JP2016216615A - パンクシーリング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】補修完了後のパンクシール性に優れるパンクシーリング剤を提供する。【解決手段】ラテックスと、軟化点が100℃以上である粘着剤と、を含有するパンクシーリング剤。【選択図】なし

Description

本発明は、パンクシーリング剤に関する。
タイヤのパンクが発生した際にその発生箇所を補修する材料としては、パンク孔にラテックス等を注入して補修するパンクシーリング剤が知られている。タイヤのパンク孔はタイヤの回転により開閉を繰り返し、閉じたときにパンク孔の壁面に大きなシェアがかかる。タイヤのパンク孔にラテックスを含むパンクシーリング剤を注入し、パンク孔をパンクシーリング剤で満たした状態でタイヤを回転させると、パンクシーリング剤にシェアがかかってラテックス中の粒子等が凝集して凝固物(ゲル)が形成される。前記パンクシーリング剤を用いてパンクしたタイヤを補修した場合、この凝固物が栓となってパンク孔が塞がれることで、タイヤの補修が完了する。
ラテックスを用いたパンクシーリング剤としては、ラテックスと、粘着剤とを含有するパンクシーリング剤が開示されており、このパンクシーリング剤を用いてパンク孔の補修が完了するまでの走行距離を指標としたパンクシール性の評価がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−37521号公報
上記文献に記載のパンクシーリング剤では、凝固物がパンク孔を塞いだ状態でどれだけの距離の走行に耐えうるか、すなわち補修完了後のパンクシール性については更なる向上の余地がある。そこで本発明は、補修完了後のパンクシール性に優れるパンクシーリング剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明者らは、下記の発明により当該目的を達成できることを見出した。当該目的を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>ラテックスと、軟化点が100℃以上である粘着剤と、を含有するパンクシーリング剤。
<2>前記粘着剤が、天然樹脂、変性天然樹脂及び石油系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載のパンクシーリング剤。
<3>前記ラテックスの固形分の質量に対する前記粘着剤の質量の割合が55質量%以下である、<1>又は<2>に記載のパンクシーリング剤。
<4>ゲル化率が0.1%より大きい、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のパンクシーリング剤。
本発明によれば、補修完了後のパンクシール性に優れるパンクシーリング剤が提供される。
本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の他の例を示す概略図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<パンクシーリング剤>
本発明の実施態様に係るパンクシーリング剤は、ラテックスと、軟化点が100℃以上である粘着剤と、を含有する。当該パンクシーリング剤は、補修完了後のパンクシール性に優れる。その理由は明らかではないが、軟化点が100℃以上である粘着剤を含有することにより、粘着剤とラテックスとから形成される凝固物の強度及びタック性が向上し、凝固物がパンク孔を塞いだ状態で長距離の走行を行っても外れにくくなったためと考えられる。粘着剤の軟化点は、粘着剤の硬さの指標と考えることができる。従って、所定の硬さを有する粘着剤を使用することで、上記の効果が得られると考えられる。
パンクシーリング剤は、ラテックスの固形分の質量に対する粘着剤の質量の割合が55質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることが更に好ましい。ラテックスの固形分の質量に対する粘着剤の質量の割合が55質量%以下であると、低温補修性能の低下を防ぐことができる。ラテックスの固形分の全質量に対する粘着剤の質量の割合の下限は特に制限されないが、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。ラテックスの固形分の全質量に対する粘着剤の質量の割合が5質量%以上であると、室温での補修性能を向上させることができる。
