JP2017132713A - 化粧品基材および該化粧品基材を含有する化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪に対しては光沢のある艶や良好な滑り性、べたつきのない保湿感を与え、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を付与でき、さらに安定な乳化物を形成する乳化剤としての性質や粉体分散能を有する化粧品基材、および該化粧品基材を含有する化粧料を提供する。【解決手段】シリル化アミノ酸とシラン化合物を特定の割合で反応させて得られるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合組成体で化粧品基材を構成する。また、該化粧品基材を含有させて化粧料を構成する。シリル化アミノ酸のアミノ酸部分は塩基性アミノ酸が好ましく、特にアルギニンが好ましい。化粧料中でのシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の含有量は、化粧料全量の0.01質量%〜20質量%の範囲が好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなる化粧品基材および該化粧品基材を含有する化粧料に関する。さらに詳しくは、ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシリル化アミノ酸の一種以上と、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が2個以上生じるシラン化合物の一種以上を縮重合させて得られるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなる化粧品基材およびその化粧品基材を含有する化粧料であり、毛髪に対しては光沢のある艶や良好な滑り性、べたつきのない保湿感を与え、かつ枝毛防止効果に優れ、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を付与することができ、しかも乳化剤や粉体分散剤としての機能を有する化粧品基材、および、該化粧品基材を含有する化粧料に関する。
従来から、毛髪用や皮膚用の化粧料にシリコーンオイルを配合し、シリコーンオイルによる艶、光沢の付与、撥水性の付与などが試みられている。しかし、シリコーンオイルは、本来、疎水性物質であり、毛髪に適用した際には、損傷して表面が親水性になった毛髪には付着しにくくその効果が発揮されないとの問題があった。また、シリコーンオイルは水系化粧品には配合しにくく、水系化粧品では、製品の安定性を保つために界面活性剤(乳化剤)を併用する必要があった。
シリコーンの毛髪や皮膚に対する吸着力を高めるためにアミノ官能基を導入したアミノ変性シリコーン(特許文献1など)や、親水性化粧料に配合しやすくするためや保湿性付与のためシリコーンにポリオキシアルキレン基を導入して親水性を付与したポリエーテル変性シリコーン(特許文献2)が使用されている。しかし、アミノ基の付加のみでは保湿性の付与効果はなく、また、ポリエーテル変性シリコーンの使用では水性化粧料中での安定度は増すものの、毛髪や皮膚への吸着性の面で満足できるものではなかった。
さらに、アミノ変性シリコーンにアミノ酸を導入して、アミノ酸の有する保湿性を付与する試みもある。しかし、シリコーン鎖にアミノ酸を導入するためには、有機溶媒中の反応でしかも高温を要する(特許文献3)、α−アミノ酸−N−カルボン酸無水物を用いる(特許文献4)など、製造が容易ではなかった。
本発明者らは、タンパク質を加水分解して得られたペプチドにケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシラン化合物を導入したシリル化ペプチドを開発し、これに、加水分解によりケイ素原子に直結する水酸基が2個以上生じるシラン化合物を縮重合させたシリル化ペプチド/シラン化合物共重合組成物を開発し(特許文献5)、これを化粧料に配合して、毛髪や皮膚にペプチドによる保湿性、シリコーンによる光沢・艶、滑り性を付与することを試みてきた。また、このシリル化ペプチド/シラン化合物共重合組成物は乳化剤としての性質を有し、特に、O/W型乳化物を製造する乳化剤として利用されてきた(特許文献6)。
しかしながら、シリル化ペプチドに使用するタンパク質加水分解物は、ごく特殊なタンパク源を除いて、タンパク質中の塩基性アミノ酸の含有量が少ないため弱酸性の毛髪や皮膚への吸着部位が少なく、光沢や艶の付与に関しては十分に満足できるものではなかった。また、使用するタンパク質加水分解物によっては、保湿効果が高すぎて毛髪や皮膚にべたつき感を与えることもあった。さらに、ペプチドのタンパク源やその分解度によっては、含有させた化粧料中で会合して、不溶物を生じたりするなど、化粧料の安定性の問題があった。そのため、より安定なシリル化ペプチド/シラン化合物共重合組成物の製品を製造するには、タンパク質の分解度や、シラン化合物との共重合の際の反応割合を充分に検討しておく必要があった。
特開平6−080536号公報 特開平8−188519号公報 特表2009−540040号公報 特開2002−145724号公報 特開2000−007795号公報 特開2001−048732号公報
本発明は、毛髪や皮膚への吸着性に優れ、毛髪に対しては光沢のある艶、良好な滑り性、べたつきのない保湿感を与え、かつ枝毛防止効果に優れ、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を付与でき、また、乳化剤としての機能も有するシリコーン系の高分子化合物からなる化粧品基材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、シリル化ペプチドの代わりにシリル化アミノ酸を用いて得られるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、水系溶媒中で容易に製造でき、しかも、化粧料に配合すると、毛髪に対しては光沢のある艶や良好な滑り性、べたつきのない保湿感、枝毛防止効果を付与し、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を与えることができ、さらに乳化剤や粉体分散剤としての機能も有することを見出し、本発明を完成した。
本発明の第一の態様は、
下記の一般式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で表される構造単位U:
Figure 2017132713
[式中、Rは水酸基、フェニル基、又は基中に窒素、硫黄、ハロゲン、フェニル基を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。]
および下記の一般式(Id)又は(Ie)で表される構造単位W:
Figure 2017132713
[式中、Rは水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、AはSiとNを結合する2価の基であって、R、*ROCHCH(OH)CH2、*RS、*RNHおよび*ROCOCHCH(Rは炭素数1〜5のアルキル基、*は、Siと結合する側を表す)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を表し、Eはαアミノ酸から1つの1級アミノ基を除いた残基を表すが、Eがαアミノ基以外の他のアミノ基を有する場合は、前記他のアミノ基のNは、他の構造単位WのAと結合してもよい。]を有する共重合体であって、構造単位W:構造単位Uが、モル比で、1:5〜1:150の範囲であるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなることを特徴とする化粧品基材(請求項1)である。この化粧品基材は、毛髪に対しては光沢のある艶や良好な滑り性、櫛通り性、べたつきのない保湿感、枝毛防止効果を与え、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を付与できる。
なお、Eが表す残基には、αアミノ酸からαアミノ基を除いた残基、及び、αアミノ酸からαアミノ基以外の他のアミノ基の一つを除いた残基のいずれもが含まれる。ここでαアミノ基とは、αアミノ酸のカルボキシル基に直結した炭素に直結しているアミノ基を意味する。又、αアミノ基以外の他のアミノ基を有する場合とは、αアミノ酸が塩基性アミノ酸の場合であり、他のアミノ基とはαアミノ酸の側鎖に結合したアミノ基である。Eがαアミノ基以外の他のアミノ基を有する場合に、前記他のアミノ基のNが、他の構造単位WのAと結合するとは、次式(If)で表される構造が形成されること等を意味する。
Figure 2017132713
式(If)中のEは、αアミノ酸からαアミノ基を除いたαアミノ基を除いた残基を表し、当該E中に含まれる側鎖のアミノ基のNがAと結合している。Rは、R又はO−を表す。
