JPH10114882A - コ−ティング用樹脂組成物 - Google Patents

コ−ティング用樹脂組成物

Info

Publication number
JPH10114882A
JPH10114882A JP27792496A JP27792496A JPH10114882A JP H10114882 A JPH10114882 A JP H10114882A JP 27792496 A JP27792496 A JP 27792496A JP 27792496 A JP27792496 A JP 27792496A JP H10114882 A JPH10114882 A JP H10114882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latex
synthetic rubber
sbr
weight
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27792496A
Other languages
English (en)
Inventor
Keigo Yoshikawa
圭吾 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP27792496A priority Critical patent/JPH10114882A/ja
Publication of JPH10114882A publication Critical patent/JPH10114882A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】剥離強度、抜糸強度に優れ、耐ブリスター性に
も優れるカーペットバッキング用樹脂組成物及び耐ブリ
スター性、即ち厚膜成形性に優れる制振塗料またはチッ
ピング塗料に適するコーティング用樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】ゲル分率が90%以上で粒子径が0.05
μm以上0.2μm未満のSBR系合成樹脂ラテックス
(A)とゲル分率が90%以上で粒子径が0.2μm以
上0.4μm未満のSBR系合成樹脂ラテックス(B)
と保水剤とを含有してなるコーティング用樹脂組成物に
関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成ゴムラテック
ス組成物に関するものであり、さらに詳細には、制振塗
料、自動車のチッピング塗料及びカーペットバッキング
等の乾燥工程時におけるブリスター(水ぶくれ)防止性
が良好なコーティング用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からカーペット用バッキング剤は、
加工時(加熱乾燥時)のブリスター発生が問題となって
おり、特に乾燥機内滞留時間の短いスピード生産やビッ
クループパイルカーペットのバッキングの様に極端に塗
布量の多い場合は、強熱乾燥せざるを得なく、ブリスタ
ーの発生が顕著である。
【0003】このブリスターを防止するための澱粉、酸
化澱粉、ノニオン活性剤系、無機塩類、有機塩類、オル
ガノシロキサン系、メチルセルロース、ポリビニルメチ
ルエーテル等の感熱ゲル化剤の添加、また乾燥温度の引
き下げ(同時にラインスピードもダウン)や塗布量の削
減が行われていた。
【0004】同様に、遮音、防振等を目的とした制振塗
料及び自動車の車体保護のためのチッピング塗料は、塗
膜の厚塗り性が性能上不可欠であるため、水系塗料の使
用に当たっては、乾燥時のブリスター、クラック等が発
生し易くその防止技術が重要になる。現在のチッピング
塗料は、SBR系ラテックス、アクリルエマルジョン等
の水系塗料により、塗膜厚1mm以下のものは得られて
いるが、耐チッピング性向上のためには更なる厚膜化が
必要であり、また自動車の制振塗料は、3mm以上の塗
膜厚を必要とする場合があり、水系塗料での塗装は非常
に困難である。従って、アスファルトシートの接着、ま
た塩化ビニルゾル等の非水系材料の使用が主流になって
いる。しかしこの工程は、自動車製造の中でも唯一自動
化できていない部分であり、コスト面、安全面、環境面
を考えても、早急に水系塗料(塩化ビニル以外)の使用
に切り替える必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カーペットバッキング
剤への上記感熱ゲル化剤の添加は、コンパウンド安定性
の低下、強度低下、腐敗等の問題が生じるため、添加
量、ポットライフに限界があり、更に感熱ゲル化性が十
分でない場合も多いため、カーペットへの塗布量も制約
を受ける。また、制振及びチッピング塗料では、金属面
に塗工されるため、カーペットバッキングの乾燥時に比
べ、排水性が非常に悪く、厚塗り時のブリスター発生は
顕著である。
【0006】即ち、ブリスター防止手段を上記添加剤に
依存する場合は、カーペットバッキングでは貯蔵期間、
貯蔵温度及び加工時の塗布量に十分注意しなければなら
ず、同様に制振及びチッピングにおいて、水系塗料によ
る厚膜化は、上記添加剤をもってしても、非常に困難で
あった。
【0007】従って添加剤に依存した解決には限界があ
り、ラテックス組成からの改善が不可欠である。このた
め、感熱ゲル化性を有する合成ゴムラテックスをベース
ラテックスとして使用することが考えられるが、耐水
性、皮膜強度等の物性との両立が困難であった。
【0008】以上のように、従来は、カーペットバッキ
ング、制振及びチッピング塗料用樹脂組成物として上記
問題点を改善するラテックスコンパウンドは知られてい
ない。
【0009】本発明は、前記従来の技術的課題を解決す
るべく、即ち優れたブリスター防止性と強度物性を両立
するカーペットバッキング剤、制振及びチッピング塗料
用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、鋭意研究した結果、ベースレジンの高
ゲル分率を有する合成ゴムラテックス(A)が、その高
分子量及びブタジエンの三次元架橋故に高弾性率で乾燥
時の耐ブリスター性が良好であり皮膜物性に優れるこ
と、また高ゲル分率大粒子径合成ゴムラテックス(B)
が、造膜時のミクロクラックを発生させ高排水性が得ら
れること、更に保水剤(C)がその保水性の高さ故に均
一乾燥性に非常に優れ、これらを組み合わせることによ
り、上記技術的課題を満足するカーペットバッキング、
制振及びチッピング塗料用樹脂組成物が得られることを
発見し、本発明を完成させるに至った。
【0011】また、カーペットのフォームバッキングに
おいても、2〜4倍発泡で5mm厚以上の発泡層を形成
する場合は、ゲル処方を採用しないと、ブリスター防止
が従来困難であったが、本発明により、ゲル化剤を使用
せずともノンブリスターの厚手の発泡層が得られる。
【0012】すなわち本発明は、ゲル分率が90%以上
で平均粒子径が0.05μm以上0.2μm未満である
