JP2005263674A - メイクアップ化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 皮膚や睫毛への伸展性、親和性に優れ、皮膚や睫毛に対してなめらかさ、潤い感、柔軟性を付与する効果とともに密着性に優れ、色落ちしにくいメイクアップ化粧料を提供する。
【解決手段】 ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシリル化ペプチドと、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基を2個以上生じるシラン化合物を縮重合させた後、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基を1個生じるシラン化合物を反応させて得られる、固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が500〜30,000mPa・sの範囲内にあるシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有させてメイクアップ化粧料を構成する。シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物のメイクアップ化粧料中の含有量が0.5〜80質量%であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシリル化ペプチドと、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基を2個以上生じるシラン化合物を縮重合させた後、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基を1個生じるシラン化合物を反応させて得られる、固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が500〜30,000mPa・sの範囲内にあるシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有させてメイクアップ化粧料を構成する。シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物のメイクアップ化粧料中の含有量が0.5〜80質量%であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、口紅やマスカラ、アイライナー、アイシャドウなどのメイクアップ化粧料に関し、さらに詳しくは、唇や睫毛への伸展性、親和性に優れ、唇や睫毛に対してなめらかさ、潤い感、柔軟性、保湿性を付与すると共に、密着性が高く、色落ちしにくく、化粧直しの必要性の少ない液状および固形のメイクアップ化粧料に関する。
メイクアップ化粧料は容貌を変え、健康にかつ美しく見せることを目的とした化粧料であり、特にマスカラやアイライナーは液状のものが多くを占め、アイシャドウはパウダー状またはクリーム状であり、口紅に関してはスティック状、またはパレット状、液状のものがほとんどである。
そして、メイクアップ化粧料に求められる機能は、発色の良さはもちろんのこと、色持ちの良さや、色落ちのしにくさなどが挙げられ、最近では潤い感も求められている。しかしながら、発色を良くすると、粘性が上昇して伸展性が低下し、なめらかに塗布することができなくなり、色落ちのしにくさを向上させると、発色が低下すると共に、皮膚にかさつき、乾燥感、荒れを生じることが一般的に知られている。
そのため、アクリル酸系のポリマーやシリコーン樹脂を配合することによって、これらの問題を解決しようとする試みもなされてきた。しかしながら、これらアクリル酸系のポリマーやシリコーン樹脂の配合では、残存モノマーによる刺激の問題があり、また、水および水溶性成分を配合することが不可能であることから、潤い感を得ることが困難であった。つまり、保湿効果と色落ちのしにくさの両者の効果を同時に発揮させるには至っていなかった。
特開2003−160434
特公平6−72085
従って、本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、皮膚や睫毛、口唇に対して優れた親和性、伸展性、密着性を有し、なめらかさ、潤い感、柔軟性、保湿効果とともに色落ちのしにくさを付与できるメイクアップ化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記の一般式(I)
で表されるシリル化ペプチドの一種以上と下記の一般式(II)
R4mSi(OH)pY(4−p−m) (II)
〔式中、mは0から2の整数で、pは2から4の整数、m+p≦4で、R4は炭素原子がケイ素原子に直接結合する有機基であり、m個のR4は同じでもよく、異なっていてもよい。(4−p−m)個のYはアルコキシ基または水素原子である〕
で表されるシラン化合物の一種以上とを、反応モル比がシリル化ペプチド:シラン化合物=1:1〜1:100の範囲で水溶液中で縮重合させた後、下記の一般式(III)
R5 3Si(OH) (III)
〔式中、3個のR5は炭素原子がケイ素原子に直接結合する有機基であり、3個のR5は同じでもよく、異なっていてもよい〕
で表されるシラン化合物を水溶液中で付加させることにより得られ、固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が500〜30,000mPa・sの範囲内にあるシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有させて口紅、マスカラ、アイライナー、アイシャドウなどのメイクアップ化粧料を調製するときは、皮膚や睫毛、唇に対して優れた親和性、伸展性、密着性を有し、なめらかさ、潤い感、柔軟性とともに、色落ちのしにくさを付与することを見出し、本発明を完成するにいたった。なお、上記一般式(II)において、m、pおよび(4−p−m)は下付け文字である。
本発明のメイクアップ化粧料は、皮膚や睫毛、唇への親和性、伸展性、密着性に優れ、皮膚に対してなめらかさ、潤い感、柔軟性を付与するとともに、色落ちのしにくさの効果に優れる。
本発明のメイクアップ化粧料に含有させるシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は、例えば、これまでに開示されている特開2001−48732号公報および特開2001−48775号公報に記載の方法で合成できるが、具体的に示すと下記の通りである。
シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の一方の成分である、上記一般式(I)で表されるシリル化ペプチドは、既に開示されている特開平8−59424号公報およびに特開平8−67608号公報に記載の方法よって水溶液中で容易に合成できる。
上記一般式(I)で表されるシリル化ペプチドにおいて、R2 は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ基を除く側鎖の残基であるが、上記のような側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸としては、例えば、リシン、アルギニン、ヒドロキシリシンなどが挙げられる。またR3 はR2 が結合するアミノ酸以外のアミノ酸の側鎖を示すが、そのようなアミノ酸としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、セリン、トレオニン、バリン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどが挙げられる。
