JP7510449B2 - 感光性樹脂組成物及び樹脂膜付き基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、耐熱温度が140℃以下の基板(プラスチック基板、ガラス基板やシリコンウェハ上に有機ELや有機TFT等を備えた有機デバイス付基板等)上にフォトリソグラフィー法により樹脂膜パターンを形成するために用いる特定の組成の感光性樹脂組成物に関するものであり、また樹脂膜付き基板の製造方法に関するものである。
最近、デバイスのフレキシブル化やワンチップ化を目的として、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等のプラスチック基板(プラスチックフィルム、樹脂製フィルム)に対して直接樹脂膜(透明絶縁膜等)パターン、着色膜パターン、遮光膜パターンを形成したり、ガラス基板やシリコンウェハ上に有機ELや有機TFT等を備えた有機デバイス付基板に直接樹脂膜パターン、着色膜パターン、遮光膜パターンを形成したりする要求がある。ところが、これらはプラスチック基板自体の耐熱温度は、一般に高々140℃程度しかない場合が多く、有機デバイス付基板にあっては高々120℃、実際の製造プロセスにおける耐熱性としては100℃以下が好ましいのが実態である。そのため、プラスチック基板やデバイスに樹脂膜パターン、着色膜パターン、遮光膜パターンを形成するにあたり、140℃以下の熱焼成温度では形成したパターンの膜強度が不十分となり、その後の後工程(例えば、遮光膜パターンであれば各RGBレジスト塗布時の溶剤耐性やアルカリ現像時のアルカリ耐性等)において、塗膜の膜減り、表面荒れ、パターン剥離等の不具合が生じる問題がある。ましてや120℃以下の熱焼成温度では、所望の膜強度の樹脂膜パターン、着色膜パターン、遮光膜パターンを形成することは極めて困難である。
そこで、例えば、特開2003-15288号公報(特許文献1)には、アクリル共重合体のアルカリ可溶性樹脂をベースに、光重合開始剤に加えて熱重合開始剤を含む感光性樹脂組成物を使用し、プラスチック基板に塗布、露光、パターニング、150℃熱焼成した基板が開示されているが、残渣、基板との密着性(剥離テスト)は確保されているものの、パターン線幅、現像マージン、耐信頼性(溶剤耐性、アルカリ耐性)等の記載はなく、これらがまだ十分でない。
特開2017-181976号公報(特許文献2)には、不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、少なくとも3個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、オキシムエステル系重合開始剤、アゾ系重合開始剤、及び遮光成分を含む遮光膜用感光性樹脂組成物が開示されている。しかし、耐熱性の低いプラスチック基板や有機デバイス付基板等に、低い温度で樹脂膜パターンを形成する場合、未だ不十分であり、より現像密着性や直線性に優れ、かつ、溶剤耐性やアルカリ耐性等に優れた樹脂膜パターンを形成できる感光性樹脂組成物が要求されている。
特開2003-15288号公報 特開2017-181976号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐熱性が高々140℃であるプラスチック基板や有機デバイス付基板上に樹脂膜(透明絶縁膜等)パターン、着色膜パターン、遮光膜パターンを形成するのに好適であり、耐熱性の低いこれらのプラスチック基板や有機デバイス付基板等に適用した場合、溶剤耐性やアルカリ耐性等に優れた樹脂膜パターン、着色膜パターン、遮光膜パターン等を得るために好適な感光性樹脂組成物、および得られる樹脂膜付き基板の製造方法を提供することである。これら樹脂膜パターン、着色膜パターン、遮光膜パターン等は、各種ディスプレイ、タッチパネルセンサー、イメージセンサー等の構成部材として適用することができる。
そこで、本発明者らは、140℃以下の熱硬化によって良好な現像密着性やパターンの直線性を得ながら、溶剤耐性等に優れた樹脂膜パターン、着色膜パターン、遮光膜パターン等を得ることができる、特定の感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する製造方法について鋭意検討を行った結果、所定の重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、エポキシ化合物、エポキシ化合物の硬化剤および/又は硬化促進剤、光重合開始剤を含む組成物において、エポキシ化合物とエポキシ化合物の硬化剤および/又は硬化促進剤が特定の範囲含まれる組成物を用いることによって上記のような課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、耐熱温度が140℃以下の基板上に、感光性樹脂組成物を塗布し、フォトマスクを介して露光して、現像により未露光部を除去し、次いで140℃以下で加熱して所定の樹脂膜パターンを形成させて樹脂膜付き基板を製造するため使用される感光性樹脂組成物であって、
(A)不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、
(B)少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、
(C)エポキシ化合物、
(D)エポキシ化合物の硬化剤および/又は硬化促進剤、
(E)光重合開始剤、
(F)溶剤、
を含み、F成分を除く固形分中にC成分とD成分の合計量が6~24質量%であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
特に、本発明においては、
C成分のエポキシ化合物が、エポキシ当量100~300g/eqであり、
D成分の硬化剤が多価カルボン酸系化合物であり、
E成分の光重合開始剤がアシルオキシム系光重合開始剤である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(G)有機顔料又は無機顔料からなる着色剤をさらに含んでもよい。
G成分の着色剤が有機黒色顔料、又は無機黒色顔料からなる遮光材であることが好ましい。
E成分の光重合開始剤として365nmにおけるモル吸光係数が10000以上であるアシルオキシム系光重合開始剤を用いることが好ましい。
E成分の光重合開始剤が一般式(1)のアシルオキシム系光重合開始剤であることが好ましい。
Figure 0007510449000001

、Rは、それぞれ独立にC1~C15のアルキル基、C6~C18のアリール基、C7~C20のアリールアルキル基又はC4~C12の複素環基を表し、RはC1~C15のアルキル基、C6~C18のアリール基、C7~C20のアリールアルキル基を表す。ここで、アルキル基およびアリール基はC1~C10のアルキル基、C1~C10のアルコキシ基、C1~C10のアルカノイル基、ハロゲンで置換されていてもよく、アルキレン部分は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合を含んでいてもよい。また、アルキル基は直鎖、分岐、又は環状のいずれのアルキル基であってもよい。
A成分の不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂が一般式(2)で表される不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
Figure 0007510449000002

