JP2017059749A - 積層コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】素体領域の厚みを十分に確保しつつ、素体の内部応力を緩和する。【解決手段】積層コイル部品は、素体内において積層方向に互いに離間しており、且つ、互いに電気的に接続されている複数のコイル導体21、22、23を含んでいるコイルと、各コイル導体の表面21d、22d、23dに接しており、且つ、粉体31c〜33cが存在している複数の応力緩和空間31、32、33と、を備える。素体は、素体領域11a,11bを有し、各応力緩和空間は、各コイル導体との第一境界面31aと、素体領域11a、11bとの第二境界面31bと、を有する。第一境界面31aと第二境界面31bとは、積層方向で対向しており、各応力緩和空間の厚みLaは、素体領域11a、11bの積層方向での厚みLbよりも小さい。【選択図】図7

Description

本発明は、積層コイル部品に関する。
特許文献1に記載されているように、磁性材料を含んでいる素体と、素体内において第一方向に互いに離間して配置された複数の内部導体を含んでいるコイルと、コイルの全体を囲むように形成されている応力緩和部と、を備えた積層コイル部品が知られている。
特許文献1に記載の積層コイル部品では、コイルの全体を囲むように応力緩和部が形成されている。この場合、応力緩和部は粉体で構成されているため、素体の強度が低下するという問題がある。そこで、特許文献2に記載された積層コイル部品のように、コイルの全体ではなくコイルを構成する各内部導体を囲むように応力緩和部が形成された積層コイル部品も知られている。
特開2006−253322号公報 特開平6−96953号公報
上記特許文献2に記載された積層コイル部品において、素体には、第一方向で隣り合う各内部導体の間に位置している素体領域を有している。この素体領域の第一方向での厚み(以下、単に「素体領域の厚み」ともいう)は、第一方向で隣り合う各内部導体の間隔よりも、狭くなっている。よって、応力緩和部が厚くなると、素体領域の厚みを確保し難くなる。この場合に、例えば、磁路長を変えることなく各内部導体の断面積を小さくすることで素体領域の厚みを確保しようとすると、各内部導体の直流抵抗が大きくなってしまうという問題がある。また、各内部導体の断面積を変えることなく磁路長を長くすることで素体領域の厚みを確保しようとすると、素体全体が厚くなってしまい積層コイル部品の小型化が図れないという問題がある。
素体領域の厚みを十分に確保できないと、第一方向で隣り合う各内部導体の間にクラックが生じること等により、各内部導体間が短絡する層間短絡が生じる可能性がある。よって、素体領域の厚みを十分に確保しつつ、素体の内部応力を緩和することができる積層コイル部品が求められる。
そこで、本発明は、素体領域の厚みを十分に確保しつつ、素体の内部応力を緩和することができる積層コイル部品を提供することを目的とする。
本発明に係る積層コイル部品は、磁性材料を含んでいる素体と、素体内において第一方向に互いに離間しており且つ互いに電気的に接続されている複数の内部導体を含んでいるコイルと、各内部導体の表面に接しており且つ粉体が存在している複数の応力緩和空間と、を備え、素体は、第一方向で隣り合う各内部導体の間に位置している素体領域を有し、各応力緩和空間は、各内部導体との第一境界面と、素体領域との第二境界面と、を有し、第一境界面と第二境界面とは、第一方向で対向しており、第一境界面から第二境界面までの距離は、素体領域の第一方向での厚みよりも小さい。
本発明に係る積層コイル部品では、粉体が存在している各応力緩和空間が各内部導体の表面に接しているため、第一方向で隣り合う各内部導体とその間に位置している素体領域との間に各応力緩和空間が介在している。これにより、各内部導体と素体との熱収縮率の差等に起因して素体内に生じる内部応力を緩和することができる。応力緩和空間の第一境界面から第二境界面までの距離は、応力緩和空間の第一方向での厚み(以下、単に「応力緩和の厚み」ともいう)である。この応力緩和の厚みが、第一方向で隣り合う各内部導体の間に位置している素体領域の第一方向での厚み(以下、単に「素体領域の厚み」ともいう)よりも小さい。すなわち、素体領域の厚みは、少なくとも応力緩和空間の厚みよりも大きい。よって、第一方向で隣り合う各内部導体とその間に位置している素体領域との間に応力緩和空間が介在している場合であっても、介在している応力緩和空間に比べて、十分な素体領域の厚みを確保することができる。以上より、素体領域の厚みを十分に確保しつつ、素体の内部応力を緩和することができる。
本発明に係る積層コイル部品において、各内部導体は、第一方向の一方側を向いている第一表面と、第一方向の他方側を向いている第二表面と、を有し、各応力緩和空間が接している表面は、第一表面であってもよい。この場合、各内部導体の第一表面及び第二表面のうち、第一表面に各応力緩和空間が接している。すなわち、各応力緩和空間は、各内部導体の第一表面に形成されている。このため、各応力緩和空間が第一表面及び第二表面の両方に形成されている場合よりも、各応力緩和空間を容易に形成することができると共に、素体領域の厚みをより確保し易い。
本発明に係る積層コイル部品において、第一表面は、平面状であってもよい。この場合、平面状の第一表面に各応力緩和空間が接している。すなわち、各応力緩和空間が形成されている第一表面が平面状であるため、各応力緩和空間を容易に形成することができる。
本発明に係る積層コイル部品において、第一表面は、第一方向に対して直交する方向に延びている第一面部と、第一方向及び第一面部に対して傾斜している第二面部と、を有し、各応力緩和空間は、第一面部と、第二面部とに接していてもよい。この場合、各内部導体の第一表面が第一面部と第二面部とを有している場合であっても、各応力緩和空間が第一面部と第二面部とに接していることにより、確実に素体の内部応力を緩和することができる。
本発明に係る積層コイル部品において、粉体の平均粒径は、0.1μm以下であってもよい。この場合、粉体の流動性が良いため、素体と内部導体との熱収縮率差に応じた挙動に対し粉体が柔軟に追従することができ、より確実に素体の内部応力を緩和することができる。
本発明に係る積層コイル部品において、粉体の材料は、ZrOであってもよい。この場合、ZrOは素体に含まれている磁性材料である例えばフェライト材料等に対して影響し難いため、好適である。さらに、ZrOは素体に含まれている磁性材料である例えばフェライト材料等の焼成温度よりも融点がかなり高いため、確実に粉体として存在することができる。
本発明に係る積層コイル部品において、各内部導体は、金属酸化物を含有していてもよい。この場合、各内部導体を構成する導電性ペーストの焼成時における収縮率を小さくすることができるため、各内部導体の断面積を大きくすることができる。そして、このように各内部導体の断面積を大きくした場合にも、応力緩和空間によって素体の内部応力を緩和することができる。
本発明によれば、素体領域の厚みを十分に確保しつつ、素体の内部応力を緩和することができる積層コイル部品が提供される。
