JP2017036209A - 高純度シリカゾルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、珪酸アルカリ水溶液とカチオン交換樹脂とを接触させ、活性珪酸水溶液を調製し、前記活性珪酸水溶液とキレート化剤とを接触させた後、コロイド粒子を成長させ、続いて限外濾過によりシリカを濃縮すると同時にキレート化された金属不純物を除去することを特徴とするコロイダルシリカの製造方法が記載されている。そして、このような製造方法によって、シリカ当たりのCuの含有率が100ppb以下、またはシリカ当たりのNiの含有率が1000ppb以下であるコロイダルシリカが得られると記載されている。
また、従来、水ガラスから高純度シリカゾルを得ることは困難であったが、これを可能にできれば好ましい。
本発明は、以下の(1)〜(8)である。
(1)次の工程[1]〜[4]を備える高純度シリカゾルの製造方法。
[1]珪酸アルカリ水溶液(a)を限外濾過して、精製珪酸アルカリ水溶液(b)を得る工程。
[2]前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)にイオン交換法を適用し、前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)に含まれる陽イオン成分の少なくとも一部を除去して、精製珪酸液を得る工程。
[3]前記精製珪酸液にキレートイオン交換樹脂を用いたイオン交換法を適用して、高純度珪酸液を得る工程。
[4]前記高純度珪酸液の一部をシード液、別の一部をフィード液とし、前記シード液をアルカリ性に調整した後、これを前記フィード液と混合して、シリカdry量でのCu濃度およびNi濃度がともに50ppb以下の高純度シリカゾルを得る工程。
(2)前記珪酸アルカリ水溶液(a)、前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)および前記精製珪酸液からなる群から選ばれる少なくとも1つに、酸化剤を添加する操作をさらに備える、上記(1)に記載の高純度シリカゾルの製造方法。
(3)前記酸化剤が過酸化水素水である、上記(2)に記載の高純度シリカゾルの製造方法。
(4)前記工程[3]が、前記精製珪酸液のpHを2以下に調整した後、キレートイオン交換樹脂を用いたイオン交換法を適用して、前記高純度珪酸液を得る工程である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の高純度シリカゾルの製造方法。
(5)平均粒子径が2〜300nmであり、シリカdry量でのCu濃度およびNi濃度がともに50ppb以下である、高純度シリカゾル。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法によって得られる、上記(5)に記載の高純度シリカゾル。
(7)上記(5)または(6)に記載の高純度シリカゾルを含む、研磨用組成物。
(8)研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤および緩衝剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、上記(7)に記載の研磨用組成物。
本発明は、次の工程[1]〜[4]を備える高純度シリカゾルの製造方法である。
[1]珪酸アルカリ水溶液(a)を限外濾過して、精製珪酸アルカリ水溶液(b)を得る工程。
[2]前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)にイオン交換法を適用し、前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)に含まれる陽イオン成分の少なくとも一部を除去して、精製珪酸液を得る工程。
[3]前記精製珪酸液にキレートイオン交換樹脂を用いたイオン交換法を適用して、高純度珪酸液を得る工程。
[4]前記高純度珪酸液の一部をシード液、別の一部をフィード液とし、前記シード液をアルカリ性に調整した後、これを前記フィード液と混合して、シリカdry量でのCu濃度およびNi濃度がともに50ppb以下の高純度シリカゾルを得る工程。
このような高純度シリカゾルの製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
また、本発明の製造方法では、前記酸化剤が過酸化水素水であることがより好ましい。
