JP2013249447A - パンクシーリング剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より保存安定性に優れたパンクシーリング剤およびその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、ゴムラテックスと樹脂系粘着剤とを含有し、pHが9〜12であり、かつ、溶存酸素濃度が6mg/L以下であるパンクシーリング剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、パンクシーリング剤及びその製造方法に関する。
パンクが発生した際にその発生箇所をシールするための補修剤であるパンクシーリング剤は、(1)パンクシーリング剤の本来の機能であるパンクしたタイヤの孔をシールするパンクシール性、(2)パンクシーリング剤の粘度を低くし、バルブ等からパンクシーリング剤を注入し易くする観点から、注入容易性、(3)低温環境下でも使用可能な、ある程度の不凍性、(4)長期間保存可能な保存安定性等が要求される。
パンクシーリング剤は、自動車のトランクに積載される等、高温環境下に置かれることが多く、長期間保存可能な保存安定性は重要であり、例えば、空気に起因するパンクシーリング剤の劣化を抑制することを目的として、少なくとも、ゴムラテックスと、水と、不凍液と、を混合する混合工程を有し、該混合工程中に超音波照射を行ってパンクシーリング剤を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、パンクシール性や保存安定性等の要求に加え、スチールコードやホイール塗装といったタイヤ材料の腐食を防止する腐食防止性についても、その必要性が求められている。かかる必要性に対して、例えば、合成ゴムラテックスと樹脂系粘着剤とを含有し、pHが5〜12であるパンクシーリング剤が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−260885号公報 特開2010−100753号公報
しかしながら、従来のパンクシーリング剤では、保存安定性が不十分であった。
本発明は、上記事情に鑑み、より保存安定性に優れたパンクシーリング剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、本発明者らは、下記本発明により当該目的を達成できることを見出した。
<1> 少なくとも、ゴムラテックスと樹脂系粘着剤とを含有し、pHが9〜12であり、かつ、溶存酸素濃度が6mg/L以下であるパンクシーリング剤である。
<2> さらに、脱酸素剤を含有する前記<1>に記載のパンクシーリング剤である。
<3> 少なくとも、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを含み、pH9〜12である乳化混合物を準備する準備工程と、前記乳化混合物に不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程、前記乳化混合物に超音波照射を行う超音波照射工程、及び、前記乳化混合物に脱酸素剤を混合する脱酸素剤混合工程から選択される少なくとも1つの脱気工程を有するパンクシーリング剤の製造方法である。
<4> 前記乳化混合物は、少なくとも、pHが10〜12であるゴムラテックスと、pHが7〜13である樹脂系粘着剤エマルジョンとを混合して得る前記<3>に記載のパンクシーリング剤の製造方法である。
本発明によれば、より保存安定性に優れたパンクシーリング剤およびその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係るパンクシーリング剤をタイヤに充填するために用いられるシーリング・ポンプアップ装置の他の例を示す概略図であり、(A)は、パンクシーリング剤の収納容器であるボトルの使用例を示す概略図であり、(B)はエアコンプレッサの使用例を示す概略図である。
<パンクシーリング剤>
パンクしたタイヤの孔をシールする本発明のパンクシーリング剤は、少なくとも、ゴムラテックスと樹脂系粘着剤とを含有し、pHが9〜12であり、かつ、溶存酸素濃度が6mg/L以下である。
パンクシーリング剤がゴムラテックスを含有することで、柔軟性に優れたゴムがタイヤのパンク孔に適合し易く、パンクシール性を向上する。さらに、パンクシーリング剤の液性をpH9〜12とすることで、パンクシーリング剤を長期間保存してもゴムラテックスの分散性が安定した状態を保ち、パンクシール性能の低下を抑制することができる。また、パンクシーリング剤の液性(pH)が小さい(pH12以下)であるため、パンクシーリング剤をパンクしたタイヤに適用したときに、タイヤのスチールコードやホイール塗装の腐食を防止することができる。さらに、パンクシーリング剤中の溶存酸素濃度が6mg/L以下であることで、パンクシーリング剤の酸化劣化を抑制することができるため、パンクシーリング剤の品質を長期間維持することができる。
