JP2019061105A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、酸化された導体上における感光性樹脂組成物の塗膜の厚みが10μm程度以下でも、導体上における感光性に優れ、導体上において優れた塗膜硬度を有する硬化物を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤と、(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆材料、例えば、リジッド基板やフレキシブル基板に形成された導体回路パターンを有するプリント配線板の該導体回路パターンを被覆するための絶縁被覆材料に適した感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有するドライフィルム及び感光性樹脂組成物を硬化させた硬化物を被覆したプリント配線板に関するものである。
基板上には導体(例えば、銅箔)の導体回路パターンが形成され、該回路パターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載し、そのはんだ付けランドを除く回路部分は保護膜としての絶縁被膜で被覆される。前記絶縁被膜として、カルボキシル基含有感光性樹脂と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物の硬化膜が使用される。光重合開始剤としては、感度を向上させるためにオキシムエステル系光重合開始剤が用いられることがある。
上記感光性樹脂組成物として、例えば、カルボキシル基含有樹脂、オキシムエステル系光重合開始剤、ブロックイソシアネート化合物、及びマレイミド化合物を含む光硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
一方で、基板上に形成された導体の厚みは一定ではない場合がある。そのような基板上に、特許文献1等の感光性樹脂組成物をスクリーン印刷等で塗布したり、感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有するドライフィルムをラミネートすると、基板上に形成された導体の厚みの違いや密度によって、導体上における感光性樹脂組成物の塗膜の厚みが変動する。導体の高さが相対的に高い部位では、感光性樹脂組成物の塗膜の厚みが薄くなりやすく、例えば、塗膜の厚みが10μm程度まで薄くなることがある。
また、導体は、酸で表面処理されたり、熱負荷をかけられることによって、酸化されることがあり、例えば、導体が銅箔の場合、その表面部が酸化銅となる場合がある。オキシムエステル系光重合開始剤を使用した感光性樹脂組成物が、酸化銅上において10μm程度まで薄く塗工されると、一般的な塗膜の厚さである15〜30μm程度の場合と比較して、導体上における感光性が低下して、光硬化性が低下する場合があるという問題があった。結果、現像時に、感光性樹脂組成物の塗膜が導体から剥がれて塗膜が形成されなかったり、十分な塗膜硬度が得られない場合があるという問題があった。
特開2015―111292号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、酸化された導体上における感光性樹脂組成物の塗膜の厚みが10μm程度以下でも、導体上における感光性に優れ、導体上において優れた塗膜硬度を有する硬化物を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の態様は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤と、(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーのアミン価が、20〜100mgKOH/gであることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの質量平均分子量が、500〜5000であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーが、さらに水酸基を有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.05〜2.0質量部含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、さらに、(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤/前記(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤の質量比が、1.0〜10であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、上記感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有することを特徴とするドライフィルムである。
本発明の態様は、上記感光性樹脂組成物の硬化膜を有することを特徴とするプリント配線板である。
本発明の態様によれば、(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含むことにより、オキシムエステル系光重合開始剤を使用し、酸化された導体上における感光性樹脂組成物の塗膜の厚みが10μm程度以下でも、酸化された導体上における感光性に優れ、酸化された導体上において優れた塗膜硬度を有する硬化物を得ることができる。
本発明の態様によれば、(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーのアミン価が、20〜100mgKOH/gであることにより、塗膜の厚みが10μm程度以下でも、酸化された導体上における感光性と塗膜硬度を確実に向上させることができる。
本発明の態様によれば、(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーが、さらに水酸基を有することにより、塗膜の厚みが10μm程度以下でも、酸化された導体上における感光性と塗膜硬度を確実に向上させることができる。
本発明の態様によれば、さらに、(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有することにより、塗膜の厚みが10μm程度以下でも、酸化された導体上における感光性をさらに向上させることができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について、以下に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤と、(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されないが、その上限値は、3000g/eqが好ましく、2000g/eqがより好ましく、1000g/eqがさらに好ましく、500g/eqが特に好ましい。一方で、その下限値は、100g/eqが好ましく、200g/eqが特に好ましい。
多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものを使用してもよい。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な希釈剤中で加熱することにより反応させることができる。
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基に反応し、感光性樹脂に遊離のカルボキシル基を導入するためのものである。感光性樹脂に遊離のカルボキシル基が導入されることで、アルカリ現像性が付与される。多塩基酸又はその無水物は特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明においては、上記した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
