JP2017134173A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、はんだ耐熱性及びアルカリ現像性等の基本諸特性を損なうことなく、熱衝撃耐性と塗工性とに優れた硬化物を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、特に回路基板の絶縁膜として有用な感光性樹脂組成物及び感光性樹脂組成物の硬化皮膜を有するプリント配線板に関する。
プリント配線板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載するために使用され、そのはんだ付けランドを除く回路部分は永久保護皮膜としてのソルダーレジスト膜で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。
また、近年、プリント配線基板の配線密度の細密化にともないソルダーレジスト膜として塗布される感光性樹脂組成物も高解像性、高精度化が要求され、スクリーン印刷法から、位置精度、導体エッジ部の被覆性に優れる写真現像法が広く採用されている。写真現像法にてソルダーレジスト膜を形成する場合は、例えば、プリント配線板上に感光性樹脂組成物である液状組成物を全面塗布し、加熱して塗膜中の溶媒を揮発させた後、塗膜を露光し、未露光部分をアルカリ溶液にて除去し、現像することが行われている。
塗布された硬化塗膜は、例えば、エッジカバーリング性と塗工性に優れることが要求される場合がある。そこで、感光性樹脂組成物として、カルボキシル基含有感光性樹脂と、熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末と、光重合開始剤と、希釈剤と、エポキシ化合物と、酸化チタンとを含有する感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
一方で、硬化塗膜には、熱衝撃耐性、すなわち、硬化塗膜が、低温雰囲気と高温雰囲気に繰り返し曝されても、はんだ耐熱性等を損なうことなく、クラックが発生することを防止できる特性が要求される場合がある。また、さらに、より優れた塗工性が要求される場合がある。
特開2011−133670号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、はんだ耐熱性及びアルカリ現像性等の基本諸特性を損なうことなく、熱衝撃耐性と塗工性とに優れた硬化物を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の態様は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10質量部〜40質量部含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、前記(E)エポキシ化合物に分散されている(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
上記態様では、原材料である(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、予め、(E)エポキシ化合物中に分散されている態様となっている。すなわち、上記態様では、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が(E)エポキシ化合物と予備混合された予備混合物が用いられる。
本発明の態様は、前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子のシェルが、アクリル系樹脂及び/またはメタアクリル系樹脂であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記感光性樹脂組成物の硬化皮膜を有するプリント配線板である。
本発明の態様によれば、ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子を含むことにより、はんだ耐熱性及びアルカリ現像性等の基本諸特性を損なうことなく、熱衝撃耐性と塗工性とに優れた硬化物を得ることができる。
本発明の態様によれば、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10質量部〜40質量部含有することにより、熱衝撃耐性をさらに向上させることができる。
本発明の態様によれば、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、(E)エポキシ化合物に分散されている(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子であることにより、感光性樹脂組成物の硬化物中において、ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、より均一に分散された状態となり、熱衝撃耐性と塗工性をさらに向上させることができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について、以下に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、1000以下が好ましく、100〜500が特に好ましい。多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものを使用してもよい。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な希釈剤中で加熱することにより反応させることができる。
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を導入するためのものである。多塩基酸又はその無水物は特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては、上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
