿素など)、防腐剤、耐水化剤(ホルマ
リン、ヘキサミン、メラミン樹脂、尿素樹脂、グリオキ
サルなど)、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフ
ィンエマルジョンなど)等を必要に応じて、使用でき
る。
【0019】本発明の紙塗工用組成物を塗工する際には
従来の方法、例えばゲートロールコーター、オフセット
ロールコーター、サイズプレスコーター、エアーナイフ
コーター、ブレードコーターなど通常の方法によって行
われる。施工後、塗料は適当な方法で乾燥される。通
常、加熱空気の流れを塗工面にあてて行われる。
【0020】
【実施例】MFT測定は、温度勾配法により測定した。
ラテックスフィルムのベタツキの試験方法は、ラテック
スを塗工した試験フィルムを台紙に貼り、その上に黒ラ
シャ紙をのせてカレンダーロールを用いて圧着した。黒
ラシャ紙を剥し、ラシャ紙繊維のフィルム上への付着状
況を目視判定した。ラシャ紙繊維の転写の程度が少ない
ものほど良好とした。
【0021】紙塗工用組成物調製法と評価用塗工紙サン
プルの作製 塗工液の調製は、水に分散剤である固形分40%のポリ
アクリル酸ナトリウム(アロンT40)を加え、ミキサ
ーによりクレーと炭酸カルシウムを十分に分散し、これ
にリン酸エステル化澱粉(MS4600)、SBラテッ
クス組成物を順次添加し、さらに十分混合することによ
り行った。
【0022】塗工液(クレー:80部、炭酸カルシウ
ム:20部、アロンT40:0.2部、MS4600:
3部、SBラテックス組成物:12部で、塗料固形分は
65%になるように水で調整した。)を57%まで水で
希釈してから、ワイヤーバーを用いて乾燥塗布量が片面
につき14〜15g/m2 になるように上質紙に塗布
し、即座に150℃、20秒で乾燥したのち恒温恒湿室
(23℃、湿度65%)に一晩放置した。これをカレン
ダーロールで、ロール温度50℃、線圧150kg/c
mの条件で1塗工面につき2回通紙することにより評価
用塗工紙サンプルを得た。
【0023】紙面強度の試験方法 種々の塗工紙を短冊状に切って台紙に並べて貼り、強度
試験用の高タックインクを用いてRI印刷試験機で印刷
を行い、印刷の際に破壊された塗工紙表面の状態を目視
判定し、評価点数は、3.0を基準とし、点数の高いも
のほど良い。 ブリスター発生温度の試験方法 両面塗工紙を調湿(6%)し、加熱オイルバスに入れ、
ブリスター(火ぶくれ)が発生する最低温度で示した。
温度が高い方がブリスター性は良好である。
【0024】塗工紙の剛度の試験方法 両面塗工紙を2cm×18cmの短冊に切り、クラーク
剛度計で測定した。 評価基準:◎:改善、○:維持、△:若干低下、×:低
下とした。 SBラテックスA〜Cの製造法 撹拌装置及び温度調節装置を備えた耐圧反応器にイオン
交換水80部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2部、フマ
ール酸1.4部、イタコン酸1.3部、粒径250オン
グストロームの水性分散体(シード固形分濃度20%)
0.4部を仕込み窒素置換後、内部温度を80℃に昇温
した。次いで、組成がブタジエン34部、スチレン3
8.3部、アクリロニトリル12部、メタクリル酸メチ
ル10部、アクリル酸2ーヒドロキシエチル3部、αー
メチルスチレン2量体1.3部、t−ドデシルメルカプ
タン0.4部である混合液を反応器に添加し、8時間で
反応させ、次いで得られたラテックスを水酸化ナトリウ
ム水溶液でpH7に調整してからスチームストリッピン
グ法により未反応単量体を除去し、200メッシュの金
網で濾過してSBラテックスAを得た。また、ラテック
スの最終固形分は50%に調整した。このラテックスを
用い、上記の方法でMFTの測定を行った。また、SB
ラテックスAと同条件で表1に示すような組成のSBラ
テックスB、Cを合成し、同様にMFTの測定を行っ
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【実施例1】高分子重合体エマルジョンとして、SBラ
テックスA(MFT=13℃)を100部用い、造膜助
剤としてアジピン酸ジメチルを2部添加し、室温で1時
間振とうして高分子重合体エマルジョン組成物を作製
し、MFTを測定した。その結果MFTは2℃であり、
ベタツキの無いフィルムが得られた。
【0027】
【実施例2】造膜助剤として、アジピン酸ジメチル0.
