JP2010189566A - 制振組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた制振性能を発揮させることの容易な制振組成物を提供する。
【解決手段】制振組成物には、高分子材料とその制振性を高めるための無機充填剤とが含有されている。無機充填剤は膨潤性マイカと非膨潤性マイカとを含む。膨潤性マイカの平均粒径は、1〜7μmの範囲である。膨潤性マイカの平均粒径は、4μm以下の範囲であることが好ましい。膨潤性マイカの含有量に対する非膨潤性マイカの含有量の質量比が1〜10であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子材料及び無機充填剤を含有する制振組成物に関する。
高分子材料を母材とした制振組成物は、無機充填剤が配合されることで高分子材料の制振性を高めるように構成されている。制振組成物に配合される無機充填剤としては、主としてマイカ(雲母)が挙げられる(例えば特許文献1〜4参照)。
国際公開第97/42844号パンフレット 特開2002−302583号公報 国際公開第99/28394号パンフレット 国際公開第01/40391号パンフレット
ところで、マイカは非膨潤性マイカと膨潤性マイカとに分類される。一般に、制振組成物においては、非膨潤性マイカが広く使用されている。本発明は、特定の粒径を有する膨潤性マイカに対して非膨潤性マイカを組み合わせることで、制振性を高めることができることを見出すことでなされたものである。本発明の目的は、優れた制振性能を発揮させることの容易な制振組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の制振組成物は、高分子材料とその制振性を高めるための無機充填剤とを含有する制振組成物であって、前記無機充填剤は(a)膨潤性マイカと(b)非膨潤性マイカとを含み、前記(a)膨潤性マイカの平均粒径は1〜7μmの範囲であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制振組成物において、前記(a)膨潤性マイカの平均粒径が4μm以下の範囲であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の制振組成物において、前記(a)膨潤性マイカの含有量に対する前記(b)非膨潤性マイカの含有量の質量比が1〜10であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制振組成物において、前記高分子材料は20〜30℃の範囲のガラス転移点を有する第1の高分子材料と、45〜55℃の範囲のガラス転移点を有する第2の高分子材料とを含有することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の制振組成物において、前記第1の高分子材料と前記第2の高分子材料がいずれもアクリル系樹脂であることを要旨とする。
本発明によれば、優れた制振性能を発揮させることが容易である。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における制振組成物には、高分子材料とその制振性を高めるための無機充填剤とが含有されている。無機充填剤は、(a)膨潤性マイカと(b)非膨潤性マイカとを含み、膨潤性マイカの平均粒径は、1〜7μmの範囲である。
高分子材料は、制振組成物の母材として含有されるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及びゴム類に分類される。熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン・アクリロニトリル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。オレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、各種ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、非晶性ポリアミド、ポリメタクリルイミド等が挙げられる。スチレン・アクリロニトリル系樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
ゴム類としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴム、天然ゴム等が挙げられる。
これらの高分子材料は、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせたポリマーアロイやブロック共重合体として使用してもよい。
高分子材料は、所定の温度領域(例えば20℃〜60℃)において制振性能をバランスよく発揮させるという観点から、20〜30℃の範囲のガラス転移点を有する第1の高分子材料と、45〜55℃の範囲のガラス転移点を有する第2の高分子材料とを含むことが好ましい。ここで、第1の高分子材料及び第2の高分子材料のガラス転移点は、動的粘弾性分析(DMA)により測定されたガラス転移点温度をいう。具体的には、ガラス転移点温度は、高分子材料について、動的粘弾性分析を10Hzの条件で行った際の損失正接のピーク温度をいう。
