JPH0673228A - アクリル系フォーム制振材 - Google Patents

アクリル系フォーム制振材

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JPH0673228A
JPH0673228A JP25050092A JP25050092A JPH0673228A JP H0673228 A JPH0673228 A JP H0673228A JP 25050092 A JP25050092 A JP 25050092A JP 25050092 A JP25050092 A JP 25050092A JP H0673228 A JPH0673228 A JP H0673228A
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JP
Japan
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emulsion
foam
monomer
acrylate
group
Prior art date
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Pending
Application number
JP25050092A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Yonekawa
芳明 米川
Akio Hiraharu
晃男 平春
Yorinobu Ikeda
頼信 池田
Yasuhisa Watabe
康久 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP25050092A priority Critical patent/JPH0673228A/ja
Publication of JPH0673228A publication Critical patent/JPH0673228A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制振性、圧縮回復性、強度、耐水性、耐候
性、耐熱性等を含めた諸特性に優れ、種々の環境下でも
長期にわたり所要の制振性能を保持しうる制振材を提供
する。 【構成】 アクリル酸エステルおよび/またはメタクリ
ル酸エステルの重合体エマルジョンから形成された架橋
フォームを基材とする制振材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系重合体のエ
マルジョンから形成された架橋フォームを基材とする制
振材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フォームは、ゴム、オレフン系樹
脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、熱硬化性樹脂等の種々の材料から
得られているが、これらのフォームは、一般に有機発泡
剤を使用して発泡されており、また、特に天然ゴムラテ
ックス、クロロプレンラテックス、スチレンブタジエン
ゴムラテックス、ニトリルゴムラテックス等のゴムラテ
ックスでは機械発泡させてフォームを形成している。
【0003】しかしながら、揮発性溶剤、フレオン系ガ
ス等の有機発泡剤を使用するのは、環境上、健康上等に
問題があり、しかも性能面でもフォーム強度、耐候性等
が充分ではなかった。また、前記のようなゴムラテック
スを機械発泡させたフォームも、その化学構造に起因し
て、耐水性、耐候性、耐熱性等が十分でなかった。
【0004】一方、フォームの用途は、制振材、防音
材、パッキング材、保温・断熱材、緩衝材、建材・内装
材等と幅広く、特に制振材については、近年の産業技術
や交通機関の発達、建築物への免振構造の導入、生活環
境、作業環境等の改善への要請等を反映して、産業用、
民生用を問わず幅広い分野で使用されている。そして、
制振材用フォームとしても、非フォーム系あるいはフォ
ーム系材料が用いられており、そのうちフォーム系材料
には、従来、焼結金属やコルク材のほか、前記した各種
のゴム、樹脂等の高分子材料からなるものがあるが、特
に高分子材料からなるフォームでは、全般的に耐候性や
耐熱性が十分でなく、また圧縮回復性および強度も低い
ため、経時的に制振性能が低下する点が大きな課題とな
っており、また使用環境や利用分野も制約されていた。
また、アクリル系重合体エマルジョンを機械発泡させ
て、耐候性、耐水性、耐熱性等の良いフォームを形成す
ることも知られているが(例えば特公昭54−2842
5号公報、特開平2−264079号公報参照)、従
来、このようなアクリル系フォームは主に敷物類の裏打
ち材等として利用されているに過ぎず、しかも物性面で
も、圧縮回復性、強度等の基本特性の面で、必ずしも満
足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、制振性、圧縮回復性、強度、耐候性、耐水性、
耐熱性等を含めた諸特性に優れ、種々の環境下でも所要
の制振性能を保持しうる制振材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アクリ
ル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重
合体エマルジョンから形成された架橋フォームを基材と
することを特徴とする制振材を要旨とするものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明するが、これに
より、本発明の目的、構成および効果が明確になるであ
ろう。本発明において使用されるアクリル酸エステルお
よび/またはメタクリル酸エステルの重合体(以下、
「アクリル系重合体」という。)は、アクリル酸エステ
ルあるいはメタクリル酸エステル(以下、アクリル酸エ
ステルおよびメタクリル酸エステルをまとめて表記する
ときは、「アクリル系エステル」という。)の単独重合
体もしくは2種以上のアクリル系エステル相互の共重合
体、または1種以上のアクリル系エステルと1種以上の
他の単量体との共重合体である。これらのアクリル系重
合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用される。
【0008】本発明におけるアクリル系エステルとは、
アクリル酸あるいはメタクリル酸と、脂肪族、脂環族あ
るいは芳香族の非置換アルコールとのエステルを意味す
る。ここでいう非置換とは、炭化水素基以外の置換基を
もたないことを意味する。
【0009】前記アクリル系エステルの具体例として
は、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、メタク
リル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘ
キシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチ
ル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸イソノニル、メ
タクリル酸n−ノニル、メタクリル酸イソノニル、アク
リル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ウンデ
シル、メタクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、
メタクリル酸ドデシル、アクリル酸n−アミル、アクリ
ル酸イソアミル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル
酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウ
リル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、ア
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル
等を挙げることができる。好ましいアクリル系エステル
は、アルキル基の炭素数が1〜12であるアクリル酸ア
ルキルエステルあるいはメタクリル酸アルキルエステル
であり、より好ましくはアクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチルあるいはアクリル酸イソノニルである。
【0010】次に、本発明において使用されるアクリル
系エステルと他の単量体との共重合体において、該他の
