JP2007224246A - タイヤパンクシール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】刺激臭が少なく、スチールコードを腐食しにくいタイヤパンクシール材を提供する。
【解決手段】合成樹脂エマルジョンと、凍結防止剤とを含有し、水素イオン指数が5.5〜8.5であるタイヤパンクシール材。合成樹脂エマルジョンが、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィンエマルジョン、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョンおよびポリ塩化ビニルエマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のエマルジョンである。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤパンクシール材に関する。
従来、パンクしたタイヤを修理するタイヤパンクシール材として、天然ゴムラテックスに、粘着付与樹脂エマルジョンと凍結防止剤とを配合したものが多用されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
このタイヤパンクシール材は、天然ゴム粒子と粘着付与樹脂粒子とが、凍結防止剤の水溶液中でイオン斥力によって反発しあって分散浮遊しているラテックスである。
この種のタイヤパンクシール材としては、例えば、「天然ゴムラテックスと粘着付与樹脂エマルジョンと凍結防止剤とを少なくとも含むタイヤのパンクシーリング剤であって、前記天然ゴムラテックスの固形分Aと粘着付与樹脂エマルジョンの固形分Bと凍結防止剤Cとの和A+B+Cである総固形分100重量部に対し、前記天然ゴムラテックスの固形分Aの含有量を30〜60重量部、前記粘着付与樹脂エマルジョンの固形分Bの含有量を10〜30重量部、かつ前記凍結防止剤Cの含有量を20〜50重量部とするとともに、前記粘着付与樹脂エマルジョンの粘着付与樹脂として芳香族変性テルペン樹脂を用いたことを特徴とするタイヤのパンクシーリング剤」が知られている(特許文献1参照。)。
また、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックスやスチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス等の合成ゴムラテックスを使用したタイヤパンクシール材も提案されている(特許文献3〜4参照。)。
上記のようなタイヤパンクシール材は、通常、タイヤの空気充填部からタイヤ内に注入され、所定の空気圧まで空気を充填した後、車を走行させることにより、パンク穴に到達する。そして、タイヤが回転接地する際に受ける圧縮力や剪断力によってゴム粒子の凝集体を形成し、パンク穴がシールされる。
最近使用されているタイヤのパンク頻度は、通常、数年に1回といわれており、シーリング剤が実際に使用される頻度はきわめて低い。そのため、タイヤパンクシール材にとって、シール性に優れていることはもちろん、車内での長期間の保管に耐えられる性能も重要である。
特開2004−035867号公報 特許第3210863号公報 特開2005−170973号公報 特開2001−62934号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載の天然ゴムラテックス系タイヤパンクシール材は、貯蔵安定性が低く、例えば、自動車のトランク内に放置された場合の寿命が約1年程度で、それを過ぎると固化またはゲル化して流動性が著しく低下し、パンクしたタイヤ内に注入できなくなる等の問題がある。
また、天然ゴムラテックス系タイヤパンクシール材は、通常、天然ゴムラテックスの安定化のためにアンモニアを用いるため、刺激臭がある。更に、pH9.0〜12.0程度に調整されるので、タイヤ内のスチールコードに錆を発生させて腐食する問題があり、皮膚に触れた場合に炎症を起こすことがある。
一方、特許文献1には、いわゆる脱タンパク天然ゴムラテックスを用いれば、より少ないアンモニアで天然ゴムラテックスの腐敗を抑えられる旨記載されている。しかしながら、脱タンパク天然ゴムラテックスを用いた場合でも臭気とスチールコードの腐食の問題は残る。また、脱タンパク処理等の煩雑な製造工程が要求されることとなる。
特許文献3に記載のNBRラテックス系タイヤパンクシール材は、貯蔵安定性に優れるものの、比較的粘度が高いため、タイヤ内に注入する際にポンプに負荷がかかったり、注入後にノズル内に残留したタイヤパンクシール材が硬化して詰まりを生じるおそれがある。更に、厳寒期や降雪時など気温が極めて低い場合には、より粘度が高くなり注入する際に上記問題が生じやすくなる。また、通常、NBRラテックスの安定化のためにアンモニアを用いてpH9.0〜11.0程度に調整されるので、天然ゴムラテックス系タイヤパンクシール材と同様に、刺激臭の発生、スチールコードの腐食、皮膚に触れた場合に炎症を起こす等の問題がある。
また、SBRラテックス系タイヤパンクシール材も、安定化のためにアンモニアを用いてpH9.0〜11.0程度に調整されるので、NBRラテックス系タイヤパンクシール材と同様の問題がある。
したがって、本発明は、刺激臭が少なく、スチールコードを腐食しにくいタイヤパンクシール材を提供することを目的とする。本発明は、更に、従来のタイヤパンクシール材と同等のシール性を有し、比較的低粘度で、貯蔵安定性に優れるタイヤパンクシール材を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、合成樹脂エマルジョンと、凍結防止剤とを含有し、水素イオン指数が5.5〜8.5であるタイヤパンクシール材は、刺激臭が少なく、スチールコードを腐食しにくいことを知見した。
更に、本発明者は、上記合成樹脂エマルジョンが、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョンおよびポリ塩化ビニル系エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のエマルジョンであると、従来のタイヤパンクシール材と同等のシール性を有し、比較的低粘度で、貯蔵安定性に優れるタイヤパンクシール材となることを知見した。
本発明者は、これらの知見に基づき本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(8)を提供する。
(1)合成樹脂エマルジョンと、凍結防止剤とを含有し、水素イオン指数が5.5〜8.5であるタイヤパンクシール材。
(2)前記合成樹脂エマルジョンが、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョンおよびポリ塩化ビニル系エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のエマルジョンである上記(1)に記載のタイヤパンクシール材。
(3)前記凍結防止剤を、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して100〜500質量部含有する上記(1)または(2)に記載のタイヤパンクシール材。
(4)更に、粘着付与剤を含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
(5)前記粘着付与剤が、樹脂を乳化して得られるエマルジョンである上記(4)に記載のタイヤパンクシール材。
(6)前記粘着付与剤が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および水添テルペン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む上記(4)または(5)に記載のタイヤパンクシール材。
