JP2017042108A - 油ちょう用冷凍食品の製造方法 - Google Patents

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Toshiaki Furuhashi
敏昭 古橋
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祐介 竹場
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Toru Yamada
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潤子 古澤
Junko Furusawa
潤子 古澤
清人 神山
Kiyohito Kamiyama
清人 神山
康詔 春田
Yasunori Haruta
康詔 春田
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Abstract

【課題】油ちょう用冷凍食品の製造方法の提供。【解決手段】微結晶油脂を分散させた粉原料に、分散性を付与した油脂組成物を練り込む工程を有することを特徴とする、油ちょう用冷凍食品の製造方法。前記油脂組成物は、常温で液状の油脂と、界面活性剤とを含有し、前記油脂組成物は、水慣れ性及び油脂分散性を有することが好ましい。前記粉原料が、副資材を混合したミックス粉であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、油ちょう用冷凍食品の製造方法に関する。
近年、共稼ぎ世帯や一人世帯の増加という生活スタイルの変化に伴い、家庭内での調理の手間を省略し、より簡便に喫食することが可能な惣菜類や弁当類が好まれている。中でも、長期保存が可能であり、かつ、最終工程である解凍加熱処理を行うことにより手軽に喫食することができる半調理済み冷凍食品の需要が急増している。特に、春巻、コロッケ又はカツ等のフライ食品は、子供から大人まで多くの人々に好まれる食品である。このようなフライ食品を冷凍した冷凍食品(以下、「油ちょう用冷凍食品」と記載することがある。)は、業務用の惣菜としても広く用いられている。
上記のなかでも、油ちょう用冷凍食品として、冷凍春巻を例に挙げる。
一般的な冷凍春巻の製造方法は、次の通りである。
まず、例えば、鶏豚肉、野菜、油、調味料等の中具材を炒め加熱し、澱粉等の糊料でトロミを持たせ、冷却し、成型可能な状態にする。
春巻用皮は、小麦粉、澱粉・糖類等に、水・油脂を加えてバッターを製造し、得られたバッターを加熱したドラム上でシート状に焼成し、正方形状に裁断することにより製造することができる。
そして、定量成型した中具材を、春巻用皮に載せ、直方体状に巻いて成形する。この成形したものをフライ加熱し、その後に凍結することにより、冷凍春巻が得られる。
消費者は、冷凍春巻を電子レンジ等の家庭用マイクロ波装置を用いて加熱解凍して喫食しており、例えばお弁当惣菜として広く利用している。
しかしながら、冷凍春巻等の油ちょう用冷凍食品は、喫食時の加熱調理方法として、外層の加熱乾燥が起こりにくいマイクロ波等の内部誘電加熱を行った場合には、フライ調理本来の外層皮・衣のクリスピー感が再現できない、という問題がある。これは、製造後保管流通中の凍結保存時に、水分比率の高い中具材から、水分比率の低い皮や衣などの外層に水分が移行するためであると考えられている。このため、電子レンジ等の家庭用マイクロ波装置を用いて加熱解凍した後においても、冷凍保存前と同様に、フライ調理品特有のパリパリとしたクリスピーな食感を保持した冷凍春巻の製造方法の開発が行われている。
例えば、特許文献1には、所定の塗布油を春巻の皮に塗布又は噴霧することにより、フライ調理後のパリパリとした食感を長時間保持し、電子レンジ等で再加熱した場合にも、パリパリとした食感を維持できる方法が開示されている。
また特許文献2〜4には、春巻の生地に所定の油脂を練り込むことにより、パリパリとした好ましい食感とする方法が記載されている。
特許文献5に記載されているように、本出願人らも、皮原料に膨張剤を含有させ、さらに油ちょう後の春巻の皮表面に液状油脂を付着させることにより、フライ食品特有のサクサクとしたクリスピー感の保存安定性を良好なものとすることを見出している。
また従来から、油脂をバッター内に適量加えることによって、パリパリとした好ましい食感とする方法が知られていた。この方法によれば、例えば、市販の乳化剤を含有する油脂組成物をバッターに添加し、油脂をバッター内に容易に分散させることにより、パリパリとした食感を付与することができる。
特許第4472645号 特許第3627637号 特開2002−186437号公報 特開平11−46710号公報 特開2010−187561号公報