単量体としては、架橋性官能基を有する単量体および
架橋性官能基をもたない単量体が挙げられる。
【0011】まず、架橋性官能基を有する単量体は、
アクリル系エステルと共重合して架橋アクリル系重合体
を生成する単量体、またはフォームの形成と同時あるい
はフォームの形成後に、触媒の存在下あるいは非存在下
で、また加熱下あるいは非加熱下で架橋アクリル系重合
体を生成する単量体である。本発明においては、架橋
性官能基を有する単量体として、フォームの形成後に架
橋反応を生起する単量体を使用することが好ましい。前
記架橋性官能基としては、カルボキシル基、酸無水物
基、水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、多官能
性不飽和結合等を挙げることができる。
【0012】架橋性官能基を有する単量体の具体例を
挙げると、カルボキシル基を有する単量体としては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル
酸、マレイン酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノ
カルボン酸あるいはエチレン性不飽和ポリカルボン酸ま
たはそれらの塩等;
【0013】酸無水物基を有する単量体としては、例え
ば前記エチレン性不飽和ポリカルボン酸無水物等;
【0014】水酸基を有する単量体としては、例えばN
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド、アリルアルコール、メタリルアルコール、ア
クリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシメ
チル、アクリル酸1−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
1−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、
アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシ
ブチル等;
【0015】アミノ基を有する単量体としては、例えば
アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル、
アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、β−アミノエチルビニルエーテル、ジ
メチルアミノエチルビニルエーテル、ビニルアミン、ビ
ニルメチルアミン、ビニルエチルアミン、ビニルジメチ
ルアミン、ビニルジエチルアミン、アリルアミン、アリ
ルジメチルアミン、メタリルジエチルアミン、ビニルジ
フェニルアミン、アリルジメチルアミン、メタアリルジ
エチルアミン、p−アミノスチレン等;
【0016】アミド基を有する単量体としては、例えば
アクリルアミド、メタクリルアミド、エタクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリル
アミド、クロトンアミド、イタコンジアミド、メチルイ
タコンアミド、マレインジアミド、N−ブトキシメチル
アクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミ
ド、N−ブトキシエチルアクリルアミド、N−ブトキシ
エチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−n
−プロピオキシメチルアクリルアミド、N−n−プロピ
オキシメチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルア
ミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメ
タクリルアミド等;
【0017】エポキシ基を有する単量体としては、例え
ばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ビ
ニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等
のエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステルあ
るいはエチレン性不飽和アルコールのグリシジルエーテ
ル等;
【0018】多官能性不飽和結合を有する単量体として
は、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールのジ
アクリレートまたはジメタクリレート、ポリエチレンク
リコール(例えばジエチレングリコール等)のジアクリ
レートまたはジメタクリレート、プロピレングリコール
のジアクリレートまたはジメタクリレート、ポリプロピ
レングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパンのポリアクリレートまたは
ポリメタクリレート、グリセリンのポリアクリレートま
たはポリメタクリレート、末端水酸基含有ポリエステル
のポリアクリレートまたはポリメタクリレート、ジアリ
ルフタレート等を挙げることができる。
【0019】また、架橋性官能基を有する単量体は、
前記のような架橋性官能基を2種以上有することもでき
る。この場合の架橋性官能基の組合せには種々のものが
あるが、例えば、カルボキシル基と水酸基との両方を有
する単量体としてイタコン酸モノ(ヒドロキシエチ
ル)、マレイン酸モノ(ヒドロキシエチル)等が、カル
ボキシル基とアミノ基との両方を有する単量体としてイ
タコン酸モノ(アミノエチル)酸、マレイン酸モノ(ア
ミノエチル)等が、カルボキシル基とアミド基との両方
を有する単量体としてイタコン酸モノアミド、マレイン
酸モノアミド等が、カルボキシル基とエポキシ基との両
方を有する単量体としてイタコン酸モノグリシジル、マ
レイン酸モノグリシジル等が、水酸基とアミノ基との両
方を有する単量体としてアクリル酸1−アミノ−2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸1−ヒドロキシ−2−ア
ミノエチル、イタコン酸(アミノエチル)(ヒドロキシ
エチル)、マレイン酸(アミノエチル)(ヒドロキシエ
チル)等が、水酸基とエポキシ基との両方を有する単量
体としてイタコン酸(ヒドロキシエチル)(グリシジ
ル)、マレイン酸(ヒドロキシエチル)(グリシジル)
等が、アミノ基とアミド基との両方を有する単量体とし
てN−アミノエチルアクリルアミド、N−アミノエチル
−メタクリルアミド、N−ジメチルアミノメチル−アク
リルアミド、N−ジメチルアミノメチル−メタクリルア
ミド、N−アミノプロピル−アクリルアミド、N−アミ
ノプロピル−メタクリルアミド、N−ジメチルアミノプ
ロピル−アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル
−メタクリルアミド等が、アミノ基とエポキシ基との両
方を有する単量体としてイタコン酸(アミノエチル)
(グリシジル)、マレイン酸(アミノエチル)(グリシ
ジル)等が、アミド基とエポキシ基との両方を有する単
量体としてグリシジルイタコン酸モノアミド、グリシジ
ルマレイン酸モノアミド等が、それぞれ挙げられる。
【0020】これらの架橋性官能基を有する単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0021】本発明において、架橋性官能基を有する
単量体は、その官能基自体で架橋反応を生起しうる場合
は、単一の架橋性官能基を有する単量体を使用すること
ができるが、それ以外の場合は、相互に反応しうる2種
以上の官能基を同一分子内に有する単量体を使用する
か、または相互に反応しうる官能基をそれぞれ有する2
種以上の単量体を併用する。
【0022】このような相互に反応しうる官能基の組合
せとしては、例えばカルボキシル基/水酸基の組合せ
(以下同様)、カルボキシル基/アミノ基、カルボキシ
ル基/エポキシ基、酸無水物基/水酸基、酸無水物基/
アミノ基、水酸基/エポキシ基、アミノ基/エポキシ基
等を挙げることができる。
【0023】次に、架橋性官能基をもたない単量体と
しては、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
体、エチレン性不飽和エステル系単量体、エチレン性不
飽和エーテル系単量体、エチレン性不飽和シラン系単量
体、ハロゲン化ビニル系単量体、脂肪族共役ジエン系単
量体等を挙げることができる。
【0024】前記芳香族ビニル系単量体の例には、スチ