合成樹脂ラテックス(A)とゲル分率が90%以上で平
均粒子径が0.2μm以上0.4μm未満である合成ゴ
ムラテックス(B)と保水剤(C)とを含有してなるバ
ッキング剤及び塗料用に適するコーティング用樹脂組成
物であり、好ましくは合成ゴムラテックス(A)と
(B)との割合が、固形分重量比で5〜80:20〜9
5であり、更に保水剤(C)が、好ましくは会合系保水
剤であることを特徴とする、バッキング剤及び塗料用に
適するコーティング用樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のカーペットバッキング、
制振及びチッピング塗料用ラテックス組成物は、ゲル分
率が90%以上である合成ゴムラテックス(A)とゲル
分率が90%以上である合成ゴムラテックス(B)と保
水剤(C)とを含有してなることを特徴とする。
【0014】本発明の合成ゴムラテックスにおけるゲル
分率とは、2cm(縦)×2cm(横)×0.5cm
(厚み)のラテックスフィルムを、トルエン/メチルエ
チルケトン:55/45の混合溶媒中に25℃で24時
間浸漬し、フィルムの不溶分を完全乾燥させたときの重
量を不溶分重量とすると、(不溶分重量)/(元のフィ
ルム重量)×100の(%)値をいう。
【0015】本発明のカーペットバッキング、制振及び
チッピング塗料用ラテックス組成物において、合成ゴム
ラテックスとしては、(メタ)アクリル酸エステル系単
量体、芳香族ビニル系単量体、脂肪族共役ジエン系単量
体及びエチレン性不飽和カルボン酸系単量体を主要成分
として用いた、SBR系、MBR系、NBR系合成ゴム
ラテックス等が挙げられる。これらのうち、芳香族ビニ
ル系単量体−脂肪族共役ジエン系単量体のSBR系合成
ゴムラテックスが好ましい。特にスチレン−ブタジエン
系ラテックスがより好ましい。その他メチルメタアクリ
レート−ブタジエン系ラテックス、アクリロニトリル−
ブタジエン系ラテックス、エチレン−酢酸ビニルエマル
ジョン、酢酸ビニルエマルジョン、クロロプレン、イソ
プレン、ポリブタジエンエマルジョン、アクリルエマル
ジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリエチレンエマ
ルジョン、ポリエステルエマルジョン等を各種物性面の
バランスからブレンドしても何等構わない。
【0016】本発明に使用するSBR系ラテックスの脂
肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエ
ンなどが挙げられるが、これらの内、1,3−ブタジエ
ンが好ましい。ラテックス固形分中のブタジエンの含有
量は何等限定しないが、25〜90重量%の範囲での使
用が好ましい。ブタジエンが25重量%未満では、風合
いが硬すぎカーペット巻きとり時の割れや塗膜にクラッ
クが生じ易く、また90重量%以上ではカーペットの抜
糸強度が劣り、塗膜がタックを有するためである。
【0017】本発明に使用するSBR系ラテックスの芳
香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン、ビ
ニルピリジン等が挙げられるが、これらの内、スチレン
が好ましい。ラテックス固形分中のスチレンの含有量
は、何等限定しないが、8〜74重量%の範囲での使用
が好ましい。
【0018】本発明に使用するSBR系ラテックスのエ
チレン性不飽和ジカルボン酸系単量体としては、例え
ば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられ
る。各ジカルボン酸のハーフエステルやメタアクリル
酸、アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸
を併用しても良いが、好ましくは不飽和ジカルボン酸の
み使用した方が耐熱性の点で好ましい。これらジカルボ
ン酸の使用量は0.5〜3重量%の範囲が好ましい。
0.5重量%以下ではコンパウンド安定性及び機会的安
定性が著しく悪化し、3重量%以上では、耐酸化性の点
においてマイナス要因となるからである。
【0019】本発明のSBRラテックスは、上記単量体
の他に、これらの単量体と共重合可能な単量体を共重合
成分として使用することができる。共重合可能な単量体
としては、たとえばアクリルアミド、メタアクリルアミ
ド、酢酸ビニル、メタアクリロニトリル、アクリロニト
リル、アクリル酸エステル等を挙げることができる。こ
れらの共重合可能な単量体の1種又は2種以上を用いる
ことができる。
【0020】本発明に使用するSBR系ラテックスに共
重合しても良い(メタ)アクリル酸エステル系単量体と
しては、例えば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル
酸プロピル、ヒドロキシエチルメタアクリレートメタア
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アミノエチ
ルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリ
レート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルヒドロキ
シエチルアクリレート、アミノエチルアクリレート、ジ
メチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチ
ルアクリレート等が挙げられる。ラテックス固形分中の
(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量は、ブタ
ジエンと同様何等限定するものではないが、0〜40重
量%が好ましい。
【0021】更に、裏張り材接着強度、パイル引き抜き
強度及び塗膜の皮膜強度を改善するために、ラテックス
粒子の内部架橋剤を使用することができる。内部架橋剤
としては、たとえばN−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタアクリルアミド、グリシジルメタアク
リレート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメ
タアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。これらの内
部架橋剤を共重合しても何等問題ないが、カーペットの
風合い変化及び塗膜の造膜性に注意が必要である。
【0022】本発明のSBR系合成樹脂ラテックスに使
用する重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、
過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系
開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド等の有機過酸化物、過酸化水素等を挙げること
ができる。重合開始剤の使用量は、単量体混合物の0.
