JP2010100754A - パンクシーリング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐食防止性及び保存安定性に優れたパンクシーリング剤を提供する。
【解決手段】ブチルゴム(IIR)ラテックスを含有するパンクシーリング剤である。前記パンクシーリング剤は、前記ブチルゴムのタイヤへの接着力を向上させるため粘着剤をさらに含有することが好ましく、寒冷地でも凍結しないように不凍液を含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、パンクシーリング剤に関する。
パンクが発生した際にその発生箇所をシールするための補修剤であるパンクシーリング剤は、(1)パンクシーリング剤の本来の機能であるパンクしたタイヤの孔をシールするパンクシール性、(2)パンクシーリング剤の粘度を低くし、バルブ等からパンクシーリング剤を注入し易くする観点から、注入容易性、(3)低温環境下でも使用可能な、ある程度の不凍性、(4)長期間保存可能な保存安定性、(5)タイヤのスチールコードやホイール塗装の腐食を防止する腐食防止性等が要求される。
例えば、高いシール性を維持し、実用性に優れたパンクシーリング剤を提供することを目的として、SBRラテックス、NBRラテックス、カルボキシル変性SBRラテックス、カルボキシル変性NBRラテックスからなる群から選択されるいずれか1以上のゴムラテックスと、凍結防止剤と、短繊維および前記ゴムラテックスに適合する樹脂系エマルジョンの少なくともいずれかと、を含有するパンクシーリング剤が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
WO2004/048493号公報
しかしながら、パンクシール性に優れたパンクシーリング剤であっても、腐食防止性や保存安定性が不十分であると実用的でない。パンクシーリング剤の液性が高pH(アルカリ性)であると、スチールコードやホイール塗装といったタイヤ材料を腐食し、さらにはパンクシーリング剤の長期保管時に、パンクシーリング剤が含有するゴムや樹脂等の成分の劣化が進み、パンクシール性が悪くなる問題があった。
シーリング・ポンプアップ装置は、車中に長期に亘って置かれるため、より長期に保存ができる安定性の高いパンクシーリング剤が求められている。
本発明は、上記事情に鑑み、腐食防止性及び保存安定性に優れたパンクシーリング剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、本発明者らは、下記本発明により当該目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、ブチルゴムラテックスを含有するパンクシーリング剤である。本発明のパンクシーリング剤は、さらに粘着剤及び不凍液を含有することが好ましい。
本発明のパンクシーリング剤を上記構成とすることで、腐食防止性及び保存安定性に優れたパンクシーリング剤を得ることができる。
本発明によれば、腐食防止性及び保存安定性に優れたパンクシーリング剤を提供することができる。
<パンクシーリング剤>
パンクしたタイヤの孔をシールする本発明のパンクシーリング剤は、ブチルゴムラテックスを含有することが必要である。以下、本発明のパンクシーリング剤が含有し得る各成分について説明する。
〔ブチルゴムラテックス〕
本発明のパンクシーリング剤は、ブチルゴムラテックスを含有する。
パンクシーリング剤にブチルゴム(IIR)ラテックスを含有することで、パンクシーリング剤の液性(pH)を中性にすることができる。さらに、ブチルゴムは、他のゴムに比べ、二重結合の含有率が低いため、ゴム弾性を有し、かつ耐熱性が高い。当該高耐熱性は、夏場高温になるトランクに保管されるパンクシーリング剤にとって非常に有用である。
そのため、パンクシーリング剤が高pHとなることにより生ずるスチールコードやホイール塗装といったタイヤ材料の腐食を防止することができ、パンクシーリング剤が含有するゴムや樹脂等の成分の劣化を抑制して、パンクシーリング剤の長期間の保存安定性を向上する。
一般にパンクシーリング剤の液性を中性に調整するためには、ラテックスの液性(pH)や粘着剤エマルジョンの液性(pH)を予め調整して互いに混合したり、あるいはラテックスと粘着剤エマルジョンとを混合した後に、例えば酸又は塩基水溶液を添加することが必要であるが、本発明のパンクシーリング剤によれば、前記酸又は塩基の添加なく中性のパンクシーリング剤を得ることができる点で優れている。
本発明のパンクシーリング剤は、本発明の効果を損なわない限度において、ブチルゴムラテックス以外のラテックスを含有してもよいが、パンクシーリング剤の液性(pH)を中性にし、腐食防止性及び保存安定性を向上する観点から、ラテックスとしては、ブチルゴムラテックスのみを用いることが好ましい。