本明細書において、「ラテックスの固形分の質量に対する粘着剤の質量の割合」は「粘着剤の質量/ラテックスの固形分の質量×100」で計算される値である。ここで「粘着剤の質量」は、粘着剤がエマルジョン等の状態である場合は、エマルジョン等の中に固形分として存在する粘着剤の質量が「粘着剤の質量」に該当する。
ラテックス中の固形分の質量は、ラテックス10gを4時間、140℃の状態で放置し、放置後の残留分の質量を測定し、当該残留分の質量を放置前のラテックスの質量から差し引くことで求めることができる。
粘着剤がエマルジョンである場合の粘着剤の質量は、エマルジョン10gを4時間、140℃の状態で放置し、放置後の残留分の質量を測定し、当該残留分の質量を放置前のエマルジョンの質量から差し引くことで求めることができる。
パンクシーリング剤は、ゲル化率が0.1%より大きいことが好ましく、0.15%以上であることがより好ましく、0.2%以上であることが更に好ましい。ゲル化率が0.1%より大きいと、ラテックスが凝固しやすく補修性能が充分に得られる。ゲル化率は1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.4%以下であることが更に好ましい。ゲル化率が1%以下であると、タイヤへの注入性を確保できる。本明細書における「ゲル化率」とは、JIS−K6387(2011年度)に準拠するマローン式機械的安定度試験において、以下の条件により測定される値である。
[条件]
パンクシーリング剤量:100g
荷重:30kgf
ローター回転数:1000rpm
パンクシーリング剤の凝固物は、パンクシーリング剤が凝固(ゲル化)した状態の物体であり、主として粘着剤及びラテックスの固形分から構成される。パンクシーリング剤が短繊維、フィラー等の他の固形の成分を含有する場合には、これらも「凝固物」を構成する成分となり得る。
パンクシーリング剤中の固形分の含有率の下限値は特に制限されないが、パンクシーリング剤の全質量に対して5質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましい。固形分の含有率がパンクシーリング剤の全質量に対して5質量%以上であると、充分なパンクシール性を確保することができる。
パンクシーリング剤中の固形分の含有率の上限値は特に制限されないが、パンクシーリング剤の全質量に対して70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。固形分の含有率がパンクシーリング剤の全質量に対して70質量%以下であると、パンクシール性以外の特性を充分に確保することができる。
パンクシーリング剤中の固形分の含有率は、パンクシーリング剤10gを4時間、140℃の状態で放置し、放置後の残留分の質量を測定し、当該残留分の質量をパンクシーリング剤の質量で除して100をかける〔(残留分の質量/放置前のパンクシーリング剤の質量)×100〕ことで求めることができる。
パンクシーリング剤の粘度は、実際の使用条件として想定される条件(少なくともタイヤへの充填前であって、−60℃〜60℃の範囲)において、3mPa・s〜20,000mPa・sであることが好ましく、5mPa・s〜4,500mPa・sであることがより好ましく、8mPa・s〜3,000mPa・sであることがさらに好ましく、10〜3,000mPa・sであることが特に好ましく、15〜1,500mPa・sであることが最も好ましい。
パンクシーリング剤の粘度が3mPa・s以上であれば、バルブへの注入時における液漏れを防止することができる。20,000mPa・s以下であれば、注入時の抵抗を抑えることができるため、注入が容易である。また、注入後のタイヤ内面への広がりを充分にすることができ、高いパンクシール性が得られる。パンクシーリング剤の粘度は、B型粘度計等により測定することができる。
〔粘着剤〕
パンクシーリング剤に含まれる粘着剤は、軟化点が100℃以上であれば特に制限されない。本発明の効果をより効果的に得る観点からは、粘着剤の軟化点は100℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることが更に好ましい。また、粘着剤の軟化点の上限は特に限定されるものではないが、パンクシール性、ゲル化率及び取り扱い性等の観点から、250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、170℃以下であることが更に好ましい。
