JP2913710B2 - 水性樹脂分散液 - Google Patents

水性樹脂分散液

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JP2913710B2 JP1333863A JP33386389A JP2913710B2 JP 2913710 B2 JP2913710 B2 JP 2913710B2 JP 1333863 A JP1333863 A JP 1333863A JP 33386389 A JP33386389 A JP 33386389A JP 2913710 B2 JP2913710 B2 JP 2913710B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる水性樹脂分散液に関す
る。さらに詳細には、本発明は反応性極性基を有する水
性ポリウレタン樹脂の存在下に、反応性単量体を主体
(限定された範囲内で必須の意味)とする単量体類を共
重合させて得られる、それ自体は極めて安定であって、
皮膜形成ののちにおいては、皮膜強度も、皮膜の耐久性
も、共にすぐれる皮膜を与える、極めて有用性の高い水
性樹脂分散液に関する。
そして、本発明の水性樹脂分散液は、とりわけ、不織
布バインダーなどをはじめとする繊維加工用として、紙
加工用として、塗料用として、接着剤用として、あるい
はセメント改質剤などとして、広範な用途に利用され
る。
〔従来の技術〕
この種の水性樹脂分散液は、これまでにも、各種の乳
化剤を用いての乳化重合法により製造されてきており、
無公害性、作業性の良さ、および省資源型のものである
などの面から、塗料、接着剤、紙加工剤、繊維加工剤、
モルタル改質剤などといった広範な用途に差し向けられ
てきた。
しかしながら、かかる乳化重合に用いられる乳化剤
は、水を飛散させて被膜となしたのちにおいても、皮膜
中に残存したままで、それがために、皮膜の耐水性など
の諸性能に悪影響を及ぼし、諸性能を低下させる原因と
なっている。
そこで、こうした欠点を補う方法として、これまでに
も、各種の架橋反応を通して、皮膜の耐水性、耐溶剤性
および強度を向上せしめるという方法が採られてきてい
る。
そのうちでも、広く行なわれているのが、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミドやN−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミドなどの反応性極性基含有単量体を共
重合成分として用いるという方法であるし、あるいは、
水溶性トリメチロールメラミン樹脂などの、いわゆる多
官能性熱硬化性樹脂を、加工時において、併用するとい
う方法ではあるが、これらの方法は、いずれも、水性樹
脂分散液それ自体の化学的安定性を低下させるという要
因ともなる架橋成分が用いられており、それがために、
己ずと、こうした架橋成分の多量の導入は制限されるこ
ととなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来技術に従う限りは、乳化剤や架橋成
分を大量に用いることができない、という決定的な欠点
の解消が、未解決課題として提起されることとなる。
そこで、本発明者らは、こうした現状の認識と、従来
技術における種々の未解決課題の抜本的な解決と、当業
界における切なる要望との上に立って、保存安定性にす
ぐれ、なおかつ、諸皮膜性能にすぐれる、極めて有用性
の高い水性樹脂分散液を得るべく、鋭意、研究に着手し
た。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一に
かかって、保存安定性にすぐれ、しかも、耐水性、耐溶
剤性ならびに強度などをはじめとする皮膜性能にも優れ
る、極めて有用性の高い水性樹脂分散液を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上述した如き発明が解決しようとする課
題に照準を合わせ、鋭意、検討を重ねた結果、基本的に
は、従来技術におけるような、単一のポリマーの改良に
終始するのでは不十分であって、複数ポリマーを複合化
させ、かつ、それぞれのポリマーの特徴を最大限に引き
出しうるという、極めて効率的な手段によるのが最善で
あるとの認識の上に立って、反応性極性基を有する水性