レン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチ
レン、α−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−
メトキシスチレン、p−アミノスチレン、p−アセトキ
シスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、α−ビニ
ルナフタレン、1−ビニルナフタレン−4−スルホン酸
ナトリウム、2−ビニルフルオレン、2−ビニルピリジ
ン、4−ビニルピリジン等が挙げられ、特にスチレンが
好ましい。
【0025】前記シアン化ビニル系単量体の例には、ア
クリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−メ
トキシアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−ク
ロロメタクリロニトリル、α−メトキシメタクリロニト
リル、シアン化ビニリデン等が挙げられ、特にアクリロ
ニトリルが好ましい。
【0026】前記エチレン性不飽和エステル系単量体の
例には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸アリ
ル、カプロン酸メタアリル、ラウリン酸アリル、安息香
酸アリル、アルキルスルホン酸ビニル、アルキルスルホ
ン酸アリル、アリールスルホン酸ビニル、イタコン酸ジ
メチル、イタコン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマ
ル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチ
ル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ビニルスル
ホン酸メチル、イソプレンスルホン酸メチル、ビニルス
ルホン酸エチル、イソプレンスルホン酸エチル等が挙げ
られる。
【0027】前記エチレン性不飽和エーテル系単量体の
例には、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロビルビニルエーテル、イソプロピルビニル
エーテル、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテ
ル等が挙げられる。
【0028】前記エチレン性不飽和シラン系単量体の例
には、ビニルトリエチルシラン、メチルビニルジクロロ
シラン、ジメチルアリルクロロシラン、ビニルトリクロ
ロシラン等が挙げられる。
【0029】前記ハロゲン化ビニル系単量体の例には、
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、1,2−ジフルオロ
エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、1,2−ジク
ロロエチレン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、1,2−
ジブロモエチレン等が挙げられる。
【0030】前記脂肪族共役ジエン系単量体の例には、
1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオ
ペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−
ブタジエン、1,2−ジクロロ−1,3−ブタジエン、
2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−
1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエ
ン、置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖および側鎖共役
ヘキサジエン等が挙げられ、特に1,3−ブタジエンが
好ましい。
【0031】本発明において、アクリル系エステル相互
の共重合体における好ましい単量体の組合せとしては、
アクリル酸エチル/メタクリル酸メチルの組合せ(以下
同様)、アクリル酸n−ブチル/メタクリル酸メチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸メチル、
アクリル酸エチル/アクリル酸n−ブチル/メタクリル
酸メチル等を挙げることができる。
【0032】また、アクリル系エステルと架橋性官能
基を有する単量体との共重合体における好ましい単量体
の組合としては、(i)アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルの少な
くとも1種、(ii)メタアクリル酸メチル、並びに (iii)
カルボキシル基含有単量体、(N−メチロール)アミド
基含有単量体およびエポキシ基含有単量体の少なくとも
1種からなるものを挙げることができ、より具体的に
は、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリ
ル酸、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタク
リル酸/N−メチロールアクリルアミド、アクリル酸エ
チル/アクリル酸n−ブチル/メタクリル酸メチル/N
−メチロールアクリルアミド、アクリル酸エチル/アク
リル酸n−ブチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸
/メタクリル酸グリシジル/N−メチロールアクリルア
ミド等が挙げられる。
【0033】次に、アクリル系エステル、架橋性官能
基を有する単量体および架橋性官能基を持たない単量
体からなる共重合体における好ましい単量体の組合とし
ては、(i) アクリル酸エステルおよび/ またはメタクリ
ル酸エステル、(ii)カルボキシル基含有単量体、水酸基
含有単量体、アミド基含有単量体、N−メチロールアミ
ド基含有単量体およびエポキシ基含有単量体の少なくと
も1種、並びに (iii)芳香族ビニル系単量体およびシア
ン化ビニル系単量体の少なくとも1種からなるものを挙
げることができ、より具体的には、アクリル酸エチル/
アクリル酸2−ヒドロキシエチル/アクリルアミド/ア
クリロニトリル、アクリル酸エチル/メタクリル酸/N
−メチロールアクリルアミド/スチレン/アクリロニト
リル、アクリル酸エチル/アクリル酸n−ブチル/メタ
クリル酸/N−メチロールアクリルアミド/スチレン、
アクリル酸エチル/アクリル酸n−ブチル/メタクリル
酸メチル/メタクリル酸/N−メチロールアクリルアミ
ド/アクリロニトリル、アクリル酸エチル/アクリル酸
n−ブチル/2−ヒドロキシエチルアクリレート/N−
メチロールアクリルアミド/アクリロニトリル、アクリ
ル酸エチル/アクリル酸n−ブチル/メタクリル酸グリ
シジル/N−メチロールアクリルアミド/アクリロニト
リル、アクリル酸n−ブチル/2−ヒドロキシエチルア
クリレート/メタクリル酸グリシジル/スチレン、アク
リル酸n−ブチル/メタクリル酸グリシジル/N−メチ
ロールアクリルアミド/スチレン/アクリロニトリル/
ブタジエン等が挙げられる。
【0034】さらに、アクリル系エステルと架橋性官
能基を持たない単量体とからなる共重合体における好ま
しい単量体の組合せとしては、(i) アクリル酸エステル
および/またはメタクリル酸エステルと(ii)芳香族ビニ
ル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の少なくとも
1種とからなるものを挙げることができ、より具体的に
は、アクリル酸エチル/スチレン、アクリル酸エチル/
アクリロニトリル、アクリル酸n−ブチル/スチレン、
アクリル酸n−ブチル/アクリロニトリル、アクリル酸
n−ブチル/メタクリル酸メチル/スチレン、アクリル
酸n−ブチル/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル
等が挙げられる。
【0035】本発明に使用されるアクリル系重合体が
架橋性官能基を有する単量体を含有する場合、アクリル
系重合体中の各単量体の含有率は、アクリル系エステル
が、通常10〜99.9重量%、好ましくは15〜98
重量%、さらに好ましくは17〜97重量%であり、
架橋性官能基を有する単量体が、通常0.1〜10重量
%、好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは1
〜5重量%であり、そして架橋性官能基をもたない単
量体が、通常89.9重量%以下である。また、アクリ