(7)前記粘着付与剤の固形分を、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、50〜200質量部含有する上記(4)〜(6)のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
(8)水素イオン指数が、6.0〜8.0である上記(1)〜(7)のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
本発明のタイヤパンクシール材は、刺激臭が少なく、スチールコードを腐食しにくい。 更に、上記合成樹脂エマルジョンが、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョンおよびポリ塩化ビニル系エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のエマルジョンである場合は、従来のタイヤパンクシール材と同等のシール性を有し、比較的低粘度で、貯蔵安定性に優れる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のタイヤパンクシール材は、合成樹脂エマルジョンと、凍結防止剤とを含有し、水素イオン指数(pH)が5.5〜8.5であるタイヤパンクシール材である。
本発明のタイヤパンクシール材に用いられる合成樹脂エマルジョンは、特に限定されず、従来公知の合成樹脂エマルジョンを用いることができる。
上記合成樹脂エマルジョンとしては、具体的には、例えば、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、ポリ塩化ビニル系エマルジョンが好適に挙げられる。これらは、pH5.5〜8.5における安定性が比較的良好である。
上記合成樹脂エマルジョンは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エチレン酢酸ビニル系エマルジョンがより好ましい。
<ウレタンエマルジョン>
上記ウレタンエマルジョンは、ポリウレタン粒子が水中に分散されたものである。上記ウレタンエマルジョンとしては、例えば、イオン性基を有するウレタンプレポリマーと、中和剤または四級化剤とを水中で反応させて得られるものが好適に挙げられる。
上記ウレタンプレポリマーとしては、具体的には、例えば、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物(A)と、活性水素を2個以上有する化合物(B)と、イソシアネート基と反応性を有する基とイオン性基とを有する化合物(C)とを共重合させて得られるウレタンプレポリマーが好適に挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物(A)としては、通常のポリウレタン樹脂の製造に用いられる種々のものを用いることができる。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のTDI;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等のMDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ノルボルナン骨格を有するジイソシアネート(NBDI)、および、これらのイソシアヌレート体等の変成品が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのイソシアネート基含有化合物の中でも、TDIおよびMDIが好ましい。これらのポリイソシアネートは汎用であるので、安価かつ入手が容易である。
上記化合物(B)は、活性水素を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、具体的には、例えば、ポリオール化合物、アミン化合物、アルカノールアミン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリオール化合物が好ましい。
上記ポリオール化合物としては、具体的には、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール;アジペートポリオール;ヒマシ油等のポリエステルポリオール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、貯蔵安定性に優れる点から、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールが好ましく、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールがより好ましい。
上記ポリオール化合物は、数平均分子量が500〜10000程度であるのが好ましく、2000〜6000程度であるのがより好ましい。
上記アミン化合物としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
上記アルカノールアミンとしては、具体的には、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられる。
上記化合物(C)は、イソシアネート基と反応性を有する基とイオン性基とを有する化合物である。
上記イソシアネート基と反応性を有する基としては、具体的には、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基(−NH2)、イミノ基(−NH−)、メルカプト基等が挙げられる。
ここで、イオン性基とは、中和することにより正または負に荷電しうる基をいう。具体的には、アニオン性基またはカチオン性基を意味する。
アニオン性基とは、塩基で中和することにより負に荷電しうる基をいう。具体的には、例えば、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等が好適に挙げられる。カチオン性基とは、酸で中和または四級化剤と反応することにより正に荷電しうる基をいい、具体的には、例えば、第三級アミノ基が好適に挙げられる。
上記イオン性基がアニオン性基である場合、通常はタイヤパンクシール材のpHを調整する必要がなく、また、得られるタイヤパンクシール材は刺激臭がなく、スチールコードを腐食しにくい点から好ましい。
イソシアネート基と反応性を有する基とアニオン性基とを有する化合物(以下、「化合物(C1)」という。)としては、具体的には、例えば、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸等の脂肪族モノヒドロキシカルボン酸;ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエチル安息香酸、ヒドロキシけい皮酸等の芳香族モノヒドロキシカルボン酸;ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸等のジヒドロキシカルボン酸;メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト安息香酸等のメルカプトカルボン酸;アミノアジピン酸、アミノ安息香酸等のアミノカルボン酸;ヒドロキシベンゼンスルホン酸等のヒドロキシスルホン酸;3N−メルカプトエタンスルホン酸等のメルカプトスルホン酸;アミノベンゼンスルホン酸等のアミノスルホン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート基と反応性を有する基とカチオン性基とを有する化合物(以下、「化合物(C2)」という。)としては、例えば、イソシアネート基と反応性を有する基と、第三級アミノ基とを有する化合物等が好適に挙げられる。
このような化合物としては、例えば、下記式(1)で表される化合物等が好適に挙げられる。
