JP2014055207A - パンクシーリング剤 - Google Patents

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眞一 江口
Masahiko Abe
正彦 阿部
Hideki Sakai
秀樹 酒井
Mikijiro Torigoe
幹二郎 鳥越
Akihiro Tanaka
昭博 田中
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Abstract

【課題】保存安定性、バルブ注入性、及び低温下(−20℃以下)における液広がり性に優れたパンクシーリング剤の提供。
【解決手段】合成ゴムラテックスと共に、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤、或いは、合成ゴムラテックスと、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤と、を含有するパンクシーリング剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、パンクしたタイヤの穴をシールする際に使用されるパンクシーリング剤に関する。
パンクが発生した際にその発生箇所をシールするための補修剤であるパンクシーリング剤には、(1)パンクシーリング剤の本来の機能であるパンクしたタイヤの孔をシールするパンクシール性、(2)パンクシーリング剤の粘度を低くし、バルブ等からパンクシーリング剤を注入し易くする観点から注入容易性、(3)低温環境下でも使用可能なある程度の不凍性、(4)長期間保存可能な保存安定性、(5)タイヤのスチールコードやホイール塗装の腐食を防止する腐食防止性、等の種々の特性が要求される。
パンクシーリング剤としては、例えば、腐食防止性及び保存安定に優れたパンクシーリング剤の提供を目的として、ブチルゴムラテックスを含有するパンクシーリング剤(特許文献1参照)が提案されている。また、保存安定性及びパンク穴のシール性に優れたパンクシーリング剤の提供を目的として、ブチルゴムラテックスを含有するパンクシーリング剤(特許文献2参照)が提案されている。
特開2010−100754号公報 国際公開第2008/142967号パンフレット
パンクシーリング剤は、万が一のパンク時にのみ使用されるものであることから、使用されるまでの間、より長期に亘って安定的に保存できることが望まれている。また、パンクシール剤は車内に備え付けられているため、様々な気温において使用できる状態にしておく必要があり、特に低温下(−20℃以下)であっても、より良好に使用できるパンクシール剤が望まれているのが現状である。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、保存安定性、バルブ注入性、及び低温下における液広がり性に優れたパンクシーリング剤を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1> 合成ゴムラテックスと、カチオン系界面活性剤と、ノニオン系界面活性剤と、を含有するパンクシーリング剤。
<2> 前記合成ゴムラテックスが、ブチルゴムラテックスである<1>に記載のパンクシーリング剤。
<3> 前記カチオン系界面活性剤のパンクシール剤における含有量が、0.01〜10質量%である<1>又は<2>に記載のパンクシーリング剤。
<4> 前記ノニオン系界面活性剤のパンクシール剤における含有量が、0.01〜10質量%である<1>〜<3>のいずれか1項に記載のパンクシーリング剤。
<5> 合成ゴムラテックスと、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤と、を含有するパンクシーリング剤。
<6> 前記カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤が、下記一般式(1)で表される化合物である<5>に記載のパンクシーリング剤。
一般式(1)中、R〜R、及び、R〜Rは、各々独立に、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。分子内に2つあるRは同一であっても異なっていてもよい。xは1〜4の整数を表す。
<7> 前記合成ゴムラテックスが、ブチルゴムラテックスである<5>又は<6>に記載のパンクシーリング剤。
<8> 前記カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤のパンクシール剤における含有量が、0.01〜5質量%である<5>〜<7>のいずれか1項に記載のパンクシーリング剤。
本発明によれば、保存安定性、バルブ注入性、及び低温下における液広がり性に優れたパンクシーリング剤を提供することができる。
本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のパンクシーリング剤の第1の態様は、合成ゴムラテックスと、カチオン系界面活性剤と、ノニオン系界面活性剤と、を含有するパンクシーリング剤である。
また、本発明のパンクシーリング剤の第2の態様は、合成ゴムラテックスと、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤と、を含有するパンクシーリング剤である。
本発明のパンクシーリング剤は、パンクしたタイヤの穴をシールするための用途に用いられる。