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、-CO-、-SO-、-C(CF-、-Si(CH-、-CH-、-C(CH-、-O-、フルオレン-9,9-ジイル基又は直結合を表し、Xは4価のカルボン酸残基を表し、Y及びYは、それぞれ独立して水素原子又は-OC-Z-(COOH)m(但し、Zは2価又は3価カルボン酸残基を表し、mは1又は2の数を表す)を表し、nは1~20の整数を表す。)
本発明の他の態様は、耐熱温度が140℃以下の基板上に樹脂膜パターンを形成して樹脂膜付き基板を製造する方法であって、樹脂膜パターンを形成するために使用する感光性樹脂組成物として、上記感光性樹脂組成物を使用し、この感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、フォトマスクを介して露光して、現像により未露光部を除去し、次いで140℃以下で加熱して所定の樹脂膜パターンを形成することを特徴とする樹脂膜付き基板の製造方法である。
本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂膜パターンを製造するプロセスで140℃を超える温度で熱硬化する工程を含まずとも、線幅が5~50μmの解像度の樹脂膜パターンを形成することが可能で、現像性、直線性に優れ、かつ耐溶剤性が良好な樹脂膜パターンを形成することができる。そのために、耐熱温度が140℃以下のPET、PEN等の樹脂フィルム、ガラス基板やシリコンウェハ上に形成した有機ELや有機TFT等を備えた有機デバイス付基板(有機デバイス形成後に保護膜形成、保護フィルム貼りあわせたような基板を含む)に対して、所望の樹脂膜パターンを形成することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、耐熱温度が140℃以下の基板上に樹脂膜パターンを形成するために使用される感光性樹脂組成物に関するものであり、フォトリソグラフィー法等による光加工技術を適用して樹脂膜パターンを形成する樹脂膜付き低耐熱基板の製造方法であって、使用する感光性樹脂組成物に特徴があるので、まずは感光性樹脂組成物の各成分およびそれらの構成比率について説明する。
感光性樹脂組成物中の(A)成分である重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂は、分子内に重合性不飽和基と酸性基を有する樹脂であれば特に制限なく用いることができるが、重合性不飽和基の代表的な例としてはアクリル基又はメタクリル基であり、酸性基としてはカルボキシル基を代表的に例示することができる。
この重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂の好ましい重量平均分子量(Mw)と酸価の範囲は、樹脂の骨格によって異なるが、通常Mwは2000~50000、酸価は60~120mgKOH/gである。Mwが2000未満の場合はアルカリ現像時のパターンの密着性が低下する虞があり、Mw50000を超える場合は現像性が著しく低下し、適正な現像時間の感光性樹脂組成物を得ることができなくなる虞がある。また、酸価の値が60より小さいとアルカリ現像時に残渣が残りやすくなり、酸価の値が120より大きくなるとアルカリ現像液の浸透が早くなりすぎ、好ましい溶解現像とならず剥離現像がおきてしまうので、いずれも好ましくない。なお、(A)成分の不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂は1種のみを使用しても、2種以上の混合物を使用してもよい。
好ましく適用できる(A)成分の不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂の第一の例としては、エポキシ基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸(これは「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」の意味である)とを反応させ、得られたヒドロキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物に(a)ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物及び/又は(b)テトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物である。エポキシ(メタ)アクリレート酸付加物へと誘導されるエポキシ基を2個以上有する化合物としては、ビスフェノール型エポキシ化合物やノボラック型エポキシ化合物を例示することができる。
ビスフェノール型エポキシ化合物は、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させて得られる2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物であり、この反応の際には一般にジグリシジルエーテル化合物のオリゴマー化を伴うため、ビスフェノール骨格を2つ以上含むエポキシ化合物を含んでいる。この反応に用いられるビスフェノール類としては、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-クロロフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)エーテル、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(
4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-クロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フルオロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)フルオレン、4,4'-ビフェノール、3,3'-ビフェノール等を挙げられる。この中でも、フルオレン-9,9-ジイル基を有するビスフェノール類を特に好ましく用いることができる。
エポキシ(メタ)アクリレートに反応させる(a)ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物としては、鎖式炭化水素ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物や脂環式ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物、芳香族ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物が使用される。ここで、鎖式炭化水素ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物としては、例えば、コハク酸、アセチルコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、シトラリンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、オキソグルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、スベリン酸、ジグリコール酸等の酸一無水物があり、更には任意の置換基が導入されたジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物でもよい。