03〜2.5重量%で、好ましくは0.05〜1.0重
量%である。
【0023】また、乳化重合を促進させるために、亜硫
酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グ
ルコース、ホルムアルデヒド、L−アスコルビン酸、ナ
トリウムスルホキシレート等の還元剤、グリシン、アラ
ニン、エチレンジアミン四酢酸アンモニウム塩等のキレ
ート剤を併用することもできる。
【0024】乳化重合に使用する乳化剤としては、たと
えば脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸
塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のア
ニオン性重合乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシ
エチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニ
オン重合乳化剤が挙げられる。アニオン系またはノニオ
ン系重合乳化剤のいずれか単独または両者を組み合わせ
て使用することができ、またノニオン系、又はアニオン
の複数併用系のいずれで重合を行っても、安定なラテッ
クス粒子が得られれば、その使用法は何等限定されるも
のではない。また乳化剤の使用量は、通常、単量体混合
物の0.2〜5重量%であり、特に0.5〜3重量%の
範囲が好ましい。乳化剤の使用量が0.2重量%未満で
は共重合体の製造時に凝集物が発生するなど、重合安定
性が悪くなり、一方5重量%を越えると得られる共重合
体ラテックスの平均粒子径が小さくなり、カーペットバ
ッキング剤調製時の充填剤の分散性、塗料中の顔料分散
性及び調製後の粘度に経時変化を生じさせる。
【0025】本発明で使用するSBR系合成ゴムラテッ
クスは、前記の単量体組成をベースとするが、特定のゲ
ル分率にするために、重合時に連鎖移動剤及び重合停止
剤等の分子量調製剤または重合率調製剤を適宜使用する
ことができる。
【0026】また本発明は、加工後のバッキング剤に良
好な接着強度(剥離強度)、パイル引き抜き強度(抜糸
強度)、また電着鋼板またはタンシート板と塗膜との密
着性を保持させるため、必要に応じてラテックス重合時
に連鎖移動剤及び重合停止剤を使用することができる。
【0027】本発明は、上記物性のトータルバランスを
考慮するが故に、分子量調整剤または重合率調整剤を用
いて分子量及び架橋密度を調整した高ゲル分率SBR系
ラテックス(A)と高ゲル分率大粒子系SBR系ラテッ
クス(B)を、重量比で5〜80重量%、20〜95重
量%の範囲でブレンドしたものが好ましい。なぜならば
大粒子系SBR系ラテックス(B)が20重量%以下で
は、耐ブリスター性が劣り、95重量%以上ではカーペ
ットの接着強度、抜糸強度及び鋼板と塗料との密着性が
不足するためである。
【0028】連鎖移動剤としては、例えば、通常の重合
で使用されるものを使用することができる、たとえばt
−ドデシルメルカプタン、n−トデシルメルカプタン、
オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタ
ン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類、タ
ーピノーレン、t−テルピネン、α−メチルスチレンダ
イマー、エチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロ
ピルキサントゲンスルフィド、アミノフェニルスルフィ
ド、テトラエチルチウラムジスルフィド等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上を使用することができる。連
鎖移動剤の使用量は、各連鎖移動剤の移動定数により異
なる。例えば、t−ドデシルメルカプタンを例に挙げる
と、SBR系合成ゴムラテックス単量体混合物の単量体
混合物の0〜1.0重量%、好ましくは0〜0.3重量
%である。
【0029】また重合停止剤としては、例えばハイドロ
キノン(フェノール)系、アミン系、硫黄系、硫酸ヒド
ロキシルアミン、アンモニア、苛性ソーダ、苛性カリ等
が挙げられ、またその他重合停止効果のあるものが使用
でき、更にこれらを複数併用しても良い。その使用量は
重合禁止剤の種類及び単量体との反応性比により異なる
が、例えば硫酸ヒドロキシルアミンを例に挙げると、S
BR系合成ゴムラテックス単量体混合物の0〜5.0重
量%、好ましくは0〜3重量%であり、重合率98%以
上を確認した後に添加し、重合を停止させるのが好まし
い。
【0030】理由は、SBR系合成ゴムラテックス
(A)では、重合率98%以上でないと、ブタジエンの
三次元架橋及び高分子量化による高ゲル分率(90%以
上)が得られにくく、ブリスター防止に寄与しにくいか
らである。
【0031】また連鎖移動剤と重合禁止剤は併用しても
それぞれ単独で添加してもよく、連鎖移動剤単独で使用
する場合は、結果的にゲル分率がものをいうので、重合
率は任意の(%)値でよい。
【0032】本発明における乳化重合方法については、
特殊な方法は用いておらず、上記重合乳化剤、連鎖移動