この感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂は、前記グリシジル化合物の反応によって、ラジカル重合性不飽和基が、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、より優れた感光特性を有することができる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂として、酸変性ウレタン化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂等の酸変性ウレタン化ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を使用してもよい。酸変性ウレタン化ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂は、例えば、まず、上記のようにしてエポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、生成した水酸基に、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物と、水酸基とカルボキシル基を有する化合物とを反応させることで得られる。
1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネアート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチルアミンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
水酸基とカルボキシル基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸等のカルボキシル基を有するポリオールを挙げることができる。
本発明においては、上記した酸変性ウレタン化ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記酸変性ウレタン化ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、上記列挙したグリシジル化合物を挙げることができる。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されないが、その下限値は、確実なアルカリ現像性の点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方、酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から150mgKOH/gが特に好ましい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から6000が好ましく、7000が特に好ましい。一方、質量平均分子量の上限値は、円滑なアルカリ現像性の点から200000が好ましく、50000が特に好ましい。
カルボキシル基含有感光性樹脂は、上記各原材料を用いて上記反応工程にて合成してもよく、上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂を使用してもよい。上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、「SP−4621」(昭和電工(株))、「ZAR−2000」、「ZFR−1122」、「FLX−2089」、「ZCR−1569H」(以上、日本化薬(株))、「サイクロマーP(ACA)Z−250」(ダイセル・オルネクス(株))等を挙げることができる。また、これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)光重合開始剤
本発明では、光重合開始剤として、少なくとも(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤を使用する。
(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤
オキシムエステル系光重合開始剤は、オキシムエステル基を有する化合物である。オキシムエステル系光重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、1,8−オクタンジオン,1,8−ビス[9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル]−,1,8−ビス(O−アセチルオキシム)、1,8−オクタンジオン,1,8−ビス[9−(2−エチルヘキシル)−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル]−,1,8−ビス(O−アセチルオキシム)、(Z) −(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ) −2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシム等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
オキシムエステル系光重合開始剤の含有量は、特に限定されず、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜5.0質量部が好ましく、0.2質量部〜3.0質量部が特に好ましい。
また、本発明では、光重合開始剤として、オキシムエステル系光重合開始剤に加えて、さらに、(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を配合してもよい。α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を配合することにより、酸化された導体上における塗膜の厚みが10μm程度以下でも、感光性をさらに向上させることができる。
α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンを挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤の含有量は、特に限定されず、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.2質量部〜10質量部が好ましく、0.5質量部〜4.0質量部が特に好ましい。
(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤/(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤の質量比は、特に限定されないが、酸化された導体上における感光性樹脂組成物の塗膜の厚みが10μm程度以下でも、感光性をさらに向上させる点から1.0〜10が好ましく、2.0〜7.0が特に好ましい。
また、本発明では、光重合開始剤として、(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤と(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤以外の、他の光重合開始剤をさらに配合してもよい。他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜15質量部が好ましく、0.3質量部〜7.0質量部が特に好ましい。
(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマー
アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを配合することで、オキシムエステル系光重合開始剤を使用し、酸化された導体上における感光性樹脂組成物の塗膜の厚みが10μm程度以下であっても、酸化された導体上において、感光性と硬度に優れた硬化物を得ることができる。また、アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを配合することで、酸化された導体に対する硬化物の密着性が向上する。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーのアミン価は、特に限定されないが、塗膜の厚みが10μm程度以下でも、酸化された導体上における感光性と塗膜硬度を確実に向上させる点から、20〜100mgKOH/gが好ましく、30〜80mgKOH/gが特に好ましい。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの質量平均分子量は、特に限定されないが、500〜5000が好ましく、1000〜4000が特に好ましい。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの化学構造は、特に限定されないが、塗膜の厚みが10μm程度以下でも、酸化された導体上における感光性と塗膜硬度を確実に向上させる点から、さらに水酸基を有する化学構造が好ましい。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は、特に限定されないが、その下限値は、塗膜の厚みが10μm程度以下であっても、酸化された導体上において感光性と硬度を確実に得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.05質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましく、0.3質量部が特に好ましい。一方で、その上限値は、絶縁信頼性の低下を確実に防止する点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2.0質量部が好ましく、1.5質量部が特に好ましい。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーとしては、例えば、「BYK−4512」(ビックケミー・ジャパン(株))、「BYK−4500」(ビックケミー・ジャパン(株))等を挙げることができる。
(D)反応性希釈剤
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。
反応性希釈剤としては、例えば、単官能の(メタ)アクリレート化合物、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
反応性希釈剤の含有量は、特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5.0〜100質量部が好ましく、10〜50質量部が特に好ましい。
(E)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化塗膜等の硬化物を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ化合物の含有量は、特に限定されず、十分な機械的強度の硬化塗膜を確実に得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記した(A)〜(E)成分の他に、必要に応じて、他の成分、例えば、難燃剤、着色剤、各種添加剤、非反応性希釈剤等を、適宜、配合してもよい。
難燃剤は、例えば、リン系の難燃剤を挙げることができる。リン系の難燃剤としては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド(以下HCA)、HCAとアクリル酸エステルの付加反応生成物、HCAとエポキシ樹脂の付加反応生成物、HCAとハイドロキノンの付加反応生成物等のHCA変性型化合物、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。このうち、有機リン酸塩系の難燃剤が好ましい。
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されず、また、白色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、黒色着色剤等、いずれも使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である酸化チタン、黒色着色剤であるカーボンブラック等の無機系着色剤や、緑色着色剤であるフタロシアニングリーン及び青色着色剤であるフタロシアニンブルーやリオノールブルー等のフタロシアニン系、アントラキノン系等の有機系着色剤などを挙げることができる。
各種添加剤には、シリコーン系、炭化水素系及びアクリル系等の消泡剤、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の硬化促進剤、タルク、硫酸バリウム、疎水性シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、マイカ等の無機系体質顔料等を挙げることができる。
非反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するためのものである。非反応性希釈剤として、例えば、有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤には、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート等のエステル類等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記した本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
次に、上記した本発明の感光性樹脂組成物の使用方法例について説明する。ここでは、まず、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗工して、ソルダーレジスト膜を形成する方法を例にとって説明する。
銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板上に、上記のように製造した感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ、グラビアコータ等の公知の方法を用いて所望の厚さに塗布する。塗布後、必要に応じて、感光性樹脂組成物中の非反応性希釈剤(有機溶剤)を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行い、感光性樹脂組成物から非反応性希釈剤(有機溶剤)を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。塗布した感光性樹脂組成物上に、前記回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、プリント配線板上に、目的とする、硬化塗膜であるソルダーレジスト膜を形成させることができる。
次に、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗工したドライフィルムを用いて、ソルダーレジスト膜を形成する方法を説明する。
ドライフィルムは、支持フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルム)と、該支持フィルムに塗工されたソルダーレジスト層と、該ソルダーレジスト層を保護するカバーフィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム)と、を有する構造である。支持フィルム上に感光性樹脂組成物を、ローラコート法等の公知の方法で塗工後、塗膜を乾燥処理して支持フィルム上にソルダーレジスト層を形成し、その後、形成したソルダーレジスト層上にカバーフィルムを積層することでドライフィルムを作製できる。上記ドライフィルムのカバーフィルムを剥がしながらソルダーレジスト層とプリント配線板をはり合わせることで、プリント配線板上にソルダーレジスト膜を形成する。その後、上記と同様に、露光、現像、ポストキュアの各工程を行なうことで、プリント配線板上に目的とする回路パターンを有するソルダーレジスト膜を形成させることができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1〜4
下記表1、2に示す各成分を下記表1、2に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜7、比較例1〜4にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1、2に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1、2中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
Figure 2019061105
Figure 2019061105
なお、表1、2中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・KAYARAD ZAR−2000:固形分(樹脂分)65質量%、日本化薬(株)