しかしながら、多量の油脂を分散させたバッターを用いた場合、ドラム焼成時に油脂が多量に流出し、ドラムに生地が付着して、生地がはがれず、連続して作業できないという問題があった。また、油ちょう用冷凍食品において、油ちょう食品特有のサクサクとした食感を維持するためには未だ改良の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、作業性が良好であり、さらに油ちょう食品特有のサクサクとした食感に優れる油ちょう用冷凍食品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、微結晶油脂を分散させた粉原料に、分散性を付与した油脂組成物を練り込む工程を有することを特徴とする、油ちょう用冷凍食品の製造方法である。
本発明によれば、作業性が良好であり、さらに、油ちょう食品特有のサクサクとした食感に優れる油ちょう用冷凍食品の製造方法を提供することができる。
<油ちょう用冷凍食品の製造方法>
本発明は、微結晶油脂を分散させた粉原料に、分散性を付与した油脂組成物を練り込む工程を有することを特徴とする、油ちょう用冷凍食品の製造方法である。
本明細書において「油ちょう用冷凍食品」とは、油ちょう調理を行うことを想定した冷凍食品であり、油ちょう後に冷凍したものであってもよく、油ちょう前に冷凍し、家庭あるいは店頭などで喫食前に油ちょうするものでもよい。
以下、油ちょう用冷凍食品として春巻を製造する例を挙げて、本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法を具体的に説明する。ただし、本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法は下記の実施形態に限定されない。また、本発明により製造できる油ちょう用冷凍食品は、春巻に限定されず、サクサクとしたクリスピー感が求められる種々の油ちょう食品にも適用できる。
≪第1実施形態≫
本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法の第1実施形態は、微結晶油脂を分散させた粉原料に、分散性を付与した油脂組成物を練り込む工程1を有する。さらに第1実施形態は、春巻きを成形し、油ちょうし、その後冷凍する工程を有する。
第1実施形態により製造される油ちょう用冷凍食品は、電子レンジ、又はオーブンで加熱するだけですぐに調理でき、喫食することができる。
また第1実施形態により製造される油ちょう用冷凍食品は、自然解凍することにより喫食することができる自然解凍調理冷凍食品であってもよい。自然解凍調理冷凍食品としては、弁当用冷凍食品に最適である。
[工程1]
工程1は、微結晶油脂を分散させた粉原料に、分散性を付与した油脂組成物を練り込む工程である。
工程1においては、微結晶油脂を分散させた粉原料と、油脂組成物を水に分散させた油脂組成物水分散液とを混合した混合物(以下、「バッター」又は「生地」と記載することがある。)を製造する。
本発明では、微結晶油脂を粉原料に分散させ、さらに該粉原料に分散性を付与した油脂組成物を練り込むことを特徴としている。
微結晶油脂を分散させた粉原料を使用することによって、分散性を付与した油脂組成物を混合した場合のみでは添加できない量の油脂をバッターに添加することが可能となる。このために、よりクリスピーな食感を付与した春巻を得ることが可能となる。
また、第1実施形態により製造される春巻きは冷凍保管中にもその美味しさや食感を保持し、さらに解凍後に時間が経過した場合でも作り立ての美味しさや食感を維持できる。
[工程2]
第1実施形態は、上記工程1で得られた上記混合物を焼成する工程2を有する。
工程2では、鉄板型焼成機若しくはドラム型焼成機を用いて、上記の混合物を適量供給して該混合物を加熱して固化させることにより行うことができる。
焼成条件は、公知の条件から適宜選択することができるが、通常100〜180℃で1〜2分程度である。焼成後は必要に応じて適当な大きさ、形状に裁断する。本実施形態においては、170〜180℃に熱したドラム上に薄く塗布し、シート状に連続焼成し、これを正方形に裁断することによって製造することができる。
ドラム焼成の条件は、成型に適するシート状の皮が得られる範囲内であれば、特に限定されるものではない。また、冷凍春巻の場合、皮の厚さは特に限定されるものではないが、0.2〜2mm程度であることが好ましい。
[工程3]
第1実施形態は、中具を製造し、成形する工程3を有する。
本実施形態において春巻の中具材は、特に限定されるものではなく、一般的に春巻の具材として用いられる食材を適宜用いることができる。例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、魚肉等の肉類、キャベツ、ニンジン、タケノコ、シイタケ、ショウガ、ニンニク等の野菜類、塩、胡椒、砂糖、酒、オイスターソース等の調味料、ラード、大豆油、菜種油、胡麻油等の油脂類等が挙げられる。また、適宜、植物性タンパク質、デンプン類、乳化剤等の添加剤を用いてもよい。
これらの中具材は、皮に巻く前に、予め常法により加熱調理しておく。例えば、中具材を炒め加熱し、澱粉等の糊料でトロミを持たせた後に冷却することにより、成型可能な性状を有する中具材を得ることができる。この中具材を、定量成型したものを、皮に載せて巻いて成形し、油ちょう加熱に供される春巻(油ちょう前春巻)を得ることができる。油ちょう前春巻の形状は、中具材が皮で巻き込まれた形状であれば、特に限定されるものではなく、一般的な春巻の形状である直方体状であってもよく、それ以外の形状であってもよい。