本発明は、又、前記第一の態様のより好ましい態様として、
構造単位Uが(Ia)又は(Ib)で表され、構造単位Wが(Id)で表されるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなることを特徴とする化粧品基材(請求項2)を提供する。この態様によれば、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体が高粘度のものになり過ぎず、化粧品基材として使用する際に使用しやすいものとなる。
前記化粧品基材の、毛髪に艶や良好な滑り性、保湿感、枝毛防止効果などを付与でき、皮膚に対しては滑らかさやしっとり感を付与できる効果は、前記αアミノ酸(前記シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の製造の原料として用いられ、式NH−Eで表されるαアミノ酸)に、塩基性アミノ酸が含まれ、その割合が多いほど向上する。また、前記αアミノ酸に塩基性アミノ酸が含まれることにより、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は水系化粧料中でも凝集や沈殿発生といった現象が起こりにくくなり、化粧料中での安定性が増す。そこで、前記第1の態様の好ましい態様として、前記αアミノ酸が塩基性アミノ酸を含むことを特徴とする化粧品基材(請求項3)を提供する。
前記αアミノ酸が塩基性アミノ酸を含むことによる前記の効果は、塩基性アミノ酸の割合が35モル%を超えるあたりから明らかになり、40モル%以上となると顕著になる。そこで、前記第1の態様のより好ましい態様として、前記αアミノ酸の40モル%以上が塩基性アミノ酸であることを特徴とする化粧品基材(請求項4)を提供する。
塩基性アミノ酸の中でも、毛髪や皮膚への保湿感、しっとり感の付与作用ではアルギニンが最も優れている。そこで、前記第1の態様のさらに好ましい態様として、前記αアミノ酸の40モル%以上がアルギニンである化粧品基材(請求項5)を提供する。
本発明は、又、前記第一の態様のより好ましい態様として、
前記シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の末端に、下記の一般式(II)で表される基が結合していることを特徴とする化粧品基材(請求項6)を提供する。
Figure 2017132713
[式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。]
この態様によれば、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の末端に残っている水酸基が、一般式(II)で表される基と結合するので、前記共重合体の化粧品中での長期保存安定性が増し、長期保存での変化が少ない化粧品とすることができる。
本発明の第2の態様は、
αアミノ酸のαアミノ基に、下記一般式(III):
Figure 2017132713
[式中、Rは水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表し、AはSiとNを結合する2価の基であって、R、*ROCHCH(OH)CH2、*RS、*RNHおよび*ROCOCHCH(Rは炭素数1〜5のアルキル基、*は、Siと結合する側を表す)]で表されるシリル基が結合したシリル化アミノ酸の1種以上と、
下記一般式(IV):
Si(OH)(4−p−n) (IV)
[式中、Rは水酸基、フェニル基、又は基中に窒素、硫黄、ハロゲン、フェニル基を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは0から2の整数で、n個のRは全て同じでもよく、異なっていてもよい。pは2から4の整数で、n+p≦4で、(4−p−n)個のYは炭素数1〜6のアルコキシ基または水素原子である]で表されるシラン化合物の1種以上を、
反応モル比がシリル化アミノ酸:シラン化合物=1:5〜1:150の範囲で縮重合させて得られるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなることを特徴とする化粧品基材(請求項7)である。
この化粧品基材は、前記第一の態様の化粧品基材を、共重合体の製造方法で表したものであり、従って、同様に、毛髪に対しては光沢のある艶、良好な滑り性、櫛通り性、べたつきのない保湿感、枝毛防止効果を与え、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を付与できる。前記αアミノ酸が、αアミノ基以外の他のアミノ基を有する場合(すなわち、原料のアミノ酸が、塩基性アミノ酸を含む場合)は、αアミノ基に加えて前記他のアミノ基(側鎖にあるアミノ基)の全てまたは一部に、前記一般式(III) で表されるシリル基が結合してもよい。
本発明は、又、前記第2の態様のより好ましい態様として、
シリル化アミノ酸とシラン化合物を縮重合させた後、さらに、下記一般式(VIII): R Si−OH (VIII)
[式中、3個のRは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、3個のRは同じでもよく、また異なっていてもよい] で表されるシラン化合物を反応させたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなることを特徴とする化粧品基材(請求項8)を提供する。この化粧品基材は、前記第1の態様の好ましい態様の化粧品基材を、共重合体の製造方法で表したものである。この態様によれば、第2の態様のシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の末端に残っている水酸基が、一般式(VIII)で表されるシラン化合物と反応するので、前記共重合体の化粧品中での長期保存安定性が増し、長期保存での変化が少ない化粧品とすることができる。
本発明の第3の態様は、前記第1の態様、第2の態様の化粧品基材を含有する化粧料である。化粧料中での前記シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体(第1の態様、第2の態様の化粧品基材)の含有量は、化粧料の種類や形態によって多少の違いはあるが、毛髪に光沢のある艶や良好な滑り性、べたつきのない保湿感、枝毛防止効果を発揮させ、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を発揮させるには、概ね化粧料中0.01質量%〜20質量%であるのが好適である。そこで、前記第1の態様、第2の態様の化粧品基材を、0.01質量%以上、20質量%以下含有する化粧料(請求項9)を提供する。
シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなる本発明の化粧品基材は、従来品のシリル化ペプチド/シラン化合物共重合組成物に比べ、より容易に製造することができ、しかも製造されたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、毛髪に対しては光沢のある艶や良好な滑り性、べたつきのない保湿感、枝毛防止効果を与え、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を付与できる。また、乳化剤や粉体分散剤としての機能も有する。また、前記化粧品基材を配合した化粧料は、前記のような効果を毛髪や皮膚に与え、しかも水系化粧料中においても該化粧品基材の保存安定性は良い。
実施例1で製造したシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の赤外線吸収スペクトルを示す図である。 実施例5で製造したシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の赤外線吸収スペクトルを示す図である。 実施例6で製造したシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
以下に、本発明の化粧品基材の原料であるシリル化アミノ酸、本発明の化粧品基材を製造する工程であるシリル化アミノ酸とシラン化合物の縮重合、その縮合物とケイ素原子に3つのアルキル基が結合するシラン化合物との反応、および本発明の化粧品基材を含有する化粧料、の順に説明する。
[シリル化アミノ酸]
シリル化アミノ酸は、αアミノ酸のαアミノ基に、ケイ素原子に直結する水酸基が2個以上生じるシランカップリング剤を反応させることで得られる。シリル化アミノ酸の製造に用いるαアミノ酸としては、化粧品に用いられるものなら特に制限はなく、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸、グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミンなどの中性アミノ酸、アルギニン、リシン、ヒスチジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸のいずれも用いることができる。