本発明のパンクシーリング剤は、合成ゴムラッテクスに加えて、界面活性剤として、カチオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを併用すること(第1の態様)、或いは、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤を併用すること(第2の態様)により、保存安定性及び低温下における液広がり性に優れたものとなる。
ここで、本発明における保存安定性とは、温度変動のある環境下にパンクシーリング剤を長期間に亘って保存した場合においても良好なパンクシール性が持続することを意味する。また、本発明において低温下とは、−20℃以下の温度を意味する。
以下、本発明のパンクシーリング剤に含有される各成分について詳細に説明する。なお、パンクシーリング剤について第1又は第2の態様を明示していない成分は、いずれの態様にも共通して含有される必須又は任意の成分である。
(合成ゴムラテックス)
本発明のパンクシーリング剤は、合成ゴムラテックスを含有する。
合成ゴムラテックスとしては、種々の合成ゴムラテックスを使用することができる。
合成ゴムラテックスとしては、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(ニトリルゴム)ラテックス、MBR(ブタジエン・メタクリル酸共重合ゴム)ラテックス、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックス、IIR(ブチルゴム)ラテックス、CR(クロロプレン)ラテックス、IR(イソプレン)ラテックス、カルボキシ変性NBRラテックス、カルボキシ変性SBRラテックス、ビニルピリジンラテックス、及び多硫化ゴムラテックス等が挙げられる。
合成ゴムラテックスの中でも、保存安定性及び腐食防止性の観点から、ブチルゴムラテックス(IIRラテックス)がより好ましい。パンクシーリング剤にブチルゴムラテックスを含有することで、パンクシーリング剤の液性(pH)を中性にすることができる。さらに、ブチルゴムは、他のゴムに比べ、二重結合の含有率が低いため、ゴム弾性を有し、且つ耐熱性にも優れる。高耐熱性は、夏場高温になるトランクに保管されるパンクシーリング剤にとって非常に有用である。また、ブチルゴムラテックスの含有は、パンクシーリング剤が、高pHとなることにより生ずるスチールコードやホイール塗装といったタイヤ材料の腐食を防止することができ、また、パンクシーリング剤が含有するゴムや樹脂等の成分の劣化を抑制して、パンクシーリング剤の長期間の保存安定性をより向上させることができる。
合成ゴムラテックスは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
合成ゴムラテックスの含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、10質量%〜90質量%とすることが好ましく、20質量%〜70質量%とすることがより好ましく、25質量%〜50質量%とすることがさらに好ましい。
また、合成ゴムラテックスの固形分含有量は、パンクシーリング剤に含有される固形分の全質量に対して、5質量%〜40質量%であることが好ましく、8質量%〜35質量%であることがより好ましく、10質量%〜30質量%であることがさらに好ましい。
合成ゴムラテックスは、一般に乳化重合により得られ、分散媒質中に分散するポリマー粒子に加え、これらを分散させる分散剤や、乳化剤、安定剤、増粘剤等を含む。なお、分散媒質は基本的に水性媒体であり、該水性媒体は、水を含む溶液である。ここで「水」とは、蒸留水、イオン交換水、超純水等、精製した水を意味する。
本発明のパンクシーリング剤においては、本発明の効果を損なわない限度において、合成ゴムラテックスの他に、NR(天然ゴム)ラテックスや合成樹脂ラテックス等の合成ゴムラテックス以外のラテックスを併用してもよい。
(界面活性剤)
−第1の態様のパンクシーリング剤における界面活性剤−
本発明の第1の態様のパンクシーリング剤は、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の双方を含有する。
第1の態様のパンクシーリング剤は、合成ゴムラテックスと共に、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の双方を含有することにより、優れた保存安定性及びバルブ注入性、低温下で使用した場合におけるタイヤ内での良好な液広がり性を示すことができる。
その作用については未だ明確ではないが、以下の如く推測している。
即ち、パンクシーリング剤がカチオン系界面活性剤を含有することで、合成ゴムラテックス粒子の表面が正電荷に帯電してラテックス粒子間の反発が強くなり、これによりパンクシーリング剤の保存中における粒子凝集に起因するゲル化が効果的に抑制されて、保存安定性が著しく向上する。
更に、ノニオン系界面活性剤を含有することで、パンクシーリング剤を低温下(−20℃以下)に置いた場合であっても、パンクシーリング剤中に含有される界面活性剤の溶解性が維持されることから、低温下にてパンクシーリング剤が用いられた場合において優れた液広がり性が発揮されると共に、本発明においては、保存安定性の向上効果優れたカチオン系界面活性剤の低温下(−20℃以下)での析出についても抑制される。
また、ノニオン系界面活性剤は、これを単独でパンクシーリング剤に含有させた場合、特に高温下にて水溶性低下によりゴムラテックス粒子を凝集させ、バルブ注入性を低下させてしまう場合があったが、本発明においては、ノニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤とが併用されることにより、カチオン系界面活性剤がゴムラテックス粒子の凝集を抑制させることから、ノニオン系界面活性剤の高温下での水溶性低下の影響を補完できる。