剤、重合開始剤、重合禁止剤等の他、必要に応じて各種
電解質、pH調製剤等を併用して従来公知の方法で行え
ば良い。
【0033】本発明のSBR系ラテックスは、ゲル分率
が90%以上で平均粒子径が0.05μm以上0.2μ
m未満であるSBR系ラテックスとゲル分率が90%以
上で平均粒子径が0.2μm以上0.4μm未満である
SBR系ラテックスとからなるものである。
【0034】このラテックスの粒子径についても、同様
に公知の方法で、重合乳化剤、シードラテックス、苛性
ソーダ、アンモニア、苛性カリ等を用いて重合速度また
は粒子径を調整すれば良い。例えば、単量体混合物10
0重量部に対して、水100〜300重量部と乳化剤、
連鎖移動剤、シードラテックス、苛性ソーダ、重合開始
剤等を上記した範囲内の量で使用し、5〜90℃の温度
で5〜30時間乳化重合すれば良い。また、アクリルエ
マルジョン、ポリウレタネマルジョン等の他のエマルジ
ョンをシードとして、一方のSBR系合成ゴムラテック
ス単量体混合物をコアーシェル重合し、得られた2層粒
子を他方のSBR系合成ゴムラテックスをブレンドして
も良い。
【0035】本発明に使用する保水剤としては、例え
ば、セルロース、スターチ等の天然多糖類系、水溶性合
成高分子、アルカリ可溶型の合成樹脂エマルジョン系等
が挙げられる。これらの保水剤のうち、水溶性合成高分
子は腐敗しにくく、目的に応じてポリマー組成、官能基
の種類、導入量を調整できるので、水溶性合成高分子系
保水剤が好ましい。また水溶性合成高分子系保水剤の中
で、会合系保水剤が非常に高保水性であることから会合
系保水剤がより好ましく、更に高分子量タイプ及び高固
形分タイプの使用を考慮すると、アルカリ可溶の合成樹
脂エマルジョンタイプの会合系保水剤が最も好ましい。
本発明に使用する会合系保水剤とは、疎水基と親水基を
有し、水溶解後、疎水基は合成ゴムラテックス粒子表面
に配向し、親水基同士が水分子を中心にミセルを形成
し、これらのネットワーク構造により高保水性を付与す
るものである。従って、アルカリ可溶の合成樹脂エマル
ジョンタイプの会合系保水剤は、アルカリ添加前でエマ
ルジョン状態であるため高分子量であっても粘度が低く
添加が容易である(アルカリ溶解後添加しても何等問題
はない)。
【0036】本発明に使用する合成樹脂エマルジョン系
会合型保水剤は、主にエチレン系不飽和カルボン酸、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなり、その他
共重合可能な単量体等を含むものである。
【0037】エチレン系不飽和カルボン酸単量体として
は、例えば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ジカ
ルボン酸のハーフエステルやメタアクリル酸、アクリル
酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸等で、単量体
の30〜90重量%の範囲での使用が好ましい。
【0038】(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
ては、例えば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸
プロピル、ヒドロキシエチルメタアクリレートメタアク
リル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アミノエチ
ルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリ
レート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルヒドロキ
シエチルアクリレートアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチル
アクリレート等が挙げられる。
【0039】その他の共重合可能な単量体としては、ア
クリルアミド、メタアクリルアミド、スチレン、α−メ
チルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン、酢酸
ビニル、メタアクリロニトリル、アクリロニトリル、ア
クリル酸エステル、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2−クロル−1,3−ブタジエン等等が挙げられ、その
他適当な共重合可能な単量体の1種又は2種以上共重合
体成分として含有しても良い。
【0040】またその他内部架橋剤として、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミ
ド、グリシジルメタアクリレート、ジビニルベンゼン、
エチレングリコールジメタアクリレート、エチレングリ
コールジアクリレート、ジアセトンアクリルアミド等を
共重合しても何等問題ない。
【0041】本発明に使用する保水剤は上記単量体を組
成とし、多数の会合基(親水基)を有し、高保水性であ
ることが望ましい。本発明に使用する上記アルカリ可溶
型アクリルエマルジョン系保水剤の使用量の範囲はSB
R系合成ゴムラテックスの合計固形分の0.05〜10
重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.2〜