本発明のパンクシーリング剤がブチルゴムラテックス以外のラテックスを含有するとき、ブチルゴムラテックス以外のラテックスは、最大でもブチルゴムラテックスの全質量に対して30質量%以下であれば差し支えない。
前記「ブチルゴムラテックス以外のラテックス」としては、例えば、ブチルゴムラテックス以外の合成ゴムラテックス、合成樹脂ラテックス、及びNR(天然ゴム)ラテックス等が挙げられる。
前記合成ゴムラテックスとしては、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(ニトリルゴム)ラテックス、MBRラテックス、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックス、CRラテックス、IRラテックス、カルボキシ変性NBRラテックス、カルボキシ変性SBRラテックス、ビニルピリジンラテックス、及び多硫化ゴムラテックス等が挙げられる。
前記合成樹脂ラテックスとしては、アクリルエステル系ラテックス、スチレン・ブタジエン・レジンラテックス、酢酸ビニルラテックス、塩化ビニルラテックス、塩化ビニリデンラテックス、及びポリスチレンラテックス等が挙げられる。
ブチルゴムラテックスの含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、10質量%〜90質量%とすることが好ましく、20質量%〜70質量%とすることがより好ましく、25質量%〜50質量%とすることがさらに好ましい。
また、ブチルゴムラテックス固形分の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%〜40質量%とすることが好ましく、8質量%〜35質量%とすることがより好ましく、10質量%〜30質量%とすることがさらに好ましい。
〔不凍液〕
本発明のパンクシーリング剤は、不凍液を含有することが好ましい。
前記不凍液は、パンクシーリング剤を寒冷地で用いたときに、パンクシーリング剤の凍結を防止する機能を有するものであれば特に制限されない。
例えば、1価のアルコールや、2価のアルコールを用いることができ、エタノール、1−プロパノール、エチレングリコール(EG)、及びプロピレングリコール(PG)等を挙げることができる。アルコールは、直鎖でも分岐でも環状でもよく、中でも、安全性の観点からはプロピレングリコール(PG)を用いることが好ましく、パンクシーリング剤の低粘度化の観点からは炭素数1〜5の1価のアルコールを用いることが好ましい。
不凍液の含有量は特に制限されないが、低温時の凍結防止性の観点から、パンクシーリング剤の全質量に対して5質量%〜90質量%であることが好ましい。より好ましくは10質量%〜50質量%である。
〔粘着剤〕
本発明のパンクシーリング剤は粘着剤を含有することが好ましい。
前記粘着剤は、主として前記ブチルゴム(IIR)のタイヤへの接着力を向上させるものである。
前記粘着剤は、本発明の効果を損なうものでなければ特に制限されず、例えば、樹脂系粘着剤を好適に用いることができる。
前記樹脂系粘着剤としては、例えば、天然樹脂、変性ロジン及び変性ロジンの誘導体、テルペン系樹脂及びテルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹脂;芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、及びビニルトルエン−αメチルスチレン共重合体を挙げることができる。
前記天然樹脂としては、ロジン、ダンマル等が挙げられる。
前記変性ロジン及び変性ロジンの誘導体としては、重合ロジン(例えば、ロジン酸エステル樹脂等)、部分水添ロジン等が挙げられる。
前記テルペン系樹脂及びテルペン変性体としては、ピネン、α−ピネンフェノール樹脂、ジペンテンフェノール樹脂、テルペンビスフェノール樹脂等のテルペンフェノール樹脂、またはこれらを水素添化したものなどが挙げられる。
前記脂肪族系炭化水素樹脂としては、オレフィン、オレフィン重合体等が挙げられる。
また、アクリル系粘着剤、水溶性粘着剤等を用いることもできる。
中でも、前記ラテックスを凝固しにくく、ブチルゴムラテックス固形分とタイヤとの接着性に優れるとの観点から、テルペンフェノール樹脂またはロジン酸エステル樹脂を用いることが好ましい。
粘着剤の含有量は、パンクシーリング剤中、1質量%〜15質量%であることが好ましく、2質量%〜12質量%であることがより好ましく、3質量%〜9質量%であることがさらに好ましい。1質量%〜15質量%とすることで、実用的で良好なシール性を発揮することができる。