上記一般式(I)で表されるシリル化ペプチドにおいて、xは0〜50、好ましくは0より大きく10以下であり、yは1〜100、好ましくは1〜50、x+yは1〜100、好ましくは2〜50である。すなわち、xが上記範囲より大きくなると、側鎖のアミノ基に結合するシリル基が増え、ペプチド本来の皮膚や毛髪への収着作用が減少し、yが上記範囲より大きくなると、ペプチド部分に対するシリル基部分の割合が少なくなってシリル基部分が有する特性を充分に発揮することができなくなり、x+yが上記範囲より大きくなるとペプチドとしての皮膚や睫毛、唇への収着性や密着性が低分子ペプチドに比べて減少するからである。なお、上記のx、yやx+yは、理論的には整数であるが、ペプチド部分が加水分解ペプチドである場合は、該加水分解ペプチドが分子量の異なるものの混合物として得られるため、測定値は平均値になる。
上記一般式(I)で表されるシリル化ペプチドのペプチド部分としては、天然ペプチド、合成ペプチド、タンパク質(蛋白質)を酸、アルカリ、酵素またはそれらの併用で部分加水分解して得られる加水分解ペプチドなどが挙げられるが、タンパクの入手の容易さやペプチド部分の数平均分子量のコントロールしやすさから、加水分解ペプチドを用いるのが好ましい。
加水分解ペプチドとしては、例えば、コラーゲン(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラチン、絹フィブロイン(シルク)、セリシン、カゼイン、コンキオリン、エラスチン、鶏、あひるなどの卵の卵黄タンパク、卵白タンパク、大豆タンパク、小麦タンパク、トウモロコシタンパク、米(米糠)タンパク、ジャガイモタンパクなどの動植物由来のタンパク、あるいは、サッカロミセス属、カンディダ属、エンドミコプシス属の酵母菌や、いわゆるビール酵母、清酒酵母といわれる酵母菌より分離した酵母タンパク、キノコ類(担子菌)より抽出したタンパク、クロレラより分離したタンパクなどの微生物由来のタンパクを酸、アルカリ、酵素またはそれらの併用で部分的に加水分解して得られるペプチドが挙げられる。
本発明のメイクアップ化粧料に含有させるシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物のもう一方の成分であるシラン化合物は、上記一般式(II)に示すものであるが、この化合物は、下記の一般式(IV)
R6 nSiX(4−n) (IV)
〔式中、nは0から2の整数で、R6 は炭素原子がケイ素原子に直接結合する有機基であり、n個のR6 は同じでもよく、異なっていてもよい。(4−n)個のXは水酸基、アルコキシ基およびハロゲン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基である〕
で表されるシラン化合物を水溶液中で加水分解することにより得られる。なお、上記一般式(IV)において、n、(4−n)は下付け文字である。
R6 nSiX(4−n) (IV)
〔式中、nは0から2の整数で、R6 は炭素原子がケイ素原子に直接結合する有機基であり、n個のR6 は同じでもよく、異なっていてもよい。(4−n)個のXは水酸基、アルコキシ基およびハロゲン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基である〕
で表されるシラン化合物を水溶液中で加水分解することにより得られる。なお、上記一般式(IV)において、n、(4−n)は下付け文字である。
一般式(IV)で表されるシラン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルオクタデシル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、3−(トリメトキシシリル)プロピルポリオキシエチレン(10)エーテル、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、メチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシランなどが挙げられる。
上記一般式(I)で表されるシリル化ペプチドと一般式(II)で表されるシリル化合物との反応は、例えば、まず、上記一般式(I)で表されるシリル化ペプチドの水溶液を塩酸や硫酸で酸性側に調整するか、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液で塩基性側に調整し、その中に一般式(IV)で表されるシラン化合物を滴下することにより、上記一般式(IV)で表されるシラン化合物のアルコキシ基やハロゲン基などが加水分解してケイ素原子に直結する水酸基を少なくとも2個有する一般式(II)で表されるシラン化合物になり、その後、中和することによって、一般式(I)で表される親水基を有する有機シラン化合物の水酸基と一般式(II)で表されるシラン化合物の水酸基との縮重合が進み、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物が得られる。
加水分解反応は、一般的にはpH0.5〜3で良好に進行するが、一般式(I)で表されるシリル化ペプチドによっては酸性側で不溶物が生じやすいものがあり、その際にはpH10〜11で行うのが好ましい。一般式(IV)で表されるシラン化合物としてアルコキシシラン化合物を用いるときのpH調整はアルコキシシラン化合物の滴下前のみでよいが、一般式(IV)で表されるシラン化合物としてハロゲン化シラン化合物やカルボキシシラン化合物を用いて塩基性側で反応する場合は反応中にpHが下がるので、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などを添加してpHを10〜11に保つ必要がある。また、一般式(IV)で表されるシラン化合物としてアミノシラン化合物を用いて酸性側で反応する場合は反応中にpHが上がるので、希塩酸や希硫酸などを添加してpHを0.5〜3に保つ必要がある。
反応温度は低すぎると反応が進行しにくく、高すぎると上記一般式(IV)で表されるシラン化合物のアルコキシ基やハロゲン基が急激に加水分解するので、20〜70℃が好ましい。また、反応時間は、反応量によっても異なるが、上記一般式(IV)で表されるシラン化合物を3〜10時間かけて滴下し、その後5〜20時間攪拌を続けるのが好ましい。
加水分解反応の終了時点では、反応溶液が酸性または塩基性のため、反応溶液が酸性側の場合は水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液を添加し、反応溶液が塩基性側の場合は希塩酸や希硫酸などの酸水溶液を添加し攪拌して溶液を中和する。この中和によって縮重合がさらに進みシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物が得られるが、中和後の攪拌は1〜10時間程度が好ましい。
本発明のメイクアップ化粧料に含有させるシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は、上記一般式(I)で示されるシリル化ペプチドの一種以上と上記一般式(II)で示されるシラン化合物の一種以上を、反応モル比で1:1〜1:100の範囲、より好ましくは1:1〜1:85の範囲で縮重合させる。
すなわち、一般式(I)で表されるシリル化ペプチドと一般式(II)で表されるシラン化合物の反応モル比が上記範囲以下では、なめらかさや保湿感に十分な性能が得られず、また、一般式(I)で表されるシリル化ペプチドと一般式(II)で表されるシラン化合物の反応モル比が上記範囲以上になると、シリコーン油感を生じ、さらに、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物が高粘度となって取り扱いが難しくなる恐れがあるからである。
上記のようにして得られたシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は、末端のシリル基に水酸基が残っているため、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物同士が凝集して高分子化する恐れがあり、さらに、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が1個生じる上記一般式(III)で表されるシラン化合物を反応させる。
一般式(III)で表されるシラン化合物としては、下記の一般式(V)
R7 3 SiZ (V)