本発明の第1実施形態に係る積層コイル部品を示す斜視図である。 図1に示す積層コイル部品の分解斜視図である。 各コイル導体を示す平面図である。 各コイル導体を示す平面図である。 各コイル導体を示す平面図である。 図1のVI-VI線に沿った素体の断面図である。 図6の一部を拡大して示す図である。 第2実施形態に係る積層コイル部品の分解斜視図である。 各引出導体を示す平面図である。 第2実施形態に係る積層コイル部品の断面図である。 第3実施形態に係る積層コイル部品の分解斜視図である。 各コイル導体を示す平面図である。 各コイル導体を示す平面図である。 各コイル導体を示す平面図である。 第3実施形態に係る積層コイル部品の断面図である。 図15の一部を拡大して示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態に係る積層コイル部品を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る積層コイル部品を示す斜視図である。図2は、図1に示す積層コイル部品の分解斜視図である。図3〜図5は、各コイル導体を示す平面図である。図6は、図1のVI-VI線に沿った素体の断面図である。図7は、図6の一部を拡大して示す図である。なお、図2の分解斜視図では、素体を構成する複数の磁性体層及び素体の両端部に配置された外部電極の図示を省略している。また、図6の断面図では、素体の両端部に配置された外部電極の図示を省略している。
図1に示されるように、積層コイル部品1は、素体2と、素体2の両端部にそれぞれ配置された一対の外部電極4,5と、を備えている。
素体2は、直方体形状を呈している。素体2は、その外表面として、互いに対向する一対の端面2a,2bと、一対の端面2a,2bを連結するように一対の端面2a,2bの対向方向に延びる四つの側面2c,2d,2e,2fと、を有している。側面2dは、例えば積層コイル部品1を図示しない他の電子機器(例えば、回路基板、又は、電子部品等)に実装する際、他の電子機器と対向する面として規定される。
各端面2a,2bの対向方向と、各側面2c,2dの対向方向と、各側面2e,2fの対向方向とは、互いに略直交している。なお、直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。
素体2は、複数の磁性体層11(図3〜図6参照)が積層されることによって構成されている。各磁性体層11は、素体2の各側面2c,2dの対向方向に積層されている。すなわち、各磁性体層11の積層方向は、素体2の各側面2c,2dの対向方向と一致している。以下、各側面2c,2dの対向方向を「積層方向」ともいう。各磁性体層11は、略矩形形状を呈している。本実施形態では、素体2の側面2d側を積層方向の一方側とし、素体2の側面2e側を積層方向の他方側として説明する。
各磁性体層11は、例えば磁性材料(Ni−Cu−Zn系フェライト材料、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト材料、又はNi−Cu系フェライト材料等)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体2では、各磁性体層11は、その層間の境界が視認できない程度に一体化されている(図6参照)。なお、各磁性体層11を構成するセラミックグリーンシートの磁性材料には、Fe合金等が含まれていてもよい。
外部電極4は、素体2の端面2aに配置されており、外部電極5は、素体2の端面2bに配置されている。すなわち、各外部電極4,5は、一対の端面2a,2bの対向方向に互いに離間して位置している。各外部電極4,5は、平面視で略矩形形状を呈しており、その角が丸められている。各外部電極4,5は、導電材(例えば、Ag又はPd等)を含んでいる。各外部電極4,5は、導電性金属粉末(例えば、Ag粉末又はPd粉末等)及びガラスフリットを含む導電性ペーストの焼結体として構成される。各外部電極4,5には、電気めっきが施されることにより、その表面にはめっき層が形成されている。電気めっきには、例えばNi、Sn等が用いられる。
外部電極4は、端面2a上に位置する電極部分4aと、側面2d上に位置する電極部分4bと、側面2c上に位置する電極部分4cと、側面2e上に位置する電極部分4dと、側面2f上に位置する電極部分4eと、の5つの電極部分を含んでいる。電極部分4aは、端面2aの全面を覆っている。電極部分4bは、側面2dの一部を覆っている。電極部分4cは、側面2cの一部を覆っている。電極部分4dは、側面2eの一部を覆っている。電極部分4eは、側面2fの一部を覆っている。5つの電極部分4a,4b,4c,4d,4eは、一体的に形成されている。
外部電極5は、端面2b上に位置する電極部分5aと、側面2d上に位置する電極部分5bと、側面2c上に位置する電極部分5cと、側面2e上に位置する電極部分5dと、側面2f上に位置する電極部分5eと、の5つの電極部分を含んでいる。電極部分5aは、端面2bの全面を覆っている。電極部分5bは、側面2dの一部を覆っている。電極部分5cは、側面2cの一部を覆っている。電極部分5dは、側面2eの一部を覆っている。電極部分5eは、側面2fの一部を覆っている。5つの電極部分5a,5b,5c,5d,5eは、一体的に形成されている。
図2〜図6に示されるように、積層コイル部品1は、複数のコイル導体21,22,23(複数の内部導体)と、複数の引出導体24,25と、複数の応力緩和空間31,32,33と、を素体2内に備えている。なお、図2では、各応力緩和空間31〜33を、一点鎖線で示している。
各コイル導体21〜23及び各引出導体24,25は、積層方向(第一方向)に互いに離間して配置されている。各コイル導体21〜23及び各引出導体24,25は、積層方向で略同じ厚みを有している(図6参照)。各コイル導体21〜23の端部同士は、各スルーホール導体12b,12cにより接続されている。具体的に、コイル導体21の端部T1とコイル導体22の端部T2とは、スルーホール導体12bにより接続されている。コイル導体22の端部T3とコイル導体23の端部T4とは、スルーホール導体12cにより接続されている。このように、各コイル導体21〜23の各端部T1〜T4同士がスルーホール導体12b,12cを介して接続されていることにより、素体2内に、コイル20が構成されている。すなわち、積層コイル部品1は、素体2内に、コイル20を備えている。コイル20は、積層方向に互いに離間しており且つ互いに電気的に接続されている複数のコイル導体21〜23を含んでいる。コイル20は、積層方向に沿った軸心を有している。
コイル導体21は、各コイル導体21〜23のうち、積層方向で素体2の側面2cに最も近い位置に配置されている。コイル導体21の端部E1は、コイル20の一方の端部E1を構成している。コイル導体23は、各コイル導体21〜23のうち、積層方向で素体2の側面2dに最も近い位置に配置されている。コイル導体23の端部E2は、コイル20の他方の端部E2を構成している。各コイル導体21〜23は、断面略台形形状を有している(図6参照)。なお、各コイル導体21〜23の断面形状等の詳細については、図7を参照して後述する。
引出導体24は、コイル導体21よりも積層方向で素体2の側面2c側に配置されている。引出導体24とコイル導体21とは、積層方向で隣り合っている。引出導体24の端部T5は、スルーホール導体12aによってコイル導体21の端部E1と接続されている。すなわち、引出導体24とコイル20の端部E1とが、スルーホール導体12aによって接続されている。
引出導体24の端部24aは、素体2の端面2bに露出しており、端面2bを覆う外部電極5の電極部分5aと接続されている。すなわち、引出導体24と外部電極5とが接続されている。したがって、コイル20の端部E1と外部電極5とは、引出導体24及びスルーホール導体12aを介して電気的に接続されている。
引出導体25は、コイル導体23よりも積層方向で素体2の側面2d側に配置されている。引出導体25とコイル導体23とは、積層方向で隣り合っている。引出導体25の端部T6は、スルーホール導体12dによってコイル導体23の端部E2と接続されている。すなわち、引出導体25とコイル20の端部E2とが、スルーホール導体12dによって接続されている。