ポリウレタン、つまり、反応性極性基含有ポリウレタン
の水性分散液の存在下に、反応性極性基含有単量体を主
体とする単量体類を共重合させて得られる、それ自体は
極めて安定でありながら、一旦、媒体たる水を飛散せし
めることによって、皮膜となした場合には、強伸度の高
い、しかも、耐久性にすぐれる、こうした有用性の高い
皮膜を与える、極めて有用性の高い水性樹脂分散液が得
られることを見い出すに及んで、本発明を完成させるに
到った。
すなわち、本発明は基本的には、カルボキシル基、水
酸基及びアミノ基のうち、少なくとも一つの反応性極性
基(以下、官能基ともいう。)を含有するポリウレタン
の存在下に、該反応性極性基と反応しうる反応性極性基
(以下、反応性基ともいう)を有するα.β−エチレン
性不飽和単量体(以下、不飽和単量体という。)を必須
成分とするα.β−エチレン性不飽和単量体類を共重合
させて得られる水性樹脂分散液を提供しようとするもの
である。
ここにおいて、上記官能基を含有するポリウレタン
は、かかるイオン性基という親水性の基を有するものあ
る処から、自己乳化し、自己分散しうるものである。
当該官能基含有ポリウレタンを調製するには、たとえ
ば、常法に従い、公知慣用のポリオール成分と、ポリイ
ソシアネート成分とを反応せしめ、かくして得られるウ
レタンプレポリマーを、公知慣用の、2個以上の活性水
素原子を有する低分子量化合物により鎖伸長化せしめれ
ばよく、また、かくして得られる官能基含有ポリウレタ
ンを水中に安定に溶解し分散せしめて水性ポリウレタン
を調製するには、この官能基含有ポリウレタンの側鎖な
いしは末端に、上掲された如き各種のイオン性基を導入
せしめればよく、かくして、ポリウレタンそれ自体に親
水性が付与され、その結果、水に溶解もし、あるいは、
自己乳化により、容易に水中に分散化される。
ところで、当該ポリウレタンのイオン性基としてカル
ボキシル基を選び、該カルボキシル基をポリウレタンに
導入せしめる場合には、当該ポリウレタンの酸価が、つ
まり、該カルボキシル基の導入された官能基含有ポリウ
レタンの酸価としては、当該ポリウレタンの固形分当た
り、10〜200なる範囲内、好ましくは、15〜100なる範囲
内が適切である。
10未満の場合には、どうしても、重合時の安定性が確
保され難く、しかも、最終的に得られる水性樹脂分散液
の貯蔵安定性も悪くなり易く、一方、200を超える場合
には、どうしても、強度、耐水性および/または耐溶剤
性などの諸物性の面の向上化が期し得なくなるので、い
ずれの場合も好ましくない。
また、カルボキシル基、アミノ基または水酸基以外の
イオン性基を導入しようとしても、当該ポリウレタンと
不飽和単量体類との充分な架橋性が認められない。
前記したポリオール成分として特に代表的なもののみ
を挙げるに留めれば、ポリエステルポリオールまたはポ
リエーテルポリオールなどであり、他方、前記したポリ
イソシアネート成分として特に代表的なもののみを挙げ
るに留めれば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソ
シアネートまたは芳香族ジイソシアネートを用いて、常
法により、得られるウレタンプレポリマーなどである。
また、鎖伸長剤として用いられる前記した活性水素原
子含有低分子量化合物として特に代表的なもののみを例
示するに留めれば、ジオール類またはジアミン類などで
ある。
かくして得られる官能基含有ポリウレタンと反応しう
る官能基(反応性基)を有する不飽和単量体として特に
代表的なもののみを例示するに留めれば、まず、前述し
た官能基含有ポリウレタンのこの官能基がカルボキシル
基の場合には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジルもしくはアリルグリシジルエーテルの如きグリ
シジル系化合物;N−メチロールアクリルアミドもしくは
N−メチロールメタクリルアミドまたはN−メトキシメ
チルアクリルアミドもしくはN−ブトキシメチルメタク
リルアミドの如き、N−メチロール化合物またはN−メ
チロールエーテル化合物;アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸−2−ヒドロキシプロピルもしくはメタクリル酸−
2−ヒドロキシプロピルの如き、不飽和カルボン酸のヒ