第1及び第2の高分子材料は、所定の温度領域(例えば40℃付近)において制振性能を顕著に高めるという観点から、第1の高分子材料の質量(A)と第2の高分子材料の質量(B)との質量比(A/B)において、1/15〜1/3の範囲で含有されることがより好ましい。
第1又は第2の高分子材料の具体例としては、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルを単量体とする単独重合体、これらの単独重合体の混合物、並びにこれらの単量体が重合した共重合体が挙げられる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、2−エチルヘキシルエステル、エトキシエチルエステル等が挙げられる。なお、これらの高分子材料は、上述したガラス転移点の範囲に含まれる変性体であってもよい。
第1の高分子材料又は第2の高分子材料は、単独種の高分子材料から形成されていてもよいし、複数種の高分子材料から形成されていてもよい。高分子材料は、第1及び第2の高分子材料のみから構成することが最も好ましいが、第1及び第2の高分子材料のガラス転移点の範囲外のガラス転移点を有する第3の高分子材料を含有させてもよい。この場合、制振組成物中に含まれる高分子材料の全体の質量に対して、第1及び第2の高分子材料の占める割合が例えば90質量%以上であることが好ましい。第1及び第2の高分子材料は、相溶性が良好であるという観点から、第1及び第2の高分子材料はいずれもアクリル系樹脂であることが好ましい。
制振組成物には、(a)膨潤性マイカ及び(b)非膨潤性マイカが含有されている。
(a)膨潤性マイカは、水等の極性溶媒で膨潤する特性を有する親水性の膨潤性マイカである。こうした膨潤性マイカの層間に存在するイオンは、リチウム、ナトリウム又はストロンチウムであり、それらのイオンが極性溶媒中のイオンとイオン交換することで膨潤性マイカは膨潤する。膨潤性マイカとしては、例えばNa型テトラシリシックフッ素マイカ、Li型テトラシリシックフッ素マイカ、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等が挙げられる。
膨潤性マイカの平均粒径は、1〜7μmの範囲であり、好ましくは1〜4μmの範囲である。膨潤性マイカの平均粒径が1μm以上の場合、優れた制振性能がさらに発揮されやすくなる。膨潤性マイカの平均粒径が7μmを超える場合、優れた制振性能を発揮させることが困難である。膨潤性マイカのアスペクト比は、特に限定されないが、膨潤させていない状態において20〜60の範囲であり、膨潤させた状態で1000〜5000の範囲のものが好適に用いられる。
(b)非膨潤性マイカは、水中では膨潤しない特性を有する。非膨潤性マイカとしては、例えばフッ素金雲母、カリウム四珪素雲母等の合成非膨潤性マイカ、白雲母、金雲母、黒雲母、絹雲母等の天然非膨潤性マイカ等が挙げられる。非膨潤性マイカの平均粒径は、特に限定されないが、例えば10〜100μmの範囲が好ましい。また、非膨潤性マイカのアスペクト比は、例えば40以上の範囲が好適に用いられる。非膨潤性マイカのアスペクト比は、制振性をより高めるという観点から、好ましくは45を超える範囲であり、より好ましくは90以上の範囲である。非膨潤性マイカのアスペクト比の上限は、特に限定されないが、例えば1000以下であることが好適である。
本明細書の平均粒径は、レーザー光散乱法で求められる粒度の積算分布において、50%体積平均粒径(D50値)である。本明細書のアスペクト比は、非膨潤性マイカについての走査型電子顕微鏡の観察において、無作為に50個の非膨潤性マイカを選び、それらマイカの長径と厚みを測定した測定値の平均を求めることにより得られる。
制振組成物中において、優れた制振性能を発揮させることがさらに発揮されやすくなるという観点から、(a)膨潤性マイカの含有量に対する(b)非膨潤性マイカの含有量の質量比(質量比=b/a)は、1〜10であることが好ましい。
制振組成物において、非膨潤性マイカ及び膨潤性マイカの合計の含有量は、上記高分子材料100質量部に対して、好ましくは30〜100質量部、より好ましくは40〜80質量部、さらに好ましくは45〜70質量部である。非膨潤性マイカ及び膨潤性マイカの合計の含有量が高分子材料100質量部に対して30〜100質量部の場合、優れた制振性能がさらに発揮されやすくなる。
制振組成物には、制振性付与剤、ゲル化剤、発泡助剤、分散剤、粘度調整剤、増粘剤、流動改良剤、硬化剤、消泡剤、造膜助剤、凍結防止剤、沈降防止剤等を必要に応じて配合することが可能である。制振性付与剤としては、ベンゾチアジル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジフェニルアクリレート系化合物、正リン酸エステル系化合物及び芳香族第二級アミン系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。ゲル化剤としては、有機ゲル化剤と無機ゲル化剤とに分類され、有機ゲル化剤としてはでんぷん、でんぷん誘導体等が挙げられ、無機ゲル化剤としては硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。また、上記無機充填剤以外の無機充填剤を含有させてもよい。上記無機充填剤以外の無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ガラス、シリカ、アルミナ、アルミニウム、水酸化アルミニウム、鉄、アスベスト、酸化チタン、酸化鉄、珪藻土、ゼオライト、フェライト等が挙げられる。