粘着剤は、前記ブチルゴムラテックスとの混和性やパンクシール性の向上を考慮して、粘着剤エマルジョンとして用いることが好ましく、前記ブチルゴムラテックスに適合するものを使用することが好ましい。当該粘着剤エマルジョンは、乳化剤として公知の界面活性剤(好ましくは、非イオン系界面活性剤)を使用し、樹脂成分にロジン酸エステル樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン樹脂、又はポリイソブチレン等のブチルゴム系材料を使用することができる。
ここで、粘着剤エマルジョンがラテックスに「適合」するということは、粘着剤エマルジョンがブチルゴムラテックスを少しも凝固させるものではないことを意味し、粘着剤エマルジョンが、ブチルゴムラテックスのタイヤへの接着力を向上するものとして用いられることを示す。例えば樹脂が、ゴム皮膜の粘着性付与剤としてのエラストマーに加えられて用いられ得る。
粘着剤を粘着剤エマルジョンとして用いるとき、パンクシーリング剤中の粘着剤エマルジョンの含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜25質量%であることがより好ましく、5質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。1質量%〜30質量%とすることで、実用的で良好なシール性を発揮することができる。
〔他の成分〕
本発明のパンクシーリング剤は、本発明のパンクシーリング剤の効果を損なわない限りにおいて、さらに、短繊維や界面活性剤等の他の成分を含有することができる。
以下、他の成分について説明する。
(短繊維)
本発明のパンクシーリング剤は、前記粘着剤に代えて、または、さらに追加して短繊維を含有してもよい。
前記短繊維は、パンクによりタイヤに発生した穴や孔(欠陥部)に入り込んで目詰まりを生じさせて、これらの穴や孔を迅速、かつ確実に塞ぐ役割を果たす。
短繊維の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%以上あれば、短繊維を添加したことによるシール性を十分に発揮することができ、5質量%以下であれば、短繊維の絡み合いを防ぐことができ、粘性が増加しにくく、パンクシーリング剤の注入容易性が向上すると共に、既述のパンクシーリング剤の役割を十分に発揮し易い。
短繊維の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.3質量%〜4質量%とすることが好ましく、0.5質量%〜3質量%とすることがより好ましい。
パンクシーリング剤について既述のような役割を十分に発揮させるため、短繊維についても種々の設計をする必要がある。そこで、短繊維の比重(S)、長さ(L)、直径(D)、および長さと直径との比(L/D)は、それぞれ、下記の範囲とすることが好ましい。
(1)比重(S):0.8≦S≦1.4(より好ましくは、0.9≦S≦1.3、さらに好ましくは、1.0≦S≦1.2)。
比重が0.8未満では、短繊維が上に浮いてしまって長期の分離安定性が低くなることがあり、1.4を超えると、短繊維が下に沈んでしまって長期の分離安定性が低くなることがある。
(2)長さ(L):0.05≦L≦10mm(より好ましくは、0.08≦L≦8mm、さらに好ましくは、0.1≦L≦6mm)。
長さが0.05mm未満では、短繊維がパンクによる欠陥部に目詰まりを生じさせてシール性を向上させる効果を十分に発揮させることができない場合があり、10mmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(3)直径(D):1≦D≦100μm(より好ましくは、3≦D≦80μm、さらに好ましくは、5≦D≦50μm)。
直径(太さ)が1μm未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、100μmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(4)長さと直径との比(L/D):5≦L/D≦2000(より好ましくは、20≦L/D≦1600、さらに好ましくは、50≦L/D≦1200、特に好ましくは、100≦L/D≦300)。
L/Dが5未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、2000を超えると、短繊維の絡み合いによるダマが発生し、シール性および注入容易性の低下を引き起こすことがある。
なお、短繊維は、一の材質からなるものを一定の形状で使用することができるが、既述の範囲で複数の材質からなるものを種々の形状で使用することもできる。