パンクシーリング剤の液性がpH9未満であるとゴムラテックスの分散安定性を長期間保つことができず、pH12よりも大きいと、パンクシーリング剤によりタイヤのスチールコードやホイール塗装が腐食し易くなる。また、パンクシーリング剤の溶存酸素濃度が6mg/Lを超えると、酸化劣化によりパンクシーリング剤の品質を保つことができない。
本発明のパンクシーリング剤の液性は、pH11〜pH12であることがより好ましい。パンクシーリング剤の液性(pH)は、公知のpH計を用いて測定すればよい。
本発明のパンクシーリング剤の液性は、パンクシーリング剤の調製において、ゴムラテックスや、樹脂系粘着剤を含有する樹脂系粘着剤エマルジョンのpHをそれぞれ調整した上で混合したり、ゴムラテックスと樹脂系粘着剤エマルジョンとを混合して乳化混合物を得た後にpH調整することで、pH9〜12とすることができる。
ゴムラテックスのpH、樹脂系粘着剤エマルジョンのpH、及び、パンクシーリング剤の調製の詳細は後述する。
本発明のパンクシーリング剤中の溶存酸素濃度は5mg/L以下であることがより好ましく、3mg/L以下であることがさらに好ましい。パンクシーリング剤中の溶存酸素は、全くないこと、すなわち、溶存酸素濃度が0mg/Lであることが、特に好ましい。
パンクシーリング剤中の溶存酸素濃度は、公知の酸素濃度計を用いることができ、例えば、島津製作所社製、溶存酸素計DO142を用いればよい。
本発明のパンクシーリング剤の溶存酸素濃度は、パンクシーリング剤の調製中または調製後において、調製中のパンクシーリング剤や調製後のパンクシーリング剤に、不活性ガスを導入したり、超音波を照射する等の処理を施したり、パンクシーリング剤に脱酸素剤を添加することで、6mg/L以下とすることができる。
前記処理と脱酸素剤の詳細は後述する。
以下、本発明のパンクシーリング剤が含有し得る各成分について説明する。
〔ゴムラテックス〕
本発明のパンクシーリング剤は、ゴムラテックスを含有する。
ゴムラテックスは、天然ゴム(NR)ラテックスであってもよいし、合成ゴムラテックスであってもよいし、合成樹脂ラテックスであってもよい。
合成ゴムラテックスの種類は特に制限されず、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(ニトリルゴム)ラテックス、MBR(アクリルゴム)ラテックス、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックス、IIR(ブチルゴム)ラテックス、CRラテックス、IRラテックス、及び多硫化ゴムラテックス、ビニルピリジンラテックス等が挙げられる。
合成樹脂ラテックスとしては、アクリルエステル系ラテックス、スチレン・ブタジエン・レジンラテックス、酢酸ビニルラテックス、塩化ビニルラテックス、塩化ビニリデンラテックス、及びポリスチレンラテックス等が挙げられる。
ゴムラテックスは単独種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記の中でも、貯蔵安定性の観点から、合成ゴムラテックスが好ましく、SBRラテックス、IIRラテックス、NBRラテックス、及びBRラテックスがより好ましい。
本発明のパンクシーリング剤は、液性がpH9〜12であることが必要である。従って、pH9〜12のパンクシーリング剤を調製する観点から、ゴムラテックスの液性はpH10〜12であることが好ましい。
ゴムラテックスの液性は、ゴムラテックスに酢酸、塩酸等の酸と、アンモニア、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基との少なくとも一方を添加することにより上記範囲に適宜調整することができる。
ゴムラテックスの含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、10質量%〜90質量%とすることが好ましく、20質量%〜70質量%とすることがより好ましく、25質量%〜50質量%とすることがさらに好ましい。
〔樹脂系粘着剤〕
本発明のパンクシーリング剤は樹脂系粘着剤を含有する。
樹脂系粘着剤は、主としてゴムのタイヤへの接着力を向上させるものである。
樹脂系粘着剤は、本発明の効果を損なうものでなければ特に制限されず、固体状でも液体状でもよい。
例えば、テルペンフェノール樹脂等のテルペン樹脂系、ロジン酸エステル樹脂等の重合ロジン系、ロジン、ダンマル等の天然樹脂系、部分水添ロジン等の変性ロジン樹脂系、オレフィン、オレフィン重合体等の脂肪族系炭化水素樹脂系等が挙げられる。
テルペンフェノール樹脂としては、α−ピネンフェノール樹脂、ジペンテンフェノール樹脂、テルペンビスフェノール樹脂、またはこれらを水素添化したものなどが使用できる。
また、シクロペンタンジエン樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、及びビニルトルエン−αメチルスチレン共重合体、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系粘着剤、水溶性粘着剤等を用いることもできる。