このため、第1の態様のパンクシーリング剤においては、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の双方を含有することで、保存安定性、バルブ注入性、及び低温下における液広がり性のいずれもが著しく向上したものと考えている。
第1の態様のパンクシーリング剤におけるカチオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤との含有比率としては、質量比で、10:1〜1:10が好ましく、2:1〜1:2がより好ましい。
以下、第1の態様のパンクシーリング剤に含有されるカチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤について詳細に説明する。
<<カチオン系界面活性剤>>
本発明の第1の態様のパンクシーリング剤は、カチオン系界面活性剤を後述するノニオン系界面活性剤と共に用いる。ここで、「カチオン系界面活性剤」とは、陽イオン性の親水基を有し界面活性を呈する化合物を意味する。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン類、エタノールアミン類、ポリエチレンポリアミン類、及び四級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤が挙げられる。
カチオン系界面活性剤の中でも四級アンモニウム塩がより好ましい。該四級アンモニウム塩としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩が特に好ましく、その例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、市販品を用いてもよい。
カチオン系界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
パンクシーリング剤におけるカチオン系界面活性剤の含有量は、保存安定性、バルブ注入性、及び低温下における液広がり性を高め、更に、シール性を向上させる観点から、パンクシーリング剤の全質量に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。
<<ノニオン系界面活性剤>>
本発明の第1の態様のパンクシーリング剤は、カチオン系界面活性剤と共にノニオン系界面活性剤を含有する。ここで、「ノニオン系界面活性剤」とは、界面活性を呈する化合物であって、水に溶解してもイオン性を示さない化合物を意味する。
ノニオン系界面活性剤としては、一分子内にエチレンオキサイド単位及びプロピレンオキサイド単位から選ばれる少なくとも一方を含む化合物であることが好ましい。該ノニオン系界面活性剤としては、一分子内に含まれるエチレンオキサイド単位及びプロピレンオキサイド単位の総数が25以上60以下である化合物が好ましく、前記総数が30以上60以下の化合物が更に好ましく、前記総数が35以上50以下の化合物がより好ましく、前記総数が40以上45以下の化合物が特に好ましい。
ノニオン系界面活性剤の重量平均分子量としては、保存安定性及び低温下での液広がり性を高め、更にシール性を向上させる観点から、1370〜3430であることが好ましく、1440〜3370が更に好ましく、1510〜3200が特に好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のPOE(ポリオキシエチレン)系界面活性剤を用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、下記一般式(A)で表される化合物(PO−EO縮合物)を好適に用いることができる。
一般式(A)中、EOはエチレンオキシドを示し、POはプロピレンオキシドを示す。また、a、b及びcは、各々独立に0〜40の整数を示す。但し、25≦a+b+c≦60である。
一般式(A)中、EOで示されるエチレンオキシドは、「−CHCHO−」で表すことができる。前記POで示されるプロピレンオキシドは、「−CHCHCHO−」「−CH(CH)CHO−」「−CHCH(CH)O−」のいずれであってもよいが、直鎖型の「−CHCHCHO−」であることが好ましい。これら前記ノニオン系界面活性剤に含まれるプロピレンオキシドは、一分子中の全てが同種であってもよいし、異なっていてもよい。
また、一般式(A)で表される化合物の末端は、水素分子がエチレンオキシド又はポリオキシドの酸素分子に結合して水酸基(−OH)を構成している。
一般式(A)において、a、b及びcは、各々独立に0〜40の整数を示す。前記a及びcとしては、各々独立に、1〜14が好ましく、3〜12が更に好ましく、5〜10が特に好ましい。また、bとしては、2〜58が好ましく、6〜54が更に好ましく、20〜50が特に好ましい。但し、25≦a+b+c≦60である。a+b+cとしては、30以上60以下が好ましく、35以上50以下がより好ましく、40以上45以下が特に好ましい。
一般式(A)で表される化合物としては、例えば、EOPO30EOで示される化合物を挙げることができる。
また、ノニオン系界面活性剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、(株)ADEKA製のPluronic L シリーズ(Pluronic L−62等)などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
パンクシーリング剤におけるノニオン系界面活性剤の含有量は、保存安定性、バルブ注入性及び低温下での液広がり性を高め、更に、シール性を向上させる観点から、パンクシーリング剤の全質量に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。