短繊維は、その材質に特に制限はないが、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、およびこれら2以上の複合体のいずれかからなることが好ましく、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、およびこれら2以上の複合体のいずれかからなることがより好ましい。かかる短繊維を使用することで、より良好な分離安定性が得られる。
短繊維は、その全量若しくはその一部(好ましくは全量)を、高級アルコール系誘導体および/またはベタイン系活性剤等の溶剤で処理しておくことが好ましい。かかる処理により、溶剤が活剤として作用し、短繊維の分散性を向上させることができる。
当該処理は、パンクシーリング剤に含有させる前でも後でもよい。処理方法としては、短繊維を上記溶剤に含浸したり、上記溶剤を吹き付けたりして行うことができる。高級アルコール誘導体としては、ポリグリコール系ポリエステル等が好適である。
溶剤の添加量(上記処理により短繊維に吸収される量)としては、短繊維質量の0.2質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、1質量%〜6質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であれば、短繊維の十分な分散効果が得られ、当該処理が良好で、効果の向上が期待できる。
(フィラー)
また迅速にシールしかつ大きな孔でも確実にシールできるように、パンクシーリング剤に1種又はそれ以上のフィラーを混合してもよい。安定したフィラーとしては、例えばケイ酸、チョーク、カーボンブラック、グラスファイバーで補強された合成樹脂、ポリスチレン粒子、タイヤ等の加硫成品の粉砕による粉末ゴム、おがくず、モスラバー粒子、カットフラワー用の発泡粒子等が採用できる。この中でも特に好ましいフィラーは、ケイ酸と結合したゴム粉末、およびグラスファイバーで補強された合成樹脂である。
前記フィラーは、パンクシーリング剤に直接添加され得る。しかしながら、フィラーが、バルブサイズを変更することなくバルブをへてパンクシーリング剤を導くのを困難または不可能にする大きさを有する限りにおいては、これらのフィラーは、一般的にタイヤをリム組みするときにタイヤの内部に導入され、タイヤにパンクが発生した際にパンクシーリング剤が注入されることによってシーリングを成し遂げる。
前記フィラーは、パンクシーリング剤中に、好ましくは約20g/リットル〜200g/リットル、より好ましくは60g/リットル〜100g/リットル加えられ、あるいはタイヤのリム組においてタイヤ内部に配される。
(水)
本発明のパンクシーリング剤は水を含有することができる。
水は、前記粘着剤を粘着剤エマルジョンとして用いる場合の各々の分散媒として用いることができるが、パンクシーリング剤の希薄化のために用いることもできる。
(他の添加剤)
本発明のパンクシーリング剤では、さらにパンクシーリング剤に、通常の分散剤、乳化剤、発泡安定剤、苛性ソーダ等のpH調整剤、を添加してもよく、必要により液状樹脂系エマルジョンを用いてもよい。
〔パンクシーリング剤の固形分〕
以上のような本発明のパンクシーリング剤において、当該パンクシーリング剤中の固体成分(以下、「固形分」ということがある)の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%〜70質量%であることが好ましい。
「固形分の含有量」は、以下のようにして求めることができる。まず、パンクシーリング剤10gを4時間、140℃の状態で放置する。放置後の残留分の質量を測定し、当該残留分の質量をパンクシーリング剤の質量で除する(残留分の質量/放置前のパンクシーリング剤の質量)ことで求めることができる。
固形分の含有量がパンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%以上あれば十分なシール性を確保することが可能となる。また、70質量%以下であればシール性以外の特性を十分に確保することができる。
上記範囲内での固形分含有量のより好ましい上限は60質量%であり、さらに好ましくは50質量%であり、特に好ましくは40質量%である。また、上記範囲内で固形分の含有量のより好ましい下限は8質量%である。
〔パンクシーリング剤の粘度〕
パンクシーリング剤の粘度は、実際の使用条件として想定される条件(少なくとも、タイヤへの充填前であって60℃〜−60℃の範囲)において、3mPa・s〜20,000mPa・sであることが好ましく、5mPa・s〜4,500mPa・sであることがより好ましく、8mPa・s〜3,000mPa・sであることがさらに好ましく、10〜3,000mPa・sであることが特に好ましく、15〜1,500mPa・sであることが最も好ましい。