ドロキシアルキルエステル類;あるいはアリルアルコー
ルなどである。
また、官能基含有ポリウレタンの官能基が水酸基の場
合における、反応性基を含有する不飽和単量体として特
に代表的なもののみを例示するに留めれば、上掲された
如き、それぞれ、各種のグリシジル系化合物またはN−
メチロール化合物もしくはN−メチロールエーテル化合
物などのほかに、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸、または
これらマレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸の半エ
ステル類の如きカルボキシル系化合物;あるいはビニル
イソシアネートもしくはアリルイソシアネートの如きイ
ソシアネート系化合物などである。
さらに、官能基含有ポリウレタンの官能基がアミノ基
である場合には、上掲された如き、それぞれ、各種のN
−メチロール化合物もしくはN−メチロールエーテル化
合物、または各種のイソシアネート系化合物、あるいは
各種のグリシジル系化合物などが、特に代表的な反応性
基含有不飽和単量体として挙げられる。
上述したこれらの反応性基含有不飽和単量体類の使用
量としては、全単量体類中、0.5〜30重量%なる範囲
内、好ましくは、1〜10重量%なる範囲内が適切であ
る。
0.5重量%未満の場合には、どうしても、前記水性ポ
リウレタン中の官能基が、未反応のままに、多量に残存
することとなり、ひいては、架橋が不十分となり、その
結果、皮膜の耐水性、耐薬品性ならびに強伸度の向上化
が果たされ得なくなり、一方、30重量%を超えて余りに
多量となる場合には、どうしても、乳化重合時の安定性
も、さらには、水性樹脂分散液の貯蔵安定性も、共に、
悪くなり易いので、いずれの場合も好ましくない。
他方、反応性基を何ら含有しない、他の共重合性単量
体類としては、勿論、上掲された如き各種の反応性基含
有不飽和単量体と共重合可能なものであれば、いずれも
使用可能であるが、それらのうちでも特に代表的なもの
のみに例示するに留めれば、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチルもしくはアクリル酸2−
エチルヘキシルの如きアクリル酸エステル類;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチルもしくはメタクリル酸
ブチルの如きメタクリル酸エステル類;マレイン酸ジエ
チル、フマル酸ジブチルもしくはイタコン酸ジエチルの
如き不飽和ジカルボン酸ジエステル類;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニルもしくは第三級カルボン酸ビニルの如
きビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、
クロルスチレン、p−tert−ブチルスチレンもしくはビ
ニルトルエンの如き芳香族ビニルエステル類;ビニルピ
ロリドンの如き複素環式ビニル化合物;塩化ビニル、ア
クリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケトンまたは
ビニルアミドなどの各種ビニル単量体;塩化ビニリデ
ン、臭化ビニリデンもしくは、ふっ化ビニリデンの如き
ハロゲン化ビニリデン化合物;エチレンもしくはプロピ
レンの如きα−オレフィン類;ブタジエンの如きジエン
類;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランもし
くはγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの
如きシラン系化合物;アクロレイン、ダイアセトンアク
リルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニルブチルケトン、ジアセトンアクリレートまた
はアセトニトリルアクリレートなどの各種α,β−エチ
レン性不飽和単量体;あるいはN−メチルアクリルアミ
ド、N−イソブチルアクリルアミド、N−メチルメタク
リルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−
n−ブトキシメチルアクリルアミドもしくはN−イソプ
