JP5384049B2 - パンクシーリング剤 - Google Patents

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Description

本発明は、パンクシーリング剤に関する。
パンクが発生した際にその発生箇所をシールするための補修剤であるパンクシーリング剤は、(1)パンクシーリング剤の本来の機能であるパンクしたタイヤの孔をシールするパンクシール性、(2)パンクシーリング剤の粘度を低くし、バルブ等からパンクシーリング剤を注入し易くする観点から、注入容易性、(3)低温環境下でも使用可能な、ある程度の不凍性、(4)長期間保存可能な保存安定性、等が要求される。
中でも、パンクシール性と注入容易性とを両立するパンクシーリング剤が求められ、種々の技術が開示されている。
例えば、雨天時などのウエット条件下でのパンクシール及びパンクシーリング剤をタイヤの内部に確実に導くことを目的として、耐圧容器と、圧力源と、加熱源とを具えるシーリング・ポンプアップ装置を用いて、天然ゴムラテックスを含むパンクシーリング剤をタイヤに注入し、パンク孔をシールする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、不凍性および分離安定性を維持しながら、合成ゴムラテックスを用いても天然ゴムラテックスを用いたときと同等以上の高いパンクシール性能を有するパンクシーリング剤を得ることを目的として、ゴムラテックスの粒径を規定し、粒径分布がブロードとなるゴムラテックスを用いるパンクシーリング剤が開示されている(例えば、特許文献2参照)。前記特許文献2は、ゴムラテックスの粒径を規定することで、パンクシーリング剤の保存時における粒子の浮き上がり、或いは沈降を防止して分離安定性を維持するものである。
特開平9−118779号公報 特開2005−336353号公報
本発明は、上記事情に鑑み、タイヤに注入し易く、かつ、パンクシール性に優れたパンクシーリング剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、本発明者らは、下記本発明により当該目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、ラテックス及び一次平均粒径0.10μm〜1.00μmの粘着剤を含有するパンクシーリング剤である。本発明のパンクシーリング剤を前記構成とすることで、タイヤへの注入性とパンクシール性とを両立可能なパンクシーリング剤を得ることができる。
タイヤへの注入性とパンクシール性をより向上する観点から、前記ラテックスの固形分と前記粘着剤との量比は、質量基準で4:1〜3:1であることが好ましい。また、本発明のパンクシーリング剤は、パンクシーリング剤を寒冷地でも使用可能にする実用上の観点から、さらに不凍液を含有することが好ましい。
本発明によれば、タイヤに注入し易く、かつ、パンクシール性に優れたパンクシーリング剤を提供することができる。
<パンクシーリング剤>
パンクしたタイヤの孔をシールする本発明のパンクシーリング剤は、ラテックス及び一次平均粒径0.10μm〜1.00μmの粘着剤を含有する。
本発明のパンクシーリング剤は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、不凍液や他の成分を更に含有することができる。以下、本発明のパンクシーリング剤が含有し得る各成分について説明する。
〔ラテックス〕
本発明のパンクシーリング剤は、ラテックスを含有する。ラテックスの種類は特に制限されず、NR(天然ゴム)ラテックスと合成ゴムラテックスと合成樹脂ラテックスから選択される少なくとも1種を用いることができる。
合成ゴムラテックスとしては、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(ニトリルゴム)ラテックス、MBR(アクリルゴム)ラテックス、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックス、IIR(ブチルゴム)ラテックス、CRラテックス、IRラテックス、及び多硫化ゴムラテックス等が挙げられる。
合成樹脂ラテックスとしては、カルボキシ変性NBRラテックス、カルボキシ変性SBRラテックス、アクリルエステル系ラテックス、スチレン・ブタジエン・レジンラテックス、酢酸ビニルラテックス、ポリ酢酸ビニルラテックス、塩化ビニルラテックス、ポリ塩化ビニルラテックス、塩化ビニリデンラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、及びポリスチレンラテックス等が挙げられる。