ケイ素原子に直結する水酸基が2個以上生じるシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2’−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、いずれも市販されているものを用いることができる。例えば、信越化学工業社製のKBM−402、KBE−402、KBM−502、KBE−503、KBM−403、KBE−403(いずれも商品名)、東レ・ダウコーニング社製のSH6040、SZ6023、SZ6030(いずれも商品名)などがこれらに該当する。
シリル化アミノ酸は、特開平8−59424号公報や特開平8−67608号公報に記載の方法で製造できる。例えば、ケイ素原子に直結するアルコキシ基を2個以上有するシランカップリング剤を、塩基性下、加温攪拌しているアミノ酸水溶液に滴下し、両者を接触させることで、アミノ酸のアミノ基にシランカップリング剤が結合し、下記一般式(VI)に表したようなケイ素原子に水酸基が2個以上生じたシリル化アミノ酸が得られる。
Figure 2017132713
[式中、RおよびAは一般式(I)に同じで、Rはアミノ酸の側鎖を表す]
また、αアミノ酸が塩基性アミノ酸で、側鎖のアミノ基にもケイ素原子に直結する水酸基が2個以上生じるシラン化合物が結合した場合は、下記の一般式(VII):
Figure 2017132713
[式中、RおよびAは一般式(I)に同じで、Rは塩基性アミノ酸の側鎖にあるアミノ基を除く側鎖を表す]のように表すことができる。
なお、シリル化アミノ酸製造の際のアミノ基へのシリル基導入反応では、溶液のpHが9〜11の塩基性条件下でシランカップリング剤とαアミノ酸を反応させるが、このpH範囲の溶液にシランカップリング剤を滴下すると、ケイ素原子に直結するアルコキシ基は加水分解されて水酸基に変わる。すなわち、αアミノ酸とシランカップリング剤との反応は、シランカップリング剤を予め加水分解して水酸基化しておく必要はなく、溶液のpHを9〜11にしたアミノ酸水溶液にシランカップリング剤を直接添加することで行うことができる。
反応に用いるαアミノ酸は、単一のアミノ酸でもアミノ酸混合物を用いてもよいが、アミノ酸混合物の場合は、アミノ酸の種類によってシランカップリング剤との反応性に多少の違いがあるため、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体にする際に、共重合体中の各アミノ酸の存在量が不明確になる。そのため、シリル化アミノ酸製造にあたっては、単一のアミノ酸を用いてシリル化するのが望ましい。
シリル化反応の進行は、ファン・スライク(Van Slyke)法で反応液中のアミノ態窒素量を測定することなどで確認できる。反応生成物は、濃度などを調整して次のシラン化合物との縮重合反応に供される。反応生成物は、通常、シリル化アミノ酸と未反応のαアミノ酸との混合物であるが、シラン化合物との縮重合反応に供されるものとしては、40モル%以上がシリル化アミノ酸である混合物が好ましい。従って、シリル化反応終了後の混合物のまま縮重合反応に使用する場合は、シリル化反応の反応率は40%以上であることが好ましい。また、反応液を中和し、適宜濃縮してイオン交換樹脂、透析膜、電気透析、限外濾過などで精製してからシラン化合物との縮重合の原料としてもよい。
[シリル化アミノ酸とシラン化合物の縮重合]
次に、上記のようにして得られたシリル化アミノ酸と、一般式(IV)
Si(OH)(4−p−n) (IV)
[式中、Rは水酸基、フェニル基、又は基中に窒素、硫黄、ハロゲン、フェニル基を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは0から2の整数で、n個のR−は全て同じでもよく、異なっていてもよい。pは2から4の整数で、n+p≦4で、(4−p−n)個のYは炭素数1〜6のアルコキシ基または水素原子である]で表されるケイ素原子に直結する水酸基を2個以上生じるシラン化合物を縮重合させるが、ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシラン化合物は、下記の一般式(V)
SiX(4−n) (V)
[式中、Rおよびnは前記一般式(IV)に同じで、n個のRは全て同じでもよく、異なっていてもよい。(4−n)個のXは水酸基、アルコキシ基およびハロゲン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基である]で表されるシラン化合物を加水分解することで得られる。加水分解は、塩酸や硫酸などで酸性側pH2〜3に調整した水溶液か、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などでpH10〜11に調整した溶液に滴下することで、シラン化合物のアルコキシ基やハロゲン基が加水分解して水酸基に変換できる。なお、一般式(Ia)、(Ib)、(IV)、(V)中のRとしては、水酸基、フェニル基、又は炭素数4〜14のアルキル基が好ましい。
加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基を2個以上生じる一般式(V)で表されるシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、メチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシランなどが挙げられる。これらのシラン化合物は加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が2個以上生じ、一般式(IV)で表されるシラン化合物になる。
一般式(V)で表されるシラン化合物は、市販品を使用することができ、市販のシラン化合物としては、例えば、信越化学工業社製のKBM−13、KBM−22、KBM−103、KBM−3063、KBM−3033、KBM−1003、KBM−502、KBM−603、KBM−602、KBM−903、KBM−573、KBM−803、KBM−403、KBE−13、KBE−22、KBE−103、KBE−1003、KBE−402、KBE−502、KBE−503、KBE−1003、KBE−603、KBE−602、KBE−3033、KBE−3083、KBE−903(いずれも商品名)、東レ・ダウコーニング社製のZ−6366、Z−6329、Z−6013、Z−6383、Z−6321、Z−6265、Z−6275、Z−6403、Z−6583、Z−6586、Z−6187、Z−6341、Z−6210、Z−6124、ACS−8(いずれも商品名)などが挙げられる。
シリル化アミノ酸と一般式(IV)で表されるシラン化合物との縮重合は特開平11−286550号公報や特許文献5に記載されているシリル化ペプチド/シラン化合物共重合組成物の製造法を参考に製造できる。具体的には、シリル化アミノ酸水溶液を塩酸や硫酸などで酸性側pH2〜3に調整するか、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などで塩基性側pH10〜11に調整し、その中に一般式(V)で表されるシラン化合物を滴下することでシラン化合物のアルコキシ基やハロゲン基などが加水分解して水酸基に変わり、一般式(IV)で表される形になり、次いでシリル化アミノ酸の水酸基やシラン化合物自身の水酸基が縮重合して高分子化する。
シリル化アミノ酸と一般式(V)で表されるシラン化合物の反応モル比は、シリル化アミノ酸:シラン化合物=1:5〜1:150の範囲である。シリル化アミノ酸:シラン化合物=1:20〜1:150が好ましく、1:20〜1:100がより好ましい。1:5〜1:150の範囲で反応すると、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体中のアミノ酸量は、反応に用いるシラン化合物の官能基によって分子量の違いがあるため多少の変動はあるが、概ね1質量%〜20質量%になる。シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体中でのアミノ酸の存在量が1質量%未満では、シリコーンの性質が強く現れ、シリコーン鎖による油性感が強くなると共に親水性の毛髪に吸着しにくくなり、毛髪に対して光沢のある艶や良好な滑り性、べたつきのない保湿感、枝毛防止効果を十分に与えることができず、皮膚に対しては滑らかさやべたつきのないしっとり感を付与できない可能性がある。また、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体中でのアミノ酸の存在量が20質量%を超えると、毛髪や皮膚に適用した場合にべたつき感を生じさせる恐れがある。