Figure 2007224246

上記式(1)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R1およびR2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基を表す。
上記式(1)で表される化合物には、第三級アミノ基を有するジオール化合物、第三級アミノ基を有するトリオール化合物が含まれる。
このような化合物(C2)としては、具体的には、例えば、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−イソブチル−N,N−ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ウレタンプレポリマーの製造方法は、特に限定されないが、例えば、ポリイソシアネート化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を同時にかくはん等して重合する方法が挙げられる。
上記ウレタンプレポリマーの製造の際に、化合物(B)、化合物(C)を添加する順番は、特に限定されず、同時に添加してもよく、いずれかを先に添加してもよい。例えば、通常のウレタンプレポリマーの製造方法に従い、ポリイソシアネート化合物(A)および化合物(B)を反応させてウレタンプレポリマーを製造した後、化合物(C)を添加して付加する方法を用いることができる。
上記共重合は、得られるウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量(NCO%)が0.3〜3%となるように行うのが好ましい。
また、ポリイソシアネート化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の合計質量に対して、ポリイソシアネート化合物(A)を1〜50質量%、化合物(B)を30〜90質量%、化合物(C)を0.1〜20質量%含有させ、これらを不活性ガス雰囲気下、60〜90℃下で2〜8時間程度かくはんして行うのが好ましい。ここで、NCO%とは、ウレタンプレポリマーの全質量に対するNCO基の質量%を表す。
また、上記共重合は、必要に応じて有機スズ化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒の存在下で行うことができ、有機スズ化合物の存在下で行うのが好ましい。
有機スズ化合物としては、具体的には、例えば、酢酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、ラウリン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ等のカルボン酸第一スズ;ジブチルスズアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジ−2−エチルヘキソエート、ジラウリルスズジアセテート、ジオクチルスズジアセテート等のカルボン酸のジアルキルスズ塩;水酸化トリメチルスズ、水酸化トリブチルスズ、水酸化トリオクチルスズ等の水酸化トリアルキルスズ:酸化ジブチルスズ、酸化ジオクチルスズ、酸化ジラウリルスズ等の酸化ジアルキルスズ;二塩化ジブチルスズ、二塩化ジオクチルスズ等の塩化ジアルキルスズ等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズアセテート、ジブチルスズマレエートが、比較的安価で取り扱いやすい点から好ましい。
このような共重合により得られるウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1500〜30000であるのが好ましく、3000〜20000であるのがより好ましい。
上記ウレタンプレポリマーは、水中で中和剤と反応して乳化され、安定化されたウレタンエマルジョンとなる。カチオン性基を有するウレタンプレポリマーを用いる場合は、中和剤の代わりに四級化剤を用いてもよい。
上記中和剤としては、アニオン性基を有するウレタンプレポリマーを用いる場合は、塩基を用いることができ、ルイス塩基であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三級アミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの塩基の中でも、トリエチルアミンが好ましい。
また、カチオン性基を有するウレタンプレポリマーを用いる場合は、中和剤として酸を用いることができ、ルイス酸であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの酸の中でも塩酸、酢酸が好ましい。
上記四級化剤は、上記ウレタンプレポリマーの第三級アミノ基を四級化し得る化合物であり、具体的には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン等のエポキシ化合物;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸類;パラトルエンスルホン酸メチル等のスルホン酸アルキル類;メチルクロライド、エチルクロライド、ベンジルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド等のハロゲン化アルキル類等が挙げられる。
上記ウレタンプレポリマーの水中への分散は、上記中和剤または四級化剤の他、必要に応じて、粘度調整剤、鎖延長剤を添加して行うことができる。
上記粘度調整剤としては、水と相溶する有機溶剤が挙げられ、具体的には、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン等が好適に例示される。
上記鎖延長剤としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ジアミン;イソホロンジアミン、ピペラジン等の脂環式ジアミン;ジフェニルジアミン等芳香族ジアミン;トリアミン等が挙げられる。
上記ウレタンエマルジョンの製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記ウレタンプレポリマーおよび上記中和剤または上記四級化剤、必要に応じて、上記粘度調整剤、上記鎖延長剤等を水に添加して、かくはん混合する方法等が挙げられる。
<アクリルエマルジョン>
上記アクリルエマルジョンは、特に限定されず、従来公知のアクリルエマルジョンを用いることができる。
上記アクリルエマルジョンとしては、例えば、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体、不飽和二トリル、共役ジオレフィン、多官能ビニル単量体、、アミド系単量体、水酸基含有単量体、カプロラクトン付加単量体、アミノ基含有単量体、グリシジル基含有単量体、酸系単量体、ビニル単量体等を、乳化分散剤を用いて重合(乳化重合)して得られる水性エマルジョン等が好適に挙げられる。
上記メタクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。
上記アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
上記芳香族ビニル単量体としては、具体的には、例えば、パラメチルスチレン、α−メチルスチレン、パラクロロエチレン、クロルメチレンスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
上記不飽和二トリルとしては、具体的には、例えば、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等が挙げられる。
上記共役ジオレフィンとしては、具体的には、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
