JP2006225441A - 減衰性付与剤及び減衰性塗料 - Google Patents

減衰性付与剤及び減衰性塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】 減衰性付与成分の分散性を良好にすることができる減衰性付与剤及び減衰性塗料を提供する。
【解決手段】 減衰性付与剤は、塗膜を形成する樹脂粒子が分散してなる水系分散液に対して配合されるものである。減衰性付与剤は、塗膜に減衰性を付与する減衰性付与成分を、水系分散媒に分散して構成される。この減衰性付与剤は、水中油滴型エマルションの形態、減衰性付与成分が固体粒子として水系分散媒に分散した形態等を採用することができる。減衰性付与成分は、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ベンゾチアジル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール基を有する化合物及びジフェニルアクリレート基を有する化合物から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動エネルギー、衝撃エネルギー等のエネルギーを減衰する減衰性を付与する減衰性付与剤、及び減衰性を発揮する減衰性塗料に関するものである。
従来、例えばベンゾチアジル基を有する化合物等は、各種樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与成分として知られている。さらに、こうした減衰性付与成分と、塗膜を形成する樹脂成分とを含有する減衰性塗料が知られている(例えば特許文献1〜3参照)。この減衰性塗料から得られる塗膜は、減衰性付与成分の作用によって、減衰性能を発揮することができる。
特許第3318593号公報 国際公開第99/28394号パンフレット 国際公開第01/040391号パンフレット
最近では、環境に対する影響を配慮して、水系分散媒中に樹脂粒子が分散している水系樹脂分散液、すなわち水性塗料が広く用いられている。こうした水性塗料に対して、減衰性付与成分を配合する場合、既に樹脂粒子が分散している水系分散媒中に減衰性付与成分を分散させることになる。その場合、減衰性付与成分の分散は、水性塗料中の樹脂粒子に阻害され易い。このため、水系樹脂分散液中において、減衰性付与成分の分散性は十分に得られにくい。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、減衰性付与成分の分散性を良好にすることができる減衰性付与剤及び減衰性塗料を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の減衰性付与剤は、塗膜を形成する樹脂粒子が分散してなる水系樹脂分散液に対して配合される減衰性付与剤であって、前記塗膜に減衰性を付与する減衰性付与成分を、水系分散媒に分散してなることを要旨とする。
この構成によれば、減衰性付与成分は、水系分散媒に分散した状態で水系樹脂分散液に配合されるため、減衰性付与成分は水系樹脂分散液中において容易に分散されるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の減衰性付与剤において、前記減衰性付与成分が有機溶媒に溶解してなる油滴を、前記水系分散媒中に分散した水中油滴型エマルションであることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の減衰性付与剤において、前記減衰性付与成分を、前記水系分散媒に固体粒子として分散してなることを要旨とする。
上記請求項1に記載の減衰性付与剤は、請求項2又は請求項3の構成を採用することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の減衰性付与剤において、前記減衰性付与成分は、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ベンゾチアジル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール基を有する化合物及びジフェニルアクリレート基を有する化合物から選ばれる少なくとも一種であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の減衰性付与剤において、前記減衰性付与成分は、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンであることを要旨とする。
上記請求項4及び請求項5の構成によれば、良好な減衰性を付与することができる。
請求項6に記載の発明の減衰性塗料は、塗膜を形成する樹脂粒子が分散してなる水系樹脂分散液に対して、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の減衰性付与剤を配合してなることを要旨とする。
この構成によれば、減衰性付与剤中の減衰性付与成分は水系分散媒に分散した状態で水系樹脂分散液に配合されるため、水系樹脂分散液中における減衰性付与成分の分散性が改善される。
本発明によれば、減衰性付与成分の分散性を良好にすることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における減衰性付与剤は、水系樹脂分散液に対して配合されるものである。この水系樹脂分散液は、塗膜を形成する樹脂粒子が分散して構成される。減衰性付与剤が配合された水系樹脂分散液は、減衰性塗料として利用される。すなわち、減衰性付与剤は、水系樹脂分散液中の樹脂粒子から形成される塗膜に対し、減衰性能を付与するものである。
減衰性付与剤には、その塗膜に減衰性を付与する減衰性付与成分が含有されている。減衰性付与剤は、その減衰性付与成分が水系分散媒に分散して構成される。減衰性付与成分は、樹脂材料中において、振動エネルギー、音のエネルギー、衝撃エネルギー等のエネルギー(但し、光エネルギー及び電気エネルギーを除く)を熱エネルギーに変換する作用を奏する化合物である。