引出導体25の端部25aは、素体2の端面2aに露出しており、端面2aを覆う外部電極4の電極部分4aと接続されている。すなわち、引出導体25と外部電極4とが接続されている。したがって、コイル20の端部E2と外部電極4とは、引出導体25及びスルーホール導体12dを介して電気的に接続されている。
各コイル導体21〜23、各引出導体24,25、及び各スルーホール導体12a〜12dは、例えば導電材(例えば、Ag又はPd等)を含んでいる。各コイル導体21〜23、各引出導体24,25、及び各スルーホール導体12a〜12dは、導電性金属粉末(例えば、Ag粉末又はPd粉末等)を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。各コイル導体21〜23、各引出導体24,24、及び各スルーホール導体12a,12dには、例えば金属酸化物(TiO、Al3、ZrO等)が含有されていてもよい。この場合、各コイル導体21〜23、各引出導体24,24、及び各スルーホール導体12a,12dは、上記金属酸化物を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。この場合によれば、導電性ペーストの焼成時における収縮率を小さくすることができる。
各応力緩和空間31,32,33は、各コイル導体21〜23に接している。各応力緩和空間31〜33は、各粉体31c,32c,33cが存在している空間であって、素体2内の素体領域と各コイル導体21〜23との間に介在することで、素体2内に生じる内部応力を緩和する。各粉体31c,32c,33cの材料は、例えばZrO等である。ZrOの融点は、例えば約2700℃以上であって、フェライト材料の焼成温度よりかなり高い。各粉体31c,32c,33cの平均粒径は、例えば0.1μm以下である。
応力緩和空間31は、積層方向でコイル導体21とコイル導体22との間に位置している。図3に示されるように、応力緩和空間31は、積層方向でコイル導体21の下側(素体2の側面2d側)の表面21d(図7参照)に形成されている。応力緩和空間31は、コイル導体21の端部T1以外の部分に沿っている。すなわち、応力緩和空間31は、コイル導体21におけるスルーホール導体12bとの接続部分である端部T1を覆わないようになっている。応力緩和空間31は、積層方向から見て、コイル導体21からはみ出さないように形成されている。
応力緩和空間32は、積層方向でコイル導体22とコイル導体23との間に位置している。図4に示されるように、応力緩和空間32は、積層方向でコイル導体22の下側(素体2の側面2d側)の表面22d(図7参照)に形成されている。応力緩和空間32は、コイル導体22の端部T3以外の部分に沿っている。すなわち、応力緩和空間32は、コイル導体22におけるスルーホール導体12cとの接続部分である端部T3を覆わないようになっている。応力緩和空間32は、積層方向から見て、コイル導体22からはみ出さないように形成されている。
応力緩和空間33は、積層方向でコイル導体23と引出導体25との間に位置している。図5に示されるように、応力緩和空間33は、積層方向でコイル導体23の下側(素体2の側面2d側)の表面23d(図7参照)に形成されている。応力緩和空間33は、コイル導体23の端部E2以外の部分に沿っている。すなわち、応力緩和空間33は、コイル導体23におけるスルーホール導体12dとの接続部分である端部E2を覆わないようになっている。応力緩和空間33は、積層方向から見て、コイル導体23からはみ出さないように形成されている。
図6に示されるように、素体2は、積層方向で互いに隣り合う各コイル導体21〜23及び各引出導体24,25の間に、素体領域11a〜11dを有している。素体領域11aは、コイル導体21とコイル導体22との間に位置している。素体領域11aは、応力緩和空間31とコイル導体22との間に挟まれている。素体領域11bは、コイル導体22とコイル導体23との間に位置している。素体領域11bは、応力緩和空間32とコイル導体23との間に挟まれている。素体領域11cは、コイル導体23と引出導体25との間に位置している。素体領域11cは、応力緩和空間33と引出導体25との間に挟まれている。素体領域11dは、コイル導体21と引出導体24との間に位置している。素体領域11dは、コイル導体21と引出導体24との間に挟まれている。
次に、図7を参照して、各コイル導体21〜23及び各応力緩和空間31〜33の断面構成について詳細に説明する。図7は、図6の断面図における各コイル導体21〜23の一部(素体2の端面2a側の部分)を含む領域を拡大して示している。なお、図6の断面図における各コイル導体21〜23の素体2の端面2b側の部分を含む領域は図7と同様であるため図示を省略している。
図7に示されるように、コイル導体21は、表面21dと、表面21eとを有している。表面21dは、素体2の側面2d側を向いており、表面21eは、素体2の側面2c側を向いている。すなわち、本実施形態では、表面21dが積層方向の一方側を向いている第一表面であり、表面21eが積層方向の他方側を向いている第二表面である。表面21dは、平面状であって、積層方向に対して略直交している。表面21eは、平面部21a(第一面部)と、二つの傾斜部21b,21c(第二面部)とを有している。
平面部21aは、平面状であって、表面21dに対して略平行である。すなわち、平面部21aは、積層方向に対して直交する方向に延びている。平面部21aは、表面21dよりも小さい面積を有している。各傾斜部21b,21cは、傾斜状であって、積層方向及び表面21dに対して傾斜している。傾斜部21bと傾斜部21cとは、互いに対向しており、それぞれ表面21dと平面部21aとの間を連結するように形成されている。傾斜部21bは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、素体2の端面2a側から端面2b側へ傾斜している。傾斜部21cは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、素体2の端面2b側から端面2a側へ傾斜している。すなわち、傾斜部21bと傾斜部21cとは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、互いに近づくように傾斜している。
コイル導体22は、表面22dと、表面22eとを有している。表面22dは、素体2の側面2d側を向いており、表面22eは、素体2の側面2c側を向いている。すなわち、本実施形態では、表面22dが積層方向の一方側を向いている第一表面であり、表面22eが積層方向の他方側を向いている第二表面である。表面22dは、平面状であって、積層方向に対して略直交している。表面22eは、平面部22a(第一面部)と、二つの傾斜部22b,22c(第二面部)とを有している。
平面部22aは、平面状であって、表面22dに対して略平行である。すなわち、平面部22aは、積層方向に対して直交する方向に延びている。平面部22aは、表面22dよりも小さい面積を有している。各傾斜部22b,22cは、傾斜状であって、積層方向及び表面22dに対して傾斜している。傾斜部22bと傾斜部22cとは、互いに対向しており、それぞれ表面22dと平面部22aとの間を連結するように形成されている。傾斜部22bは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、素体2の端面2a側から端面2b側へ傾斜している。傾斜部22cは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、素体2の端面2b側から端面2a側へ傾斜している。すなわち、傾斜部22bと傾斜部22cとは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、互いに近づくように傾斜している。