中でも、ゴムラテックスを凝固しにくく、ゴムラテックス固形分とタイヤとの接着性に優れるとの観点から、テルペンフェノール樹脂またはロジン酸エステル樹脂を用いることが好ましい。
樹脂系粘着剤は、ゴムラテックスとの混和性やパンクシール性の向上を考慮して、樹脂系粘着剤エマルジョンとして用いることが好ましく、ゴムラテックスに適合するものを使用することが好ましい。当該樹脂系粘着剤エマルジョンは、乳化剤として公知の界面活性剤(好ましくは、非イオン系界面活性剤)を使用し、樹脂成分にロジン酸エステル樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン樹脂、又はポリイソブチレン等のブチルゴム系材料等を使用することができる。
ここで、樹脂系粘着剤エマルジョンがゴムラテックスに「適合」するということは、樹脂系粘着剤エマルジョンがゴムラテックスを少しも凝固させるものではないことを意味し、樹脂系粘着剤エマルジョンが、ゴムラテックスのタイヤへの接着力を向上するものとして用いられることを示す。例えば樹脂が、ゴム皮膜の粘着性付与剤としてのエラストマーに加えられて用いられ得る。
本発明のパンクシーリング剤は、液性がpH9〜12であることが必要である。pH9〜12のパンクシーリング剤を調製する観点から、樹脂系粘着剤エマルジョンの液性はpH7〜13であることが好ましい。
樹脂系粘着剤エマルジョンの液性は、樹脂系粘着剤エマルジョンに酢酸、塩酸等の酸と、アンモニア、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基との少なくとも一方を添加することにより上記範囲に適宜調整することができる。
樹脂系粘着剤を樹脂系粘着剤エマルジョンとして用いるとき、パンクシーリング剤中の樹脂系粘着剤エマルジョンの含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜25質量%であることがより好ましく、5質量%〜20質量%であることがさらに好ましい。
本発明のパンクシーリング剤においては、パンクシール性及び注入容易性の観点から、ゴムラテックス固形分及び樹脂系粘着剤の含有量の合計が、パンクシーリング剤の全質量に対して5質量%〜70質量%であることが好ましく、5質量%〜60質量%であることがより好ましく、5質量%〜50質量%であることがさらに好ましく、8質量%〜40質量%であることが特に好ましい。
〔脱酸素剤〕
本発明のパンクシーリング剤は、脱酸素剤を含有していることが好ましい。
パンクシーリング剤が脱酸素剤を含有することで、パンクシーリング剤中の溶存酸素濃度を6mg/L以下とすることができる。
脱酸素剤は、本発明の効果を損なわずに、パンクシーリング剤中に溶存する酸素を除去し得るものであれば特に制限されない。
具体的には、水酸化鉄、酸化鉄、炭化鉄などの鉄化合物が挙げられる。市販品を用いてもよく、例えば、三菱ガス化学社製の「エージレス」、日本化薬社製の「モジュラン」、日本曹達社製の「セキュール」などが挙げられる。
本発明のパンクシーリング剤中の脱酸素剤の含有量は、パンクシーリング剤中の溶存酸素濃度をより低下する観点から、パンクシーリング剤中の全固形分質量に対して、5質量%〜20質量%とすることが好ましい。
〔他の成分〕
本発明のパンクシーリング剤は、本発明のパンクシーリング剤の効果を損なわない限りにおいて、さらに、不凍液や短繊維等の他の成分を含有することができる。
以下、他の成分について説明する。
(不凍液)
本発明のパンクシーリング剤は、不凍液を含有することが好ましい。
不凍液は、パンクシーリング剤を寒冷地で用いたときに、パンクシーリング剤の凍結を防止する機能を有するものであれば特に制限されない。
例えば、1価のアルコールや、2価のアルコールを用いることができ、エタノール、1−プロパノール、エチレングリコール、及びプロピレングリコール等を挙げることができる。アルコールは、直鎖でも分岐でも環状でもよく、中でも、パンクシーリング剤の低粘度化の観点から、炭素数1〜5の、1価又は2価のアルコールが好ましい。
不凍液の含有量は特に制限されないが、低温時の凍結防止性の観点から、パンクシーリング剤の全質量に対して5質量%〜90質量%であることが好ましい。より好ましくは10質量%〜50質量%である。
(短繊維)
本発明のパンクシーリング剤は、さらに追加して短繊維を含有してもよい。
短繊維は、パンクによりタイヤに発生した穴や孔(欠陥部)に入り込んで目詰まりを生じさせて、これらの穴や孔を迅速、かつ確実に塞ぐ役割を果たす。
短繊維の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%以上あれば、短繊維を添加したことによるシール性を十分に発揮することができ、5質量%以下であれば、短繊維の絡み合いを防ぐことができ、粘性が増加しにくく、パンクシーリング剤の注入容易性が向上すると共に、既述のパンクシーリング剤の役割を十分に発揮し易い。