[工程4]
第1実施形態は、上記で得た油ちょう前春巻を油ちょうする工程4を有する。
得られた油ちょう前春巻は、常法により油ちょう加熱される。例えば、油ちょう前春巻を、140〜190℃の食用油脂中で60〜240秒間油ちょう加熱することができる。
油ちょう加熱に用いられる油としては、パーム油等の、一般的にフライ調理を行う場合に用いられる食用油脂であれば、特に限定されるものではない。
[工程5]
第1実施形態は、上記で得た油ちょう済み春巻を冷凍させる工程5を有する。
油ちょう済み春巻を冷凍させることにより冷凍春巻を得ることができる。油ちょう済み春巻は常法により凍結させることができる。例えば、エアーブラスト式凍結法、セミエアーブラスト式凍結法、コンタクト式凍結法等の凍結法に基づくフリーザーに設置して凍結してもよく、液化窒素や液化炭酸を噴霧して凍結させてもよい。
第1実施形態により製造された冷凍春巻は、電子レンジ調理等の従来の調理法により加熱解凍し、喫食することができる。第1実施形態の製造方法により製造された冷凍春巻は、特に、電子レンジ等の家庭用マイクロ波装置を用いた加熱解凍に適しているが、オーブン等により加熱解凍してもよい。また喫食数時間前に常温に放置し、自然解凍することによっても喫食する事が出来る。
≪第2実施形態≫
本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法の第2実施形態は、微結晶油脂を分散させた粉原料に、分散性を付与した油脂組成物を練り込む工程を有し、さらに春巻きを成形し、油ちょう調理前に冷凍し、その後油ちょう調理する工程を有する。
第2実施形態によれば、油ちょう調理前に冷凍した冷凍春巻き(以下、「生冷凍」と記載することがある。)を製造し、該生冷凍の春巻きを油ちょう調理した場合にクリスピーな食感を付与した春巻を得ることができる。さらに、第2実施形態により製造される春巻きは油ちょう調理後に時間が経過した場合でも作り立ての美味しさや食感を維持できる。
[工程1〜3]
第2実施形態は、微結晶油脂を分散させた粉原料に、分散性を付与した油脂組成物を練り込む工程1と、焼成する工程2と、中具を製造し、成形する工程と3を有する。
工程1〜3は、上述した第1の実施形態における[工程1]〜[工程3]とそれぞれ同様の操作により実施できる。
[工程3a]
第2実施形態は、成形後の春巻きを生冷凍する工程3aを有する。
工程3aは、上記[工程3]までで得た成形後の春巻きを生冷凍する工程である。
成形後の春巻きを冷凍させることにより、生冷凍の冷凍春巻を得ることができる。成形後の春巻きは、常法により冷凍させることができる。例えば、エアーブラスト式凍結法、セミエアーブラスト式凍結法、コンタクト式凍結法等の凍結法に基づくフリーザーに設置して凍結してもよく、液化窒素や液化炭酸を噴霧して凍結させてもよい。
第2実施形態により製造された冷凍春巻は、従来の調理法により油ちょう調理し、喫食することができる。
また第2実施形態により製造された冷凍春巻きは、油ちょう調理後、そのまま惣菜として提供することもできる。
以下、本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法に用いる各材料について説明する。
≪粉原料≫
本発明に用いる粉原料について説明する。
本発明に用いる粉原料は、微結晶油脂を分散させた粉原料である。
本発明において、「微結晶油脂」とは、食用油脂に過冷却処理や、微粉末化処理等を施し、結晶化した脂質が均一に微細分散した油脂を意味する。脂質結晶が微細に分散した状態であると、展延性や分散性が高くなり、生地中に均一に分散させることが可能となる。
本発明において、微結晶油脂は食用に適するよう処理されたものであって、常温(約15〜25℃)で固体の油脂が好ましい。常温で固体の油脂としては、例えばショートニング、バター、マーガリン、ラード、これらの油脂を粉末にした油脂粉末などが挙げられる。
また、後述する分散性を付与した油脂組成物を、微結晶油脂として粉原料に分散させてもよい。
本発明においては上記の中でも植物性の油脂が好ましく、ショートニング、マーガリン、これらの油脂を粉末にした油脂粉末が好適に採用できる。
これらの油脂は、一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
本発明において、微結晶油脂を粉原料に分散させる方法は、粉原料中に微結晶油脂を均一に分散できる方法であれば特に限定されない。具体的には、ミキサー等を用いて混合し、微結晶油脂を粉原料に均一に分散させることが好ましい。また微結晶油脂を分散した後、篩を通すことでダマの無い均一な粉体の状態にすることが望ましい。
より具体的には、目開きが3mm以下の篩を通すことが好ましく、2mm以下の篩を通すことがより好ましい。
本発明においては、微結晶油脂を分散させた後の粉原料の平均粒径は、例えば水や有機溶媒等の溶媒を用いた湿式測定した場合に、20〜200μmであることが好ましく、40〜100μmであることがより好ましい。
