JP5233205B2 - タイヤパンクシール材 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤパンクシール材に関する。
従来、パンクしたタイヤを修理するタイヤパンクシール材として、天然ゴムラテックスに、粘着付与樹脂エマルジョンと凍結防止剤とを配合したものが多用されている(例えば、特許文献1参照。)。
このタイヤパンクシール材は、天然ゴム粒子と粘着付与樹脂粒子とが、凍結防止剤の水溶液中でイオン斥力によって反発しあって分散浮遊しているラテックスである。
また、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックスやスチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス等の合成ゴムラテックスを使用したタイヤパンクシール材も提案されている(特許文献2参照。)。
また、天然ゴムラテックスと、不凍液とを含有し、さらに、樹脂系エマルジョンを含有し、前記樹脂系エマルジョンが、乳化剤に非イオン系界面活性剤を使用し、樹脂成分に変性フェノール樹脂、石油樹脂およびカルボン酸変性テルペン樹脂からなる群から選択される少なくとも1を使用していることを特徴とするパンクシーリング剤が提案されている(特許文献3参照)。
上記のようなタイヤパンクシール材は、通常、タイヤの空気充填部からタイヤ内に注入され、所定の空気圧まで空気を充填した後、車を走行させることにより、パンク孔に到達する。そして、タイヤが回転接地する際に受ける圧縮力や剪断力によってゴム粒子の凝集体を形成し、パンク孔がシールされる。
最近使用されているタイヤのパンク頻度は、通常、数年に1回といわれており、シーリング剤が実際に使用される頻度はきわめて低い。そのため、タイヤパンクシール材にとって、シール性に優れていることはもちろん、車内での長期間の保管に耐えられる性能も重要である。
特開2004−035867号公報 特開2005−170973号公報 特開2006−111726号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような天然ゴムラテックス系タイヤパンクシール材は、貯蔵安定性が低く、例えば、自動車のトランク内に放置された場合の寿命が約1年程度で、それを過ぎると固化またはゲル化して流動性が著しく低下し、パンクしたタイヤ内に注入できなくなる等の問題がある。
また、本願発明者らは、合成樹脂エマルジョンとしてエチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンを含有するタイヤパンクシール材が、長期保存を想定した−40℃と80℃との温度間でのヒートサイクル劣化試験後においてシール性に改善の余地があることを見出した。
したがって、本発明は、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性に優れるタイヤパンクシール材を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、合成樹脂エマルジョンと、粘着付与剤と、凍結防止剤とを含有し、前記合成樹脂エマルジョンを20℃で12時間乾燥させさらに50℃で10時間乾燥させることによって得られる、体積V1の合成樹脂エマルジョンフィルムを、プロピレングリコール100質量部と水100質量部とを含む混合液中に80℃の条件下で7日間浸漬させる、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤試験を行って、前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積V2を測定し、前記体積V1および前記体積V2を下記数式(1)
合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率(%)=(V2−V1)/V1×100 (1)(数式中、V1は前記体積膨潤試験前の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積であり、V2は前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積である。)にあてはめることによって求められる、前記合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率が0〜30%である組成物が、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性に優れるタイヤパンクシール材となることを知見し、本願発明者らは、この知見に基づき本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(8)を提供する。
(1) 合成樹脂エマルジョンと、粘着付与剤と、凍結防止剤とを含有し、
前記合成樹脂エマルジョンを20℃で12時間乾燥させさらに50℃で10時間乾燥させることによって得られる、体積V1の合成樹脂エマルジョンフィルムを、プロピレングリコール100質量部と水100質量部とを含む混合液中に80℃の条件下で7日間浸漬させる、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤試験を行って、前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積V2を測定し、前記体積V1および前記体積V2を下記数式(1)にあてはめることによって求められる、前記合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率が0〜30%であるタイヤパンクシール材。
合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率(%)=(V2−V1)/V1×100 (1)
(数式中、V1は前記体積膨潤試験前の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積であり、V2は前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積である。)
(2) 前記合成樹脂エマルジョンが、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンである上記(1)に記載のタイヤパンクシール材。
(3) 前記エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンを構成するモノマーとしてのエチレンと酢酸ビニルとの質量比(エチレン/酢酸ビニル)が、20/80〜50/50である上記(2)に記載のタイヤパンクシール材。
(4) 前記エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンに使用される界面活性剤が、ポリビニルアルコールである上記(2)または(3)に記載のタイヤパンクシール材。
(5) 前記ポリビニルアルコールのけん化度が、65〜95モル%である上記(4)に記載のタイヤパンクシール材。
(6) 前記粘着付与剤の固形分が、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、20〜200質量部である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
(7) 前記凍結防止剤の量が、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、100〜500質量部である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
(8) 水素イオン指数が、5.5〜7.0である上記(1)〜(7)のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
本発明のタイヤパンクシール材は、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性に優れる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のタイヤパンクシール材は、
合成樹脂エマルジョンと、粘着付与剤と、凍結防止剤とを含有し、
前記合成樹脂エマルジョンを20℃で12時間乾燥させさらに50℃で10時間乾燥させることによって得られる、体積V1の合成樹脂エマルジョンフィルムを、プロピレングリコール100質量部と水100質量部とを含む混合液中に80℃の条件下で7日間浸漬させる、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤試験を行って、前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積V2を測定し、前記体積V1および前記体積V2を下記数式(1)にあてはめることによって求められる、前記合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率が0〜30%である。