また、生じたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の粘度が極端に高いと化粧品への配合がし難く扱いにくくなるため、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の固形分濃度が75%水溶液のときの20℃における粘度が500〜20,000mPa・sの範囲にあるものが好ましく、粘度がこの範囲に入るようにシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を製造するためには、シリル化アミノ酸とシラン化合物の反応モル比は、シリル化アミノ酸:シラン化合物=1:5〜1:150の範囲で行う必要がある。
シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の製造に用いるシリル化アミノ酸は、単一のシリル化アミノ酸でも数種を混合したシリル化アミノ酸混合物でもよい。化粧料に配合した際の、毛髪や皮膚への保湿感、しっとり感の付与作用の面から塩基性アミノ酸を含んでいるのが好ましく、中でも、全アミノ酸を100モル%としたとき、その40モル%以上が塩基性アミノ酸であることが好ましい。そして、シリル化塩基性アミノ酸の中でも、保湿感、しっとり感の付与効果をよりよく発揮するシリル化アルギニンを用いるのが好ましい。
シリル化アミノ酸とシラン化合物の反応温度は、低すぎると反応がしにくく、高すぎると一般式(V)で表されるシラン化合物のアルコキシ基やハロゲン基が急激に加水分解するので30℃〜60℃が好ましい。また、反応時間は、反応量や反応温度によっても異なるが、上記一般式(V)で表されるシラン化合物を30分〜2時間かけて滴下し、その後1〜24時間攪拌を続けるのが好ましい。反応終了後、溶液が酸性側の場合は希水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ水溶液を、塩基性側の場合は希塩酸や希硫酸などの酸水溶液を添加攪拌して溶液を中和する。中和によって高分子化が進むので、中和後はさらに1〜24時間程度攪拌を続けて反応を完結させる。
[ケイ素原子に3つのアルキル基が結合するシラン化合物との反応]
上記のようにして得られたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体はそのままでも化粧品基材として使用できる。しかし、共重合体の末端シリル基には水酸基が残っているため、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体同士が凝集して高分子化する恐れがある。そのため、上記で得られたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、さらに、一般式(VIII)で表されるシラン化合物を付加させてシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体上の水酸基を塞いでおくのが好ましい。
上記一般式(VIII)で表される水酸基を1個有するシラン化合物は、例えば、次の一般式(IX)
Si−R (IX)
[式中、Rは前記に同じで、Rは炭素数1〜6のアルコキシ基またはハロゲン原子である]で表されるシラン化合物を加水分解することによって得られる。
加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が1個生じる一般式(IX)で表されるシラン化合物としては、例えば、ジメチルビニルクロロシラン、n−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、トリメチルシリルアイオダイド、ジメチルエトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどが挙げられる。これらのシラン化合物も市販されていて、例えば、信越化学工業社製のKA−31、TESC、TBMS、IIPSC、TES(いずれも商品名)、東レ・ダウコーニング社製のZ−6013(商品名)などを例示出来る。
シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体と一般式(VIII)で表されるシラン化合物との反応は、特許文献5に記載されているシリル化ペプチド/シラン化合物の共重合組成物とケイ素原子に3つのアルキル基が結合するシラン化合物との反応と同様に行うことが出来る。具体的には、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合組成物の水溶液を20℃〜100℃、好ましくは30℃〜80℃で攪拌し、この中に一般式(IX)で表されるシラン化合物を滴下することで反応させる。但し、一般式(IX)で表されるシラン化合物でRがハロゲン基の化合物では、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体水溶液に直接滴下することで、ハロゲン基は水酸基に変わり、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の水酸基と縮合するが、Rがアルコキシ基のシラン化合物では、反応系をpH1〜4に調整して反応を開始し、その後pHを中性付近にして反応を行うか、あらかじめpH2〜3の水溶液中で一般式(IX)で表される化合物を加水分解して一般式(VIII)で表されるシラン化合物とし、その後上記シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体溶液中に滴下して、中性付近で反応する必要がある。
一般式(IX)で表されるシラン化合物の滴下終了後1〜24時間攪拌を続け、溶液を水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などで中和し、さらに攪拌を1〜24時間続けて反応を完結させて安定性のよいシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を得る。
前記のようにして得られたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、本発明の第一の態様の化粧品基材を構成するシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体である。具体的には、前記一般式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で表される構造単位Uと、一般式(Id)又は(Ie)で表される構造単位Wを有し、構造単位W:構造単位Uが1:5〜1:150(モル比)の範囲である共重合体であり、好ましい態様では、さらに、末端のSiにR Si−O−基が結合している(又は末端のOにR Si−基が結合している)。この共重合体中では、一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)又は(Ie)で表される構造単位中に含まれるOと他の構造単位のSiが結合していると考えられ、又、前記一般式(If)で表される結合が含まれる場合も考えられる。従って、この共重合体は、多種の構造の混合物であるが、好ましい態様では、下記の一般式(X):
Figure 2017132713
[式中、R、R、R、AおよびEは前記に同じで、xとyはそれぞれ1以上の整数で、x:y=1:5〜1:150を満たす数である。但し、xとyは各モノマーの存在数を示すのみで、配列の順序を表すものではない]で表される共重合体を主体とすると考えられる。重合度、すなわちx+yは、5〜1000程度が、毛髪や皮膚に対してべたつきを与えずに良好な吸着性を示すので好ましく、より好ましくは10〜100程度である。
[本発明のシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を含有する化粧料]
本発明の化粧料は、上記のように製造したシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなる化粧品基材を含有させることによって調製されるが、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を含有させることができる化粧料としては、毛髪化粧料では、例えば、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、枝毛コート剤、シャンプー、毛髪セット剤、染毛剤、パーマネントウェーブ用剤などが挙げられ、皮膚化粧料では、例えば、皮膚用クリーム類、乳液、洗顔液、クレンジングクリーム、スキンケアジェル、美容液などが挙げられる。
本発明の化粧料におけるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなる化粧品基材の含有量(化粧料への配合量)は、洗い流すタイプや洗い流さないタイプなど化粧料の種類によって多少異なるが、概ね0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましい。シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の含有量が上記範囲未満では、毛髪に対して光沢のある艶や良好な滑り性、保湿感、枝毛防止効果を付与する効果、皮膚に対して滑らかさやしっとり感を付与する効果が発揮されない可能性がある。上記範囲を超えると、毛髪や皮膚への付着量が多くなりすぎてべたつきを生じる可能性があるだけでなく、化粧料の保存安定性が悪くなる場合もある。
