JP2016180880A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物では、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性された(以下、「N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等で変性された」ということがある。)ブロック共重合体を配合することにより、熱衝撃耐性、塗膜硬度、はんだ耐熱性、活性エネルギー線(例えば、紫外線等)に対する感度、耐金メッキ性等といった硬化塗膜(例えば、ソルダーレジスト膜)の基本特性を有しつつ、解像性と透明性に優れた硬化塗膜を得ることができる。N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等で変性されたブロック共重合体の構造は特に限定されず、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等で変性されたトリブロック共重合体を挙げることができる。
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐N‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。
エポキシ化合物は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものであり、例えば、エポキシ樹脂を添加する。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜6、比較例1〜4にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作製した。下記表1中の数字は質量部を示す。また、下記表1中の空欄は配合なしを意味する。
カルビトールアセテート250質量部に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、ESCN−220、エポキシ当量220)220質量部及びアクリル酸64.8質量部を溶解し、還流下に反応させて、クレゾールノボラック型エポキシアクリレートを得た。次いで、得られたクレゾールノボラック型エポキシアクリレートに、ヘキサヒドロ無水フタル酸138.6質量部を加え、酸価が理論値になるまで還流下で反応させた後、グリシジルメタクリレート56.8質量部を加え、さらに反応させて、固形分66質量%のカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液(A−1)を得た。
・M52N:N,N−ジメチルアクリルアミド変性されたポリメチルメタクリレート−ポリn-ブチルアクリレート−N,N−ジメチルアクリルアミド変性されたポリメチルメタクリレートのトリブロック共重合体、質量平均分子量15000、アルケマ社製。
[a1]−[b1]−[a2]
(式中、[a1]は、N,N−ジメチルアクリルアミド変性されたポリメチルメタクリレートであり、[a2]は、N,N−ジメチルアクリルアミド変性されたポリメチルメタクリレートである重合体ブロック。[b1]は、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等で変性されていないポリn-ブチルアクリレートである重合体ブロック。[a1]と[a2]の質量の合計/[b1]の質量=1/1。)で表され、ガラス転移温度は135℃(示差走査熱量測定法(DSC法))である。
・イルガキュア907、イルガキュア819、イルガキュアOXE−02:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製。
・KAYACURE JETX:日本化薬(株)製。
・EBECRYL8402:ダイセル・オルネクス社製。
・N695:DIC社製。
・YX−4000:三菱化学(株)製。
・LA1114:メチルメタクリレート−ブチルアクリレートのジブロック共重合体、片末端PMMA、質量平均分子量80000、ブチルアクリレートの含有量は60質量%以上、酸価OmgKOH/g、(株)クラレ製。
・硫酸バリウムB−34:堺化学工業(株)製。
・LMS200:富士タルク(株)製。
・レオロシールDM−20S:トクヤマ(株)製。
着色剤
・ファーストゲングリーン:DIC社製。
添加剤
・粉末メラミン:日産化学工業(株)製。
・アンテージMB:川口化学工業(株)製。
・DICY−7:ジャパンエポキシレジン社製。
・BYK−405:ビックケミー社製。
溶剤
・EDGAC:三洋化成品(株)製。
・LA2140e:ポリメチルメタクリレート−ポリn-ブチルアクリレート−ポリメチルメタクリレートのトリブロック共重合体、質量平均分子量80000、ポリn-ブチルアクリレートの含有量は60質量%以上、分子量分布は1.1、(株)クラレ製。
・LA4285:ポリメチルメタクリレート−ポリn-ブチルアクリレート−ポリメチルメタクリレートのトリブロック共重合体、質量平均分子量65000、ポリn-ブチルアクリレートの含有量は50質量%、分子量分布は1.1、(株)クラレ製。
[a1]−[b1]−[a2]
(式中、[a1]は、ポリメチルメタクリレートであり、ガラス転移温度は100〜120℃である重合体ブロック。[a2]は、ポリメチルメタクリレートであり、ガラス転移温度は100〜120℃である重合体ブロック。[b1]は、ポリn-ブチルアクリレートであり、ガラス転移温度は−50〜−45℃である重合体ブロック。[a1]と[a2]の質量の合計/[b]の質量=1/1。)で表される。
基板:プリント配線基板(ガラスエポキシ基板「FR−4」、板厚1.6mm、導体(Cu箔)厚50μm)
基板表面処理:バフ研磨
塗工:スプレー塗工
塗装条件:吐出量(110cc/min)、コンベアー速度(2.3m/min)、ディスク回転数(30000rpm)、印加電圧(−35KV)
DRY膜厚:35〜40μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:感光性樹脂組成物上300mJ/cm2(オーク社製「HMW−680GW」)
アルカリ現像:1質量%Na2CO3、液温30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア:150℃、60分
(1)熱衝撃耐性試験
上記試験片作製工程にて作製した試験片100枚について、熱衝撃試験機(日立アプライアンス(株)製、日立ヒートショック試験装置「ES−76LMS」)にて、−65℃/30分〜125℃/30分を1サイクルとして1000サイクルの試験を行った。その後、顕微鏡(×200)にてプリント配線基板の塗膜を観察して、塗膜のクラック発生率を以下の基準にて評価した。塗膜の観察位置は、露出したCu箔(2.0mm角パット)の周りを囲むように正方形状(2.4mm角)にアルカリ現像された塗膜の各角部とした。