パンクシーリング剤の粘度が3mPa・s以上あれば、バルブへの注入時における液漏れを防止することができる。20,000mPa・s以下であれば、注入時の抵抗を抑えることができるため、注入容易性の低下を防止することができ、また、タイヤ内面への広がりを充分にすることができることから、高いシール性が得られる。
また、本発明のパンクシーリング剤は、上記のように、1価のアルコールの含有量を増加することによりさらに凝固点を下げることができ、−40℃以下のような極寒地でも低粘度で好適に用いることができる。−40℃におけるパンクシーリング剤の粘度は、3mPa・s〜5,000mPa・sであることが好ましく、10mPa・s〜3,000mPa・sであることがより好ましく、10mPa・s〜2,000mPa・sであることが特に好ましい。
パンクシーリング剤の粘度は、B型粘度計等により測定することができる。
〔パンクシーリング剤の製造方法〕
パンクシーリング剤は、既述の材料を公知の方法で混合等して製造することができる。また、パンクシーリング剤の製造、保管、充填は、酸化等を避けるため、好ましくは窒素又は希ガスの雰囲気で行われる。
〔パンクシーリング剤によるパンクの修理方法〕
以上のようなパンクシーリング剤によるパンクの修理方法としては、公知の方法を適用することができる。すなわち、まず、パンクシーリング剤が充填された容器をタイヤのバルブ口に差し込み、適量を注入する。その後、パンクシーリング剤がタイヤ内面に広がりパンク孔をシールできるようにタイヤを回転させればよい。
このようなパンクシーリング剤そのものは、種々のポンプアップ装置、例えば燃料ガスとしてプロパン・ブタン混合ガスを含むスプレー缶を用いてタイヤの内部に導入されてタイヤを再膨張させうるが、図1に示されるポンプアップ装置20によってより好ましく使用できる。
図1に示されるポンプアップ装置20では、前記圧力源として小型のエアコンプレッサ1を用いている。このエアコンプレッサ1は、ホース2を介して耐圧容器4のガス導入部3に接続されている。前記ガス導入部3は、栓バルブ5で閉止できかつ耐圧容器4に収納されたパンクシーリング剤6の液面上までのびるライザーチューブとして形成されている。
また、耐圧容器4は、パンクシーリング剤6を取出すための出口バルブ7を有し、この出口バルブ7にホース8の一端が接続されるとともに、該ホース8の他端には、タイヤバルブ10にねじ止めされるねじアダプタ9が取付けられている。
耐圧容器4は、フィリングスタブ12を有し、かつ水が充填されたジャケット11を具える。必要に応じて加熱源としての塩化カルシウムが前記フィリングスタブ12内に充填されうる。パンクシーリング剤6が低温で凍結すると、この加熱源の水和作用で解放される熱によって、利用できる温度にパンクシーリング剤6が加熱される。
前記エアコンプレッサ1には、電気ケーブル13が接続され、そのプラグ14は、例えば、シガレットライターに差込まれる。
タイヤにパンクが発生すると、前記ねじアダプタ9がタイヤバルブ10にねじ止めされ、かつエアコンプレッサ1がシガレットライターに接続されるとともに、耐圧容器4のガス導入部3において前記栓バルブ5が開かれる。そしてエアコンプレッサ1から耐圧容器4内にガス導入部3をへて導入される圧縮空気が、出口バルブ7からパンクシーリング剤6を押出し、タイヤバルブ10をへてタイヤの内部に導入させる。然る後、空気がタイヤの内部に再充填され、タイヤを特定の内圧で膨張させる。これが終わると、ねじアダプタ9をタイヤバルブ10から取外し、エアコンプレッサ1を止める。この直後に、一定距離に亘って予備走行し、タイヤ内部にパンクシーリング剤6を散布しつつパンク孔をシールした後、ポンプアップ装置20が再び接続されてタイヤを要求される内圧まで再度、ポンプアップする。
また、本発明のパンクシーリング剤は、図2(A)、(B)に示されるポンプアップ装置によってもより好ましく使用できる。なお、図2(A)、(B)に示されるポンプアップ装置において、図1に示されるポンプアップ装置20と共通の部分には同一符号を付して説明を省略する。
このポンプアップ装置は、図2(A)に示されるパンクシーリング剤6の収納容器である樹脂製のボトル22と、図2(B)に示される圧力源としてのエアコンプレッサ1とを備えている。ボトル22は、1回のパンク修理に必要なパンクシーリング剤6を収容している。ボトル22には、先端部にアダプタ26が配置されたホース24が接続されている。またエアコンプレッサ1に接続されたホース2にも、その先端部にアダプタ9が配置されている。但し、ボトル22のホース24については、タイヤバルブ10に直接接続可能なものであるならばアダプタ26を省略してもよい。