この感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂は、前記グリシジル化合物の反応によって、ラジカル重合性不飽和基が、多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、優れた感光特性を有することができる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されないが、その下限値は、確実なアルカリ現像の点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方、酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から150mgKOH/gが特に好ましい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000が好ましく、5000が特に好ましい。一方、質量平均分子量の上限値は、円滑なアルカリ現像性の点から200000が好ましく、50000が特に好ましい。
カルボキシル基含有感光性樹脂は、上記各原材料を用いて上記反応工程にて合成してもよく、上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂を使用してもよい。上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、「SP−4621」(昭和電工(株)製)、「ZAR−2000」、「ZFR−1122」、「FLX−2089」(以上、日本化薬(株)製)、「サイクロマーP(ACA)Z−250」(ダイセル・オルネクス(株)製)等を挙げることができる。また、これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子
ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子(以下、「コアシェル構造の粒子」という場合がある。)を配合することにより、はんだ耐熱性及びアルカリ現像性等の基本諸特性を損なうことなく、熱衝撃耐性と塗工性とがバランスよく向上した硬化物を得ることができる。
コアシェル構造の粒子とは、核(コア)となる粒子の表面の一部または全てが皮膜(シェル)で覆われた構造を有する粒子である。コアシェル構造の粒子は、コアの材料がポリシロキサン化合物を含むものであれば、皮膜の材料は特に限定されない。皮膜の材料としては、例えば、アクリル酸及び/またはアクリル酸エステル等を含む重合体であるアクリル系樹脂、メタクリル酸及び/またはメタクリル酸エステル等を含む重合体であるメタクリル系樹脂、芳香族ビニル化合物の重合体、シアン化ビニル化合物の重合体、アクリルアミド誘導体の重合体、マレイミド誘導体の重合体等を挙げることができる。このうち、エポキシ化合物に対する均一な分散性に優れる点から、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂が好ましい。
また、コアシェル構造の粒子が後述するエポキシ化合物(例えば、液状のエポキシ樹脂等)と予備混合された予備混合物の場合には、シェルはエポキシ化合物と親和性を有する重合体であればよく、例えば、上記樹脂や上記重合体を挙げることができる。なお、コアの材料であるポリシロキサン化合物は、ゴム状弾性体(エラストマー)である。
コアシェル構造の粒子の形状は、特に限定されないが、エポキシ化合物に対する均一な分散性の点から球状が好ましい。また、コアシェル構造の粒子の平均一次粒子径は、特に限定されないが、その下限値は、一次粒子としての分散性を向上させる点から10nmが好ましく、50nmがより好ましく、100nmが特に好ましい。一方で、平均一次粒子径の上限値は、塗膜の平滑性の点から1000nmが好ましく、750nmがより好ましく、500nmが特に好ましい。なお、「平均粒子径」は、粒度分布をレーザ式の粒度測定装置で測定した際の体積基準の累積分布における、粒度分布の小径側から50体積%の粒子径を意味する。
コアシェル構造の粒子の含有量は特に限定されないが、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂(固形分、以下同じ)100質量部に対して、その下限値は、熱衝撃耐性と塗工性とがバランスよく向上する点から3.0質量部が好ましく、より優れた熱衝撃耐性と塗工性とを得る点から5.0質量部がより好ましく、確実により優れた熱衝撃耐性と塗工性とを得る点から10質量部が特に好ましい。一方で、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対する、コアシェル構造の粒子の含有量の上限値は、塗膜の平滑性の点から50質量部が好ましく、より優れた熱衝撃耐性と塗工性とを得つつ、はんだ耐熱性の低下を防止する点から40質量部がより好ましく、より優れた熱衝撃耐性と塗工性とを得つつ、はんだ耐熱性の低下を確実に防止する点から20質量部が特に好ましい。
(C)光重合開始剤
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5〜30質量部が好ましく、7〜20質量部が特に好ましい。
(D)反応性希釈剤
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。
反応性希釈剤は、上記化合物であれば特に限定されず、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチルメタクリレート、ジエチレングルコールモノメタクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピルアクリルレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
反応性希釈剤の含有量は特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2.0〜500質量部が好ましく、10〜300質量部が特に好ましい。
(E)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものであり、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