ル系重合体がアクリル系エステルと架橋性官能基をも
たない単量体との共重合体である場合、即ち架橋性官
能基を有する単量体を含有しない共重合体の場合では、
アクリル系エステルの含有率は、通常10重量%以上で
あり、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは
30〜80重量%、特に好ましくは40〜75重量%で
ある。
【0036】本発明において使用されるアクリル系重合
体のエマルジョンは、アクリル系エステルを、好ましく
は架橋性官能基を有する単量体とともに、場合により
架橋性官能基をもたない単量体の存在下で、水性媒体
中で乳化重合することにより製造することが好ましい。
このような乳化重合は、通常、単量体の合計100重量
部に対して100〜200重量部の水を使用し、乳化剤
および重合開始剤の存在下で、場合により連鎖移動剤、
各種電解質、pH調整剤等を添加して、10〜90°
C、好ましくは40〜80°Cの温度で、5〜15時間
重合することによって行なわれる。乳化重合に際して
は、使用単量体を一括添加、分割添加あるいは連続添加
などの適宜の方法で添加することができる。前記分割添
加あるいは連続添加に際しては、単量体を重合開始剤等
の他の添加成分とともに添加することができ、あるいは
前記他の添加成分を予め全量添加しておき、単量体の一
部または全部を分割あるいは連続して添加することもで
きる。また分割添加あるいは連続添加される単量体は予
め乳化しておくこともできる。
【0037】前記乳化重合における乳化剤としては、ア
ニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面
活性剤、両性界面活性剤等の1種以上が使用され、これ
らの界面活性剤は親油性基がフッ素化されたフッ素系界
面活性剤であることもできる。
【0038】前記アニオン界面活性剤には、脂肪酸のア
ルカリ金属塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリ
オキシエチレン・アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシ
エチレン・アルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂肪油の
硫酸エステル塩、脂肪族アミンまたは脂肪族アミドの硫
酸塩、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族
アミドのスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルスル
ホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルス
ルホこはく酸塩、ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸
塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル
塩等が使用される。アニオン界面活性剤の具体例として
は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナト
リウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリ
ウム等が挙げられ、特にラウリル硫酸ナトリウム、ジフ
ェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムを使用すること
により、本発明の効果が顕著に発揮される。
【0039】また前記ノニオン界面活性剤の具体例とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0040】さらに、前記乳化重合において使用するこ
とができるフッ素系界面活性剤には、親水性基としてカ
ルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩等の基を
有するアニオン界面活性剤、親水性基としてポリオキシ
エチレン基を有するノニオン界面活性剤、親水性基とし
てアミン塩、第四級アンモニウム塩等の基を有するカチ
オン界面活性剤、両性界面活性剤等がある。フッ素系界
面活性剤は一般に界面活性が高く、親油性基の炭素数が
一般の界面活性剤より小さくても十分な乳化作用を示す
ものが多い。このようなフッ素系界面活性剤としては、
パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアル
キルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステ
ル、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、
パーフルオロアルキルポリオキシエチレン、パーフルオ
ロアルキルベタイン等が挙げられる。
【0041】乳化剤の好ましい使用量は、単量体の合計
量に対して、通常0.5〜10重量%であり、特に1〜
8重量%が好ましい。乳化剤の使用量が少な過ぎると凝
固物が発生するなどエマルジョンの安定性が低下する傾
向を示し、また多過ぎてもアクリル系重合体のエマルジ
ョンから形成される架橋フォームの耐水性等が低下する
傾向を示す。
【0042】前記乳化重合において使用することができ
る重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素等の無機系開始剤、クメンハイドロ
パーオキシド、イソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
シド、パラメンタンハイドロパーオキシド、ベンゾイル
パーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジラウロ
イルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、アソ
ビスイソバレロニトリル、アゾビスイソカプロニトリ
ル、アゾビス(フェニルイソブチロニトリル)等の有機
系開始剤を挙げることができる。重合開始剤の使用量
は、単量体の合計量に対して0.03〜2重量%が好ま
しく、特に0.05〜1重量%が好ましい。
【0043】また乳化重合を促進させるために、還元
剤、キレート化剤等を添加することもできる。前記還元
剤の例には、ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グルコース、
ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、L−ア
スコルビン酸およびその塩、亜硫酸水素ナトリウム等が
挙げられ、前記キレート化剤の例には、グリシン、アラ
ニン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0044】前記乳化重合において使用することができ
る連鎖移動剤としては、2,4−ジフェニル−4−メチ
ル−1−ペンテン成分を好ましくは60重量%以上含有
するα−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α
−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、ジメ
チルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲン
ジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィ
ド、テトレメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチ
ルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスル
フィド、ジペンタメチルチウラムジスルフィド等が挙げ
られる。連鎖移動剤の使用量は、通常、単量体の合計量
に対して15重量%以下である。
【0045】以上、本発明におけるアクリル系重合体の
エマルジョンを製造する乳化重合法について説明した
が、このアクリル系重合体のエマルジョンは、少なくと
も重合の最後の段階が乳化重合法以外の重合方法、例え
ば塊状重合、溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状−懸
濁重合等、により得られるアクリル系重合体を水性媒質
中に乳化分散させる方法によっても製造することができ
るものである。この場合に使用される乳化剤としては、