本発明の化粧料は、上記のようにシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなる化粧品基材を必須成分として構成されるが、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の特性を損なわない範囲で、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマー、増粘剤、動植物抽出物、ポリサッカライドまたはその誘導体、動植物および微生物由来のタンパク質の加水分解物およびその誘導体、中性または酸性アミノ酸類、湿潤剤、低級アルコール類、高級アルコール類、油脂類、シリコーン類、各種染料や顔料、防腐剤、香料などを添加することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例、製造例中に記されている%はいずれも質量%である。
製造例1:N−[2−ヒドロキシ−3−[3’−(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]アルギニン(シリル化アルギニン)の製造
容量2リットルのビーカーにアルギニン100g(0.575モル)を入れ、水600mLを加えて攪拌し、17%塩酸水溶液を加えてpHを9.0に調整した。この溶液を50℃に加温し、攪拌しながら溶液中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン[信越化学工業社製KBE−402(商品名)]146g(0.575モル、アルギニンと等モル数)を約2時間かけて滴下し、滴下後50℃で14時間攪拌を続けた。その後、17%塩酸水溶液を加えてpHを6.0に調整し、固形分濃度が24.6%のN−[2−ヒドロキシ−3−(3’−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]アルギニン(シリル化アルギニン)の水溶液を816g得た。反応前後でのアミノ態窒素量の変化量から求めた反応率は82%であり、これを元に計算した生成物のシリル化アルギニンのモル数は0.448であった。
また、反応前後の溶液を下記条件で液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」と記す)分析を行ったところ、反応後には、原料のアルギニンの分子量174付近のピークはほぼ消失し、シリル化アルギニンの分子量である366付近に新たなピークが検出されシリル化アルギニンが製造されていることが確認できた。
[液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析条件]
分離カラム:TSKgel G3000PWxL(直径7.8mm×長さ300mm)
溶離液 :0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=55/45
流速 :0.3mL/min
検出器 :RI(示差屈折率)検出器およびUV(紫外線)検出器210nm
標準試料:グルタチオン(Mw307)、ブラジキニン(Mw1,060)、インシュリンB鎖(Mw3,496)、アプロチニン(Mw6,500)
製造例2〜5
アルギニンを表1に示す他のアミノ酸に変え、反応条件を表1に示すように変えた以外は製造例1と同様にして、アミノ酸とシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン:信越化学工業社製KBE−402])との反応を行った。反応後、表1に示すpHに調整して反応溶液(水溶液)を得た。この反応溶液の収量および固形分濃度、並びに、反応前後でのアミノ態窒素量の変化量から求めた反応率(製造例4のみ、分子量115付近のピークの減少率から求めた反応率)、これを元に計算した生成物のシリル化アミノ酸のモル数を表2に示す。
又、反応前後の溶液を製造例1と同じ条件でHPLC分析を行ったところ、製造例2〜5のいずれでも、反応後には、原料のアミノ酸のピークはほぼ消失し、表2の「HPLCピーク」の欄に示す位置の付近に新たなピークが検出された。この結果より、表2の「反応生成物」の欄に示すシリル化アミノ酸が製造できていることが確認できた。
Figure 2017132713
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実施例1:N−[2−ヒドロキシ−3−[3’−(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]アルギニン/ジメチルジエトキシシラン/オクチルトリエトキシシラン共重合体[1:15:15(モル比)]の製造
容量1リットルのガラス製円形反応容器に、製造例1で得られたシリル化アルギニン溶液100g(シリル化アルギニンとして0.055モル)に水を加えて固形分濃度を20質量%に調整し、17%塩酸水溶液を添加してpHを1.3に調整した。この溶液を60℃に加温して攪拌しながら、溶液中にジメチルジエトキシシラン[信越化学工業社製KBE−22(商品名)]122.1g(0.825モル)およびオクチルトリエトキシシラン[信越化学工業社製KBE−3083(商品名)]227.7g(0.625モル)の混合液を1時間かけて滴下し、滴下終了後60℃で14時間攪拌を続けた。次に、水酸化ナトリウム水溶液を滴下して溶液のpHを6.0に調整し、液温を40℃にして4時間攪拌を続けて縮重合させた。
次いで、この溶液にトリメチルクロロシラン[信越化学工業社製KA−31(商品名)]10g(0.092モル)を15分かけて滴下して混合し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6.0に調整し、80℃で1時間攪拌を続けた。その後、この溶液を減圧下濃縮して、生じたアルコールを除去し、水を加えて濃度を調整して固形分濃度75%のシリル化アルギニン/シラン化合物共重合体の水溶液を186g得た。
得られた共重合体を島津製作所社製のFT−IR[IR Prestige−21(商品名)]を用いてATR法で赤外線吸収スペクトル(IR)分析を行ったところ、図1に示すように、1260cm−1付近にSi−CH に起因するピークが、1100〜1000cm−1付近にSi−O−Siに起因するピークが検出され、さらに2960cm−1付近にオクチルトリエトキシシラン由来のアルキル基に起因するピークが検出された。また、製造例1の項に示した条件でHPLC分析したところ、分子量366付近のシリル化アルギニンのピークはほとんど消失していた。これらのことから、この化合物はシリル化アルギニン/シラン化合物共重合体であることが確認できた。
上記のようにして得られたシリル化アルギニン/ジメチルジエトキシシラン/オクチルトリエトキシシラン共重合体(75%)水溶液の20℃での粘度を、B型粘度計、ロータ3、回転数30回転で測定したところ、粘度は7500mPa・sであった。
実施例2〜12
シリル化アミノ酸の種類や反応条件を表3〜6に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、シリル化アミノ酸とシラン化合物との反応を行い、表3〜6の生成物水溶液の欄に示す水溶液を同欄に示す収量、固形分濃度で得た。得られた水溶液について、実施例1と同様にして、赤外線吸収スペクトル(IR)分析を行ったところ、1260cm−1付近にSi−CH に起因するピークが、1100〜1000cm−1付近にSi−O−Siに起因するピークが検出され、さらに、実施例5以外では、2960cm−1付近にオクチルトリエトキシシラン由来のアルキル基に起因するピークが検出された。なお、実施例1、5および6で製造したシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の赤外線吸収スペクトルを、それぞれ図1、2および3に示す。
又、製造例1の項に示した条件でHPLC分析したところ、原料のシリル化アミノ酸のピークはほとんど消失していた。これらのことから、生成された化合物は表3〜6の生成化合物の欄に示すシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体であることが確認できた。さらに、得られた共重合体の75%水溶液の20℃での粘度を、B型粘度計、ロータ3、回転数30回転で測定した。その結果を表3〜6の水溶液粘度の欄に示す。
Figure 2017132713