また、脂環式ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物としては、例えば、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ノルボルナンジカルボン酸等の酸一無水物があり、更には任意の置換基が導入されたジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物でもよい。更に、芳香族ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の酸一無水物があり、更には任意の置換基が導入されたジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸一無水物でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレートに反応させる(b)テトラカルボン酸の酸二無水物としては、鎖式炭化水素テトラカルボン酸の酸二無水物や脂環式テトラカルボン酸の酸二無水物、又は、芳香族テトラカルボン酸の酸二無水物が使用される。ここで、鎖式炭化水素テトラカルボン酸の酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸、ペンタンテトラカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン酸等の酸二無水物があり、更には任意の置換基が導入されたテトラカルボン酸の酸二無水物でもよい。また、脂環式テトラカルボン酸の酸二無水物としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、シクロへプタンテトラカルボン酸、ノルボルナンテトラカルボン酸等の酸二無水物があり、更には任意の置換基の導入されたテトラカルボン酸の酸二無水物でもよい。更に、芳香族テトラカルボン酸の酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等の酸二無水物が挙げられ、更には任意の置換基の導入されたテトラカルボン酸の酸二無水物でもよい。
エポキシ(メタ)アクリレートに反応させる(a)ジカルボン酸又はトリカルボン酸の酸無水物と(b)テトラカルボン酸の酸二無水物とのモル比(a)/(b)は、0.01~10.0であることがよく、より好ましくは0.02以上3.0未満であるのがよい。モル比(a)/(b)が上記範囲を逸脱すると、良好な光パターニング性を有する感光性樹脂組成物とするための最適分子量が得られないため、好ましくない。なお、モル比(a)/(b)が小さいほど分子量が大となり、アルカリ溶解性が低下する傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート酸付加物は、既知の方法、例えば特開平8-278629号公報や特開2008-9401号公報等に記載の方法により製造することができる。先ず、エポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を反応させる方法としては、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基と等モルの(メタ)アクリル酸を溶剤中に添加し、触媒(トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、2,6-ジイソブチルフェノール等)の存在下、空気を吹き込みながら90~120℃に加熱・攪拌して反応させるという方法がある。次に、反応生成物であるエポキシアクリレート化合物の水酸基に酸無水物を反応させる方法としては、エポキシアクリレート化合物と酸二無水物および酸一無水物の所定量を溶剤中に添加し、触媒(臭化テトラエチルアンモニウム、トリフェニルホスフィン等)の存在下、90~130℃で加熱・攪拌して反応させるという方法がある。この方法で得られたエポキシアクリレート酸付加物は一般式(2)の骨格を有する。
(A)成分である重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂として好ましく用いることができる樹脂の別の例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の共重合体で(メタ)アクリル基とカルボキシル基を有する樹脂を挙げることができる。例えば、第一ステップとしてグリシジル(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリル酸エステル類を溶剤中で共重合させて得た共重合体に、第二ステップとして(メタ)アクリル酸を反応させ、第三ステップでジカルボン酸又はトリカルボン酸の無水物を反応させて得られる重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂である。これら共重合体の中でも好ましく用いることができる例については特願2017-33662に具体的に示されているものを参考にすることができる。
もう1つの別の例としては、第一成分として分子中にエチレン性不飽和結合を有するポリオール化合物、第二成分として分子中にカルボキシル基を有するジオール化合物、第三成分としてジイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン化合物を挙げることができる。この系統の樹脂としては特開2017-76071に示されているものを参考にすることができる。
(B)における少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、エチレン性二重結合を有する化合物として(メタ)アクリル基を有する樹枝状ポリマー等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。また、当該少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーは含有アルカリ可溶性樹脂の分子同士を架橋する役割を果たすことができるものであり、この機能を発揮させるためには光重合性基を3個以上有するものを用いることが好ましい。また、モノマーの分子量を1分子中の(メタ)アクリル基の数で除したアクリル当量が50~300であればよいが、より好ま
しいアクリル当量は80~200である。なお、(B)成分は遊離のカルボキシ基を有しない。
(B)成分として組成物に含ませることができるエチレン性二重結合を有する化合物として(メタ)アクリル基を有する樹枝状ポリマーとしては、例えば、多官能(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリレート基の中の炭素-炭素二重結合の一部に多価メルカプト化合物を付加して得られる樹枝状ポリマーを例示することができる。具体的には、一般式(3)の多官能(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリレートと一般式(4)の多価メルカプト化合物を反応させて得られる樹枝状ポリマーを例示できる。
Figure 0007510449000003