減衰性付与成分の具体例としては、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ベンゾチアジル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール基を有する化合物、ジフェニルアクリレート基を有する化合物、ベンゾフェノン基を有する化合物等が挙げられる。
4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンとしては、樹脂用添加剤の市販品であるノクラック(商品名)CD(大内新興化学工業(株)製)等を使用することができる。2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体としては、市販品であるノクラック(商品名)224S(大内新興化学工業(株)製)等を使用することができる。4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)としては、市販品であるノクラック(商品名)300(大内新興化学工業(株)製)等を使用することができる。
ベンゾチアジル基を有する化合物としては、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DCHBSA)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DPBS)等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール基を有する化合物としては、ベンゼン環にアゾール基が結合したベンゾトリアゾールを母核とし、これにフェニル基が結合したものであって、2−[2′−ハイドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラハイドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(2HPMMB)、2−(2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2HMPB)、2−(2′−ハイドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(2HBMPCB)、2−(2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(2HDBPCB)、2−(2′−ハイドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2HOPB)等が挙げられる。
ジフェニルアクリレート基を有する化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(ECDPA)、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(OCDPA)等が挙げられる。
ベンゾフェノン基を有する化合物としては、2−ハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(HMBP)、2−ハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシド(HMBPS)等が挙げられる。
これらの減衰性付与成分は、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。これらの減衰性付与成分の中でも、塗膜の双極子モーメント量を増大する作用に優れるため、塗膜の減衰性能が発揮され易いという観点から、好ましくは4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ベンゾチアジル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール基を有する化合物及びジフェニルアクリレート基を有する化合物から選ばれる少なくとも一種、より好ましくは4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン及びベンゾチアジル基を有する化合物から選ばれる少なくとも一種、さらに好ましくは4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンである。
減衰性付与剤中における減衰性付与成分の含有量は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは15〜60質量%である。この含有量が5質量%未満であると、水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量が増大することになり、取り扱い性等が低下するおそれがある。一方、80質量%を超えると、減衰性付与成分の分散性が十分に得られないおそれがある。
水系分散媒としては、水の他、水とアルコールの混合液が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる。減衰性付与剤中における水系分散媒の含有量は、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜85質量%、さらに好ましくは30〜80質量%である。この含有量が10質量%未満であると、減衰性付与剤の分散性が十分に得られないおそれがある。一方、90質量%を超えると、水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量が増大することになり、取り扱い性等が低下するおそれがある。
減衰性付与剤の態様は、減衰性付与成分が有機溶媒に溶解した状態で水系分散媒に分散して構成される第1の態様、及び減衰性付与成分が固体粒子として水系分散媒に分散して構成される第2の態様に分類される。