上記多官能ビニル単量体としては、具体的には、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレンジグリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
上記アミド系単量体としては、具体的には、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
上記ヒドロキシ基含有単量体としては、具体的には、例えば、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシメタクリレート等が挙げられる。
上記カプロラクトン付加単量体としては、具体的には、例えば、ダイセル化学製のFA−1、FA−2、FA−3、FM−1等のβ−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシメタクリレート等が挙げられる。
上記アミノ基含有単量体としては、具体的には、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。
グリシジル基含有単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジグリシジル等が挙げられる。
酸系単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、パラビニル安息香酸等が挙げられる。
ビニル単量体としては、具体的には、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
これらのうち、コスト、取扱い性、物性等の種々の観点から、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルであるのが好ましい。
上記乳化分散剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、ノニオン性界面活性剤が、中性であり、臭気が少ない点から好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、N−アルキル−N,N−ジメチルオキシド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、アルキルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、具体的には、例えば、ジメチルアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン等が挙げられる。
また、乳化分散剤として、界面活性剤分子中に反応性の二重結合を有する反応性界面活性剤;ポリビニルアルコール、デンプン等の水溶性高分子等も用いることができる。
上記乳化分散剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリルエマルジョンの重量平均分子量は、10,000〜500,000であるのが好ましく、50,000〜200,000であるのがより好ましい。
また、上記アクリルエマルジョンは、固形分が30〜60質量%であるのが好ましく、40〜55質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記アクリルエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、レジテックス社製のA6001、日本ゼオン社製のLx823等が挙げられる。
<ポリオレフィン系エマルジョン>
上記ポリオレフィン系エマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリオレフィン系エマルジョンを用いることができる。
上記ポリオレフィン系エマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたポリオレフィンが、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系エマルジョンとしては、具体的には、例えば、ポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレンエマルジョン、エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンおよびポリブテンエマルジョンが好適に挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエチレンエマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリエチレンエマルジョンを用いることができる。
上記ポリエチレンエマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたポリエチレンが、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
乳化分散剤としては、上述したアクリルエマルジョンに用いられるものと同様である。
上記ポリエチレンとしては、融点が90〜150℃であるものが好ましく、また、重量平均分子量が1,000〜1,000,000であるものが好ましい。
なお、本明細書において、融点とは、JIS K2207に規定される軟化点試験方法(環球法)によって測定された値をいう。
本発明においては、上記ポリエチレンエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、ジョンソンポリマー社製のJW−150、クラリアント社製のワックス・ディスパージョン(WaxDispersion)W867、サンノプコ社製のノプコートPEM−17、成瀬化学社製のPE401等が挙げられる。
上記ポリプロピレンエマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリプロピレンエマルジョンを用いることができる。
上記ポリプロピレンエマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたポリプロピレンが、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
また、上記ポリプロピレンエマルジョンとして、ポリプロピレンが乳化分散剤により水中に分散されたものも用いることができる。
乳化分散剤としては、上述したアクリルエマルジョンに用いられるものと同様である。
上記ポリプロピレンとしては、融点が90〜150℃であるものが好ましく、また、重量平均分子量が1,000〜1,000,000であるものが好ましい。
本発明においては、上記ポリプロピレンエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、丸芳化成品社製のPPエマルジョン等が挙げられる。
上記エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンは、特に限定されず、従来公知のエチレン−プロピレン共重合体エマルジョンを用いることができる。
上記エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたエチレン−プロピレン共重合体が、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
また、上記エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンとして、エチレン−プロピレン共重合体が乳化分散剤により水中に分散されたものも用いることができる。
乳化分散剤としては、上述したアクリルエマルジョンに用いられるものと同様である。