上記の中でも、1価のアルコールとの組み合わせにおいてパンクシーリング剤をより低粘度化する観点から、合成ゴムラテックスを用いることが好ましい。さらには、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス又はBR(ポリブタジエンゴム)ラテックスがより好ましく、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックスが特に好ましい。
ラテックスの含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、20質量%〜60質量%とすることが好ましく、30質量%〜50質量%とすることがより好ましい。
また、ラテックス固形分の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、10質量%〜18質量%とすることが好ましく、12質量%〜17質量%とすることがより好ましい。
ラテックス中のラテックス固形分の含有量は、ラテックス全質量に対して30質量%〜50質量%であることが好ましく、35質量%〜45質量%であることがより好ましい。
〔粘着剤〕
本発明のパンクシーリング剤は、一次平均粒径が0.10μm〜1.00μmの粘着剤を含有する。
前記粘着剤は、主として前記ゴムのタイヤへの接着力を向上させるものである。本発明においては、粘着剤の粒径を上記範囲とすることで、タイヤのパンクシール性を良好にしつつ、パンクシーリング剤のタイヤへの注入性を良好にすることができる。
以下、「一次平均粒径」を単に「粒径」とも称する。
粘着剤の粒径が0.10μm未満であると、パンクシーリング剤がパンク孔の中でシェアを受けても、パンクシーリング剤が充分に凝固せず、パンク孔を塞ぐことができない。
一方、粘着剤の粒径が1.00μmを超えると、パンクしたタイヤにパンクシーリング剤を注入する際に、タイヤバルブのバルブコアで受けるシェアによりパンクシーリング剤の凝固が生じ、バルブコアを詰まらせる。
したがって、パンクシーリング剤のタイヤへの注入容易性を向上し、パンク孔を補修可能なものとするパンクシーリング性と両立するためには、粘着樹脂を0.10μm〜1.00μmとすることが必要である。
粘着剤の粒径は、0.2μm〜0.5μmであることが好ましい。
なお、粘着剤の粒径は、大塚電子(株)製、光散乱光度計DLS−7000DL等の粒度分布計で測定することができる。後述する他の粒径についても同様である。
前記粘着剤は、上記の粒径を有するものであれば特に制限されず、
テルペンフェノール樹脂等のテルペン樹脂、ロジン酸エステル樹脂等の重合ロジン、ロジン、ダンマル等の天然樹脂、部分水漆ロジン等の変性ロジン樹脂、オレフィン、オレフィン重合体等の脂肪族系炭化水素樹脂等が挙げられる。
前記テルペンフェノール樹脂としては、α−ピネンフェノール樹脂、ジペンテンフェノール樹脂、テルペンビスフェノール樹脂、またはこれらを水素添化したものなどが使用できる。
また、シクロペンタンジエン樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、及びビニルトルエン−αメチルスチレン共重合体、アクリル系粘着剤、水溶性粘着剤等を用いることもできる。
中でも、前記ラテックスを凝固しにくく、ラテックス固形分とタイヤとの接着性に優れるとの観点から、テルペンフェノール樹脂またはロジン酸エステル樹脂を用いることが好ましい。
粘着剤の含有量は、パンクシーリング剤中、3質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜25質量%であることがより好ましく、7質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。3質量%〜30質量%とすることで、実用的で良好なシール性を発揮することができる。
粘着剤は、前記ラテックスとの混和性やパンクシール性の向上を考慮して、粘着剤エマルジョンとして用いることが好ましく、前記ラテックスに適合するものを使用することが好ましい。当該粘着剤エマルジョンは、乳化剤として公知の界面活性剤(好ましくは、非イオン系界面活性剤)を使用し、樹脂成分にロジン酸エステル樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン樹脂、又はポリイソブチレン等のブチルゴム系材料を使用することができる。
ここで、粘着剤エマルジョンがラテックスに「適合」するということは、粘着剤エマルジョンがラテックスを少しも凝固させるものではないことを意味し、粘着剤エマルジョンが、ラテックスのタイヤへの接着力を向上するものとして用いられることを示す。例えば樹脂が、ゴム皮膜の粘着性付与剤としてのエラストマーに加えられて用いられ得る。
粘着剤を粘着剤エマルジョンとして用いるとき、粘着剤エマルジョン中の粘着剤の含有量は、40質量%〜60質量%であることが好ましく、45質量%〜55質量%であることがより好ましい。