エポキシ化合物の含有量は、特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、硬化後に十分な強度の塗膜を得る点から、5.0〜60質量部が好ましく、7.0〜50質量部が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記した成分(A)〜成分(E)の他に、必要に応じて、種々の成分、例えば、ブロック共重合体、フィラー、着色剤、各種添加剤、非反応性希釈剤等を含有させることができる。
ブロック共重合体は、熱衝撃耐性とはんだ耐熱性をさらに向上させることに寄与する。ブロック共重合体には、トリブロック共重合体、ジブロック共重合体等を挙げることができる。
トリブロック共重合体には、例えば、[a]−[b]−[a]構造のブロック共重合体を挙げることができる。[a]の重合体ブロックは、ガラス転移温度が[b]の重合体ブロックよりも高く、よって、相対的にハードブロック構造を有する。[a]のガラス転移温度は、はんだ耐熱性の点から60℃以上が好ましく、90℃以上が特に好ましい。[a]の重合体ブロックとしては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。[a]の重合体ブロックも、[a]の重合体ブロックと同様に、ガラス転移温度が[b]の重合体ブロックよりも高く、よって、相対的にハードブロック構造を有する。[a]のガラス転移温度は、[a]と同様に、はんだ耐熱性の点から60℃以上が好ましく、90℃以上が特に好ましい。[a]の重合体ブロックとしては、例えば、[a]の重合体ブロックと同じく、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定によって測定することができる。
[b]の重合体ブロックは、ガラス転移温度が[a]の重合体ブロック及び[a]の重合体ブロックよりも低く、よって、相対的にソフトブロック構造を有する。[b]のガラス転移温度は、硬化物に柔軟性を付与することで熱衝撃を受けても硬化物にクラックが発生するのを防止する点から−20℃以下が好ましく、−30℃以下が特に好ましい。[b]の重合体ブロックとしては、例えば、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリブタジエン、ポリイソプレン等が挙げられる。
トリブロック共重合体における[b]の含有量は、特に限定されず、例えば、はんだ耐熱性を向上させつつ、熱衝撃耐性に寄与させる点から20〜65質量%が好ましく、はんだ耐熱性をより向上させる点から40〜55質量%が特に好ましい。また、トリブロック共重合体の質量平均分子量は、特に限定されず、例えば、その下限値は、タック性の点から10000が好ましく、柔軟性の点から20000が特に好ましい。一方、その上限値は、現像性の点から200000が好ましく、100000が特に好ましい。
また、トリブロック共重合体には、例えば、上記した[a]−[b]−[a]構造のブロック共重合体を構成するモノマーに、さらに親水性基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基など)を有するモノマー(例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸等)やジメチル(メタ)アクリルアミド等の含有したモノマー原料を共重合させた、トリブロック共重合体であってもよい。
ジブロック共重合体には、例えば、[a]−[b]構造のブロック共重合体を挙げることができる。ここで、[a]の重合体ブロックは、ガラス転移温度が[b]の重合体ブロックよりも高く、よって、相対的にハードブロック構造を有する。[a]のガラス転移温度は、はんだ耐熱性の点から60℃以上が好ましく、90℃以上が特に好ましい。[a]の重合体ブロックとしては、例えば、上記した[a]の重合体ブロック、[a]の重合体ブロックと同じく、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
[b]の重合体ブロックは、ガラス転移温度が[a]の重合体ブロックよりも低く、よって、相対的にソフトブロック構造を有する。[b]のガラス転移温度は、硬化物に柔軟性を付与することで熱衝撃を受けてもクラックの発生を防止する点から−20℃以下が好ましく、−30℃以下が特に好ましい。[b]の重合体ブロックとしては、例えば、上記した[b]の重合体ブロックと同じく、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリブタジエン、ポリイソプレン等が挙げられる。
ジブロック共重合体における[b]の含有量は、特に限定されず、例えば、はんだ耐熱性と熱衝撃耐性とをよりバランスよく向上させる点から20〜65質量%が好ましく、良好な熱衝撃耐性を得つつ、はんだ耐熱性をより向上させる点から40〜55質量%が特に好ましい。また、ジブロック共重合体の質量平均分子量は、特に限定されず、例えば、その下限値は、タック性の点から10000が好ましく、柔軟性の点から20000が特に好ましい。一方、その上限値は、現像性の点から200000が好ましく、100000が特に好ましい。
ブロック共重合体の含有量は特に限定されず、例えば、その下限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、はんだ耐熱性をより向上させる点から2.0質量部が好ましく、はんだ耐熱性と熱衝撃耐性をバランスよく向上させる点から3.0質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、アルカリ現像性の点から40質量部が好ましく、はんだ耐熱性の点から30質量部が特に好ましい。
フィラーは、感光性樹脂組成物の塗膜の物理的強度を上げるためのものであり、例えば、タルク、硫酸バリウム、疎水性シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、マイカ等を挙げることができる。
着色剤は、特に限定されず、例えば、白色着色剤である酸化チタンや、白色以外の着色剤として、フタロシアニングリーン及びフタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アントラキノン系、並びにアゾ系等の有機顔料や、黒色着色剤であるカーボンブラック等の無機顔料を挙げることができる。