第1の態様の減衰性付与剤は、溶剤に溶解した減衰性付与成分を水系分散媒に分散した分散液、すなわち水中油滴(O/W)型エマルションである。第1の態様の減衰性付与剤における油滴の大きさは、特に限定されないが、分散安定性の観点から、0.05μm〜5μmであることが好ましい。第1の態様の減衰性付与剤は、以下に示す方法(A)によって得ることができる。
方法(A):水に対して不溶な有機溶媒に、減衰性付与剤を溶解することによって減衰性付与成分溶液を調製する。この減衰性付与成分溶液を乳化剤の乳化作用によって水系分散媒に分散することにより、水中油滴型エマルションを調製する。詳述すると、乳化剤が溶解した水系分散媒を別途準備し、その水系分散媒に減衰性付与成分溶液を滴下しつつ、水系分散媒に減衰性付与成分溶液を分散させることにより、減衰性付与成分溶液を油滴とする水中油滴型エマルションを調製する。なお、減衰性付与成分を溶解させる有機溶媒は、減衰性付与成分に応じて適宜選択すればよく、例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
第2の態様の減衰性付与剤は、固体状態の減衰性付与成分、及び水系分散媒を含有し、水系分散媒中において、減衰性付与成分が微細な固体粒子として分散した分散液である。減衰性付与成分の粒子径は好ましくは1〜100μmである。この粒子径が1μm未満であると、製造が困難となるおそれがある。一方、100μmを超えると、減衰性付与成分の分散安定性が低下するおそれがある。
第2の態様における減衰性付与剤は、以下に示す方法(B)、方法(C)、方法(D)及び方法(E)のいずれかによって得ることができる。
方法(B):減衰性付与成分を粉砕機によって粉砕し、その粉砕によって得られた固体粒子を分散剤を利用して水系分散媒に分散する。
方法(C):減衰性付与成分を水系分散媒に配合し、水系分散媒中の減衰性付与成分を粉砕しつつ、分散剤を利用して分散する。
方法(D):水に対して相溶性を有する有機溶媒に、減衰性付与成分を溶解することによって減衰性付与成分溶液を調製する。その減衰性付与成分溶液を水系分散媒に混合することによって、水系分散媒中に減衰性付与成分を析出させ、析出した減衰性付与成分を分散剤を利用して水系分散媒に分散させる。水系分散媒に対して相溶性を有する有機溶媒としては、メタノール、エタノール等が挙げられる。こうした有機溶媒は、減衰性付与剤にスチームを通過させることによって除去してもよい。
方法(E):水中油滴型エマルションを製造する方法(A)に続いて、水中油滴型エマルションにスチームを通過させることにより、水中油滴型エマルションに含まれる有機溶媒を除去するとともに、水系分散媒中に減衰性付与成分を析出させる。
減衰性付与剤の製造に使用可能な装置としては、例えばボールミル、ハンマーミル、ジェットミル、各種ホモジナイザー等が挙げられる。
減衰性付与剤に配合される分散剤及び乳化剤としては、各種界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の種類は、減衰性付与成分の種類やその溶媒の種類に応じて適宜選択すればよい。界面活性剤の具体例としては、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル四級アミン塩等のカチオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤及びカルボン酸型、スルホン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で配合してもよいし、複数種を組み合わせて配合してもよい。
減衰性付与剤中における分散剤及び乳化剤の配合量は、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜15質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。この配合量が0.01質量%未満であると、減衰性付与成分の分散安定性が十分に得られないおそれがある。一方、20質量%を超えて配合しても、分散安定性について、それ以上の効果が得られにくい。
この減衰性付与剤には、その他の成分として、充填剤、粘度調整剤、増粘剤、流動改良剤、消泡剤、沈降防止剤等を必要に応じて配合することが可能である。
次に、減衰性付与剤が配合される水系樹脂分散液について説明する。
水系樹脂分散液に含有される樹脂粒子は高分子材料から形成され、その高分子材料としては、例えばアクリル系樹脂、アクリル/スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル/アクリル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン共重合ゴム、スチレン/ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム等が挙げられる。なお、これらの高分子材料は変性体であってもよい。
これらの高分子材料は単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。さらに、これらの高分子材料から形成される樹脂粒子は、水系樹脂分散液中において単独で含有してもよく、複数種の樹脂粒子を含有していてもよい。
これらの高分子材料の中でも、高い減衰性能を発揮させることができるという観点から、アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルを単量体とする単独重合体、これらの単独重合体の混合物、並びにこれらの単量体が重合した共重合体が挙げられる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、2−エチルヘキシルエステル、エトキシエチルエステル等が挙げられる。アクリル系樹脂の中でも、相溶性が良好な減衰性付与成分の種類が多く、優れた減衰性能を発揮させ易いという観点から、メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体がさらに好ましい。