◎:クラック発生率が10%以下
○:クラック発生率が11〜30%
△:クラック発生率が31〜50%
×:クラック発生率が50%以上
上記試験片作製工程にて作製した試験片の、Cu箔上の塗膜について、任意の硬度の鉛筆を用いて角度45度、荷重1Kg条件で引っ掻き試験を行った。試験後、目視にてプリント配線基板の塗膜を観察して、Cu箔表面が暴露しない最大の塗膜硬度を以下の基準にて評価した。
◎:4H以上
○:2H〜3H
×:H以下
上記試験片作製工程にて作製した試験片に、フラックス((株)タムラ製作所製、「ULF−210R」)を塗布後、25℃にて乾燥した。その後、塗布面を下側に向け、試験片を260〜262℃のはんだ槽に浸せきし、10秒間加熱した。その後、はんだ槽から試験片を取り出し、常温まで冷却した。冷却後、IPAでフラックス残渣をふき取って、セロハン粘着テープによるピーリング試験(剥離試験)を1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない
○:2〜3サイクル繰り返し後に塗膜に変化が認められる
×:1サイクルにて塗膜に変化が認められる
上記試験片作製工程に準じて、ガラス板上に上記のように調製した感光性樹脂組成物をDRY膜厚20μmになるように形成した。その後、JIS−K−7105、JIS−K−7136に準じて、日立ハイテク社製U−3310分光光度計を用いて、波長550nmの光の透過率からヘイズ値を測定し、以下の基準にて評価した。
◎:ヘイズ値70%以下
○:ヘイズ値70%超、80%以下
△:ヘイズ値80%超、90%以下
×:ヘイズ値90%超
上記試験片作製工程にて作製した試験片について、図1に示すように、露出したCu箔1(2.0mm角パット)の周りを囲むように正方形状(2.4mm角)にアルカリ現像された硬化塗膜2の開口部4のうち、1辺の任意の側面部3全体を、光学顕微鏡(200倍)にて観察し、側面部3の凹凸の最大幅Rを測定して、以下の基準にて評価した。
◎:Rが5μm以下
○:Rが5μm超〜10μm
△:Rが10μm超〜20μm
×:Rが20μm超
上記試験片作製工程の予備乾燥後の塗工基板について、塗膜上に感度測定用ステップタブレット(コダック社製21段)を設置し、設置したステップタブレットを通して、塗膜上に紫外線(メインピ−クの波長が365nm)を300mJ/cm2(オ−ク社製の積算光量計を用いて計測)照射した。その後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、2.0kg/cm2のスプレー圧にて60秒間、塗膜の現像を行い、露光部分のうち現像工程にて除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。
上記試験片作製工程にて作製した試験片について、市販品の無電解ニッケルメッキ浴及び無電解金メッキ浴を用いて、ニッケル0.5μm、金0.03μmの条件でメッキを行った。塗膜の剥がれの有無及びメッキのしみ込みの有無を観察した後、さらに、セロハン粘着テープによるピーリング試験(剥離試験)を行い、塗膜状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
◎:メッキ後に塗膜の変化は認められず、ピーリング試験後も全く剥がれが認められない
○:メッキ後に塗膜の変化は認められないが、ピーリング試験後に若干の剥がれが認められる
△:メッキ後に若干のしみ込みが認められる
×:メッキ後に剥がれが認められる
Claims (10)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されたブロック共重合体と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されたブロック共重合体が、ポリメチル(メタ)アクリレート単位とポリブチル(メタ)アクリレート単位とからなる、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されたトリブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されたブロック共重合体の質量平均分子量が、10000以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されたトリブロック共重合体の両末端が、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されたポリメチル(メタ)アクリレート単位であることを特徴とする請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されたブロック共重合体が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5〜50質量部含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、(F)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されていないジブロック共重合体を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及び/またはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されたブロック共重合体100質量部に対して、前記(F)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されていないジブロック共重合体が、10質量部〜150質量部含まれることを特徴とする請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(F)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで変性されていないジブロック共重合体が、メチル(メタ)アクリレートのポリマー単位とブチル(メタ)アクリレートのポリマー単位とからなることを特徴とする請求項6または7に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなるソルダーレジスト。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を塗布したことを特徴とするプリント配線板。
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