前述した乳化重合法に使用されるような各種界面活性剤
を挙げることができる。
【0046】本発明におけるアクリル系重合体のガラス
転移点は、通常−60°C〜+25°Cであり、好まし
くは−30°C〜+15°Cである。ガラス転移点が−
60°Cより低いと、フォームの粘着性が強すぎて取扱
にくくなり、また架橋フォームの強度も低くなる傾向が
ある。一方+25°Cより高いと、架橋フォームが硬す
ぎて柔軟性に乏しくなるため、制振性能が不十分となっ
たり、用途が制約されたりする場合がある。
【0047】本発明におけるアクリル系重合体のガラス
転移点は、理学電気(株)製の示差走査熱量分析計(D
SC)を用い、次の条件で測定したものである。 (a) アクリル系重合体のエマルジョン約5gをガラス板
に薄く引き延ばし、25°Cで7日間乾燥させて、フィ
ルムを形成させる。 (b) 得られたフィルムについて、昇温速度:20°C/
分、雰囲気:窒素、サンプル量:20mgの測定条件
で、ガラス転移点を測定する。
【0048】本発明におけるアクリル系重合体のエマル
ジョンの平均粒径は、通常120〜500nmであり、
好ましくは170〜350nmである。平均粒径が12
0nm未満であると、エマルジョンの粘度が高くなりす
ぎるため、高固形分のエマルジョンを得ることが困難と
なり、その結果、良好な成形品が得られ難くなる。一方
500nmを超えると、架橋フォームの耐水性、耐溶剤
性等が低くなる傾向がある。なお、この平均粒径は、酢
酸ウラニルおよびオスミウム酸で処理したエマルジョン
の電子顕微鏡写真から、エマルジョン粒子100個以上
の粒径を数平均したものである。アクリル系重合体のエ
マルジョンの平均粒径は、乳化重合時の攪拌条件、乳化
剤の使用量等を調節することにより制御することができ
る。
【0049】本発明において使用されるアクリル系重合
体のエマルジョンには、ワックスおよび/または珪ふっ
化塩を配合することができ、それによって、架橋フォー
ムの圧縮回復性等をさらに改善することができる。
【0050】前記ワックスの具体例としては、酸化ポリ
エチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、グリ
コール変性酸化ポリプロピレンワックス、エチレンアク
リル酸共重合体ワックス、パラフィンワックス等を挙げ
ることができる。特に好ましいワックスは、酸化ポリエ
チレンワックスである。これらのワックスは、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。これら
のワックスは、アクリル系重合体のエマルジョンとの混
和性を改善するために、予め乳化して添加することもで
きる。
【0051】本発明において、ワックスを配合する際の
使用量は、アクリル系重合体のエマルジョン100重量
部(固形分換算)当たり、通常0.2〜20重量部であ
る。ワックスの配合量が20重量部を超えると、架橋フ
ォームの強度、耐水性、耐候性等が低下する。
【0052】また前記珪ふっ化塩としては、珪ふっ化ナ
トリウム、珪ふっ化カリウム、珪ふっ化アンモニウム等
が使用されるが、好ましい珪ふっ化塩は珪ふっ化ナトリ
ウムおよび珪ふっ化カリウムであり、特に珪ふっ化カリ
ウムが好ましい。これらの珪ふっ化塩は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0053】本発明において、珪ふっ化塩を配合する際
の使用量は、アクリル系重合体100重量部に対して、
0.05〜10重量部であり、好ましくは0.1〜8重
量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。珪ふっ
化塩の使用量が10重量部を超えると、フォームを形成
する際のエマルジョンが不安定となって発泡機内でゲル
化が起こり易く、作業性が悪くなる。
【0054】本発明においては、珪ふっ化塩は、アクリ
ル系重合体のエマルジョンの発泡前および/または発泡
中に添加される。その際、珪ふっ化塩の一部または全量
を前記エマルジョンの発泡中に添加することが好まし
い。珪ふっ化塩を発泡中に添加する際には、その全量を
一度に添加することができ、またその一部または全量を
分割または連続して添加することもできる。
【0055】本発明において、珪ふっ化塩の存在下でア
クリル系重合体のエマルジョンを発泡させることにより
フォームを形成する好ましい方法は、アクリル系重合体
のエマルジョンの発泡状態が均一になった時点、例えば
発泡系の比重が0.3〜0.5程度となった時点で珪ふ
っ化塩を添加し、次いで、温度を通常80°C以上、好
ましくは100〜130°C程度とし、加熱時間を通常
10分以上、好ましくは20〜40分程度として、加熱
ゲル化させる方法である。
【0056】また本発明においては、酢酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ア
ンモニウム等のアンモニウム塩、アルキルフェノールア
ルキレンオキシド付加物、ポリビニルメチルエーテル、
ポリプロピレングリコール、ポリエーテルポリホルマー
ル、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
アルキルフェノールホルマリン縮合物のアルキレンオキ
シド付加物、オルガノポリシロキサン、ニトロパラフィ
ン、トリプシン、蛋白等の感熱化剤を、珪ふっ化塩と併
用することもできる。
【0057】さらに、本発明においては、アクリル系重
合体のエマルジョンにポリウレタン系エマルジョンを配
合することができる。このポリウレタン系エマルジョン
は、ポリウレタン系樹脂および/またはポリウレタン系
エラストマーが水性媒質中に微細に乳化分散したもので
ある。前記ポリウレタン系エマルジョンは、例えば(a)
ジイソシアネート成分を、乳化剤や保護コロイドの存在
下で水性媒質中に乳化し、激しく攪拌しつつジオール成
分を添加反応させることにより、ポリウレタンエマルジ
ョンを得る方法、(b) ジイソシアネート成分とジオール
成分とから得られるNCO 末端プレポリマーの有機溶媒溶
液( 例えばトルエン等) を水性媒質中に分散したのち、
ジアミン成分を添加して鎖延長することによりポリウレ
タンを合成し、その後多量の乳化剤の存在下で強く攪拌
して乳化分散する方法、(c) 有機溶媒中でジオール成分
と過剰のジイソシアネート成分とを反応させることによ
り、NCO 末端プレポリマーを合成し、次いで、分子内に
親水性基(例えばアニオン性基、ノニオン性基、カチオ
ン性基等)とNCO 反応性基(例えば水酸基、アミノ基
等)とを有する内部乳化剤を反応させてアイオノマーを
合成し、このアイオノマーを水性媒質中に乳化分散させ
るとともに脱溶媒する方法等により製造することができ
る。
【0058】前記ジイソシアネート成分としては、例え
ばトルエンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフ
ェニル−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート、キシレンジイソシア
ネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙
げることができ、また前記ジオール成分としては、例え
ばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコー
ル、ポリエーテルポリエステルグリコール等を挙げるこ
とができる。これらのジイソシアネート成分およびジオ
ール成分は、それぞれについて、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。
【0059】本発明において、ポリウレタン系エマルジ
ョンを配合する場合、アクリル系重合体のエマルジョン
とポリウレタン系エマルジョンとの混合割合は、固形分
換算重量比で、通常95/5〜5/95である。
【0060】また、本発明においては、必要に応じて、
アクリル系重合体のエマルジョンにアルコキシシラン化
合物を配合することができる。前記アルコキシシラン化
合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n
−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメト
キシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキ
シルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トル
フロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トル
フロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン等を挙げることがで
きる。好ましいシラン化合物は、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシランである。これらのアル
コキシシラン化合物は、単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。
【0061】本発明において、前記アルコキシシラン化
合物を配合する際の使用量は、アクリル系重合体のエマ
ルジョンの全固形分100重量部に対して、通常0.1
〜80重量部である。
【0062】本発明におけるアクリル系重合体のエマル
ジョンには、必要に応じて、難燃剤、充填剤、ゲル化
剤、発泡助剤、整泡剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤、消泡
剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の添加剤をさ
らに混合することもできる。
【0063】前記難燃剤としては、例えばリン酸エステ
ル系、含ハロゲンリン酸エステル系、ポリリン酸アンモ
ニウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バ
リウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が
挙げられる。
【0064】前記充填剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性
炭酸鉛、水酸化第2鉄、硅砂、クレー、珪藻土等が挙げ
られる。充填剤については、粒子の形状、粒子径、粒度
分布、比重、表面の活性度等が制振効果に影響を与える
ので、これらの諸条件を適切に選定することが好まし
い。
【0065】前記ゲル化剤としては、例えば酢酸アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアン
モニウム塩、アルキルフェノールアルキレンオキシド付
加物、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリ
コール、ポリエーテルポリホルマール、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、シリコーン系感熱化
剤等が挙げられる。
【0066】前記発泡助剤としては、例えばラウリル硫
酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノール
エーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0067】前記整泡剤としては、例えばステアリン酸
アンモニウム、アルキルスルサクシネート、第四級アル
キルアンモニウムクロリド等が挙げられる。気泡安定剤
には、ステアリン酸アンモニウム、アルキルスルホサク
シネート、ノプコDC−100A(商品名、サンノプコ
製)、ALCOPOL−FA(商品名、米国アライドコ
ロイド製)等が挙げられる。
【0068】前記増粘剤としては、例えばポリアクリル
酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナト
リウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、澱粉、ア
ロン−20L(商品名、東亜合成化学工業製)等が挙げ
られる。
【0069】前記分散剤としては、例えばトリポリリン
酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等が挙げら
れる。
【0070】前記湿潤剤としては、例えばスルホコハク
酸ジ(2−エチルヘキシル)エチルのナトリウム塩、2
−エチルヘキサノールと尿素との混合物、ノプコウエッ
ト50(商品名、サンノプコ社製)等が挙げられる。
【0071】前記消泡剤としては、例えばジメチルポリ
シロキサンに白色充填剤を配合したエマルジョン、KM
−71(商品名、信越化学工業製)等が挙げられる。
【0072】前記老化防止剤としては、例えば4,4′
−ジオクチルジフェニルアミン、テトラキス−〔メチレ
ン−3−(3′、5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリエチレン
グリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリス
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−イソシアヌレート、トリフェニルホスファイト、
トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、テトラフ
ェニルジプロピレングリコールジホスファイト、環状ネ
オペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイ
ト)等が挙げられる。
【0073】前記紫外線吸収剤としては、例えばp−t
−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシ−5−スルホベンゾフェノン3水和物、2,2′,
4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチ
ル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t
−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−エチルヘ
キシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレ
ート、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェ
ノン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、8−ベンジル−7,7,9,9−
テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザス
ピロ〔4,5〕−ウンデカン−2,4−ジオン、テトラ
キシ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート
等が挙げられる。
【0074】前記防腐剤としては、例えばジヒドロキシ
ジクロロジフェニルメタン、ナトリウムペンタクロロフ
ェネート、2,3,4,6−テトラクロロ−4−(メチ
ルスルファニル)ピリジン、2,3,5,6−テトラク
ロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、ビス(ト
リブチル錫)オキシド、ヘキサヒドロ−1,3,5−ト
リエチル−s−トリアジン、10,10′−オキシビス
フェノキシアルシン、1,2−ベンズイソチアゾリン−
3−ワン、ジチオ−2,2′−ビス(ベンズメチルアミ
ド)、N−ジメチル−N′−フェニル(N′−フロロジ
クロロメチルチオ)−スルファミド等が挙げられる。
【0075】これらの添加剤の使用量は、アクリル系重
合体のエマルジョン100重量部(全固形分換算)当た
り、通常、難燃剤が2〜50重量部、充填剤が2〜20
0重量部、ゲル化剤が0.05〜5重量部、発泡助剤が
0.1〜10重量部、整泡剤が0.1〜10重量部、増
粘剤が0.05〜10重量部、分散剤が0.1〜5重量
部、湿潤剤が0.1〜3重量部、消泡剤が0.01〜
0.5重量部、老化防止剤が0.05〜5重量部、紫外
線吸収剤が0.05〜5重量部、防腐剤が0.01〜1
重量部程度である。
【0076】さらに、本発明においては、アクリル系重
合体のエマルジョンに、天然ゴムラテックス、スチレン
ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリルブタジエ
ンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス等のゴ
ムラテックス、塩化ビニル系樹脂エマルジョン、スチレ
ン系樹脂エマルジョン、シリコーン系樹脂エマルジョン
等の樹脂エマルジョンを混合することもでき、それによ
り、本発明の制振材の特性バランスを図ることができ
る。
【0077】本発明におけるアクリル系重合体のエマル