−第2の態様のパンクシーリング剤における界面活性剤−
本発明の第2の態様のパンクシーリング剤は、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤(以下、適宜「一体型界面活性剤」と略称する。)を含有する。
第2の態様のパンクシーリング剤は、合成ゴムラテックと共に、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤(一体型界面活性剤)を含有することにより、保存安定性に優れ、且つ、低温下で使用した場合においてタイヤ内で良好な液広がり性を示すことができ、且つ、パンクシーリング剤に含有される界面活性剤の総量をより低減させることができる。
その作用については未だ明確ではないが、以下の如く推測している。
即ち、第2の態様のパンクシーリング剤が含有する一体型界面活性剤は、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有するため、第1の態様のパンクシーリング剤においては、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の双方を含有することで得られる前述の作用が、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤のそれぞれを個別に含有させる場合に比べて、より少量の含有にて奏されるためと考えられる。
以下、第2の態様のパンクシーリング剤に含有される一体型界面活性剤について詳細に説明する。
<<カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤>>
本発明の第2の態様のパンクシーリング剤は、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤(以下、適宜「一体型界面活性剤」と略称する。)を含有する。
一体型界面活性剤におけるカチオン部としては、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、セチルトリメチルアンモニウムカチオン、ステアリルトリメチルアンモニウムカチオン等のテトラアルキルアンモニウムカチオン等の構造を有するカチオン部が挙げられ、テトラアルキルアンモニウムカチオンであることが好ましい。
一体型界面活性剤は、分子内に1つのみのカチオン部を有するものであってもよし、2つ以上のカチオン部を有するものであってもよい。
一体型界面活性剤におけるノニオン部としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを含むノニオン部が好ましい。
一体型界面活性剤は、分子内に1つのみのノニオン部を有するものであってもよし、2つ以上のノニオン部を有するものであってもよい。
一体型界面活性剤としては、下記一般式(1)で表される化合物を好適に用いることができる。
一般式(1)中、R〜R、及び、R〜Rは、各々独立に、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。分子内に2つあるRは同一であっても異なっていてもよい。xは1〜4の整数を表す。
一般式(1)中、R及びRとしては、各々独立に、炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数12〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
及びRは、同一のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(1)中、R、R、R及びRとしては、各々独立に、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましくい。
、R、R及びRとしては、いずれもがメチル基であることが特に好ましい。
一般式(1)中、Rとしては、炭素数1又は2のアルキレン基であることが好ましい。
一般式(1)中に2つあるRは同一であっても異なっていてもよく、合成適性の観点からは、同一であることが好ましい。
一般式(1)中、xとしては1〜3であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物D−1〜D−4、E−1〜E−4、F−1〜F−4が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一体型界面活性剤である一般式(1)で表される化合物は、公知文献(Thermochimica Acta,434,(2005),165-170)に準拠して合成することができる。
また、一体型界面活性剤としては、市販品を用いてもよい。
一体型界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
パンクシーリング剤における一体型界面活性剤界面活性剤の含有量は、より少ない界面活性剤量にて、保存安定性、低温下におけるバルブ注入性及び液広がり性を高め、更に、シール性を向上させる観点から、パンクシーリング剤の全質量に対して0.01〜5質量%であることが好ましい。
本発明のパンクシーリング剤には、その効果を阻害しない限り、又は、その他の特性を向上させることを目的として、種々の添加剤を含有させることができる。以下、添加剤について説明する。
(不凍液)