樹脂粒子の分散媒としては、水の他、水とアルコールとの混合液が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる。
水系樹脂分散液は、例えば乳化剤を含有した水溶液中に単量体及び重合開始剤を滴下する乳化重合等の周知の方法に従って得ることができる。
続いて、減衰性塗料について説明する。
減衰性塗料は、水系樹脂分散液に減衰性付与剤を配合してなるものである。水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量は、樹脂粒子と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算して、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは2〜55質量%、さらに好ましくは3〜50質量%、最も好ましくは5〜40質量%である。この配合量が1質量部未満であると、減衰性能を十分に付与することが困難となるおそれがある。一方、60質量%を超えると、それ以上の減衰性能が得られにくくなる。この減衰性付与剤の配合量を、樹脂粒子と減衰性付与成分との合計量に含有する減衰性付与成分の含有量に換算して5質量部以上に設定すると、塗膜に優れた減衰性能を付与することができるようになる。
減衰性塗料から得られる塗膜の減衰性能は、その塗膜の損失係数によって示される。すなわち、塗膜の損失係数が高ければ高いほど、塗膜の減衰性能が優れることが示される。塗膜の損失係数は、中央加振法損失係数測定装置(CF5200タイプ、小野測器(株)製)等によって測定することができる。また、この損失係数は測定温度によって異なる値を示し、特定の温度においてピーク値を示す。
アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種を樹脂粒子とする水系樹脂分散液に対し、減衰性付与剤を配合してなる減衰性塗料の場合、損失係数がピークを示す温度は20℃〜30℃前後となるため、こうした温度領域において、減衰性能を十分に発揮することができるようになる。
アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種を樹脂粒子とする水系樹脂分散液に対し、減衰性付与剤を配合してなる減衰性塗料の場合、樹脂粒子に対する減衰性付与成分の配合量を変化させることにより、損失係数がピークとなる温度を変化させることができるようになる。詳述すると、樹脂粒子に対する減衰性付与成分の配合量を増加させると、それに伴って損失係数のピークを低温側にシフトさせることができるようになる。こうした現象は、DCHBSAを減衰性付与成分とする減衰性付与剤を配合した場合、顕著となる。
減衰性塗料には、その他の成分として、充填剤、ゲル化剤、発泡剤、発泡助剤、分散剤、粘度調整剤、増粘剤、流動改良剤、消泡剤、造膜助剤、沈降防止剤、各種界面活性剤等を必要に応じて配合することが可能である。充填剤としては、マイカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、珪藻土、ゼオライト、フェライト、カーボン等が挙げられる。ゲル化剤としては、有機ゲル化剤と無機ゲル化剤とに分類され、有機ゲル化剤としてはでんぷん、でんぷん誘導体等が挙げられ、無機ゲル化剤としては硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。減衰性塗料には、減衰性能をさらに向上させるために充填剤を配合することが好ましい。その充填剤としては、マイカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、珪藻土、ゼオライト、フェライト、カーボン等が挙げられる。これらの充填剤は、単独で配合してもよいし、複数種を組み合わせて配合してもよい。さらに、充填剤を配合する場合には、その沈降を抑制するために界面活性剤を配合することが好ましい。
水系樹脂分散液と減衰性付与剤との混合、すなわち水系樹脂分散液に対する減衰性付与成分の分散は、各種ホモジナイザーを使用することができる。
さて、減衰性付与剤は上記方法(A)〜(E)に示すいずれかの方法によって調製される。この減衰性付与剤は、水系樹脂分散液、すなわち水性塗料に配合される。このとき、減衰性付与剤は水系分散媒中に減衰性付与成分が分散して構成されているため、水系樹脂分散液に対して、減衰性付与成分を分散した状態で配合することができる。すなわち、この減衰性付与剤を用いることにより、減衰性付与成分を粉体として水系樹脂分散液に配合する場合よりも、この減衰性付与剤における減衰性付与成分は水系樹脂分散液中において容易に分散されるようになる。つまり、この減衰性付与剤によれば、減衰性付与成分と水系樹脂分散液との親和性が高まり、水系樹脂分散液に配合した際における減衰性付与成分の凝集が抑制されると推測される。特に、水系樹脂分散液の樹脂粒子を各種ホモジナイザーを用いて分散しつつ、減衰性付与剤を配合することにより、樹脂粒子及び減衰性付与成分の分散性に優れる減衰性塗料を得ることができる。