制振組成物は、高分子材料、無機充填剤等を攪拌機等の公知の混合手段を用いて混合することによって調製することができる。例えば制振組成物を加熱成形するための制振材料として構成するには、まず、高分子材料からなる樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液(エマルション)に、膨潤性マイカを配合するとともに撹拌することで分散体を調製する。このとき、膨潤性マイカは、水系分散媒により膨潤される。次に、その分散体を乾燥させることで、高分子材料と膨潤性マイカとの複合体を調製する。続いて、その複合体に非膨潤性マイカを配合するとともに溶融混練することで、複合体に非膨潤性マイカを分散してなる制振材料が得られる。また、制振組成物を塗布及び乾燥して用いる制振塗料として構成するには、高分子材料からなる樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液に、膨潤性マイカ及び非膨潤性マイカを配合するとともに撹拌することで制振塗料が得られる。
ここで、膨潤性マイカのみを配合するとともに配合量を増大することで制振性を高めようとした場合、膨潤性マイカの配合量の増大に伴って水系樹脂分散液と膨潤性マイカとの混合物の粘性が高まることになる。このため、膨潤性マイカの分散不良が生じやすくなり、膨潤性マイカの配合量に見合った制振性能が発揮され難くなる。また、非膨潤性マイカのみを配合した場合も同様に、配合量の増大に伴って分散不良が生じやすくなり、その結果、非膨潤性マイカの配合量に見合った制振性能が発揮され難くなる。この点、本実施形態の制振組成物では、特定の範囲の平均粒径を有する膨潤性マイカを非膨潤性マイカとともに含有させることで制振性が高められる。このため、膨潤性マイカ及び非膨潤性マイカを分散しやすい配合量に抑えたとしても、優れた制振性能を発揮させることができるようになる。
制振組成物は、制振材料又は制振塗料として、振動エネルギーの抑制が要求される各種分野において利用することができる。制振組成物の適用分野としては、例えば自動車、壁材、床材、屋根材、フェンス等の建材、家電機器、産業機械等が挙げられる。
このように構成された制振組成物には、上記非膨潤性マイカと膨潤性マイカとが高分子材料に分散されているため、高分子材料中において、振動エネルギーが熱エネルギーへ変換される際に、それらマイカの振動特性が異なることから、エネルギー変換の効率が高まるものと推測される。こうした制振組成物の制振性能は、制振組成物の損失弾性率又は損失係数によって示される。つまり、制振組成物の損失弾性率の値又は損失係数の値が高ければ高いほど、制振組成物の制振性能が優れることが示される。制振組成物の損失弾性率は周知の動的粘弾性測定装置により測定することができるとともに損失係数は周知の中央加振法損失係数測定装置によって測定することができる。本実施形態の制振組成物は、特に損失弾性率が高まる。ここで、シート状の非拘束型制振材料は、シート面を適用箇所の形状に沿うようにして適用箇所に設けることで、適用箇所とは反対側のシート面が拘束されていない状態で使用される。そして、上記損失弾性率は、非拘束型制振材料の制振性能についての指標となる。すなわち、損失弾性率が高まれば、非拘束型制振材料としての制振性能が高まるため、本実施形態の制振組成物は、シート状の非拘束型制振材料としての利用価値が極めて高い。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)制振組成物には、膨潤性マイカと非膨潤性マイカとを含み、膨潤性マイカの平均粒径は1〜7μmの範囲である。これにより、高分子材料中において、振動エネルギーが熱エネルギーへ変換される際に、それらマイカの振動特性が異なることから、エネルギー変換の効率が高まるものと推測される。その結果、優れた制振性能を発揮させることが容易となる。
(2)膨潤性マイカの平均粒径が4μm以下の範囲であることにより、優れた制振性能を発揮させることがさらに容易となる。
(3)膨潤性マイカの含有量に対する非膨潤性マイカの含有量の質量比が1〜10であることにより、優れた制振性能を発揮させることがさらに容易となる。
(4)高分子材料が20〜30℃の範囲のガラス転移点を有する第1の高分子材料と、45〜55℃の範囲のガラス転移点を有する第2の高分子材料とを含有することにより、所定の温度領域において制振性能をバランスよく発揮させることができるようになる。
(5)第1及び第2の高分子材料は、いずれもアクリル系樹脂であることが好ましい。このように構成した場合、第1及び第2の高分子材料の相溶性が高まるようになる。こうした高分子材料においては、膨潤性マイカ及び非膨潤性マイカといった異なるマイカを含有させた際に、それらマイカの分散性が維持され易い。このため、所定の温度領域において制振性能をバランスよく発揮させることが容易であり、しかも、優れた制振性能を発揮させることが容易な制振組成物が提供される。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・前記高分子材料は、同高分子材料からなる樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液として含有される制振組成物。