〔式中、3個のR7 は炭素原子がケイ素原子に直接結合する有機基であり、3個のR7 は同じでもよく、異なっていてもよく、Zは水酸基、アルコキシ基およびハロゲン基からなる群から選ばれる基である〕
で表されるシラン化合物を水溶液中で加水分解することにより得られる。
R7 3 SiZ (V)
〔式中、3個のR7 は炭素原子がケイ素原子に直接結合する有機基であり、3個のR7 は同じでもよく、異なっていてもよく、Zは水酸基、アルコキシ基およびハロゲン基からなる群から選ばれる基である〕
で表されるシラン化合物を水溶液中で加水分解することにより得られる。
加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が1個生じる一般式(V)で表されるシラン化合物としては、例えば、ジメチルビニルクロロシラン、n−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、トリメチルアイオドシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシランなどが挙げられる。
また、このほかにも、ヘキサメチルジシラザンのようなケイ素原子を2個有するシリル化合物も、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が1個生じるので使用することができる。
このような加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が1個生じる一般式(V)で表されるシラン化合物は、ケイ素原子に直結する反応基が一つであるため、それを加水分解して得られる一般式(III)で表されるシラン化合物は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物中に存在する水酸基と反応して、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物中の水酸基を減少させ、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物がさらに縮重合するのを防止する。すなわち、この一般式(III)で表されるシラン化合物を反応させることによって、保存安定性のよいシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物にすることができる。
シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物と一般式(III)で表されるシラン化合物との反応は、例えば、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の水溶液中に一般式(V)で表されるシラン化合物を滴下することにより、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の水酸基と一般式(III)で表されるシラン化合物の水酸基が縮合する。
ただし、上記一般式(V)で表されるシラン化合物においてZがハロゲン基のシラン化合物は加水分解性がよいので、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物水溶液中に上記一般式(V)で表されるシラン化合物を直接滴下することによって上記反応は進行するが、上記一般式(V)で表されるシラン化合物でZがアルコキシ基のものや、ヘキサメチルジシラザンなどのケイ素原子が2個のシラン化合物では、あらかじめpH1〜3の水溶液中で加水分解して一般式(III)で表されるシラン化合物とし、その後、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物水溶液に滴下する必要がある。
シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物と上記一般式(V)で表されるシラン化合物との反応温度は30〜70℃が好ましい。また、反応時間は、反応量によっても異なるが、一般式(V)で表されるシラン化合物の滴下に30分〜2時間、その後の攪拌は1〜6時程度が好ましい。
攪拌終了後、反応溶液を水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液で中和し、さらに1〜10時間程度攪拌を続けて反応を完結させることによって、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物が得られ、pHや濃度を調整後、固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が500〜30,000mPa・sの範囲内にあるものが本発明のメイクアップ化粧料に用いられる。
本発明のメイクアップ化粧料に含有させるシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が500〜30,000mPa・sの範囲内のものと規定しているのは、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が上記範囲以下では、重合が不充分で、皮膚に対してなめらかさ、潤い感、柔軟性、べたつかずさらさらした感触とともに色落ちのしにくさを付与する効果を発揮できないおそれがあり、粘度が上記範囲以上になると、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物に流動性がなくなり、取り扱いにくくなるからである。
本発明のメイクアップ化粧料は、液状および固形の口紅、マスカラ、アイライナー、アイシャドウなどを対象とし、これらのメイクアップ化粧料に、上記のようにして得られたシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有させることによって構成される。
本発明のメイクアップ化粧料中でのシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の含有量(メイクアップ化粧料への配合量)としては、メイクアップ化粧料中0.5〜80質量%が好ましく、1〜70質量%がより好ましい。というのは、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の含有量が上記範囲以下では皮膚や睫毛、唇に対してなめらかさ、潤い感、柔軟性、密着性とともに色落ちのしにくさを付与する効果を発揮できない恐れがあるためであり、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の含有量が上記範囲以上になるとべとつき感が出て、感触が悪くなるおそれがあるためである。そして、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のメイクアップ化粧料は、前記のように、液状および固形の口紅、マスカラ、アイライナー、アイシャドウなどシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有させることで調製されるが、さらに、揮発性油を併用すると密着性や色落ちのしにくさの効果がより顕著に発揮される。
本発明のメイクアップ化粧料に含有させる揮発性油としては、特に制限はないが、例えば、揮発性イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが好ましいものとして挙げられる。
本発明のメイクアップ化粧料中での揮発性油の含有量(メイクアップ化粧料への配合量)としては、メイクアップ化粧料中1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。というのは、この揮発性油の含有量が上記範囲以上では皮膚や睫毛、唇に対してなめらかさ、潤い感、柔軟性を付与する効果が期待できず、上記範囲以下では、密着性とともに色落ちのしにくさを付与する効果を発揮できない恐れがあるためである。そして、揮発性油は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のメイクアップ化粧料は、上記のように従来のメイクアップ化粧料に、固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が500〜30,000mPa・sの範囲内のシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有させるか、固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が500〜30,000mPa・sの範囲内のシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物と揮発性油を含有させることによって構成されるが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜他の成分を添加することができる。