得られた減衰性塗料を使用するには、減衰性塗料を適用箇所に塗布した後、減衰性塗料を乾燥させることにより、塗膜を形成させる。この塗布には、エアスプレーガン、エアレススプレーガン、刷毛塗り等の塗布手段を用いることが可能である。この減衰性塗料は、振動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、振動エネルギーを減衰する制振塗料として利用することができる。こうした制振塗料は、例えば自動車、内装材、建材、家電機器等に適用され、モータ等の被制振箇所に適用することができる。また、この減衰性塗料は、衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、衝撃エネルギーを減衰する衝撃吸収塗料として利用することができる。こうした衝撃吸収塗料は、例えば靴、グローブ、各種防具、グリップ、ヘッドギア等のスポーツ用品、ギプス、マット、サポーター等の医療用品、壁材、床材、フェンス等の建材、各種緩衝材、各種内装材等に適用することができる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) この実施形態の減衰性付与剤では、減衰性付与成分は水系分散媒に分散している。このため、減衰性付与成分を水系樹脂分散液に配合するに際し、減衰性付与成分は水系樹脂分散液中において容易に分散されるようになる。従って、水系樹脂分散液中における減衰性付与成分の分散性を良好にすることができる。
(2) 減衰性付与剤は、減衰性付与成分が有機溶媒に溶解した減衰性付与成分溶液を油滴とする水中油滴型エマルションである場合、水系分散媒中における減衰性付与成分の分散安定性が向上される。その結果、使用時において、減衰性付与成分を再分散する手間を軽減することができるため、取り扱い性の良好な減衰性付与剤を提供することができる。
(3) 減衰性付与成分は、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ベンゾチアジル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール基を有する化合物及びジフェニルアクリレート基を有する化合物から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これらの化合物は、樹脂材料中の双極子モーメント量を増大させる作用に優れる。すなわち、塗膜中において双極子として存在し、例えば振動エネルギーが塗膜に伝播すると、双極子が回転したり、その位相がずれたりし、双極子に変位が生じる。変位が生じた双極子は、不安定な状態となるため、元の安定な状態に戻ろうとする。この双極子の復元作用によってエネルギーの消費が生じるため、塗膜の減衰性が発揮されることになる。従って、減衰性を容易に付与することができる。これらの減衰性付与成分の中でも、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが好ましい。
(4) この減衰性付与剤が配合された減衰性付与剤によれば、減衰性付与成分の分散性が良好な減衰性塗料を提供することができる。その結果、この減衰性塗料から形成される塗膜中においても、減衰性付与成分が凝集した凝集物の発生を低減することができるため、減衰性付与成分の配合量に見合った減衰性を発揮することができるようになる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 水系樹脂分散液に対し、減衰性付与成分を水中油滴型エマルションとして配合した場合であっても、減衰性塗料中に減衰性付与成分を固体粒子として分散させることも可能である。すなわち、減衰性付与成分を固体粒子として減衰性塗料中に分散させる場合には、水中油滴型エマルションを配合した水系樹脂分散液にスチームを通過させることで、油滴に含有する有機溶媒を除去することで、減衰性付与成分を析出させればよい。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ) 前記減衰性付与成分の分散剤としての界面活性剤を更に含有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の減衰性付与剤。
(ロ) 前記樹脂粒子を構成する高分子材料は、アクリル系樹脂及びアクリル/スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載の減衰性塗料。
(ハ) 塗膜に減衰性を付与する減衰性付与成分を水系分散媒に分散させることにより減衰性付与剤を調製した後に、前記塗膜を形成する樹脂粒子が分散してなる水系樹脂分散液に前記減衰性付与剤を配合する減衰性塗料の製造方法。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DCHBSA、三新化学工業(株)製、サンセラー(商品名)DZ)を減衰性付与成分として、この減衰性付与成分が固体粒子として水系分散媒に分散している減衰性付与剤(不揮発分:47質量%、界面活性剤:3質量%、水:残部)を調製した。この減衰性付与剤中における減衰性付与成分の平均粒径は16μmである。
この減衰性付与剤を水系樹脂分散液であるメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルション(不揮発分52.1質量%、水等47.9質量%)に配合することにより、減衰性塗料を調製した。水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量を、樹脂粒子(不揮発分)と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算して表1に示す。なお、水系樹脂分散液は、メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルション(大日本インキ化学工業(株)製、DC−118、不揮発分55.0質量%、水等45.0質量%)とメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルション(大日本インキ化学工業(株)製、BC−280、不揮発分50.0質量%、水等50質量%)との混合物である。
(実施例2〜5)
水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして減衰性塗料を調製した。
(実施例6)