合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率(%)=(V2−V1)/V1×100 (1)
(数式中、V1は前記体積膨潤試験前の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積であり、V2は前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積である。)
本発明のタイヤパンクシール材に用いられる合成樹脂エマルジョンは、特に限定されず、例えば、従来公知のものが挙げられる。
合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、ポリ塩化ビニル系エマルジョンが好適に挙げられる。
合成樹脂エマルジョンは、pH5.5〜7.0における安定性が比較的良好である。
合成樹脂エマルジョンは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性により優れるという観点から、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、ウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョンが好ましく、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンがより好ましい。
<エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン>
エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン(以下、「EVAエマルジョン」ということがある。)は、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンを構成するモノマーとしてエチレンと酢酸ビニルとが使用されるものであれば特に限定されず、例えば、従来公知のものが挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンを構成するモノマーとしてのエチレンと酢酸ビニルとの質量比(エチレン/酢酸ビニル)は、体積膨潤率が低くなりヒートサイクル後のシール性により優れるという観点から、20/80〜50/50であるのが好ましく、40/60〜50/50であるのがより好ましい。
また、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンを製造する際に使用されるモノマーとして、エチレンおよび酢酸ビニル以外に必要に応じて他のモノマーを使用することができる。
エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンを製造する際使用することができる、エチレンおよび酢酸ビニル以外のモノマーとしては、例えば、アクリル酸2─エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;塩化ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸のようにカルボキシル基を含有するモノマー;スルホン酸基、ヒドロキシ基、エポキシ基、メチロール基、アミノ基、アミド基等の官能基を含有する各種モノマーが挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンは、その製造について特に制限されない。例えば、モノマーとしてエチレンと酢酸ビニルと必要に応じて他のモノマーとを使用し、乳化分散剤を用いて共重合(乳化重合)させる方法が挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンの製造の際に使用される乳化分散剤は、特に制限されず、例えば、ノニオン性界面活性剤;アニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;両性イオン界面活性剤;界面活性剤分子中に反応性の二重結合を有する反応性界面活性剤;ポリビニルアルコール、デンプンのような水溶性高分子が挙げられる。
これらの中でも、ヒートサイクル後のシール性により優れるという観点から、保護コロイドとして用いることのできる水溶性高分子が好ましく、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースがより好ましく、ポリビニルアルコールのみであるのがさらに好ましい。
エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンの製造の際に使用される乳化分散剤としてのポリビニルアルコールは、−CH2−CH(−OH)−で表される繰り返し単位を有するポリマーであれば特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、特に制限されない。例えば、100,000〜500,000のものが挙げられる。
ポリビニルアルコールは、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
なかでも、ポリビニルアルコールのけん化度が、ヒートサイクル後のシール性により優れるという観点から、65〜95モル%であるのが好ましく、65〜88モル%であるのがより好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、N−アルキル−N,N−ジメチルオキシド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、例えば、ジメチルアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン等が挙げられる。
乳化分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
EVAエマルジョンの重量平均分子量は、シール性に優れるという観点から、10,000〜500,000であるのが好ましく、50,000〜200,000であるのがより好ましい。
また、EVAエマルジョンは、シール性に優れるという観点から、その固形分が40〜70質量%あるのが好ましく、50〜65質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、EVAエマルジョンとして市販品を用いることができる。その具体例としては、例えば、住化ケムテックス社製のエチレン酢酸ビニルエマルジョン(スミカフレックス408HQE、401HQ、400HQ、950HQ)等が挙げられる。
<アクリルエマルジョン>
アクリルエマルジョンは、特に限定されず、従来公知のアクリルエマルジョンを用いることができる。
上記アクリルエマルジョンとしては、例えば、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体、不飽和二トリル、共役ジオレフィン、多官能ビニル単量体、、アミド系単量体、水酸基含有単量体、カプロラクトン付加単量体、アミノ基含有単量体、グリシジル基含有単量体、酸系単量体、ビニル単量体等を、乳化分散剤を用いて重合(乳化重合)して得られる水性エマルジョン等が好適に挙げられる。
上記メタクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。
上記アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
上記芳香族ビニル単量体としては、具体的には、例えば、パラメチルスチレン、α−メチルスチレン、パラクロロエチレン、クロルメチレンスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
上記不飽和二トリルとしては、具体的には、例えば、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等が挙げられる。
上記共役ジオレフィンとしては、具体的には、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
上記多官能ビニル単量体としては、具体的には、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレンジグリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
上記アミド系単量体としては、具体的には、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
上記ヒドロキシ基含有単量体としては、具体的には、例えば、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシメタクリレート等が挙げられる。