短繊維の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、0.3質量%〜4質量%とすることがより好ましく、0.5質量%〜3質量%とすることがさらに好ましい。
パンクシーリング剤について既述のような役割を十分に発揮させるため、短繊維についても種々の設計をする必要がある。そこで、短繊維の比重(S)、長さ(L)、直径(D)、および長さと直径との比(L/D)は、それぞれ、下記の範囲とすることが好ましい。
(1)比重(S):0.8≦S≦1.4(より好ましくは、0.9≦S≦1.3、さらに好ましくは、1.0≦S≦1.2)。
比重が0.8未満では、短繊維が上に浮いてしまって長期の分離安定性が低くなることがあり、1.4を超えると、短繊維が下に沈んでしまって長期の分離安定性が低くなることがある。
(2)長さ(L):0.05≦L≦10mm(より好ましくは、0.08≦L≦8mm、さらに好ましくは、0.1≦L≦6mm)。
長さが0.05mm未満では、短繊維がパンクによる欠陥部に目詰まりを生じさせてシール性を向上させる効果を十分に発揮させることができない場合があり、10mmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(3)直径(D):1≦D≦100μm(より好ましくは、3≦D≦80μm、さらに好ましくは、5≦D≦50μm)。
直径(太さ)が1μm未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、100μmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(4)長さと直径との比(L/D):5≦L/D≦2000(より好ましくは、20≦L/D≦1600、さらに好ましくは、50≦L/D≦1200、特に好ましくは、100≦L/D≦300)。
L/Dが5未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、2000を超えると、短繊維の絡み合いによるダマが発生し、シール性および注入容易性の低下を引き起こすことがある。
なお、短繊維は、一の材質からなるものを一定の形状で使用することができるが、既述の範囲で複数の材質からなるものを種々の形状で使用することもできる。
短繊維は、その材質に特に制限はないが、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、およびこれら2以上の複合体のいずれかからなることが好ましく、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、およびこれら2以上の複合体のいずれかからなることがより好ましい。かかる短繊維を使用することで、より良好な分離安定性が得られる。
短繊維は、その全量若しくはその一部(好ましくは全量)を、高級アルコール系誘導体および/またはベタイン系活性剤等の溶剤で処理しておくことが好ましい。かかる処理により、溶剤が活剤として作用し、短繊維の分散性を向上させることができる。
当該処理は、パンクシーリング剤に含有させる前でも後でもよい。処理方法としては、短繊維を上記溶剤に含浸したり、上記溶剤を吹き付けたりして行うことができる。高級アルコール誘導体としては、ポリグリコール系ポリエステル等が好適である。
溶剤の添加量(上記処理により短繊維に吸収される量)としては、短繊維質量の0.2質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、1質量%〜6質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であれば、短繊維の十分な分散効果が得られ、当該処理が良好で、効果の向上が期待できる。
(フィラー)
また迅速にシールしかつ大きな孔でも確実にシールできるように、パンクシーリング剤に1種又はそれ以上のフィラーを混合してもよい。安定したフィラーとしては、例えばケイ酸、チョーク、カーボンブラック、グラスファイバーで補強された合成樹脂、ポリスチレン粒子、タイヤ等の加硫成品の粉砕による粉末ゴム、おがくず、モスラバー粒子、カットフラワー用の発泡粒子等が採用できる。この中でも特に好ましいフィラーは、ケイ酸と結合したゴム粉末、およびグラスファイバーで補強された合成樹脂である。
フィラーは、パンクシーリング剤に直接添加され得る。しかしながら、フィラーが、バルブサイズを変更することなくバルブをへてパンクシーリング剤を導くのを困難または不可能にする大きさを有する限りにおいては、これらのフィラーは、一般的にタイヤをリム組みするときにタイヤの内部に導入され、タイヤにパンクが発生した際にパンクシーリング剤が注入されることによってシーリングを成し遂げる。