ここで、Rは水素原子またはメチル基を表し、RはR10(OH)kのk個のヒドロキシル基の内l個のヒドロキシル基を式中のエステル結合に供与した残り部分を表し、kおよびlは独立に2~20の整数を表すが、k≧lである。また、R11は単結合又は2~6価のC1~C6の炭化水素基であり、mはR11が単結合であるときは2であり、R11が2~6価の基であるときは2~6の整数を表す。
一般式(3)で示される多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。これらの化合物は、その1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
一般式(4)で示される多価メルカプト化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリ(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールトリ(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラ(メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メルカプトプロピオネート)等が挙げることができる。これらの化合物は、その1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフタレン骨格を含むフェノールノボラック化合物(例えば日本化薬社製NC-7000L)、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、トリスフェノールメタン型エポキシ化合物、テトラキスフェノールエタン型エポキシ化合物、多価アルコールのグリシジルエーテル、多価カルボン酸のグリシジルエステル、メタクリル酸とメタクリル酸グリシジルの共重合体に代表される(メタ)アクリル酸グリシジルをユニットとして含む(メタ)アクリル基を有するモノマーの共重合体、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートに代表される脂環式エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン骨格を有する多官能エポキシ化合物(例えばDIC社製HP7200シリーズ)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物(例えばダイセル社製「EHPE3150」)、エポキシ化ポリブタジエン(例えば日本曹達社製「NISSO-PB・JP-100」)、シリコーン骨格を有するエポキシ化合物等を挙げることができる。これら成分としてはエポキシ当量が100~300g/eqかつ数平均分子量が100~5000の化合物であることが好ましい。さらに、1分子中にエポキシ基を3個以上有するエポキシ化合物を用いることがより好ましい。なお、(C)成分は、1種類の化合物のみを用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分のうちエポキシ化合物の硬化剤としては、エポキシ化合物の硬化剤として用いられるものであれば用いることができ、アミン系化合物、多価カルボン酸系化合物、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ジシアンジアミド、ルイス酸錯化合物等を例示することができるが、本発明においては多価カルボン酸系化合物を好ましく用いることができる。多価カルボン酸系化合物としては、多価カルボン酸、多価カルボン酸の無水物、及び多価カルボン酸の熱分解性エステルを例示することができる。多価カルボン酸とは1分子中に2つ以上のカルボキシ基を有する化合物をいい、例えばコハク酸、マレイン酸、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸、シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、シクロヘキセン-4,5-ジカルボン酸、ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸、フタル酸、3,6-ジヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸、シクロヘキサン-1,2,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,2,4,5-テトラカルボン酸、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸等を挙げることができる。
多価カルボン酸の無水物としては上記に例示した化合物の酸無水物が挙げられ、これは分子間酸無水物でもよいが、一般には分子内で閉環した酸無水物が用いられる。多価カルボン酸の熱分解性エステルとしては、上記に例示した化合物のt-ブチルエステル、1-(アルキルオキシ)エチルエステル、1-(アルキルスルファニル)エチルエステル(ただし、ここでいうアルキルは炭素数1~20の飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、かかる炭化水素基は分岐構造や環構造を有していてもよく、任意の置換基で置換されていてもよい)等を挙げることができる。また、多価カルボン酸系化合物としては2つ以上のカルボキシ基を有する重合体又は共重合体も用いることができ、そのカルボキシ基は無水物又は熱分解性エステルであってもよい。このような重合体又は共重合体の例としては、(メタ)アクリル酸を構成成分として含む重合体又は共重合体、無水マレイン酸を構成成分として含む共重合体、テトラカルボン酸二無水物をジアミンやジオールと反応させて酸無水物を開環させた化合物等を挙げることができる。これらのうち、フタル酸、3,6-ジヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸の各無水物をより好ましく用いることができる。
多価カルボン酸系化合物をエポキシ化合物の硬化剤として用いる場合の配合比率としては、エポキシ化合物のエポキシ基の1モルに対して、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基が0.5~1.0モル、より好ましくは0.6~0.95モルになるように配合するのがよい。
(D)成分のうちエポキシ化合物の硬化促進剤としては、エポキシ化合物の硬化促進剤、硬化触媒、潜在性硬化剤等として知られる公知の化合物を利用でき、例えば三級アミン、四級アンモニウム塩、三級ホスフィン、四級ホスホニウム塩、ホウ酸エステル、ルイス酸、有機金属化合物、イミダゾール類等を挙げることができるが、特に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン若しくは1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン又はそれらの塩が好適である。
硬化促進剤の添加量は、エポキシ化合物100質量部に対して通常0.05~2質量部であるが、熱硬化後の樹脂膜パターンの耐薬品性の発現状況等により添加量を調整することができる。