上記カプロラクトン付加単量体としては、具体的には、例えば、ダイセル化学製のFA−1、FA−2、FA−3、FM−1等のβ−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシメタクリレート等が挙げられる。
上記アミノ基含有単量体としては、具体的には、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。
グリシジル基含有単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジグリシジル等が挙げられる。
酸系単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、パラビニル安息香酸等が挙げられる。
ビニル単量体としては、具体的には、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
これらのうち、コスト、取扱い性、物性等の種々の観点から、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルであるのが好ましい。
上記乳化分散剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、ノニオン性界面活性剤が、中性であり、臭気が少ない点から好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、N−アルキル−N,N−ジメチルオキシド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、アルキルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、具体的には、例えば、ジメチルアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン等が挙げられる。
また、乳化分散剤として、界面活性剤分子中に反応性の二重結合を有する反応性界面活性剤;ポリビニルアルコール、デンプン等の水溶性高分子等も用いることができる。
上記乳化分散剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリルエマルジョンの重量平均分子量は、10,000〜500,000であるのが好ましく、50,000〜200,000であるのがより好ましい。
また、上記アクリルエマルジョンは、固形分が30〜60質量%であるのが好ましく、40〜55質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記アクリルエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、レジテックス社製のA6001、日本ゼオン社製のLx823等が挙げられる。
<ウレタンエマルジョン>
上記ウレタンエマルジョンは、ポリウレタン粒子が水中に分散されたものである。上記ウレタンエマルジョンとしては、例えば、イオン性基を有するウレタンプレポリマーと、中和剤または四級化剤とを水中で反応させて得られるものが好適に挙げられる。
上記ウレタンプレポリマーとしては、具体的には、例えば、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物(A)と、活性水素を2個以上有する化合物(B)と、イソシアネート基と反応性を有する基とイオン性基とを有する化合物(C)とを共重合させて得られるウレタンプレポリマーが好適に挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物(A)としては、通常のポリウレタン樹脂の製造に用いられる種々のものを用いることができる。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のTDI;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等のMDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ノルボルナン骨格を有するジイソシアネート(NBDI)、および、これらのイソシアヌレート体等の変成品が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのイソシアネート基含有化合物の中でも、TDIおよびMDIが好ましい。これらのポリイソシアネートは汎用であるので、安価かつ入手が容易である。
上記化合物(B)は、活性水素を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、具体的には、例えば、ポリオール化合物、アミン化合物、アルカノールアミン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリオール化合物が好ましい。
上記ポリオール化合物としては、具体的には、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール;アジペートポリオール;ヒマシ油等のポリエステルポリオール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、貯蔵安定性により優れる点から、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールが好ましく、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールがより好ましい。
上記ポリオール化合物は、数平均分子量が500〜10000程度であるのが好ましく、2000〜6000程度であるのがより好ましい。
上記アミン化合物としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
上記アルカノールアミンとしては、具体的には、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられる。
上記化合物(C)は、イソシアネート基と反応性を有する基とイオン性基とを有する化合物である。
上記イソシアネート基と反応性を有する基としては、具体的には、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基(−NH2)、イミノ基(−NH−)、メルカプト基等が挙げられる。
ここで、イオン性基とは、中和することにより正または負に荷電しうる基をいう。具体的には、アニオン性基またはカチオン性基を意味する。
アニオン性基とは、塩基で中和することにより負に荷電しうる基をいう。具体的には、例えば、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等が好適に挙げられる。カチオン性基とは、酸で中和または四級化剤と反応することにより正に荷電しうる基をいい、具体的には、例えば、第三級アミノ基が好適に挙げられる。
上記イオン性基がアニオン性基である場合、通常はタイヤパンクシール材のpHを調整する必要がなく、また、得られるタイヤパンクシール材は刺激臭がなく、スチールコードを腐食しにくい点から好ましい。
イソシアネート基と反応性を有する基とアニオン性基とを有する化合物(以下、「化合物(C1)」という。)としては、具体的には、例えば、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸等の脂肪族モノヒドロキシカルボン酸;ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエチル安息香酸、ヒドロキシけい皮酸等の芳香族モノヒドロキシカルボン酸;ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸等のジヒドロキシカルボン酸;メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト安息香酸等のメルカプトカルボン酸;アミノアジピン酸、アミノ安息香酸等のアミノカルボン酸;ヒドロキシベンゼンスルホン酸等のヒドロキシスルホン酸;3N−メルカプトエタンスルホン酸等のメルカプトスルホン酸;アミノベンゼンスルホン酸等のアミノスルホン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート基と反応性を有する基とカチオン性基とを有する化合物(以下、「化合物(C2)」という。)としては、例えば、イソシアネート基と反応性を有する基と、第三級アミノ基とを有する化合物等が好適に挙げられる。
このような化合物としては、例えば、下記式(1)で表される化合物等が好適に挙げられる。
Figure 0005233205
上記式(1)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R1およびR2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基を表す。