コイル導体23は、表面23dと、表面23eとを有している。表面23dは、素体2の側面2d側を向いており、表面23eは、素体2の側面2c側を向いている。すなわち、本実施形態では、表面23dが積層方向の一方側を向いている第一表面であり、表面23eが積層方向の他方側を向いている第二表面である。表面23dは、平面状であって、積層方向に対して略直交している。表面23eは、平面部23a(第一面部)と、二つの傾斜部23b,23c(第二面部)とを有している。
平面部23aは、平面状であって、表面23dに対して略平行である。すなわち、平面部23aは、積層方向に対して直交する方向に延びている。平面部23aは、表面23dよりも小さい面積を有している。各傾斜部23b,23cは、傾斜状であって、積層方向及び表面23dに対して傾斜している。傾斜部23bと傾斜部23cとは、互いに対向しており、それぞれ表面23dと平面部23aとの間を連結するように形成されている。傾斜部22bは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、素体2の端面2a側から端面2b側へ傾斜している。傾斜部22cは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、素体2の端面2b側から端面2a側へ傾斜している。すなわち、傾斜部23bと傾斜部23cとは、積層方向で素体2の側面2d側から側面2c側に向かうにつれて、互いに近づくように傾斜している。
応力緩和空間31は、コイル導体21との第一境界面31aと、素体領域11aとの第二境界面31bとを有している。第一境界面31aは、コイル導体21の表面21dに接している。第二境界面31bは、素体領域11aに接している。第一境界面31aと第二境界面31bとは、積層方向で対向している。
応力緩和空間32は、コイル導体22との第一境界面32aと、素体領域11bとの第二境界面32bとを有している。第一境界面32aは、コイル導体22の表面22dに接している。第二境界面31bは、素体領域11bに接している。第一境界面32aと第二境界面32bとは、積層方向で対向している。
応力緩和空間33は、コイル導体23との第一境界面33aと、素体領域11cとの第二境界面33bとを有している。第一境界面33aは、コイル導体23の表面23dに接している。第二境界面32bは、素体領域11cに接している。第一境界面33aと第二境界面33bとは、積層方向で対向している。
各応力緩和空間31〜33の積層方向での厚み(以下、単に「厚みLa」ともいう)は、互いに対向している第一境界面31a〜33aと第二境界面31b〜33bとの間の距離として規定される。本実施形態において、応力緩和空間31の厚みLaは、第一境界面31aから第二境界面31bまでの距離である。応力緩和空間32の厚みLaは、第一境界面32aから第二境界面32bまでの距離である。応力緩和空間33の厚みLaは、第一境界面33aから第二境界面33bまでの距離である。各応力緩和空間31〜33の厚みLaは、いずれも略等しい。
各素体領域11a,11bの積層方向での厚み(以下、単に「厚みLb」ともいう。)は、素体領域11a,11bの積層方向での最短距離として規定される。本実施形態において、素体領域11aの厚みLbは、第二境界面31bから平面部22aまでの距離である。素体領域11bの厚みLbは、第二境界面32bから平面部23aまでの距離である。各素体領域11a,11bの厚みLbは、互いに略等しい。
各応力緩和空間31〜33の厚みLaは、各素体領域11a,11bの厚みLbよりも小さい。すなわち、素体領域11a,11bの厚みLbは、少なくとも応力緩和空間31〜33の厚みLaよりも大きい。よって、各コイル導体21,22間では、応力緩和空間31に比べて十分な素体領域11aの厚みLbを確保することができる。各コイル導体22,23間では、応力緩和空間32に比べて十分な素体領域11bの厚みLbを確保することができる。具体的には、各応力緩和空間31〜33の厚みLaは、例えば約1〜2μm程度である。これに対し、各素体領域11a,11bの厚みLbは、例えば約3〜30μm程度である。各素体領域11a,11bの厚みLbと各応力緩和空間31〜33の厚みLaとの差は、例えば5〜20以上であることが好ましい。
なお、素体領域11cの積層方向での厚みは、図示は省略するが、素体領域11a,11bの厚みLb同様、素体領域11cの積層方向での最短距離として規定される。素体領域11cの積層方向での厚みは、素体領域11a,11bの厚みLbと略同じである。以下、素体領域11cの積層方向での厚みについても、単に「厚みLb」ともいう。応力緩和空間33の厚みLaは、素体領域11cの厚みLbよりも小さい。すなわち、素体領域11cの厚みLbは、少なくとも応力緩和空間33の厚みLaよりも大きい。よって、コイル導体23と引出導体25との間では、応力緩和空間33に比べて十分な素体領域11cの厚みLbを確保することができる。
ここで、各応力緩和空間31〜33は、各粉体31c〜33cでその全体が満たされていてもよく、各粉体31c〜33c同士の間に空隙等が形成されていてもよい。すなわち、各粉体31c〜33cは、各コイル導体21〜23及び各素体領域11a〜11cに接するように各応力緩和空間31〜33内に密集して存在していてもよいし、各コイル導体21〜23及び各素体領域11a〜11cの少なくとも一方との間に空隙を有するように存在していてもよい。空隙等は、例えば各応力緩和空間31〜33を形成するための材料に含有させた有機溶剤等が焼成時に消失すること等に起因して形成される。
このような空隙が形成されている場合であっても、各応力緩和空間31〜33の厚みLaは、上述したように、各コイル導体21〜23との各第一境界面31a〜33aと、素体領域11a〜11cとの各第二境界面31b〜33bとの間の距離として規定される。すなわち、各応力緩和空間31〜33の厚みLaは、空隙を除いた各粉体31c〜33cが存在している領域だけの厚みではなく、空隙を含めた各応力緩和空間31〜33の厚みとして規定される。
なお、素体2内には、例えば素体2を形成する材料と各コイル導体21〜23及び各引出導体24,25を形成する材料との熱収縮率の差等によって、素体2内の素体領域と各コイル導体21〜23及び各引出導体24,25との間に空隙等が形成されていてもよい。すなわち、素体領域11a〜11cは、各コイル導体21〜23及び引出導体24,25と接していない空隙等を有していてもよい。このような空隙が形成されている場合であっても、素体領域11a〜11cの厚みLbは、上述したように、素体領域11a〜11cの積層方向での最短距離として規定される。空隙が形成されている場合、空隙が形成されていない場合よりも、この素体領域11a〜11cの積層方向での最短距離が小さくなる。例えば、空隙が形成されていない場合には、素体領域11aの厚みLbは、第二境界面31bから平面部22aまでの距離であるが、例えば素体領域11aと平面部22aとの間に空隙が形成されている場合には、素体領域11aの厚みLbは、第二境界面31bから当該空隙との境界面までの距離である。また、空隙が形成されていない場合には、素体領域11bの厚みLbは、第二境界面32bから平面部23aまでの距離であるが、例えば素体領域11bと平面部23aとの間に空隙が形成されている場合には、第二境界面32bから当該空隙との境界面までの距離である。