N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DCHBSA、大内新興化学工業(株)製、ノクセラー(商品名)DZ)を減衰性付与成分として、この減衰性付与成分が固体粒子として水系分散媒に分散している減衰性付与剤(不揮発分:47質量%、界面活性剤:3質量%、水:残部)を調製した。この減衰性付与剤中における減衰性付与成分の平均粒径は1.6μmである。
この減衰性付与剤を実施例1に記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルションに配合することにより、減衰性塗料を調製した。水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量について表1に示す。
(比較例1)
実施例1に記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルションに減衰性付与剤を配合しないものを比較例1とした。
(実施例7)
4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業(株)製、ノクラック(商品名)CD)を減衰性付与成分として、この減衰性付与成分が固体粒子として水系分散媒に分散している減衰性付与剤(不揮発分:38質量%、界面活性剤:3質量%、水:残部)を調製した。この減衰性付与剤中における減衰性付与成分の平均粒径は1.0μmである。
この減衰性付与剤を実施例1に記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルションに配合することにより、減衰性塗料を調製した。水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量を、樹脂粒子(不揮発分)と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算して表1に示す。
(実施例8、9)
水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例7と同様にして減衰性塗料を調製した。
(実施例10)
減衰性付与剤中における減衰性付与成分の平均粒径を0.7μmに変更した以外は、実施例7と同様にして減衰性塗料を調製した。
(比較例2)
4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業(株)製、ノクラック(商品名)CD)を減衰性付与成分として、実施例1に記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルションに配合することにより、減衰性塗料を調製した。すなわち、減衰性付与成分を水系分散媒に分散させずに、減衰性付与成分を固体粒子として水系樹脂分散液に配合した。水系樹脂分散液に対する減衰性付与成分の配合量を、樹脂粒子(不揮発分)と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算して表1に示す。
(比較例3)
水系樹脂分散液に対する減衰性付与成分の配合量を表1に示すように変更した以外は、比較例2と同様にして減衰性塗料を調製した。
(実施例11)
実施例7に記載の減衰性付与剤を実施例1とは異なる水系樹脂分散液であるアクリル系エマルション(不揮発分53.7質量%、水等46.3質量%)に配合することにより、減衰性塗料を調製した。水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量を、樹脂粒子(不揮発分)と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算して表1に示す。なお、アクリル系エマルションは、メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルション(大日本インキ化学工業(株)製、BC−280、不揮発分50.0質量%、水等50質量%)とアクリル系エマルション(サイデン化学(株)製、X204−936−E−1、不揮発分55.0質量%、水等45.0質量%)との混合物である。
(比較例4)
実施例11に記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルションに減衰性付与剤を配合しないものを比較例4とした。
(実施例12)
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(大内新興化学工業(株)製、ノクラック(商品名)224S)を減衰性付与成分として、この減衰性付与成分が固体粒子として水系分散媒に分散している減衰性付与剤(不揮発分:50質量%、界面活性剤:3質量%、水:残部)を調製した。
この減衰性付与剤を実施例1に記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルションに配合することにより、減衰性塗料を調製した。水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量を、樹脂粒子(不揮発分)と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算して表1に示す。
(実施例13)
4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(大内新興化学工業(株)製、ノクラック(商品名)300)を減衰性付与成分として、この減衰性付与成分が固体粒子として水系分散媒に分散している減衰性付与剤(不揮発分:50質量%、界面活性剤:3質量%、水:残部)を調製した。
この減衰性付与剤を実施例1に記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体エマルションに配合することにより、減衰性塗料を調製した。水系樹脂分散液に対する減衰性付与剤の配合量を、樹脂粒子(不揮発分)と減衰性付与成分との合計量中における減衰性付与成分の含有量に換算して表1に示す。
Figure 2006225441
表1中の減衰性付与剤を示す略号は以下の通りである。