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参考例1:N−[2−ヒドロキシ−3−[3−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]カゼイン加水分解物/ジメチルジエトキシシラン/オクチルトリエトキシシラン共重合体(シリル化カゼイン加水分解物/シラン化合物共重合体)[1:15:15(モル比)]
容量1リットルのガラス製円形反応容器に、総窒素量とアミノ態窒素量から求めたアミノ酸の平均重合度が6で、アミノ酸分析を元に計算した酸性アミノ酸数の平均値が1.7、中性アミノ酸数の平均値が3.5、塩基性アミノ酸数の平均値が0.8のカゼイン加水分解物の25%水溶液200g(アミノ態窒素値から得られたモル数として0.08モル)を入れ、25%水酸化ナトリウム溶液でpHを9.5に調整した。この溶液を50℃に加温し、攪拌しながら溶液中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン19.8g(0.08モル、カゼイン加水分解物のアミノ態窒素量に対し1.0当量)を約1時間かけて滴下し、滴下終了後、50℃で14時間攪拌を続けた。その後、17%塩酸水溶液を加えてpHを6.0に調整し、固形分濃度が22%のシリル化カゼイン加水分解物の水溶液を214g得た。反応前後でのアミノ態窒素量の変化量から求めた反応率は81%であり、これを元に計算したシリル化カゼイン加水分解物のモル数は0.04であった。
次に、この溶液に17%塩酸水溶液を加えてpHを1.3に調整し、この溶液を60℃で攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン88.8g(0.6モル、シリル化カゼイン加水分解物に対して15当量)およびオクチルトリエトキシシラン165.6(0.6モル、シリル化カゼイン加水分解物に対して15当量)の混合物を約2時間かけて滴下し、滴下後50℃で14時間攪拌を続けた。次いで、25%水酸化ナトリウム水溶液を滴下して溶液のpHを6.0に調整し、液温を40℃にして4時間攪拌を続けて縮重合させた。次に、この溶液にトリメチルクロロシラン6.5g(0.06モル)を15分間かけて滴下混合した。この間、同時に25%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが7〜8になるように保った。滴下終了後、さらに3時間攪拌を続けて反応を完結した。その後、この溶液を減圧下濃縮して、生じたアルコールを除去し、水を加えて濃度を調整して固形分濃度75%のシリル化カゼイン加水分解物/シラン化合物共重合体の水溶液を275g得た。
参考例2:N−[2−ヒドロキシ−3−[3−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]小麦タンパク加水分解物/ジメチルジエトキシシラン/オクチルトリエトキシシラン共重合体(シリル化小麦タンパク加水分解物/シラン化合物共重合体)[1:7:7(モル比)]
容量1リットルのガラス製円形反応容器に、総窒素量とアミノ態窒素量から求めたアミノ酸の平均重合度が7で、アミノ酸分析を元に計算した酸性アミノ酸数の平均値が2.7、中性アミノ酸数の平均値が3.9で、塩基性アミノ酸数の平均値が0.4の小麦タンパク加水分解物の25%水溶液200g(アミノ態窒素値から得られたモル数として0.07モル)を入れ、25%水酸化ナトリウム溶液でpHを9.5に調整した。この溶液を50℃に加温し、攪拌しながら3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン17.7g(0.07モル、小麦タンパク加水分解物のアミノ態窒素量に対し1.0当量)を約1時間かけて滴下し、滴下終了後、50℃で14時間攪拌を続けた。その後、17%塩酸水溶液を加えてpHを6.0に調整し、固形分濃度が22%のN−[2−ヒドロキシ−3−(3’−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]小麦タンパク加水分解物の水溶液を234g得た。反応前後でのアミノ態窒素量の変化量から求めた反応率は85%であり、これを元に計算したシリル化小麦タンパク加水分解物のモル数は0.05であった。
次に、前記溶液を25%水酸化ナトリウム水溶液でpHを10.5に調整し、この溶液を60℃で攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン51.8g(0.35モル、シリル化小麦タンパク加水分解物に対して7当量)およびオクチルトリエトキシシラン96.6g(0.35モル、シリル化小麦タンパク加水分解物に対して7当量)の混合物を約2時間かけて滴下し、滴下終了後、50℃で14時間攪拌を続けた。次いで、25%水酸化ナトリウム水溶液を滴下して溶液のpHを6.0に調整し、液温を40℃にして4時間攪拌を続けて縮重合させた。次に、この溶液にトリメチルクロロシラン7.6g(0.07モル)を15分間かけて滴下混合した。この間、同時に25%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが7〜8になるように保った。滴下終了後、さらに3時間攪拌を続けて反応を完結した。その後、この溶液を減圧下濃縮して、生じたアルコールを除去し、水を加えて濃度を調整して固形分濃度75%のシリル化小麦タンパク加水分解物/シラン化合物共重合体の水溶液を214g得た。
次に、試験例や化粧料としての実施例を示すが、試験例、実施例および比較例の処方を示す表では、各成分の配合量はいずれも質量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名の後ろに括弧書きで固形分濃度を示している。
試験例1:毛髪への吸着性試験
表7の「配合重合体」の欄に示す重合体(実施例1〜13で製造したシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体等)を配合して表7の組成の毛髪処理剤を調製した。調整された毛髪処理剤で、損傷毛髪を処理して、処理後の毛髪の、処理剤の残存感、保湿感、櫛通り性を評価した。
Figure 2017132713
表中、*1は信越化学工業社製のKF96A−10cs(商品名)、*2は東邦化学工業社製のカチナールSTC−25W(商品名)、*3はSEPPIC社製のMONTANOV68(商品名)である。
試験に先立ち、毛髪を2%のポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄して乾燥し、長さ17cmで重さ2gの損傷毛髪の毛束を作製した。この毛束の毛髪損傷度を一定にするため、6%過酸化水素水と2%アンモニア水を質量比1:1で混合したブリーチ剤に30℃で30分間浸漬し、水道水流水中で洗浄後、さらにイオン交換水で濯ぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。このブリーチ処理を5回繰り返した後、下記の吸着性試験に供した。
上記の方法で作製したそれぞれの損傷毛髪毛束に表7に記載の組成のそれぞれの毛髪処理剤を1g塗布して充分になじませた後、40℃の恒温槽に10分間放置し、次いで40℃のお湯でゆすぎ、室温で風乾させた。対照品には、表7の組成で、配合重合体の代わりに同量の水を加えた処理剤で処理した毛束を用い、毛髪の処理剤の残存感、保湿感、櫛通り性について下記の判定基準で10名のパネリストに評価させ、その総合点によって分類を行った。
残存感の評価基準
3:対照品と比較して、高い残存感を有している
2:対照品と比較して、残存感を有している
1:対照品と変わらないもしくは劣る
保湿感の評価基準
3:対照品と比較して、明らかな保湿感の差を感じる
2:対照品と比較して、わずかに保湿感を感じる
1:対照品と変わらないもしくは劣る
櫛通り性の評価基準
3:対照品と比較して、櫛通り性が非常によく、引っかかり感がない
2:対照品と比較して、櫛通り性がよく、ほとんど引っかかり感がない
1:対照品と変わらないもしくは劣る
各処理剤についてのパネリストの評価値を合計し、下記のように分類した。その結果を表8に示す。なお、以下の表では、試験の対象となる実施例1〜13で製造されたそれぞれのシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を、「実施例xの共重合体」(xは、該当する実施例の番号)と、参考例1、2で製造されたそれぞれのシリル化ペプチド/シラン化合物共重合体を、「参考例xの共重合体」(xは、該当する実施例の番号)と記す。
評価結果の分類
◎:10人の総合点が24以上
○:10人の総合点が17〜23
△:10人の総合点が16以下
Figure 2017132713
表8に示したように、各実施例で製造したシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、従来のジメチルポリシロキサンやシリル化ペプチド/シラン化合物共重合組成物より、毛髪への吸着性がよく、毛髪に優れた保湿感や良好な櫛通り性を付与できることが明らかであった。
試験例2:粉体分散性試験