また、前記乳化剤を用いる場合には、粘着剤エマルジョン中の乳化剤の含有量は、2質量%〜3質量%であることが好ましく、2.25質量%〜2.75質量%であることがより好ましい。
粘着剤エマルジョンの含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、3質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜25質量%であることがより好ましく、7質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。3質量%〜30質量%とすることで、実用的で良好なシール性を発揮することができる。
本発明のパンクシーリング剤においては、よりラテックス固形分と粘着剤との相性を良くしてパンクシール性を上げ、パンクシーリング剤が凝固しないようにして注入容易性を向上する観点から、前記ラテックス固形分と前記粘着剤との量比(ラテックス固形分:粘着剤)を、質量基準で、5:1〜5:2とすることが好ましく、4:1〜3:1とすることがより好ましい。
〔水〕
本発明のパンクシーリング剤は水を含有することができる。
水は、前記特定粘着剤を粘着剤エマルジョンとして用いる場合の各々の分散媒として用いることができるが、パンクシーリング剤の希薄化のために用いることもできる。
水の含有量は、パンクシーリング剤の粘度の観点から、本発明のパンクシーリング剤に対して、5質量%〜20質量%であることが好ましく、10質量%〜15質量%であることがより好ましい。
〔不凍液〕
本発明のパンクシーリング剤は、不凍液を含有することが好ましい。
前記不凍液は、パンクシーリング剤を寒冷地で用いたときに、パンクシーリング剤の凍結を防止する機能を有するものであれば特に制限されない。
例えば、1価のアルコールや、2価のアルコールを用いることができ、エタノール、1−プロパノール、エチレングリコール、及びプロピレングリコール等を挙げることができる。アルコールは、直鎖でも分岐でも環状でもよく、中でも、パンクシーリング剤の低粘度化の観点から、炭素数1〜5の1価のアルコールが好ましい。
不凍液の含有量は特に制限されないが、低温時の凍結防止性の観点から、パンクシーリング剤の全質量に対して5質量%〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは10質量%〜40質量%である。
〔他の成分〕
本発明のパンクシーリング剤は、本発明のパンクシーリング剤の効果を損なわない限りにおいて、さらに、短繊維やフィラー等の他の成分を含有することができる。
(短繊維)
本発明のパンクシーリング剤は、さらに追加して短繊維を含有してもよい。
前記短繊維は、パンクによりタイヤに発生した穴や孔(欠陥部)に入り込んで目詰まりを生じさせて、これらの穴や孔を迅速、かつ確実に塞ぐ役割を果たす。
短繊維の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%以上あれば、短繊維を添加したことによるシール性を十分に発揮することができ、5質量%以下であれば、短繊維の絡み合いを防ぐことができ、粘性が増加しにくく、パンクシーリング剤の注入容易性が向上すると共に、既述のパンクシーリング剤の役割を十分に発揮し易い。
短繊維の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.3質量%〜4質量%とすることが好ましく、0.5質量%〜3質量%とすることがより好ましい。
パンクシーリング剤について既述のような役割を十分に発揮させるため、短繊維についても種々の設計をする必要がある。そこで、短繊維の比重(S)、長さ(L)、直径(D)、および長さと直径との比(L/D)は、それぞれ、下記の範囲とすることが好ましい。
(1)比重(S):0.8≦S≦1.4(より好ましくは、0.9≦S≦1.3、さらに好ましくは、1.0≦S≦1.2)。
比重が0.8未満では、短繊維が上に浮いてしまって長期の分離安定性が低くなることがあり、1.4を超えると、短繊維が下に沈んでしまって長期の分離安定性が低くなることがある。
(2)長さ(L):0.05≦L≦10mm(より好ましくは、0.08≦L≦8mm、さらに好ましくは、0.1≦L≦6mm)。
長さが0.05mm未満では、短繊維がパンクによる欠陥部に目詰まりを生じさせてシール性を向上させる効果を十分に発揮させることができない場合があり、10mmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(3)直径(D):1≦D≦100μm(より好ましくは、3≦D≦80μm、さらに好ましくは、5≦D≦50μm)。
