JP5639944B2 - 制振塗料組成物 - Google Patents
制振塗料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5639944B2 JP5639944B2 JP2011079849A JP2011079849A JP5639944B2 JP 5639944 B2 JP5639944 B2 JP 5639944B2 JP 2011079849 A JP2011079849 A JP 2011079849A JP 2011079849 A JP2011079849 A JP 2011079849A JP 5639944 B2 JP5639944 B2 JP 5639944B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- vibration
- mass
- parts
- damping
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Description
本発明の目的は、金属の腐食を抑制することの容易な制振塗料組成物を提供することにある。
前記無機粒子は、平均粒径が1〜10μmの第1粒子と、平均粒径が1〜100nmの第2粒子とを含み、前記第2粒子は、前記第1粒子1000質量部に対して、1〜20質量部の範囲で配合され、さらに、モリブデン酸系化合物と含硫黄有機化合物とを金属腐食抑制剤として含有するとともに、水溶性ジルコニウム化合物を含有することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の制振塗料組成物において、前記含硫黄有機化合物が3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸トリエタノールアミンを含むことを要旨とする。
本実施形態における制振塗料組成物には、塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、塗膜の制振性向上剤として無機粒子とが含有されている。
樹脂粒子を構成する高分子材料としては、例えばアクリル系樹脂、アクリル/スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル/アクリル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン共重合ゴム、スチレン/ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、及びイソプレンゴムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。なお、これらの高分子材料は変性体であってもよい。
制振性向上剤としての無機粒子は、平均粒径が1〜10μmの第1粒子と、平均粒径が1〜100nmの第2粒子とを含む。第2粒子は、第1粒子1000質量部に対して、1〜20質量部の範囲で配合される。ミクロンオーダーの第1粒子よりも微細なナノオーダーの第2粒子は、塗膜に耐水性を付与する働きも有する。第2粒子の配合量が、第1粒子1000質量部に対して1質量部未満の場合、塗膜に耐水性を付与する働きが得られないおそれがある。一方、第2粒子の配合量が、第1粒子1000質量部に対して20質量部を超える場合、所謂チキソ性が高まる傾向にあるため、制振塗料組成物の取り扱い性が低下するおそれがある。この点、第2粒子の配合量は、第1粒子1000質量部に対して、好ましくは1〜15質量部であり、より好ましくは1〜10質量部であり、さらに好ましくは1〜5質量部である。
平均粒子径(μm)=6/(比重/比表面積)×10000
無機粒子の材質としては、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ガラス、アルミナ、アルミニウム、水酸化アルミニウム、鉄、酸化チタン、酸化鉄、珪藻土、ゼオライト、フェライト等が挙げられる。無機粒子は、単独種を用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
制振塗料組成物中における第1粒子の含有量は、樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは540〜735質量部であり、より好ましくは540〜650質量部である。第1粒子の含有量が、樹脂粒子100質量部に対して、540質量部以上の場合、優れた制振効果が得られ易くなる。一方、第1粒子の含有量が、樹脂粒子100質量部に対して、735質量部を超える場合、流動性が低下することで塗布し難くなるおそれがある。
制振塗料組成物には、(C)モリブデン酸系化合物と、(D)含硫黄有機化合物とが金属腐食抑制剤として含有されるとともに、(E)水溶性ジルコニウム化合物が含有されることが好ましい。
チアゾール類としては、例えば、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸塩、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、及び2−メルカプトベンゾチアゾールが挙げられる。2−ベンゾチアジルチオプロピオン酸塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びトリエタノールアミン塩が挙げられる。
チオール類としては、例えば、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、及び2−メルカプトベンズイミダゾールが挙げられる。
チラウム類としては、例えば、テトラエチルチラウムジスルフィドが挙げられる。