(a)成分:N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド
(b)成分:4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン
(c)成分:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体
(d)成分:4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
なお、各実施例及び各比較例では、充填剤、界面活性剤等をその他の成分として配合した。その他の成分の配合量は、各実施例及び各比較例の樹脂粒子に対する量において同一となるように調整した。従って、各実施例及び各比較例において、減衰性能に対するその他の成分の影響は同じとみなすことができる。
<減衰性能の評価>
各実施例の減衰性塗料を鋼板(厚さ0.8mm)に塗布した後、140℃で25分間加熱乾燥することにより塗膜を形成し、これらの塗膜を試験片とした。なお、鋼板に対する減衰性塗料の塗布量は、加熱乾燥後における塗膜の面密度が2.0kg/mになるように調整している。同様に、各比較例の塗料から塗膜を形成し、この塗膜を試験片とした。各例の試験片について、中央加振法損失係数測定装置(CF5200タイプ、小野測器(株)製)を用いて、測定温度範囲0℃〜60℃の条件で損失係数(η)を測定した。
<評価結果>
実施例1〜3及び比較例1における温度と損失係数の関係を図1に示す。また、実施例4〜6及び比較例1における温度と損失係数の関係を図2に示す。図1及び図2の結果から明らかなように、比較例1に対し、実施例1〜6では、20℃〜30℃付近において損失係数の向上が確認された。これらの結果から、実施例1〜6では、減衰性付与剤の配合によって損失係数の向上効果が得られることがわかる。また、実施例1及び実施例6の結果から、平均粒径の異なる(a)成分を使用しても、損失係数の向上効果が得られることがわかる。
実施例7〜9及び比較例1における温度と損失係数の関係を図3に示す。図3の結果から明らかなように、減衰性付与成分を(b)成分とした場合でも、損失係数の向上効果が得られることが確認された。また、図3に示す実施例7〜9及び図1に示す実施例1〜3において、同じ量の減衰性付与成分を含有する減衰性塗料を比較すると、(a)成分よりも(b)成分の方が高い減衰性能を示すことがわかる。すなわち、(b)成分を減衰性付与成分として使用した場合、塗膜の減衰性能が発揮され易い。
実施例7、実施例10及び比較例1における温度と損失係数の関係を図4に示す。図4の結果から明らかなように、平均粒径の異なる(b)成分を使用しても、損失係数の向上効果が得られることがわかる。
実施例7、比較例2、実施例9及び比較例3における温度と損失係数の関係を図5に示す。図5の結果から明らかなように、比較例2に対し、実施例7では30℃付近において損失係数の向上が確認された。また、比較例3に対し、実施例9では25℃付近において損失係数の向上が確認された。これらの結果から、水系樹脂分散液に対し、減衰性付与成分を水系分散媒に分散した減衰性付与剤を配合することにより、減衰性塗料中における減衰性付与成分の良好な分散性が発揮されることがわかる。
実施例11及び比較例4における温度と損失係数の関係を図6に示す。図6の結果から明らかなように、水系樹脂分散液の種類を変更しても、損失係数の向上効果が得られることがわかる。
実施例12、実施例13及び比較例1における温度と損失係数の関係を図7に示す。図7の結果から明らかなように、減衰性付与成分として(c)成分及び(d)成分を用いても、損失係数の向上効果が得られることがわかる。
実施例1〜3及び比較例1における温度と損失係数の関係を示すグラフ。 実施例4〜6及び比較例1における温度と損失係数の関係を示すグラフ。 実施例7〜9及び比較例1における温度と損失係数の関係を示すグラフ。 実施例7、実施例10及び比較例1における温度と損失係数の関係を示すグラフ。 実施例7、比較例2、実施例9及び比較例3における温度と損失係数の関係を示すグラフ。 実施例11及び比較例4における温度と損失係数の関係を示すグラフ。 実施例12、実施例13及び比較例1における温度と損失係数の関係を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 塗膜を形成する樹脂粒子が分散してなる水系樹脂分散液に対して配合される減衰性付与剤であって、
    前記塗膜に減衰性を付与する減衰性付与成分を、水系分散媒に分散してなることを特徴とする減衰性付与剤。
  2. 前記減衰性付与成分が有機溶媒に溶解してなる油滴を、前記水系分散媒中に分散した水中油滴型エマルションであることを特徴とする請求項1に記載の減衰性付与剤。
  3. 前記減衰性付与成分を、前記水系分散媒に固体粒子として分散してなることを特徴とする請求項1に記載の減衰性付与剤。
  4. 前記減衰性付与成分は、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ベンゾチアジル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール基を有する化合物及びジフェニルアクリレート基を有する化合物から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の減衰性付与剤。
  5. 前記減衰性付与成分は、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の減衰性付与剤。
  6. 塗膜を形成する樹脂粒子が分散してなる水系樹脂分散液に対して、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の減衰性付与剤を配合してなる減衰性塗料。
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