次に、磁性体層11となる未焼成のセラミックグリーンシート上に、各コイル導体21〜23に対応する導体パターンと、各応力緩和空間31〜33に対応する粉体パターンとを形成する方法について説明する。
まず、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷等によってZrO等のペーストを付与することにより、焼成後に各応力緩和空間31〜33となる各粉体パターンが形成される。ZrO等のペーストは、ZrO粉末と有機溶剤及び有機バインダ等とを混合して作製される。続いて、セラミックグリーンシート上に形成された各粉体パターン上に、スクリーン印刷等によって上記の導電性ペーストを付与することにより、焼成後に各コイル導体21〜23となる各導体パターンが形成される。導電性ペーストは、導体粉末と有機溶剤及び有機バインダ等とを混合して作製される。各導体パターンは、焼成により焼結されて各コイル導体21〜23となる。各粉体パターンは、焼成により各粉体31c〜33cが存在している応力緩和空間31〜33となる。各応力緩和空間31〜33に存在している粉体31c〜33cは、焼成前の各粉体パターンの形成に用いられるZrO粉末の平均粒径と略同じである。
なお、各引出導体24,25は、磁性体層11を構成することとなるセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷等によって上記の導電性ペーストを付与することにより各引出導体24,25に対応する各導体パターンを形成し、この各導体パターンが焼成により焼結されて形成される。各スルーホール導体12a〜12dは、磁性体層11を構成することとなるセラミックグリーンシート上に形成された各貫通孔に充填された上記導電性ペーストが焼成により焼結されて形成される。セラミックグリーンシート上に形成された各導体パターンと、貫通孔に充填された各導電性ペーストとは、一体化しており、焼成によって一体的且つ同時に形成される。
以上、本実施形態に係る積層コイル部品1によれば、各粉体31c〜33cが存在している各応力緩和空間31〜33が各コイル導体21〜23の表面21d〜23dに接しているため、積層方向で隣り合う各コイル導体21〜23と素体領域11a,11bとの間に各応力緩和空間31,32が介在している。これにより、各コイル導体21〜23と素体2との熱収縮率の差等に起因して素体内に生じる内部応力を緩和することができる。各応力緩和空間31〜33の厚みLaが、各素体領域11a,11bの厚みLbよりも小さい。すなわち、各素体領域11a,11bの厚みLbは、少なくとも各応力緩和空間31,32の厚みLaよりも大きい。よって、積層方向で隣り合う各コイル導体21〜23と素体領域11a,11bとの間に各応力緩和空間31,32が介在している場合であっても、介在している各応力緩和空間31,32に比べて十分な素体領域11a,11bの厚みLbを確保することができる。以上より、素体領域11a,11bの厚みLbを十分に確保しつつ、素体2の内部応力を緩和することができる。
積層コイル部品1によれば、各コイル導体21〜23の表面21d〜23d及び表面21e〜23eのうち、表面21d〜23dに各応力緩和空間31〜33が接している。すなわち、各応力緩和空間31〜33は、各コイル導体21〜23の表面21d〜23dに形成されている。このため、各応力緩和空間31〜33が表面21d〜23d及び表面21e23eの両方に形成されている場合よりも、各応力緩和空間31〜33を容易に形成することができると共に、素体領域11a,11bの厚みをより確保し易い。さらに、各応力緩和空間31〜33が形成されていない表面21e〜23eは各応力緩和空間31〜33を介さずに素体2と結合されるため、表面21e〜23eと素体2との結合強度を高めることができる。
積層コイル部品1によれば、平面状の表面21d〜23dに各応力緩和空間31〜33が接している。すなわち、各応力緩和空間31〜33が形成されている表面21d〜23dが平面状であるため、各応力緩和空間31〜33を容易に形成することができる。
積層コイル部品1によれば、粉体31c〜33cの平均粒径は0.1μm以下であり、粉体31c〜33cの流動性が良いため、素体2とコイル導体21〜23との熱収縮率差に応じた挙動に対し粉体31c〜33cが柔軟に追従することができ、より確実に素体2の内部応力を緩和することができる。
積層コイル部品1によれば、粉体の材料がZrOであり、ZrOは素体2に含まれているフェライト材料等に対して影響し難いため、好適である。さらに、ZrOは素体2に含まれているフェライト材料等の焼成温度よりも融点がかなり高いため、確実に粉体として存在することができる。
積層コイル部品1によれば、各コイル導体21〜23が金属酸化物を含有しており、各コイル導体21〜23を構成する導電性ペーストの焼成時における収縮率を小さくすることができるため、各コイル導体の断面積を大きくすることができる。そして、このように各コイル導体21〜23の断面積を大きくした場合にも、応力緩和空間31〜33によって素体2の内部応力を緩和することができる。
なお、積層コイル部品1によれば、各引出導体24,25には各応力緩和空間が形成されていない。このため、各引出導体24,25と磁性体層11との密着性が良く、各引出導体24,25の各端部24a,25a(すなわち、素体2の各端面2a,2bに露出している部分)からめっき液が浸入することを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図8〜図10を参照して、第2実施形態に係る積層コイル部品について説明する。図8は、第2実施形態に係る積層コイル部品の分解斜視図である。図9は、各引出導体を示す平面図である。図10は、第2実施形態に係る積層コイル部品の断面図である。図9は、図6に対応している。なお、図8の分解斜視図では、素体を構成する複数の磁性体層及び素体の両端部に配置された外部電極の図示を省略している。また、図10の断面図では、素体の両端部に配置された外部電極の図示を省略している。また、本実施形態に係る積層コイル部品の斜視図であって図1に対応する図は、図1と同様であるため、図示を省略する。
図8〜図10に示されるように、第2実施形態に係る積層コイル部品1Aは、第1実施形態に係る積層コイル部品1と同様、素体2と、素体2の両端部にそれぞれ配置された一対の外部電極4,5(図1参照)と、複数のコイル導体21〜23と、複数の引出導体24,25と、複数の応力緩和空間31〜33と、を備えている。第2実施形態に係る積層コイル部品1Aが上記の積層コイル部品1と異なる点は、各引出導体24,25に接している応力緩和空間34,35を更に備えている点である。応力緩和空間34,35は、各粉体34c,35c(図8参照)が存在している空間であって、素体2内の素体領域と各引出導体24,25との間に介在することで、素体2内に生じる内部応力を緩和する。各粉体34c,35cの材料は、例えばZrO等である。各粉体34c,35cの平均粒径は、例えば0.1μm以下である。
図8に示されるように、応力緩和空間34は、積層方向で引出導体24とコイル導体21との間に位置している。図9の(a)に示されるように、応力緩和空間34は、積層方向で引出導体24の下側(素体2の側面2d側)の表面24d(図10参照)に形成されている。応力緩和空間34は、引出導体24の端部T5及び端部24a以外の部分に沿っている。すなわち、応力緩和空間34は、スルーホール導体12aとの接続部分である端部T5と、外部電極4との接続部分である端部24aとを覆わないようになっている。応力緩和空間34は、積層方向から見て、引出導体24からはみ出さないように形成されている。