(E)光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p'-ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2-(o-クロロフェニル) -4,5-フェニルビイミダゾール、2-(o-クロロフェニル) -4,5-ジ(m-メトキシフェニル)ビイミダゾール、2-(o-フルオロフェニル) -4,5-ジフェニルビイミダゾール、2-(o-メトキシフェニル) -4,5-ジフェニルビイミダゾール、2,4,5-トリアリールビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物類、2-トリクロロメチル-5-スチリル-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-(p-シアノスチリル) -1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-(p-メトキシスチリル) -1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物類、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-クロロフェニル) -4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル) -4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル) -4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシスチリル) -4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4,5-トリメトキシスチリル) -4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メチルチオスチリル) -4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のハロメチル-S-トリアジン系化合物類、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(o-ベンゾイルオキシム)、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-o-ベンゾアート、1-(4-メチルスルファニルフェニル)ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-o-アセタート、1-(4-メチルスルファニルフェニル)ブタン-2-オンオキシム-o-アセタート等のo-アシルオキシム系化合物類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2-イソプロピルチオキサンソン等のイオウ化合物、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンなどが挙げられる。
この中でも、特に着色剤を含む感光性樹脂組成物とする場合は、o-アシルオキシム系化合物類(ケトオキシムを含む)を用いることが好ましい。それらの中でも、着色剤を高顔料濃度で用いる場合や遮光膜パターンを形成しようとする場合は、365nmにおけるモル吸光係数が10000以上であるo-アシルオキシム系光重合開始剤を用いることが好ましく、その具体的化合物群としては、一般式(1)のo-アシルオキシム系光重合開始剤を上げることができる。また、これら光重合開始剤を2種類以上使用することもできる。なお、本発明でいう光重合開始剤とは、増感剤を含む意味で使用される。
(F)溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α-もしくはβ-テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N-メチル-2-ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられ、これらを用いて溶解、混合させることにより、均一な溶液状の組成物とすることができ、所望の溶液粘度に調製して用いることができる。
(G)着色剤としては、公知の有機顔料、無機顔料、カーボンブラック、チタンブラック等を特に制限なく使用することができるが、有機顔料であれば、平均粒径50nm以下の微分散を達成するため、微粒化加工がされたもの(BET法による比表面積が50m2/g以上であるもの)が特に好ましい。具体的にはアゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾメチン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、スレン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料等が挙げられる。
(G)着色剤のうち、遮光膜用途等で用いられる有機黒色顔料、無機黒色顔料等の遮光材としては、黒色有機顔料、混色有機顔料又は無機系顔料等を特に制限なく用いることができる。黒色有機顔料としては、例えばペリレンブラック、シアニンブラック、アニリンブラック、ラクタムブラック等が挙げられる。混色有機顔料としては、赤、青、緑、紫、黄色、シアニン、マゼンタ等から選ばれる少なくとも2種以上の顔料を混合して擬似黒色化されたものが挙げられる。無機系顔料としては、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、チタンブラック、酸窒化チタン、チタン窒化物等を挙げることができる。これらの遮光材は、1種類単独でも2種以上を適宜選択して用いることもできるが、特にカーボンブラックが、遮光性、表面平滑性、分散安定性、樹脂との親和性が良好な点で好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて熱重合禁止剤、可塑剤、充填材、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤、界面活性剤等の添加剤を配合することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることができ、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、リン酸トリクレジル等を挙げることができ、充填材としては、ガラスファイバー、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができ、レベリング剤や消泡剤としては、シリコーン系、フッ素系、アクリル系の化合物を挙げることができる。また、シランカップリング剤としては3-(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができ、界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の固形分(固形分には硬化後に固形分となるモノマー成分を含む)中の(A)~(E)および(G)の各成分の好ましい構成割合については、(C)成分と(D)成分の合計量が6~24質量%であることが好ましく、10~20質量%であることが特に好ましい。また、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が10~60質量部、10~80質量部であり、(E)成分が(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して2~40質量部である。より好ましくは(A)成分100質量部に対して、(B)成分が30~50質量部であり、(E)成分が(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して3~30質量部である。着色剤を用いる場合の固形分中の(G)成分の好ましい含有量範囲は、20~60質量%である。
(G)成分の着色剤は、予め溶剤に分散剤とともに分散させて着色剤分散液としたうえで、着色膜用感光性樹脂組成物として配合するのがよい。ここで、分散させる溶剤は、上述したものを使用できるが、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート等が好適に用いられる。使用する分散剤については、各種高分子分散剤等の公知の分散剤を使用することができる。分散剤の具体的な例としては、従来顔料分散に用いられている公知の化合物(分散剤、分散湿潤剤、分散促進剤等の名称で市販されている化合物等)を特に制限なく使用することができるが、例えば、カチオン性高分子系分散剤、アニオン性高分子系分散剤、ノニオン性高分子系分散剤、顔料誘導体型分散剤(分散助剤)等を挙げることができる。特に、顔料への吸着点としてイミダゾリル基、ピロリル基、ピリジル基、一級、二級又は三級のアミノ基等のカチオン性の官能基を有し、アミン価が1~100mgKOH/g、数平均分子量が1千~10万の範囲にあるカチオン性高分子系分散剤は好適である。この分散剤の配合量については、着色剤に対して1~30質量%であるのがよく、好ましくは2~25質量%であるのがよい。