そのような成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマー、増粘剤、ロウ、ワックス、炭化水素、エステル油、グリセライド、動植物抽出物、ポリサッカライドまたはその誘導体、動植物および微生物由来のタンパク質の加水分解ペプチドやその誘導体、湿潤剤、低級アルコール類、高級アルコール類、アミノ酸、不揮発性の油脂類、不揮発性のシリコーン類、シリカ、無機粉体、染料、顔料、防腐剤、香料などが挙げられる。
つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例に先立ち、実施例で使用するシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の製造方法を参考例として示す。以下の参考例、実施例、比較例中における各成分の配合量などはいずれも質量部によるものであり、%は質量%を表す。また、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示す。
参考例1
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:25:25(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約500)の5%水溶液200gと18%塩酸42gを加えてpHを1.5にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)99.1gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)184.7gの混液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で更に15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液40.8gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)11.6gを加えた後、60℃で1時間攪拌した。ついで5%水酸化ナトリウム水溶液78.8gを滴下し、pHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を260g得た。
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:25:25(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約500)の5%水溶液200gと18%塩酸42gを加えてpHを1.5にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)99.1gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)184.7gの混液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で更に15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液40.8gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)11.6gを加えた後、60℃で1時間攪拌した。ついで5%水酸化ナトリウム水溶液78.8gを滴下し、pHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を260g得た。
このようにして得られたN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物の70%水溶液の20℃での粘度を、B型粘度計、ロータ3、回転数30回転で測定したところ、粘度は5,120mPa・sであった。
参考例2
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:25:25(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン(加水分解コラーゲンの分子量は数平均分子量で約500)の5%水溶液150gと18%塩酸30gを加えてpHを1.5にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)79.7gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)148.6gの混液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃でさらに15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液22.9gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)9.3gを加えた後、60℃で1時間攪拌した。次いで5%水酸化ナトリウム水溶液68.5gを滴下し、pHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を211.9g得た。
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:25:25(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン(加水分解コラーゲンの分子量は数平均分子量で約500)の5%水溶液150gと18%塩酸30gを加えてpHを1.5にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)79.7gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)148.6gの混液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃でさらに15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液22.9gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)9.3gを加えた後、60℃で1時間攪拌した。次いで5%水酸化ナトリウム水溶液68.5gを滴下し、pHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を211.9g得た。
このようにして得られたN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物の70%水溶液の20℃での粘度を、参考例1と同じ条件で測定したところ、粘度は10,116mPa・sであった。
参考例3