本明細書において粘着剤の「軟化点」とは、固体物質を加熱した際、当該固体物質が軟化し、変形し始める温度となる温度を意味する。本明細書では、粘着剤(樹脂)の種類に応じてJISに準拠した方法(環球法)で測定された値を軟化点とする。例えば、粘着剤がロジンである場合は、JIS K−5902に準拠した方法で測定された値を軟化点とする。その際、軟化点が100℃より低いものは水浴を、100℃以上のものはグリセリン浴を用いて測定する。
粘着剤としては、例えば、天然樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン変性樹脂等の変性天然樹脂、及び脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタンジエン樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、ビニルトルエン−αメチルスチレン共重合体等の石油系樹脂が挙げられる。石油系樹脂とは、石油由来の原料から製造される樹脂を意味する。
天然樹脂としては、ロジン、テルペン、ダンマル等が挙げられる。変性ロジン樹脂としては、ロジン酸エステル、部分水添ロジン等が挙げられる。テルペン変性樹脂としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、テルペンフェノール、ジペンテンフェノール等が挙げられる。脂肪族系炭化水素樹脂としては、脂環族飽和炭化水素樹脂、オレフィン重合体等が挙げられる。
これらの粘着剤は、ラテックスとの相性がよく、ラテックスに対する粘着剤の割合を増やすことなく、パンクシーリング剤が凝固したときに得られる凝固物の強度(硬度及び引張強度)を上げることができる。そのため、パンク孔を補修した際にパンク孔から外れにくい凝固物(ゲル栓)を得ることができるパンクシーリング剤を実現することができる。
上記の中でも、変性ロジン樹脂、テルペン変性樹脂及び脂肪族系炭化水素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
粘着剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の粘着剤を併用する場合は、本発明の効果が損なわれない限りにおいて軟化点が100℃以上である粘着剤と、軟化点が100℃以下である粘着剤とを併用してもよい。軟化点が100℃以下である粘着剤を併用する場合は、軟化点が100℃以上である粘着剤の質量が粘着剤の全質量の50質量%以上であることが好ましい。
粘着剤は、後述するラテックスとの混和性やパンクシール性の向上を考慮して、粘着剤エマルジョンとして用いることが好ましい。粘着剤エマルジョンは、例えば、粘着剤と乳化剤と分散媒(水、アルコール等)とを混合することにより得ることができる。
乳化剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤や、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコール等の非イオン性界面活性剤を使用することができる。中でも、パンクシーリング剤の保存安定性の観点からは非イオン界面活性剤が好ましい。
粘着剤を粘着剤エマルジョンとして用いる場合、粘着剤エマルジョン中の粘着剤の含有量は、5質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜70質量%であることがより好ましい。
パンクシーリング剤中の粘着剤エマルジョンの含有率は、粘着剤エマルジョン中の粘着剤の含有率に応じて調節される。例えば、パンクシーリング剤の全質量に対して、3質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜25質量%であることがより好ましく、7質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。3質量%〜30質量%とすることで、実用的で良好なパンクシール性を発揮することができる。
〔ラテックス〕
パンクシーリング剤に含まれるラテックスの種類は特に制限されず、NR(天然ゴム)ラテックス、合成ゴムラテックス及び合成樹脂ラテックスからなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。なかでも、ゴムのゲル化やアレルギー等を鑑み、合成ゴムラテックスであることが好ましい。