本発明のパンクシーリング剤には、不凍液(凍結防止剤)を含有することができる。不凍液としては、特に限定されず、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類を使用することができる。不凍液の含有量は、パンクシーリング剤中、5〜50質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。5質量%以上あれば、低温での凍結防止性が十分に得られる。また、50質量%以下であれば、合成ゴムラテックスの量に対するグリコール類の量が抑えられるため、合成ゴムラテックス粒子の凝集を防止することができ、シール特性をより良好に発揮させることができる。
(粘着剤)
本発明のパンクシーリング剤は粘着剤を含有することが好ましい。
粘着剤は、主として合成ゴムラテックスのタイヤへの接着力を向上させるものである。
粘着剤は、本発明の効果を損なうものでなければ特に制限されず、例えば、樹脂系粘着剤を好適に用いることができる。
樹脂系粘着剤としては、例えば、天然樹脂、変性ロジン及び変性ロジンの誘導体、テルペン系樹脂及びテルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹脂;芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、及びビニルトルエン−αメチルスチレン共重合体を挙げることができる。
天然樹脂としては、ロジン、ダンマル等が挙げられる。
変性ロジン及び変性ロジンの誘導体としては、重合ロジン(例えば、ロジン酸エステル樹脂等)、部分水添ロジン等が挙げられる。
テルペン系樹脂及びテルペン変性体としては、ピネン、α−ピネンフェノール樹脂、ジペンテンフェノール樹脂、テルペンビスフェノール樹脂等のテルペンフェノール樹脂、またはこれらを水素添化したものなどが挙げられる。
脂肪族系炭化水素樹脂としては、オレフィン、オレフィン重合体等が挙げられる。
また、樹脂系粘着剤としては、アクリル系粘着剤、水溶性粘着剤等を用いることもできる。
中でも、合成ゴムラテックスを凝固しにくく、合成ゴムラテックス固形分とタイヤとの接着性に優れるとの観点から、テルペンフェノール樹脂またはロジン酸エステル樹脂を用いることが好ましい。
粘着剤の含有量は、パンクシーリング剤中、1質量%〜15質量%であることが好ましく、2質量%〜12質量%であることがより好ましく、3質量%〜9質量%であることがさらに好ましい。1質量%〜15質量%とすることで、実用的で良好なシール性を発揮することができる。
粘着剤は、合成ゴムラテックスとの混和性やパンクシール性の向上を考慮して、粘着剤エマルジョンとして用いることが好ましく、合成ゴムラテックスに適合するものを使用することが好ましい。当該粘着剤エマルジョンは、乳化剤として公知の界面活性剤(好ましくは、非イオン系界面活性剤)を使用し、樹脂成分にロジン酸エステル樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン樹脂、又はポリイソブチレン等のブチルゴム系材料を使用することができる。
ここで、粘着剤エマルジョンがラテックスに「適合」するということは、粘着剤エマルジョンが合成ゴムラテックスを少しも凝固させるものではないことを意味し、粘着剤エマルジョンが、合成ゴムラテックスのタイヤへの接着力を向上するものとして用いられることを示す。例えば樹脂が、ゴム皮膜の粘着性付与剤としてのエラストマーに加えられて用いられ得る。
粘着剤を粘着剤エマルジョンとして用いるとき、パンクシーリング剤中の粘着剤エマルジョンの含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜25質量%であることがより好ましく、5質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。1質量%〜30質量%とすることで、実用的で良好なシール性を発揮することができる。
(液劣化防止剤)
本発明のパンクシーリング剤は液劣化防止剤を含有してもよい。液劣化防止剤としては特に制限されず、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤などを用いることができるが、特に酸化防止剤を用いることが好適である。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系(フェノール系)酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いることができる。酸化防止剤の中では、フェノール系の酸化防止剤や有機イオウ系酸化防止剤が非汚染性であり、ラテックスに対して酸化防止効果が大きいことから好ましい。
液劣化防止剤を含有する場合の含有量は、液劣化防止効果及び合成ゴムラテックスの安定性の観点から、パンクシーリング剤の全固形分に対して、0.01〜10質量%の範囲とすることが好ましく、0.01〜0.12質量%の範囲とすることがより好ましく、0.02〜0.8質量%の範囲とすることがさらに好ましい。
(短繊維)
本発明のパンクシーリング剤は、前記粘着剤に代えて、または、さらに追加して短繊維を含有してもよい。
前記短繊維は、パンクによりタイヤに発生した穴や孔(欠陥部)に入り込んで目詰まりを生じさせて、これらの穴や孔を迅速、かつ確実に塞ぐ役割を果たす。
短繊維の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%以上あれば、短繊維を添加したことによるシール性を十分に発揮することができ、5質量%以下であれば、短繊維の絡み合いを防ぐことができ、粘性が増加しにくく、パンクシーリング剤の注入容易性が向上すると共に、既述のパンクシーリング剤の役割を十分に発揮し易い。