各種添加剤には、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等の消泡剤、シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の潜在性硬化剤、アセチルアセナートZn及びアセチルアセナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類、イミダゾリウム塩類並びにトリエタノールアミンボレート等の熱硬化促進剤、ポリカルボン酸アマイド等のチキソ剤などを挙げることができる。
非反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の乾燥性を調節するためのものであり、例えば、溶剤を挙げることができる。溶剤には、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロプレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類等を挙げることができる。
上記した本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて三本ロールにより混合分散させて製造することができる。また、必要に応じて、前記混合分散前に、攪拌機にて予備混合してもよい。
次に、本発明の感光性樹脂組成物の使用方法例を説明する。ここでは、本発明の感光性樹脂組成物を、プリント配線板に塗工して、ソルダーレジスト膜等の絶縁被膜を形成する方法を例にして説明する。
上記のようにして得られた本発明の感光性樹脂組成物を、例えば、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板やフレキシブルプリント配線板等の回路基板上に、スクリーン印刷、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ、グラビアコータ等、公知の塗工方法を用いて、所望の厚さ、例えばDRY膜厚が20〜40μmとなる厚さで塗布する。塗布後、本発明の感光性樹脂組成物に溶剤が含まれている場合には、溶剤を揮散させるために、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行ってタックフリーの塗膜を形成する。
次に、塗布した感光性樹脂組成物上に、回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、プリント配線板やフレキシブルプリント配線板等の回路基板上に目的とするソルダーレジスト膜等の絶縁被膜を形成させることができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1〜6
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜5、比較例1〜6にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作製した。下記表1中の数字は質量部を示す。また、下記表1中の空欄は配合なしを意味する。
Figure 2017134173
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
合成樹脂Aは、以下の通り合成した。
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート250質量部に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、ESCN−220、エポキシ当量220)220質量部及びアクリル酸64.8質量部を溶解し、還流下に反応させて、クレゾールノボラック型エポキシアクリレートを得た。次いで、得られたクレゾールノボラック型エポキシアクリレートに、ヘキサヒドロ無水フタル酸123.2質量部を加え、酸価が理論値になるまで還流下で反応させた後、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル57.6質量部を加え、さらに反応させて固形分65質量%のカルボキシル基含有感光性樹脂である合成樹脂Aを得た。
(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子
・カネエースMX−960:カネカ(株)製。なお、表1に記載の配合量は、コアシェル構造の粒子自体の配合量を意味する。
・GENIOPERL P52:粉体、旭化成ワッカーシリコーン社製。
コアがポリシロキサン化合物を含まないコアシェル構造の粒子
・カネエースMX−153:カネカ(株)製。なお、表1に記載の配合量は、コアシェル構造の粒子自体の配合量を意味する。
・クレハBTA751:粉体、呉羽化学(株)製。
・スタフィロイドAC3871:粉体、ガンツ化成(株)製。
(C)光重合開始剤
・イルガキュア907、イルガキュア819、イルガキュアOXE−02:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製。
・KAYACURE JETX:日本化薬(株)製。
(D)反応性希釈剤
・EBECRYL8402:ダイセル・オルネクス社製。
(E)エポキシ化合物
・エピコート828,YX−4000:三菱化学(株)製。
ブロック共重合体
・M52N:ジメチルアクリルアミドが共重合したポリメチルメタクリレート−ポリブチルアクリレート−ジメチルアクリルアミドが共重合したポリメチルメタクリレートのトリブロック共重合体、ジメチルアクリルアミドが共重合したトリブロック共重合体の総質量に対して、ジメチルアクリルアミドの重合割合は10〜15質量%(原料換算)、質量平均分子量15000、アルケマ社製。
また、M52Nは、下記式
[a]−[b]−[a
(式中、[a]は、N,N−ジメチルアクリルアミド変性されたポリメチルメタクリレートであり、[a]は、N,N−ジメチルアクリルアミド変性されたポリメチルメタクリレートである重合体ブロック。[b]は、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等で変性されていないポリn-ブチルアクリレートである重合体ブロック。[a]と[a]の質量の合計/[b]の質量=1/1。)で表され、ガラス転移温度は135℃(示差走査熱量測定法(DSC法))である。
フィラー
・硫酸バリウムB−34:堺化学工業(株)製。
・LMS200:富士タルク(株)製。
・レオロシールDM−20S:トクヤマ(株)製。
着色剤
・ファーストゲングリーン:DIC社製。
添加剤