上記エチレン−プロピレン共重合体としては、融点が90〜150℃であるものが好ましく、また、重量平均分子量が1,000〜1,000,000であるものが好ましい。
本発明においては、上記エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、レヂテックス社製のHS等が挙げられる。
上記ポリブテンエマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリブテンエマルジョンを用いることができる。
上記ポリブテンエマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたポリブテンが、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
また、上記ポリブテンエマルジョンとして、ポリブテンが乳化分散剤により水中に分散されたものも用いることができる。
乳化分散剤としては、上述したアクリルエマルジョンに用いられるものと同様である。
上記ポリブテンエマルジョンとしては、具体的には、例えば、下記式(2)で表されるホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルに基づいた構成単位を有する重合体(以下、重合体(D)という。)を含有する、ポリブテンと水との乳化物が好適に挙げられる。
Figure 2007224246
上記式(2)中、R3は、−(CH2m−または−(CH2CH2O)n−CH2CH2−であり、m、nは、それぞれ1〜10の整数である。
上記式(2)で表されるモノマーとしては、具体的には、例えば、2−メタクリロイルオキシエチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−メタクリロイルオキシブチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエトキシエチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシジエトキシエチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、2−メタクリロイルオキシエチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートが好ましい。
上記重合体(D)は、式(2)で表されるモノマーを単独で重合させた単独重合体または共重合可能な他のビニルモノマーを共重合させた共重合体である。
共重合可能な他のビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエーテル系モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の官能基含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸アミド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル等の含窒素モノマー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、重合体(D)の親水性と疎水性とのバランスの制御、反応時の共重合性の点から、(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。また、ポリブテンエマルジョンの安定性の点から、アルキル鎖の炭素数が1〜24である(メタ)アクリレートモノマ−が好ましい。
式(2)で表されるモノマーと他のモノマーとを共重合する場合、式(2)で表されるモノマーの含有量は、1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。この範囲であれば、式(2)で表されるモノマーと他のモノマーの特性が十分発現できる。
上記重合体(D)は、ポリブテンの水への分散剤または乳化剤としての効果があり、その他必要に応じて添加される充填剤、薬剤等に対する安定剤としての効果も有し、さらに生体成分に対して不活性で刺激性も少なく安全に使用することができる。
上記重合体(D)は、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下において、上述した各モノマー成分をラジカル重合開始剤の存在下、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の方法により重合して得ることができる。
上記重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾイソビスジメチルバレロニトリル、過硫酸塩および過硫酸塩−亜硫酸水素塩系等が挙げられる。
上記重合開始剤の仕込量は、モノマー成分100質量部に対して0.0001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
重合温度は20〜100℃が好ましく、重合時間は0.5〜72時間が好ましい。
上記重合体(D)の重量平均分子量は、ポリブテンや水への混和性、配合物の粘度の点から、1,000〜5,000,000が好ましく、10,000〜1,000,000がより好ましい。
上記ポリブテンは、イソブチレン単独重合体、イソブチレンとその異性体との共重合体、イソブチレンと他のオレフィンとの共重合体、イソブチレンとその異性体と他のオレフィンとの共重合体およびこれらの水素化物である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水素化物である水添ポリブテンは、熱や光による酸化劣化を受けにくい点から好ましい。
上記異性体としては、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等が挙げられる。
上記ポリブテンは、例えば、イソブチレン等を含むガス混合物を、塩化アルミニウム等の酸触媒を用いて重合し、必要に応じて水素添加して製造される。
ポリブテンを製造する際に、触媒の添加量や反応温度を調整することにより低粘度の軽質ポリブテンから高粘度のポリブテンを製造できる。
ポリブテンは、安全性の高い材料で、生体成分に対しても不活性な油性ポリマーであるとともに、シール性を付与することができる。
上記ポリブテンは、液状または粘性のものが好ましく、特に、液状のポリブテンが乳化物を調製するのに好ましい。
上記ポリブテンの数平均分子量は、150〜4000であるのが液状または粘性を示す点から好ましい。
重合体(D)の含有量は、1〜50質量%が好ましく、2〜40質量%がより好ましい。この範囲であると、乳化物の安定性に優れ、粘性が高くなり過ぎることがない。
ポリブテンの含有量は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
水の含有量は、9〜89質量%が好ましい。
上記乳化物は、更に、界面活性剤を含有するのが好ましい。界面活性剤を添加することにより乳化物の安定性を向上させることができる。
上記界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記界面活性剤において、脂肪酸、アルキル基の好ましい炭素鎖長は、炭素数8〜18である。
ノニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、N−アルキル−N,N−ジメチルオキシド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、アルキルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、具体的には、例えば、ジメチルアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン等が挙げられる。