短繊維の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.3質量%〜4質量%とすることが好ましく、0.5質量%〜3質量%とすることがより好ましい。
パンクシーリング剤について既述のような役割を十分に発揮させるため、短繊維についても種々の設計をする必要がある。そこで、短繊維の比重(S)、長さ(L)、直径(D)、および長さと直径との比(L/D)は、それぞれ、下記の範囲とすることが好ましい。
(1)比重(S):0.8≦S≦1.4(より好ましくは、0.9≦S≦1.3、さらに好ましくは、1.0≦S≦1.2)。
比重が0.8未満では、短繊維が上に浮いてしまって長期の分離安定性が低くなることがあり、1.4を超えると、短繊維が下に沈んでしまって長期の分離安定性が低くなることがある。
(2)長さ(L):0.05≦L≦10mm(より好ましくは、0.08≦L≦8mm、さらに好ましくは、0.1≦L≦6mm)。
長さが0.05mm未満では、短繊維がパンクによる欠陥部に目詰まりを生じさせてシール性を向上させる効果を十分に発揮させることができない場合があり、10mmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(3)直径(D):1≦D≦100μm(より好ましくは、3≦D≦80μm、さらに好ましくは、5≦D≦50μm)。
直径(太さ)が1μm未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、100μmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(4)長さと直径との比(L/D):5≦L/D≦2000(より好ましくは、20≦L/D≦1600、さらに好ましくは、50≦L/D≦1200、特に好ましくは、100≦L/D≦300)。
L/Dが5未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、2000を超えると、短繊維の絡み合いによるダマが発生し、シール性および注入容易性の低下を引き起こすことがある。
なお、短繊維は、一の材質からなるものを一定の形状で使用することができるが、既述の範囲で複数の材質からなるものを種々の形状で使用することもできる。
短繊維は、その材質に特に制限はないが、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、およびこれら2以上の複合体のいずれかからなることが好ましく、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、およびこれら2以上の複合体のいずれかからなることがより好ましい。かかる短繊維を使用することで、より良好な分離安定性が得られる。
短繊維は、その全量若しくはその一部(好ましくは全量)を、高級アルコール系誘導体および/またはベタイン系活性剤等の溶剤で処理しておくことが好ましい。かかる処理により、溶剤が活剤として作用し、短繊維の分散性を向上させることができる。
当該処理は、パンクシーリング剤に含有させる前でも後でもよい。処理方法としては、短繊維を上記溶剤に含浸したり、上記溶剤を吹き付けたりして行うことができる。高級アルコール誘導体としては、ポリグリコール系ポリエステル等が好適である。
溶剤の添加量(上記処理により短繊維に吸収される量)としては、短繊維質量の0.2質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、1質量%〜6質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であれば、短繊維の十分な分散効果が得られ、当該処理が良好で、効果の向上が期待できる。
(フィラー)
また迅速にシールしかつ大きな孔でも確実にシールできるように、パンクシーリング剤に1種又はそれ以上のフィラーを混合してもよい。安定したフィラーとしては、例えばケイ酸、チョーク、カーボンブラック、グラスファイバーで補強された合成樹脂、ポリスチレン粒子、タイヤ等の加硫成品の粉砕による粉末ゴム、おがくず、モスラバー粒子、カットフラワー用の発泡粒子等が採用できる。この中でも特に好ましいフィラーは、ケイ酸と結合したゴム粉末、およびグラスファイバーで補強された合成樹脂である。
フィラーは、パンクシーリング剤に直接添加され得る。しかしながら、フィラーが、バルブサイズを変更することなくバルブをへてパンクシーリング剤を導くのを困難または不可能にする大きさを有する限りにおいては、これらのフィラーは、一般的にタイヤをリム組みするときにタイヤの内部に導入され、タイヤにパンクが発生した際にパンクシーリング剤が注入されることによってシーリングを成し遂げる。
フィラーは、パンクシーリング剤中に、好ましくは約20g/リットル〜200g/リットル、より好ましくは60g/リットル〜100g/リットル加えられ、あるいはタイヤのリム組においてタイヤ内部に配される。
(水)
本発明のパンクシーリング剤には、希薄化のために、水を含有させることができる。
(その他の添加剤)
本発明のパンクシーリング剤では、通常の分散剤、乳化剤、発泡安定剤、苛性ソーダ等のpH調整剤、を添加してもよい。
〔パンクシーリング剤の固形分〕
以上のような本発明のパンクシーリング剤において、当該パンクシーリング剤中の固体成分(以下、「固形分」ということがある)の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%〜70質量%であることが好ましい。
「固形分の含有量」は、以下のようにして求めることができる。まず、パンクシーリング剤10gを4時間、140℃の状態で放置する。放置後の残留分の質量を測定し、当該残留分の質量をパンクシーリング剤の質量で除する(残留分の質量/放置前のパンクシーリング剤の質量)ことで求めることができる。