直径(太さ)が1μm未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、100μmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(4)長さと直径との比(L/D):5≦L/D≦2000(より好ましくは、20≦L/D≦1600、さらに好ましくは、50≦L/D≦1200、特に好ましくは、100≦L/D≦300)。
L/Dが5未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、2000を超えると、短繊維の絡み合いによるダマが発生し、シール性および注入容易性の低下を引き起こすことがある。
なお、短繊維は、一の材質からなるものを一定の形状で使用することができるが、既述の範囲で複数の材質からなるものを種々の形状で使用することもできる。
短繊維は、その材質に特に制限はないが、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、およびこれら2以上の複合体のいずれかからなることが好ましく、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、およびこれら2以上の複合体のいずれかからなることがより好ましい。かかる短繊維を使用することで、より良好な分離安定性が得られる。
短繊維は、その全量若しくはその一部(好ましくは全量)を、高級アルコール系誘導体および/またはベタイン系活性剤等の溶剤で処理しておくことが好ましい。かかる処理により、溶剤が活剤として作用し、短繊維の分散性を向上させることができる。
当該処理は、パンクシーリング剤に含有させる前でも後でもよい。処理方法としては、短繊維を上記溶剤に含浸したり、上記溶剤を吹き付けたりして行うことができる。高級アルコール誘導体としては、ポリグリコール系ポリエステル等が好適である。
溶剤の添加量(上記処理により短繊維に吸収される量)としては、短繊維質量の0.2質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、1質量%〜6質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であれば、短繊維の十分な分散効果が得られ、当該処理が良好で、効果の向上が期待できる。
(フィラー)
また迅速にシールしかつ大きな孔でも確実にシールできるように、パンクシーリング剤に1種又はそれ以上のフィラーを混合してもよい。安定したフィラーとしては、例えばケイ酸、チョーク、カーボンブラック、グラスファイバーで補強された合成樹脂、ポリスチレン粒子、タイヤ等の加硫成品の粉砕による粉末ゴム、おがくず、モスラバー粒子、カットフラワー用の発泡粒子等が採用できる。この中でも特に好ましいフィラーは、ケイ酸と結合したゴム粉末、およびグラスファイバーで補強された合成樹脂である。
前記フィラーは、パンクシーリング剤に直接添加され得る。しかしながら、フィラーが、バルブサイズを変更することなくバルブをへてパンクシーリング剤を導くのを困難または不可能にする大きさを有する限りにおいては、これらのフィラーは、一般的にタイヤをリム組みするときにタイヤの内部に導入され、タイヤにパンクが発生した際にパンクシーリング剤が注入されることによってシーリングを成し遂げる。
前記フィラーは、パンクシーリング剤中に、好ましくは約20g/リットル〜200g/リットル、より好ましくは60g/リットル〜100g/リットル加えられ、あるいはタイヤのリム組においてタイヤ内部に配される。
(その他の添加剤)
本発明のパンクシーリング剤では、さらにパンクシーリング剤に、通常の分散剤、乳化剤、発泡安定剤、苛性ソーダ等のpH調整剤を添加してもよい。
〔パンクシーリング剤の固体成分〕
以上のような本発明のパンクシーリング剤において、当該パンクシーリング剤中の固体成分の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%〜70質量%であることが好ましい。
前記パンクシーリング剤中の固体成分の含有量は、以下のようにして求めることができる。まず、パンクシーリング剤10gを4時間、140℃の状態で放置する。放置後の残留分の質量を測定し、当該残留分の質量をパンクシーリング剤の質量で除する(残留分の質量/放置前のパンクシーリング剤の質量)ことで求めることができる。
パンクシーリング剤中の固体成分の含有量がパンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%以上あれば十分なシール性を確保することが可能となる。また、70質量%以下であればシール性以外の特性を十分に確保することができる。
上記範囲内でのパンクシーリング剤中の固体成分の含有量のより好ましい上限は60質量%であり、さらに好ましくは50質量%であり、特に好ましくは40質量%である。また、上記範囲内でパンクシーリング剤中の固体成分の含有量のより好ましい下限は8質量%であり、さらに好ましくは10質量%である。