上記界面活性剤の添加量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。この範囲であると、界面活性剤を添加する効果が十分に得られ、皮膚への刺激が少ない等の安全性にも優れる。
上記乳化物は、本発明の目的を損なわない範囲で、各種添加剤を含有してもよい。
上記添加剤としては、具体的には、例えば、植物性油脂、動物性油脂、ロウ、ポリブテン以外のパラフィン、ワセリン、脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール等の油性材料、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、シリカ、カオリン、炭酸ナトリウム、ホウ砂等の無機化合物、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の有機溶媒、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルの共重合体等の他の水溶性高分子等が挙げられる。
上記乳化物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。例えば、ポリブテン、重合体(D)、水および必要に応じて界面活性剤、各種添加剤を、ホモジナイザー、ホモミキサー等の乳化機または混練機を用いて、室温〜90℃の温度範囲で乳化させて製造することができる。
本発明においては、上記ポリブテンエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、エマウエット10E、エマウエット30E(いずれも日本油脂社製)等が挙げられる。
<エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン>
上記エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(以下、「EVAエマルジョン」という。)は、特に限定されず、従来公知のEVAエマルジョンを用いることができる。
上記EVAエマルジョンとしては、エチレンと酢酸ビニルモノマーを、乳化分散剤を用いて共重合(乳化重合)して得られる水性エマルジョン等が好適に挙げられる。
共重合する際に配合されるエチレンと酢酸ビニルモノマーとのモル比は、10/90〜30/70が好ましい。
また、本発明においては、上記共重合において、必要に応じて、他のモノマーを共重合させてもよい。他のモノマーとしては、具体的には、例えば、アクリル酸2─エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;塩化ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル;等が挙げられる。また、他のモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸のようにカルボキシル基を含有するモノマーの他、スルホン酸基、ヒドロキシ基、エポキシ基、メチロール基、アミノ基、アミド基等の官能基を含有する各種モノマーも使用することができる。
上記乳化分散剤としては、上記アクリルエマルジョンに用いられる乳化分散剤と同様のものを用いることができる。特に、水溶性高分子を用いることが好ましく、ポリビニルアルコール(PVA)を用いることがより好ましい。
上記EVAエマルジョンの重量平均分子量は、10000〜500000であるのが好ましく、50000〜200000であるのがより好ましい。
また、上記EVAエマルジョンは、固形分が40〜70質量%あるのが好ましく、50〜65質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記EVAエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、住化ケムテックス社製のエチレン酢酸ビニルエマルジョン(スミカフレックスS7400、S400HQ、S467、510HQ、1010)等が挙げられる。
<酢酸ビニル系エマルジョン>
上記酢酸ビニル系エマルジョンは、特に限定されず、従来公知の酢酸ビニル系エマルジョンを用いることができる。
上記酢酸ビニル系エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニルを、乳化分散剤を用いて重合(乳化重合)して得られる水性エマルジョン等が好適に挙げられる。
また、本発明においては、上記重合において、必要に応じて、他のモノマーを共重合させてもよい。他のモノマーとしては、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン等のエチレン性化合物;アクリル酸2─エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;塩化ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル;等が挙げられる。また、他のモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸のようにカルボキシル基を含有するモノマーの他、スルホン酸基、ヒドロキシ基、エポキシ基、メチロール基、アミノ基、アミド基等の官能基を含有する各種モノマーも使用することができる。
上記乳化分散剤としては、上記EVAエマルジョンに用いられる乳化分散剤と同様のものを用いることができる。
上記酢酸ビニル系エマルジョンの重量平均分子量は、10000〜500000であるのが好ましく、50000〜200000であるのがより好ましい。
また、上記酢酸ビニル系エマルジョンは、固形分が40〜70質量%あるのが好ましく、50〜65質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記酢酸ビニル系エマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、高圧ガス工業社製のペガール等が挙げられる。
<ポリ塩化ビニル系エマルジョン>
上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリ塩化ビニル系エマルジョンを用いることができる。
上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンとしては、例えば、塩化ビニルを、乳化分散剤を用いて重合(乳化重合)して得られる水性エマルジョン等が好適に挙げられる。
また、本発明においては、上記重合において、必要に応じて、他のモノマーを共重合させてもよい。他のモノマーとしては、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン等のエチレン性化合物;アクリル酸2─エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。また、他のモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸のようにカルボキシル基を含有するモノマーの他、スルホン酸基、ヒドロキシ基、エポキシ基、メチロール基、アミノ基、アミド基等の官能基を含有する各種モノマーも使用することができる。
上記乳化分散剤としては、上記EVAエマルジョンに用いられる乳化分散剤と同様のものを用いることができる。
上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンの重量平均分子量は、10000〜500000であるのが好ましく、50000〜200000であるのがより好ましい。