応力緩和空間35は、積層方向で引出導体25とコイル導体23との間に位置している。図9の(b)に示されるように、応力緩和空間35は、積層方向で引出導体25の下側(素体2の側面2d側)の表面25d(図10参照)に形成されている。応力緩和空間35は、引出導体25の端部T6及び端部25a以外の部分に沿っている。すなわち、応力緩和空間35は、スルーホール導体12dとの接続部分である端部T6と、外部電極4との接続部分である端部25aとを覆わないようになっている。応力緩和空間35は、積層方向から見て、引出導体25からはみ出さないように形成されている。
図10に示されるように、応力緩和空間34は、引出導体24との第一境界面34aと、素体領域11dとの第二境界面34bとを有している。第一境界面34aは、引出導体24の表面24dに接している。第二境界面34bは、素体領域11dに接している。なお、上記実施形態において、素体領域11dは、コイル導体21と引出導体24との間に挟まれているが、本実施形態において、素体領域11dは、コイル導体21と応力緩和空間34との間に挟まれている。第一境界面34aと第二境界面34bとは、積層方向で対向している。
応力緩和空間35は、引出導体25との第一境界面35aと、素体2における引出導体25と側面2dとの間の素体領域との第二境界面35bとを有している。第一境界面35aは、引出導体25の表面25dに接している。第二境界面35bは、素体2における引出導体25と側面2dとの間の素体領域に接している。第一境界面35aと第二境界面35bとは、積層方向で対向している。
各応力緩和空間34,35の積層方向での厚みは、図示は省略するが、各応力緩和空間34,35の厚みLaと同様、互いに対向している第一境界面34a,35aと第二境界面34b,35bとの間の距離として規定される。以下、各応力緩和空間34,35の積層方向での厚みについても、単に「厚みLa」ともいう。応力緩和空間34の厚みLaは、第一境界面34aから第二境界面34bまでの距離である。応力緩和空間35の厚みLaは、第一境界面35aから第二境界面35bまでの距離である。各応力緩和空間34,35の厚みLaは、いずれも各応力緩和空間31〜33の厚みLaと略等しい。
素体領域11dの積層方向での厚みは、図示は省略するが、素体領域11a〜11cの厚みLb同様、素体領域11dの積層方向での最短距離として規定される。素体領域11dの積層方向での厚みは、素体領域11a〜11cの厚みLbと略同じである。以下、素体領域11dの積層方向での厚みについても、単に「厚みLb」ともいう。応力緩和空間34の厚みLaは、素体領域11dの厚みLbよりも小さい。すなわち、素体領域11dの厚みLbは、少なくとも応力緩和空間34の厚みLaよりも大きい。よって、コイル導体21と引出導体24との間では、応力緩和空間34に比べて十分な素体領域11dの厚みLbを確保することができる。
なお、上記実施形態同様、各応力緩和空間34,35は、各粉体34c,35cでその全体が満たされていてもよく、各粉体34c,35c同士の間に空隙等が形成されていてもよい。このような空隙が形成されている場合であっても、各応力緩和空間34,35の厚みLaは、上述したように規定される。すなわち、各応力緩和空間34,35の厚みLaは、空隙を除いた各粉体34c,35cが存在している領域だけの厚みではなく、空隙を含めた各応力緩和空間34,35の厚みとして規定される。
以上、本実施形態においても、第1実施形態同様、素体領域11a,11bの厚みLbを十分に確保しつつ、素体2の内部応力を緩和することができる。
さらに、本実施形態によれば、各引出導体24,25にも各応力緩和空間34,35が形成されているため、素体2の内部応力をさらに緩和することができる。素体領域11dの厚みLbは、少なくとも応力緩和空間34よりも大きい。よって、積層方向で隣り合う引出導体24とコイル導体21との間に応力緩和空間34が介在している場合であっても、介在している応力緩和空間34に比べて十分な素体領域11dの厚みLbを確保することができる。
さらに、本実施形態によれば、各引出導体24,25の各端部24a,25a(すなわち、素体2の各端面2a,2bに露出している部分)を覆わないように各応力緩和空間34,35が形成されている。このため、各応力緩和空間34,35を介することなく各端部24a,25aと素体2が結合され、各端部24a,25aと素体2との密着性が良く、各端部24a,25aからめっき液が浸入することを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、図11〜図16を参照して、第3実施形態に係る積層コイル部品について説明する。図11は、第3実施形態に係る積層コイル部品の分解斜視図である。図12〜図14は、各コイル導体を示す平面図である。図15は、第3実施形態に係る積層コイル部品の断面図である。図15は、図6に対応している。図16は、図15の一部を拡大して示す図である。なお、図11の分解斜視図では、素体を構成する複数の磁性体層及び素体の両端部に配置された外部電極の図示を省略している。また、図15の断面図では、素体の両端部に配置された外部電極の図示を省略している。また、本実施形態に係る積層コイル部品の斜視図であって図1に対応する図は、図1と同様であるため、図示を省略する。
図11〜図16に示されるように、第3実施形態に係る積層コイル部品1Bは、第1実施形態に係る積層コイル部品1と同様、素体2と、素体2の両端部にそれぞれ配置された一対の外部電極4,5(図1参照)と、複数のコイル導体21〜23と、複数の引出導体24,25と、を備えている。第3実施形態に係る積層コイル部品1Bが上記の積層コイル部品1と異なる点は、各応力緩和空間31〜33に代えて、各応力緩和空間41〜43を備えている点である。
各応力緩和空間41〜43は、各コイル導体21〜23に接している。各応力緩和空間41〜43は、各粉体41c,42c,43cが存在している空間であって、素体2内の素体領域と各コイル導体21〜23との間に介在することで、素体2内に生じる内部応力を緩和する。各粉体41c,42c,43cの材料は、例えばZrO等である。各粉体41c,42c,43cの平均粒径は、例えば0.1μm以下である。
図11に示されるように、応力緩和空間41は、積層方向で引出導体24とコイル導体21との間に位置している。図12に示されるように、応力緩和空間41は、積層方向でコイル導体21の上側(素体2の側面2c側)の表面21e(図16参照)に形成されている。応力緩和空間41は、コイル導体21の端部E1以外の部分に沿っている。すなわち、応力緩和空間41は、コイル導体21におけるスルーホール導体12aとの接続部分である端部E1を覆わないようになっている。応力緩和空間41は、積層方向から見て、コイル導体21からはみ出さないように形成されている。
応力緩和空間42は、積層方向でコイル導体21とコイル導体22との間に位置している。図13に示されるように、応力緩和空間42は、積層方向でコイル導体22の上側(素体2の側面2c側)の表面22e(図16参照)に形成されている。応力緩和空間42は、コイル導体22の端部T2以外の部分に沿っている。すなわち、応力緩和空間42は、コイル導体22におけるスルーホール導体12bとの接続部分である端部T2を覆わないようになっている。応力緩和空間42は、積層方向から見て、コイル導体22からはみ出さないように形成されている。