また本発明においては、油脂組成物水分散液と混合する前に、予め粉原料に微結晶油脂を添加することが好ましい。これにより、バッター内でより均一に油脂が分散し、春巻の食感の向上に寄与できる。
本発明において、粉原料における微結晶油脂の配合量は、前記粉原料中の小麦粉100質量部に対して1.0〜12.0質量部とすることが好ましく、2.0〜10.0質量部がより好ましく、2.0〜8.0質量部が特に好ましい。
微結晶油脂の配合量を上記上限値以下とすることにより、バッターをドラムや鉄板で焼成した際に、ドラムや鉄板に皮が付着しにくくなり、作業性が良好となる。
微結晶油脂の配合量を上記下限値以上とすることにより、粉原料における微結晶油脂の分散性が良好となり、春巻の皮として調理した場合に歯切れ等の食感が良好となる。
(副資材)
本発明において、粉原料は副資材を混合したミックス粉であることが好ましい。副資材として具体的には、澱粉、加工澱粉、多糖類、デキストリン、オリゴ糖、水飴、大豆たんぱく等が挙げられる。また、例えば米粉、そば粉等を副資材として配合させてもよい。
これらの副資材を混合することにより、上記の微結晶油脂の粉原料内での分散性を向上させることができる。また、上記の微結晶油脂の粉原料に対する馴染みを向上させることができ、作業性を良好なものとすることができる。
粉原料に副資材を配合させる場合、小麦粉100質量部に対し、上記に記載の各副資材をそれぞれ0.5〜20質量部配合させることが好ましく、1.0〜15質量部がより好ましく、1.0〜12質量部が特に好ましい。
≪油脂組成物≫
本発明に用いる油脂組成物について説明する。
本発明においては、分散性を付与した油脂組成物を用いる。本発明において、油脂組成物の「分散性」とは、水に対する油脂組物の分散性を意味する。水に均一に分散する油脂組成物を用いることにより、バッター内に油脂を均一に分散させることができる。
分散性を付与した油脂組成物としては、油脂を分散させたものであれば特に限定されず、例えば、超音波処理等により物理的に油脂を分散させてもよく、分散性を有する油脂組成物を用いてもよい。本発明においては、分散性を有する油脂組成物を用いることが好ましい。
分散性を有する油脂組成物としては、油脂でありながら水に馴染み易く(換言すれば、水慣れ性が高く)、簡単な攪拌で水に分散する(換言すれば、油脂分散性が良い)機能を有したものが好ましい。
本発明において、分散性を有する油脂組成物としては、常温で液状の油脂と、界面活性剤とを含有することが好ましい。これにより該油脂組成物は水慣れ性及び油脂分散性の機能を有する。
常温で液状の油脂としては、常温で液状の植物性油脂が好ましい。
界面活性剤としては、界面化学的に改良され、常温で液状の油脂に含有させることで、水慣れ性と油脂分散性の高い油脂を作ることが出来るものが好ましい。代表的な界面活性剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルが挙げられるが、同様な機能を有する界面活性剤であれば限定させるものでない。
本発明に用いる分散性を有する油脂組成物については後述する。
本発明において、前記油脂組成物の配合量は、目的とする油ちょう食品により適宜設定すればよいが、冷凍春巻の場合には、前記粉原料100質量部に対し、4.0〜12.0質量部となるように配合することが好ましく、4.0〜10.0質量部がより好ましく、4.0〜8.0質量部が特に好ましい。
油脂組成物の配合量を上記上限値以下とすることにより、バッターをドラムや鉄板で焼成した際に、ドラムや鉄板に皮が付着しにくくなり、作業性が良好となる。
油脂組成物の配合量を上記下限値以上とすることにより、粉原料における微結晶油脂の分散性が良好となり、春巻の皮として調理した場合に歯切れ等の食感が良好となる。
工程1においては、前記微結晶油脂を分散させた粉原料と、前記油脂組成物を水に分散させた油脂組成物水分散液とを混合する。混合の条件は特に限定されず、公知の方法が採用できる。具体的には、ミキサー等を用いて、高速で30秒間から数分間ミキシングすればよい。
本発明においては、粉原料中に微結晶油脂が分散されており、さらに分散性を付与した油脂組成物を混合するため、生地中に多くの油脂が練り込まれることとなる。これにより、油ちょう食品特有のサクサクとした食感に優れる春巻を提供することができる。
その理由としては以下のように推察される。
本発明においては、粉原料中に微結晶油脂が配合されているため、油脂組成物水分散液のみを配合した場合に比べてより多くの油脂を生地に添加することができる。生地内に多くの油脂を添加できたことにより、食感を向上させることができたと考えられる。
具体的には、本発明においては、粉原料中の微結晶油脂の分散性と、油脂組成物の水慣れ性及び油脂分散性が生地中で維持される。このため、例えば後の焼成工程において、皮表面に生地内に均一に分散した油脂が適度に浮き出し、皮表面に油脂の被膜が形成されると考えられる。
また焼成時には、加熱により水分が生地内から皮表面から蒸発する。このとき、水慣れ性を有し、生地内の水分になじみ易い油脂組成物は水分と共に生地表面に移動するため、生地表面の油脂の濃度が高くなると考えられる。焼成により生地表面で油脂が固化した春巻の皮は崩壊性が高くなり、ハードなサクサク感やクリスピー感等の食感を向上させることができると考えられる。