ロポキシメタクリルアミドの如き、そして、アクリルア
ミド、メタクリルアミドもしくはジアセトンアミドの如
き各種アミド類などである。
上掲された如き代表的な各種の不飽和単量体類を用い
るにさいし、前述した水性ポリウレタンと不飽和単量体
類との比率としては、それぞれの固形分換算比で、不飽
和単量体類の100重量部に対して、水性ポリウレタンの
5〜400重量部なる範囲内、好ましくは、10〜100重量部
なる範囲内が適切である。
かかる範囲内を逸脱するときは、どうしても、重合安
定性が悪くなったり、強度および耐久性などの低下を来
たすようになったりするので、いずれの場合も好ましく
ない。
本発明においては、かかる水性ポリウレタンが不飽和
単量体類の反応の場となりうるので、乳化剤などの界面
活性剤の使用は、必ずしも入用ではないが、不飽和単量
体類の100重量部に対して、0〜20重量部なる範囲内で
用いることもできる。
かかる海面活性剤(乳化剤)として特に代表的なもの
のみを例示するに留めれば、ドデシルベンゼン硫酸ナト
リウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムもしく
はアルキルアリールポリエーテル硫酸塩の如き各種の陰
イオン性乳化剤;またはポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルも
しくはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン・ブ
ロック共重合体の如き各種の非イオン性乳化剤などであ
るが、慣用量の範囲内で、適量、選択して用いればよ
い。
また、こうした乳化剤の代わりに、あるいは、乳化剤
との併用の形で、分散剤として、水溶性オリゴマーを用
いることもできるのは、勿論である。
さらに、ポリビニルアルコールもしくはヒドロキシエ
チルセルロースの如き水溶性高分子物質を、上述の乳化
剤と併用した形で、共重合反応を行なったり、あるい
は、共重合反応後において、水性樹脂分散液に添加した
りすることも有効である。
かかる乳化剤、水溶性オリゴマーおよび/または水溶
性高分子物質の合計使用量としては、不飽和単量体類の
100重量部に対して、0〜20重量部なる範囲内が適切で
ある。
これによりも多くなると、どうしても、水を飛散させ
て皮膜としたさいの耐水性などが著しく低下させること
にもなるので、好ましくない。
他方、共重合反応にさいして用いられるラジカル重合
開始剤として特に代表的なもののみを例示するに留めれ
ば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、またはアゾ
ビスイソブチロニトリルもしくはその塩酸塩などであ
り、さらには、クメンハイドロパーオキサイドまたはte
rt−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物
も、必要に応じて、使用することができる。
さらにはまた、これらの過硫酸塩や過酸化物などと、
鉄イオンの如き金属イオン、あるいは、ナトリウムスル
ホキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ナトリウム
またはL−アスコルビン酸などの還元剤を組み合わせて
用いられる、いわゆるレドックス系開始剤をも用いるこ
とができる。
共重合反応時における水性樹脂分散液の濃度は、実用
的な観点から、最終的には、25〜65重量%なる固定分含
有率となるようにするのがよく、また、反応系への不飽
和単量体類およびラジカル重合開始剤は、一括仕込み方
式、連続滴下方式または分割添加方式などの公知慣用の
いずれの方式に従ってもよいことは、勿論である。
共重合反応時の反応温度も、公知の乳化重合反応で行
なわれているような範囲内、たとえば、40〜90℃、好ま
しくは、50〜80℃なる範囲内でよく、また、かかる共重
合反応は、常圧下に、あるいは、ガス状の不飽和単量体
類を使用するときには、加圧下において行なわれる。
かくして得られる本発明の水性樹脂分散液は、たとえ
ば、不織布加工などに用いられる場合には、強伸度、耐
洗濯性ならびに耐ドライクリーニング性などにすぐれ、
しかも、極めて柔軟なものから、扨ては硬いものまで、
用途に応じた広い範囲の風合を有する製品を与えること