固形分の含有量がパンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%以上あれば十分なシール性を確保することが可能となる。また、70質量%以下であればシール性以外の特性を十分に確保することができる。
上記範囲内での固形分含有量のより好ましい上限は60質量%であり、さらに好ましくは50質量%であり、特に好ましくは40質量%である。また、上記範囲内で固形分の含有量のより好ましい下限は8質量%である。
〔パンクシーリング剤の粘度〕
パンクシーリング剤の粘度は、実際の使用条件として想定される条件(少なくとも、タイヤへの充填前であって60℃〜−30℃の範囲)において、3〜6000mPa・sであること好ましく、5〜4500mPa・sであることがより好ましく、8〜3000mPa・sであることがさらに好ましく、10〜3000mPa・sであることが特に好ましく、15〜1500mPa・sであることが最も好ましい。
3mPa・s以上あれば、バルブへの注入時の液漏れを防止することができる。一方、6000mPa・s以下であれば、注入時の抵抗が抑えられ、注入が容易であり、また、タイヤ内面への広がり易いので、高いシール性を得ることができる。なお、当該粘度は、B型粘度計等により測定することができる。
〔パンクシーリング剤の液性〕
本発明のパンクシーリング剤の液性は、中性(pH7近傍)であることが好ましい。
〔パンクシーリング剤の製造方法〕
パンクシーリング剤は、既述の材料を公知の方法で混合等して製造することができる。また、パンクシーリング剤の製造、保管、充填は、酸化等を避けるため、好ましくは窒素又は希ガスの雰囲気で行われる。
〔パンクシーリング剤によるパンクの修理方法〕
以上のようなパンクシーリング剤によるパンクの修理方法としては、公知の方法を適用することができる。すなわち、まず、パンクシーリング剤が充填された容器をタイヤのバルブ口に差し込み、適量を注入する。その後、パンクシーリング剤がタイヤ内面に広がりパンク孔をシールできるようにタイヤを回転させればよい。
このようなパンクシーリング剤そのものは、種々のポンプアップ装置、例えば燃料ガスとしてプロパン・ブタン混合ガスを含むスプレー缶を用いてタイヤの内部に導入されてタイヤを再膨張させうるが、図1に示されるポンプアップ装置20によってより好ましく使用できる。
図1に示されるポンプアップ装置20では、前記圧力源として小型のエアコンプレッサ1を用いている。このエアコンプレッサ1は、ホース2を介して耐圧容器4のガス導入部3に接続されている。前記ガス導入部3は、栓バルブ5で閉止できかつ耐圧容器4に収納されたパンクシーリング剤6の液面上までのびるライザーチューブとして形成されている。
また、耐圧容器4は、パンクシーリング剤6を取出すための出口バルブ7を有し、この出口バルブ7にホース8の一端が接続されるとともに、該ホース8の他端には、タイヤバルブ10にねじ止めされるねじアダプタ9が取付けられている。
耐圧容器4は、フィリングスタブ12を有し、かつ水が充填されたジャケット11を具える。必要に応じて加熱源としての塩化カルシウムが前記フィリングスタブ12内に充填されうる。パンクシーリング剤6が低温で凍結すると、この加熱源の水和作用で解放される熱によって、利用できる温度にパンクシーリング剤6が加熱される。
前記エアコンプレッサ1には、電気ケーブル13が接続され、そのプラグ14は、例えば、シガレットライターに差込まれる。
タイヤにパンクが発生すると、前記ねじアダプタ9がタイヤバルブ10にねじ止めされ、かつエアコンプレッサ1がシガレットライターに接続されるとともに、耐圧容器4のガス導入部3において前記栓バルブ5が開かれる。そしてエアコンプレッサ1から耐圧容器4内にガス導入部3をへて導入される圧縮空気が、出口バルブ7からパンクシーリング剤6を押出し、タイヤバルブ10をへてタイヤの内部に導入させる。然る後、空気がタイヤの内部に再充填され、タイヤを特定の内圧で膨張させる。これが終わると、ねじアダプタ9をタイヤバルブ10から取外し、エアコンプレッサ1を止める。この直後に、一定距離に亘って予備走行し、タイヤ内部にパンクシーリング剤6を散布しつつパンク孔をシールした後、ポンプアップ装置20が再び接続されてタイヤを要求される内圧まで再度、ポンプアップする。
本発明のパンクシーリング剤は、種々の空気入りタイヤのパンク修理に適用することができる。例えば、自動車用タイヤ、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤ等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜60、比較例1〜20]
下記表1〜7に記載の各成分を混合して、実施例及び比較例の各パンクシーリング剤を調製した。なお、下記表1〜7中に示した各成分の含有量は、いずれも「質量%」である。
下記表1〜7中、「ラテックス」の欄に示す数値は各ラテックスの含有量は固形分量であり、「粘着剤」欄に示す数値は粘着剤エマルジョンの固形分量である。
実施例及び比較例に粘着剤として用いた粘着剤エマルジョンは、ロジン酸エステル樹脂エマルジョンである。
実施例及び比較例に用いた不凍液は、プロピレングリコールである。
実施例及び比較例に用いた界面活性剤の詳細は以下の通りである。
<カチオン系界面活性剤>
・A:ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)
・B:テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)