・前記制振組成物の製造方法であって、前記高分子材料からなる樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液に、前記(a)膨潤性マイカを配合した分散体を乾燥させることで、前記高分子材料と前記(a)膨潤性マイカとの複合体を調製した後に、同複合体に前記(b)非膨潤性マイカを配合して溶融混練することで前記制振組成物を得る制振組成物の製造方法。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜3)
表1に示されるように、高分子材料に対して膨潤性マイカ及び非膨潤性マイカを配合することで制振組成物を調製した。膨潤性マイカは、コープケミカル株式会社製の親水性タイプのフッ素雲母、ソマシフ(商品名)である。非膨潤性マイカとしては、株式会社クラレ製の白雲母、クラライトマイカ(商品名)300Wと、株式会社クラレ製の金雲母、スゾライトマイカ(商品名)200HKとを質量比1:1とした混合物を用いた。
まず、高分子材料からなる樹脂粒子の水系分散液に膨潤性マイカを配合するとともに撹拌することで分散体を得た。次に、その分散体を乾燥させることで、高分子材料と膨潤性マイカとの複合体を調製した。その複合体に非膨潤性マイカを配合するとともに溶融混練することで、複合体に非膨潤性マイカを分散してなる制振材料を得た。なお、表1の高分子材料の欄に示される“A”及び“B”は、いずれもアクリル系樹脂であって、“A”のガラス転移点(Tg)は30℃であるとともに、“B”のガラス転移点(Tg)は50℃である。膨潤性マイカのアスペクト比は、膨潤させていない状態において20〜60の範囲であり、膨潤させた状態で1000〜5000の範囲である。非膨潤性マイカの平均粒径は、30〜75μmである。
(比較例1)
比較例1では、膨潤性マイカを非膨潤性マイカに変更した以外は、実施例1〜3と同様にして制振組成物を調製した。
(実施例4〜6)
実施例4〜6では、アスペクト比の異なる非膨潤性マイカに変更した以外は、実施例1〜3と同様にして制振組成物を調製した。この非膨潤性マイカは、株式会社山口雲母工業所製の白雲母、SYA41Rであり、その平均粒径は45μmである。
(比較例2)
比較例2では、膨潤性マイカを非膨潤性マイカに変更した以外は、実施例4〜6と同様にして制振組成物を調製した。
<動的粘弾性の測定>
各例で得られた制振組成物をシート状に成形することによって、厚さ1mmのシート材を得た。各シート材を35mm×3mmの寸法に切断し、動的粘弾性測定用の試験片とした。動的粘弾性測定装置(RSA−II:レオメトリック社製)を用いて各試験片を加振しながら連続的に昇温した際の損失弾性率E″を測定した。測定条件は、加振の周波数10Hz、測定温度範囲−40℃〜+90℃、昇温速度5℃/分とした。各例のシート材について、損失弾性率E″のピーク値及びピーク温度を表1に併記する。
Figure 2010189566
表1に示されるように、実施例1〜3において膨潤性マイカ及び非膨潤性マイカの配合量の合計は、比較例1の非膨潤性マイカの配合量と同じである。そして、実施例1〜3の損失弾性率E″のピーク値は、表1にE″の向上率として示したように、比較例1の損失弾性率E″のピーク値よりも向上している。この結果から、非膨潤性マイカと特定の粒径範囲の膨潤性マイカを併用することで、制振性が高まることが分かる。実施例4〜6及び比較例2についても、実施例1〜3及び比較例1と同様の結果が得られている。また、実施例1及び4については、実施例4で配合されている非膨潤性マイカのアスペクト比が、実施例1で配合されている非膨潤性マイカのアスペクト比よりも高いため、実施例4の損失弾性率E″のピーク値は、実施例1の損失弾性率E″のピーク値よりも高い値を示していることが分かる。実施例2及び5、並びに実施例3及び6についても、実施例1及び4と同様の結果が得られていることが分かる。

Claims (5)

  1. 高分子材料とその制振性を高めるための無機充填剤とを含有する制振組成物であって、前記無機充填剤は(a)膨潤性マイカと(b)非膨潤性マイカとを含み、前記(a)膨潤性マイカの平均粒径は1〜7μmの範囲であることを特徴とする制振組成物。
  2. 前記(a)膨潤性マイカの平均粒径が4μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の制振組成物。
  3. 前記(a)膨潤性マイカの含有量に対する前記(b)非膨潤性マイカの含有量の質量比が1〜10であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制振組成物。
  4. 前記高分子材料は20〜30℃の範囲のガラス転移点を有する第1の高分子材料と、45〜55℃の範囲のガラス転移点を有する第2の高分子材料とを含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制振組成物。
  5. 前記第1の高分子材料と前記第2の高分子材料がいずれもアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の制振組成物。
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