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:25:25(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク(加水分解シルクの分子量は数平均分子量で約600)の5%水溶液407.5gと18%塩酸13.0gを加えてpHを1.2にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)88.0gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)164.0gの混液を5時間半かけて滴下した。滴下終了後、60℃で更に15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液36.7gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)10.3gを滴下し、60℃で1時間攪拌した。ついで攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液72.4gを徐々に滴下してpHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を220g得た。
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:25:25(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク(加水分解シルクの分子量は数平均分子量で約600)の5%水溶液407.5gと18%塩酸13.0gを加えてpHを1.2にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)88.0gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)164.0gの混液を5時間半かけて滴下した。滴下終了後、60℃で更に15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液36.7gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)10.3gを滴下し、60℃で1時間攪拌した。ついで攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液72.4gを徐々に滴下してpHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を220g得た。
このようにして得られたN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物の70%水溶液の20℃での粘度を、製造例1と同じ条件で測定したところ、粘度は8,050mPa・sであった。
参考例4
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解大豆タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:25:25(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解大豆タンパク(加水分解大豆タンパクの分子量は数平均分子量で約600)の10%水溶液196gと18%塩酸17.7gを加えてpHを1.5にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)86.2gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)160.7gの混液を8時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃でさらに15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液54.3gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)10.1gを加えた後、60℃で1時間攪拌した。次いで5%水酸化ナトリウム水溶液73.7gを滴下し、pHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解大豆タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を222.7g得た。
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解大豆タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:25:25(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解大豆タンパク(加水分解大豆タンパクの分子量は数平均分子量で約600)の10%水溶液196gと18%塩酸17.7gを加えてpHを1.5にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)86.2gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)160.7gの混液を8時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃でさらに15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液54.3gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)10.1gを加えた後、60℃で1時間攪拌した。次いで5%水酸化ナトリウム水溶液73.7gを滴下し、pHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解大豆タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を222.7g得た。
このようにして得られたN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解大豆タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物の70%水溶液の20℃での粘度を、参考例1と同じ条件で測定したところ、粘度は3,560mPa・sであった。
参考例5
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解小麦タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:15:15(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解小麦タンパク(加水分解小麦タンパクの分子量は数平均分子量で約700)の10%水溶液345.3gと18%塩酸26.8gを加えてpHを1.5にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)81gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)151gの混液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃でさらに15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液73.2gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)11.9gを加えた後、60℃で1時間攪拌した。次いで5%水酸化ナトリウム水溶液87.4gを滴下し、pHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解小麦タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を233g得た。
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解小麦タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物〔1:15:15(モル比)〕の製造