5重量%である。0.2以下では保水効果が少ないた
め、乾燥が不均一になり、ブリスターを発生する可能性
が高くなる。逆に2重量%以上では、乾燥性が悪くなる
こととコンパウンドの粘度が高くなりすぎ、バッキング
加工、塗装に適さなくなる。
【0042】本発明により合成した上記ラテックス組成
物に、下記の充填剤、増粘剤、その他各種添加剤を加
え、カーペット用バッキング剤、制振及びチッピング塗
料を調製し加工を行うことで、前期物性を満足するカー
ペット及び塗料を得ることができる。
【0043】充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシ
ュウム、軽質炭酸カルシュウム、タルク、クレー、シリ
カ、カーボンブラック、酸化チタン、セピオライト等が
挙げられ、その他の無機添加剤を添加しても良く、更に
これらを併用しても良く、また充填剤無添加での、発泡
バッキングまたは発泡コーティングを行っても良い。
【0044】増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸
ソーダ、ポリアクリル酸アンモニウム、カルボキシルメ
チルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシルプロポキシルメチルセルロ
ース、ポバール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオ
キサイド、澱粉等の有機系増粘剤の他、ベントナイト等
の無機系増粘剤が挙げられ、これらの内単独または複数
種を併用して、任意の粘度に調製する。
【0045】また、前述した保水剤を増粘剤として使用
しても一向に構わない。本発明のSBR系合成ゴムラテ
ックスを用いてカーペットバッキング剤、制振及びチッ
ピング塗料を調製する場合、カーペットまたは鋼板の種
類、製造工程、外観、用途等の異なる要求に応じて、以
下の配合資材を加えても良い。
【0046】本発明のSBR系樹脂組成物に加えること
ができる上記添加剤としては、例えば、無機顔料、有機
顔料等の着色剤、キレート剤、分散剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、界面活性剤、圧縮回復剤、消泡剤、殺菌
剤、防腐剤、湿潤剤、エポキシ系を除く架橋剤、酸化亜
鉛・硫黄・加硫促進剤等の加硫剤、タック防止剤、感熱
ゲル化剤、起泡剤、整泡剤、浸透剤、撥水・撥油剤・ブ
ロッキング防止剤、難燃剤等を挙げることができ、かか
る添加剤の選択、添加量、添加順序等は、ラテックス組
成物の製造条件、作業性、安定性、更に加工適性、塗布
量等を考慮して、適宜に決定されれば良い。
【0047】架橋剤としては、例えば、メラミン系、ブ
ロックイソシアネート系、硫黄系、ヒドラジン系、酸化
亜鉛等が挙げられる。キレート剤としては、例えば、エ
チレンジアミン四酢酸アンモニウム塩、エチレンジアミ
ン四酢酸ナトリウム塩、エチレンジアミンジオルトヒド
ロキシフェニル酢酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジア
ミン三酢酸ナトリウム塩、オキザリニド、ジカルボン酸
ジヒドラジド、ジカルボン−ビス−フェニルヒドラジ
ド、サリチル酸ヒドラジド、ビス−サリチロイル−ジカ
ルボン酸ジヒドラジド、サリチロイル−ヒドラジノトリ
アジン、グリシン、アラニン、ベンゾトリアゾール等が
挙げられる。
【0048】分散剤としては、例えば、ヘキサメタリン
酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ、
ピロリン酸カリウム、ポリカルボン酸系、ビスナフタレ
ンスルホン酸ソーダ等、ポリカルボン酸挙がげられ、複
数併用しても良い。
【0049】界面活性剤としては、例えば、アルキルア
リルエーテル系、アルキルエーテル系、アルキルエステ
ル系、アルキルアミン系、ソルビタン誘導体系等のノニ
オン活性剤、及び脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステ
ル塩、脂肪族アミン・脂肪族アミドの硫酸塩、脂肪アル
コールの燐酸エステル、二塩基性脂肪酸エステルのスル
ホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩ホルマリン縮合
ナフタリンスルホン酸塩等のアニオン系活性剤、カチオ
ン系活性剤、またベタイン、アラニン、イミダゾリン系
両性活性剤等が挙げられアニオン、カチオンの併用以外
は、複数併用しても良い。
【0050】起泡剤及び整泡剤としては、例えば、上述
した界面活性剤から任意に選択すれば良いが、充填剤が
炭酸カルシュウムの場合は、ステアリン酸アンモニウム
とカルシュウムイオンとが反応するので、充填剤との組
み合わせに注意が必要である。
【0051】浸透剤、湿潤剤としては、例えば、上述し
た界面活性剤が挙げられるが、最も好ましくは、サクシ
ネート系活性剤を使用するのがよい。圧縮回復剤として
は、例えば、ポリジメチルシロキサン等、シリコンオイ
ル系のものが挙げられ、特にフロスバッキング時に使用
した方がよい。
【0052】感熱ゲル化剤としては、例えば、澱粉、酸