・粉末メラミン:日産化学工業(株)製。
・アンテージMB:川口化学工業(株)製。
・DICY−7:ジャパンエポキシレジン社製。
・KS−66:信越化学工業(株)製。
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品(株)製。
試験片作製工程
基板:プリント配線基板(ガラスエポキシ基板「FR−4」、板厚1.6mm、導体(Cu箔)厚50μm)
基板表面処理:バフ研磨
塗工:スクリーン印刷(印刷板T120N)、ウェット膜厚35μm
DRY膜厚:20μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:感光性樹脂組成物上300mJ/cm(オーク社製「HMW−680GW」)
アルカリ現像:1質量%のNa2CO3水溶液、液温30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア:150℃、60分
評価項目は以下の通りである。
(1)熱衝撃耐性試験
上記試験片作製工程にて作製した試験片について、熱衝撃試験機(日立アプライアンス(株)製、日立ヒートショック試験装置「ES−76LMS」)にて、−65℃/30分〜125℃/30分を1サイクルとして1500サイクルの試験を行った。その後、顕微鏡(×200)にてプリント配線基板の塗膜を観察して、塗膜のクラック発生率を以下の基準にて評価した。なお、塗膜の観察位置は、露出したCu箔(2.0mm角パット)の周りを囲むように正方形状(2.4mm角)にアルカリ現像された塗膜の開口部56箇所の各角部(合計224箇所)とした。
5:クラック発生率が10%以下
4:クラック発生率が10%超〜20%
3:クラック発生率が20%超〜30%
2:クラック発生率が30%超〜50%
1:クラック発生率が50%超
(2)はんだ耐熱性
上記試験片作製工程にて作製した試験片に、フラックス((株)タムラ製作所製、「ULF−210R」)を塗布後、25℃にて乾燥した。その後、塗布面を下側に向け、260〜262℃のはんだ槽に浸せきし、10秒間加熱した。その後、はんだ槽から試験片を取り出し、常温まで冷却した。冷却後、IPAでフラックス残渣をふき取って、セロハン粘着テープによるピーリング試験(剥離試験)を1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
○:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない
△:2〜3サイクル繰り返し後に塗膜に変化が認められる
×:1サイクルにて塗膜に変化が認められる
(3)塗工性
上記試験片作製工程の予備乾燥終了後、塗膜表面を目視にて以下の基準に従い評価した。
○:塗膜表面が平滑で、導体間にボイドなし
△:塗膜表面が若干ゆず肌状であるが、導体間にボイドなし
×:塗膜表面がゆず肌状であり、導体間にボイドが見られる
(4)アルカリ現像性
上記試験片作製工程にて使用したプリント配線基板に、上記のように調製した感光性樹脂組成物をスクリーン印刷法にて塗布後、80℃にて、40、50、60分間、予備乾燥した。その後、予備乾燥炉から試験片を取り出し、上記試験片作製工程のアルカリ現像条件にて現像を行い、現像後の塗膜の除去状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
○:予備乾燥時間60分でも完全に塗膜が除去されている
△:予備乾燥時間40分で完全に塗膜が除去されているが、50分間または60分間で若干塗膜が残っている
×:予備乾燥時間40分で塗膜が残っている
上記評価の結果を下記表2に示す。
Figure 2017134173
上記表2に示すように、コア材料としてポリシロキサン化合物を含むコアシェル構造の粒子を配合することにより、はんだ耐熱性及びアルカリ現像性等の基本諸特性を損なうことなく、熱衝撃耐性と塗工性とに優れた硬化物を得ることができた。また、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部(固形分)に対してポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子を約14質量部配合した実施例2、5は、それぞれ、ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子を約3.5質量部配合した実施例1、4と比較して、熱衝撃耐性がさらに向上し、実施例2は実施例1と比較してさらに塗工性も向上した。また、実施例2は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対してポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子を約28質量部配合した実施例3と比較して、より優れたはんだ耐熱性が得られた。
また、実施例1、2と実施例4、5から、コアシェル構造の粒子が液状のエポキシ樹脂に予備混合された予備混合品(実施例1、2)を使用すると、コアシェル構造の粒子が液状のエポキシ樹脂に予備混合されておらず粉体であるもの(実施例4、5)を使用する場合と比較して、熱衝撃耐性がさらに向上した。
一方で、コア材料としてポリシロキサン化合物を含まないコアシェル構造の粒子を配合した比較例では、熱衝撃耐性、塗工性ともに、優れた硬化物を得ることができなかった。
本発明の感光性樹脂組成物は、はんだ耐熱性及びアルカリ現像性等の特性を損なうことなく、熱衝撃耐性と塗工性とに優れた硬化物を得ることができるので、例えば、プリント配線板の分野で利用価値が高い。

Claims (5)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10質量部〜40質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、前記(E)エポキシ化合物に分散されている(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子のシェルが、アクリル系樹脂及び/またはメタアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化皮膜を有するプリント配線板。
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