〔パンクシーリング剤の製造方法〕
パンクシーリング剤は、既述の材料を公知の方法で混合等して製造することができる。既述のように、前記ゴムはゴムラテックスとして、前記粘着剤は粘着剤エマルジョンとして用いることが好ましく、ゴムラテックスと粘着剤エマルジョンと、必要に応じて不凍液、短繊維、フィラー等を混合することでパンクシーリング剤を製造することができる。
また、パンクシーリング剤の製造、保管、充填は、酸化等を避けるため、好ましくは窒素又は希ガスの雰囲気で行われる。
〔パンクシーリング剤の粘度〕
パンクシーリング剤の粘度は、実際の使用条件として想定される条件(少なくとも、タイヤへの充填前であって60℃〜−60℃の範囲)において、3mPa・s〜20,000mPa・sであることが好ましく、5mPa・s〜4,500mPa・sであることがより好ましく、8mPa・s〜3,000mPa・sであることがさらに好ましく、10〜3,000mPa・sであることが特に好ましく、15〜1,500mPa・sであることが最も好ましい。
パンクシーリング剤の粘度が3mPa・s以上あれば、バルブへの注入時における液漏れを防止することができる。20,000mPa・s以下であれば、注入時の抵抗を抑えることができるため、注入容易性の低下を防止することができ、また、タイヤ内面への広がりを充分にすることができることから、高いシール性が得られる。
パンクシーリング剤の粘度は、B型粘度計等により測定することができる。
〔パンクシーリング剤の製造方法〕
パンクシーリング剤は、既述の材料を公知の方法で混合等して製造することができる。また、パンクシーリング剤の製造、保管、充填は、酸化等を避けるため、好ましくは窒素又は希ガスの雰囲気で行われる。
〔パンクシーリング剤によるパンクの修理方法〕
以上のようなパンクシーリング剤によるパンクの修理方法としては、公知の方法を適用することができる。すなわち、まず、パンクシーリング剤が充填された容器をタイヤのバルブ口に差し込み、適量を注入する。その後、パンクシーリング剤がタイヤ内面に広がりパンク孔をシールできるようにタイヤを回転させればよい。
このようなパンクシーリング剤そのものは、種々のポンプアップ装置、例えば燃料ガスとしてプロパン・ブタン混合ガスを含むスプレー缶を用いてタイヤの内部に導入されてタイヤを再膨張させうるが、図1に示されるポンプアップ装置20によってより好ましく使用できる。
図1に示されるポンプアップ装置20では、前記圧力源として小型のエアコンプレッサ1を用いている。このエアコンプレッサ1は、ホース2を介して耐圧容器4のガス導入部3に接続されている。前記ガス導入部3は、栓バルブ5で閉止できかつ耐圧容器4に収納されたパンクシーリング剤6の液面上までのびるライザーチューブとして形成されている。
また、耐圧容器4は、パンクシーリング剤6を取出すための出口バルブ7を有し、この出口バルブ7にホース8の一端が接続されるとともに、該ホース8の他端には、タイヤバルブ10にねじ止めされるねじアダプタ9が取付けられている。
耐圧容器4は、フィリングスタブ12を有し、かつ水が充填されたジャケット11を具える。必要に応じて加熱源としての塩化カルシウムが前記フィリングスタブ12内に充填されうる。パンクシーリング剤6が低温で凍結すると、この加熱源の水和作用で解放される熱によって、利用できる温度にパンクシーリング剤6が加熱される。
前記エアコンプレッサ1には、電気ケーブル13が接続され、そのプラグ14は、例えば、シガレットライターに差込まれる。
タイヤにパンクが発生すると、前記ねじアダプタ9がタイヤバルブ10にねじ止めされ、かつエアコンプレッサ1がシガレットライターに接続されるとともに、耐圧容器4のガス導入部3において前記栓バルブ5が開かれる。そしてエアコンプレッサ1から耐圧容器4内にガス導入部3をへて導入される圧縮空気が、出口バルブ7からパンクシーリング剤6を押出し、タイヤバルブ10をへてタイヤの内部に導入させる。然る後、空気がタイヤの内部に再充填され、タイヤを特定の内圧で膨張させる。これが終わると、ねじアダプタ9をタイヤバルブ10から取外し、エアコンプレッサ1を止める。この直後に、一定距離に亘って予備走行し、タイヤ内部にパンクシーリング剤6を散布しつつパンク孔をシールした後、ポンプアップ装置20が再び接続されてタイヤを要求される内圧まで再度、ポンプアップする。
また、本発明のパンクシーリング剤は、図2A、Bに示されるポンプアップ装置30によってもより好ましく使用できる。なお、図2A、Bに示されるポンプアップ装置において、図1に示されるポンプアップ装置20と共通の部分には同一符号を付して説明を省略する。