容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解小麦タンパク(加水分解小麦タンパクの分子量は数平均分子量で約700)の10%水溶液345.3gと18%塩酸26.8gを加えてpHを1.5にし、60℃に加温した。つぎに400rpmで攪拌しながら、ジメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−22)81gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製 A−137)151gの混液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃でさらに15時間攪拌を続けた。つぎに、攪拌しながら5%水酸化ナトリウム水溶液73.2gを徐々に滴下してpHを6に調整し、さらに60℃で1時間攪拌した。この反応液を60℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)11.9gを加えた後、60℃で1時間攪拌した。次いで5%水酸化ナトリウム水溶液87.4gを滴下し、pHを6に調整した後、60℃で1時間攪拌し、さらに反応液の温度を80℃に上げ1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮して固形分濃度を70%に調整し、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解小麦タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を233g得た。
このようにして得られたN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解小麦タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物の70%水溶液の20℃での粘度を、参考例1と同じ条件で測定したところ、粘度は14,340mPa・sであった。
実施例1および比較例1
表1に示す組成の2種類の固形口紅を調製し、それぞれの保湿性を評価した。実施例1では参考例1で製造したN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を用い、比較例1は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を用いていない。なお、表1中の各成分の配合量はいずれも重量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示している。これらは、以降の組成を示す表3、表6、表8、表10、表12および表14などにおいても同様である。
表1に示す組成の2種類の固形口紅を調製し、それぞれの保湿性を評価した。実施例1では参考例1で製造したN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を用い、比較例1は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を用いていない。なお、表1中の各成分の配合量はいずれも重量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示している。これらは、以降の組成を示す表3、表6、表8、表10、表12および表14などにおいても同様である。
表1中、*1はWitco社のマルチワックスW−445(商品名)、*2はラ・セレシン社のセレシン#76(商品名)、*3は株式会社日興リカのサンホワイトP−200(商品名)である。
上記実施例1および比較例1の口紅を用いて、塗布した際の保湿性を下記の方法で測定した。
〔保湿性の試験方法〕
気温23℃、湿度47%の室内で30分間安静を保った被験者の、前腕内側部の角層水分量をアイ・ビイ・エス(株)製のSKICON−200EX(商品名)でスキンコンダクタンス(μS)として測定し、試験開始前の値とした。つぎに、3cm平方の部位に実施例1および比較例1の口紅を0.2mgずつ別の部位に塗布し、3分後に角層水分量を測定してこの値を試験開始時(0分)の値とした。続いて経時的に130分まで角層水分量を測定した。測定ポイントは各時間毎に5ポイントとし、その平均値を角層水分量とした。
気温23℃、湿度47%の室内で30分間安静を保った被験者の、前腕内側部の角層水分量をアイ・ビイ・エス(株)製のSKICON−200EX(商品名)でスキンコンダクタンス(μS)として測定し、試験開始前の値とした。つぎに、3cm平方の部位に実施例1および比較例1の口紅を0.2mgずつ別の部位に塗布し、3分後に角層水分量を測定してこの値を試験開始時(0分)の値とした。続いて経時的に130分まで角層水分量を測定した。測定ポイントは各時間毎に5ポイントとし、その平均値を角層水分量とした。
上記実施例1および比較例1の口紅を塗布した皮膚のスキンコンダクタンス(μS)の経時変化を表2に示す。
表2に示すように、参考例1のN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を含有する実施例1の口紅を塗布した皮膚は、試験開始時(0分)のスキンコンダクタンスの値が高く、9分後に値は低くなりその後ほぼ一定の値となったが、試験開始前(46.0)に比べると高い値を保ち続けた。一方、比較例1の口紅を塗布した皮膚は、試験開始時(0分)のスキンコンダクタンスの値は試験前に比べるとやや高いが、4分後には試験開始前とほぼ同じ値にまで減少し、その後の値はほとんど変動しなかった。この結果より、実施例1の口紅に含有させたシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物であるN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物は、皮膚の角層の保湿性を高めることが明らかであった。
実施例2〜3および比較例2
表3に示す組成の3種類の液状口紅を調製し、塗布時の塗り広げやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、なめらかさ、および、塗布後の密着性、唇の潤い感、やわらかさ、色落ちのしにくさについて評価した。
表3に示す組成の3種類の液状口紅を調製し、塗布時の塗り広げやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、なめらかさ、および、塗布後の密着性、唇の潤い感、やわらかさ、色落ちのしにくさについて評価した。
実施例2は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物として参考例3で製造したN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物と揮発性油である軽質イソパラフィンを用い、実施例3は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物のみを用い、比較例2はシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の代わりにポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用いている。
表3中、*4は日本油脂株式会社のパールリーム4(商品名)、*5は東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のSH3775M(商品名)である。
上記実施例2〜3および比較例2の口紅について、唇に塗布している時の塗り広げやすさ、なじみ、なめらかさおよび塗布後の口紅の密着性、唇の潤い感、やわらかさ、色落ちしにくさをパネラー10名に下記の評価基準で評価させた。その結果を表4に10人の平均値で示す。
評価基準
強く感じる ;3点
感じる ;2点
ほとんど感じない;1点
全く感じない ;0点
強く感じる ;3点
感じる ;2点
ほとんど感じない;1点
全く感じない ;0点
表4に示すように、実施例3の口紅は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の代わりに、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を配合した比較例2の口紅に比べて、塗付時の塗り広げやすさ、なじみ、なめらかさ、および塗布後の密着性、唇の潤い感、やわらかさ、色落ちしにくさのいずれの評価項目においても評価値が高かった。