さらに、着色剤分散液を調製する際に、上記分散剤に加えて(A)成分の重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂の一部を共分散させることにより、着色膜用感光性樹脂組成物としたとき、露光感度を高感度に維持しやすくし、現像時の密着性が良好で残渣の問題も発生しにくい感光性樹脂組成物とすることができる。その際の(A)成分の配合量は、着色剤分散液中2~20質量%であるのが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。(A)成分が2質量%未満であると共分散した効果である感度向上、密着性向上、残渣低減といった効果を得ることができない。20質量%超であると、特に着色剤の含有量が大きいときに、着色剤分散液の粘度が高く、均一に分散させることが困難あるいは非常に時間を要することになる。そして、得られた着色剤分散液は、(A)~(F)成分と混合し、必要に応じて他成分を添加して製膜条件に適した粘度に調整することにより、本発明の製造方法に用いる感光性樹脂組成物とすることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)~(E)および/又は(G)成分を主成分として含有する。溶剤を除いた固形分(固形分には硬化後に固形分となるモノマー成分を含む)中に、(A)~(E)および/又は(G)成分が合計で80質量%、好ましくは90質量%以上含むことが望ましい。溶剤の量は、目標とする粘度によって変化するが、感光性樹脂組成物中に60~90質量%の範囲で含まれるようにするのがよい。
本発明における樹脂膜パターンの形成方法は、通常のフォトリソグラフィー法であるが、以下に詳細に説明する。先ず、感光性樹脂組成物をプラスチック基板や有機デバイス付基板上に塗布し、次いで溶剤を乾燥させた(プリベーク)後、得られた塗膜にフォトマスクを通して紫外線を照射して露光部を硬化させ、更にアルカリ水溶液を用いて未露光部を溶出させる現像を行ってパターンを形成し、更に後硬化としてポストベーク(熱焼成)を行う方法である。
本発明の製造方法に用いる基板、すなわち特定の組成物構成からなる感光性樹脂組成物を塗布する基板としては、耐熱温度が140℃以下のPET、PEN等樹脂製フィルム(プラスチック基板)を挙げることができる。ここで、耐熱温度とは、基板上への樹脂膜のパターン形成等の加工プロセスにおいて基板が暴露しても変形等の問題が生じない温度であり、樹脂製フィルムについては延伸処理の程度によっても変化するが、少なくともガラス転移温度(Tg)を超えないことが必要となる。また、樹脂製フィルム上にITOや金などの電極が蒸着あるいはパターニングされたものも基板として例示することができる。
加えて、本発明の製造方法に用いる他の基板の例としては、ガラス基板やシリコンウェハやポリイミドフィルム等のように基板自体の耐熱性は高いが基板上に耐熱性の低い薄膜等を形成したものを挙げることができる。具体的な例としてはガラスやシリコンウェハやポリイミドフィルム上に有機EL(OLED)や有機薄膜トランジスタ(TFT)を形成した有機デバイス付基板等がある。なお、樹脂製フィルムや有機デバイス付基板等、本発明で対象とする耐熱性の低い基板の耐熱温度としては、樹脂の種類やデバイスによっても異なるが、好ましく用いられる基板の耐熱温度は80~140℃である。なお、有機デバイス付基板については、有機デバイス形成後に保護膜、保護フィルム等を形成したものを含むものとする。なぜなら、これらの保護膜、保護フィルム自体の耐熱性が150℃以上であっても、有機デバイスの機能を担保するためには実質的に140℃以下の耐熱性しかない場合には、有機デバイス付基板に該当するためである。
これらの基板上に感光性樹脂組成物の溶液を塗布する方法としては、公知の溶液浸漬法、スプレー法の他、ローラーコーター機、ランドコーター機、スリットコーター機やスピナー機を用いる方法等の何れの方法をも採用することができる。これらの方法によって、所望の厚さに塗布した後、溶剤を除去する(プリベーク)ことにより、被膜が形成される。プリベークはオーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。プリベークにおける加熱温度及び加熱時間は使用する溶剤に応じて適宜選択され、例えば60~110℃の温度(基板の耐熱温度を超えないように設定)で1~3分間行われる。
プリベーク後に行われる露光は、紫外線露光装置によって行なわれ、フォトマスクを介して露光することによりパターンに対応した部分のレジストのみを感光させる。露光装置及びその露光照射条件は適宜選択され、超高圧水銀灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、遠紫外線灯等の光源を用いて露光を行い、塗膜中の感光性樹脂組成物を光硬化させる。好ましくは、波長365nmの光を一定量照射することにより光硬化させる。
露光後のアルカリ現像は、露光されない部分のレジストを除去する目的で行われ、この現像によって所望のパターンが形成される。このアルカリ現像に適した現像液としては、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の水溶液、アルカリ金属の水酸化物の水溶液等を挙げることができるが、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩を0.05~3質量%含有する弱アルカリ性水溶液を用いて23~28℃の温度で現像するのがよく、市販の現像機や超音波洗浄機等を用いて微細な画像を精密に形成することができる。
現像後、好ましくは80~140℃の温度(基板の耐熱温度を超えないように設定)及び20~90分の条件で熱処理(ポストベーク)が行われる。このポストベークは、パターニングされた樹脂膜と基板との密着性を高めるため等の目的で行われる。これはプリベークと同様に、オーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。ポストベークの熱処理条件のより好ましい範囲は、温度90~120℃、加熱時間30~60分である。本発明のパターニングされた樹脂膜は、以上のフォトリソグラフィー法による各工程を経て形成される。
本発明の樹脂膜パターン形成の製造方法は、上述したように、露光、アルカリ現像等の操作によって耐熱温度の低い基板に至るまで、当該基板上に樹脂膜パターンを形成するのに好適に用いることができ、特に微細な樹脂膜パターンまで必要な場合にも好適である。具体的には、耐熱温度の低い基板を用いる場合等に、各種絶縁膜、カラーフィルター用着色膜、有機EL画素形成用の隔壁材(RGBをインクジェット法により形成する場合等向け)、タッチパネル用絶縁膜および遮光膜等を形成するのに有用であり、これらの樹脂膜パターン付基板を液晶や有機EL等の表示装置用、撮影素子用、タッチパネル用の部材向け(主たる用途はディスプレイ用およびタッチパネル用基板である)とすることが可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の樹脂膜パターン形成の製造方法に用いる感光性樹脂組成物の調製例から説明し、当該の感光性樹脂組成物の硬化物の特性の評価結果を説明する。
先ず、(A)重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂の合成例を示す。合成例における樹脂の評価は、以下の通りに行った。
[固形分濃度]
合成例中で得られた樹脂溶液1gをガラスフィルター〔重量:W0(g)〕に含浸させて秤量し〔W1(g)〕、160℃にて2hr加熱した後の重量〔W2(g)〕から次式より求めた。
固形分濃度(重量%)=100×(W2-W0)/(W1-W0)。
[酸価]
樹脂溶液をジオキサンに溶解させ、電位差滴定装置〔平沼産業株式会社製、商品名COM-1600〕を用いて1/10N-KOH水溶液で滴定して求めた。
[分子量]
ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)[東ソー株式会社製商品名HLC-8220GPC、溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:TSKgelSuperH-2000(2本)+TSKgelSuperH-3000(1本)+TSKgelSuperH-4000(1本)+TSKgelSuper-H5000(1本)〔東ソー株式会社製〕、温度:40℃、速度:0.6ml/min]にて測定し、標準ポリスチレン〔東ソー株式会社製PS-オリゴマーキット〕換算値として重量平均分子量(Mw)を求めた。