フィラーは、パンクシーリング剤中に、好ましくは約20g/リットル〜200g/リットル、より好ましくは60g/リットル〜100g/リットル加えられ、あるいはタイヤのリム組においてタイヤ内部に配される。
(水)
本発明のパンクシーリング剤は水を含有することができる。
水は、樹脂系粘着剤を樹脂系粘着剤エマルジョンとして用いる場合の各々の分散媒として用いることができるが、パンクシーリング剤の希薄化のために用いることもできる。
水の含有量は、パンクシーリング剤の粘度の観点から、本発明のパンクシーリング剤に対して、5質量%〜20質量%であることが好ましく、10質量%〜15質量%であることがより好ましい。
(他の添加剤)
本発明のパンクシーリング剤では、さらにパンクシーリング剤に、通常の分散剤、乳化剤、発泡安定剤を添加してもよい。
〔パンクシーリング剤の固形分〕
以上のような本発明のパンクシーリング剤において、パンクシーリング剤中の固形分の含有量は、以下のようにして求めることができる。
まず、パンクシーリング剤10gを4時間、140℃の状態で放置する。放置後の残留分の質量を測定し、当該残留分の質量をパンクシーリング剤の質量で除する(残留分の質量/放置前のパンクシーリング剤の質量)ことで求めることができる。
本発明のパンクシーリング剤中の固形分の含有量は、パンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%〜70質量%であることが好ましい。
固形分の含有量がパンクシーリング剤の全質量に対して、5質量%以上あれば十分なシール性を確保することが可能となる。また、70質量%以下であればシール性以外の特性を十分に確保することができる。
上記範囲内での固形分含有量のより好ましい上限は60質量%であり、さらに好ましくは50質量%であり、特に好ましくは40質量%である。また、上記範囲内で固形分の含有量のより好ましい下限は8質量%である。
〔パンクシーリング剤の粘度〕
パンクシーリング剤の粘度は、実際の使用条件として想定される条件(少なくとも、タイヤへの充填前であって60℃〜−60℃の範囲)において、3mPa・s〜20,000mPa・sであることが好ましく、5mPa・s〜4,500mPa・sであることがより好ましく、8mPa・s〜3,000mPa・sであることがさらに好ましく、10〜3,000mPa・sであることが特に好ましく、15〜1,500mPa・sであることが最も好ましい。
パンクシーリング剤の粘度が3mPa・s以上あれば、バルブへの注入時における液漏れを防止することができる。20,000mPa・s以下であれば、注入時の抵抗を抑えることができるため、注入容易性の低下を防止することができ、また、タイヤ内面への広がりを充分にすることができることから、高いシール性が得られる。
また、本発明のパンクシーリング剤は、上記のように、1価のアルコールの含有量を増加することによりさらに凝固点を下げることができ、−40℃以下のような極寒地でも低粘度で好適に用いることができる。−40℃におけるパンクシーリング剤の粘度は、3mPa・s〜5,000mPa・sであることが好ましく、10mPa・s〜3,000mPa・sであることがより好ましく、10mPa・s〜2,000mPa・sであることが特に好ましい。
パンクシーリング剤の粘度は、B型粘度計等により測定することができる。
〔パンクシーリング剤の製造方法〕
本発明のパンクシーリング剤の製造方法は、少なくとも、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを含み、pH9〜12である乳化混合物を準備する準備工程と、前記乳化混合物に不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程、前記乳化混合物に超音波照射を行う超音波照射工程、及び、前記乳化混合物に脱酸素剤を混合する脱酸素剤混合工程から選択される少なくとも1つの脱気工程を有する。
また、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを含み、pH9〜12である乳化混合物は、例えば、少なくとも、pHが10〜12であるゴムラテックスと、pHが7〜13である樹脂系粘着剤エマルジョンとを混合して得ることができる。
ゴムラテックスと樹脂系粘着剤エマルジョンとを混合しただけの乳化混合物には、溶存酸素が含まれており、乳化混合物に、不活性ガスを導入する処理や、超音波を照射する処理を施すか、更に脱酸素剤を混合しなければ、得られるパンクシーリング剤の溶存酸素濃度を6mg/L以下とすることができない。
以下、本発明のパンクシーリング剤の製造方法が有する各工程の詳細を説明する。
(準備工程)
準備工程では、少なくとも、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを含み、pH9〜12である乳化混合物を準備する。前記乳化混合物は、種々の方法で調製することができる。例えば、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを混合した後に、塩基または酸を更に添加してpH調整を施してもよいし、少なくとも、pHが10〜12であるゴムラテックスと、pHが7〜13である樹脂系粘着剤エマルジョンとを混合して得てもよい。