上記式(1)で表される化合物には、第三級アミノ基を有するジオール化合物、第三級アミノ基を有するトリオール化合物が含まれる。
このような化合物(C2)としては、具体的には、例えば、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−イソブチル−N,N−ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ウレタンプレポリマーの製造方法は、特に限定されないが、例えば、ポリイソシアネート化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を同時にかくはん等して重合する方法が挙げられる。
上記ウレタンプレポリマーの製造の際に、化合物(B)、化合物(C)を添加する順番は、特に限定されず、同時に添加してもよく、いずれかを先に添加してもよい。例えば、通常のウレタンプレポリマーの製造方法に従い、ポリイソシアネート化合物(A)および化合物(B)を反応させてウレタンプレポリマーを製造した後、化合物(C)を添加して付加する方法を用いることができる。
上記共重合は、得られるウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量(NCO%)が0.3〜3%となるように行うのが好ましい。
また、ポリイソシアネート化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の合計質量に対して、ポリイソシアネート化合物(A)を1〜50質量%、化合物(B)を30〜90質量%、化合物(C)を0.1〜20質量%含有させ、これらを不活性ガス雰囲気下、60〜90℃下で2〜8時間程度かくはんして行うのが好ましい。ここで、NCO%とは、ウレタンプレポリマーの全質量に対するNCO基の質量%を表す。
また、上記共重合は、必要に応じて有機スズ化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒の存在下で行うことができ、有機スズ化合物の存在下で行うのが好ましい。
有機スズ化合物としては、具体的には、例えば、酢酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、ラウリン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ等のカルボン酸第一スズ;ジブチルスズアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジ−2−エチルヘキソエート、ジラウリルスズジアセテート、ジオクチルスズジアセテート等のカルボン酸のジアルキルスズ塩;水酸化トリメチルスズ、水酸化トリブチルスズ、水酸化トリオクチルスズ等の水酸化トリアルキルスズ:酸化ジブチルスズ、酸化ジオクチルスズ、酸化ジラウリルスズ等の酸化ジアルキルスズ;二塩化ジブチルスズ、二塩化ジオクチルスズ等の塩化ジアルキルスズ等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズアセテート、ジブチルスズマレエートが、比較的安価で取り扱いやすい点から好ましい。
このような共重合により得られるウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1500〜30000であるのが好ましく、3000〜20000であるのがより好ましい。
上記ウレタンプレポリマーは、水中で中和剤と反応して乳化され、安定化されたウレタンエマルジョンとなる。カチオン性基を有するウレタンプレポリマーを用いる場合は、中和剤の代わりに四級化剤を用いてもよい。
上記中和剤としては、アニオン性基を有するウレタンプレポリマーを用いる場合は、塩基を用いることができ、ルイス塩基であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三級アミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの塩基の中でも、トリエチルアミンが好ましい。
また、カチオン性基を有するウレタンプレポリマーを用いる場合は、中和剤として酸を用いることができ、ルイス酸であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの酸の中でも塩酸、酢酸が好ましい。
上記四級化剤は、上記ウレタンプレポリマーの第三級アミノ基を四級化し得る化合物であり、具体的には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン等のエポキシ化合物;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸類;パラトルエンスルホン酸メチル等のスルホン酸アルキル類;メチルクロライド、エチルクロライド、ベンジルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド等のハロゲン化アルキル類等が挙げられる。
上記ウレタンプレポリマーの水中への分散は、上記中和剤または四級化剤の他、必要に応じて、粘度調整剤、鎖延長剤を添加して行うことができる。
上記粘度調整剤としては、水と相溶する有機溶剤が挙げられ、具体的には、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン等が好適に例示される。
上記鎖延長剤としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ジアミン;イソホロンジアミン、ピペラジン等の脂環式ジアミン;ジフェニルジアミン等芳香族ジアミン;トリアミン等が挙げられる。
上記ウレタンエマルジョンの製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記ウレタンプレポリマーおよび上記中和剤または上記四級化剤、必要に応じて、上記粘度調整剤、上記鎖延長剤等を水に添加して、かくはん混合する方法等が挙げられる。
<ポリオレフィン系エマルジョン>
上記ポリオレフィン系エマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリオレフィン系エマルジョンを用いることができる。
上記ポリオレフィン系エマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたポリオレフィンが、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系エマルジョンとしては、具体的には、例えば、ポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレンエマルジョン、エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンおよびポリブテンエマルジョンが好適に挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエチレンエマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリエチレンエマルジョンを用いることができる。
上記ポリエチレンエマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたポリエチレンが、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
乳化分散剤としては、上述したアクリルエマルジョンに用いられるものと同様である。
上記ポリエチレンとしては、融点が90〜150℃であるものが好ましく、また、重量平均分子量が1,000〜1,000,000であるものが好ましい。
なお、本明細書において、融点とは、JIS K2207に規定される軟化点試験方法(環球法)によって測定された値をいう。
本発明においては、上記ポリエチレンエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、ジョンソンポリマー社製のJW−150、クラリアント社製のワックス・ディスパージョン(WaxDispersion)W867、サンノプコ社製のノプコートPEM−17、成瀬化学社製のPE401等が挙げられる。
上記ポリプロピレンエマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリプロピレンエマルジョンを用いることができる。
上記ポリプロピレンエマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたポリプロピレンが、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
また、上記ポリプロピレンエマルジョンとして、ポリプロピレンが乳化分散剤により水中に分散されたものも用いることができる。