2部、グルタル酸ジメチル1.3部、コハク酸ジメチル
0.5部の混合物を用いる以外は、実施例1と同様の方
法でMFTを測定した。その結果MFTは1℃であり、
ベタツキの無い良好なフィルムを得た。
【0028】
【実施例3】造膜助剤として、デュポン社製DBE(二
塩基酸エステル混合物:アジピン酸ジメチル10〜25
%、グルタル酸ジメチル55〜75%、コハク酸ジメチ
ル15〜25%)を2部用いる以外は、実施例1と同様
の方法でMFTを測定した。その結果MFTは1℃であ
り、ベタツキの無い良好なフィルムを得た。
【0029】
【実施例4〜6】造膜助剤の種類を変化させる以外は、
実施例1と同様の方法でMFTを測定した。その結果を
表2に示す。
【0030】
【比較例1〜4】造膜助剤として、nーヘキサン、CS
−12(イソ酪酸エステル:チッソ社製)ブチルセロソ
ルブ、プロピレングリコールフェニルエーテルを用い、
使用量を5部とする以外は実施例1と同様の方法でMF
Tを測定した。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【実施例7〜9】造膜助剤の添加量を変化させる以外
は、実施例3と同様の方法でMFTを測定した。その結
果を表2に示す。
【0033】
【比較例5〜6】ラテックスA100部に対し、造膜助
剤0部もの、25部添加したものについて、他は実施例
3と同様の方法でMFTを測定した。その結果を表3に
示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【実施例10〜14】高分子重合体エマルジョンとして
SBラテックスB(MFT<0℃)及びSBラテックス
C(MFT=52℃)を用い、造膜助剤としてデュポン
社製DBEを用いその添加量を変化させ、実施例1と同
様の方法でMFTを測定した。その結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【実施例15】上述の方法により評価用塗工紙サンプル
を実施例3の高分子重合体エマルジョン組成物(ラテッ
クスA100部にデュポン社製DBE2部を混合したラ
テックス)で得た。これを評価したところ、紙面強度
(3.3)、ブリスター発生温度(205℃)となり、
ブリスター発生温度を維持したまま、紙面強度と紙の剛
度が向上した塗工紙を得た。
【0038】
【比較例7】造膜助剤を添加しないこと以外は実施例1
5と同様の方法で塗工紙を作成し、その評価を行った。
その結果は、紙面強度(3.0)、ブリスター発生温度
(205℃)であり、紙面強度、剛度ともに不足してい
た。
【0039】
【実施例16】造膜助剤を含まないラテックスAを用い
実施例15の方法で紙塗工用塗料組成物を調整し、塗工
液の固形分に対し0.24部のデュポン社製DBEを添
加し充分に撹拌した。この塗工液を実施例15と同様に
して塗工紙を作成し評価を行ったところ、紙面強度
(3.3)、ブリスター発生温度(205℃)で剛度の
向上した塗工紙であった。
【0040】
【実施例17】高分子重合体エマルジョン組成物の量を
塗工液の固形分に対して11部(実施例15より1部減
少)にすること以外は、実施例15と同様の方法で塗工
紙を作成し、評価をおこなつた。その結果、紙面強度
(3.1)、ブリスター発生温度(220℃)であり、
紙面強度が向上し、ブリスター発生温度の大幅に向上し
た塗工紙を得た。また、剛度も満足できるものであつ
た。
【0041】
【比較例8】造膜助剤を含まないラテックスAを塗工液
の固形分に対して13部(実施例15より1部増加)に
すること以外は、実施例15と同様の方法で塗工紙を作
成し、評価を行つた。その結果、紙面強度(3.3)、
ブリスター発生温度(190℃)であり、紙面強度は向
上するが、耐ブリスター性が減少した。
【0042】
【実施例18〜20】実施例7〜9の高分子重合体エマ
ルジョンを用いる以外は実施例15と同様の方法で塗工