また、合成例及び比較合成例で使用する略号は次のとおりである。
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
St:スチレン
AA:アクリル酸
SA:無水コハク酸
BPFE:ビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物(9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンとクロロメチルオキシランとの反応物。)
BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
THPA:テトラヒドロ無水フタル酸
DMPA:ジメチロールプロピオン酸
IDICA:イソホロンジイソシアネート
PTMA:ペンタエリスリトールテトラ(メルカプトアセテート)
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサアクリレートとの混合物
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
TDMAMP:トリスジメチルアミノメチルフェノール
HQ:ハイドロキノン
TEA:トリエチルアミン
TPP:トリフェニルフホスフィン
BzDMA:ベンジルジメチルアミン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[合成例1]
還留冷却器付き1Lの四つ口フラスコ中に、PGMEA300gを入れ、フラスコ系内を窒素置換した後120℃に昇温した。このフラスコ中にモノマー混合物(DCPMA77.1g(0.35モル)、GMA49.8g(0.35モル)、St31.2g(0.30モル)にAIBN 10gを溶解した混合物)を滴下ロートから2時間かけて滴下し、さらに120℃で2時間撹拌し、共重合体溶液を得た。
次いで、フラスコ系内を空気に置換した後、得られた共重合体溶液にAA24.0g(グリシジル基の95%)、TDMAMP0.8g及びHQ 0.15gを添加し、120℃の加熱下で6hr撹拌し、重合性不飽和基含有共重合体溶液を得た。
さらに、得られた重合性不飽和基含有共重合体溶液にSA30.0g(AA添加モル数の90%)、TEA 0.5gを加え120℃で4時間反応させ、重合性不飽和基含有アルカリ可溶性共重合体樹脂溶液(A)-1を得た。樹脂溶液の固形分濃度は46質量%であり、酸価(固形分換算)は76mgKOH/gであり、GPC分析によるMwは5300であった。
[合成例2]
還留冷却器付き500ml四つ口フラスコ中にBPFE 114.4g(0.23モル)、
AA 33.2g(0.46モル)、PGMEA157g及ぶびTEAB 0.48gを仕込み、100~105℃で加熱下に20hr撹拌して反応させた。次いで、フラスコ内にBPDA 35.3g(0.12モル)、THPA 18.3g(0.12モル)を仕込み、120~125℃で加熱下に6hr撹拌し、重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂(A)-2を得た。得られた樹脂溶液の固形分濃度は56.1質量%、酸価(固形分換算)は103mgKOH/g、GPC分析によるMwは3600であった。
[合成例3]
還留冷却器付き500mLの四つ口フラスコ中に、ビスフェノールA型エポキシ化合物(新日鉄住金化学株式会社製、商品名YD-128、エポキシ当量=182)104.2g(0.29モル)、AA41.2g(0.57モル)、TPP1.50g、及びPGMEA40.0gを仕込み、100~105℃の加熱下で12hr撹拌し、反応生成物を得た。
次いで、得られた反応生成物にDMPA17.4g(0.13モル)及びPGMEA84gを仕込み、45℃に昇温した。次に、IDICA61.8g(0.28モル)をフラスコ内の温度に注意しながら滴下した。滴下終了後、75~80℃の加熱下で6hr撹拌した。更に、THPA21.0g(0.14モル)を仕込み、90~95℃の加熱下で6hr撹拌し、重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂溶液(A)-3を得た。得られた樹脂溶液の固形分濃度は66.6質量%であり、酸価(固形分換算)は61mgKOH/gであり、GPC分析によるMwは11860であった。
[合成例4]
1Lの4つ口フラスコ内に、PTMA20g(メルカプト基0.19モル)、DPHA212g(アクリル基2.12モル)、PGMEA58g,HQ0.1g、及びBzDMA0.01gを加え、60℃で12時間反応させて、樹枝状ポリマー溶液(B)-3 固形分濃度は80質量%を得た。得られた樹枝状ポリマーにつき、ヨードメトリー法にてメルカプト基の消失を確認した。得られた樹枝状ポリマーのMwは10000であった。
(感光性樹脂組成物の調製)
着色剤濃度(Pcon)0%の場合の感光性樹脂組成物の配合について実施例1~14を表1に、比較例1~14を表2に、Pcon20%の場合の感光性樹脂組成物の配合について実施例15~28を表3に、比較例15~28を表4に、Pcon40%の場合の感光性樹脂組成物の配合について実施例29~42を表5に、比較例29~42を表6に、Pcon60%の場合の感光性樹脂組成物の配合について実施例43~56を表7に、比較例43~56を表8に示したように調製した。配合に使用した各成分は、以下のとおりで、表中の数値はすべて質量部である。
(A)重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂:
(A)-1:上記合成例1で得られた樹脂溶液(固形分濃度46.0質量%)
(A)-2:上記合成例2で得られた樹脂溶液(固形分濃度56.1質量%)
(A)-3:上記合成例3で得られた樹脂溶液(固形分濃度66.6質量%)
(B)光重合性モノマー:
(B)-1:ペンタエリスリトールトリアクリレートとテトラアクリレートとの混合物(東亜合成社製 商品名M-450、アクリル当量88)
(B)-2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサアクリレートとの混合物(日本化薬(株)製 商品名DPHA、アクリル当量96~115)
(B)-3:合成例4で得られた樹枝状ポリマー溶液(固形分濃度80.0質量%)
(C)エポキシ化合物:
(C)-1:3,4-エポキシシクロヘキサンカルボン酸(3’,4’-エポキシシクロヘキシル)メチル(ダイセル社製 セロキサイド2021P、エポキシ当量135)
(C)-2:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(日本化薬社製 EPPN-501H、エポキシ当量160)
(C)-3:2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物(ダイセル社製「EHPE3150」、エポキシ当量180)
(D)エポキシ化合物の硬化剤および硬化促進剤:
(D)-1:無水フタル酸
(D)-2:ベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸-1,2-無水物
(D)-3:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(サンアプロ社製、DBU(R))を2質量%含有するPGMEA溶液
(E)光重合開始剤:オキシムエステル系光重合開始剤(ADEKA社製 アデカクールズNCI-831)
(F)溶剤:
(F)-1:PGMEA
(F)-2:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(EDM)
(G)着色剤:
(G)-1:樹脂被覆カーボンブラック25質量%、高分子分散剤5質量%のPGMEA溶剤の顔料分散体(固形分濃度30質量%)
(G)-2:チタンブラック20質量%、高分子分散剤5質量%のPGMEA溶剤の顔料分散体(固形分濃度25質量%)
(H)界面活性剤:メガファック475(DIC社製)
Figure 0007510449000004