化澱粉、メチルセルロース、金属塩、ポリオルガノシロ
キサン、アルコール変性シリコーンオイル、ポリプロピ
レングリコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエー
テルポリホルマール、低曇点有するノニオン系活性剤、
更に酸化亜鉛と併用した場合の無機・有機アンモニウム
塩、無機・有機のアンモニウム錯塩、トリプシン、トリ
アセチン、ニトロメタン、ニトロプロパン、有機エステ
ル類が挙げられる。
【0053】消泡剤としては、例えば、シリコーン系、
鉱油系、アルコール系、エチレンオキシド−プロピレン
オキシド系が挙げられ、ストレートバッキング時には、
持続性のあるものを使用し、フロスバッキング時には持
続性のないものを使用する。本発明のMBR系樹脂組成
物に配合しても良い難燃剤としては例えば、臭素系、塩
素系、リン酸塩、リン化合物、アンチモン系、ペンタエ
リスリトール等が挙げられる。
【0054】防腐剤・殺菌剤としては、例えば、フェノ
ール系、有機スズ系、四級アンモニウム系、ジチオカル
バメート系、チアジアジン系、トリアジン系、ヨードプ
ロパジル系、N−ハロメチルチオ系、チアゾリン系、イ
ミダゾール系等が挙げられる。
【0055】ブロッキング防止剤、撥水・撥油剤として
は、例えば、カルナバワックス、シリコン系ワックス、
フッ素系ワックス、ロジン系ワックス、ポリエチレン系
ワックス、パラフィン系ワックス、ステアリン酸ステア
リル、ステアリン酸アンモニウム、ステアリン酸亜鉛、
フッ素系活性剤等が挙げられる。
【0056】酸化防止剤としては、例えば、フェノール
系、アミン系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードア
ミン系、硫黄系、リン系、アクリレート系等が挙げら
れ、複数併用しても良い。
【0057】紫外線吸収剤としては、例えば、アミン
系、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベン
ゾフェノン系、シアノアクリレート系、ベンゾエート
系、オギザリニド系、フォルムアミジン系、トリアジン
系、カルバジド系等が挙げられ、複数併用しても良い。
【0058】また本発明のカーペットバッキング剤、制
振及びチッピング塗料用組成物の固形分、粘度について
は、何等限定するものではない。また基材へのバッキン
グ方法についても、ストレートまたはフロスバッキング
(発泡倍率2〜4倍のフォームバッキングを含む)のど
ちらでも良く、また制振塗料、チッピング塗料において
も発泡するか否かは限定するものではない。
【0059】このようにして得られたカーペット及び制
振鋼板、自動車チッピング部は、過酷な乾燥条件下で製
造された物であっても、ブリスターが殆ど皆無で、カー
ペット剥離強度、抜糸強度、塗膜と鋼板との密着性も良
好である。また、樹脂組成物が感熱ゲル化剤等を含んで
いないため、経時的に全く問題がなく、また保水性の非
常に高い会合系保水剤を含んでいるため、乾燥が非常に
均一に行われ、塗布量及び膜厚が過大な場合でも、耐ブ
リスター性が非常に良好である。
【0060】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。なお、実施例中における部及び%は特に断らない限
り、重量基準である。
【0061】実施例1〜6(バッキング用組成物) ゲル分率90%以上のSBR(A)とゲル分率90%以
上のSBR(B)のトータル固形分100重量部に対し
て、消泡剤[サンノプコ(株)8034]を0.1部、
トリポリリン酸ナトリウム0.5部、重質炭酸カルシュ
ウム300部及びアルカリ可溶タイプ会合系保水剤[大
日本インキ化学工業(株)製 ボンコートTA−96]
を表1、表2に示す様に加え、増粘剤[東亜合成化学工
業(株)製 アロンA20P]を所定の粘度になる様に
必要量加え、固形分が72%になる様にバッキング用組
成物を調製した。
【0062】実施例1〜6における各種の試験方法は、
下記の通りである。上記で得られたバッキング剤を5/
16ゲージビッグループパイルを有する原反(20cm
×30cm)上に、樹脂組成物の塗布量が1500g/
2になる様に、バッキング用組成物を均一に塗布し、
ジュートを貼り、熱風乾燥機内で150℃で10分間加
熱乾燥させ、裏打ちカーペットを得た。
【0063】ブリスタ−性は、プロパンガスを燃料とす
るシュバンクヒーター(15cm×20cm)を用い
て、上記で得られたバッキング済みカーペットの一部
(9cm×18cm)のバッキング面を上にし、シュバ
ンクヒーターの熱がバッキング面に垂直に照射されるよ
うに下向きに(バッキング面との距離が10cmになる
様に)固定し、火力は最大で測定した。剥離強度、抜糸
強度は常法により行った。実施例1〜6の結果を表1及
び表2に示す。
【0064】実施例7〜12(塗料用組成物) ゲル分率90%以上のSBR(A)とゲル分率90%以
上のSBR(B)のトータル固形分100重量部に対し
て、消泡剤[サンノプコ(株)8034]を0.8部、
ポリカルボン酸[サンノプコ(株)ノプコスパース44
C]1部、炭酸カルシュウム150部、カーボンブラッ
ク1.5部及び増粘剤としてベントナイト3部を加え、