合成ゴムラテックスとしては、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(ニトリルゴム)ラテックス、MBR(アクリルゴム)ラテックス、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックス、IIR(ブチルゴム)ラテックス、CRラテックス、IRラテックス、及び多硫化ゴムラテックスが挙げられる。
合成樹脂ラテックスとしては、カルボキシ変性NBRラテックス、カルボキシ変性SBRラテックス、アクリルエステル系ラテックス、スチレン・ブタジエン・レジンラテックス、酢酸ビニルラテックス、ポリ酢酸ビニルラテックス、塩化ビニルラテックス、ポリ塩化ビニルラテックス、塩化ビニリデンラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、及びポリスチレンラテックスが挙げられる。
上記の中でも、後述する不凍液として1価のアルコールを併用する場合はこれとの組み合わせにおいてパンクシーリング剤をより低粘度化する観点から、合成ゴムラテックスを用いることが好ましい。合成ゴムラテックスとしては、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス又はBR(ポリブタジエンゴム)ラテックスがより好ましく、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックスが更に好ましい。
ラテックス中の固形分の含有率は、ラテックスの全質量に対して5質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜70質量%であることがより好ましい。固形分の含有率が90質量%以下であると、水性媒体中での粒子の分散安定性が良好であり、固形分の沈降を抑えることができるため、パンクシーリング剤の保存性が向上する。固形分の含有率が5質量%以上であると、充分なパンクシール性の発現が期待できる。
パンクシーリング剤中のラテックスの含有率は、パンクシーリング剤の全質量に対して10質量%〜60質量%であることが好ましく、15質量%〜50質量%であることがより好ましく、20質量%〜45質量%であることが更に好ましい。
〔水〕
パンクシーリング剤は水を含有することができる。水は、例えば、粘着剤を粘着剤エマルジョンとして用いる場合に各々の分散媒として用いたり、パンクシーリング剤を希薄化するために用いたりすることができる。
パンクシーリング剤中の水の含有量は、パンクシーリング剤の粘度の観点から、本発明のパンクシーリング剤に対して、5質量%〜90質量%であることが好ましく、30質量%〜70質量%であることがより好ましい。
〔不凍液〕
パンクシーリング剤は、不凍液を含有することが好ましい。不凍液は、パンクシーリング剤の凍結を防止する機能を有するものであれば特に制限されない。
不凍液としては、例えば、1価のアルコール及び2価のアルコールが挙げられ、より具体的にはエタノール、1−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等を挙げることができる。アルコールは、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。中でも、パンクシーリング剤の低粘度化の観点から、炭素数1〜5の1価又は2価のアルコールが好ましく、皮膚刺激性や経口毒性の観点からはプロピレングリコールがより好ましい。
パンクシーリング剤中の不凍液の含有率は特に制限されないが、低温時の凍結防止性の観点から、パンクシーリング剤の全質量に対して5質量%〜90質量%であることが好ましく、10質量%〜70質量%であることがより好ましい。
〔短繊維〕
パンクシーリング剤は、短繊維を含有してもよい。
短繊維は、パンクによりタイヤに発生した穴や孔(欠陥部)に入り込んで目詰まりを生じさせて、これらの穴や孔を迅速、かつ確実に塞ぐ役割を果たす。短繊維の材質は特に制限されず、天然又は合成樹脂が挙げられる。短繊維としては、パンクシーリング剤の分離安定性の観点からは、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、及びこれらの樹脂から選択される2種以上の複合体からなる群のいずれかが好ましく、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、及びこれら2以上の複合体がより好ましい。
なお、短繊維は、一の材質からなるものを一定の形状で使用することができるが、既述の範囲で複数の材質からなるものを種々の形状で使用することもできる。