Figure 0007510449000005

Figure 0007510449000006

Figure 0007510449000007

Figure 0007510449000008

Figure 0007510449000009

Figure 0007510449000010

Figure 0007510449000011

[評価]
実施例1~56及び比較例1~56の感光性樹脂組成物を用いて、以下に記す評価を行った。実施例1~14および比較例1~14の結果を表9に、実施例15~28および比較例15~28の結果を表10に、実施例29~42および比較例29~42の結果を表11に、実施例43~56および比較例43~56の結果を表12に示す。
<現像特性(パターン線幅・パターン直線性)の評価>
上記で得られた各感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板(コーニング1737)上にポストベーク後の膜厚が1.2μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、露光ギャップを100μmに調整し、乾燥塗膜の上にライン/スペース=10μm/50μmのネガ型フォトマスクを被せ、i線照度30mW/cmの超高圧水銀ランプで50mJ/cmの紫外線を照射し、感光部分の光硬化反応を行った。
次に、この露光済み塗板を25℃、0.04%水酸化カリウム水溶液により1kgf/cmのシャワー圧にて、パターンが現れ始める現像時間(ブレイクタイム=BT)から、+10秒および+20秒の現像後、5kgf/cm圧のスプレー水洗を行い、塗膜の未露光部を除去してガラス基板上に樹脂膜パターンを形成し、その後、熱風乾燥機を用いて100℃、60分間熱ポストベークした。得られた樹脂膜パターンの10μm線のマスク幅に対する線幅、パターン直線性を評価した。
パターン線幅:測長顕微鏡(ニコン社製「XD-20」)を用いてマスク幅10μmのパターン線幅を測定し、10±2μm以内場合は○、10±2μmの範囲外の場合は×とした。
パターン直線性:ポストベーク後の10μmマスクパターンを光学顕微鏡観察し、基板に対する剥離やパターンエッジ部分のギザツキが認められないものを○、一部に認められるものを△、全体に渡って認められるものを×と評価した。
なお、パターン線幅及びパターン直線性の評価は、BT+10秒の場合とBT+20秒の場合とで行った。
<OD/μmの評価>
上記で得られた着色剤を含む各感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板(コーニング1737)上にポストベーク後の膜厚が1.1μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、ネガ型フォトマスクを被せず、i線照度30mW/cmの超高圧水銀ランプで80mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化反応を行った。
次に、この露光済み塗板を25℃、0.05%水酸化カリウム水溶液を用い1kgf/cmのシャワー圧にて60秒の現像後、5kgf/cm圧のスプレー水洗を行い、その後、熱風乾燥機を用いて120℃、60分間熱ポストベークした。この塗板のOD値をマクベス透過濃度計を用いて評価した。また、塗板に形成した着色膜の膜厚を測定し、OD値を膜厚で割った値をOD/μmとした。
<耐溶剤性の評価>
OD評価の際と同様に作成した塗板(遮光膜付ガラス板)を用いて、形成した塗膜(遮光膜)の耐溶剤性を評価した。PGMEAに浸漬したウエスで連続して20往復擦り、表面状態を観察し、塗膜表面に溶解が見られず、傷がついていない場合を耐溶剤性○、塗膜表面が溶解したり、軟化して傷が付いた場合を耐溶剤性×とした。また、溶解、傷がごく一部に、限られる場合は△とした。
Figure 0007510449000012

Figure 0007510449000013

Figure 0007510449000014

Figure 0007510449000015
本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂膜パターンを形成するプロセスで140℃を超える温度で熱硬化する工程を含まずとも、線幅が3~15μm、特に10μm以下での現像密着性や直線性に優れ、かつ、耐溶剤性が良好な樹脂膜パターンを形成することができる。そのために、耐熱温度が140℃以下であるPET、PEN等の樹脂製フィルムであったり、ガラス基板やシリコンウェハ上に有機ELや有機TFT等を備えた有機デバイス付基板等に対して、上記のような特性を備えた樹脂膜パターンを形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、カラーフィルターや有機EL画素あるいはタッチパネルを形成する際などに必要となる透明膜パターン、絶縁膜パターン、ブラックマトリックス、隔壁パターン等といった樹脂膜を耐熱温度の低い基板に対して設けたりするのに好適であり、これらの樹脂膜付基板を液晶や有機EL等の表示装置の製造に用いたり、CMOS等の固体撮影素子、タッチパネルの製造に用いることができるようになる。

Claims (7)

  1. 耐熱温度が140℃以下の基板上に、感光性樹脂組成物を塗布し、フォトマスクを介して露光して、現像により未露光部を除去し、次いで140℃以下で加熱して所定の樹脂膜パターンを形成させて樹脂膜付き基板を製造するため使用される感光性樹脂組成物であって、
    (A)不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、
    (B)少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、
    (C)エポキシ化合物、
    (D)エポキシ化合物の硬化剤および硬化促進剤、
    (E)光重合開始剤、
    (F)溶剤、
    を含み、
    C成分のエポキシ化合物が、エポキシ当量100~300g/eqであり、
    D成分の硬化剤が多価カルボン酸系化合物であり、ただし、コハク酸又は無水コハク酸とn-ブチルビニルエーテル又はジエチレングリコールモノビニルエーテルとを反応させて得られるカルボン酸付加物は除く、
    E成分の光重合開始剤がアシルオキシム系光重合開始剤であり、
    F成分を除く固形分中にC成分とD成分の合計量が6~24質量%であり、
    F成分を樹脂組成物中に60~90質量%の範囲で含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. (G)有機顔料又は無機顔料からなる着色剤をさらに含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. G成分の着色剤が有機黒色顔料、又は無機黒色顔料からなる遮光材である請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. E成分の光重合開始剤として365nmにおけるモル吸光係数が10000以上であるアシルオキシム系光重合開始剤を用いる請求項1~3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. E成分の光重合開始剤が一般式(1)のアシルオキシム系光重合開始剤である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0007510449000016
    、Rは、それぞれ独立にC1~C15のアルキル基、C6~C18のアリール基、
    C7~C20のアリールアルキル基又はC4~C12の複素環基を表し、RはC1~C15のアルキル基、C6~C18のアリール基、C7~C20のアリールアルキル基を表す。ここで、アルキル基およびアリール基はC1~C10のアルキル基、C1~C10のアルコキシ基、C1~C10のアルカノイル基、ハロゲンで置換されていてもよく、アルキレン部分は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合を含んでいてもよい。また、アルキル基は直鎖、分岐、又は環状のいずれのアルキル基であってもよい。
  6. A成分の不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂が一般式(2)で表される不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂である請求項1~5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0007510449000017
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~5のアル
    キル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、-CO-、-SO-、-C(CF-、-Si(CH-、-CH-、
    -C(CH-、-O-、フルオレン-9,9-ジイル基又は直結合を表し、Xは4価のカルボン酸残基を表し、Y及びYは、それぞれ独立して水素原子又は-OC-Z-(COOH)m(但し、Zは2価又は3価カルボン酸残基を表し、mは1又は2の数を表す)を表し、nは1~20の整数を表す。)
  7. 耐熱温度が140℃以下の基板上に樹脂膜パターンを形成して樹脂膜付き基板を製造する方法であって、
    樹脂膜パターンを形成するために使用する感光性樹脂組成物として、請求項1に記載の感光性樹脂組成物を使用し、この感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、フォトマスクを介して露光して、現像により未露光部を除去し、次いで140℃以下で加熱して所定の樹脂膜パターンを形成することを特徴とする樹脂膜付き基板の製造方法。
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