乳化混合物に含まれるゴムラテックスは、酸や塩基の添加により凝集し、分散性が不安定になることがあるため、乳化混合物は、予めゴムラテックスと樹脂系粘着剤エマルジョンの液性を調整しておき、混合する方法、すなわち、pHが10〜12であるゴムラテックスと、pHが7〜13である樹脂系粘着剤エマルジョンとを混合して得ることが好ましい。
パンクシーリング剤の製造において、ゴムラテックスのpHが10〜12の範囲外であり、かつ、樹脂系粘着剤エマルジョンのpHが7〜13の範囲外であると、ゴムラテックスと樹脂系粘着剤エマルジョンとの混合が強酸−強アルカリの反応になってしまい、混合時に反応熱が発生するため、安定したパンクシーリング剤を調製することができない。
また、パンクシーリング剤の製造は、酸化等を避けるため、好ましくは窒素又は希ガスの雰囲気で行うことが好ましい。また、パンクシーリング剤の保管や充填においても、酸化等を避けるため、窒素又は希ガスの雰囲気で行なうことが好ましい。
(脱気工程)
−不活性ガス導入工程−
不活性ガス導入工程では、少なくとも、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを含み、pH9〜12である乳化混合物に不活性ガスを導入する。
不活性ガスとしては、窒素ガスのほか、アルゴンガス等の希ガスが挙げられ、中でも窒素ガスが好ましい。
乳化混合物への不活性ガスの導入は、不活性ガスとして窒素ガスを用いる場合、窒素置換、窒素バブリングとも称される。
乳化混合物への不活性ガスの導入は、流速0.2L/分〜2L/分で行うことが好ましい。流速が上記範囲であることで、パンクシーリング剤の生産効率がよく、パンクシーリング剤の泡立ちを抑制することができる。
−超音波照射工程−
超音波照射工程では、少なくとも、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを含み、pH9〜12である乳化混合物に超音波照射を行う。
乳化混合物への超音波照射は、20℃〜30℃で行なうことが好ましい。また照射時間は、脱気向上の観点から、3分以上とすることが好ましく、5分以上とすることがより好ましい。照射時間の上限は、乳化混合物成分の損傷を回避するため2時間とすることが好ましい。
超音波の周波数は、15kHz〜50kHzとすることが好ましく、20kHz〜40kHzとすることがより好ましい。
乳化混合物に対しての超音波照射は、乳化混合物を格納した容器を、超音波洗浄器の液中(例えば水中)に漬けることにより行なうことができる。このような超音波洗浄器としては、メーカー、製品等特に制限されないが、例えば、東京理化器社製、超音波洗浄器MUS−60Dを用いることができる。
また、乳化混合物に対して、容器を介さず、直接超音波照射することも好ましい態様の1つである。例えば、容器内の乳化混合物中に金属上の棒を挿入し、超音波照射する。このような超音波照射機としては、メーカー、製品等特に制限されないが、例えば、東京理化器社製、超音波ホモジナイザーVC−505を用いることができる。
−脱酸素剤混合工程−
脱酸素剤混合工程では、少なくとも、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを含み、pH9〜12である乳化混合物に脱酸素剤を混合する。
脱酸素剤の詳細は既述のとおりである。乳化混合物への脱酸素剤の添加は、乳化混合物中の全固形分質量に対して、5質量%〜20質量%となるように行えばよい。
本発明のパンクシーリング剤の製造方法では、脱気工程は、不活性ガス導入工程と、超音波照射工程と、脱酸素剤混合工程との全3工程の中のいずれか1つの工程のみを有していてもよいし、2工程を有していてもよいし、全工程を有していてもよい。また、全3工程の中のいずれか2工程以上を有する場合は、各工程は順不同に行うことができる。さらに、不活性ガス導入工程、超音波照射工程、及び、脱酸素剤混合工程は、それぞれ、2回以上行ってもよい。
〔パンクシーリング剤によるパンクの修理方法〕
以上のようなパンクシーリング剤によるパンクの修理方法としては、公知の方法を適用することができる。すなわち、まず、パンクシーリング剤が充填された容器をタイヤのバルブ口に差し込み、適量を注入する。その後、パンクシーリング剤がタイヤ内面に広がりパンク孔をシールできるようにタイヤを回転させればよい。
このようなパンクシーリング剤そのものは、種々のポンプアップ装置、例えば燃料ガスとしてプロパン・ブタン混合ガスを含むスプレー缶を用いてタイヤの内部に導入されてタイヤを再膨張させうるが、図1に示されるポンプアップ装置20によってより好ましく使用できる。