乳化分散剤としては、上述したアクリルエマルジョンに用いられるものと同様である。
上記ポリプロピレンとしては、融点が90〜150℃であるものが好ましく、また、重量平均分子量が1,000〜1,000,000であるものが好ましい。
本発明においては、上記ポリプロピレンエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、丸芳化成品社製のPPエマルジョン等が挙げられる。
上記エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンは、特に限定されず、従来公知のエチレン−プロピレン共重合体エマルジョンを用いることができる。
上記エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたエチレン−プロピレン共重合体が、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
また、上記エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンとして、エチレン−プロピレン共重合体が乳化分散剤により水中に分散されたものも用いることができる。
乳化分散剤としては、上述したアクリルエマルジョンに用いられるものと同様である。
上記エチレン−プロピレン共重合体としては、融点が90〜150℃であるものが好ましく、また、重量平均分子量が1,000〜1,000,000であるものが好ましい。
本発明においては、上記エチレン−プロピレン共重合体エマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、レヂテックス社製のHS等が挙げられる。
上記ポリブテンエマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリブテンエマルジョンを用いることができる。
上記ポリブテンエマルジョンとしては、例えば、親水基が導入されたポリブテンが、水中に分散されたもの等が挙げられる。上記親水基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
また、上記ポリブテンエマルジョンとして、ポリブテンが乳化分散剤により水中に分散されたものも用いることができる。
乳化分散剤としては、上述したアクリルエマルジョンに用いられるものと同様である。
上記ポリブテンエマルジョンとしては、具体的には、例えば、下記式(2)で表されるホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルに基づいた構成単位を有する重合体(以下、重合体(D)という。)を含有する、ポリブテンと水との乳化物が好適に挙げられる。
Figure 0005233205
上記式(2)中、R3は、−(CH2m−または−(CH2CH2O)n−CH2CH2−であり、m、nは、それぞれ1〜10の整数である。
上記式(2)で表されるモノマーとしては、具体的には、例えば、2−メタクリロイルオキシエチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−メタクリロイルオキシブチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエトキシエチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシジエトキシエチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、2−メタクリロイルオキシエチル−2′−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートが好ましい。
上記重合体(D)は、式(2)で表されるモノマーを単独で重合させた単独重合体または共重合可能な他のビニルモノマーを共重合させた共重合体である。
共重合可能な他のビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエーテル系モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の官能基含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸アミド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル等の含窒素モノマー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、重合体(D)の親水性と疎水性とのバランスの制御、反応時の共重合性の点から、(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。また、ポリブテンエマルジョンの安定性の点から、アルキル鎖の炭素数が1〜24である(メタ)アクリレートモノマ−が好ましい。
式(2)で表されるモノマーと他のモノマーとを共重合する場合、式(2)で表されるモノマーの含有量は、1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。この範囲であれば、式(2)で表されるモノマーと他のモノマーの特性が十分発現できる。
上記重合体(D)は、ポリブテンの水への分散剤または乳化剤としての効果があり、その他必要に応じて添加される充填剤、薬剤等に対する安定剤としての効果も有し、さらに生体成分に対して不活性で刺激性も少なく安全に使用することができる。
上記重合体(D)は、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下において、上述した各モノマー成分をラジカル重合開始剤の存在下、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の方法により重合して得ることができる。
上記重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾイソビスジメチルバレロニトリル、過硫酸塩および過硫酸塩−亜硫酸水素塩系等が挙げられる。
上記重合開始剤の仕込量は、モノマー成分100質量部に対して0.0001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
重合温度は20〜100℃が好ましく、重合時間は0.5〜72時間が好ましい。
上記重合体(D)の重量平均分子量は、ポリブテンや水への混和性、配合物の粘度の点から、1,000〜5,000,000が好ましく、10,000〜1,000,000がより好ましい。
上記ポリブテンは、イソブチレン単独重合体、イソブチレンとその異性体との共重合体、イソブチレンと他のオレフィンとの共重合体、イソブチレンとその異性体と他のオレフィンとの共重合体およびこれらの水素化物である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水素化物である水添ポリブテンは、熱や光による酸化劣化を受けにくい点から好ましい。
上記異性体としては、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等が挙げられる。
上記ポリブテンは、例えば、イソブチレン等を含むガス混合物を、塩化アルミニウム等の酸触媒を用いて重合し、必要に応じて水素添加して製造される。
ポリブテンを製造する際に、触媒の添加量や反応温度を調整することにより低粘度の軽質ポリブテンから高粘度のポリブテンを製造できる。
ポリブテンは、安全性の高い材料で、生体成分に対しても不活性な油性ポリマーであるとともに、シール性を付与することができる。
上記ポリブテンは、液状または粘性のものが好ましく、特に、液状のポリブテンが乳化物を調製するのに好ましい。
上記ポリブテンの数平均分子量は、150〜4000であるのが液状または粘性を示す点から好ましい。
重合体(D)の含有量は、1〜50質量%が好ましく、2〜40質量%がより好ましい。この範囲であると、乳化物の安定性に優れ、粘性が高くなり過ぎることがない。
ポリブテンの含有量は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
水の含有量は、9〜89質量%が好ましい。
上記乳化物は、更に、界面活性剤を含有するのが好ましい。界面活性剤を添加することにより乳化物の安定性を向上させることができる。
上記界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記界面活性剤において、脂肪酸、アルキル基の好ましい炭素鎖長は、炭素数8〜18である。
ノニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、N−アルキル−N,N−ジメチルオキシド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、アルキルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、具体的には、例えば、ジメチルアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン等が挙げられる。
上記界面活性剤の添加量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。この範囲であると、界面活性剤を添加する効果が十分に得られ、皮膚への刺激が少ない等の安全性にも優れる。
上記乳化物は、本発明の目的を損なわない範囲で、各種添加剤を含有してもよい。
上記添加剤としては、具体的には、例えば、植物性油脂、動物性油脂、ロウ、ポリブテン以外のパラフィン、ワセリン、脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール等の油性材料、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、シリカ、カオリン、炭酸ナトリウム、ホウ砂等の無機化合物、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の有機溶媒、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルの共重合体等の他の水溶性高分子等が挙げられる。
上記乳化物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。例えば、ポリブテン、重合体(D)、水および必要に応じて界面活性剤、各種添加剤を、ホモジナイザー、ホモミキサー等の乳化機または混練機を用いて、室温〜90℃の温度範囲で乳化させて製造することができる。
本発明においては、上記ポリブテンエマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、エマウエット10E、エマウエット30E(いずれも日本油脂社製)等が挙げられる。
<酢酸ビニル系エマルジョン>
上記酢酸ビニル系エマルジョンは、特に限定されず、従来公知の酢酸ビニル系エマルジョンを用いることができる。
上記酢酸ビニル系エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニルを、乳化分散剤を用いて重合(乳化重合)して得られる水性エマルジョン等が好適に挙げられる。
また、本発明においては、上記重合において、必要に応じて、他のモノマーを共重合させてもよい。他のモノマーとしては、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン等のエチレン性化合物;アクリル酸2─エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;塩化ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル;等が挙げられる。また、他のモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸のようにカルボキシル基を含有するモノマーの他、スルホン酸基、ヒドロキシ基、エポキシ基、メチロール基、アミノ基、アミド基等の官能基を含有する各種モノマーも使用することができる。
上記乳化分散剤としては、上記EVAエマルジョンに用いられる乳化分散剤と同様のものを用いることができる。
上記酢酸ビニル系エマルジョンの重量平均分子量は、10000〜500000であるのが好ましく、50000〜200000であるのがより好ましい。
また、上記酢酸ビニル系エマルジョンは、固形分が40〜70質量%あるのが好ましく、50〜65質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記酢酸ビニル系エマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、高圧ガス工業社製のペガール等が挙げられる。
<ポリ塩化ビニル系エマルジョン>
上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンは、特に限定されず、従来公知のポリ塩化ビニル系エマルジョンを用いることができる。
上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンとしては、例えば、塩化ビニルを、乳化分散剤を用いて重合(乳化重合)して得られる水性エマルジョン等が好適に挙げられる。
また、本発明においては、上記重合において、必要に応じて、他のモノマーを共重合させてもよい。他のモノマーとしては、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン等のエチレン性化合物;アクリル酸2─エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。また、他のモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸のようにカルボキシル基を含有するモノマーの他、スルホン酸基、ヒドロキシ基、エポキシ基、メチロール基、アミノ基、アミド基等の官能基を含有する各種モノマーも使用することができる。
上記乳化分散剤としては、上記EVAエマルジョンに用いられる乳化分散剤と同様のものを用いることができる。
上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンの重量平均分子量は、10000〜500000であるのが好ましく、50000〜200000であるのがより好ましい。
また、上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンは、固形分が40〜70質量%あるのが好ましく、50〜65質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記ポリ塩化ビニル系エマルジョンとして市販品を用いてもよく、その具体例としては、住化ケムテックス社製のSE−1010等が挙げられる。
粘着付与剤について以下に説明する。
本発明のタイヤパンクシール材に含有される粘着付与剤は、タイヤパンクシール材に使用することが可能な、粘着性を有する化合物であれば特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
具体的には、例えば、ロジンエステル、重合ロジンエステル、変性ロジン等のロジン系樹脂;テルペンフェノール、芳香族テルペン等のテルペン系樹脂;テルペン系樹脂を水素添加した水添テルペン系樹脂;フェノール樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。
また、これらの樹脂を乳化して得られるエマルジョンが、上記合成樹脂エマルジョンとの相溶性に優れる点から好ましい態様の1つとして挙げられる。
なかでも、シール性に優れ、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性により優れるという観点から、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および水添テルペン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
粘着付与剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着付与剤の固形分は、シール性に優れ、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性により優れるという観点から、合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、20〜200質量部であるのが好ましく、20〜150質量部がより好ましく、20〜100質量部が更に好ましい。
ここで、合成樹脂エマルジョンの固形分とは、合成樹脂エマルジョンから水および溶剤を除いたものの合計量を意味する。
また、粘着付与剤の固形分とは、粘着付与剤から水および溶剤を除いたものの合計量を意味する。
凍結防止剤について以下に説明する。
本発明のタイヤパンクシール材に含有される凍結防止剤は、水が凍結するのを防止することができる化合物であれば特に制限されない。
具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
なかでも、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)において対象とされている化学物質ではないという観点から、プロピレングリコールが好ましい。
凍結防止剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