アルカリ可溶タイプ会合系保水剤[大日本インキ化学工
業(株)製ボンコートTA−96]を表3、表4に示す
様に加え、チッピング塗料用組成物を調製した。
【0065】実施例7〜12における各種の試験方法
は、下記の通りである。ブリスター性は、電着鋼板(7
cm×15cm)上に、樹脂組成物の乾燥後の膜厚が3
mmになる様に均一に塗布し、熱風乾燥機内で140
℃、30分間加熱乾燥させた後測定した。耐チッピング
性の測定は、ナット落下方式(真鍮製、6mm、2mの
高さより落下し素地が見える重量)により測定した。実
施例7〜12の結果を表3及び表4に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】 表1、表2の結果は、塗布量が1500g/m2と非常
に厚塗りにもかかわらず、保水剤による均一乾燥性の作
用と、大粒子径SBRによる排水性の効果により、カー
ペットの耐ブリスター性は良好となった。また剥離強
度、抜糸強度も基準の2.5kg以上が得られた。
【0070】同様に表3、表4の結果でも、耐チッピン
グ性を損なうことなく、耐ブリスター性良好な塗料が得
られた。 比較例1〜6(バッキング用組成物) SBR(A)とSBR(B)の両方または片方のゲル分
率が90%未満で、そのトータル固形分100重量部に
対して、消泡剤[サンノプコ(株)8034]を0.1
部、トリポリリン酸ナトリウム0.5部、重質炭酸カル
シュウム300部及びアルカリ可溶タイプ会合系保水剤
[大日本インキ化学工業(株)製 ボンコート TA−9
6]を表5、表6に示す様に加え、増粘剤[東亜合成化
学工業(株)製アロンA20P]を所定の粘度になる様
に必要量加え、固形分が72%になる様にバッキング用
組成物を調製した。
【0071】比較例1〜6における各種の試験方法は、
下記の通りである。上記で得られたバッキング剤を5/
16ゲージビックループパイルを有する原反(20cm
×30cm)上に、樹脂組成物の塗布量が1500g/
2にな 様に、バッキング用組成物を均一に塗布し、ジ
ュートを貼り、熱風乾燥機内で150℃で10分間加熱
乾燥させ、裏打ちカーペットを得た。
【0072】ブリスタ−性は、プロパンガスを燃料とす
るシュバンクヒーター(15cm×20cm)を用い
て、上記で得られたバッキング済みカーペットの一部
(9cm×18cm)のバッキング面を上にし、シュバ
ンクヒーターの熱がバッキング面に垂直に照射されるよ
うに下向きに(バッキング面との距離が10cmになる
様に)固定し、火力は最大で測定した。剥離強度、抜糸
強度は常法により行った。比較例1〜6の結果を表5及
び表6に示す。
【0073】表5、表6より、比較例1〜3の様にSB
R(A)、(B)の両方または一方がゲル分率90%未
満の場合、比較例4の様に保水剤を添加しない場合、ま
た比較例6の様に両者の粒子径が0.2μm未満の場合
では、耐ブリスタ性が劣る結果となった。また、比較例
5の様に両者の粒子径が0.2μm以上の場合は、排水
性が良好なため耐ブリスタ性に優れるが、剥離・抜糸強
度が小さい結果となった。
【0074】比較例7〜12(塗料用組成物) SBR(A)とSBR(B)の両方または片方のゲル分
率が90%未満で、そのトータル固形分100重量部に
対して、消泡剤[サンノプコ(株)8034]を0.8
部、ポリカルボン酸[サンノプコ(株)ノプコスパース
44C]1部、炭酸カルシュウム150部、カーボンブ
ラック1.5部及び増粘剤としてベントナイト3部を加
え、アルカリ可溶タイプ会合系保水剤[大日本インキ化
学工業(株)製ボンコートTA−96]を表7、表8に
示す様に加え、チッピング塗料用組成物を調製した。
【0075】比較例7〜12における各種の試験方法
は、下記の通りである。ブリスター性は、電着鋼板(7
cm×15cm)上に、樹脂組成物の乾燥後の膜厚が3
mmになる様に均一に塗布し、熱風乾燥機内で140
℃、30分間加熱乾燥させた後測定した。耐チッピング
性の測定は、ナット落下方式(真鍮製、6mm、2mの
高さより落下し素地が見える重量)により測定した。比
較例7〜12の結果を表7及び表8に示す。
【0076】表7、表8の結果より、比較例10の様に
保水剤を添加しない場合、比較例7〜9の様にSBR
(A)、(B)の両方またはどちらか一方のゲル分率が
90未満の場合、比較例12の様に両方の粒子径が0.
2μm未満の場合は、ブリスターを発生する結果となっ
た。また両方の粒子径が0.2μm以上の場合は耐ブリ
スター性は良好となったが、耐チッピング性は不良とな
り、両者を両立出来なかった。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【発明の効果】本発明による樹脂組成物は、カーペット
のバッキング加工時、感熱凝固剤等の添加せずとも、優
れた耐ブリスタ性を有することから、長期貯蔵における
コンパウンド安定性や塗布量ムラによるブリスタ発生等
がない。また、バッキング後においても、剥離・抜糸強
度の良好なカーペットが得られる。更に、チッピング塗
料及び制振塗料としても、耐ブリスター性が良好で、優
れた厚膜成形性を有している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲル分率が90%以上で平均粒子径が0.