パンクシーリング剤が短繊維を含有する場合、短繊維の含有率は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.3質量%〜4質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜3質量%であることが更に好ましい。短繊維の含有率が0.1質量%以上であれば、短繊維によるパンクシール性の向上効果を十分に発揮することができ、5質量%以下であれば、短繊維同士の絡み合いを防ぐことができ、粘性が増加しにくく、パンクシーリング剤の注入容易性が向上する。
パンクシーリング剤が短繊維を含有する場合、その効果を充分に得る観点からは、短繊維の比重(S)、長さ(L)、直径(D)及び長さと直径との比(L/D)がそれぞれ下記の範囲内であることが好ましい。
(1)比重(S):0.8≦S≦1.4(より好ましくは、0.9≦S≦1.3、さらに好ましくは、1.0≦S≦1.2)。
比重が0.8以上であると、短繊維がパンクシーリング剤中で上に浮くことを抑制でき、比重が1.4以下であると、短繊維がパンクシーリング剤中で下に沈むことを抑制できる。
(2)長さ(L):0.05≦L≦10mm(より好ましくは、0.08≦L≦8mm、さらに好ましくは、0.1≦L≦6mm)。
長さが0.05mm以上であると、短繊維によるパンクシール性の向上効果が充分に得られ、長さが10mm以下であると、短繊維の相対的な数が充分確保できてパンクシール性の向上効果が充分に得られる。
(3)直径(D):1≦D≦100μm(より好ましくは、3≦D≦80μm、さらに好ましくは、5≦D≦50μm)。
直径(太さ)が1μm以上であると、短繊維によるパンクシール性の向上効果が充分に得られ、100μm以下であると、短繊維の相対的な数が充分確保できてパンクシール性の向上効果が充分に得られる。
(4)長さと直径との比(L/D):5≦L/D≦2000(より好ましくは、20≦L/D≦1600、さらに好ましくは、50≦L/D≦1200、特に好ましくは、100≦L/D≦300)。
L/Dが5以上であると、短繊維によるパンクシール性の向上効果が充分に得られ、2000以下であると、短繊維の絡み合いによるダマの発生が抑制され、パンクシール性及び注入容易性が良好である。
短繊維は、その全量若しくはその一部(好ましくは全量)を溶剤で処理することが好ましい。溶剤としては高級アルコール系誘導体、ベタイン系活性剤等が挙げられる。高級アルコール誘導体としては、ポリグリコール系ポリエステル等が好適である。短繊維を溶剤で処理することにより、溶剤が活剤として作用し、短繊維の分散性を向上させることができる。溶剤での処理は、短繊維をパンクシーリング剤に含有させる前でも後でもよい。処理の方法としては、溶剤に短繊維を含浸する方法、溶剤を短繊維に吹き付ける方法等が挙げられる。
短繊維を溶剤で処理する場合の溶剤の添加量(上記処理により短繊維に吸収される量)は、短繊維の全質量の0.2質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、1質量%〜6質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であれば、短繊維の分散性の向上効果が充分に得られる。
〔フィラー〕
パンクシーリング剤は、フィラーを含有してもよい。
フィラーを含有することで、パンク孔を迅速にシールすることができ、パンク孔が大きくても確実にシールすることができる。フィラーは1種のみであっても、2種以上の組み合わせであってもよい。フィラーの材質は特に制限ざれず、パンクシーリング剤中で安定して存在するものが好ましい。
パンクシーリング剤中で安定して存在するフィラーとしては、ケイ酸、チョーク、カーボンブラック、グラスファイバーで補強された合成樹脂、ポリスチレン粒子、タイヤ等の加硫成品の粉砕による粉末ゴム、おがくず、モスラバー粒子、カットフラワー用の発泡粒子等が挙げられる。この中でも、ケイ酸と結合したゴム粉末、及びグラスファイバーで補強された合成樹脂が好ましい。
パンクシーリング剤がフィラーを含有する場合、その含有量はパンクシーリング剤中に、20g/リットル〜200g/リットルであることが好ましく、60g/リットル〜100g/リットルであることがより好ましい。
〔その他の添加剤〕
パンクシーリング剤は、分散剤、乳化剤、発泡安定剤、苛性ソーダ等のpH調整剤などの添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は、パンクシーリング剤の添加剤として通常使用されるものから選択できる。