ができるので、衣料用や資材用などの不織布を提供する
ことができ、したがって、こうした不織布加工用などの
用途に最適なものである。
また、含浸性やスプレー性などの種々の安定性も良好
なものである処から、たとえば、被覆剤として、塗料と
して、接着剤として、シーリング剤として、あるいは、
発泡用バインダーなどとしても用いることができる。
〔発明の効果〕
以上のようにして得られる本発明の水性樹脂分散液
は、とりわけ、保存安定性にも優れるし、しかも、耐候
性、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性ならびに強伸度などの
諸々の皮膜物性などにも優れるものである。
したがって、基本的には、塗料用、接着剤用、紙加工
用、繊維加工用ならびにシーリング剤用などの、極めて
広範な分野に利用することができる。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、
一層、具体的に説明する。以下において、部および%は
特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとす
る。
参考例1(水性ポリウレタンの調製例) テレフタル酸の294部、イソフタル酸の294部、エチレ
ングリコールの131部およびジエチレングリコールの223
部を混合して、180〜230℃で8時間のあいだ、加熱して
エステル化反応を行なったのち、酸価が1よりも小さく
なるまで、230℃で6時間のあいだ、縮合反応を行なっ
た。
次いで、減圧下において、120℃で脱水処理を行なっ
てから、90℃まで冷却したのち、メチルエチルケトンの
263部を加えて攪拌し、充分に溶解させた処、酸価が0.7
で、かつ、水酸基価が50なるポリエステルポリオールが
得られた。
しかるのち、このポリエテルポリオールの226部とイ
ソホロンジイソシアネートの44部とを、75℃において、
充分に攪拌混合せしめたのち、鎖伸長剤としての2,2−
ジメチロールプロピオン酸の13部を加え、70℃で12時間
のあいだ反応せしめた。
反応終了後、40℃まで冷却してから、5%アンモニア
水の35部を加えて水溶化せしめた。
次いで、かくして得られた透明な反応生成物より、減
圧下において、60℃でメチルエチルケトンを除去せしめ
てから、イオン交換水を加えて濃度を調整せしめた処、
半透明な水性ポリウレタンが得られた。以下、これを水
性ポリウレタン(A−1)と略記するが、このものの性
状値は、次表に示されている通りである。
実施例1 攪拌機、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備
えた四ツ口フラスコに、「レベノールWZ」〔花王(株)
製の陰イオン性乳化剤;固形分=25%〕の8部、イオン
交換水の15.7部および水性ポリウレタンの111.1部を仕
込んで、攪拌を開始し、窒素気流中で70℃に昇温し、次
いで、過硫酸アンモニウムの0.6部を加えてから、予
め、アクリル酸エチルの75部、アクリル酸n−ブチルの
10部、アクリロニトリルの5部、およびメタクリル酸グ
リシジルの10よりなる不飽和単量体類の100部と、「レ
ベノールWZ」の6部およびイオン交換水の30部とを用い
て調製しておいた混合乳化液を、3時間に亘って滴下し
た。このさいの反応温度は70±3℃に保持した。
滴下終了後も、同温度範囲に1時間のあいだ保持しつ
つ、攪拌下に反応継続させ、次いで、冷却して25%アン
モニア水にてpHを8〜9に調整し、不揮発分が44.5%
で、25℃における粘度が27cps.で、かつ、pHが8.1なる
水性樹脂分散液を得た。
実施例2〜5ならびに比較例1および2 第2表に示されるような原料使用割合に変更した以外
は、実施例1と同様にして、各種の水性樹脂分散液を得
た。それらの性状値は、同表に示す通りである。
性能確認例1〜8 実施例1〜5ならびに比較例1および2で得られた、
それぞれの水性樹脂分散液と、さらに、水性ポリウレタ
ン(A−1)とを、各別に、ガラス板上で、乾燥時の膜
厚が0.4〜0.5mmとなるようにキャスティングし、20℃で
一昼夜、自然乾燥して被膜を得、次いで、80℃において
5分間の乾燥を行なってから、100℃で2分間の架橋化
(キュアリング)を行なって、供試用フィルムを得た。
次いで、それぞれのフィルムについて、諸性能の評価