パンク発生時に、ボトル22のアダプタ26がタイヤバルブ10にねじ止めされる。これにより、ホース24及びアダプタ26を通してタイヤ内に連通する。この状態で、作業者は、図2(A)で2点鎖線(想像線)により示されるように、ボトル22を握り潰してパンクシーリング剤6をボトル22内から搾り出すことにより、ホース24を通してパンクシーリング剤6をタイヤ内へ注入する。
ボトル22内からタイヤ内へのパンクシーリング剤6の注入が完了すると、作業者は、アダプタ26をタイヤバルブ10から取り外してボトル22をタイヤから切り離す。
次いで、作業者は、エアコンプレッサ1のアダプタ9をタイヤバルブ10にねじ止めし、アダプタ9及びホース2を通してエアコンプレッサ1をタイヤ内に連通させる。この状態で、作業者は、エアコンプレッサ1を作動させて加圧空気をタイヤ内へ再充填し、タイヤを特定の内圧で膨張させる。これが終わると、作業者は、アダプタ9をタイヤバルブ10から取外し、エアコンプレッサ1を止める。この直後に、一定距離に亘って予備走行し、タイヤ内部にパンクシーリング剤6を散布しつつパンク孔をシールした後、作業者は、ポンプアップ装置のエアコンプレッサ1を再び接続してタイヤを要求される内圧まで再度、ポンプアップする。
本発明のパンクシーリング剤は、種々の空気入りタイヤのパンク修理に適用することができる。例えば、自動車用タイヤ、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤ等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔比較例1〜3、及び実施例1〕
下記表1の「成分」欄に記載の各成分を混合して、比較例1〜3及び実施例1のパンクシーリング剤を調製した。なお、下記表1中、「成分」欄の数値の単位は、いずれも「質量%」である。
下記表1中、「ラテックス」欄に示す数値は各ラテックスの固形分量であり、「粘着剤」欄に示す数値は粘着剤エマルジョンの固形分量である。
比較例1〜3及び実施例1のパンクシーリング剤の調製に用いた粘着剤エマルジョンは、ロジン酸エステルである。
また、下記表1に、比較例1〜3及び実施例1のパンクシーリング剤の液性(pH)を示した。
<評価>
1.ホイール塗装の腐食防止性評価
ホイール表面に得られたパンクシーリング剤を塗布して、35℃の高温下で該ホイールを一定期間保管し、下記評価方法により評価した。
−評価方法−
○:35℃で2週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれが無い。
△:35℃で1週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれが無いが、35℃で2週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際には塗装の剥がれがある。
×:35℃で1週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれがある。
2.熱的安定性評価
得られたパンクシーリング剤を密閉容器に入れ、80℃のオーブンに保管後、パンクシーリング剤の性状を観察し、パンクシーリング剤のクリーム化またはゲル化の有無により熱的安定性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
−評価基準−
○:80℃で2ヶ月保管後、性状に変化なし。
△:80℃で1ヶ月保管後は性状に変化が無いが、80℃で2ヶ月保管後には性状に変化(クリーム/ゲル発生)が見られた。
×:80℃で保管後1ヶ月以内に、性状に変化(クリーム/ゲル発生)が見られた。
Figure 2010100754
表1の結果より、ブチルゴム(IIR)ラテックスを含有する実施例1は、液性(pH)が中性のパンクシーリング剤を得ることができ、ブチルゴム(IIR)ラテックスを含有しない比較例1〜3のパンクシーリング剤に比べ、腐食防止性及び熱的安定性に優れることがわかった。
図1は、本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の他の例を示す概略図であり、(A)は、パンクシーリング剤の収納容器であるボトルの使用例を示す概略図であり、(B)はエアコンプレッサの使用例を示す概略図である。
符号の説明
3 ガス導入部
4 耐圧容器
6 シーリング剤
7 出口バルブ
20 ポンプアップ装置

Claims (2)

  1. ブチルゴムラテックスを含有するパンクシーリング剤。
  2. 粘着剤及び不凍液をさらに含有する請求項1に記載のパンクシーリング剤。
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