このポンプアップ装置30は、図2Aに示されるパンクシーリング剤6の収納容器である樹脂製のボトル22と、図2Bに示される圧力源としてのエアコンプレッサ1とを備えている。ボトル22は、1回のパンク修理に必要なパンクシーリング剤6を収容している。ボトル22には、先端部にアダプタ26が配置されたホース24が接続されている。またエアコンプレッサ1に接続されたホース2にも、その先端部にアダプタ9が配置されている。但し、ボトル22のホース24については、タイヤバルブ26に直接接続可能なものであるならばアダプタ9を省略してもよい。
パンク発生時に、ボトル22のアダプタ26がタイヤバルブ10にねじ止めされる。これにより、ホース24及びアダプタ26を通してタイヤ内に連通する。この状態で、作業者は、図2Aで2点鎖線(想像線)により示されるように、ボトル22を握り潰してパンクシーリング剤6をボトル22内から搾り出すことにより、ホース24を通してパンクシーリング剤6をタイヤ内へ注入する。
ボトル22内からタイヤ内へのパンクシーリング剤6の注入が完了すると、作業者は、アダプタ26をタイヤバルブ10から取り外してボトル22をタイヤから切り離す。
次いで、作業者は、エアコンプレッサ1のアダプタ9をタイヤバルブ10にねじ止めし、アダプタ9及びホース2を通してエアコンプレッサ1をタイヤ内に連通させる。この状態で、作業者は、エアコンプレッサ1を作動させて加圧空気をタイヤ内へ再充填し、タイヤを特定の内圧で膨張させる。これが終わると、作業者は、アダプタ9をタイヤバルブ10から取外し、エアコンプレッサ1を止める。この直後に、一定距離に亘って予備走行し、タイヤ内部にパンクシーリング剤6を散布しつつパンク孔をシールした後、作業者は、ポンプアップ装置30のエアコンプレッサ1を再び接続してタイヤを要求される内圧まで再度、ポンプアップする。
本発明のパンクシーリング剤は、種々の空気入りタイヤのパンク修理に適用することができる。例えば、自動車用タイヤ、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤ等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔実施例1〕
下記組成1を混合して実施例1のパンクシーリング剤を調製した。
−組成1−
・下記ゴムラテックスA 30部
・下記粘着剤エマルジョンB 25部
・エチレングリコール〔不凍液〕 25部
・水 20部
前記ゴムラテックスAは、下記組成2の成分を混合して調製した。
−組成2−
・SBRゴム(300nm) 30部
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム〔乳化剤〕 1部
・水 69部
前記粘着剤エマルジョンBは、下記組成3の成分を混合して調製した。
−組成3−
・テルペン樹脂〔粘着剤、粒径0.15μm〕 25部
・ポリオキシエチレンドデシルエーテル〔乳化剤〕 1部
・水 74部
〔実施例2〜4、比較例1〜2〕
実施例1のパンクシーリング剤の調製において、粘着剤を、下記表1に示す粒径の粘着剤に代えた以外は同様にして実施例2〜4、および比較例1〜2のパンクシーリング剤を調製した。
〔評価〕
1.パンクシール性
1つのタイヤのタイヤトレッド溝部に、φ2.3mmの穴をドリルであけ、作製したパンクシーリング剤を注入し、車に装着した。その後、0.2MPaの空気圧を維持しながら、約50km/hで車を走行させ、何km走行時にシールが完了するかにより、パンクシール性の評価を行った。具体的基準は下記のとおりである。
○:10km未満
×:10km以上
結果を下記表1に示す。
2.注入容易性
60℃環境下、450mlのパンクシーリング剤をバルブから注入した。注入容易性の評価は、パンクシーリング剤を全てタイヤに注入することができるか否かを確認することにより行った。具体的基準は下記のとおりである。
○:全て注入することができた。
×:注入することができなかった。
結果を下記表1に示す。
Figure 0005384049
表1からわかるように、実施例1〜4のパンクシーリング剤はパンクシール性に優れ、かつ注入容易性にも優れたが、比較例のパンクシーリング剤は、パンクシール性又は注入容易性の一方が、実施例に比べ性能不十分であった。
本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の他の例を示す概略図である。
符号の説明
3 ガス導入部
4 耐圧容器
6 シーリング剤
7 出口バルブ
20 ポンプアップ装置
30 ポンプアップ装置

Claims (3)

  1. ラテックス及び一次平均粒径0.10μm〜1.00μmの粘着剤を含有するパンクシーリング剤。
  2. 前記ラテックスの固形分と前記粘着剤との量比が、質量基準で4:1〜3:1である請求項1に記載のパンクシーリング剤。
  3. さらに不凍液を含有する請求項1または請求項2に記載のパンクシーリング剤。
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