図1に示されるポンプアップ装置20では、圧力源として小型のエアコンプレッサ1を用いている。このエアコンプレッサ1は、ホース2を介して耐圧容器4のガス導入部3に接続されている。ガス導入部3は、栓バルブ5で閉止できかつ耐圧容器4に収納されたパンクシーリング剤6の液面上までのびるライザーチューブとして形成されている。
また、耐圧容器4は、パンクシーリング剤6を取出すための出口バルブ7を有し、この出口バルブ7にホース8の一端が接続されるとともに、該ホース8の他端には、タイヤバルブ10にねじ止めされるねじアダプタ9が取付けられている。
耐圧容器4は、フィリングスタブ12を有し、かつ水が充填されたジャケット11を具える。必要に応じて加熱源としての塩化カルシウムがフィリングスタブ12内に充填されうる。パンクシーリング剤6が低温で凍結すると、この加熱源の水和作用で解放される熱によって、利用できる温度にパンクシーリング剤6が加熱される。
エアコンプレッサ1には、電気ケーブル13が接続され、そのプラグ14は、例えば、シガレットライターに差込まれる。
タイヤにパンクが発生すると、ねじアダプタ9がタイヤバルブ10にねじ止めされ、かつエアコンプレッサ1がシガレットライターに接続されるとともに、耐圧容器4のガス導入部3において栓バルブ5が開かれる。そしてエアコンプレッサ1から耐圧容器4内にガス導入部3をへて導入される圧縮空気が、出口バルブ7からパンクシーリング剤6を押出し、タイヤバルブ10をへてタイヤの内部に導入させる。然る後、空気がタイヤの内部に再充填され、タイヤを特定の内圧で膨張させる。これが終わると、ねじアダプタ9をタイヤバルブ10から取外し、エアコンプレッサ1を止める。この直後に、一定距離に亘って予備走行し、タイヤ内部にパンクシーリング剤6を散布しつつパンク孔をシールした後、ポンプアップ装置20が再び接続されてタイヤを要求される内圧まで再度、ポンプアップする。
また、本発明のパンクシーリング剤は、図2(A)、(B)に示されるポンプアップ装置によってもより好ましく使用できる。なお、図2(A)、(B)に示されるポンプアップ装置において、図1に示されるポンプアップ装置20と共通の部分には同一符号を付して説明を省略する。
このポンプアップ装置は、図2(A)に示されるパンクシーリング剤6の収納容器である樹脂製のボトル22と、図2(B)に示される圧力源としてのエアコンプレッサ1とを備えている。ボトル22は、1回のパンク修理に必要なパンクシーリング剤6を収容している。ボトル22には、先端部にアダプタ26が配置されたホース24が接続されている。またエアコンプレッサ1に接続されたホース2にも、その先端部にアダプタ9が配置されている。但し、ボトル22のホース24については、タイヤバルブ10に直接接続可能なものであるならばアダプタ26を省略してもよい。
パンク発生時に、ボトル22のアダプタ26がタイヤバルブ10にねじ止めされる。これにより、ホース24及びアダプタ26を通してタイヤ内に連通する。この状態で、作業者は、図2(A)で2点鎖線(想像線)により示されるように、ボトル22を握り潰してパンクシーリング剤6をボトル22内から搾り出すことにより、ホース24を通してパンクシーリング剤6をタイヤ内へ注入する。
ボトル22内からタイヤ内へのパンクシーリング剤6の注入が完了すると、作業者は、アダプタ26をタイヤバルブ10から取り外してボトル22をタイヤから切り離す。
次いで、作業者は、エアコンプレッサ1のアダプタ9をタイヤバルブ10にねじ止めし、アダプタ9及びホース2を通してエアコンプレッサ1をタイヤ内に連通させる。この状態で、作業者は、エアコンプレッサ1を作動させて加圧空気をタイヤ内へ再充填し、タイヤを特定の内圧で膨張させる。これが終わると、作業者は、アダプタ9をタイヤバルブ10から取外し、エアコンプレッサ1を止める。この直後に、一定距離に亘って予備走行し、タイヤ内部にパンクシーリング剤6を散布しつつパンク孔をシールした後、作業者は、ポンプアップ装置のエアコンプレッサ1を再び接続してタイヤを要求される内圧まで再度、ポンプアップする。
本発明のパンクシーリング剤は、種々の空気入りタイヤのパンク修理に適用することができる。例えば、自動車用タイヤ、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤ等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔実施例1〜8、及び比較例1〜4〕
<パンクシーリング剤の調製>
下記表1の「組成」欄に記載の各成分を混合して、乳化混合物を調製した。
下記表1中、お、表1中に示す実施例1〜実施例8および比較例1〜比較例4の各列における「組成」欄の数値の単位は、いずれも「質量部」である。また、「ラテックス」欄および「粘着剤」欄に示す数値は、それぞれ、用いたゴムラテックスの固形分量および樹脂系粘着剤エマルジョンの固形分量である。
