JP2017134173A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子(以下、「コアシェル構造の粒子」という場合がある。)を配合することにより、はんだ耐熱性及びアルカリ現像性等の基本諸特性を損なうことなく、熱衝撃耐性と塗工性とがバランスよく向上した硬化物を得ることができる。
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。
エポキシ化合物は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものであり、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜5、比較例1〜6にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作製した。下記表1中の数字は質量部を示す。また、下記表1中の空欄は配合なしを意味する。
合成樹脂Aは、以下の通り合成した。
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート250質量部に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、ESCN−220、エポキシ当量220)220質量部及びアクリル酸64.8質量部を溶解し、還流下に反応させて、クレゾールノボラック型エポキシアクリレートを得た。次いで、得られたクレゾールノボラック型エポキシアクリレートに、ヘキサヒドロ無水フタル酸123.2質量部を加え、酸価が理論値になるまで還流下で反応させた後、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル57.6質量部を加え、さらに反応させて固形分65質量%のカルボキシル基含有感光性樹脂である合成樹脂Aを得た。
・カネエースMX−960:カネカ(株)製。なお、表1に記載の配合量は、コアシェル構造の粒子自体の配合量を意味する。
・GENIOPERL P52:粉体、旭化成ワッカーシリコーン社製。
・カネエースMX−153:カネカ(株)製。なお、表1に記載の配合量は、コアシェル構造の粒子自体の配合量を意味する。
・クレハBTA751:粉体、呉羽化学(株)製。
・スタフィロイドAC3871:粉体、ガンツ化成(株)製。
・イルガキュア907、イルガキュア819、イルガキュアOXE−02:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製。
・KAYACURE JETX:日本化薬(株)製。
・EBECRYL8402:ダイセル・オルネクス社製。
・エピコート828,YX−4000:三菱化学(株)製。
・M52N:ジメチルアクリルアミドが共重合したポリメチルメタクリレート−ポリブチルアクリレート−ジメチルアクリルアミドが共重合したポリメチルメタクリレートのトリブロック共重合体、ジメチルアクリルアミドが共重合したトリブロック共重合体の総質量に対して、ジメチルアクリルアミドの重合割合は10〜15質量%(原料換算)、質量平均分子量15000、アルケマ社製。
[a1]−[b1]−[a2]
(式中、[a1]は、N,N−ジメチルアクリルアミド変性されたポリメチルメタクリレートであり、[a2]は、N,N−ジメチルアクリルアミド変性されたポリメチルメタクリレートである重合体ブロック。[b1]は、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等で変性されていないポリn-ブチルアクリレートである重合体ブロック。[a1]と[a2]の質量の合計/[b1]の質量=1/1。)で表され、ガラス転移温度は135℃(示差走査熱量測定法(DSC法))である。
・硫酸バリウムB−34:堺化学工業(株)製。
・LMS200:富士タルク(株)製。
・レオロシールDM−20S:トクヤマ(株)製。
着色剤
・ファーストゲングリーン:DIC社製。
添加剤
・粉末メラミン:日産化学工業(株)製。
・アンテージMB:川口化学工業(株)製。
・DICY−7:ジャパンエポキシレジン社製。
・KS−66:信越化学工業(株)製。
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品(株)製。
基板:プリント配線基板(ガラスエポキシ基板「FR−4」、板厚1.6mm、導体(Cu箔)厚50μm)
基板表面処理:バフ研磨
塗工:スクリーン印刷(印刷板T120N)、ウェット膜厚35μm
DRY膜厚:20μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:感光性樹脂組成物上300mJ/cm2(オーク社製「HMW−680GW」)
アルカリ現像:1質量%のNa2CO3水溶液、液温30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア:150℃、60分
(1)熱衝撃耐性試験
上記試験片作製工程にて作製した試験片について、熱衝撃試験機(日立アプライアンス(株)製、日立ヒートショック試験装置「ES−76LMS」)にて、−65℃/30分〜125℃/30分を1サイクルとして1500サイクルの試験を行った。その後、顕微鏡(×200)にてプリント配線基板の塗膜を観察して、塗膜のクラック発生率を以下の基準にて評価した。なお、塗膜の観察位置は、露出したCu箔(2.0mm角パット)の周りを囲むように正方形状(2.4mm角)にアルカリ現像された塗膜の開口部56箇所の各角部(合計224箇所)とした。
5:クラック発生率が10%以下
4:クラック発生率が10%超〜20%
3:クラック発生率が20%超〜30%
2:クラック発生率が30%超〜50%
1:クラック発生率が50%超
上記試験片作製工程にて作製した試験片に、フラックス((株)タムラ製作所製、「ULF−210R」)を塗布後、25℃にて乾燥した。その後、塗布面を下側に向け、260〜262℃のはんだ槽に浸せきし、10秒間加熱した。その後、はんだ槽から試験片を取り出し、常温まで冷却した。冷却後、IPAでフラックス残渣をふき取って、セロハン粘着テープによるピーリング試験(剥離試験)を1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
○:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない
△:2〜3サイクル繰り返し後に塗膜に変化が認められる
×:1サイクルにて塗膜に変化が認められる
上記試験片作製工程の予備乾燥終了後、塗膜表面を目視にて以下の基準に従い評価した。
○:塗膜表面が平滑で、導体間にボイドなし
△:塗膜表面が若干ゆず肌状であるが、導体間にボイドなし
×:塗膜表面がゆず肌状であり、導体間にボイドが見られる
上記試験片作製工程にて使用したプリント配線基板に、上記のように調製した感光性樹脂組成物をスクリーン印刷法にて塗布後、80℃にて、40、50、60分間、予備乾燥した。その後、予備乾燥炉から試験片を取り出し、上記試験片作製工程のアルカリ現像条件にて現像を行い、現像後の塗膜の除去状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
○:予備乾燥時間60分でも完全に塗膜が除去されている
△:予備乾燥時間40分で完全に塗膜が除去されているが、50分間または60分間で若干塗膜が残っている
×:予備乾燥時間40分で塗膜が残っている
Claims (5)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10質量部〜40質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子が、前記(E)エポキシ化合物に分散されている(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)ポリシロキサン化合物を含むコアを有するコアシェル構造の粒子のシェルが、アクリル系樹脂及び/またはメタアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化皮膜を有するプリント配線板。
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