ジョンの全固形分は、55〜85重量%が好ましく、さ
らに好ましくは60重量%〜85重量%である。また、
該エマルジョンから形成されるフォームを体積で2倍に
発泡させたときの未架橋フォームの粘度は、2,000
〜70,000cps(但し、BM型粘度計、ローター
No.4および回転速度6rpmの条件で測定したも
の。)であることが好ましい。
【0078】本発明の制振材は、アクリル系重合体の、
場合により前記各種配合・添加成分を含有する、エマル
ジョンから形成された架橋フォームを基材とするもので
ある。ここで言う架橋フォームを基材とする制振材と
は、架橋フォームを主体的材料とする制振材を意味す
る。したがって、本発明の制振材は、アクリル系重合体
のエマルジョンから形成された架橋フォーム単独からな
ることも、また該架橋フォームを他の材料と複合化ある
いは組合せたものとすることもできる。これは、基材と
なる架橋フォーム自体が優れた振動抑制性能を備えると
ともに、十分な強度を有することにより可能となるもの
であり、その意味で本発明の制振材は、所謂防振材と呼
ばれるものも包摂するものである。
【0079】本発明において、架橋フォームは、アクリ
ル系重合体の製造時に、あるいはアクリル系重合体のエ
マルジョンからフォームを形成すると同時またはフォー
ムの形成後に、架橋構造を導入することによって製造す
ることができるが、特にフォームの形成後に架橋させる
ことが好ましい。
【0080】この場合、アクリル系重合体の構成単位が
架橋性官能基を有する単量体を含有する場合は、その
架橋性官能基による架橋反応によって、架橋フォームを
形成させることができるが、アクリル系重合体が前記
架橋性官能基を有する単量体を含有しない場合は、アク
リル系重合体のエマルジョンに、さらに架橋剤を配合し
なければならない。この後者の場合は、アクリル系重合
体自体が架橋するわけではないが、アクリル系重合体の
分子鎖が架橋剤により形成される架橋構造によって拘束
される結果、フォーム全体としては、架橋フォームとし
ての特性を発揮することができるものである。なお、前
記架橋剤としては、それ自体で架橋反応を生起するもの
以外に、アクリル系重合体中の官能基と反応して架橋結
合を生じるものも使用することができる。
【0081】前記架橋剤としては、例えばフェノール樹
脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、アニリン樹脂、、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂、アゾ化合物、イソシアネート化合
物、過酸化物、亜鉛等が挙げられる。
【0082】本発明の制振材は、基材であるフォームが
架橋構造を有するものであることにより、圧縮回復性、
強度等の諸特性に優れたものとなる。
【0083】本発明において、アクリル系重合体のエマ
ルジョンからフォームを形成する際には、、気体(好ま
しくは空気等)を投入して、オークスミキサー、ホイッ
パー等により機械的に攪拌することにより発泡させるこ
とが好ましい。この発泡操作は、連続的または非連続的
に実施することができる。その発泡倍率は、通常1.5
〜10倍、好ましくは2〜7倍である。このフォームの
かさ比重は、発泡直後で、通常0.05〜0.9の範囲
にある。
【0084】前述のようにして形成されたフォームは、
必要に応じて他の基材に塗布したのち、通常80°C以
上、好ましくは100〜170°Cの温度で、通常10
分以上、好ましくは15〜40分程度、加熱・乾燥され
る。本発明の好ましい態様においては、前記加熱・乾燥
の段階でフォームに架橋構造が導入される。乾燥後のフ
ォーム密度は、0.05〜0.8g/cm3 程度が好ま
しい。
【0085】前述のようにして形成された架橋フォーム
の気泡構造は、独立気泡や連通気泡(複数の気泡が相互
に連通したもの)からなっている。このような気泡構造
は、アクリル系重合体の種類、アクリル系重合体のエマ
ルジョンの平均粒径や全固形分、攪拌条件、投入気体の
量、発泡助剤や整泡剤の種類と量、未架橋フォームの粘
度等を調節することにより、制振材に所望の特性を与え
るよう調整される。
【0086】本発明の制振材の形状、厚さ、寸法等は、
使用目的に応じて適宜に選定される。例えば形状につい
ては、シート、テープ、ブロック、線、台形、円柱、角
柱、中空体、特殊形状等の種々の形状を適宜選択するこ
とができる。これらの形状を有する制振材は、アクリル
系重合体のエマルジョンからフォームを形成する段階で
直接形成させることができ、あるいは、広幅もしくは肉
厚に形成した架橋フォームの切削、切断等、または予め
形成した構成部品の固着、接合等による二次加工によっ
て形成させることもできる。
【0087】本発明の制振材を前記架橋フォームと他の
材料とを複合化あるいは組合せたものとする際には、架
橋フォームと他の材料との2層構造の非拘束型とするこ
とも、架橋フォームを他の材料でサンドイッチした拘束
型とすることもできる。また架橋フォームを他の構造材
料中に配置し、あるいはコイルばね、板ばね、重ね板ば
ね、流体ばね等の他の防振機構と組合せて使用してもよ
く、場合により、他の構造部品中に予め組み込んでおく
こともできる。さらに、本発明の制振材を粒子の形態で
塗料中に配合して制振塗料として使用することもでき
る。
【0088】本発明の制振材を複合化あるいは組合わせ
たものとする際の他の材料としては、使用目的に応じ
て、木質材(例えば単板、合板、パーティクルボード
等)、無機質材(例えば石、天然鉱物、ガラス、セラミ
ックス、コンクリート等)、金属(例えば鉄・鋼、アル
ミニウム、防振合金を含む各種合金、強化金属等)、プ
ラスチック(例えば熱可塑性プラスチック、熱硬化性プ
ラスチック、強化プラスチック等)、ゴム(例えば天然
ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等)、繊維質材
(例えば織物、編物、紙等)、皮革(例えば天然皮革、
合成皮革等)等の非フォーム、並びにアクリル系重合体
からなる架橋フォーム以外の、例えば非架橋アクリル系
樹脂、オレフィン系樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ樹
脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等のフォームのほか、焼
結金属、コルク等のフォームを、適宜選択して使用する
ことができる。また本発明の制振材には、必要により粘
着剤を塗布して接合性を付与することもできる。
【0089】本発明の制振材は、制振性のみならず、圧
縮回復性、弾性、強度、耐水性、耐候性、耐熱性、耐溶
剤性等の諸特性に優れており、高荷重乃至繰返し荷重、
湿環境乃至水環境、酸化性環境、温環境乃至熱環境、非
水環境等の条件下においても、優れた制振作用を長期に
わたり有効に発揮することができる。また二次加工性も
良好である。
【0090】本発明の制振材は、ダンパー、ブッシュ、
マウント、サポート等として、例えば自動車用内装(例
えばフロアー、ドア、ルーフ等)、エンジン(例えば自
動車用、船舶用、航空機用等)、船舶用スクリュー、ジ
ャイロコンパス、鉄道橋、鉄道用ライナー、工作機械、
化学装置、建設機械、採鉱機械、モーター、ポンプ、フ
ァン、タービン、ベルトコンベヤー、ギヤー、シュー
ト、ダクト、エアーダンパー、配管、空調機器、精密加
工用機器(例えば磁気デスク製造用、光デスク製造用、
高集積回路製造用等)、精密測定・検査用機器(例えば
光学用、X線用、NMR用等)、マイクロフォン、コン
パクトデスク装置、ビデオデスク装置、フロッピーデス
ク装置、複写機、事務用防振台、建物用免振構造、建物
用内装(例えばフロアー、階段、ドア等)、自動販売
機、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、乾燥機、ミシン、オーデ
ィオ機器、運動靴、野球クラブ等に幅広く使用すること
ができ、それにより、装置材料の寿命、加工精度、測定
・検査精度、作業環境、生活環境、音質等の改善を図る
ことができる。
【0091】本発明の制振材は、制振作用のみならず、
防音作用、保温・断熱作用、緩衝作用等も有しており、
これらの諸作用が前記用途において総合的に発揮される
ものである。
【0092】以下実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例の
みに限定されないことは、当業者には明らかであろう。
ここで、部は重量に基づく。
【実施例】重合体エマルジョンの製造 (1) 反応容器に蒸留水200部、炭酸カリウム0.