表1に示すゴムラテックス及び樹脂系粘着剤エマルジョンは、ゴムラテックス及び樹脂系粘着剤エマルジョンに、酢酸(CHCOOH)水溶液及び水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液のいずれか一方または両方を添加することにより、それぞれ、表1の「pH」欄に示す液性(pH)に調整した。
実施例3、比較例3、及び比較例4においては、得られた乳化混合物を、パンクシーリング剤とした。得られたパンクシーリング剤を、200メッシュのフィルターを使用して濾過し、ステンレス容器に500g充填した。
実施例1、実施例2、実施例4〜実施例8、比較例1、及び比較例2においては、得られた乳化混合物を200メッシュのフィルターを使用して濾過し、ステンレス容器に500g充填した後に、表1に示す処理(窒素置換または超音波照射)を施した。
なお、窒素置換はステンレス容器の各容器内底面にガラス管を接触させ、ガラス管を通じて、流速0.6mL/分の窒素ガスを液中に5分間流入させることにより行なった。
また、超音波照射は、東京理化器社製、超音波ホモジナイザーVC−505のプローブを乳化混合物中に入れ、5分間、超音波を照射した。
実施例1、実施例2、実施例4〜実施例8、比較例1、及び比較例2においては、窒素置換または超音波照射の各処理を完了したことをもって、パンクシーリング剤の完成とした。
−パンクシーリング剤のpHと溶存酸素濃度−
ステンレス容器に充填したパンクシーリング剤のpHと溶存酸素濃度を測定し、表1に示した。
なお、パンクシーリング剤のpHは、東亜DDK(株)製、IM−22Pにより測定した。
パンクシーリング剤の溶存酸素濃度は、パンクシーリング剤をステンレス容器に充填してから60分後に、島津製作所社製、溶存酸素計DO142を用いて測定した。
<評価>
1.保存安定性評価
パンクシーリング剤が充填されたステンレス容器を80℃のオーブンに保管後、パンクシーリング剤の性状を観察し、パンクシーリング剤のクリーム化またはゲル化の有無により熱的安定性を評価した。評価基準は以下のとおりであり、実用上の許容範囲は、○と◎である。
−評価基準−
◎:80℃で3ヶ月保管後、性状に変化なし。
○:80℃で2ヶ月保管後、性状に変化なし。
△:80℃で1ヶ月保管後は性状に変化が無いが、80℃で2ヶ月保管後には性状に変化(クリーム/ゲル発生)が見られた。
×:80℃で保管後1ヶ月以内に、性状に変化(クリーム/ゲル発生)が見られた。
2.パンクシール性評価
1つのタイヤのタイヤトレッド溝部に、φ2.3mmの穴をドリルであけ、作製したパンクシーリング剤を注入し、車に装着した。その後、0.2MPaの空気圧を維持しながら、約50km/hで車を走行させ、何km走行時にシールが完了するかにより、パンク穴シール性の評価を行った。具体的基準は下記のとおりである。実用上の許容範囲は、○である。
○:5km未満
△:5km以上8km未満
×:8km以上
3.ホイール塗装の腐食防止性評価
ホイール表面に得られたパンクシーリング剤を塗布して、35℃の高温下で該ホイールを一定期間保管し、下記評価方法により評価した。実用上の許容範囲は、○である。
−評価方法−
○:35℃で2週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれが無い。
△:35℃で1週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれが無いが、35℃で2週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際には塗装の剥がれがある。
×:35℃で1週間保管後、ホイール塗装のピーリングテストを行った際に、塗装の剥がれがある。
表1の結果より、液性がpH9〜12の範囲外であり、かつ、溶存酸素濃度が6mg/Lを超える比較例1〜4のパンクシーリング剤は、実施例のパンクシーリング剤に比べ、保存安定性及び腐食防止性が不十分であることがわかった。
3 ガス導入部
4 耐圧容器
6 シーリング剤
7 出口バルブ
20 ポンプアップ装置

Claims (4)

  1. 少なくとも、ゴムラテックスと樹脂系粘着剤とを含有し、pHが9〜12であり、かつ、溶存酸素濃度が6mg/L以下であるパンクシーリング剤。
  2. さらに、脱酸素剤を含有する請求項1に記載のパンクシーリング剤。
  3. 少なくとも、ゴムラテックスと、樹脂系粘着剤とを含み、pH9〜12である乳化混合物を準備する準備工程と、
    前記乳化混合物に不活性ガスを導入する不活性ガス導入工程、前記乳化混合物に超音波照射を行う超音波照射工程、及び、前記乳化混合物に脱酸素剤を混合する脱酸素剤混合工程から選択される少なくとも1つの工程を有するパンクシーリング剤の製造方法。
  4. 前記乳化混合物は、少なくとも、pHが10〜12であるゴムラテックスと、pHが7〜13である樹脂系粘着剤エマルジョンとを混合して得る請求項3に記載のパンクシーリング剤の製造方法。

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