凍結防止剤の量は、タイヤパンクシール材の凍結を防止する性能に優れる点から、合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、100〜500質量部であるのが好ましく、100〜200質量部がより好ましく、100〜150質量部が更に好ましい。
本発明のタイヤパンクシール材は、合成樹脂エマルジョン、粘着付与剤および凍結防止剤以外に、所望により必要に応じて、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、帯電防止剤等の添加剤を含有することができる。
充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物等が挙げられる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
可塑剤としては、具体的には、例えば、ジイソノニルフタレート(DINP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール材は、その製造について特に限定されない。例えば、反応容器に合成樹脂エマルジョンと粘着付与剤と凍結防止剤と、必要に応じて使用することができる添加剤とを入れて混合物とし、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて混合物を十分に混合する方法が挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール材の水素イオン指数(pH)は、スチールコードを腐食しにくく、刺激臭が少なく、取扱時の安定性に優れるという観点から、5.5〜7.0であるのが好ましく、6.5〜7.0であるのがより好ましい。
また、本発明のタイヤパンクシール材は、合成樹脂エマルジョンとして、タイヤパンクシール材の水素イオン指数(pH)が5.5〜7.0であるときに比較的安定な状態を保持することができるものを含有することによって、アンモニア等の添加量を抑制できまたはアンモニア等を添加する必要がなく、刺激臭が少ない。
また、本発明のタイヤパンクシール材にさらに酸または塩基を添加してpHを上記範囲内に調整することができる。
上記酸としては、特に限定されない。具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記塩基としては、特に限定されず、刺激臭のないものが好ましく、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三級アミン等が好適に挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、トリエチルアミンが安全性、シール後の耐水性という点から好ましい。
合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤試験について以下に説明する。
本発明において実施される合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤試験は、合成樹脂エマルジョンを20℃で12時間乾燥させさらに50℃で10時間乾燥させることによって得られる、体積V1の合成樹脂エマルジョンフィルムを、プロピレングリコール100質量部と水100質量部とを含む混合液中に80℃の条件下で7日間浸漬させるものである。
体積膨潤試験に使用される合成樹脂エマルジョンフィルムは、本発明のタイヤパンクシール材に含有される合成樹脂エマルジョンを、20℃で12時間乾燥させさらに50℃で10時間乾燥させることによって得られる。
得られる合成樹脂エマルジョンフィルムの大きさは、縦1cm、横2cm、厚さ0.4〜0.6mmである。
合成樹脂エマルジョンの体積は、得られる合成樹脂エマルジョンフィルムの、縦、横および厚さの積(合成樹脂エマルジョンフィルムの縦×合成樹脂エマルジョンフィルムの横×合成樹脂エマルジョンフィルムの厚さ)によって算出することができる。得られた合成樹脂エマルジョンフィルムの体積をV1とする。
得られた合成樹脂エマルジョンフィルムを浸漬させる混合液は、プロピレングリコール100質量部と水100質量部とを含む。混合液は十分混合され均一となっているものを使用する。
混合液に合成樹脂エマルジョンフィルムを浸漬させる際、混合液中に合成樹脂エマルジョンフィルム全体を浸漬させる。
混合液中に浸漬された合成樹脂エマルジョンフィルムは、80℃の条件下で7日間置かれる。合成樹脂エマルジョンフィルムを浸漬させた混合液が入った容器を、例えば、オーブンのような加熱器具に入れておくことができる。
体積膨潤試験後、混合液から合成樹脂エマルジョンフィルムを取り出して、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積を混合液から取り出された合成樹脂エマルジョンフィルムの、縦、横および厚さの積によって算出することができる。体積膨潤試験後に得られた合成樹脂エマルジョンフィルムの体積をV2とする。
得られた、体積V1および体積V2を下記数式(1)にあてはめることによって合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率を求める。
合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率(%)=(V2−V1)/V1×100 (1)
(数式中、V1は前記体積膨潤試験前の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積であり、V2は前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積である。)
本発明において、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率は、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性に優れるという観点から、0〜30%である。
また、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率は、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性により優れるという観点から、0〜30%であるのが好ましく、0〜10%であるのがより好ましい。
以下、本発明のタイヤパンクシール材の使用方法について説明する。ただし、本発明のタイヤパンクシール材の使用方法は下記の方法に限定されない。
まず、本発明のタイヤパンクシール材をタイヤの空気充填部からタイヤ内に注入する。本発明のタイヤパンクシール材をタイヤ内に注入する方法は、特に限定されず従来公知の方法を用いることができ、例えば、シリンジ、スプレー缶等を用いる方法が挙げられる。タイヤ内に注入されるタイヤパンクシール材の量は、特に限定されず、パンク孔の大きさ等に応じて適宜選択される。
次に、所定の空気圧まで空気を充填する。
その後、車を走行させる。タイヤが回転接地する際に受ける圧縮力や剪断力によって合成樹脂粒子等の凝集体を形成し、パンク孔をシールすることができる。
これまで、本願発明者らは、合成樹脂エマルジョンとしてエチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンを含有するタイヤパンクシール材について研究を進めてきた。
そのなかで長期保存を想定したヒートサイクル後のタイヤパンクシール材(より詳細には−40℃と80℃との温度間でのヒートサイクルによって劣化させた後のタイヤパンクシール材)に関して、シール性に改善の余地があることを見出した。
このような、ヒートサイクル後のシール性の低下は、タイヤパンクシール材に含有される凍結防止剤が合成樹脂エマルジョンを膨潤させ、合成樹脂エマルジョンの膨潤によってタイヤのパンク孔をシールする際に合成樹脂エマルジョンが造膜できないまたは造膜しにくくなっていることによって発生すると本願発明者らは推察している。
なお、上記のメカニズムはあくまで本願発明者の推測であり、上記メカニズムとは異なる場合であっても本願発明の範囲内である。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.合成樹脂エマルジョンフィルム
(1)合成樹脂エマルジョンフィルムの製造
第1表に示す合成樹脂エマルジョンを用いて、合成樹脂エマルジョンを20℃で12時間乾燥させさらに50℃で10時間乾燥させ、縦1cm、横2cm、厚さ0.4〜0.6mmのフィルムを得た。
(2)合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤試験
得られた合成樹脂エマルジョンフィルムの、縦、横および厚さの積によって合成樹脂エマルジョンフィルムの体積を算出した。得られた合成樹脂エマルジョンフィルムの体積をV1とする。
次に、合成樹脂エマルジョンフィルムをプロピレングリコール100質量部と水100質量部とを含む混合液に漬けて80℃の条件下で7日間置き、混合液から引き上げてこれを体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムとした。
