JP2017110230A - ゴム組成物 - Google Patents

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拓郎 櫻井
沙季 西村
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沙季 西村
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Takashi Iizuka
崇 飯塚
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Abstract

【課題】低発熱性およびウエットグリップ性に優れたゴム架橋物を与えることができるゴム組成物の提供。
【解決手段】活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させた後、式(1)で表される化合物を反応させてなる共役ジエン系ゴムと、シランカップリング剤とを含有することを特徴とするゴム組成物の提供。
Figure 2017110230

(Xはヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン基又は水酸基;Rは置換/非置換の炭化水素基;R及びRは夫々独立に置換/非置換の炭化水素基;R及びRは互いに結合して、これらが結合する窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、該環構造を形成する場合には、これらが結合する窒素原子に加えて、これらが結合する窒素原子以外のヘテロ原子とともに環構造を形成していてもよい;rは0〜2の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関し、より詳しくは、低発熱性、およびウエットグリップ性に優れたゴム架橋物を与えることのできるゴム組成物に関する。また、本発明は、このゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物にも関する。
近年、自動車用のタイヤには、環境問題および資源問題から低燃費性が強く求められる一方で、安全性の面から優れたウエットグリップ性が求められている。充填剤としてシリカを配合したゴム組成物の架橋物は、カーボンブラックを配合したゴム組成物の架橋物に比べて、低発熱性に優れるため、タイヤを構成した場合の転がり抵抗が小さくなる。そのため、シリカを配合したゴム組成物の架橋物を用いてタイヤを構成することにより、低燃費性に優れたタイヤを得ることができる。
このようなゴム組成物においては、ゴムとシリカとの親和性を高めるために、ゴムの重合活性末端等に変性剤を反応させることにより、シリカに対する親和性の高い官能基を導入する技術が知られている。
例えば、特許文献1や特許文献2などに開示されるように、溶液重合法によりゴム重合体を得る際に、重合体鎖の活性末端に変性剤を反応させることにより、ゴム自体にシリカとの親和性を持たせる技術が検討されている。しかしながら、近年の自動車用のタイヤへの低燃費性およびウエットグリップ性への要求の高まりから、さらに低発熱性に優れ、しかもウエットグリップ性にも優れるゴム架橋物を与えることができるゴムが望まれている。
特開2003−171418号公報 国際公開第2014/050341号
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、低発熱性およびウエットグリップ性に優れたゴム架橋物を与えることができる、ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、変性剤として、シロキサン、および、8位が3級アミン構造含有基で置換された1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン構造を有する化合物を、この順に反応させることにより得られる共役ジエン系ゴムに、シランカップリング剤を配合してなるゴム組成物によれば、これを用いて得られるゴム架橋物が、低発熱性およびウエットグリップ性に優れたものであることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させた後、下記一般式(1)で表される化合物を反応させてなる共役ジエン系ゴムと、シランカップリング剤とを含有することを特徴とするゴム組成物が提供される。
Figure 2017110230
(一般式(1)中、Xはヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン基および水酸基から選択される官能基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RおよびRは互いに結合して、これらが結合する窒素原子とともに環構造を形成していてもよく、該環構造を形成する場合には、これらが結合する窒素原子に加えて、これらが結合する窒素原子以外のヘテロ原子とともに環構造を形成していてもよい。rは0〜2の整数である。)
本発明のゴム組成物において、前記シロキサンが、下記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンであることが好ましい。
Figure 2017110230
(一般式(2)中、R〜R11は、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。XおよびXは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、および、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基からなる群より選ばれるいずれかの基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基であり、Xが複数あるときは、それらは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、Xが複数あるときは、それらは互いに同一であっても相違していてもよい。mは0〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数であり、m+n+kは1以上である。)
本発明のゴム組成物において、前記活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖が、
イソプレン単量体単位80〜100重量%、および芳香族ビニル単量体単位0〜20重量%を含む重合体ブロック(A)と、1,3−ブタジエン単量体単位50〜100重量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50重量%を含む重合体ブロック(B)とが一続きにして形成されてなるものであることが好ましい。
また、本発明のゴム組成物において、前記シランカップリング剤が、スルフィド系、メルカプト系、保護化メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、またはクロロ系のシランカップリング剤であることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、シリカ10〜200重量部をさらに含有することが好ましい。
本発明のゴム組成物は、架橋剤をさらに含有することが好ましい。
また、本発明によれば、上記ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物、および該ゴム架橋物を含んでなるタイヤが提供される。
本発明によれば、低発熱性、およびウエットグリップ性に優れたゴム架橋物を与えることのできるゴム組成物、および、該ゴム組成物を架橋してなり、低発熱性、およびウエットグリップ性に優れたゴム架橋物、ならびに、該ゴム架橋物を含んでなるタイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させた後、後述する一般式(1)で表される化合物を反応させてなる共役ジエン系ゴムと、シランカップリング剤とを含有するものである。
<共役ジエン系ゴム>
まず、本発明で用いる共役ジエン系ゴムについて説明する。
本発明で用いる共役ジエン系ゴムは、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させた後、後述する一般式(1)で表される化合物を反応させてなるものであり、たとえば、以下の方法により製造することができる。
すなわち、本発明で用いる共役ジエン系ゴムは、
不活性溶媒中で、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を含む単量体を重合し、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る第1工程と、
前記活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させる第2工程と、
前記第2工程で得られるシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖に、後述する一般式(1)で表される化合物を反応させる第3工程とを経て製造することができる。
<第1工程>
上記製造方法における第1工程は、不活性溶媒中で、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を含む単量体を重合し、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る工程である。
上記製造方法における第1工程において、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得るために、単量体として用いる共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができる。これらのなかでも、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましい。これらの共役ジエン化合物は、1種類を単独で使用しても2種類以上を組合せて用いてもよい。
また、上記製造方法における第1工程において、重合に用いる単量体として、共役ジエン化合物とともに芳香族ビニル化合物を用いてもよい。単量体として用いる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレン、ジエチルアミノメチルスチレン、ジエチルアミノエチルスチレン、シアノエチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらのなかでも、スチレンが好ましい。上記製造方法における第1工程で得られる、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖は、共役ジエン単量体単位50〜100重量%を含むものが好ましく、55〜95重量%を含むものがより好ましく、また、芳香族ビニル単量体単位0〜50重量%を含むものが好ましく、5〜45重量%を含むものがより好ましい。
さらに、上記製造方法における第1工程においては、共役ジエン化合物とともに、芳香族ビニル化合物以外の、共役ジエン化合物と共重合可能な化合物を用いてもよい。このような共役ジエン化合物と共重合可能な化合物としては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの鎖状オレフィン化合物;シクロペンテン、2−ノルボルネンなどの環状オレフィン化合物;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどのその他の(メタ)アクリル酸誘導体;などが挙げられる。これらの共役ジエン化合物と共重合可能な化合物は、第1工程で得られる、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖中に、単量体単位として、10重量%以下とするのが好ましく、5重量%以下とするのがより好ましい。
重合に用いる不活性溶媒としては、溶液重合において通常使用されるものであり、重合反応を阻害しないものであれば特に限定されない。不活性溶媒の具体例としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;などが挙げられる。これらの不活性溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。不活性溶媒の使用量は、特に限定されないが、単量体濃度が、たとえば1〜50重量%となる量であり、好ましくは10〜40重量%となる量である。
重合に用いる重合開始剤としては、共役ジエン化合物を含む単量体を重合させて、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を与えることができるものであれば、特に限定されない。その具体例としては、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物、およびランタン系列金属化合物などを主触媒とする重合開始剤を挙げることができる。有機アルカリ金属化合物としては、たとえば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5−トリス(リチオメチル)ベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機カリウム化合物;などが挙げられる。また、有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、ジエトキシカルシウム、ジステアリン酸カルシウム、ジ−t−ブトキシストロンチウム、ジエトキシバリウム、ジイソプロポキシバリウム、ジエチルメルカプトバリウム、ジ−t−ブトキシバリウム、ジフェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ジステアリン酸バリウム、ジケチルバリウムなどが挙げられる。ランタン系列金属化合物を主触媒とする重合開始剤としては、たとえば、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウムなどのランタン系列金属と、カルボン酸、およびリン含有有機酸などとからなるランタン系列金属の塩を主触媒とし、これと、アルキルアルミニウム化合物、有機アルミニウムハイドライド化合物、有機アルミニウムハライド化合物などの助触媒とからなる重合開始剤などが挙げられる。これらの重合開始剤の中でも、有機モノリチウム化合物、および有機多価リチウム化合物が好ましく用いられ、有機モノリチウム化合物がより好ましく用いられ、n−ブチルリチウムが特に好ましく用いられる。なお、有機アルカリ金属化合物は、予め、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、およびヘプタメチレンイミンなどの第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミド化合物として使用してもよい。これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の使用量は、目的とする共役ジエン系重合体鎖の分子量に応じて決定すればよいが、単量体1000g当り、通常1〜50ミリモル、好ましくは1.5〜20ミリモル、より好ましくは2〜15ミリモルの範囲である。
重合温度は、通常−80〜+150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは30〜90℃の範囲である。重合様式としては、回分式、連続式などのいずれの様式をも採用できるが、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合させる場合は、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との結合のランダム性を制御しやすい点で、回分式が好ましい。
また、共役ジエン化合物を含む単量体を重合するにあたり、得られる共役ジエン系重合体鎖における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量を調節するために、不活性有機溶媒に極性化合物を添加することが好ましい。極性化合物としては、たとえば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンなどのエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミンなどの第三級アミン;アルカリ金属アルコキシド;ホスフィン化合物;などが挙げられる。これらのなかでも、エーテル化合物、および第三級アミンが好ましく、第三級アミンがより好ましく、テトラメチルエチレンジアミンが特に好ましい。これらの極性化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。極性化合物の使用量は、目的とするビニル結合含有量に応じて決定すればよく、重合開始剤1モルに対して、好ましくは0.001〜100モル、より好ましくは0.01〜10モルである。極性化合物の使用量がこの範囲にあると、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量の調節が容易であり、かつ重合開始剤の失活による不具合も発生し難い。
上記製造方法の第1工程で得られる、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、好ましくは1〜90重量%、より好ましくは3〜80重量%、特に好ましくは5〜70重量%である。共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量を上記範囲内とすることにより、得られるゴム架橋物を低発熱性により優れたものとすることができる。
上記製造方法の第1工程で得られる、活性末端を有する共役ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定される値として、100,000〜1,000,000が好ましく、150,000〜700,000がより好ましく、150,000〜500,000が特に好ましい。活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖の重量平均分子量(Mw)を上記範囲内とすることにより、得られるゴム架橋物を、ウエットグリップ性と低発熱性とのバランスが良好なものとすることができる。
また、上記製造方法の第1工程で得られる、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布も、特に限定されないが、好ましくは1.0〜3.0であり、より好ましくは1.0〜2.5である。活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあると、共役ジエン系ゴムの製造が容易となる。
また、本発明で用いる共役ジエン系ゴムを製造する際には、得られるゴム架橋物を、より低発熱性に優れたものとすることができるという点より、上記第1工程を、次のような工程とすることが好ましい。
すなわち、不活性溶媒中で、イソプレン、またはイソプレンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体を、重合開始剤により重合し、イソプレン単量体単位80〜100重量%、および芳香族ビニル単量体単位0〜20重量%を含む活性末端を有する重合体ブロック(A)を形成させる工程と、
活性末端を有する重合体ブロック(A)と、1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体と、を混合して重合反応を継続させ、1,3−ブタジエン単量体単位50〜100重量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50重量%を含む活性末端を有する重合体ブロック(B)を、重合体ブロック(A)と一続きにして形成させることにより、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る工程と、を備えるものとすることが好ましい。
このような工程を採用することにより、第1工程により得られる活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を、イソプレン単量体単位80〜100重量%、および芳香族ビニル単量体単位0〜20重量%を含む重合体ブロック(A)と、1,3−ブタジエン単量体単位50〜100重量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50重量%を含む重合体ブロック(B)とが一続きにして形成されてなるものとすることができる。
以下、このような態様について説明する。
[重合体ブロック(A)]
本発明の一態様に係る共役ジエン系重合体鎖中の重合体ブロック(A)は、重合体ブロック(A)中、イソプレン単量体単位80〜100重量%および芳香族ビニル単量体単位0〜20重量%を含むものであればよいが、イソプレン単量体単位85〜95重量%および芳香族ビニル単量体単位5〜15重量%を含むものであることが好ましく、イソプレン単量体単位89〜95重量%および芳香族ビニル単量体単位5〜11重量%を含むものであることがより好ましい。イソプレン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との含有割合が上記範囲内にあると、ゴム組成物中に、シリカを配合した場合に、共役ジエン系ゴムとシリカとの親和性が良好となり、これを用いて得られるゴム架橋物の低発熱性をより向上させることができる。
重合体ブロック(A)に含まれる芳香族ビニル単量体単位を構成するために用いられる芳香族ビニル化合物としては、上述した芳香族ビニル化合物と同様のものを用いることができ、これらの中でもスチレンが好ましい。なお、これらの芳香族ビニル化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体ブロック(A)は、イソプレン単量体単位のみ、またはイソプレン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位からなるものであることが好ましいが、所望により、イソプレン単量体単位、またはイソプレン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位に加えて、その他の単量体単位を含んでいてもよい。その他の単量体単位を構成するために用いられるその他の化合物としては、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、および1,3−ヘキサジエンなどのイソプレン以外の共役ジエン化合物;アクリロニトリル、およびメタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、および無水マレイン酸などの不飽和力ルボン酸または酸無水物;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、および5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエンが好ましい。これらのその他の単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合体ブロック(A)中における、その他の単量体単位の含有割合は、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、6重量%以下であることがさらに好ましい。
共役ジエン系重合体鎖中の重合体ブロック(A)は、不活性溶媒中、イソプレン、または、イソプレンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体を、重合開始剤により重合することにより形成される。形成された重合体ブロック(A)は、活性末端を有するものとなる。
重合体ブロック(A)を形成するために、イソプレン、または、イソプレンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体の重合に用いられる不活性溶媒としては、上述した不活性溶媒と同様のものを用いることができる。不活性溶媒の使用量は、単量体濃度が、好ましくは1〜80重量%となる量であり、より好ましくは10〜50重量%となる量である。
重合体ブロック(A)を形成するために用いられる重合開始剤としては、イソプレン、または、イソプレンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体を重合させて、活性末端を有する重合体鎖を与えることができるものであれば、特に限定されない。その具体例としては、有機アルカリ金属化合物および有機アルカリ土類金属化合物、ならびにランタン系列金属化合物などを主触媒とする重合開始剤が好ましく使用され、これら重合開始剤としては、上述した重合開始剤と同様のものを用いることができる。
重合開始剤の使用量は、目的とする分子量に応じて決定すればよいが、イソプレン、または、イソプレンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体100g当り、好ましくは4〜250ミリモル、より好ましくは6〜200ミリモル、特に好ましくは10〜70ミリモルの範囲である。
イソプレン、または、イソプレンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体を重合する際における重合温度は、好ましくは−80〜+150℃、より好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは20〜90℃の範囲である。重合様式としては、回分式、連続式など、いずれの様式をも採用できる。また、結合様式としては、たとえば、ブロック状、テーパー状、およびランダム状などの種々の結合様式とすることができる。
また、本発明の一態様においては、重合体ブロック(A)におけるイソプレン単量体単位中のビニル結合含有量を調節するために、重合に際し、不活性溶媒に極性化合物を添加することが好ましい。極性化合物としては、上述した極性化合物と同様のものを用いることができる。極性化合物の使用量は、目的とするビニル結合含有量に応じて決定すればよく、重合開始剤1モルに対して、0.01〜30モルが好ましく、0.05〜10モルがより好ましい。極性化合物の使用量が上記範囲内にあると、イソプレン単量体単位中のビニル結合含有量の調節が容易であり、しかも、重合開始剤の失活による不具合も発生し難い。また、上記範囲内で極性化合物の使用量を増加させることで、イソプレン単量体単位中のビニル結合含有量を増加させることができる。
重合体ブロック(A)におけるイソプレン単量体単位中のビニル結合含有量は、5〜90重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。イソプレン単量体単位中のビニル結合含有量を上記範囲内とすることにより、得られるゴム架橋物の低発熱性およびウエットグリップ性をより向上させることができる。なお、本明細書中において、イソプレン単量体単位中のビニル結合含有量とは、イソプレン単量体単位中の、1,2−構造を有するイソプレン単量体単位および3,4−構造を有するイソプレン単量体単位の合計量の割合を指すものとする。
重合体ブロック(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによって測定されるポリスチレン換算の値として、500〜15,000であることが好ましく、1,000〜12,000であることがより好ましく、1,500〜10,000であることが特に好ましい。重合体ブロック(A)の重量平均分子量が上記範囲内にあると、得られるゴム架橋物の低発熱性およびウエットグリップ性をより向上させることができる。
また、重合体ブロック(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、1.0〜1.5であることが好ましく、1.0〜1.3であることがより好ましい。重合体ブロック(A)の分子量分布の値(Mw/Mn)が上記範囲内にあると、共役ジエン系ゴムの製造がより容易となる。
[重合体ブロック(B)]
本発明の一態様に係る共役ジエン系重合体鎖中の重合体ブロック(B)は、重合体ブロック(B)中、1,3−ブタジエン単量体単位50〜100重量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50重量%を含むものであればよいが、1,3−ブタジエン単量体単位55〜95重量%および芳香族ビニル単量体単位5〜45重量%を含むものであることが好ましい。1,3−ブタジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との含有割合が上記範囲内にあると、共役ジエン系ゴムの製造がより容易となる。
重合体ブロック(B)に含まれる芳香族ビニル単量体単位を構成するために用いられる芳香族ビニル化合物としては、上述した芳香族ビニル化合物と同様のものを用いることができ、これらの中でも、スチレンが好ましい。
重合体ブロック(B)は、1,3−ブタジエン単量体単位のみ、または1,3−ブタジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位からなるものであることが好ましいが、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、所望により、1,3−ブタジエン単量体単位、または1,3−ブタジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位に加えて、その他の単量体単位を含んでいてもよい。その他の単量体単位を構成するために用いられるその他の単量体としては、上述した重合体ブロック(A)において例示された化合物(ただし、1,3−ブタジエンを除く)と同様のものを用いることができる。また、重合体ブロック(B)においては、その他の単量体としてイソプレンを用いることもできる。重合体ブロック(B)中における、その他の単量体単位の含有割合は、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、35重量%以下であることがさらに好ましい。
共役ジエン系重合体鎖中の重合体ブロック(B)は、上述した活性末端を有する重合体ブロック(A)と、1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体と、を混合して重合反応を継続させることにより、重合体ブロック(A)と一続きに形成される。形成された重合体ブロック(B)は、活性末端を有するものとなる。一方、重合体ブロック(A)からは、活性末端が消失する。
重合体ブロック(B)を形成するために、重合体ブロック(A)と、1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体との重合に用いられる不活性溶媒としては、特に限定されず、上述した不活性溶媒と同様のものを用いることができる。
重合体ブロック(B)を形成する際における、活性末端を有する重合体ブロック(A)の使用量は、目的とする分子量に応じて決定すればよいが、1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体100g当り、好ましくは0.1〜5ミリモル、より好ましくは0.15〜2ミリモル、さらに好ましくは0.2〜1.5ミリモルの範囲である。
重合体ブロック(A)と1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体との混合方法は、特に限定されず、1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体の溶液中に活性末端を有する重合体ブロック(A)を加えてもよいし、活性末端を有する重合体ブロック(A)の溶液中に1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体を加えてもよい。重合の制御の観点より、1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体の溶液中に活性末端を有する重合体ブロック(A)を加える方法が好ましい。
1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体を重合するにおける重合温度は、好ましくは−80〜+150℃、より好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは20〜90℃の範囲である。重合様式としては、回分式、連続式など、いずれの様式をも採用できる。重合体ブロック(B)を共重合体鎖とする場合には、結合のランダム性を制御しやすい点で、回分式が好ましい。
重合体ブロック(B)を共重合体鎖とする場合の各単量体の結合様式は、たとえば、ブロック状、テーパー状、およびランダム状などの種々の結合様式とすることができる。これらの中でも、ランダム状が好ましい。ランダム状にすることにより、得られるゴム架橋物の低発熱性をより向上させることができる。なお、1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物の結合様式をランダム状にする場合、重合系内において、1,3−ブタジエンと芳香族ビニル化合物との合計量に対する芳香族ビニル化合物の比率が高くなりすぎないように、1,3−ブタジエンまたは1,3−ブタジエンと芳香族ビニル化合物とを、連続的または断続的に重合系内に供給して重合することが好ましい。
また、重合体ブロック(B)における1,3−ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量を調節するために、重合体ブロック(A)におけるイソプレン単量体単位中のビニル結合含有量の調節時と同様に、重合に際し、不活性溶媒に極性化合物を添加することが好ましい。ただし、重合体ブロック(A)の調製時に、不活性溶媒に、重合体ブロック(B)における1,3−ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量を調節するのに十分な量の極性化合物を添加している場合は、新たに極性化合物を添加しなくてもよい。ビニル結合含有量を調節するために用いられる極性化合物としては、上述した極性化合物と同様のものを用いることができる。極性化合物の使用量は、目的とするビニル結合含有量に応じて決定すればよく、初めの重合反応(1つ目の重合体ブロック(A)を形成するための重合反応)に使用した重合開始剤1モルに対して、好ましくは0.01〜100モル、より好ましくは0.1〜30mo1の範囲で調節すればよい。極性化合物の使用量がこの範囲にあると、1,3−ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量の調節が容易であり、かつ、重合開始剤の失活による不具合も発生し難い。
重合体ブロック(B)における1,3−ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、好ましくは1〜90重量%、より好ましくは3〜80重量%、特に好ましくは5〜70重量%である。重合体ブロック(B)における1,3−ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量を上記範囲内とすることにより、得られるゴム架橋物を低発熱性により優れたものとすることができる。
このようにして、重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)を有する、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得ることができる。本発明の一態様においては、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖は、生産性の観点より、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)で構成され、かつ、重合体ブロック(B)の末端が活性末端であることが好ましいが、重合体ブロック(A)を複数有するものであってもよいし、その他の重合体ブロックを有するものであってもよい。たとえば、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)などの、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖が挙げられる。この場合には、重合体ブロック(B)に続いて形成された重合体ブロック(A)の末端に、活性末端が形成されることとなる。共役ジエン系重合体鎖の活性末端側に重合体ブロック(A)を形成させる場合、イソプレンの使用量は、初めの重合反応(1つ目の重合体ブロック(A)を形成するための重合反応)に使用した重合開始剤1モルに対して、10〜100モルであることが好ましく、15〜70モルであることがより好ましく、20〜35モルであることが特に好ましい。
本発明の一態様において得られる、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖における重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との重量比(重合体ブロック(A)、重合体ブロック(B)が複数存在する場合は、それぞれの合計重量を基準とした重量比)は、(重合体ブロック(A)の重量)/(重合体ブロック(B)の重量)で、0.001〜0.1であることが好ましく、0.003〜0.07であることがより好ましく、0.005〜0.05であることが特に好ましい。重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との重量比を上記範囲内とすることにより、得られるゴム架橋物を、ウエットグリップ性と低発熱性とのバランスが良好なものとすることができる。
重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)を有する、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖における、イソプレン単量体単位および1,3−ブタジエン単量体単位の合計単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位との含有割合は、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖中、イソプレン単量体単位および1,3−ブタジエン単量体単位の合計単量体単位50〜100重量%、および芳香族ビニル単量体単位0〜50重量%であることが好ましく、イソプレン単量体単位および1,3−ブタジエン単量体単位の合計単量体単位55〜95重量%、および芳香族ビニル単量体単位5〜45重量%であることがより好ましい。また、重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)を有する、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖における、イソプレン単量体単位中および1,3−ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、上述した重合体ブロック(B)における1,3−ブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量と同様の範囲にあることが好ましい。
<第2工程>
上記製造方法の第2工程は、第1工程にて得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させる工程である。
上記製造方法の第2工程で用いるシロキサンとしては、シロキサン構造(−Si−O−)を主鎖として有するものであればよく、特に限定されないが、側鎖に有機基を有するオルガノシロキサンが好ましく、下記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンがより好ましい。
なお、上記製造方法の第2工程において、シロキサンは、第1工程にて得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を変性させるための変性剤として作用する。
Figure 2017110230
一般式(2)中、R〜R11は、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。XおよびXは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、および、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基からなる群より選ばれるいずれかの基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基であり、Xが複数あるときは、それらは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、Xが複数あるときは、それらは互いに同一であっても相違していてもよい。mは0〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数であり、m+n+kは1以上である。)
一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、一般式(2)中のR〜R11、XおよびXを構成し得る炭素数1〜6のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基およびシクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、たとえば、フェニル基およびメチルフェニル基などが挙げられる。これらの中でも、ポリオルガノシロキサン自体の製造の容易性の観点から、メチル基およびエチル基が好ましい。
また、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X、XおよびXを構成し得る炭素数1〜5のアルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基およびブトキシ基などが挙げられる。これらの中でも、ポリオルガノシロキサン自体の製造の容易性の観点から、メトキシ基およびエトキシ基が好ましい。
さらに、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X、XおよびXを構成し得るエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基としては、たとえば、下記一般式(3)で表される基が挙げられる。
−Z−Z−E (3)
一般式(3)中、Zは、炭素数1〜10のアルキレン基、またはアルキルアリーレン基であり、Zはメチレン基、硫黄原子、または酸素原子であり、Eはエポキシ基を有する炭素数2〜10の炭化水素基である。
一般式(3)で表される基としては、Zが酸素原子であるものが好ましく、Zが酸素原子であり、かつ、Eがグリシジル基であるものがより好ましく、Zが炭素数1〜3のアルキレン基であり、Zが酸素原子であり、かつ、Eがグリシジル基であるものが特に好ましい。
また、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、XおよびXとしては、上記の中でも、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基、または、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。また、Xとしては、上記の中でも、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基が好ましい。さらに、XおよびXが炭素数1〜6のアルキル基であり、Xがエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基であることがより好ましい。
また、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X、すなわち2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基としては、下記一般式(4)で表される基が好ましい。
Figure 2017110230
一般式(4)中、tは2〜20の整数であり、Xは炭素数2〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、R12は水素原子またはメチル基であり、Xは炭素数1〜10のアルコキシ基またはアリールオキシ基である。これらの中でも、tが2〜8の整数であり、Xが炭素数3のアルキレン基であり、R12が水素原子であり、かつ、Xがメトキシ基であるものが好ましい。
一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、mは0〜200の整数、好ましくは20〜150の整数、より好ましくは30〜120の整数である。mが200以下であると、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン自体の製造がより容易になると共に、その粘度が高くなりすぎず、取り扱いもより容易となる。
また、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、nは0〜200の整数、好ましくは0〜150の整数、より好ましくは0〜120の整数である。kは0〜200の整数、好ましくは0〜150の整数、より好ましくは0〜130の整数である。m、nおよびkの合計数は1以上であり、1〜400であることが好ましく、20〜300であることがより好ましく、30〜250であることが特に好ましい。m、nおよびkの合計数が1以上であると、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンと活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖との反応が進行し易く、更に、m、nおよびkの合計数が400以下であると、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン自体の製造が容易になると共に、その粘度が高くなりすぎず、取り扱いも容易となる。
上記製造方法の第2工程における、シロキサンの使用量は、上述した第1工程において重合に使用した重合開始剤1モルに対して、シロキサン中のシロキサン構造(−Si−O−)の繰り返し単位数に換算して、好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.2〜5モルである。シロキサンの使用量が上記範囲内にあると、得られるゴム架橋物の低発熱性をより高めることができる。
シロキサンと活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖とを反応させる方法は、特に限定されないが、これらを、それぞれが溶解可能な溶媒中で、混合する方法などが挙げられる。この際に用いる溶媒としては、上述した第1工程において用いる不活性溶媒として例示したものなどを用いることができる。また、この際においては、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得るための重合に用いた重合溶液に、シロキサンを添加する方法が簡便であり好ましい。また、この際においては、シロキサンは、不活性溶媒に溶解して重合系内に添加することが好ましく、その溶液濃度は、1〜50重量%の範囲とすることが好ましい。反応温度は、特に限定されないが、通常0〜120℃であり、反応時間も特に限定されないが、通常1分〜1時間である。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液に、シロキサンを添加する時期は特に限定されないが、重合反応が完結しておらず、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液が単量体をも含有している状態、より具体的には、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液が、100ppm以上、より好ましくは300〜50,000ppmの単量体を含有している状態で、この溶液にシロキサンを添加することが望ましい。シロキサンの添加をこのように行なうことにより、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖と重合系中に含まれる不純物などとの副反応を抑制して、反応を良好に制御することが可能となる。
上記製造方法の第2工程によれば、上述した第1工程にて得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖の活性末端に、変性剤としてのシロキサンを反応させることで、少なくとも一部の共役ジエン系重合体鎖は、シロキサン構造中のケイ素原子と共役ジエン系重合体鎖の活性末端との間に新たな結合を形成し、共役ジエン系重合体鎖の末端に、シロキサン構造が導入されるとともに、シロキサン構造中の酸素原子と、共役ジエン系重合体鎖の活性末端を形成していた金属原子との間で、−O(Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または、ランタン系列金属)で表される活性末端が形成されることとなる。なお、上記製造方法の第2工程により得られる、反応後の共役ジエン系重合体鎖は、重合体鎖末端に、シロキサンによる変性構造が導入されたものを含むものであるが、これ以外にも、シロキサンによる変性がされていない未変性の共役ジエン系重合体鎖を含むものであってもよい。
<第3工程>
上記製造方法の第3工程は、第2工程で得られるシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(1)で表される化合物を反応させる工程である。
Figure 2017110230
一般式(1)中、Xはヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン基および水酸基から選択される官能基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RおよびRは互いに結合して、これらが結合する窒素原子とともに環構造を形成していてもよく、該環構造を形成する場合には、これらが結合する窒素原子に加えて、これらが結合する窒素原子以外のヘテロ原子とともに環構造を形成していてもよい。rは0〜2の整数である。
なお、上記製造方法の第3工程において用いる、シロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖とは、上述した第2工程を経たものであればよく、そのため、このようなシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖には、シロキサンによる変性構造が導入された活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含んでいればよく、シロキサンによる変性がされていない未変性の活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖をも含み得るものである。更には、シロキサンによる変性構造が導入された活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖の活性末端が加水分解され、活性末端が水酸基に変換された、シロキサンによる変性構造が導入された共役ジエン系重合体鎖をも含み得るものである。以下、第3工程の説明において、シロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖を、適宜、「共役ジエン系重合体鎖」と略記する。
一般式(1)において、Xはヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン基および水酸基から選択される官能基を表す。Xとなりうるヒドロカルビルオキシ基としては、特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基などのアルケニルオキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;などが挙げられる。これらのなかでも、アルコキシ基およびアリーロキシ基が好ましく、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基およびエトキシ基が特に好ましい。また、Xとなりうるハロゲン基としては、特に限定されないが、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、これらのなかでも、クロロ基が好ましい。また、Xは水酸基であってもよく、この水酸基は、ヒドロカルビルオキシ基やハロゲン基であったものが加水分解されて水酸基となったものであってもよい。
一般式(1)において、r(すなわち、一般式(1)においてXで表される基の数)は、0〜2の整数であり、rが2であることが好ましい。一般式(1)におけるrが2である場合において、一般式(1)で表される化合物1分子中に2個含まれるXで表される基は、同一のものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。
一般式(1)において、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。Rとなりうる炭化水素基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;エチニル基、プロピニル基などのアルキニル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;などが挙げられる。これらのなかでも、アルキル基およびアリール基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基およびエチル基が特に好ましい。また、Rで表される炭化水素基は、炭化水素基以外の置換基を有していてもよく、その置換基としては、特に限定されないが、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロカルビルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基などのカルボニル基含有基や、エポキシ基、オキシ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン基などを挙げることができる。なお、一般式(1)におけるrが0である場合において、一般式(1)で表される化合物1分子中に2個含まれる、Rで表される基は、同一のものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。
一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RおよびRは互いに結合して環構造を形成して、これらが結合する窒素原子とともに環構造を形成していてもよい。また、これらが環構造を形成する場合には、これらが結合する窒素原子に加えて、これらが結合する窒素原子以外のヘテロ原子とともに環構造を形成していてもよい。RおよびRが互いに結合しない場合に、RおよびRとなりうる炭化水素基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;エチニル基、プロピニル基などのアルキニル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;などが挙げられる。これらのなかでも、アルキル基およびアリール基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基およびエチル基が特に好ましい。また、RおよびRが互いに結合して、これらが結合する窒素原子とともに環構造を形成する場合に、RおよびRが結合してなる2価の炭化水素基としては、特に限定されないが、n−ブチレン基(一般式(1)において、これらが結合する窒素原子とともに1−ピロリジン基を形成する場合)、n−ペンチレン基(1−ピペリジン基を形成する場合)などのアルキレン基や、ブタジエニレン基(1−ピロール基を形成する場合)などが挙げられる。
また、RおよびRで表される炭化水素基は、環構造形成の有無に関わらず、炭化水素基以外の置換基を有していてもよく、その置換基としては、特に限定されないが、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロカルビルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基などのカルボニル基含有基や、エポキシ基、オキシ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン基などを挙げることができる。さらに、RおよびRは互いに結合して、これらが結合する窒素原子とともに環構造を形成する場合には、その環構造を形成する原子として、炭素原子およびこれらが結合する窒素原子以外のヘテロ原子が含まれていてもよく、そのようなヘテロ原子の例として、窒素原子や酸素原子を挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物として、特に好ましいものとして、RおよびRで表される炭化水素基が互いに結合して、これらが結合する窒素原子とともに、ピペラジン環構造を形成しているものが挙げられる。より具体的には、下記一般式(5)で表される化合物が特に好ましい。一般式(1)で表される化合物として、このような構造を有するものを用いることにより、得られるゴム架橋物を特に低発熱性に優れたものとすることができる。
Figure 2017110230
一般式(5)中、X、R、およびrは、いずれも、一般式(1)におけるものと同じものを表し、R13は炭化水素基を表す。
一般式(5)におけるR13は、炭化水素基を表す。R13となりうる炭化水素基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;エチニル基、プロピニル基などのアルキニル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;などが挙げられる。これらのなかでも、アルキル基およびアリール基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジエトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジメトキシ−8−(N,N−ジエチル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン、2−メトキシ−2−メチル−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンなどが挙げられる。これら一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(1)で表される化合物の使用量は、特に限定されないが、反応させる共役ジエン系重合体鎖の活性末端1モルに対する一般式(1)で表される化合物の量として、0.1〜10.0モルであることが好ましく、0.2〜5.0モルであることがより好ましく、0.3〜2.0モルであることが特に好ましい。このような量で、一般式(1)で表される化合物を用いることにより、得られる共役ジエン系ゴムが、特に低発熱性に優れたゴム架橋物を与えるものとなる。
なお、通常、一般式(1)で表される化合物は、共役ジエン系重合体鎖と反応する場合には、次のようにして反応が進行すると考えられる。すなわち、まず、一般式(1)で表される化合物が、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する場合の第1の反応形態を例示すると、1段階目の反応として、一般式(1)で表される化合物中の8員環構造における酸素−ケイ素結合が開裂して、そのケイ素原子が共役ジエン系重合体鎖の活性末端との間に新たに結合を形成し、酸素原子は活性末端の対イオンと塩構造(なお、この塩構造は、重合反応停止時に重合反応停止剤などに由来するプロトンと反応して水酸基を生じるものである)を形成する。さらに、一般式(1)で表される化合物が、ヒドロカルビルオキシ基を有する場合(一般式(1)におけるrが1または2である場合)には、そのヒドロカルビルオキシ基と共役ジエン系重合体鎖の活性末端が反応して、ヒドロカルビルオキシ基が結合していたケイ素原子から脱離し、さらに、そのケイ素原子と共役ジエン系重合体鎖の活性末端との間に新たに結合が生じる。
あるいは、第2の反応形態として、1段階目の反応において、一般式(1)で表される化合物中の8員環構造における酸素−ケイ素結合が開裂することなく、ケイ素原子に結合している、Xが脱離することで、そのケイ素原子が共役ジエン系重合体鎖の活性末端との間に新たに結合を形成する。さらに、一般式(1)で表される化合物が、ヒドロカルビルオキシ基を有する場合(一般式(1)におけるrが2である場合)には、そのヒドロカルビルオキシ基と共役ジエン系重合体鎖の活性末端が反応して、ヒドロカルビルオキシ基が結合していたケイ素原子から脱離し、さらに、そのケイ素原子と共役ジエン系重合体鎖の活性末端との間に新たに結合が生じる。
また、一般式(1)で表される化合物が、活性末端が水酸基に変換された、シロキサンによる変性構造が導入された共役ジエン系重合体鎖と反応する場合の反応形態を例示すると、一般式(1)におけるXとシロキサンによる変性構造が導入された共役ジエン重合体鎖の水酸基とが反応して、Xと水酸基の水素原子とがそれぞれ脱離することで、共役ジエン系重合体鎖と一般式(1)で表される化合物との間に新たに結合が生じる。
一般式(1)で表される化合物と共役ジエン系重合体鎖とを反応させる方法は、特に限定されないが、これらを、それぞれが溶解可能な溶媒中で、混合する方法などが挙げられる。この際に用いる溶媒としては、上述した第1工程および第2工程において用いる不活性溶媒として例示したものなどを用いることができる。また、この際においては、上述した第2工程において、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させるために用いた反応溶液に、一般式(1)で表される化合物を添加する方法が簡便であり好ましい。また、この際においては、一般式(1)で表される化合物は、不活性溶媒に溶解して重合系内に添加してもよい。反応温度は、特に限定されないが、通常0〜120℃であり、反応時間も特に限定されないが、通常1分〜1時間である。
共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液に、一般式(1)で表される化合物を添加する時期は、上述した第2工程においてシロキサンを添加した後であれば、特に限定されないが、上述した第2工程と同様に、重合反応が完結しておらず、共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液が単量体をも含有している状態、より具体的には、共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液が、100ppm以上、より好ましくは300〜50,000ppmの単量体を含有している状態で、この溶液に一般式(1)で表される化合物を添加することが望ましい。一般式(1)で表される化合物の添加をこのように行なうことにより、共役ジエン系重合体鎖と重合系中に含まれる不純物などとの副反応を抑制して、反応を良好に制御することが可能となる。
なお、上記製造方法の第2工程および第3工程において、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンおよび一般式(1)で表される化合物を反応させる前の状態のとき、シロキサンのみを反応させた後であって、一般式(1)で表される化合物を反応させる前の状態のとき、あるいは、シロキサンおよび一般式(1)で表される化合物のいずれも反応させた後において、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖が残存している状態のときに、本発明の効果を阻害しない範囲で、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖の活性末端の一部を、従来から通常使用されているカップリング剤や変性剤などを重合系内に添加して、カップリングや変性を行ってもよい。
そして、第3工程において、共役ジエン系重合体鎖に、一般式(1)で表される化合物を反応させた後は、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコールまたは水などの、重合停止剤を添加して未反応の活性末端を失活させることが好ましい。
共役ジエン系重合体鎖の活性末端を失活させた後、所望により、フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤などの老化防止剤、クラム化剤、およびスケール防止剤などを反応溶液に添加し、その後、直接乾燥またはスチームストリッピングなどにより反応溶液から重合溶媒を分離して、共役ジエン系ゴムを回収する。なお、反応溶液から重合溶媒を分離する前に、重合溶液に伸展油を混合し、共役ジエン系ゴムを油展ゴムとして回収してもよい。
共役ジエン系ゴムを油展ゴムとして回収する場合に用いる伸展油としては、たとえば、パラフィン系、芳香族系およびナフテン系の石油系軟化剤、植物系軟化剤、ならびに脂肪酸などが挙げられる。石油系軟化剤を用いる場合には、IP346の方法(英国のTHE INSTITUTE PETROLEUMの検査方法)により抽出される多環芳香族の含有量が3%未満であることが好ましい。伸展油を使用する場合、その使用量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜60重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
以上のようにして、本発明で用いる共役ジエン系ゴムを製造することができる。なお、本発明で用いる共役ジエン系ゴムは、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させた後、一般式(1)で表される化合物を反応させてなるものであるため、重合体鎖末端に、シロキサンによる変性構造および一般式(1)で表される化合物による変性構造が導入されたものを含むものであるが、このようなもの以外にも、重合体鎖末端に、シロキサンによる変性構造のみが導入されたものや、重合体鎖末端に、一般式(1)で表される化合物による変性構造のみが導入されたもの、さらには、いずれの変性構造も導入されていないものなどを含有するものであってもよい。特に、本発明においては、得られるゴム架橋物の低発熱性およびウエットグリップ性をより高めるという観点より、本発明で用いる共役ジエン系ゴムとしては、共役ジエン系ゴムを構成する、全重合体中における、シロキサンによる変性構造および一般式(1)で表される化合物による変性構造が導入されたものと、一般式(1)で表される化合物による変性構造のみが導入されたものとの合計の含有割合(すなわち、少なくとも、一般式(1)で表される化合物による変性構造が導入されたものの含有割合)が、10重量%以上であるものが好ましく、20重量%以上であるものがより好ましい。なお、上限は、特に限定されない。
本発明で用いる共役ジエン系ゴムのカップリング率は、特に限定されないが、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、また、好ましくは80重量%以下、より好ましくは75重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。カップリング率が上記範囲であると、得られるゴム架橋物の機械的強度および耐摩耗性を良好にバランスさせることができる。なお、カップリング率は、シロキサンおよび一般式(1)で表される化合物、ならびに、必要に応じて用いられるカップリング剤やその他の変性剤と反応させる前の活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖のピークトップ分子量の1.8倍以上の分子量を有する重合体分子の、最終的に得られた共役ジエン系ゴムの全量に対する重量分率であり、このときの分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めるものとする。
また、本発明で用いる共役ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定される値で、好ましくは100,000〜3,000,000、より好ましくは150,000〜2,000,000、特に好ましくは200,000〜1,500,000である。共役ジエン系ゴムの重量平均分子量を上記範囲内とすることにより、このような共役ジエン系ゴムを含むゴム組成物へのシリカの配合が容易となり、ゴム組成物の加工性をより高めることができ、さらには、得られるゴム架橋物の低発熱性をより高めることができる。
本発明で用いる共役ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、1.1〜3.0であることが好ましく、1.2〜2.5であることがより好ましく、1.2〜2.2であることが特に好ましい。共役ジエン系ゴムの分子量分布(Mw/Mn)を上記範囲内とすることにより、得られるゴム架橋物の低発熱性をより向上させることができる。
また、本発明で用いる共役ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは20〜100、より好ましくは30〜90、特に好ましくは35〜80である。なお、共役ジエン系ゴムを油展ゴムとする場合は、その油展ゴムのムーニー粘度を上記の範囲とすることが好ましい。
また、本発明で用いる共役ジエン系ゴムのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、好ましくは−10℃〜−110℃であり、より好ましくは−20℃〜−70℃である。本発明で用いる共役ジエン系ゴムのガラス転移温度は、たとえば、共役ジエン系ゴム中の芳香族ビニル単量体単位含有量、および共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合含有量を調節することによって、適宜調節することができる。
<シランカップリング剤>
本発明のゴム組成物は、上述した共役ジエン系ゴムに、シランカップリング剤を配合してなるものであり、本発明によれば、上述した共役ジエン系ゴムに、シランカップリング剤を組み合わせることにより、得られるゴム架橋物を、低発熱性およびウエットグリップ性に優れたものとすることができるものである。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、種々のシランカップリング剤を用いることができるが、本発明においては、スルフィド系、メルカプト系、保護化メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、またはクロロ系のシランカップリング剤を好適に用いることができる。なかでも、上述した共役ジエン系ゴムとの間に加硫構造を形成でき、これにより、低発熱性およびウエットグリップ性をさらに高めることができるという観点より、スルフィド系、メルカプト系、または保護化メルカプト系のシランカップリング剤が好ましい。また、シランカップリング剤は、1 種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スルフィド系シランカップリング剤としては、たとえば、スルフィド基および加水分解性基を有するシランカップリング剤が挙げられる。加水分解性基としては、たとえば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、シリカなどの配合剤を配合した際における分散性がより優れるという点から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
また、スルフィド系シランカップリング剤は、下記一般式(6)で表されるスルフィド基を含有する2価の有機基(以下、スルフィド基含有有機基ともいう)を備えるものであることが好ましい。
−(CHγ−Sβ−(CHγ− (6)
一般式(6)中、βは1〜10の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましい。また、一般式(6)中、γは1〜6の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましい。
一般式(6)で表される基の具体例としては、たとえば、−CH−S−CH−、−C−S−C−、−C−S−C−、−C−S−C−、−CH−S−CH−、−C−S−C−、−C−S−C−、−C−S−C−などが挙げられる。
上記スルフィド系シランカップリング剤としては、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィドなどが挙げられる。これらのなかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
メルカプト系シランカップリング剤としては、たとえば、メルカプト基および加水分解性基を有するシランカップリング剤が挙げられる。加水分解性基としては、たとえば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、シリカなどの配合剤を配合した際における分散性がより優れるという点から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
このようなメルカプト系シランカップリング剤のなかでも、ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤、ポリシロキサン構造(−Si−O−)を有するメルカプト系シランカップリング剤が好適である。
ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤としては、ポリエーテル鎖、具体的には、エーテル結合を2以上有する側鎖を備えるものであればよく、その具体例としては、例えば、−R14−O−R15−で表される構造単位を合計して2個以上有する側鎖が挙げられる。ここで、上記構造単位中、R14およびR15は、それぞれ独立して、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルキニレン基、または、置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。なかでも、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
このようなポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤としては、下記一般式(7)で表される化合物を好適に用いることができる。
Figure 2017110230
上記一般式(7)中、R16は、炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、なかでも、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。炭素数1〜3のアルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。また、上記一般式(7)中、aは1または2であり、1であることが好ましい。なお、aが2である場合の複数あるR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(7)中、R17は、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基を表す。ポリエーテル基とは、エーテル結合を2以上有する基であり、その具体例としては、たとえば、−R14−O−R15−で表される構造単位を合計して2個以上有する基が挙げられる。なお、R14、R15は、上述したポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤の場合と同じである。また、上記一般式(7)中、bは1または2であり、2であることが好ましい。なお、bが2である場合の複数あるR17はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
17を構成する、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基としては、下記一般式(8)で表される基が好ましく挙げられる。
Figure 2017110230
一般式(8)中、R20は、直鎖状のアルキル基、直鎖状のアルケニル基、または、直鎖状のアルキニル基を表し、なかでも直鎖状のアルキル基が好ましい。直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基がより好ましい。炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基の具体例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基などが挙げられ、なかでもトリデシル基が好ましい。
一般式(8)中、R21は、直鎖状のアルキレン基、直鎖状のアルケニレン基、または、直鎖状のアルキニレン基を表し、なかでも直鎖状のアルキレン基が好ましい。直鎖状のアルキレン基としては、炭素数1〜2の直鎖状のアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。上記一般式(8)中、dは、1〜10の整数を表し、好ましくは3〜7の整数である。
一般式(7)中、R18は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。また、一般式(7)中、cは、0または1であり、好ましくは0である。
一般式(7)中、R19は、炭素数1〜30のアルキレン基を表し、なかでも炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基の具体例としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
また、一般式(7)中、a、b、cは、上述した範囲であることに加え、a+b+c=3の関係を満たすものである。
ポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤としては、ポリシロキサン構造(−Si−O−)を有するものであればよいが、下記一般式(9)で表される平均組成式で表される化合物が好適である。
(A(A(A(A(R22SiO(4−2e−f−g−h−i)/2 (9)
一般式(9)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基(以下、スルフィド基含有有機基ともいう)を表し、なかでも、下記一般式(10)で表される基であることが好ましい。
−(CH−S−(CH− (10)
一般式(10)中、jは1〜10の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましい。また、一般式(10)中、kは1〜6の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましい。
一般式(10)で表される基の具体例としては、たとえば、−CH−S−CH−、−C−S−C−、−C−S−C−、−C−S−C−、−CH−S−CH−、−C−S−C−、−C−S−C−、−C−S−C−などが挙げられる。
一般式(9)中、Aは炭素数5〜10の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。
一般式(9)中、Aは加水分解性基を表し、その具体例としては、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられ、なかでも、下記一般式(11)で表される基であることが好ましい。
−OR23 (11)
一般式(11)中、R23は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
一般式(9)中、Aはメルカプト基を含有する有機基を表し、なかでも、下記一般式(12)で表される基であることが好ましい。
−(CH−SH (12)
一般式(12)中、lは1〜10の整数を表し、1〜5の整数であることが好ましい。
一般式(12)で表される基の具体例としては、−CHSH、−CSH、−CSH、−CSH、−C10SH、−C12SH、−C14SH、−C16SH、−C18SH、−C1020SHなどが挙げられる。
一般式(9)中、R22は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。
また、一般式(9)中、e、f、g、h、iは、0≦e<1、0≦f<1、0<g<3、0<h<1、0≦i<2、0<2e+f+g+h+i<4である(ただし、eおよびfのうちいずれか一方は、0でない。)。ゴム組成物の耐スコーチ性を高めることができるという点より、eは、0<e<1であることが好ましく、0<e≦0.50であることがより好ましい。また、低発熱性およびウエットグリップ性をより高めることができるという点より、fは、0<f<1であることが好ましく、0.10≦f≦0.89であることがより好ましく、gは、1.2≦g≦2.0であることが好ましく、hは、0.1≦h≦0.8であることが好ましい。
一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤のなかでも、シリカなどの配合剤を配合した際における分散性をより良好なものとすることができるという点より、Aが一般式(10)で表される基であり、Aが一般式(11)で表される基であり、かつ、Aが一般式(12)で表される基であるものがより好ましい。
一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤の分子量は、耐スコーチ性、およびシリカなどの配合剤を配合した際における分散性の観点より、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC) によりポリスチレン換算で求められた重量平均分子量で、500〜2,300の範囲が好ましく、600〜1,500の範囲であることがより好ましい。
一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤の酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、上述した共役ジエン系ゴムに対する加硫反応性に優れるという観点より、好ましくは550〜1900g/mol、より好ましくは600〜1500g/molである。
一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤の骨格には、ケイ素原子以外の金属(たとえば、Sn、Ti、Al)は存在しないものであることが好ましい。
一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤は、たとえば、第1の製造方法として、下記一般式(14)で表される有機ケイ素化合物と、下記一般式(15)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法により製造することができる。あるいは、第2の製造方法として、下記一般式(13)で表される有機ケイ素化合物と、下記一般式(14)で表される有機ケイ素化合物と、下記一般式(15)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法が挙げられる。さらに、第3の製造方法として、下記一般式(13)で表される有機ケイ素化合物と、下記一般式(14)で表される有機ケイ素化合物と、下記一般式(15)で表される有機ケイ素化合物と、下記一般式(16)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法が挙げられる。これらの中でも、第2の方法が好ましい。
Figure 2017110230
一般式(13)中、R24は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
また、一般式(13)中、R25は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表す。炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。炭素数6〜10のアリール基の具体例は上記R24と同じである。
一般式(13)中、jおよびkは、一般式(10)のjおよびkと同じである。また、一般式(13)中、vは1〜3の整数を表す。
一般式(13)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。
Figure 2017110230
一般式(14)中、R26は、上記一般式(13)のR24と同じであり、また、R27は、上記一般式(13)のR25と同じである。
また、上記一般式(14)中、wは、上記一般式(13)のvと同じであり、xは5〜10の整数を表す。
上記一般式(14)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルメチルジメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ペンチルメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルメチルジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルメチルジメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
Figure 2017110230
一般式(15)中、R28は、一般式(13)のR24と同じであり、また、R29は、一般式(13)のR25と同じである。
また、一般式(15)中、yは、一般式(13)のvと同じであり、lは、一般式(12)のlと同じである。
上記一般式(15)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、α−メルカプトメチルトリメトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、α−メルカプトメチルトリエトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
Figure 2017110230
一般式(16)中、R30は、一般式(13)のR24と同じであり、また、R31は、一般式(13)のR25と同じである。
また、一般式(16)中、zは、一般式(13)のvと同じであり、αは1〜4の整数を表す。
一般式(16)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤を製造する際には、必要に応じて溶媒を用いてもよい。溶媒としては特に限定されないが、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。
また、一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤を製造する際には、必要に応じて触媒を用いてもよい。触媒としては特に限定されないが、具体的には塩酸、酢酸などの酸性触媒、テトラブチルオルトチタネート、アンモニウムフルオリドなどのルイス酸触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4 −ジメチルアミノピリジンなどのアミン化合物などが挙げられる。
また、一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤を製造する際に使用する有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤(たとえば、一般式(15)で表される有機ケイ素化合物)と、スルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤(たとえば、一般式(14)、一般式(16)で表される有機ケイ素化合物)とを併用する際には、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、スルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤との混合比を、「メルカプト基を有するシランカップリング剤/スルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤」のモル比で、1.1/8.9〜6.7/3.3の範囲とすることが好ましく、1.4/8.6〜5.0/5.0の範囲とすることがより好ましい。
さらに、一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤を製造する際に使用する有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤(たとえば、一般式(15)で表される有機ケイ素化合物)と、スルフィド基を有するシランカップリング剤(たとえば、一般式(13)で表される有機ケイ素化合物)とを併用する際、メルカプト基を有するシランカップリング剤とスルフィド基を有するシランカップリング剤との混合比を、「メルカプト基を有するシランカップリング剤/スルフィド基を有するシランカップリング剤」のモル比で、2.0/8.0〜8.9/1.1の範囲とすることが好ましく、2.5/7.5〜8.0/2.0の範囲とすることがより好ましい。
また、一般式(9)で表されるポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤を製造する際に使用する有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤(たとえば、一般式(15)で表される有機ケイ素化合物)と、スルフィド基を有するシランカップリング剤(たとえば、一般式(13)で表される有機ケイ素化合物)と、スルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤(たとえば、一般式(14)、一般式(16)で表される有機ケイ素化合物)とを併用する際、メルカプト基を有するシランカップリング剤の使用量は、これらの合計量中の10.0〜73.0モル%の範囲とすることが好ましい。また、スルフィド基を有するシランカップリング剤の使用量は、これらの合計量中の5.0〜67.0モル%の範囲とすることが好ましく、スルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤の使用量は、これらの合計量中の16.0〜85.0モル%の範囲とすることが好ましい。
保護化メルカプト系シランカップリング剤は、保護化メルカプト基を有するものであればよく特に限定されないが、たとえば、下記一般式(17)で表される化合物を好適に用いることができる。
Figure 2017110230
一般式(17)中、R32は、R37O−、R37C(=O)O−、R3738C=NO−、R3738CNO−、R3738N−、または、−(OSiR3738ζ(OSiR373839)(ただし、R37、R38、R39は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、ζは1〜5の整数。)、R33は、R32と同じもの、または、水素原子または炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R34はR32、R33と同じもの、または−[O(R40O)ηH]基(ただし、R40は炭素数1〜18のアルキレン基、ηは1〜4の整数である。)、R35は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R36は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、δ、εは、0≦δ≦3、0≦ε≦2、2≦δ+ε≦3の関係を満たす数である。
一般式(17)において、炭素数1〜18の一価の炭化水素基としては、たとえば、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基等を挙げることができる。ここで、アルキル基およびアルケニル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、また、アリール基およびアラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよい。
炭素数1〜18の一価の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロぺニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
また、一般式(17)において、R40で表される炭素数1〜18のアルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状のものが好ましい。直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等が挙げられる。
一般式(17)において、R35で表される炭素数1〜18の二価の炭化水素基としては、たとえば、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。アルキレン基およびアルケニレン基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよく、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基およびアラルキレン基は、環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよい。R35としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、なかでも、直鎖状アルキレン基、たとえば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を好ましく挙げることができる。
また、ポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤としては、保護化メルカプト基、およびメルカプト基を同時に有するものも好適に用いることができ、なかでも、下記一般式(18)で表される繰り返し単位および下記一般式(19)で表される繰り返し単位を有する共重合体が特に好適である。
Figure 2017110230
Figure 2017110230
上記一般式(18)および一般式(19)中、R41、R45は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられ、これらのなかでも、プロピレン基が好ましい。共重合体中に複数含まれるR41、R45はそれぞれ同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
上記一般式(18)および一般式(19)中、R42、R46は、それぞれ独立して、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニレン基、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニレン基を表し、これらの基においては、炭素数3〜20のものが好ましい。なお、R42、R46が共重合体の重合体鎖末端を形成するものである場合、R42、R46は、上記した基の他、水素原子であってもよい。共重合体中に複数含まれるR42、R46はそれぞれ同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
上記一般式(18)および一般式(19)中、R43、R47は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基であって末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有するもの、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基であって末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有するものを表す。R47としては、末端に水酸基を有する基であることが好ましい。また、R43は、特に共重合体の重合体鎖末端に位置する場合には、R42と互いに結合し、環構造を形成していてもよく、同様に、R47も、特に共重合体の重合体鎖末端に位置する場合には、R46と互いに結合し、環構造を形成していてもよい。共重合体中に複数含まれるR43、R47はそれぞれ同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
上記一般式(18)および一般式(19)中、R44は、炭素数1〜13のアルキル基を表し、炭素数3〜10のアルキル基であることが好ましい。炭素数3〜10のアルキル基の具体例としては、たとえばヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。共重合体中に複数含まれるR44はそれぞれ同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
保護化メルカプト系シランカップリング剤の具体例としては、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。また、Momentive社製のNXT−Z45なども用いることができる。
また、ビニル系のシランカップリング剤としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。
アミノ系のシランカップリング剤としては、たとえば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
グリシドキシ系のシランカップリング剤としては、たとえば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
ニトロ系のシランカップリング剤としては、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
クロロ系のシランカップリング剤としては、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
本発明のゴム組成物におけるシランカップリング剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部であり、より好ましくは0.5〜20重量部であり、さらに好ましくは1〜10重量部である。シランカップリング剤の配合量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物のウエットグリップ性および低発熱性がより優れたものとなる。
なお、本発明のゴム組成物中における、シランカップリング剤の添加形態としては、特に限定されないが、たとえば、配合剤として、シリカを配合する場合には、シリカに対して、予めシランカップリング剤により表面処理を行い、シリカの表面に存在する状態にて、シリカとともに、上述した共役ジエン系ゴムに添加するような形態としてもよい。あるいは、シランカップリング剤をそのまま添加するような形態としても、もちろんよい。
また、本発明のゴム組成物は、上述した共役ジエン系ゴムおよびシランカップリング剤に加えて、シリカを含有することが好ましい。
本発明で用いるシリカとしては、たとえば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。また、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラーを用いてもよい。これらのシリカは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。用いるシリカの窒素吸着比表面積(ASTM D3037−81に準じBET法で測定される)は、好ましくは50〜300m/g、より好ましくは80〜220m/gである。また、シリカのpHは、pH5〜10であることが好ましい。
本発明のゴム組成物におけるシリカの配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部であり、より好ましくは30〜150重量部、さらに好ましくは50〜100重量部である。シリカの配合量を上記範囲とすることにより、ゴム組成物の加工性が優れたものとなり、得られるゴム架橋物のウエットグリップ性および低発熱性をより向上させることができる。
また、本発明のゴム組成物には、さらに、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、およびグラファイトなどのカーボンブラックを配合してもよい。これらのなかでも、ファーネスブラックが好ましい。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。カーボンブラックの配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、通常、120重量部以下である。
なお、本発明のゴム組成物に、シリカを添加する方法としては特に限定されず、固形のゴム成分に対して添加して混練する方法(乾式混練法)や共役ジエン系ゴムを含む溶液に対して添加して凝固・乾燥させる方法(湿式混練法)などを適用することができる。
また、本発明のゴム組成物は、架橋剤をさらに含有していることが好ましい。架橋剤としては、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましく使用される。架橋剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは1〜4重量部である。
さらに、本発明のゴム組成物には、上記成分以外に、常法に従って、架橋促進剤、架橋活性化剤、老化防止剤、充填剤(上記シリカおよびカーボンブラックを除く)、活性剤、プロセス油、可塑剤、滑剤などの配合剤をそれぞれ必要量配合できる。
架橋剤として、硫黄または含硫黄化合物を用いる場合には、架橋促進剤および架橋活性化剤を併用することが好ましい。架橋促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系架橋促進剤;グアニジン系架橋促進剤;チオウレア系架橋促進剤;チアゾール系架橋促進剤;チウラム系架橋促進剤;ジチオカルバミン酸系架橋促進剤;キサントゲン酸系架橋促進剤;などが挙げられる。これらのなかでも、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが好ましい。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋促進剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは1〜4重量部である。
架橋活性化剤としては、例えば、ステアリン酸などの高級脂肪酸;酸化亜鉛;などを挙げることができる。これらの架橋活性化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋活性化剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部、特に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、本発明のゴム組成物には、上述した所定の共役ジエン系ゴム以外のその他のゴムを配合してもよい。その他のゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム(高シス−BR、低シスBRであってもよい。また、1,2−ポリブタジエン重合体からなる結晶繊維を含むポリブタジエンゴムであってもよい)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合ゴムなどのうち、上述した所定の共役ジエン系ゴム以外のものをいう。これらのなかでも、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴムが好ましい。これらのゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のゴム組成物において、上述した所定の共役ジエン系ゴムは、ゴム組成物中のゴム成分の10〜100重量%を占めることが好ましく、50〜100重量%を占めることが特に好ましい。このような割合で、上述した所定の共役ジエン系ゴムをゴム成分中に含めることにより、ウエットグリップ性が向上されたゴム架橋物を得ることができる。
また、本発明のゴム組成物には、ゴム成分以外に樹脂を配合してもよい。樹脂を配合することにより、ゴム組成物に粘着性を付与させたり、ゴム組成物中の充填剤の分散性を高めることができる。その結果、得られるゴム架橋物のウエットグリップ性や耐摩耗性の向上が期待できる。また、可塑剤と同様な効果として、ゴム組成物の加工性を向上させることもできる。樹脂としては、例えば、C5系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、インデン系樹脂、インデンを含有するC9系樹脂、α−メチルスチレン・インデン共重合体樹脂、クマロン−インデン樹脂、ファルネセン系樹脂、ポリリモネン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、変性されていたり、水素添加されていたりするものであってもよい。これらの樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。樹脂の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは25重量部以下である。
本発明のゴム組成物を得るためには、常法に従って各成分を混練すればよく、たとえば、架橋剤や架橋促進剤などの熱に不安定な成分を除く成分と共役ジエン系ゴムとを混練後、その混練物に架橋剤や架橋促進剤などの熱に不安定な成分を混合して目的の組成物を得ることができる。熱に不安定な成分を除く成分と共役ジエン系ゴムとの混練温度は、好ましくは80〜200℃、より好ましくは120〜180℃であり、その混練時間は、好ましくは30秒〜30分である。また、その混練物と熱に不安定な成分との混合は、通常100℃以下、好ましくは80℃以下まで冷却した後に行われる。
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明のゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明のゴム組成物を用い、たとえば、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜12時間、特に好ましくは3分〜6時間である。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明のゴム組成物を用いて得られるものであるため、低発熱性およびウエットグリップ性に優れるものである。そして、本発明のゴム架橋物は、このような特性を活かし、たとえば、タイヤにおいて、キャップトレッド、ベーストレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部などのタイヤ各部位の材料;ホース、ベルト、マット、防振ゴム、その他の各種工業用品の材料;樹脂の耐衝撃性改良剤;樹脂フィルム緩衝剤;靴底;ゴム靴;ゴルフボール;玩具;などの各種用途に用いることができる。特に、本発明のゴム架橋物は、オールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、およびスタッドレスタイヤなどの各種タイヤにおいて、トレッド、カーカス、サイドウォール、およびビード部などのタイヤ各部位に好適に用いることができ、特に低発熱性に優れるので、低燃費タイヤのトレッド用として、特に好適に用いることができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。
〔重量平均分子量、分子量分布、カップリング率〕
重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、およびカップリング率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によりポリスチレン換算の分子量に基づくチャートを得て、得られたチャートに基づいて求めた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィの具体的な測定条件は、以下のとおりとした。
測定器:高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、商品名「HLC−8220」)
カラム:東ソー社製ポリスチレン系カラム、商品名「GMH−HR−H」を二本直列に連結した。
検出器:示差屈折計
溶離液:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
なお、カップリング率については、上記の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィにより得られた溶出曲線において、全溶出面積に対する、分子量の最も小さいピークが示すピークトップ分子量の1.8倍以上のピークトップ分子量を有するピーク部分の面積比を、共役ジエン系重合体鎖のカップリング率の値とした。
〔変性率の測定方法〕
共役ジエン系ゴム中における、一般式(1)で表される化合物としての、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンにより変性された重合体の含有割合を、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンに含まれるアミン構造が、シリカ系ゲルに吸着するという特性を利用し、以下の方法により測定した。
すなわち、まず、共役ジエン系ゴム2mgを、5mLのTHFに対して、分子量2,851,000の標準ポリスチレン(ポリスチレンはカラムに吸着しない)0.5mgとともに溶解した溶液を調製し、この溶液200μLを測定用試料とした。
そして、上記にて調製した測定用試料を用いて、ポリスチレン系カラムを用いたGPC測定と、シリカ系カラムを用いたGPC測定を行った。なお、ポリスチレン系カラムとしては、「GMH−HR−H(東ソー社製)」を二本直列に連結したもの)を使用し、シリカ系カラムとしては、「Zorbax PSM−1000S(アジレント・テクノロジー社製)」、「Zorbax PSM−1000S(アジレント・テクノロジー社製)」、「Zorbax PSM−60S(アジレント・テクノロジー社製)」、および「TSKgel G3000SWXL(東ソー社製)」を、この順に直列に連結したものを使用した。また、いずれのカラムを用いたGPC測定においても、測定器としては、高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、商品名「HLC−8220」)を使用し、溶離液としてはテトラヒドロフランを使用し、カラム温度は40℃とし、流量は0.6mL/分とした。
そして、各GPC測定により得られたクロマトグラムを、RI検出器を用いて測定し、それらの差分を算出することにより、シリカ系カラムへの吸着量を測定することで、一般式(1)で表される化合物としての、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンによる変性率を求めた。
具体的には、ポリスチレン系カラムを用いて得られたクロマトグラムのピーク面積の全体を100とした際の、サンプルピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2とし、また、シリカ系カラムを用いて得られたクロマトグラムのピーク面積の全体を100とした際の、サンプルピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式にしたがって、一般式(1)で表される化合物としての、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンによる変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100
なお、上記変性率は、各製造例で得られた共役ジエン系ゴム中における、ポリシロキサンによる変性構造および一般式(1)で表される化合物による変性構造が導入された共役ジエン系ゴムと、一般式(1)で表される化合物による変性構造のみが導入された共役ジエン系ゴムとの合計の含有割合に相当する。
〔芳香族ビニル単量体単位含有量、ビニル結合含有量〕
芳香族ビニル単量体単位含有量、およびビニル結合含有量は、H−NMRにより測定した。
〔ゴム架橋物の低発熱性〕
ゴム架橋物の低発熱性については、長さ50mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を、レオメトリックス社製ARESを用い、動的歪み2.5%、10Hzの条件で60℃におけるtanδを測定することにより評価した。このtanδの値については、比較例1の測定値を100とする指数で示した。この指数が小さいものほど、低発熱性に優れる。
〔ゴム架橋物のウエットグリップ性〕
ゴム架橋物のウエットグリップ性については、長さ50mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を、レオメトリックス社製ARESを用い、動的歪み0.5%、10Hzの条件で0℃におけるtanδの値を測定することにより評価した。このtanδの値については、比較例1の測定値を100とする指数で示した。この指数が大きいものほど、ウエットグリップ性に優れる。
〔製造例1〕
窒素置換された100mlアンプル瓶に、シクロヘキサン49.6g、およびテトラメチルエチレンジアミン0.56mmolを添加し、さらに、n−ブチルリチウム5.6mmolを添加した。次いで、イソプレン11.48g、およびスチレン0.93gをゆっくりと添加し、50℃のアンプル瓶内で120分反応させることにより、活性末端を有する重合体ブロック(A)を得た。この重合体ブロック(A)の重量平均分子量(Mw)は3,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.09、スチレン単量体単位含有量は7.5%、イソプレン単量体単位含有量は92.5%、およびビニル結合含有量は8.1%であった。
次に、攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン4000g、テトラメチルエチレンジアミン8.1mmol、1,3−ブタジエン440.4g、およびスチレン159.6gを仕込んだ後、上記にて得られた活性末端を有する重合体ブロック(A)を全量加え、40℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、1,3−ブタジエン350.0g、およびスチレン50.0gを60分間かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は60℃であった。連続添加終了後、さらに20分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、下記式(20)で表されるポリオルガノシロキサンを、40重量%濃度のキシレン溶液の状態にて、1.81g(ポリオルガノシロキサン中のシロキサン構造(−Si−O−)の繰り返し単位数に換算して、使用したn−ブチルリチウムの1.1倍モルに相当する量)添加し、30分間反応させた。次いで、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタン1.71g(使用したn−ブチルリチウムの1.0倍モルに相当)を添加し、15分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して、共役ジエン系ゴムを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を、共役ジエン系ゴム100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴム(B1)を得た。得られた共役ジエン系ゴム(B1)の重量平均分子量(Mw)は472,000、カップリング率は62.3%であった。また、一般式(1)で表される化合物としての、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンによる変性率は27.8%であった。
Figure 2017110230
〔製造例2〕
活性末端を有する重合体ブロック(A)を合成せずに、活性末端を有する重合体ブロック(A)に代えて、n−ブチルリチウム5.6mmolを用いたこと以外は、製造例1と同様に操作して、固形状の共役ジエン系ゴム(B2)を得た。得られた共役ジエン系ゴム(B2)の重量平均分子量(Mw)は478,000、カップリング率は62.0%であった。また、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンによる変性率は28.5%であった。
〔製造例3〕
式(20)で表されるポリオルガノシロキサンに代えて、ポリジメチルシロキサン(信越化学社製、商品名「KF−96 3000cs」)4.25g(ポリジメチルシロキサン中のシロキサン構造(−Si−O−)の繰り返し単位数に換算して、使用したn−ブチルリチウムの10倍モルに相当する量)を用いたこと以外は、製造例2と同様に操作して、固形状の共役ジエン系ゴム(B3)を得た。得られた共役ジエン系ゴム(B3)の重量平均分子量(Mw)は229,000、カップリング率は12.0%であった。また、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンによる変性率は52.1%であった。
〔製造例4〕
2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンを添加しなかったこと以外は、製造例2と同様に操作して、固形状の共役ジエン系ゴム(B4)を得た。得られた共役ジエン系ゴム(B4)の重量平均分子量(Mw)は481,000、カップリング率は62.8%であった。また、2,2−ジメトキシ−8−(4−メチルピペラジニル)メチル−1,6−ジオキサ−2−シラシクロオクタンによる変性率は0%であった。
〔実施例1〕
容量250mlのブラベンダータイプミキサー中で、製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部およびブタジエンゴム(日本ゼオン社製、商品名「Nipol BR1220」)30部を30秒素練りし、次いでシリカ(ローディア社製、商品名「Zeosil 1165MP」、窒素吸着比表面積(BET法):163m/g)50部、プロセスオイル(新日本石油社製、商品名「アロマックス T−DAE」)20部、およびシランカップリング剤:ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド(デグッサ社製、商品名「Si69」)6部を添加して、110℃を開始温度として1.5分間混練後、シリカ(ローディア社製、商品名「Zeosil 1165MP」)25部、酸化亜鉛3部、ステアリン酸2部および老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」)2部を添加し、更に2.5分間混練し、ミキサーから混練物を排出させた。混練終了時の混練物の温度は150℃であった。混練物を、室温まで冷却した後、再度ブラベンダータイプミキサー中で、110℃を開始温度として2分間混練した後、ミキサーから混練物を排出させた。次いで、50℃のオープンロールで、得られた混練物に、硫黄1.40部、架橋促進剤:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーNS−P」)1.2部、および1,3−ジフェニルグアニジン(大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーD」)1.2部を加えてこれらを混練した後、シート状のゴム組成物を取り出した。このゴム組成物を、160℃で20分間プレス架橋して、ゴム架橋物の試験片を作製し、この試験片について、低発熱性およびウエットグリップ性の評価を行なった。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
シランカップリング剤として、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド6部に代えて、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「NXTシラン」)6部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
シランカップリング剤として、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド6部に代えて、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド(デグッサ社製、商品名「Si75」)6部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例2で得られた共役ジエン系ゴム(B2)70部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例2で得られた共役ジエン系ゴム(B2)70部を使用した以外は、実施例2と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例6〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例2で得られた共役ジエン系ゴム(B2)70部を使用した以外は、実施例3と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例3で得られた共役ジエン系ゴム(B3)70部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例8〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例3で得られた共役ジエン系ゴム(B3)70部を使用した以外は、実施例2と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例9〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例3で得られた共役ジエン系ゴム(B3)70部を使用した以外は、実施例3と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例10〕
シランカップリング剤として、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド6部に代えて、保護化メルカプト基およびメルカプト基を備える、ポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤(Momentive社製、商品名「NXT−Z45」、上記一般式(18)で表される繰り返し単位および上記一般式(19)で表される繰り返し単位を有する共重合体であり、上記一般式(18)で表される繰り返し単位の割合が55モル%、上記一般式(19)で表される繰り返し単位の割合が45モル%である共重合体。)6部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例11〕
シランカップリング剤として、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド6部に代えて、下記式(21)で示されるポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤(エポニックデグッサ社製、商品名「VP Si363」)6部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017110230
〔比較例1〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例4で得られた共役ジエン系ゴム(B4)70部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例4で得られた共役ジエン系ゴム(B4)70部を使用した以外は、実施例2と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
製造例1で得られた共役ジエン系ゴム(B1)70部に代えて、製造例4で得られた共役ジエン系ゴム(B4)70部を使用した以外は、実施例3と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物の試験片を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017110230
表1から判るように、本発明所定の共役ジエン系ゴムと、シランカップリング剤とを含有するゴム組成物を用いて得られたゴム架橋物は、低発熱性およびウエットグリップ性に優れるものであった(実施例1〜11)。
一方、共役ジエン系ゴムとして、シロキサンと反応させた後、一般式(1)で表される化合物による変性を行わなかったものを用いた場合には、得られるゴム架橋物は、低発熱性およびウエットグリップ性に劣るものであった(比較例1〜3)。

Claims (8)

  1. 活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、シロキサンを反応させた後、下記一般式(1)で表される化合物を反応させてなる共役ジエン系ゴムと、シランカップリング剤とを含有することを特徴とするゴム組成物。
    Figure 2017110230
    (一般式(1)中、Xはヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン基および水酸基から選択される官能基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、RおよびRは互いに結合して、これらが結合する窒素原子とともに環構造を形成していてもよく、該環構造を形成する場合には、これらが結合する窒素原子に加えて、これらが結合する窒素原子以外のヘテロ原子とともに環構造を形成していてもよい。rは0〜2の整数である。)
  2. 前記シロキサンが、下記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンである請求項1に記載のゴム組成物。
    Figure 2017110230
    (一般式(2)中、R〜R11は、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。XおよびXは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、および、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基からなる群より選ばれるいずれかの基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基であり、Xが複数あるときは、それらは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、Xが複数あるときは、それらは互いに同一であっても相違していてもよい。mは0〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数であり、m+n+kは1以上である。)
  3. 前記活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖が、
    イソプレン単量体単位80〜100重量%、および芳香族ビニル単量体単位0〜20重量%を含む重合体ブロック(A)と、1,3−ブタジエン単量体単位50〜100重量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50重量%を含む重合体ブロック(B)とが一続きにして形成されてなるものである請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記シランカップリング剤が、スルフィド系、メルカプト系、保護化メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、またはクロロ系のシランカップリング剤である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、シリカ10〜200重量部をさらに含有する請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 架橋剤をさらに含有する請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 請求項6に記載のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  8. 請求項7に記載のゴム架橋物を含んでなるタイヤ。
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