8部、酸性亜硫酸ナトリウム0.03部、過硫酸カリウ
ム0.3部、および表1に示す単量体と乳化剤とを仕込
み、70°Cで5時間重合して、表1に示す重合体エマ
ルジョンA〜Cを製造した。重合転化率はいずれも98
%以上に達した。
【0093】(2) 反応容器に蒸留水200部、炭酸
カリウム0.8部、酸性亜硫酸ナトリウム0.03部、
過硫酸カリウム0.3部、および表2に示す単量体と乳
化剤とを仕込み、70°Cで5時間重合して、表2に示
す重合体エマルジョンD〜Gを製造した。重合転化率は
いずれも98%以上に達した。
【0094】(3) 反応容器に蒸留水200部、炭酸
カリウム0.2部、酸性亜硫酸ナトリウム0.03部、
過硫酸カリウム0.3部、および表3に示す単量体と乳
化剤とを仕込み、70°Cで5時間重合して、表3に示
す重合体エマルジョンH〜Mを製造した。重合転化率は
いずれも98%以上に達した。
【0095】フォーム用組成物の調製 表1〜3に示す重合体エマルジョンA〜M各100重量
部(固形分換算)に対して、表4〜5に示す配合成分お
よび添加剤(下記参照)を十分混合して、フォーム用組
成物(ア)〜(ス)を調製した(但し、(ス)は、比較
のための非架橋アクリル系重合体のエマルジョンからな
るフォーム組成物である)。また比較のため、重合体エ
マルジョンがポリウレタンエマルジョンのみからなるフ
ォーム用組成物(セ)またはスチレン−ブタジエン共重
合体ゴムエマルジョンのみからなるフォーム用組成物
(ソ)を、同様にして調製した。
【0096】添加剤 発泡助剤:ラウリル硫酸ナトリウムまたはアルキルスル
ホサクシネート 整泡剤 :ステアリン酸アンモニウムまたはオレイン酸
カリウム 増粘剤 :ポリアクリル酸ナトリウム
【0097】フォームシートの作製 表4〜5に示す各フォーム用組成物に空気を投入し、ホ
イッパーを用いて機械的に攪拌して発泡させたのち、不
織布からなる基材に塗布し、次いで120〜135°C
で30分間加熱・乾燥して、フォーム密度0.3g/c
3 および厚さ2mmまたは5mmのフォームシートを
作製した。
【0098】フォームシートの特性評価 前記のようにして作製したフォームシートについて、下
記の要領で各特性を評価した。なお、損失係数の測定に
は厚さ5mmのフォームシートを用い、その他の試験に
は厚さ2mmのフォームシートを用いた。評価結果を表
6〜表8に示す。
【0099】圧縮回復性:フォームシートに対して、4
kg/cm2 の圧力を10分間かけ、圧力開放10秒後
の厚みの元の厚みに対する割合(%)により、圧縮回復
性を評価した。この値が大きいほど、圧縮回復性が良い
ことを示す。
【0100】フォーム強度: 常態強度:フォームシートに対して、JIS K630
1に準じて、2号ダンベルを用いて500mm/分の引
張速度で引張試験を行なった。 耐水強度:フォームシートに対して、常温水中に24時
間浸漬したのち、常態強度と同様にして引張試験を行な
った。この値が大きいほど、耐水性が良いことを示す。
【0101】耐候性:フォームシートに対して、カーボ
ンアーク式耐候性促進試験機を用いて63°Cで48時
間暴露後のフォーム表面の状態を目視により観察して、
下記基準により、耐候性を評価した。 ○:変化なし、△:やや黄変、×:黄変
【0102】制振性:フォームシートの損失係数を、共
振法により測定した。この数値が大きいほど、制振性に
優れていることを意味する。
【0103】未架橋フォームの粘度:フォーム用組成物
を体積で2倍に発泡させたときの未架橋フォームの粘度
を、BM型粘度計、ローターNo.4および回転速度6
ppmで測定した。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
【表4】
【0108】
【表5】
【0109】
【表6】
【0110】
【表7】
【0111】
【表8】
【0112】表6および表7から明らかなように、本発
明の制振材は、アクリル系重合体のエマルジョンから形
成された架橋フォームを基材として使用することによ
り、制振性、圧縮回復性、強度、耐水性、耐候性等の諸
特性が極めて優れている。これに対して、表8に示すよ
うに、アクリル系重合体からなるフォーム基材が架橋構
造をもたない場合(比較例1)は、制振性、圧縮回復
性、強度並びに耐水性が著しく低下するのみならず、耐
候性も不十分となる。また、未架橋ポリウレタンからな
るフォーム基材の場合(比較例2)は、制振性、強度、
耐水性、耐候性が極めて低く、また圧縮回復性も不十分
であり、さらにスチレン−ブタジエン共重合体ゴムから
なるフォーム基材の場合(比較例3)は、強度、耐水
性、耐候性が極めて低く、また制振性、圧縮回復性も不
十分である。
【0113】
【発明の効果】本発明の制振材は、優れた制振性を有す
るのみならず、圧縮回復性、弾性、強度、耐水性、耐候
性、耐熱性、耐溶剤性等の一般特性にも優れており、環
境の異なる幅広い分野において好適に使用することがで
きる。しかも、本発明の制振材は、その優れた圧縮回復
性、耐水性、耐候性、耐熱性、耐溶剤性等とあいまっ
て、所要の制振性能を長期にわたって安定して持続する
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 渡部 康久 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステルおよび/またはメタ
    クリル酸エステルの重合体エマルジョンから形成された
    架橋フォームを基材とすることを特徴とする制振材。
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