実施例1〜13で製造されたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を用いて、表9に示す配合量の混合物を調製し、粉体が均一なスラリーとして得られるかどうかを試験した。
Figure 2017132713
試験では、表面処理された酸化チタン4.0gにシクロペンタシロキサン5.0gを加えて攪拌して、非常に粘度の高い半固形物を得、この中に実施例で得られたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体1.0gを加えて攪拌し、低粘度の酸化チタンスラリーが得られるかどうかを確認し、下記の評価基準で評価した。その結果を表10に示す。
粉体分散性の評価基準
◎:低粘度でしかも均一なスラリーを形成する
○:低粘度のスラリーになるが、ややダマ(団子状のかたまり)が見られる
△:低粘度のスラリーになるが、ダマが多い
×:酸化チタンとシクロペンタシロキサンの混合時のままで、スラリーが得られない
Figure 2017132713
表10に示したように、実施例1〜13のシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、いずれも良好な粉体分散性を示した。
試験例3:乳化試験
表11に示す共重合体を乳化剤として用いて、表11に示す配合で、エステル油、炭化水素類、植物油、油溶性紫外線吸収剤、シリコーン油から選んだ油性物質である(1)イソステアリン酸ヘキシルデシル、(2)流動パラフィン、(3)オリーブ油、(4)メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、(5)ジメチルポリシロキサン(5cs)の分散性を調べた。
Figure 2017132713
試験では、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体と精製水を混合し、室温下でホモミキサーで5000rpmで攪拌し、その中に油性物質を10分間かけて滴下し、滴下終了後さらに10分間攪拌を続けた。調製後の乳化物を目視で観察し、下記の基準で評価した。また、実施例で製造したシリル化アミノ酸シラン化合物共重合体に代えて、参考例1および2で製造したシリル化ペプチド/シラン化合物共重合体でも乳化試験を行い、比較品とした。それらの結果を表12に示す。
乳化物の評価基準
◎:粒子が細かく均一な乳化物である
○:やや粗い粒子が見られるがほぼ均一な乳化物である
△:調製直後は乳化物を形成しているが2週間以内に乳化系は壊れる
Figure 2017132713
表12に示したように、実施例1〜13のシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、試験したいずれの油性物質に対しも優れた乳化性を示した。
実施例14および比較例1〜2
表13に示す組成のヘアコンディショナーを調製し、処理後の毛髪の艶、櫛通り性、保湿感を評価した。実施例14では、実施例1で製造したシリル化アルギニン/シラン化合物共重合体(N−[2−ヒドロキシ−3−[3’−(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]アルギニン/ジメチルジエトキシシラン/オクチルトリエトキシシラン共重合体[1:15:15(モル比)])を用い、比較例1ではシリル化アルギニン/シラン化合物共重合体に代えて、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を用い、比較例2ではシリル化ペプチド/シラン化合物共重合体である参考例1で製造したシリル化カゼイン加水分解物/シラン化合物共重合体を用いている。
Figure 2017132713
表13中、*6は信越化学工業社製のKF−6016(商品名)、*7はSEPPIC社製のSIMULGEL EG(商品名)、*8は成和化成社製のPromois SILK−1000(商品名)、*9は成和化成社製のSeisept−H(商品名)である。
上記ヘアトリートメント剤による処理に先立ち、処理用の毛髪として、洗浄、ブリーチ処理を行なった毛髪を作製した。すなわち、長さ13cmで重さ1.7gの毛束を3本用意し、あらかじめ2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾させた。つぎに、6%過酸化水素水と2%アンモニア水を1:1に調製したブリーチ剤に30分間浸漬した後、水道水流水中でゆすぎ、1mol/Lクエン酸と0.2mol/Lリン酸水素二ナトリウムの緩衝液(pH3)に5分間浸漬し、水道水流水中でゆすいで室温で風乾させた。この操作を5回繰り返し行い試験に供した。
ブリーチ処理した毛束に約40℃の温水を含ませた後、実施例14および比較例1〜2のヘアトリートメント剤3gをそれぞれの毛束に均一に塗布して毛髪になじませた後、ラップフィルム上で40℃の恒温槽に10分間放置し、お湯でゆすぎ、室温で風乾させた。このように処理した後の毛髪の艶、櫛通り性、保湿感について10人のパネリストに官能評価させた。評価は、最も良いものを[2点]とし、2番目に良いものを[1点]とし、悪いものを[0点]とし、その平均値を評価値とした。その結果を表14に10人の平均値で示す。
Figure 2017132713
表14に示したように、実施例14のシリル化アルギニン/シラン化化合物共重合体を含有するヘアトリートメント剤で処理した毛髪は、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を含有する比較例1のヘアトリートメント剤や、参考例1で製造したシリル化カゼイン加水分解物/シラン化合物共重合組成物を含有する比較例2のヘアトリートメント剤で処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、櫛通り性、保湿感のいずれの官能評価項目においても評価値が高かった。実施例14のヘアトリートメント剤の評価値が参考例1で製造したシリル化カゼイン加水分解物−シラン化合物共重合組成物を含有する比較例2のヘアトリートメント剤の評価値より高かったのは、実施例14のシリル化アルギニン/シラン化合物共重合体がアルギニン基を有し、比較例2のシリル化カゼイン加水分解物/シラン化合物共重合体のカゼイン加水分解物部より毛髪に吸着しやすかったのではないかと推測している。
実施例15および比較例3〜4
表15に示す組成のヘアクリームを調製し、頭髪に使用後の毛髪の艶、櫛通り性、保湿感を評価した。実施例15では、実施例2で製造したシリル化アルギニン/シラン化合物共重合体(N−[2−ヒドロキシ−3−[3’−(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]アルギニン/ジメチルジエトキシシラン/オクチルトリエトキシシラン共重合体[1:40:40(モル比)])を用い、比較例3では、シリル化アルギニン/シラン化合物共重合体に代えて、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用い、比較例4では、シリル化ペプチド/シラン化合物共重である参考例2で製造したシリル化小麦タンパク加水分解物/シラン化合物共重体を用いている。
Figure 2017132713
表15中、*9は既出であり、*10は東レ・ダウコーニング社製のSH3749(商品名)である。
上記ヘアクリームによる毛髪の処理は下記のように行った。すなわち、長さ15cmで重さ約1gの毛束を3本用意し、それらの毛束を2%のポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水の流水中ですすいだ後、ドライヤー(冷風)を用いて乾燥した。その乾燥したそれぞれの毛束に、上記実施例15、比較例3および4のヘアクリームを各々0.5gよく伸ばしながら塗布し、ヘアドライヤーで乾燥した。処理後の毛髪の艶、うるおい、櫛通り性について10人のパネリストに、実施例14と同じ評価基準で評価させた。その結果を表16に示すが、評価値はいずれも平均値である。
Figure 2017132713
表16に示したように、実施例2のシリル化アルギニン/シラン化合物共重合体を含有するヘアクリームで処理した毛髪は、比較例3や比較例4のヘアクリームで処理した毛髪に比べて、毛髪の艶、櫛通り性、保湿感のいずれの評価項目において評価値が高かった。この結果から明らかなように、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、毛髪によく吸着し、毛髪に艶、良好な櫛通り性、保湿感を付与する作用に優れていることが明らかであった。
実施例16および比較例5および6