体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムを用いて、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積と同様の方法で体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積を算出した。得られた体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積をV2とする。
(3)体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率
合成樹脂エマルジョンフィルムの体積V1および体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積V2を、下記数式(1)にあてはめて、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率を算出した。結果を第1表に示す。
合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率(%)=(V2−V1)/V1×100 (1)
(数式中、V1は合成樹脂エマルジョンフィルムの体積であり、V2は体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積である。)
Figure 0005233205
第1表に示す合成樹脂エマルジョン1〜7の詳細は次のとおりである。
・合成樹脂エマルジョン1:スミカフレックス408HQE、住化ケムテックス社製
・合成樹脂エマルジョン2:スミカフレックス401HQ、住化ケムテックス社製
・合成樹脂エマルジョン3:スミカフレックス400HQ、住化ケムテックス社製
・合成樹脂エマルジョン4:スミカフレックス305HQ、住化ケムテックス社製
・合成樹脂エマルジョン5:スミカフレックス7400HQ、住化ケムテックス社製
・合成樹脂エマルジョン6:スミカフレックス470HQ、住化ケムテックス社製
・合成樹脂エマルジョン7:スミカフレックス510HQ、住化ケムテックス社製
2.タイヤパンクシール材の製造
下記第2表の各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、第2表に示される各タイヤパンクシール材を得た。
得られた各タイヤパンクシール材に、N−エチルジエタノールアミンを加え、pHを5.5〜7.0に調整した。pH(水素イオン指数)の測定にはpHメーター(日立ハイテクノロジー社製)を用いた。pH調整後のタイヤパンクシール材のpHを第2表に示す。
2.タイヤパンクシール材の評価
各タイヤパンクシール材について、下記に示す方法により、シール性、冷熱サイクル安定性、冷熱サイクル試験後のシール性、貯蔵安定性の評価を行った。結果を第2表に示す。
(1)シール性
タイヤのトレッド溝部にドリルで直径2mmのパンク孔を空け、孔が空いたタイヤをドラム試験機に装着した。
一方各タイヤパンクシール材をそれぞれ別々のポリ容器に詰めておき、タイヤパンクシール材が入ったポリ容器をタイヤのバルブ口に接続して、ポリ容器を手で絞ってタイヤパンクシール材をバルブ口からタイヤ内へ注入した。
次いで、タイヤの内圧が250kPaとなるようにタイヤに空気を充填し、その後得られたタイヤを荷重350kg、時速30kmの条件下で8分間走行させた。
走行後、目視、並びに石鹸水をタイヤのパンク孔およびパンク孔の付近に吹きかけて空気漏れの有無を観察した。
シール性の評価基準は、漏れがなかった場合を「○」、漏れがあった場合を「×」とした。
(2)冷熱サイクル安定性
各タイヤパンクシール材を容器に入れて窒素置換した後密閉し、この容器を−40℃で2時間冷却した後80℃で2時間加熱し、このサイクルを200回繰り返した後、タイヤパンクシール材の分散状態を目視で観察した。
冷熱サイクル安定性の評価基準は、タイヤパンクシール材に沈殿物がなくタイヤパンクシール材が均一に分散していた場合を「○」、タイヤパンクシール材の外観(色)が変化した場合を「△」、タイヤパンクシール材が凝集物やフィルムが形成した場合を「×」とした。
(3)冷熱サイクル試験後のシール性
(2)冷熱サイクル安定性の評価後のタイヤパンクシール材を使用して、(1)シール性の評価と同様の試験を行った。
冷熱サイクル試験後のシール性の評価基準は、(1)シール性の評価基準と同様である。
(4)貯蔵安定性
タイヤパンクシール材を容器に入れ窒素置換した後密閉し、この容器を80℃の条件下に30日間置いた。その後、タイヤパンクシール材の状態を観察し、分散状態を目視で観察した。
貯蔵安定性の評価基準は、タイヤパンクシール材に沈殿物がなくタイヤパンクシール材が均一に分散していた場合を「○」、タイヤパンクシール材の外観(色)が変化した場合を「△」、タイヤパンクシール材が凝集物やフィルムが形成した場合を「×」とした。
Figure 0005233205
Figure 0005233205
Figure 0005233205
Figure 0005233205
第2表に示す成分の詳細は、次のとおりである。
・合成樹脂エマルジョン1〜7:第1表に示す合成樹脂エマルジョン
・粘着付与剤:ハリエスターSK508H、ハリマ化成社製、固形分55質量%、pH6.5
・凍結防止剤:プロピレングリコール、和光純薬工業社製、固形分100質量%
なお、第2表において記載されている合成樹脂エマルジョン1〜7および粘着付与剤の量は、エマルジョンとしての量である。
第2表に示す結果から明らかなように、体積膨潤率が30%を超える合成樹脂エマルジョンを含有する比較例1〜8はヒートサイクル後のシール性に劣った。
これに対して、実施例1〜18は、貯蔵安定性、ヒートサイクル後のシール性に優れていた。

Claims (7)

  1. 合成樹脂エマルジョンと、粘着付与剤と、凍結防止剤とを含有し、
    前記合成樹脂エマルジョンが、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンであり、
    前記合成樹脂エマルジョンを20℃で12時間乾燥させさらに50℃で10時間乾燥させることによって得られる、体積V1の合成樹脂エマルジョンフィルムを、プロピレングリコール100質量部と水100質量部とを含む混合液中に80℃の条件下で7日間浸漬させる、合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤試験を行って、前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積V2を測定し、前記体積V1および前記体積V2を下記数式(1)にあてはめることによって求められる、前記合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率が0〜30%であるタイヤパンクシール材。
    合成樹脂エマルジョンフィルムの体積膨潤率(%)=(V2−V1)/V1×100 (1)
    (数式中、V1は前記体積膨潤試験前の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積であり、V2は前記体積膨潤試験後の合成樹脂エマルジョンフィルムの体積である。)
  2. 前記エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンを構成するモノマーとしてのエチレンと酢酸ビニルとの質量比(エチレン/酢酸ビニル)が、20/80〜50/50である請求項に記載のタイヤパンクシール材。
  3. 前記エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンに使用される界面活性剤が、ポリビニルアルコールである請求項またはに記載のタイヤパンクシール材。
  4. 前記ポリビニルアルコールのけん化度が、65〜95モル%である請求項に記載のタイヤパンクシール材。
  5. 前記粘着付与剤の固形分が、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、20〜200質量部である請求項1〜のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
  6. 前記凍結防止剤の量が、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対して、100〜500質量部である請求項1〜のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
  7. 水素イオン指数が、5.5〜7.0である請求項1〜のいずれかに記載のタイヤパンクシール材。
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