また、上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンは、固形分が40〜70質量%あるのが好ましく、50〜65質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、住化ケムテックス社製のSE−1010等が挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール材に用いられる凍結防止剤としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等が好適に挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記凍結防止剤の含有量は、タイヤパンクシール材の凍結を防止する性能に優れる点から、上記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、100〜500質量部が好ましく、120〜350質量部がより好ましく、140〜300質量部が更に好ましい。
ここで、合成樹脂エマルジョンの固形分とは、合成樹脂エマルジョンに含有される各成分から水および溶剤を除いたものの合計を意味する。
本発明のタイヤパンクシール材は、優れたシール性が得られる点から、更に、粘着付与剤を含有するのが好ましい。
上記粘着付与剤としては、具体的には、例えば、ロジンエステル、重合ロジンエステル、変性ロジン等のロジン系樹脂;テルペンフェノール、芳香族テルペン等のテルペン系樹脂;テルペン系樹脂を水素添加した水添テルペン系樹脂;フェノール樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂を乳化して得られるエマルジョンが、上記合成樹脂エマルジョンとの相溶性に優れる点から好ましい態様の1つである。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および水添テルペン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む粘着付与剤が、シール性に優れる点から好ましい。
上記粘着付与剤の固形分の含有量は、シール性に優れる点から、上記合成樹脂エマルジョンの固形分の合計100質量部に対して、50〜200質量部が好ましく、70〜200質量部がより好ましく、80〜180質量部が更に好ましい。
ここで、粘着付与剤の固形分とは、粘着付与剤に含有される各成分から水および溶剤を除いたものの合計を意味する。
本発明のタイヤパンクシール材は、上述した各成分以外に、所望により、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物等が挙げられる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
可塑剤としては、具体的には、例えば、ジイソノニルフタレート(DINP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール材の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記合成樹脂エマルジョンおよび凍結防止剤、必要に応じて、粘着付与剤および各種添加剤を入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法が挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール材のpHは、5.5〜8.5である。pHがこの範囲であるとスチールコードを腐食しにくい。また、本発明のタイヤパンクシール材は、pHが上記範囲内のときに比較的安定である合成樹脂エマルジョンを用いることにより、アンモニア等の添加量を抑制できる、または添加する必要がないため、刺激臭が少ない。
これらの特性により優れる点から、本発明のタイヤパンクシール材のpHは6.0〜8.0であるのがより好ましく、6.5〜8.0であるのが更に好ましい。
本発明のタイヤパンクシール材に、酸または塩基を添加してpHを上記範囲内に調整してもよい。
上記酸としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記塩基としては、特に限定されないが、刺激臭のないものが好ましく、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三級アミン等が好適に挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、トリエチルアミンが安全性、シール後の耐水性という点から好ましい。
以下、本発明のタイヤパンクシール材の使用方法について説明する。ただし、本発明のタイヤパンクシール材の使用方法は下記の方法に限定されない。
まず、本発明のタイヤパンクシール材をタイヤの空気充填部からタイヤ内に注入する。本発明のタイヤパンクシール材をタイヤ内に注入する方法は、特に限定されず従来公知の方法を用いることができ、例えば、シリンジ、スプレー缶等を用いる方法が挙げられる。タイヤ内に注入されるタイヤパンクシール材の量は、特に限定されず、パンク穴の大きさ等に応じて適宜選択される。
次に、所定の空気圧まで空気を充填する。
その後、車を走行させる。タイヤが回転接地する際に受ける圧縮力や剪断力によって合成樹脂粒子等の凝集体を形成し、パンク穴をシールすることができる。
本発明のタイヤパンクシール材は、刺激臭が少なく、スチールコードを腐食しにくい。 更に、上記合成樹脂エマルジョンが、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョンおよびポリ塩化ビニル系エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のエマルジョンである場合は、従来のタイヤパンクシール材と同等のシール性を有し、比較的低粘度で、貯蔵安定性に優れる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ウレタンエマルジョンの調製(合成例1〜2)>
(合成例1)
トリレンジイソシアネート(コスモネートT−80、三井武田ケミカル社製)62g、ポリカーボネートジオール(プラクセルCD220、ダイセル化学工業社製、数平均分子量2000)251g、ジメチロールブタン酸(ニッカマー BA、日本化成社製)10.5gおよび酢酸エチル(和光純薬工業社製)400gを混合し、カルボキシ基を有するウレタンプレポリマーを合成した。
次に、トリエチルアミン(和光純薬工業社製)7.7g、ピペラジン6水和物(日本乳化剤社製)4.0gおよび蒸留水400gを加えて、十分にかくはんして乳化させ、ウレタンエマルジョン1(固形分45.6質量%、pH7.5)を得た。
(合成例2)
トリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製)12.4g、3−メチルペンタンジオールアジペート(クラレポリオールP2010、クラレ社製)57.0gおよびN−メチルジエタノールアミン(和光純薬工業社製)2.1gを混合し、第三級アミノ基を有するウレタンプレポリマーを合成した(NCO%=4.6%)。
次に、得られたウレタンプレポリマーに、塩酸(和光純薬工業社製)1.8g、テルペン系粘着付与剤(YSレジンTO115、ヤスハラケミカル社製)15.0g、ピペラジン6水和物(日本乳化剤社製)2.8g、蒸留水136.7gおよびエチレングリコール(和光純薬工業社製)150gを加えて、十分にかくはんして乳化させ、ウレタンエマルジョンを得た(pH4.5)。このウレタンエマルジョンにトリエチルアミン(和光純薬工業社製)0.8gを加えて、pH5.5に調整し、ウレタンエマルジョン2を得た(固形分40.0質量%、pH5.5)。
<NBRラテックス系タイヤパンクシール材の調製(配合例1)>