応力緩和空間43は、積層方向でコイル導体22とコイル導体23との間に位置している。図14に示されるように、応力緩和空間43は、積層方向でコイル導体23の上側(素体2の側面2c側)の表面23e(図16参照)に形成されている。応力緩和空間43は、コイル導体23の端部T4以外の部分に沿っている。すなわち、応力緩和空間43は、コイル導体23におけるスルーホール導体12cとの接続部分である端部T4を覆わないようになっている。応力緩和空間43は、積層方向から見て、コイル導体23からはみ出さないように形成されている。
図15に示されるように、本実施形態において、素体領域11aは、コイル導体21と応力緩和空間42との間に挟まれている。素体領域11bは、コイル導体22と応力緩和空間43との間に挟まれている。素体領域11cは、コイル導体23と引出導体25との間に挟まれている。素体領域11dは、引出導体24と応力緩和空間41との間に挟まれている。
次に、図16を参照して、各コイル導体21〜23及び各応力緩和空間41〜43の断面構成について詳細に説明する。図16は、図15の断面図における各コイル導体21〜23の一部(素体2の端面2b側の部分)を含む領域を拡大して示している。なお、図15の断面図における各コイル導体21〜23の素体2の端面2a側の部分を含む領域は、図16と同様であるため図示を省略している。本実施形態では、素体2の側面2e側を積層方向の一方側とし、素体2の側面2d側を積層方向の他方側として説明する。すなわち、本実施形態では、各コイル導体21〜23の各表面21e,22e,23eが積層方向の一方側を向いている第一表面であり、各コイル導体21〜23の各表面21d,22d,23dが積層方向の他方側を向いている第二表面である。
図16に示されるように、応力緩和空間41は、コイル導体21との第一境界面41bと、素体領域11dとの第二境界面41aとを有している。第一境界面41bは、コイル導体21の表面21eに接している。すなわち、第一境界面41bは、平面部21aと、傾斜部21b,21cとに接している。本実施形態において、第一境界面41bは、平面部21aと傾斜部21b,21cとに連続的に接している。これにより、応力緩和空間41は、平面部21aと傾斜部21b,21cとを一体的に覆っている。第二境界面41aは、素体領域11dに接している。第一境界面41bと第二境界面41aとは、積層方向で対向している。
応力緩和空間42は、コイル導体22との第一境界面42bと、素体領域11aとの第二境界面42aとを有している。第一境界面42bは、コイル導体22の表面22eに接している。すなわち、第一境界面42bは、平面部22aと、傾斜部22b,22cとに接している。本実施形態において、第一境界面42bは、平面部22aと傾斜部22b,22cとに連続的に接している。これにより、応力緩和空間42は、平面部22aと傾斜部22b,22cとを一体的に覆っている。第二境界面42aは、素体領域11aに接している。第一境界面42bと第二境界面42aとは、積層方向で対向している。
応力緩和空間43は、コイル導体23との第一境界面43bと、素体領域11bとの第二境界面43aとを有している。第一境界面43bは、コイル導体23の表面23eに接している。すなわち、第一境界面43bは、平面部23aと、傾斜部23b,23cとに接している。本実施形態において、第一境界面43bは、平面部23aと傾斜部23b,23cとに連続的に接している。これにより、応力緩和空間43は、平面部23aと傾斜部23b,23cとを一体的に覆っている。第二境界面43aは、素体領域11bに接している。第一境界面43bと第二境界面43aとは、積層方向で対向している。
各応力緩和空間41〜43の積層方向での厚み(以下、単に「厚みLc」ともいう)は、互いに対向している第一境界面41b〜43bと第二境界面41a〜43aとの間の距離として規定される。本実施形態において、応力緩和空間41の厚みLcは、第一境界面41bから第二境界面41aまでの距離である。応力緩和空間42の厚みLcは、第一境界面42bから第二境界面42aまでの距離である。応力緩和空間43の厚みLcは、第一境界面43bから第二境界面43aまでの距離である。各応力緩和空間41〜43の厚みLcは、いずれも略等しい。
各素体領域11a,11bの積層方向での厚み(以下、単に「厚みLd」ともいう。)は、素体領域11a,11bの積層方向での最短距離として規定される。本実施形態において、素体領域11aの厚みLdは、第二境界面42aから表面21dまでの距離である。素体領域11bの厚みLdは、第二境界面43aから表面22dまでの距離である。各素体領域11a,11bの厚みLdは、互いに略等しい。
各応力緩和空間41〜43の厚みLcは、各素体領域11a,11bの厚みLdよりも小さい。すなわち、素体領域11a,11bの厚みLdは、少なくとも応力緩和空間41〜43の厚みLcよりも大きい。よって、各コイル導体21,22間では、応力緩和空間41に比べて十分な素体領域11aの厚みLdを確保することができる。各コイル導体22,23間では、応力緩和空間42に比べて十分な素体領域11bの厚みLdを確保することができる。具体的には、各応力緩和空間41〜43の厚みLcは、例えば約1〜2μm程度である。これに対し、各素体領域11a,11bの厚みLdは、例えば約3〜30μm程度である。各素体領域11a,11bの厚みLcと各応力緩和空間41〜43の厚みLdとの差は、例えば5〜20以上であることが好ましい。
なお、素体領域11dの積層方向での厚みは、図示は省略するが、素体領域11a,11bの厚みLc同様、素体領域11dの積層方向での最短距離として規定される。素体領域11dの積層方向での厚みは、素体領域11a,11bの厚みLcと略同じである。以下、素体領域11dの積層方向での厚みについても、単に「厚みLc」ともいう。応力緩和空間41の厚みLaは、素体領域11dの厚みLdよりも小さい。すなわち、素体領域11dの厚みLdは、少なくとも応力緩和空間41の厚みLcよりも大きい。よって、コイル導体21と引出導体24との間では、応力緩和空間41に比べて十分な素体領域11dの厚みLdを確保することができる。
上記実施形態同様、各応力緩和空間41〜43は、各粉体41c〜43cでその全体が満たされていてもよく、各粉体41c〜43c同士の間に空隙等が形成されていてもよい。このような空隙が形成されている場合であっても、各応力緩和空間41〜43の厚みLcは、上述したように規定される。すなわち、各応力緩和空間41〜43の厚みLcは、空隙を除いた各粉体41c〜43cが存在している領域だけの厚みではなく、空隙を含めた各応力緩和空間41〜43の厚みとして規定される。
素体領域11a,11b,11dは、各コイル導体21〜23及び引出導体24,25と接していない空隙等を有していてもよい。このような空隙が形成されている場合であっても、素体領域11a,11b,11dの厚みLdは、上述したように、素体領域11a,11b,11dの積層方向での最短距離として規定される。空隙が形成されている場合、空隙が形成されていない場合よりも、この素体領域11a,11b,11dの積層方向での最短距離が小さくなる。例えば、空隙が形成されていない場合には、素体領域11aの厚みLdは、第二境界面42aから表面21dまでの距離であるが、素体領域11aと表面21dとの間に空隙が形成されている場合には、素体領域11aの厚みLdは、第二境界面42aから当該空隙との境界面までの距離である。空隙が形成されていない場合には、素体領域11bの厚みLdは、第二境界面43aから表面22dまでの距離であるが、素体領域11bと平面部23aとの間に空隙が形成されている場合には、第二境界面43aから当該空隙との境界面までの距離である。