を行なった。それらの結果は、第3表に示される通りで
ある。
なお、性能の評価は、次に示されるような要領で行な
ったものである。
フィルム強伸度…フィルムを3号ダンベルで打ち抜き、
テンシロンにて、300mm/minなる引張り速度で、強度お
よび伸度を測定した。
耐水性…フィルムを約20mm角に切り取り、イオン交換水
中に3日間のあいだ浸漬して引き上げ、フィルム表面の
水分を軽く拭き取ったのちに秤量した(W1)。さらに、
そのフィルムを100℃で1時間のあいだ乾燥して、放冷
後に秤量した(W2)。次式により算出した吸水率を以て
表示した。
耐溶剤性…フィルムを正20mm角に切り取り、トルエン中
に一昼夜のあいだ浸漬して引き上げ、面積膨潤率(%)
を求めた。
貯蔵安定性…水性樹脂分散液を50℃で、30日間のあいだ
放置したのちの水性樹脂分散液の皮膜化の有無や、水性
樹脂分散液それ自体の状態変化などを目視により判定し
た。○…成膜可 △…成膜不可×…放置中にゲル化 応用例1および2ならびに比較応用例1および2 実施例1および3ならびに比較例1および2で得られ
た水性樹脂分散液を、それぞれ、水で希釈して、固形分
を15%に調整してから、各別に、目付が40g/m2なるポリ
エステル・ウェブに含浸せしめ、100℃で5分間の乾燥
を行ない、140℃で5分間のベーキングを行なうことに
よって、樹脂固形分/繊維=25/100(重量比)なる不織
布を得た。
次いで、JIS L−1085なる、いわゆる不織布芯地試験
方法に従って、不織布のドライクリーニング強さおよび
洗濯強さを、主として、不織布の形態変化の有無の別を
通して評価判定した。
それらの結果は、第4表に示される通りであり、加工
不織布の耐久性の確認データーとして位置づけられる。
第3表からも明らかなように、官能基含有水性ポリウ
レタンと、反応性基含有不飽和単量体を主体とする不飽
和単量体類との共重合系に係る本発明の水性樹脂分散液
は、それぞれ、水性ポリウレタンまたは不飽和単量体類
の単独使用系においては、全く、見られないほどの、耐
水性および耐溶剤性ならびに強度および伸度などの著し
い向上化を果たしうるものであることが知れるし、ま
た、反応性基不含の不飽和単量体類のみを用いて得られ
る水性樹脂分散液に比しても、同様に、耐水性、耐溶剤
性ならびに強度などの諸物性の上で、格段にすぐれるも
のであることが知れる。
他方、第4表からも明らかなように、本発明の水性樹
脂分散液は、たとえば、不織布加工用バインダーとし
て、極めてすぐれた耐久性、就中、耐ドライクリーニン
グ性と耐洗濯性とを発揮するものであることも知れる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 3/03 C08G 18/81 C08F 2/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基、水酸基及びアミノ基のう
    ち、少なくとも一つの反応性極性基を含有するポリウレ
    タンの存在下に、該反応性極性基と反応しうる反応性極
    性基を有するα.β−エチレン性不飽和単量体を必須成
    分とするα.β−エチレン性不飽和単量体類を共重合さ
    せて得られる水性樹脂分散液。
  2. 【請求項2】前記したポリウレタンが、反応性極性基と
    してカルボキシル基を有し、10から200なる酸価を有す
    るものである請求項1記載の水性樹脂分散液。
  3. 【請求項3】前記した反応性極性基を有するα.β−エ
    チレン性不飽和単量体が、エポキシ基、N−メチロール
    基、N−メチロールエーテル基、カルボキシル基、イソ
    シアネート基のうち、少なくとも一つの反応性極性基で
    ある請求項1又は2記載の水性樹脂分散液。
  4. 【請求項4】前記したポリウレタンが、反応性極性基と
    してカルボキシル基を有し、前記した反応性極性基を有
    するα.β−エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸グ
    リシジルまたはメタクリル酸グリシジルである請求項1
    〜3のいずれか1項記載の水性樹脂分散液。
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