なお、KAYARAD ZAR−2000は、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸を反応させて、エポキシアクリレートを得、生成した水酸基に多塩基酸を反応させて得られる構造である、多塩基酸変性エポキシアクリレートである。
(B)光重合開始剤
(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤
・NCI−831:ADEKA社
・OXE−02:BASF社
(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤
・Irgacure 369、Irgacure 907:BASF社
他の光重合開始剤
・chemcure DETX:日本シイベルヘグナー(株)
(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマー
・BYK−4512:ビックケミー・ジャパン(株)
(D)反応性希釈剤
・EBERCRYL8405:ダイセル・オルネクス社
(E)エポキシ化合物
EPICRON 850−S:DIC社
体質顔料
・ハイジライト H42M:昭和電工(株)
難燃剤
・エクソリット OP−935:クラリアントジャパン(株)
硬化促進剤
・DICY−7:三菱化学(株)
・メラミン:日産化学工業(株)
消泡剤
・X−50−1095C:信越化学工業(株)
着色剤
・デンカブラック:電気化学工業(株)
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品(株)
試験片作製工程
基板:ポリイミドフィルム(新日鉄住金化学(株)「ESPANEX」、導体である銅箔の厚さ12μm、ポリイミドフィルムの厚さ25μm)
表面処理:3質量%硫酸処理
印刷法:スクリーン印刷
DRY膜厚:6〜8μm及び15〜20μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:塗膜上に100mJ/cm、(株)オーク製作所 DI紫外線露光装置 「Mns60」(光源は高圧水銀灯)
現像:1質量%炭酸ナトリウム水溶液 温度30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア:150℃、60分
評価
(1)感度
DRY膜厚が6〜8μm及び15〜20μmの塗工基板を80℃、20分予備乾燥した後に、感度測定用ステップタブレット(コダック14段)を塗膜上に設置し、感度測定用ステップタブレットを通して、波長のメインピ−クが365nmである紫外線を、100mJ/cm照射したものをテストピ−スとした。上記照射光量は、(株)オ−ク製作所の積算光量計を用いて測定した。紫外線を露光後、上記試験片作製工程に準じて、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、0.2MPaのスプレー圧で、60秒間、現像を行い、露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。また、酸化銅箔上の感度は、塗工前に基板を、予め、110℃、1時間加熱処理した後、感光性樹脂組成物を塗工し(DRY膜厚:6〜8μm)、上記と同様に、予備乾燥、露光、現像を行って、ステップ数で表した。
(2)塗膜硬度
酸化銅箔上の硬化塗膜(DRY膜厚:6〜8μm)の鉛筆硬度を、JIS K−5600−5−4の試験方法に従って評価した。
(3)耐金めっき性
市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、ニッケル0.5μm、金0.03μmの条件でめっきを行った。酸化銅箔上の硬化塗膜(DRY膜厚:6〜8μm)の剥がれの有無やめっきのしみ込みの有無を目視にて評価した後、テープピーリング試験により、硬化塗膜(DRY膜厚:6〜8μm)の剥がれの有無を目視にて評価した。評価基準は、以下の4段階で行った。
◎:テープピーリング試験後に、全く剥がれが生じない。
○:テープピーリング試験後に、若干剥がれあり。
△:めっき後に、若干、しみ込みあり。
×:めっき後に、剥がれあり。
評価結果を、上記表1、2に示す。
上記表1に示すように、オキシムエステル系光重合開始剤を使用し、アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを配合した実施例1〜7では、酸化処理されていない銅箔上における感度を損なうことなく、酸化処理された銅箔上における感光性樹脂組成物の硬化塗膜の厚みが6〜8μmでも、感光性に優れ、優れた塗膜硬度と耐金めっき性を有する硬化塗膜を得ることができた。また、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーが0.1〜1質量部配合された実施例1〜7のいずれも、感光性、塗膜硬度及び耐金めっき性に優れていた。特に、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーが1質量部配合された実施例5では、塗膜硬度がさらに向上した。
また、実施例1、2と実施例6、7から、さらにα−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を配合すると、酸化処理された銅箔上における感度が、さらに向上した。
一方で、上記表2に示すように、アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを配合しなかった比較例1〜4では、酸化処理された銅箔上において、感光性、塗膜硬度及び耐金めっき性は得られなかった。
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化された導体上における感光性樹脂組成物の塗膜の厚みが10μm程度以下と薄くても、酸化された導体上における感光性に優れ、酸化された導体上において優れた塗膜硬度を有する硬化物を得ることができる。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、プリント配線板に形成するソルダーレジスト等の保護膜の分野、特に、銅箔の厚みが一定ではないプリント配線板に感光性樹脂組成物を塗工して保護膜を形成する分野や、感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有するドライフィルムを銅箔の厚みが一定ではない基板に施与する分野で利用価値が高い。

Claims (9)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤と、(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーのアミン価が、20〜100mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの質量平均分子量が、500〜5000であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーが、さらに水酸基を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(C)アミノ基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.05〜2.0質量部含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. さらに、(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(B−2)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤/前記(B−1)オキシムエステル系光重合開始剤の質量比が、1.0〜10であることを特徴とする請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物をフィルムに塗布した塗膜を有することを特徴とするドライフィルム。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜を有することを特徴とするプリント配線板。
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