次に、磁性体層11となる未焼成のセラミックグリーンシート上に、各コイル導体21〜23に対応する導体パターンと、各応力緩和空間41〜43に対応する粉体パターンとを形成する方法について説明する。なお、各引出導体24,25及び各スルーホール導体12a〜12dの形成方法は、第1実施形態と同様である。
まず、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷等によって上記の導電性ペーストを付与することにより、焼成後に各コイル導体21〜23となる各導体パターンが形成される。導電性ペーストは、導体粉末と有機溶剤及び有機バインダ等とを混合して作製される。続いて、セラミックグリーンシート上に形成された各導体パターン上に、スクリーン印刷等によりZrO等のペーストを付与することによって、焼成後に各応力緩和空間41〜43となる各粉体パターンが形成される。ZrO等のペーストは、ZrO粉末と有機溶剤及び有機バインダ等とを混合して作製される。各導体パターンは、焼成により焼結されて各コイル導体21〜23となる。各粉体パターンは、焼成により各粉体41c〜43cが存在している応力緩和空間41〜43となる。各応力緩和空間41〜43に存在している粉体41c〜43cは、焼成前の各粉体パターンの形成に用いられるZrO粉末の平均粒径と略同じである。
以上、本実施形態に係る積層コイル部品1Bによれば、各粉体41c〜43cが存在している各応力緩和空間41〜43が各コイル導体21〜23の表面21e〜23eに接しているため、積層方向で隣り合う各コイル導体21〜23と素体領域11a,11bとの間に各応力緩和空間42,43が介在している。これにより、各コイル導体21〜23と素体2との熱収縮率の差等に起因して素体内に生じる内部応力を緩和することができる。各応力緩和空間41〜43の厚みLcが、各素体領域11a,11bの厚みLdよりも小さい。すなわち、各素体領域11a,11bの厚みLdは、少なくとも各応力緩和空間41〜43の厚みLcよりも大きい。よって、積層方向で隣り合う各コイル導体21〜23と素体領域11a,11bの間に各応力緩和空間42,43が介在している場合であっても、介在している各応力緩和空間42,43に比べて十分な素体領域11a,11bの厚みLdを確保することができる。以上より、素体領域11a,11bの厚みLdを十分に確保しつつ、素体2の内部応力を緩和することができる。
さらに、積層コイル部品1Bによれば、各応力緩和空間41〜43が各平面部21a〜23aと各傾斜部21b〜23b,21c〜23cとに接していることにより、確実に素体の内部応力を緩和することができる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
上記実施形態では、各応力緩和空間31〜33,41〜43は、各コイル導体21〜23における積層方向で一方側の表面に形成されているとしたが、これに限られない。例えば、各コイル導体21〜23における積層方向で一方側の表面及び他方側の表面の両方に形成されていてもよい。各応力緩和空間31〜33,41〜43は、各コイル導体21〜23の表面の一部と接していてもよく、各コイル導体21〜23の表面の全体と接していてもよい。各応力緩和空間31〜33,41〜43は、各コイル導体21〜23の表面を取り囲むように形成されていてもよい。また、上記実施形態では、応力緩和空間31〜33,41〜43は、積層方向から見て、コイル導体21〜23からはみ出さないように形成されているとしたが、これに限られず、積層方向から見て、コイル導体21〜23からはみ出して形成されていてもよい。また、上記実施形態では、応力緩和空間34,35は、積層方向から見て、引出導体24,25からはみ出さないように形成されているとしたが、これに限られず、積層方向から見て、引出導体24,25からはみ出して形成されていてもよい。
上記実施形態では、各コイル導体21〜23は、断面略台形形状であるとしたが、これに限られない。例えば、各コイル導体21〜23は、断面略矩形形状等であってもよい。
上記実施形態では、各コイル導体21〜23及び各引出導体24,25は、積層方向で略同じ厚みを有しているとしたが、これに限られない。例えば、各引出導体24,25の積層方向での厚みが各コイル導体21〜23の厚みよりも小さくてもよい。この場合、各引出導体24,25が起因して素体2の内部に生じる応力を抑制することができる。なお、このように各引出導体24,25の積層方向での厚みを小さくする場合、抵抗が高くなるため、各引出導体24,25を積層方向で二つずつ並べてもよい。
上記実施形態では、各粉体31c〜35c,41c〜43cの材料は、例えばZrO等であるとしたが、これに限られない。例えば、各粉体31c〜35c,41c〜43cの材料は、素体2を構成するフェライト材料よりも焼成温度が高いフェライト材料であってもよい。この場合、各粉体31c〜35c,41c〜43cが存在している応力緩和空間31〜35、41〜43も磁性体として機能させることができる。また、各応力緩和空間31〜33,41〜43を構成する粉体の材料は、素体2よりも誘電率の高い材料であってもよい。この場合、各コイル導体21〜23間の容量を低減することができる。
上記第3実施形態において、引出導体24,25に応力緩和空間を形成してもよい。
1,1A,1B…積層コイル部品、2…素体、20…コイル、21〜23…コイル導体、21d,22d,23d,21e,22e,23e…表面、21a,22a,23a…平面部、21b,22b,23b,21c,22c,23c…傾斜部、31〜33…応力緩和空間、31a,32a,33a…第一境界面、31b,32b,33b…第二境界面、41〜43…応力緩和空間、41b,42b,43b…第一境界面、41a,42a,43a…第二境界面、La,Lb,Lc,Ld…厚み。

Claims (7)

  1. 磁性材料を含んでいる素体と、
    前記素体内において第一方向に互いに離間しており且つ互いに電気的に接続されている複数の内部導体を含んでいるコイルと、
    各前記内部導体の表面に接しており且つ粉体が存在している複数の応力緩和空間と、
    を備え、
    前記素体は、前記第一方向で隣り合う各前記内部導体の間に位置している素体領域を有し、
    各前記応力緩和空間は、各前記内部導体との第一境界面と、前記素体領域との第二境界面と、を有し、
    前記第一境界面と前記第二境界面とは、前記第一方向で対向しており、
    前記第一境界面から前記第二境界面までの距離は、前記素体領域の前記第一方向での厚みよりも小さい、積層コイル部品。
  2. 各前記内部導体は、前記第一方向の一方側を向いている第一表面と、前記第一方向の他方側を向いている第二表面と、を有し、
    各前記応力緩和空間が接している前記表面は、前記第一表面である、請求項1に記載の積層コイル部品。
  3. 前記第一表面は、平面状である、請求項2に記載の積層コイル部品。
  4. 前記第一表面は、前記第一方向に対して直交する方向に延びている第一面部と、前記第一方向及び前記第一面部に対して傾斜している第二面部と、を有し、
    各前記応力緩和空間は、前記第一面部と、前記第二面部とに接している、請求項2に記載の積層コイル部品。
  5. 前記粉体の平均粒径は、0.1μm以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の積層コイル部品。
  6. 前記粉体の材料は、ZrOである、請求項1〜5の何れか一項に記載の積層コイル部品。
  7. 各前記内部導体は、金属酸化物を含有している、請求項1〜6の何れか一項に記載の積層コイル部品。
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