紙を作成し、紙面強度、ブリスター発生温度、剛度を測
定した。その結果を表5に示す。
【0043】
【比較例9】比較例6の高分子重合体エマルジョンを用
いる以外は実施例15と同様の方法で塗工紙を作成し、
紙面強度、ブリスター発生温度、剛度を測定した。その
結果を表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】
【実施例21〜23】実施例4〜6の高分子重合体エマ
ルジョンを用いる以外は実施例15と同様の方法で塗工
紙を作成し、紙面強度、ブリスター発生温度、剛度を測
定した。その結果を表6に示す。
【0046】
【比較例10〜13】比較例1〜4の高分子重合体エマ
ルジョンを用いる以外は実施例15と同様の方法で塗工
紙を作成し、紙面強度、ブリスター発生温度、剛度を測
定した。その結果を表6に示す。
【0047】
【表6】
【0048】
【実施例24】実施例10の高分子重合体エマルジョン
組成物(ラテックスB100部にデュポン社製DBE2
部を混合したラテックス)を用い、配合表中の水性分散
体組成物量を10部にする以外は実施例15と同様の方
法で塗工用塗料組成物を作製し、評価を行った。その結
果は、紙面強度(3.8)、ブリスター発生温度(18
0℃)で剛度の向上した塗工紙を得た。(比較例14参
照)
【0049】
【比較例14】造膜助剤を添加していないラテックスB
を用いること以外は実施例24と同様の方法で紙塗工用
塗料組成物を作成し、評価を行った。その結果は、紙面
強度(3.5)、ブリスター発生温度(180℃)であ
り、紙面強度、剛度ともに不足していた。
【0050】
【発明の効果】本発明の高分子重合体エマルジョン組成
物およびそれを用いた紙塗工用組成物は、塗工紙表面強
度、剛度、耐ブリスター性に優れた塗工紙を提供する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子重合体エマルジョンの固形分10
    0重量部に対し、下記(1)式に示される化合物1種以
    上を0.1〜20重量部含有することを特徴とする高分
    子重合体エマルジョン組成物。 【化1】 (R1 、R2 は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖もしく
    は分枝のアルキル基から選ばれ、Mは炭素数1〜10の
    アルキレン叉はビニレン基を示す。)
  2. 【請求項2】 下記(1)式の化合物が、アジピン酸ジ
    メチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチルのうち
    から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1
    記載の高分子重合体エマルジョン組成物。
  3. 【請求項3】 下記(1)式の化合物が、アジピン酸ジ
    メチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチルの三者
    混合物であることを特徴とする請求項1記載の高分子重
    合体エマルジョン組成物。
  4. 【請求項4】 高分子重合体エマルジョンが、単量体の
    全重量基準で(a)脂肪族共役ジエン単量体10〜80
    重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.
    1〜15重量%、(c)これらと共重合可能な他の単量
    体15〜89.9重量%を乳化重合して得られる高分子
    重合体エマルジョンよりなる請求項1記載の高分子重合
    体エマルジョン組成物。
  5. 【請求項5】 鉱物性顔料100重量部と、請求項1記
    載の高分子重合体エマルジョン組成物1〜30重量部含
    有する紙塗工用組成物。
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