〔パンクシーリング剤の製造方法〕
パンクシーリング剤の製造方法は特に制限されず、上述した材料を公知の方法で混合等して製造することができる。この際、粘着剤は粘着剤エマルジョンの状態であることが好ましい。パンクシーリング剤の製造、保管及び容器への充填は、酸化等を避けるため、窒素、希ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。パンクシーリング剤の製造方法としては、例えば、特開2010−100752号公報の記載を参照できる。
〔パンクの修理方法〕
パンクシーリング剤を用いたパンクの修理方法としては、公知の方法を適用することができる。すなわち、まず、パンクシーリング剤が充填された容器の注入口をタイヤのバルブ口に差し込み、適量をタイヤ内部に注入する。その後、タイヤの内圧を上げ、パンクシーリング剤がタイヤ内面に広がりパンク孔をシールできるようにタイヤを回転させる。
パンクシーリング剤を用いたパンクの修理は、図1に示されるポンプアップ装置20を用いて行うことが好ましい。ポンプアップ装置は図1に示される構造のものに限られず、例えば燃料ガスとしてプロパン・ブタン混合ガスを含むスプレー缶を用いてもよい。
図1に示されるポンプアップ装置20では、圧力源として小型のエアコンプレッサ1を有している。エアコンプレッサ1は、ホース2を介してパンクシーリング剤6を収容している耐圧容器4に備えられたガス導入部3に接続されている。ガス導入部3は、栓バルブ5で閉止でき、かつ耐圧容器4の内部のパンクシーリング剤6の液面上までのびるライザーチューブとして形成されている。
また、耐圧容器4は、パンクシーリング剤6を取出すための出口バルブ7を有している。この出口バルブ7にホース8の一端が接続される。ホース8の他端には、タイヤバルブ10にねじ止めされるねじアダプタ9が取付けられている。
耐圧容器4は、フィリングスタブ12と水が充填されたジャケット11とを有する。必要に応じて、加熱源としての塩化カルシウムがフィリングスタブ12内に充填される。パンクシーリング剤6が低温で凍結すると、この加熱源の水和作用で解放される熱によって、パンクシーリング剤6が使用可能な温度に加熱される。
エアコンプレッサ1には、電気ケーブル13が接続されている。電気ケーブル13のプラグ14は、例えば、車内のシガレットライターに差込まれる。
タイヤのパンクを修理する際には、ねじアダプタ9をタイヤバルブ10にねじ止めし、エアコンプレッサ1の電気ケーブル13をシガレットライターに接続する。さらに、耐圧容器4のガス導入部3の栓バルブ5を開き、エアコンプレッサ1から耐圧容器4内のガス導入部3に圧縮空気を導入する。これにより、出口バルブ7からパンクシーリング剤6が押出され、タイヤバルブ10をへてタイヤの内部に導入される。その後、タイヤに所定の内圧となるまで空気を充填し、ねじアダプタ9をタイヤバルブ10から取り外し、エアコンプレッサ1を止める。その後ただちに一定距離の予備走行を行い、タイヤ内部にパンクシーリング剤6が広がるようにするとともにパンク孔をシールする。さらに、ポンプアップ装置20を再びタイヤに接続して、要求される内圧までタイヤに空気を充填する。
パンクシーリング剤を用いたタイヤの修理は、図2A及び図2Bに示されるポンプアップ装置30によっても行うことができる。なお、図2A及び図2Bに示されるポンプアップ装置において、図1に示されるポンプアップ装置20と共通の部分には同一符号を付して説明を省略する。
ポンプアップ装置30は、図2Aに示されるパンクシーリング剤6の収納容器である樹脂製のボトル22と、図2Bに示される圧力源としてのエアコンプレッサ1とを備えている。ボトル22には、1回のパンク修理に必要な量のパンクシーリング剤6が充填されている。ボトル22には、先端部にアダプタ26が配置されたホース24が接続されている。エアコンプレッサ1にも、先端部にアダプタ9が配置されたホース2が接続されている。但し、ボトル22のホースがタイヤバルブ26に直接接続可能である場合は、アダプタ9を省略してもよい。
タイヤのパンクを修理する際には、ボトル22のアダプタ26をタイヤバルブ10にねじ止めする。この状態で、図2Aで2点鎖線(想像線)により示されるように、ボトル22を握り潰してパンクシーリング剤6をボトル22内からホース24を通してタイヤ内へ注入する。
ボトル22内からタイヤ内へのパンクシーリング剤6の注入が完了すると、アダプタ26をタイヤバルブ10から取り外す。