また、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物と揮発性油である軽質イソパラフィンを併用した実施例2では、実施例3に比べて潤い感の評価が劣るものの、特に塗布後の色落ちのしにくさでは高い評価結果を得た。
さらに、上記実施例2〜3および比較例2の口紅の色落ちのしにくさについては、以下の方法でも評価した。すなわち、4cm平方の人工皮革〔出光テクノファイン製の人工皮革サクラーレ(商品名)〕に、上記実施例2〜3および比較例2の口紅をそれぞれ0.5mg塗布し、5分間放置した。その後、10mlのオリーブオイルに口紅を塗布した人工皮革を5分間浸漬し、人工皮革を取り出した後、オリーブオイルの着色度を分光光度計を用いて波長640nmの吸光度で測定した。
比較例2の吸光度を100としたときの実施例2〜3の吸光度の比率を表5に示すが、吸光度の比率が大きいものほど色が濃く、口紅の色素がオリーブオイルに溶け出していることを意味している。すなわち、吸光度の値が小さいほど色落ちがしにくいということを表す。
表5に示すように、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物と揮発性油である軽質イソパラフィンを併用した実施例2の口紅では、シリル化ペプチド−シラン化合物の代わりにポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を配合した比較例2の口紅はもちろんのこと、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物のみで揮発性油を配合していない実施例3の口紅に比べても色落ちしにくい評価結果を得た。また、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物のみで揮発性油を配合していない実施例3の口紅でも、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を配合した比較例2の口紅に比べると、吸光度の比率は72%で、従来のシリコーンを配合した口紅より色落ちがしにくいことが明らかであった。
これらの結果より、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物は、シリコーンのポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体より唇へのなじみ(親和性)と密着性が良く、唇に潤い感、やわらかさを与える効果に優れており、揮発性油と併用すると、さらに色落ちしにくさが強められることが明らかであった。
実施例4および比較例3
表6に示す組成の2種類のマスカラを調製し、塗付時のぬり広げやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、塗布後の密着性を評価した。
表6に示す組成の2種類のマスカラを調製し、塗付時のぬり広げやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、塗布後の密着性を評価した。
実施例4は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物として参考例2で製造したN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を用い、比較例4は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物に代えて、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用いている。
表6中、*6は東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のSH3775M(商品名)、*7はWitco社のマルチワックスW−445(商品名)、*8は日本油脂株式会社のパールリーム4(商品名)、*9は日本純薬株式会社のジュリマーET410(商品名)である。
上記実施例4および比較例3のマスカラを睫毛に塗布している時のぬり広げやすさ、なじみ、クリームのなめらかさおよび塗布後の密着性を10名のパネラーに実施例2と同じ評価基準で評価させた。その結果を表7に10人の平均値で示す。
表7に示す結果から明らかなように、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物と揮発性油を含有する実施例4のマスカラは、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体と揮発性油を含有する比較例3のマスカラに比べて、いずれの評価項目においても評価値が高く、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は、睫毛へのぬり広げやすさ、なじみ、クリームのなめらかさに優れ、ならびに塗布後の密着性に優れていた。
実施例5および比較例4
表7に示す組成の2種類のアイライナーを調製し、塗付時のぬりやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、なめらかさ、および塗布後の密着性を評価した。
表7に示す組成の2種類のアイライナーを調製し、塗付時のぬりやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、なめらかさ、および塗布後の密着性を評価した。
実施例5は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物として参考例1で製造したN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を用い、比較例4は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物に代えて、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用いている。
表8中、*10は東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のSH3775M(商品名)、*11は昭和高分子株式会社のポリゾール(商品名)である。
上記実施例5および比較例4のアイライナーを塗布している時のぬりやすさ、なじみ、なめらかさおよび塗布後の密着感を10名のパネラーに実施例2と同じ評価基準で評価させた。その結果を表9に10人の平均値で示す。
表9に示す結果から明らかなように、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有する実施例5のアイライナーは、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を含有する比較例4のアイライナーに比べて、いずれの評価項目においても評価値が高く、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は、皮膚へのぬりやすさ、なじみ、なめらかさに優れ、塗布後の密着性にも優れていた。
実施例6および比較例5
表10に示す組成の2種類のアイシャドウを調製し、塗付時のぬりやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、塗布後の密着性を評価した。
表10に示す組成の2種類のアイシャドウを調製し、塗付時のぬりやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、塗布後の密着性を評価した。
実施例6は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物として参考例3で製造したN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解シルク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を用い、比較例5は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物に代えて、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用いている。
表10中、*12は東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のSH3775M(商品名)である。
上記実施例6および比較例5のアイシャドウを塗布している時のぬりやすさ、なじみ、なめらかさおよび塗布後の密着性を10名のパネラーに実施例2と同じ評価基準で評価させた。その結果を表11に10人の平均値で示す。
表11に示す結果から明らかなように、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有する実施例6のアイシャドウは、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を含有する比較例5のアイシャドウに比べて、いずれの評価項目においても評価値が高く、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は、皮膚へのぬりやすさ、なじみ、なめらかさに優れ、ならびに塗布後の密着性に優れていた。
実施例7および比較例6
表12に示す組成の2種類のマスカラを調製し、塗付時のぬり広げやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、塗布後の密着性を評価した。
表12に示す組成の2種類のマスカラを調製し、塗付時のぬり広げやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、塗布後の密着性を評価した。
実施例7は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物として参考例4で製造したN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解大豆タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を用い、比較例6は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物に代えて、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用いている。
表6中、*13は東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のSH3775M(商品名)、*14はWitco社のマルチワックスW−445(商品名)、*15は日本油脂株式会社のパールリーム4(商品名)、*16は日本純薬(株)製のジュリマーET410(商品名)である。
上記実施例7および比較例6のマスカラを睫毛に塗布している時のぬり広げやすさ、なじみ、クリームのなめらかさおよび塗布後の密着性を10名のパネラーに実施例2と同じ評価基準で評価させた。その結果を表13に10人の平均値で示す。
表13に示す結果から明らかなように、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有する実施例7のマスカラは、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を含有する比較例6のマスカラに比べて、いずれの評価項目においても評価値が高く、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は、睫毛へのぬり広げやすさ、なじみ、クリームのなめらかさに優れ、ならびに塗布後の密着性に優れていた。
実施例8および比較例7
表14に示す組成の2種類のアイライナーを調製し、塗付時のぬりやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、なめらかさ、および塗布後の密着性を評価した。
表14に示す組成の2種類のアイライナーを調製し、塗付時のぬりやすさ(伸展性)、なじみ(親和性)、なめらかさ、および塗布後の密着性を評価した。
実施例8は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物として参考例5で製造したN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−メチルジヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解小麦タンパク−ジメチルジエトキシシラン−オクチルトリエトキシシラン共重合組成物を用い、比較例7は、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物に代えて、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用いている。
表14中、*17は東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のSH3775M(商品名)、*18は昭和高分子株式会社のポリゾール(商品名)である。
上記実施例8および比較例7のアイライナーを塗布している時のぬりやすさ、なじみ、なめらかさおよび塗布後の密着感を10名のパネラーに実施例2と同じ評価基準で評価させた。その結果を表15に10人の平均値で示す。
表15に示す結果から明らかなように、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有する実施例8のアイライナーは、ポリエーテル変性シリコーンであるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を含有する比較例7のアイライナーに比べて、いずれの評価項目においても評価値が高く、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物は、皮膚へのぬりやすさ、なじみ、なめらかさに優れ、ならびに塗布後の密着性に優れていた。
Claims (8)
- 下記の一般式(I)
で表されるシリル化ペプチドの一種以上と下記の一般式(II)
R4mSi(OH)pY(4−p−m) (II)
〔式中、mは0から2の整数で、pは2から4の整数、m+p≦4で、R4は炭素原子がケイ素原子に直接結合する有機基であり、m個のR4は同じでもよく、異なっていてもよい。(4−p−m)個のYはアルコキシ基または水素原子である〕
で表されるシラン化合物の一種以上とを、反応モル比がシリル化ペプチド:シラン化合物=1:1〜1:100の範囲で水溶液中で縮重合させた後、下記の一般式(III)
R5 3Si(OH) (III)
〔式中、3個のR5は炭素原子がケイ素原子に直接結合する有機基であり、3個のR5は同じでもよく、異なっていてもよい〕
で表されるシラン化合物を水溶液中で付加させることにより得られ、固形分濃度が70質量%の時の20℃における粘度が500〜30,000mPa・sの範囲内にあるシリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を含有することを特徴とするメイクアップ化粧料。 - シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物の含有量が0.5〜90質量%である請求項1記載のメイクアップ化粧料。
- さらに、揮発性油を含有する請求項1または2記載のメイクアップ化粧料。
- 揮発性油の含有量が1〜70質量%である請求項3記載のメイクアップ化粧料。
- 口紅である請求項1〜4いずれかに記載のメイクアップ化粧料。
- マスカラである請求項1〜4いずれかに記載のメイクアップ化粧料。
- アイライナーである請求項1〜4いずれかに記載のメイクアップ化粧料。
- アイシャドウである請求項1〜4いずれかに記載のメイクアップ化粧料。
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