・C:セチルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)
<ノニオン系界面活性剤>
・PO−EO縮合物(製品名:Pluronic L−62、(株)ADEKA製)
<一体型系界面活性剤>
・D−1〜D〜4: 例示化合物D−1〜D〜4として前掲した化合物
・E−1〜E〜4: 例示化合物E−1〜E〜4として前掲した化合物
・F−1〜F〜4: 例示化合物F−1〜F〜4として前掲した化合物
また、下記表1〜7に、実施例及び比較例の各パンクシーリング剤の液性(pH)を示した。
<評価>
1.ホイール塗装の腐食防止性評価
ホイール表面に得られたパンクシーリング剤を塗布して、35℃の高温下で該ホイールを一定期間保管し、下記評価方法により評価した。結果を下記表1〜7に示す。
−評価方法−
○:35℃で2週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれが無い。
△:35℃で1週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれが無いが、35℃で2週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際には塗装の剥がれがある。
×:35℃で1週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれがある。
2.熱的安定性評価
得られたパンクシーリング剤を密閉容器に入れ、80℃のオーブンに保管後、パンクシーリング剤の性状を観察し、パンクシーリング剤のクリーム化またはゲル化の有無により熱的安定性を評価した。評価基準は以下のとおりである。結果を下記表1〜7に示す。
−評価基準−
◎:80℃で3ヶ月保管後、性状に変化なし。
○:80℃で2ヶ月保管後、性状に変化なし。
△:80℃で1ヶ月保管後は性状に変化が無いが、80℃で2ヶ月保管後には性状に変化(クリーム/ゲル発生)が見られた。
×:80℃で保管後1ヶ月以内に、性状に変化(クリーム/ゲル発生)が見られた。
3.低温下における液広がり性
経時させたパンクシーリング剤について、−30℃の温度環境下における粘度を測定し、低温下における液広がり性を評価した。本評価に優れることは、低温下(−20℃以下)の環境下にて、タイヤ内部にパンクシーリング剤を注入した際における液広がり性に優れることを示す。評価方法及び評価基準は以下の通りである。結果を下記表1〜7に示す。
−評価方法−
得られたパンクシーリング剤を密閉容器に入れ、恒温槽に、90℃で、11日間保管した。保存後のパンクシーリング剤を、更に、−30℃の温度環境下に、5時間保管した後、B型粘度計(製品名:TVB10、東機産業(株)製)を用いて粘度を測定した。
−評価基準−
◎:450mPa・s未満
○:450mPa・s以上500mPa・s未満
△:500mPa・s以上700mPa・s未満
×:700mPa・s以上
4.バルブ注入性
60℃環境下、パンクシーリング剤450mlをバルブからタイヤ内に注入し、注入完了に要する時間を測定し、以下の評価基準に従って評価した。結果を下記表1〜7に示す。
−評価基準−
○:15分以下
△:15分超20分以下
×:20分超
表1〜7の結果に示されるように、実施例の各パンクシーリング剤は、腐食防止性、熱的安定性、バルブ注入性、及び低温下における液広がり性のいずれについても優れたパンクシーリング剤であることがわかる。
1 エアコンプレッサ
2 ホース
3 ガス導入部
4 耐圧容器
5 栓バルブ
6 パンクシーリング剤
7 出口バルブ
8 ホース
9 ねじアダプタ
10 タイヤバルブ
11 ジャケット
12 フィリングスタブ
13 電気ケーブル
14 プラグ
20 ポンプアップ装置

Claims (8)

  1. 合成ゴムラテックスと、カチオン系界面活性剤と、ノニオン系界面活性剤と、を含有するパンクシーリング剤。
  2. 前記合成ゴムラテックスが、ブチルゴムラテックスである請求項1に記載のパンクシーリング剤。
  3. 前記カチオン系界面活性剤のパンクシール剤における含有量が、0.01〜10質量%である請求項1又は請求項2に記載のパンクシーリング剤。
  4. 前記ノニオン系界面活性剤のパンクシール剤における含有量が、0.01〜10質量%である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のパンクシーリング剤。
  5. 合成ゴムラテックスと、カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤と、を含有するパンクシーリング剤。
  6. 前記カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項5に記載のパンクシーリング剤。

    (一般式(1)中、R〜R、及び、R〜Rは、各々独立に、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。分子内に2つあるRは同一であっても異なっていてもよい。xは1〜4の整数を表す。)
  7. 前記合成ゴムラテックスが、ブチルゴムラテックスである請求項5又は請求項6に記載のパンクシーリング剤。
  8. 前記カチオン部及びノニオン部を一つの分子内に有する界面活性剤のパンクシール剤における含有量が、0.01〜5質量%である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のパンクシーリング剤。
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