次いで、エアコンプレッサ1のアダプタ9をタイヤバルブ10にねじ止めする。この状態で、エアコンプレッサ1を作動させて加圧空気をタイヤ内へ再充填し、タイヤを所定の内圧となるまで膨張させ、アダプタ9をタイヤバルブ10から取り外し、エアコンプレッサ1を止める。その後ただちに一定距離の予備走行を行い、タイヤ内部にパンクシーリング剤6が広がるようにするとともにパンク孔をシールする。さらに、エアコンプレッサ1を再びタイヤに接続して、要求される内圧までタイヤに空気を充填する。
本発明のパンクシーリング剤は、種々の空気入りタイヤのパンク修理に適用することができる。例えば、自動車用タイヤ、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤ等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔パンクシーリング剤の調製〕
SBRラテックス(固形分40質量%)と、表1に記載の粘着剤1〜7と、不凍液としてプロピレングリコールとを表2に記載の配合(質量部)で混合して、パンクシーリング剤を調製した。
表1中の「ハリエスター」はハリマ化成株式会社の商品名であり、「アルコン」及び「タマノル」は荒川化学工業株式会社の商品名である。

粘着剤1及び粘着剤3〜7は、市販の粘着剤エマルジョンをそのまま使用した。粘着剤2は、以下のようにして調製した。
脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100)100質量部をトルエン60質量部に溶解した溶液に、アニオン性乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)4質量部を水100質量部に溶解した水溶液を加え、80℃にてホモジナイザ−を用いて1500rpmで1時間、乳化した。さらに、得られた乳化物を、ゴーリンホモジナイザーを用いて、90℃で10分間乳化して、均一な粒子径の乳化物を得た。その後、減圧蒸留により、乳化物中のトルエンを除去した後、150メッシュのステンレス金網で濾過し、次いで500メッシュのステンレス金網を用いて濾過して、固形分濃度が50質量%のエマルジョンを得た。
〔ゲル化率の評価〕
パンクシーリング剤のゲル化率を、JIS−K6387(2011年度)に準拠するマローン式機械的安定度試験において、パンクシーリング剤量:100g、荷重:30kgf、ローター回転数:1000rpmの条件で測定した。結果を表2に示す。
〔パンクシール性の評価〕
1つのタイヤのタイヤトレッド溝部に、直径2.3mmの穴をドリルであけ、パンクシーリング剤を注入し、車に装着した。その後、0.2MPaの空気圧を維持しながら、約50km/hの速度で車を走行させ、パンク補修完了後に空気圧が10%低下するまでの走行距離(km)を測定した。結果を表2に示す。表中の「×」は、補修出来なかったことを意味する。

表2に示す結果からわかるように、軟化点が100℃以上である粘着剤を含有する実施例1〜6のパンクシーリング剤は、軟化点が100℃以上である粘着剤を含有しない比較例1〜3のパンクシーリング剤に比べてゲル化率が高く、補修後の走行距離も長かった。従って、軟化点が100℃以上である粘着剤を含有するパンクシーリング剤は補修後完了後のパンクシール性に優れていることが分かる。
1 エアコンプレッサ、2 ホース、3 ガス導入部、4 耐圧容器、5 栓バルブ、6 パンクシーリング剤、7 出口バルブ、8 ホース、9 アダプタ、10 タイヤバルブ、11 ジャケット、12 フィリングスタブ、13 電気ケーブル、14 プラグ、
20 ポンプアップ装置、22 ボトル、26 アダプタ、26 タイヤバルブ、30 ポンプアップ装置

Claims (4)

  1. ラテックスと、軟化点が100℃以上である粘着剤と、を含有するパンクシーリング剤。
  2. 前記粘着剤が、天然樹脂、変性天然樹脂及び石油系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のパンクシーリング剤。
  3. 前記ラテックスの固形分の質量に対する前記粘着剤の質量の割合が55質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載のパンクシーリング剤。
  4. ゲル化率が0.1%より大きい、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のパンクシーリング剤。
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