    05μm以上0.2μm未満である合成ゴムラテックス
    (A)とゲル分率が90%以上で平均粒子径が0.2μ
    m以上0.4μm未満である合成ゴムラテックス(B)
    と保水剤(C)とを含有してなるコーティング用樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】合成ゴムラテックス(A)と合成ゴムラテ
    ックス(B)との割合が、固形分重量比で5〜80:2
    0〜95である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】保水剤(C)が、会合系保水剤である請求
    項1記載の組成物。
JP27792496A 1996-08-21 1996-10-21 コ−ティング用樹脂組成物 Pending JPH10114882A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27792496A JPH10114882A (ja) 1996-08-21 1996-10-21 コ−ティング用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-219771 1996-08-21
JP21977196 1996-08-21
JP27792496A JPH10114882A (ja) 1996-08-21 1996-10-21 コ−ティング用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10114882A true JPH10114882A (ja) 1998-05-06

Family

ID=26523330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27792496A Pending JPH10114882A (ja) 1996-08-21 1996-10-21 コ−ティング用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10114882A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002284958A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Dainippon Ink & Chem Inc 感熱凝固性ラテックスの製造方法
WO2008054613A1 (en) * 2006-10-30 2008-05-08 Dow Global Technologies Inc. Method of preparing artificial turf
JP2010507024A (ja) * 2006-10-20 2010-03-04 ダイキン工業株式会社 撥水撥油剤を用いる処理
JP2011001446A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 共重合体ラテックスの製造方法
JP4621901B2 (ja) * 2008-12-24 2011-02-02 独立行政法人海上技術安全研究所 防汚塗料組成物および基材の防汚方法
JP2011117112A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Nippon A&L Inc 繊維加工用組成物及び該組成物を用いる繊維加工製品の製造方法
US8557934B2 (en) 2008-07-04 2013-10-15 Asahi Kasei Chemicals Corporation Copolymer latex and method for producing the same

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002284958A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Dainippon Ink & Chem Inc 感熱凝固性ラテックスの製造方法
JP2010507024A (ja) * 2006-10-20 2010-03-04 ダイキン工業株式会社 撥水撥油剤を用いる処理
JP2013217012A (ja) * 2006-10-20 2013-10-24 Daikin Ind Ltd 撥水撥油剤を用いる処理
US9945069B2 (en) 2006-10-20 2018-04-17 Daikin Industries, Ltd. Treatment comprising water- and oil-repellent agent
WO2008054613A1 (en) * 2006-10-30 2008-05-08 Dow Global Technologies Inc. Method of preparing artificial turf
US8557934B2 (en) 2008-07-04 2013-10-15 Asahi Kasei Chemicals Corporation Copolymer latex and method for producing the same
JP4621901B2 (ja) * 2008-12-24 2011-02-02 独立行政法人海上技術安全研究所 防汚塗料組成物および基材の防汚方法
JP2011001446A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 共重合体ラテックスの製造方法
JP2011117112A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Nippon A&L Inc 繊維加工用組成物及び該組成物を用いる繊維加工製品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015013588A1 (en) Aqueous vibration damping compositions
JP2013535537A (ja) 保護コロイドで安定化したエマルション重合体を有する減音材
JP2765137B2 (ja) 紙塗被組成物用の共重合体ラテックスおよび紙塗被組成物
JPH10114882A (ja) コ−ティング用樹脂組成物
WO2008094605A1 (en) Carpet backing composition
JPH0641499A (ja) アクリル系フォーム接合材
JP2002332304A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法および該製造方法によって得られた共重合体ラテックスを含有する紙被覆用組成物
JP2008248446A (ja) 紙塗工用共重合体ラテックス
JP4859022B2 (ja) 段ボール接着剤用ジエン系共重合体ラテックス組成物
US5246981A (en) Aqueous emulsion
US3719628A (en) Ethylene/vinyl chloride/acrylamide interpolymer and styrene/butadiene/unsaturated acid terpolymer polyblend
JP2021063211A (ja) 共重合体ラテックスおよび組成物
JP2000178499A (ja) 制振材用共重合体ラテックス
JP2008133394A (ja) 発泡性制振材用水性塗料及び制振材
JP4038707B2 (ja) 防汚加工剤
JP2961207B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2000178498A (ja) 制振材用共重合体ラテックス
JPH09249785A (ja) カーペットバッキング用樹脂組成物
JP3637548B2 (ja) カーペットバッキング用樹脂組成物
JP2013173921A (ja) 共重合体ラテックス及び該共重合体ラテックスを含有する組成物
JPH04332701A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JPH11148060A (ja) 共重合体ラテックスを含有してなる組成物
JP2820128B2 (ja) 塗被用組成物
JP2000027097A (ja) 水性エマルションを用いた剥離紙の背面処理剤
JP2001192997A (ja) オフセット印刷紙塗工用バインダーの製造方法