さらに、微結晶油脂を分散させた粉原料に分散性を付与した油脂組成物を練り込んだことにより、ドラム焼成時に油脂が多量に流出することに起因する生地のドラムへの張り付きを防止できる。このためドラムから生地が剥がれやすくなり、作業性を良好なものとすることができる。
加えて、生地中に油脂が均一に練り込まれていることにより、皮の巻間付着力が小さくなる。このため、フライしたときの皮巻間での油通しが良好になり、火通りが良くなる。
火通りが良好となるため、皮から水分が良好に蒸発し、これにより皮の間に適度な隙間ができることも食感向上の一因である。この適度な隙間は、中具からの水分移行も防止できるため、サクサク感やクリスピー感等の食感を維持することができる。
上記に加えて、本発明の油ちょう用冷凍食品は、春巻揚げた直後と、揚げた後数時間経過後とでサクサク感やクリスピー感等の食感を維持することができる。
この食感向上効果は、生地表面に油脂を塗布した場合には得ることができない効果であり、本発明の特有の効果である。
本発明に用いる分散性を有する油脂組成物について具体的に説明する。
本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法において用いる油脂組成物は、(A)常温で液状の植物油脂と(B)界面活性剤とを含有することが好ましい。
(A)常温で液状の植物油脂
本発明で用いられる常温(約15〜25℃)で液状の植物油脂(以下、「(A)成分」と記載することがある。)としては、食用に適するよう処理されたものであって該要件を満たすものであれば特に制限はなく、例えばオリーブ油、キャノーラ油、ごま油、米ぬか油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、コーン油、パームオレイン、なたね油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、綿実油などが挙げられる。これらの油脂は、一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
(B)界面活性剤
油脂組成物が界面活性剤(以下、「(B)成分」と記載することがある。)を含有することにより、該界面活性剤により上記(A)成分を水中に均一に分散させることができ、上記油脂組成物に水慣れ性又は油脂分散性を付与できる。
本発明において界面活性剤は、油脂に水慣れ性又は油脂分散性を付与できるものであれば特に限定されないが、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル及び/又はプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルであることが好ましい。
本発明で用いられるポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの原料として用いられるポリグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸またはアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物が挙げられる。また、ポリグリセリンは、グリシドールまたはエピクロルヒドリンなどを原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩または脱色などの処理を行って良い。該ポリグリセリンとしては、グリセリンの平均重合度が通常約2〜20、好ましくは約2〜10のポリグリセリンが挙げられる。具体的には、例えばジグリセリン(平均重合度:約2.0)、トリグリセリン(平均重合度:約3.0)、テトラグリセリン(平均重合度:約4.0)、ヘキサグリセリン(平均重合度:約6.0)、オクタグリセリン(平均重合度:約8.0)およびデカグリセリン(平均重合度:約10.0)などが挙げられ、特にジグリセリンまたはトリグリセリンが好ましい。
本発明において、上記ポリグリセリンを、例えば蒸留またはカラムクロマトグラフィーなど自体公知の方法を用いて精製し、単一成分の含量を高濃度化した高純度ポリグリセリンが好ましく用いられる。そのような例としては、例えばグリセリン2分子からなるジグリセリンの含有量が約50質量%以上、好ましくは約85質量%以上である高純度ジグリセリン、およびグリセリン3分子からなるトリグリセリンの含有量が約50質量%以上、好ましくは約85質量%以上である高純度トリグリセリンなどが挙げられる。
上記ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とし、炭素原子間の結合に二重結合を含む脂肪酸であれば特に制限はなく、例えばパルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸などが挙げられる。これら不飽和脂肪酸は一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。また、上記原料として用いられる脂肪酸は不飽和脂肪酸を主体とし飽和脂肪酸を含む混合脂肪酸であってよく、その場合、不飽和脂肪酸の含有量は通常約50%以上、好ましくは約80%以上である。