制振塗料組成物中における含硫黄有機化合物の含有量は、樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは1〜40質量部であり、より好ましくは3〜35質量部であり、さらに好ましくは5〜30質量部である。
水溶性ジルコニウム化合物は、上記金属腐食抑制剤の存在下で、塗膜の硬度を高めるとともに、塗膜と金属物品との密着性を高める働きを有する。
制振塗料組成物中における水溶性ジルコニウム化合物の含有量は、樹脂粒子100質量部に対して、好ましくは0.1〜40質量部であり、より好ましくは1〜35質量部であり、さらに好ましくは2〜30質量部である。
制振塗料組成物は、常法に従って上記の原料を混合することで調製することができる。調製した制振塗料組成物を、周知の塗布方法及び乾燥方法により金属物品に塗布した後に乾燥することで、塗膜を形成することができる。制振塗料組成物の塗布量は、金属物品に求められる制振性や耐食性に応じて適宜変更することができる。例えば、乾燥した塗膜の厚みは10〜900μm、好ましくは10〜500μmとされる。
(1)制振塗料組成物には、無機粒子として第1粒子と第2粒子とを含む。これにより、金属の腐食を抑制することの容易な制振塗料組成物が提供される。
(4)制振塗料組成物には、モリブデン酸系化合物と含硫黄有機化合物とが金属腐食抑制剤として含有されるとともに、水溶性ジルコニウム化合物が含有されることが好ましい。金属腐食抑制剤によって、塗膜の形成された金属物品の腐食が抑制される。さらに、水溶性ジルコニウム化合物が含有されることで、塗膜の硬度及び塗膜の密着性を高めることが容易となる。これにより、金属物品と水分との接触がさらに抑制された状態となるため、金属腐食抑制剤の効果が継続して発揮され易くなる結果、金属物品の腐食がさらに抑制され易くなる。すなわち、耐食性を高めることがさらに容易となる。
(6)含硫黄有機化合物が、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸トリエタノールアミンを含むことで、制振塗料組成物の保存安定性が得られ易くなる。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(ロ)金属物品としての屋根材に塗膜を形成する用途に用いられる制振塗料組成物。
(実施例1〜6)
表1及び表2に示すように、樹脂粒子としてメタクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体からなる樹脂粒子を水系分散媒に分散した水系樹脂分散液(DIC(株)、BC−280、固形分濃度50質量%)に無機粒子及び各化合物を混合することで、制振塗料組成物を調製した。
表1に示すように、第2粒子を配合しない以外は、各実施例と同様に制振塗料組成物を調製した。
表1に示す制振塗料組成物を厚さ0.5mmのガルバリウム鋼板(アルミニウムと亜鉛との合金めっき鋼板)に塗布した後、220℃で40秒間加熱乾燥することにより塗膜を形成し、試験片とした。なお、制振塗料組成物の塗布量は、加熱乾燥後の塗膜の厚さが100μmとなるように調整した。
この耐食性の評価では、JIS K5600−7−1(1999)に準拠して、中性塩水噴霧試験を行い、以下の評価基準によって判定した。前記噴霧試験を300時間以上継続させたときに、白錆が発生したものを「4」、260時間以上継続させたときに白錆が発生したものを「3」、250時間以上継続させたときに白錆が発生したものを「2」、240時間以上継続させたときに白錆が発生したものを「1」として表1に示す。
Claims (6)
- 塗膜を形成する樹脂粒子が水系分散媒に分散した水系樹脂分散液と、前記塗膜の制振性向上剤として無機粒子とを含有し、金属物品に用いられる制振塗料組成物であって、
前記無機粒子は、平均粒径が1〜10μmの第1粒子と、平均粒径が1〜100nmの第2粒子とを含み、
前記第2粒子は、前記第1粒子1000質量部に対して、1〜20質量部の範囲で配合され、
さらに、モリブデン酸系化合物と含硫黄有機化合物とを金属腐食抑制剤として含有するとともに、水溶性ジルコニウム化合物を含有することを特徴とする制振塗料組成物。 - 前記第1粒子の含有量は、前記樹脂粒子100質量部に対して、540〜735質量部であることを特徴とする請求項1に記載の制振塗料組成物。
- 前記第2粒子の平均粒径が15nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制振塗料組成物。
- 前記水溶性ジルコニウム化合物が炭酸ジルコニウム塩を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制振塗料組成物。
- 前記含硫黄有機化合物が3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸トリエタノールアミンを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の制振塗料組成物。
- 前記樹脂粒子がアクリル系樹脂粒子を含むとともに、前記第1粒子が炭酸カルシウムを含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の制振塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011079849A JP5639944B2 (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 制振塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011079849A JP5639944B2 (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 制振塗料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012214584A JP2012214584A (ja) | 2012-11-08 |