特開2005−170973号公報に記載された実施例1の方法に準じて、NBRラテックス系タイヤパンクシール材を調製した。
具体的には、下記(1)〜(5)の材料をかくはん機を用いて混合して、配合例1のNBRラテックス系タイヤパンクシール材(pH9.5)を得た。
(1)ゴムラテックス:NBRラテックス(Nipol、日本ゼオン社製)、パンクシーリング剤中の含有量65質量%
(2)ナイロン繊維:パンクシーリング剤中の含有量2質量%、繊維の長さ2〜7mm、繊維の太さ5〜30μm
(3)凍結防止剤:エチレングリコール、パンクシーリング剤中の含有量25質量%
(4)増粘剤:スメクタイトクレイ、パンクシーリング剤中の含有量:2質量%
(5)その他:残部として水
<実施例1〜52および比較例1〜4>
下記第1表の各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、第1表に示される各タイヤパンクシール材を得た。
得られた各タイヤパンクシール材の水素イオン指数をpHメーター(日立ハイテクノロジー社製)で測定した。また、各タイヤパンクシール材について、下記に示す方法により、防錆性、臭気、凝固点、シール性、冷熱サイクル安定性、振套試験、貯蔵安定性、送液性、送気性の評価を行った。
結果を第1表に示す。
(防錆性)
各タイヤパンクシール材をメチルエチルケトンで脱脂した鋼板の表面に塗布し、20℃で24時間放置乾燥させた後、50℃温水に7日放置した。その後、シール材を鋼板から剥がして鋼板の表面を目視で観察して錆の有無を評価した。
錆が発生しなかったものを「○」、錆が発生したものを「×」とした。
(臭気)
各タイヤパンクシール材の臭気の有無を確認した。
臭気がないものを「○」、臭気が強いものを「×」とした。
(凝固点)
示差走査熱量測定装置(DSC、TAインスツルメンツ社製)を用いて凝固点を測定した。
(シール性)
タイヤトレッド部を長さ15cm、幅22cmに切断した部材のトレッドに、直径5mmの釘を貫通させて穴を形成した。
20℃、65%RH環境下で、タイヤ内部にを注入したことを想定して、トレッドの裏側(内側)から穴部分に、各タイヤパンクシール材50gを垂らした。
そして、造膜を促すため、穴部分の周辺をトレッド側から木槌で5回叩いた。
20℃、65%RH環境下で20分放置した後、トレッド側から穴部分に散水し、裏面(内側)への水漏れの有無を観察した。
水漏れがなかったものを「○」、水漏れがあったものを「×」とした。
(冷熱サイクル安定性)
各タイヤパンクシール材を、−20℃で8時間冷却した後80℃で16時間加熱し、このサイクルを10回繰り返した後、分散状態を目視で観察し、沈殿がなく、均一に分散していたものを「○」、凝集物やフィルムが存在したものを「△」とした。
(振套試験)
70℃雰囲気下で、シール材200gを入れたガラス瓶を密閉し、これを1〜5Hzで60時間振套させた。
その後、分散状態を目視で観察し、沈殿・分離がないものを「○」、凝集物やフィルムが存在したものを「△」とした。
(貯蔵安定性)
得られたタイヤパンクシール材を容器に入れ、窒素置換した後密閉し、80℃で100日間放置した。その後、タイヤパンクシール材の状態を観察し、分散状態を目視で観察し、沈殿・分離がないものを「○」、凝集物やフィルムが存在したものを「△」とした。
(送液性)
得られたタイヤパンクシール材500mlを入れたポリ容器に、シガーライターから電源(12V)を得たコンプレッサを取り付け、ノズルをタイヤのバルブに取り付けた。次に、0.5MPa圧、常温下でシール材をタイヤ内に送液し、ポリ容器内のシール材全てをタイヤ内に送液するまでに要した時間(秒)を測定した。
(送気性)
上記送液性試験後、連続して常温下で空気を入れ続け、コンプレッサの圧力計が0.3MPaになるまでに要した時間(秒)を測定した。
Figure 2007224246
Figure 2007224246
Figure 2007224246
Figure 2007224246
Figure 2007224246
上記第1表に示す各成分は、下記のとおりである。
・EVAエマルジョン1:スミカフレックス510HQ、住化ケムテックス社製、固形分55質量%、pH7.0
・EVAエマルジョン2:スミカフレックス1010、住化ケムテックス社製、固形分50質量%、pH7.0
・天然ゴムラテックス:HA、フェルフェックス社製、固形分60質量%、pH11.5
・凍結防止剤(エチレングリコール):和光純薬工業社製、固形分100質量%
・粘着付与剤1:ハリエスターSK508、ハリマ化成社製、固形分54質量%、pH6.5
・粘着付与剤2:ハリエスターSK70D、ハリマ化成社製、固形分50質量%、pH6.5
・粘着付与剤3:ナノレットR1050、ヤスハラケミカル社製、固形分50質量%、pH6.5
・アクリルエマルジョン:アクロナールA378、BASF社製、固形分50質量%、pH8.0
・ポリブテンエマルジョン:エマウエット200E、日本油脂社製、固形分53質量%、pH7.0
・ポリエチレンエマルジョン:PE401、成瀬化学社製、固形分60質量%、pH7.0
・ポリプロピレンエマルジョン:PPエマルジョン、丸芳化成品社製、固形分50質量%、pH7.0
・ウレタンエマルジョン1:合成例1のウレタンエマルジョン
・ウレタンエマルジョン2:合成例2のウレタンエマルジョン
・塩酸:和光純薬工業社製
・トリエチルアミン:和光純薬工業社製
上記第1表に示す結果から明らかなように、天然ゴムラテックス系タイヤパンクシール材(比較例1、3、4)は、pHが高く、錆が発生し、刺激臭があり、貯蔵安定性が低かった。また、NBR系タイヤパンクシール材(比較例2)は、pHが高く、錆が発生し、刺激臭があり、送液性および送気性が低かった。
一方、実施例1〜52は、比較例1〜4と同等のシール性を有し、貯蔵安定性、送液性、送気性に優れていた。更に、錆の発生がなく、無臭だった。

Claims (8)

  1. 合成樹脂エマルジョンと、凍結防止剤とを含有し、水素イオン指数が5.5〜8.5であるタイヤパンクシール材。
  2. 前記合成樹脂エマルジョンが、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョンおよびポリ塩化ビニル系エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のエマルジョンである請求項1に記載のタイヤパンクシール材。
  3. 前記凍結防止剤を、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して100〜500質量部含有する請求項1または2に記載のタイヤパンクシール材。
  4. 更に、粘着付与剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
  5. 前記粘着付与剤が、樹脂を乳化して得られるエマルジョンである請求項4に記載のタイヤパンクシール材。
  6. 前記粘着付与剤が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および水添テルペン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項4または5に記載のタイヤパンクシール材。
  7. 前記粘着付与剤の固形分を、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、50〜200質量部含有する請求項4〜6のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
  8. 水素イオン指数が、6.0〜8.0である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
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