本発明で用いられるポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの好ましい例として、モノエステル体の含有量が約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上であるジグリセリン不飽和脂肪酸エステルが挙げられる。このような組成のジグリセリン不飽和脂肪酸エステルの好ましい製法の概略は以下の通りである。即ち、高純度ジグリセリンと不飽和脂肪酸を原料として常法によりエステル化反応を行い、反応終了後、反応混合物中に残存する触媒を中和する。中和後、反応混合物を、所望により冷却して、約100℃〜180℃、好ましくは約130℃〜150℃に保ち、好ましくは約0.5時間以上、更に好ましくは約1〜10時間放置する。未反応のポリオールが下層に分離した場合はそれを除去する。上記処理後、得られたジグリセリン不飽和脂肪酸エステルを、好ましくは、更に減圧下で蒸留して残存する未反応のポリオールを留去し、続いて、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて分子蒸留するか、またはカラムクロマトグラフィーもしくは液液抽出など自体公知の方法を用いて精製することにより、モノエステル体を約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上含むジグリセリン不飽和脂肪酸エステルを得る。
本発明で用いられるプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルは、プロピレングリコールと不飽和脂肪酸とのエステル化反応生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。該プロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とし、炭素原子間の結合に二重結合を含む脂肪酸であれば特に制限はなく、例えばパルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸などが挙げられる。これら不飽和脂肪酸は一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。また、上記原料として用いられる脂肪酸は不飽和脂肪酸を主体とし飽和脂肪酸を含む混合脂肪酸であってよく、その場合、不飽和脂肪酸の含有量は通常約50%以上、好ましくは約80%以上である。
本発明で用いられるプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルの好ましい例として、モノエステル体の含有量が約50質量%以上、好ましくは約90質量%以上であるプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルが挙げられる。このような組成のプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。即ち、プロピレングリコールと不飽和脂肪酸を原料として常法によりエステル化反応を行い、反応終了後、反応混合物中に残存する触媒を中和する。中和後、反応混合物を、減圧下で蒸留して未反応のプロピレングリコールを留去し、続いて、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて分子蒸留するか、またはカラムクロマトグラフィーもしくは液液抽出など自体公知の方法を用いて精製することにより、モノエステル体を約50質量%以上、好ましくは約90質量%以上含むプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルを得る。
ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよびプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルは水分を取り込み、包水ゲルを形成する作用を有することから、前記油脂組成物を春巻の皮の内側に混合することにより、具材から皮への水の移行を抑制することができる。
本発明において、分散性を付与した油脂組成物としては、常温で液状の油脂としてナタネ油を含み、界面活性剤としてモノエステル体の含有量が約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上であるジグリセリン不飽和脂肪酸エステルと、モノエステル体の含有量が約50質量%以上、好ましくは約90質量%以上であるプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルとを含む油脂組成物が好ましい。
本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法において用いる油脂組成物は、上記(A)成分及び(B)成分以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、上昇融点が50〜90℃の油脂(以下、「(C)成分」と記載することがある)が好ましい。
(C)上昇融点が50〜90℃の油脂
本発明で用いられる上昇融点が約50〜90℃の油脂(以下「高融点油脂」という)としては、食用に適するよう処理されたものであって該要件を満たすものであれば特に制限はなく、例えばオリーブ油、キャノーラ油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、コーン油、パーム油、パーム核油、なたね油、ひまわり油、綿実油、やし油、落花生油、牛脂、豚脂、魚油および乳脂などの動植物油脂を分別処理したもの、水素添加処理したもの(例えば、大豆極度硬化油、なたね極度硬化油等)、さらにこれらの動植物油脂単独または二種類以上を任意に組み合わせてエステル交換処理したものなどが挙げられる。これらの油脂は、一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。上記の上昇融点は、「基準油脂分析試験法 2003年版」(社団法人 日本油化学会編)の[2.2.4.2−1996 融点(上昇融点)]に準じて測定される。
本発明において、冷凍春巻を製造する場合には、上昇融点が50〜90℃の油脂としては、水素添加処理等により、より融点の高い飽和脂肪酸の割合を増加させた極度硬化油が配合されたものであることが好ましい。
本発明において、油脂組成物100質量%中における各成分の含有量は、常温で液状の植物油脂が通常約70〜97質量%、好ましくは約75〜95質量%、高融点油脂が通常約1〜20質量%、好ましくは約3〜15質量%並びにポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび/またはプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルが通常約0.5〜15質量%、好ましくは約1〜10質量%である。本発明において油脂組成物には、更に、高融点油脂の結晶調整剤として、グリセリン脂肪酸エステルまたはソルビタン脂肪酸エステルを油脂組成物100質量部に対して約0.05〜3質量部程度添加してもよい。
上記油脂組成物としては、例えば、エマテックLS(理研ビタミン株式会社製)、エマテックN−100V(理研ビタミン株式会社製)、エマテックS−550(理研ビタミン株式会社製)等が好適に採用できる。なかでも、エマテックLS(理研ビタミン株式会社製)が好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に記載が無い場合には、「%」は「%(質量部)」を意味する。
・冷凍春巻の製造1
<粉原料の調製>
小麦粉100質量部、粉末水飴10.8質量部、加工デンプン5.8質量部、粉末状大豆蛋白1.9質量部、デキストリン1.4質量部及び油脂をミキサーで混合し、粉原料1〜9を得た。
油脂は、小麦粉100質量部に対し、表1〜2に示す各油脂(ショートニング、エマテックLS,スプレーファット、マーガリン又はナタネ油)をそれぞれ2.0〜12.0質量部混合し、目開きが2mmの篩を通して均一に分散させた。下記表中、[ ]内の数値は配合比(質量部)を意味する。
Figure 2017042108
Figure 2017042108
<油脂組成物の調製>
≪油脂組成物1≫
ナタネ油、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル及びプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルを含有する常温で液状の油脂(エマテックLS(理研ビタミン株式会社製))を油脂組成物1とした。
≪油脂組成物2≫
ショートニングを油脂組成物2とした。
≪油脂組成物3≫
ナタネ油を油脂組成物3とした。
≪油脂組成物4≫
ナタネ油、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル及びプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステルを含有する常温で液状の油脂(エマテックN−100V(理研ビタミン株式会社製))を油脂組成物4とした。
上記油脂組成物1〜4の水慣れ性又は油脂分散性は下記のとおりである。
下記表3中、水慣れ性が良好のものを「○」、水慣れ性が良好でないものを「×」、油脂分散性が良好のものを「○」、油脂分散性が良好でないものを「×」と記載した。
Figure 2017042108
<バッターの調製>
上記で得た各粉原料と、各油脂組成物、食塩及び水を下記表4〜6に示す配合量となるように混合し、実施例1〜9、比較例1〜7、及び参考例1〜5のバッターを調製した。
下記表5〜6において、「粉原料10」は小麦粉を意味する。
Figure 2017042108
Figure 2017042108
Figure 2017042108
<春巻の製造>
上記で得た各バッターを、ドラム成形機を用いて、105〜125℃の温度で焼成し、春巻用皮を製造した。皮1枚当たりの重量は11gとして成形した。
一方、中具材として表7に記載の原料を炒めた後、20℃以下に冷却した。
Figure 2017042108
冷却した中具材15gを、1枚当たり0.5gの油を上記で得た皮に載せて直方体状に巻き、油ちょう前春巻を得た。この油ちょう前春巻を、180〜190℃のパーム油で2分30秒〜3分間フライし、油ちょう済み春巻を得た。
その後、油ちょう済み春巻を−20℃以下の冷凍庫内で急速冷凍し、冷凍春巻を得た。
得られた春巻を、冷凍保管時の加速条件として、通常の冷凍よりも劣化が早い、−10℃の条件で5日間保存した後、電子レンジで解凍し、皮の食感等を評価した。
官能評価は、以下の評価基準で評価した。
「総合」として、「1.0」を最も悪い、「7.0」を最も良いとする7段階で評価を行った。
「歯脆さ・サクミ」として、「1.0」を最も悪い、「7.0」を最も良いとする7段階で評価を行った。
「噛み切り易さ・歯切れ」として、「1.0」を最も悪い、「7.0」を最も良いとする7段階で評価を行った。
「噛み切り易さ・歯切れ」として、具体的には、パリッと軽く歯切れのよいものを7.0とし、油によるべたつき等により、歯切れの悪いものを1.0とした。
「作業性」についても評価した。作業性は、ドラム表面に皮が貼りつく等により、連続焼成できなかったものを×、連続生産が可能であったものを○とした。
さらに、「硬さ」として、「1.0」を最も悪い、「7.0」を最も良いとする7段階で評価を行った。
尚、実施例1〜実施例9は、同じ組成の春巻を3回実施したものである。
Figure 2017042108
Figure 2017042108
Figure 2017042108
上記結果に示したとおり、微結晶油脂を分散させた粉原料1〜8に、分散性を付与した油脂組成物1を練り込んだ実施例1〜9は、総合評価がいずれも4.5点以上であり、良好な結果であった。
・冷凍春巻の製造2
冷凍春巻(デープフライ品)を製造し、春巻を揚げた直後と、揚げた後3時間経過後の春巻について官能評価を行った。
<粉原料の調製>
小麦粉、粉末水飴、加工デンプン、粉末状大豆蛋白、デキストリン及びショートニングを表11〜12に示す配合で混合し、粉原料11〜17を得た。
Figure 2017042108
Figure 2017042108
<バッターの調製>
上記で得た各粉原料と、各油脂組成物、食塩及び水を下記表13〜14に示す配合量となるように混合し、実施例10〜12、比較例8〜11のバッターを調製した。
Figure 2017042108
Figure 2017042108
<春巻の製造>
上記で得た各春巻皮バッターを、ドラム成形機を用いて、130℃の温度で焼成し、春巻用皮を製造した。春巻皮の厚みは約0.45〜0.48mmとした。皮1枚当たりの重量は11gとして成形した。
一方、中具材として上記表7に記載の原料を炒めた後、20℃以下に冷却した。
冷却した中具材15gを、1枚当たり0.5gの油を上記で得た皮に載せて直方体状に巻き、油ちょう前春巻を得た。この油ちょう前春巻を、−20℃以下の冷凍庫内で急速冷凍し、冷凍春巻を得た。
得られた冷凍春巻の揚げ直後と、揚げた後3時間経過した後のそれぞれについて官能評価を行った。
具体的には、「揚げ直後」は冷凍春巻を170℃の油で5分間揚げた直後に喫食したものである。「揚げ3時間後」は、冷凍春巻を170℃の油で5分間揚げ、封をして20℃で3時間保存した後に喫食したものである。
実施例10〜12、比較例8〜11のそれぞれの冷凍春巻について、「揚げ直後」と「揚げ3時間後」について、上記実施例1〜9と同様の官能評価を行った。その結果を表15〜16に記載する。
Figure 2017042108
Figure 2017042108
表15〜16に記載した通り、油脂を分散させた粉原料に油脂組成物1又は4を添加した実施例10〜12は、サクミや歯切れ感の食感が改善され、3時間経過後の食感評価も各評価項目において4.0点近くを維持し、良好な食感維持効果を有していた。

Claims (5)

  1. 微結晶油脂を分散させた粉原料に、分散性を付与した油脂組成物を練り込む工程を有することを特徴とする、油ちょう用冷凍食品の製造方法。
  2. 前記油脂組成物は、常温で液状の油脂と、界面活性剤とを含有し、
    前記油脂組成物は、水慣れ性及び油脂分散性を有する請求項1に記載の油ちょう用冷凍食品の製造方法。
  3. 前記粉原料が、副資材を混合したミックス粉である、請求項1又は2に記載の油ちょう用冷凍食品の製造方法。
  4. 前記微結晶油脂が、ショートニング、マーガリン又は油脂粉末である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油ちょう用冷凍食品の製造方法。
  5. 前記油ちょう用冷凍食品が春巻である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の油ちょう用冷凍食品の製造方法。
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