JP5639944B2 true JP5639944B2 (ja) | 2014-12-10 |
Family
ID=47267722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011079849A Active JP5639944B2 (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 制振塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5639944B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05247375A (ja) * | 1992-03-04 | 1993-09-24 | Kobe Steel Ltd | 耐食性にすぐれる樹脂塗装鋼板 |
JP4283698B2 (ja) * | 2004-02-12 | 2009-06-24 | 株式会社神戸製鋼所 | 端面耐食性に優れるプレコート鋼板およびその製造方法 |
JP2009191284A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Kansai Paint Co Ltd | 金属表面処理剤 |
JP5701488B2 (ja) * | 2009-03-31 | 2015-04-15 | シーシーアイ株式会社 | 屋根用制振塗料組成物及び屋根構造 |
JP5616270B2 (ja) * | 2010-03-31 | 2014-10-29 | シーシーアイ株式会社 | 屋根材用塗料組成物、屋根材の防音防錆方法及び屋根材 |
JP5624928B2 (ja) * | 2011-03-31 | 2014-11-12 | シーシーアイ株式会社 | 制振塗料組成物 |
-
2011
- 2011-03-31 JP JP2011079849A patent/JP5639944B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012214584A (ja) | 2012-11-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2007023819A1 (ja) | 制振材用エマルション | |
JP5030779B2 (ja) | 制振材用エマルション | |
JP2009270063A (ja) | 制振材用エマルション組成物 | |
JP4178195B2 (ja) | 減衰性付与剤及び減衰性塗料 | |
JP5616270B2 (ja) | 屋根材用塗料組成物、屋根材の防音防錆方法及び屋根材 | |
JP4107435B2 (ja) | 減衰性塗料 | |
JP5624928B2 (ja) | 制振塗料組成物 | |
JP5639944B2 (ja) | 制振塗料組成物 | |
JPH09151335A (ja) | 水系制振塗料 | |
JP5260187B2 (ja) | 制振材用エマルション組成物及び制振材配合物 | |
JP5303831B2 (ja) | 水系塗料とそれより得られる塗装品 | |
KR100690215B1 (ko) | 가열 건조용 도료 조성물 | |
JP5770432B2 (ja) | 加熱乾燥用エマルション組成物、その製造方法及び制振材組成物 | |
JP5685002B2 (ja) | 制振材用エマルション及び制振材組成物 | |
CN108690417A (zh) | 水性分散液的制造方法 | |
JP5221196B2 (ja) | 制振塗料組成物 | |
JP2015081303A (ja) | 遮熱性塗料 | |
JP5828655B2 (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JP2020143254A (ja) | 塗料組成物 | |
JP2005281577A (ja) | 制振材用エマルション | |
JP5567883B2 (ja) | 屋根材用制振塗料組成物及び屋根材 | |
JP6710033B2 (ja) | 漆黒水系塗材組成物 | |
JP6253966B2 (ja) | 金属管用塗料組成物およびそれを塗布してなる金属管 | |
JP5804738B2 (ja) | 窯業系サイディング材用塗料及び窯業系サイディング材 | |
JP5348795B2 (ja) | 屋根材用制振塗料組成物及び屋根材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140108 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140902 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141003 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141021 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141027 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5639944 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |