JP2017109778A - ガゼット袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物を容易に抽出することができる上、内容物の量が少なくなった場合でも倒れにくいガゼット袋を提供する。【解決手段】ガゼット袋Pは、表裏2枚の略矩形の胴材2a,2bの左右の両側に,それぞれ、折り込み材3a,3bが、所定幅の二つ折りになった状態で挟み込まれている。そして、左側の折り込み材3aの幅狭部分19の上方に、抽出口形成部11が設けられており、使用者が手で裁断して抽出口を形成することによって、内容物を抽出することができるようになっている。また、左右両サイドの側方シール部5,5の下端際が、上方から下方にかけて次第に幅広になっている。【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂製シートからなるマチ付きの袋体状に形成されており、食品、薬品、化粧品、洗剤等の各種の液体や粉体等の包装用袋として使用されるガゼット袋に関するものである。
従来、食品、薬品、化粧品、洗剤等の各種の液体や粉体等の包装用袋として、合成樹脂製のフィルム、積層フィルム等のシートで形成した種々のパウチやガゼット袋(左右両サイドに、所謂、マチが設けられたもの)が広く使用されている。また、それらのパウチやガゼット袋の上端縁に硬質の合成樹脂製のスパウト(注出部材)を固着させたスパウト付きパウチやスパウ付きガゼット袋も利用されている(特許文献1)。
かかる特許文献1のスパウ付きガゼット袋は、使用後には小さく折り畳んで廃棄することができる上、内容物を充填させた場合には、下部が直方体状になるため起立させることができ、商品の陳列に適しているので、各種の分野で広く利用されている。
特開2011−31895号公報
しかしながら、上記した特許文献1の如き従来のガゼット袋は、内容物を抽出するための筒状のスパウトが、上端縁の中央に鉛直に起立した状態で固着されているため、内容物が十分に充填されている場合でも、大きな角度で傾斜させなければ、内容物を抽出することができない、という不具合がある。加えて、袋本体の上部に隙間が形成されないようにスパウトを固着しなければならないので、製造に手間がかかる。
本発明の目的は、上記従来のガゼット袋が有する問題点を解消し、内容物を容易に抽出することができる上、製造が容易で実用的なガゼット袋を提供することにある。
本発明の内、請求項1に記載された発明は、合成樹脂製シートによって左右両側に折り込み部を有する袋状に形成されたガゼット袋であって、前記折り込み部が、二つ折りされた一定の幅を有する定幅部分の上部に、その定幅部分より幅の狭い幅狭部分を設けたものであり、上部の左右のコーナーの少なくとも一方に、裁断して内容物の抽出口を形成するための抽出口形成部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、左右両サイドがヒートシールされており、それらの側方シール部の前記折り込み部の幅狭部分の外側に相当する部分に、他の部分より幅広なシール強化部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、左右両サイドの側方シール部の下端際が、内向きの傾斜状になっていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、左右両サイドの側方シール部の下端際が、上方から下方にかけて次第に幅広になっていることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、底部に、二つ折りされた一定の幅を有する折り込み部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項1に記載のガゼット袋は、上部の左右のコーナーに抽出口形成部が設けられているので、大きな角度で傾斜させなくても内容物を容易に抽出することができる。また、上端縁以外の周縁を先にヒートシールすることによって袋状物を形成した後に、内容物を充填して上端縁をヒートシールする、という内容物の充填密封方法を採用することができるため、内容物の充填の前後で上下をひっくり返す必要がなくなるので、製造ラインを安価かつシンプルに構成することが可能となる。また、スパウトを介して内容物を抽出する必要がないので、残り少なくなった内容物を滞留させることなく最後までスムーズに抽出することができる。さらに、上部にスパウトを固着させる必要がないので、容易かつ安価に製造することができる。
請求項2に記載のガゼット袋は、折り込み部の幅狭部分が合成樹脂シートを多重に折り畳んで形成されている場合でも、その幅狭部分のヒートシール強度がシール強化部によって高められているので、充填した内容物が幅狭部分から漏洩する等の事態が生じない。
請求項3に記載のガゼット袋は、左右両サイドの側方シール部の下端際が内向きの傾斜状になっているので、内容物を充填した場合に、二つ折りになった折り込み部が拡がるとともに、表側のシートおよび裏側のシートが、左右の側方シール部の内向きの傾斜状部分の上端際で屈曲して矩形状の底面を形成するため、下側の部分が直方体状となるので、安定した状態で起立させることができる。
請求項4に記載のガゼット袋は、左右両サイドの側方シール部の下端際が上方から下方にかけて次第に幅広になっているので、内容物を充填した際に、底面の四隅においては、折り込み部と側方シール部の幅広な部分とが重なり合った状態となるため、耐擦傷性に優れており非常に破れにくい。
請求項5に記載のガゼット袋は、底部に、二つ折りされた一定の幅を有する折り込み部が設けられているので、内容物を充填した際に、底部の折り込み部が拡がって矩形の底面を形成するため、きわめて安定した状態で起立させることができる。
ガゼット袋を示す説明図である(aは正面図であり、bはaにおけるA−A線端面図である)。 ガゼット袋を示す説明図(斜視図)である。 折り込み部を形成するための折り込み材を示す説明図である(aは正面図であり、bはaにおける破線で囲んだ部分の左側面図である)。 ガゼット袋の変更例を示す説明図(正面図)である。 ガゼット袋の変更例を示す説明図(下部の正面図)である。 ガゼット袋の変更例を示す説明図(下部の正面図)である。 折り込み材の変更例を示す説明図である(aは正面図であり、bはaにおける破線で囲んだ部分の左側面図である)。 折り込み材の変更例示す説明図(斜視図)である。 抽出口形成部の変更例を示す説明図である。 ガゼット袋の変更例を示す説明図である(aは正面図であり、bはaにおけるA−A線端面図である)。 ガゼット袋の変更例を示す説明図(斜視図)である。 ガゼット袋の変更例における左右の折り込み材および底部の折り込み材を示す説明図である(aは正面図であり、bは左側の折り込み材の下端際の左側面の端面図(すなわち、aにおける矢印c方向の矢視図)であり、cは、左側の折り込み材と底部の折り込み材とを分離した状態の斜視図である)。 左右の折り込み材および底部の折り込み材の変更例を示す説明図である(aは左側の折り込み材の下端際の左側面の端面図であり、cは一体的に連なった左側の折り込み材および底部の折り込み材を示す斜視図である)。
以下、本発明に係るガゼット袋の一実施形態について詳細に説明する。本発明に係るガゼット袋は、合成樹脂製シートによって形成される。ここでいう合成樹脂製シートとは、食品、薬品、化粧品、洗剤等の包装材料として用いられる合成樹脂フィルムを積層した積層フィルム、あるいは合成樹脂フィルムと紙やアルミ箔等とを積層した積層フィルム等のことである。本発明に係るガゼット袋に用いられる合成樹脂製シートは、少なくとも片面(内面)が熱接着性を有している必要がある。
そのような合成樹脂製シートとしては、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のベースフィルムに、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の熱接着性フィルムを積層したラミネートフィルム等を好適に用いることができる。また、そのようなラミネートフィルムの中間にポリエステルフィルムやナイロンフィルム等を挟み込んだ3層以上のラミネートフィルムも好適に用いることができる。
なお、ベースフィルムや中間層を形成するフィルムは、未延伸のものを用いることも可能であるし、一軸延伸あるいは二軸延伸したものを用いることも可能である。また、ベースフィルムと熱接着性フィルムとの界面、ベースフィルムと中間層を形成するフィルムとの界面、中間層を形成するフィルムと熱接着性フィルムとの界面には、必要に応じて、金属箔層や金属蒸着層を設けることも可能である。一方、合成樹脂製シートの厚みは、特に限定されないが、内容物に対する保存性能や耐破袋強度等の面から、40〜250μmであると好ましく、110〜180μmであるとより好ましい。
本発明に係るガゼット袋は、上記した合成樹脂製シートを、所定の態様で積層し、その積層体の側部および/または下部(底部)および/または上部(頭部)をヒートシールして袋状にするとともに、上部の左右のコーナーの少なくとも一方に、裁断して内容物の抽出口を形成するための抽出口形成部を設けることによって製造される。
各ヒートシール(側方シール部、底シール部、頭シール部、傾斜シール部等)および裁断は、ガゼット製袋機を用いて、一連の加工として実施することも可能であるし、バッチ(非一連)の加工として実施することも可能である。なお、ヒートシールの温度は、特に限定されないが、ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)フィルムを熱接着性フィルムとする合成樹脂製シートを用いる場合には、170〜210℃の範囲内にするのが好ましい。
また、本発明に係るガゼット袋は、正面視で概ね矩形に形成されるが、その大きさは特に限定されず、高さ、幅ともに概ね50〜350mmの範囲内で、必要に応じて調整することができる。さらに、本発明に係るガゼット袋は、左右両サイドに折り込み部(内向きに二つ折りに折り込んだ部分、所謂、マチ)を設けたものであるが、当該折り込み部の幅(二つ折り部分の幅)は、特に限定されず、概ね10〜75mmの範囲内で必要に応じて調整することができる。加えて、折り込み部の形状や構造も、特に限定されず、必要に応じて適宜変更することができる
一方、裁断して内容物の抽出口を形成するための抽出口形成部は、上部の左右のコーナー(隅部)の内のいずれかに設けることも可能であるし、左右双方のコーナーに設けることも可能である。また、抽出口形成部は、使用者が手によって裁断できるように、端縁にくびれ、ノッチ、切り欠き、切り込みを設ける方法、コーナーにミシン目(非貫通孔を直線状あるいは曲線状に並べて形成したもの)を設ける方法、レーザーで直線状あるいは曲線状に溝を形成する(刻設する)方法等によって形成することができる。加えて、抽出口を大きくする目的で、裁断される線分と直交するように、平行な折り込み線(外向きに凸なもの)を設けたり、合成樹脂製の円筒体を溶着したりすることも可能である。なお、抽出口形成部は、使用者によって裁断される線分の傾斜角度(水平線に対する傾斜角度)が40°以上70°未満となるように形成すると、形成された抽出口から内容物を抽出しやすくなるので好ましい。
<ガゼット袋の構成>
以下、本発明のガゼット袋の一実施例について説明する。図1、図2は、ガゼット袋を示したものであり、ガゼット袋Pは、表裏2枚の略矩形の胴材2a,2b、および、それらの胴材2a,2bの左右の両端縁際に挟み込まれた折り込み材3a,3bによって、正面視が略矩形(縦長な長方形状)となるように形成されており、縦×横=280mm×140mmの大きさを有している。表裏の胴材2a,2bは、厚さ15μmのナイロンフィルム(ベースフィルム)の上に、アルミ蒸着を施した厚さ12μmのポリエステルフィルム(中間層)を、アルミ蒸着面がナイロンフィルムと接合するように積層し、さらにその上に、厚さ130μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(熱接着性フィルム)を積層してなる合成樹脂製シートによって形成されている。そして、それらの胴材2a,2bは、それぞれ、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(熱接着性フィルム)層を内側にした状態で配置されている。
また、図3は、左側の折り込み材3aを示したものであり、左右の各折り込み材3a,3bは、胴材2a,2bと同様な合成樹脂製シートからなる縦長な帯状体を、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム層が内側になるように、所定の幅(約42mm幅)の二つ折りにして、その上端際の部分をさらに斜めに折り曲げた構造を有している。そして、二つ折りした部分が一定の幅を有する定幅部分18を構成し、上端際の四つ折り部分が定幅部分18より幅の狭い幅狭部分19を構成した状態になっている。なお、左側の折り込み材3aと右側の折り込み材3bは、左右対称な構造を有している。それらの折り込み材3a,3bは、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム層を表裏の胴材2a,2bの裏面に対向させた状態で配置されている。
そして、胴材2a,2bと折り込み材3a,3bとの積層部分の内の端縁際の部分をヒートシールすることによって側方シール部5,5・・が形成されている。当該側方シール部5,5・・においては、表側の胴材2aの裏面と折り込み材3a,3bの裏面、および、裏側の胴材2bの裏面と折り込み材3a,3bの裏面が、それぞれ融着し合った状態になっている。
また、側方シール部5,5・・は、一定幅(約7mm)の帯状になっており、下端際の部分が次第に幅広となって幅広部Wを形成した状態になっている。そして、それらの幅広部W,Wの最大幅は、約42mmになっている。加えて、それらの幅広部W,Wには、それぞれ、エアー抜き部6,6が設けられている。また、各側方シール部5,5・・の上部であって折り込み材3の上端際の外側の部分には、略半楕円形状のシール強化部8が設けられており、当該シール強化部8の最大幅は、約20mmになっている。なお、それらのシール強化部8,8によって、胴材2a,2bの間に挟み込まれた折り込み材3a,3bの幅狭部分19(四つ折り部分)が強固に融着された状態になっている。
一方、ガゼット袋Pの下端縁際には、胴材2a,2bを全幅に亘ってヒートシールすることによって、一定の高さ(約13mm)の帯状の底シール部7が形成されており、側方シール部5,5・・の下端際の幅広部W,Wと重なり合った状態になっている。そして、当該底シール部7の中央の部分(側方シール部5,5・・以外の部分)においては、表側の胴材2aの裏面と裏側の胴材2bの裏面とが融着し合った状態になっている。
さらに、底シール部7の左右両端際の部分(マチの部分)には、それぞれ、スポット融着部10,10・・が設けられている。当該スポット融着部10,10・・においては、二つ折りした折り込み材3a,3bを貫通するように貫通孔が設けられており、その貫通孔を介して、表側の胴材2aの裏面と裏側の胴材2bの裏面とが直接的に融着し合った状態になっている。
また、図1、図2の如く、ガゼット袋Pの左上方のコーナー(隅部)には、使用者が手によって裁断して抽出口を形成するための抽出口形成部11が形成されている。すなわち、ガゼット袋Pの左上方のコーナーにおいては、側方シール部5の上端際の部分が、左端縁から中側へ大きく突出した状態になっており(突出部分5p)、約50mmの幅を有している。当該突出部分5pの下端縁は、左上がりに約25°傾斜した状態になっており、突出部5pの右端縁際の高さおよび左端縁際の高さが、それぞれ、約30mm、約20mmになっている。
さらに、ガゼット袋Pの上端縁の左上方のコーナー際には、幅約10mm×高さ(最下部までの高さ)20mmの帯状の切り欠き12が設けられている。そして、その切り欠き12の底辺が、側方シール部5の突出部分5pの下端縁と平行になるように約25°の左上がりの傾斜状になっており、その底辺の左端が鋭角状になっている。そして、上記の如く切り欠き12が形成されていることによって、幅約20mmの摘まみ14が形成された状態になっている。
一方、ガゼット袋Pの左端縁の左上方のコーナー際には、上端縁から約35mm下方の部分に、くびれ13が形成されており、そのくびれ13の最内部が左端縁から約8mm内側に入り込んだ状態になっている。さらに、くびれ13より上方の左端縁が、その他の左端縁(くびれ13を除く)よりも、約5mmだけ内側に位置した状態になっている。そして、それらの切り欠き12およびくびれ13を境界として、ガゼット袋Pの左上方のコーナーに抽出口形成部11が形成された状態になっている。なお、側方シール部5の上端際のくびれ13が形成された部分、および、その上方の部分(突出部分5pを除く)も、一定幅(約7mm)の帯状になっている。
<ガゼット袋の作用>
上記の如く構成されたガゼット袋Pは、ヒートシールされていない上端縁の開口部O(突出部分5pから右端縁の側方シール部5までの部分)から内容物を充填させて用いられる。そして、内容物を充填した後に、その上端縁の開口部Oの胴材2a,2bをヒートシールすることによって、一定の高さで(約5mm〜10mm)の帯状の頭シール部を形成するとともに、ガゼット袋Pを密封する。なお、頭シール部は、突出部分5pおよび右端縁の側方シール部5と重なり合うように形成する。
ガゼット袋Pに上記の如く内容物を充填させると、折り込み材3a,3bの二つ折りになった定幅部分18が拡がるとともに、底シール部7の上方において、表側の胴材2aおよび裏側の胴材2bが、側方シール部5,5の幅広部W,Wの上端際で屈曲して矩形状の底面を形成するため、下側の部分が直方体状となる。そのため、ガゼット袋Pは、安定した状態で起立させることができる。
そして、内容物を抽出する場合には、作業者の手によって、抽出口形成部の切り欠き11の左端の鋭角状の部分を起点として、斜め下方(図1における破線方向)に向けて裁断して抽出口を形成する。なお、胴材2a,2bは、ベースフィルムおよび中間層がいずれも二軸延伸フィルムであるため、容易に手で裁断することができる。そのように抽出口を形成したガゼット袋Pは、従来の(上端縁の中央にスパウトが固着された)ガゼット袋に比べて、小さな傾斜角度で、内容物を抽出することができる。
<ガゼット袋による効果>
ガゼット袋Pは、上記の如く、折り込み部3a,3bが、二つ折りされた一定の幅を有する定幅部分18の上部に、その定幅部分18より幅の狭い幅狭部分19を設けたものであり、上部の左右のコーナーの少なくとも一方に、裁断して内容物の抽出口を形成するための抽出口形成部11が設けられている。それゆえ、ガゼット袋Pは、使用者が抽出口形成部11を手で裁断して抽出口を形成することによって、大きな角度で傾斜させなくても内容物を容易に抽出することができる。また、上端縁以外の周縁を先にヒートシールすることによって袋状物を形成した後に、内容物を充填して上端縁をヒートシールする、という内容物の充填密封方法を採用することができるため、内容物の充填の前後で上下をひっくり返す必要がなくなるので、製造ラインを安価かつシンプルに構成することが可能となる。また、スパウトを介して内容物を抽出する必要がないので、残り少なくなった内容物を滞留させることなく最後までスムーズに抽出することができる。さらに、上部にスパウトを固着させる必要がないので、容易かつ安価に製造することができる。
また、ガゼット袋Pは、側方シール部5,5の折り込み材3a,3bの幅狭部分19,19の外側に相当する部分に、他の部分より幅広なシール強化部8,8が設けられているため、折り込み材3a,3bの幅狭部分19,19が合成樹脂シートを多重に折り畳んで形成されている場合でも、それらの幅狭部分19,19のヒートシール強度がシール強化部8,8によって高められているので、充填した内容物が幅狭部分から漏洩する等の事態が生じない。
さらに、ガゼット袋Pは、左右両サイドがヒートシールされており、それらの側方シール部5,5の下端際が内向きの傾斜状になっているので、内容物を充填した場合に、二つ折りになった折り込み部3a,3bが拡がるとともに、表側のシート(胴材2a)および裏側のシート(胴材2b)が、左右の側方シール部5,5の内向きの傾斜状部分の上端際で屈曲して矩形状の底面を形成するため、下側の部分が直方体状となるので、安定した状態で起立させることができる。
加えて、ガゼット袋Pは、左右両サイドの側方シール部5,5の下端際が上方から下方にかけて次第に幅広になっている(幅広部W,W)ので、内容物を充填した際に、底面の四隅においては、折り込み材3a,3bと側方シール部5,5の幅広な部分W,Wとが重なり合った状態となるため、耐擦傷性に優れており非常に破れにくい。
<ガゼット袋の変更例>
本発明に係るガゼット袋の構成は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、胴材や折り込み部を形成するための合成樹脂製シートの材質、大きさ(高さ、幅、マチの幅、マチの構造等)、底シール部、側方シール部、頭シール部の形状等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。
たとえば、胴材や折り込み部を形成するための合成樹脂製シートは、上記実施形態の如く、ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとポリエチレンフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム)とを積層させたものに限定されず、他の材質の合成樹脂フィルムを積層させたものでも良いし、金属箔や金属蒸着フィルム等を積層させたものでも良い。なお、合成樹脂製シートとして、ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとポリエチレンフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム)とを積層させたものを用いた場合には、胴材や折り込み部の強度が良好なものとなるとともに、ガゼット袋の製造が容易なものとなる。
また、本発明に係るガゼット袋は、上記実施形態の如く、上端縁をヒートシールしていない開口部Oとしたものに限定されず、図4の如く、下端縁をヒートシールしていない開口部Oとしたもの等に変更することも可能である。なお、ガゼット袋を、上記実施形態の如く、上端縁を開口したものとした場合には、内容物の充填の前後で上下をひっくり返す必要がなくなるので、製造ラインを安価かつシンプルに構成することが可能となる。
さらに、本発明に係るガゼット袋は、上記実施形態の如く、左右両サイドの側方シール部5,5の下端際が上方から下方にかけて次第に幅広になったものに限定されず、図5(a)の如く、袋本体1の下端際に、一定幅の側方シール部5a,5aと帯状の傾斜状シール部5b,5bとを設けたものや、図5(b)の如く、袋本体1の下端際に、帯状の傾斜状シール部5c,5cを設けるとともに、それらの傾斜状シール部5c,5cの外側の部分を裁断したもの等に変更することも可能である。加えて、本発明に係るガゼット袋を、図5(a),(b)の如き形状とする場合でも、図6(a),(b)の如く、下端縁をヒートシールされていない開口部Oとすることも可能である(すなわち、下端縁から内容物を充填した後に当該下端縁をヒートシールして使用するものとすることも可能である)。
一方、折り込み部を構成する折り込み材は、上記実施形態の如く、縦長な帯状体を所定の幅の二つ折りにして、その上端際の部分をさらに(前方あるいは後方へ)斜めに折り曲げた構造を有するものに限定されず、図7の如く、縦長な帯状体を所定の幅の二つ折りにして、その上端際の部分を鉛直断面がM字状になるように中側へ斜めに折り曲げた構造を有するものや、図8の如く、二つ折りされた定幅部分の上部に幅狭部分が連なる形状に一体的に形成されたもの等に変更することも可能である。かかる構成を採用した場合でも、上記実施形態のガゼット袋と同様に、抽出口形成部の下側に幅狭な空間(内部空間)が形成されないので、残り少なくなった内容物を滞留させることなく最後までスムーズに抽出することが可能となる。
加えて、抽出口形成部は、上記実施形態の如く、比較的に大きな切り込みを設けたものに限定されず、図9(a)の如く、端縁にノッチあるいは切り込みを設けたもの、図9(b)の如く、コーナーにミシン目(非貫通孔を直線状あるいは曲線状に並べて形成したもの)を設けたもの等に変更することも可能である。また、抽出口形成部は、上記実施形態の如く、2枚の平坦な胴材が重なり合った状態のものに限定されず、図9(c)の如く、抽出口を大きくする目的で、裁断される線分と直交するように、平行な折り込み線(外向きに凸なもの)20,20を設けたものや、図9(d)の如く、合成樹脂製の円筒体21を溶着したもの等に変更することも可能である。さらに、抽出口形成部は、上記実施形態の如く、反対側のコーナー(抽出口形成部を設けていないコーナー)よりも面積が小さくなるように形成されたものに限定されず、図9(e)の如く、反対側のコーナーよりも面積が大きくなるように形成されたものに変更することも可能である。
加えて、本発明に係るガゼット袋は、上記実施形態の如く、左右両サイドのみに折り込み部を形成したものに限定されず、底部にも折り込み部を形成したものとすることも可能である。図10、図11は、そのように底部に折り込み部を形成したガゼット袋(ガゼット袋P)を示したものであり、図12は、ガゼット袋Pにおける左右両サイドおよび底部の折り込み材を示したものである。ガゼット袋Pの底部においては、左右の折り込み材3a,3bの下端縁際の部分が、それぞれ、断面(鉛直な断面)M字状になるように中側へ斜めに折り曲げられており、それらの屈曲部分F,Fの内部に、横長な帯状体を二つ折りにしてなる底部の折り込み材4の左右の両端際が挟み込まれている。なお、当該底部の折り込み材4は、胴材2a,2b,折り込み材3a,3bと同様な合成樹脂製シートによって形成されており、裏面(熱接着性面)を外向きにした状態で二つ折りされている。そして、それらの左右の折り込み材3a,3bおよび底部の折り込み材4の表裏の外側に、胴材2a,2bが重ねられている。
そして、ガゼット袋Pは、上記実施例のガゼット袋Pと同様に、胴材2a,2bと左右の折り込み材3a,3bとの積層部分の内の左右の端縁際の部分を帯状にヒートシールすることによって側方シール部5,5・・が形成されており、当該側方シール部5,5・・が、下端縁まで達した状態になっている。そのため、側方シール部5,5・・の下端際の部分においては、断面M字状の屈曲部分Fの外側では、表側の胴材2aの裏面と折り込み材3a,3bの裏面、および、裏側の胴材2bの裏面と折り込み材3a,3bの裏面が、それぞれ融着し合っており、屈曲部分Fの内側では、折り込み材3a,3bの裏面と底部の折り込み材4の裏面が融着し合っている。また、底部の折り込み部(折り込み材4が挟み込まれた部分)の下端縁際の部分を一定の高さ(約10mm)の帯状にヒートシールすることによって底シール部15,15が形成されている。そして、それらの底シール部15,15においては、表側の胴材2aの裏面と折り込み材4の裏面、および、裏側の胴材2bの裏面と折り込み材4の裏面が、それぞれ融着し合っている。
上記の如く構成されたガゼット袋Pは、内容物を充填すると、底部付近において、左右の折り込み部3a,3bが拡がって矩形の側面を形成するとともに、底部の折り込み部4が拡がって矩形の底面を形成する。それゆえ、きわめて安定した状態で起立させることが可能となる。なお、底部にも折り込み部を設けたガゼット袋を製造する方法は、上記の如く、左右の折り込み材の下端縁際の部分を鉛直断面がM字状になるように中側へ斜めに折り曲げて、それらの屈曲部分の内部に、底部の折り込み材の左右の両端際を挟み込ませる方法に限定されず、図13の如く、長尺な帯状の合成樹脂製シートを所定の態様で折り畳むことによって、左右の折り込み材と底部の折り込み材とを一緒に形成する(連ならせるように形成する)ことも可能である。
本発明のガゼット袋は、上記の如く優れた効果を奏するものであるから、食品、薬品、化粧品、洗剤等の各種の液体や粉体等の包装用袋として好適に用いることができる。
1・・袋本体
2a,2b・・胴材
3a,2b・・折り込み材(左右)
4・・折り込み材(底部)
5・・側方シール部
8・・シール強化部
11・・抽出口形成部
18,18’,18”・・定幅部分
19,19’,19”・・幅狭部分
P,P’,P”,P・・ガゼット袋
W・・幅広部

Claims (5)

  1. 合成樹脂製シートによって左右両側に折り込み部を有する袋状に形成されたガゼット袋であって、
    前記折り込み部が、二つ折りされた一定の幅を有する定幅部分の上部に、その定幅部分より幅の狭い幅狭部分を設けたものであり、
    上部の左右のコーナーの少なくとも一方に、裁断して内容物の抽出口を形成するための抽出口形成部が設けられていることを特徴とするガゼット袋。
  2. 左右両サイドがヒートシールされており、それらの側方シール部の前記折り込み部の幅狭部分の外側に相当する部分に、他の部分より幅広なシール強化部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガゼット袋。
  3. 左右両サイドの側方シール部の下端際が、内向きの傾斜状になっていることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載のガゼット袋。
  4. 左右両サイドの側方シール部の下端際が、上方から下方にかけて次第に幅広になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガゼット袋。
  5. 底部に、二つ折りされた一定の幅を有する折り込み部が設けられていることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載のガゼット袋。
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