表17に示す組成の乳液を調製し、肌へのなじみやすさ、塗布後の肌のなめらかさ、しっとり感およびべたつきの少なさを評価した。実施例16では、実施例11で製造したシリル化アルギニン/シリル化プロリン/シラン化合物共重合体(N−[2−ヒドロキシ−3−[3’−(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]アルギニン/N−[2−ヒドロキシ−3−[3’−(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]プロリン/ジメチルジエトキシシラン/オクチルトリエトキシシラン共重合体[1:1:30:30(モル比)])を用い、比較例5では、シリル化アルギニン/シリル化プロリン/シラン化合物共重合体に代えて、ジメチルポリシロキサンを用い、比較例6では、シリル化ペプチド/シラン化合物共重合体である参考例1で製造したシリル化カゼイン加水分解物/シラン化合物共重合体を用いている。
Figure 2017132713
表17中、*1、*5、*9は既出で、*11はグッドリッチ社のCARBOPOL
980(商品名)である。
上記実施例16および比較例5〜6の乳液を肌に塗布している時の肌へのなじみのよさ、塗布後の肌のなめらかさ、しっとり感およびべたつき少なさを10名のパネリストに実施例14と同じ評価基準で評価させた。その結果を表18に10人の平均値で示す。
Figure 2017132713
表18に示す結果から明らかなように、シリル化アルギニン/シリル化プロリン/シラン化合物共重合体を含有する実施例16の乳液は、ジメチルポリシロキサンを含有する比較例4の乳液に対してはもちろん、シリル化加水分解カゼイン/シラン化合物共重合体を配合する比較例6の乳液に比べても、いずれの評価項目においても評価値が高かった。
実施例17および比較例7〜8
表19に示す組成の3種類のマッサージクリームを調製し、塗布時のぬり広げやすさ、および塗布後の肌のしっとり感、べたつきの少なさについて評価した。実施例17では、実施例12で製造したシリル化アルギニン/シリル化グリシン/シリル化プロリン/シラン化合物共重合体(N−[2−ヒドロキシ−3−[3−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]アルギニン/N−[2−ヒドロキシ−3−[3−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]グリシン/N−[2−ヒドロキシ−3−[3−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]プロリン/ジメチルジエトキシシラン/オクチルトリエトキシシラン共重合体[1:1:1:45:45(モル比)])を用い、比較例7では、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体に代えて、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用い、比較例8では参考例2で製造したシリル化小麦タンパク質加水分解物/シラン化合物共重合体を用いている。
Figure 2017132713
表19中、*3および*9は既出で、*12はSEPPIC社製のMONTANOV202(商品名)、*13は成和化成社製のPromois WU−32R(商品名)である。
上記実施例17および比較例7〜8のマッサージクリームについて、手に塗布している時の肌へのなじみ、塗布後の肌のなめらかさ、しっとり感、べたつきの少なさについて10のパネリストに、下記の評価基準で評価させた。その結果を表20に10人の平均値で示す。
評価基準
強く感じる :3点
感じる :2点
ほとんど感じない:1点
全く感じない :0点
Figure 2017132713
表20に示したように、実施例17のマッサージクリームは、ポリエーテル変性シリコーンを含有する比較例7のマッサージクリームはもちろん、シリル化ペプチド/シラン化合物共重合組成物を含有する比較例8のマッサージクリームに比べても、肌へのなじみ、塗布後の肌のなめらかさ、しっとり感およびべたつきの少なさのいずれの評価項目においても評価値が高かった。この結果から、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体は、肌へのなじみが良く、肌になめらかさやべたつきのないしっとり感を与える効果に優れていることが明らかであった。
Figure 2017132713

Claims (9)

  1. 下記の一般式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で表される構造単位U:
    Figure 2017132713

    [式中、Rは水酸基、フェニル基、又は基中に窒素、硫黄、ハロゲン、フェニル基を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。]
    および下記の一般式(Id)又は(Ie)で表される構造単位W:
    Figure 2017132713

    [式中、Rは水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、AはSiとNを結合する2価の基であって、R、*ROCHCH(OH)CH2、*RS、*RNHおよび*ROCOCHCH(Rは炭素数1〜5のアルキル基、*は、Siと結合する側を表す)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を表し、Eはαアミノ酸から1つの1級アミノ基を除いた残基を表すが、Eがαアミノ基以外の他のアミノ基を有する場合は、前記他のアミノ基のNは、他の構造単位WのAと結合してもよい。]を有する共重合体であって、構造単位W:構造単位Uが、モル比で、1:5〜1:150の範囲であるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなることを特徴とする化粧品基材。
  2. 前記構造単位Uが(Ia)又は(Ib)で表され、構造単位Wが(Id)で表されることを特徴とする請求項1記載の化粧品基材。
  3. 前記αアミノ酸が塩基性アミノ酸を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧品基材。
  4. 前記αアミノ酸の40モル%以上が塩基性アミノ酸であることを特徴とする請求項3に記載の化粧品基材。
  5. 前記塩基性アミノ酸がアルギニンである請求項3または請求項4に記載の化粧品基材。
  6. 前記シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体の末端に、下記の一般式(II)で表される基が結合していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の化粧品基材。
    Figure 2017132713

    [式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。]
  7. αアミノ酸のαアミノ基に、下記一般式(III):
    Figure 2017132713

    [式中、Rは水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表し、AはSiとNを結合する2価の基であって、R、*ROCHCH(OH)CH2、*RS、*RNHおよび*ROCOCHCH(Rは炭素数1〜5のアルキル基、*は、Siと結合する側を表す)]で表されるシリル基が結合したシリル化アミノ酸の1種以上と、
    下記一般式(IV):
    Si(OH)(4−p−n) (IV)
    [式中、Rは水酸基、フェニル基、又は基中に窒素、硫黄、ハロゲン、フェニル基を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは0から2の整数で、n個のRは全て同じでもよく、異なっていてもよい。pは2から4の整数で、n+p≦4で、(4−p−n)個のYは炭素数1〜6のアルコキシ基または水素原子である]で表されるシラン化合物の1種以上を、
    反応モル比がシリル化アミノ酸:シラン化合物=1:5〜1:150の範囲で縮重合させて得られるシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなることを特徴とする化粧品基材。
  8. シリル化アミノ酸とシラン化合物を縮重合させた後、さらに、下記一般式(VIII):
    Si−OH (VIII)
    [式中、3個のRは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、3個のRは同じでもよく、また異なっていてもよい] で表されるシラン化合物を反応させたシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体からなることを特徴とする請求項7に記載の化粧品基材。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の化粧品基材を、0.01質量%以上、20質量%以下含有する化粧料。
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