また、本発明の製造方法では、前記工程[3]が、前記精製珪酸液のpHを2以下に調整した後、キレートイオン交換樹脂を用いたイオン交換法を適用して、前記高純度珪酸液を得る工程であることが好ましい。
このような高純度シリカゾルを、以下では「本発明のシリカゾル」ともいう。
本発明の製造方法が備える工程[1]について説明する。
工程[1]では、初めに、珪酸アルカリを含有する珪酸アルカリ水溶液(a)を用意する。
珪酸アルカリ水溶液(a)として、珪酸ナトリウムが水に溶解した、いわゆる水ガラスを用いることができる。
H2SiO3+6KF+H2O→K2SiF6+4KOH
また、珪酸アルカリ水溶液(a)に含まれるアルカリ濃度は、例えば珪酸ナトリウム水溶液の場合は、珪酸ナトリウム水溶液に塩酸を加えて中和し、さらに過剰に加え、水酸化ナトリウム溶液で逆滴定してNa2Oを定量する。他のアルカリの場合も同様にして測定する。
後述する前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)または前記精製珪酸液へ酸化剤を添加する場合も、同様の酸化剤を用いることができ、過酸化水素水を用いることが好ましい。
限外濾過は従来公知の限外濾過膜を用いて行うことができる。限外濾過膜の分画分子量は100〜10000であることが好ましく、1000〜9000であることがより好ましく、3000〜6000であることがさらに好ましい。
このような限外濾過を行うことで、精製珪酸アルカリ水溶液(b)を得ることができる。
ここで前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)への酸化剤の添加量は、シリカdry量に対する含有率で0.001〜20質量%とすることが好ましく、0.01〜10質量%とすることがより好ましい。
本発明の製造方法が備える工程[2]について説明する。
工程[2]では、前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)にイオン交換法を適用し、前記精製珪酸アルカリ水溶液(b)に含まれる陽イオン成分の少なくとも一部を除去する。
本発明の製造方法が備える工程[3]について説明する。
工程[3]では、前記精製珪酸液にキレートイオン交換樹脂を用いたイオン交換法を適用する。
本発明者は鋭意検討し、工程[1]における限外濾過と、工程[3]におけるキレートイオン交換樹脂を用いたイオン交換とを行うことで、Cu濃度およびNi濃度が極めて低いシリカゾルを得ることができることを見出した。
ここで前記精製珪酸液への酸化剤の添加量は、シリカdry量に対する含有率で0.001〜20質量%とすることが好ましく、0.01〜10質量%とすることがより好ましい。
本発明の製造方法が備える工程[4]について説明する。
工程[4]では、前記高純度珪酸液の一部をシード液、別の一部をフィード液とし、前記シード液をアルカリ性に調整した後、これを前記フィード液と混合する。
前記高純度珪酸液の一部をシード液とした後、このシード液にアルカリを添加して溶液をアルカリ性に調整することができる。具体的にはpHを10〜13(好ましくは11〜12)に調整した後、これを好ましくは20〜98℃(より好ましくは50〜95℃、さらに好ましくは80〜90℃)に保持しながら前記フィード液を添加することで、フィード液と混合することができる。
シード液中へフィード液を添加した後、数時間程度、高温(80〜90℃程度)で保持すると、シリカ微粒子が成長し易いので好ましい。
ここでシリカdry量でのCu濃度およびNi濃度は、後述する本発明のシリカゾルの場合と同様に低いことが好ましい。また、後述する本発明のシリカゾルと同様の平均粒子径を有することが好ましい。
また、高純度シリカゾルにおけるCu濃度およびNi濃度は、シリカゾルに硝酸とフッ酸を加えて加熱した後、蒸発乾固し、さらに硝酸と水を加えて加温溶解し、水を加えて一定量に希釈して、グラファイト原子吸光度計を用いて定量して求めた値とする。
このようにしてSiO2濃度、Cu濃度およびNi濃度を求めた後、このSiO2濃度に対するCu濃度またはNi濃度の比として、シリカdry量のCu濃度およびNi濃度を求める。
本発明のシリカゾルが含むシリカ微粒子の平均粒子径は2〜300nmであり、5〜100nmであることが好ましく、10〜80nmであることがより好ましい。
シアーズ法とは次に説明する1)〜6)の手順で行われる方法である。
1)SiO2として1.5gに相当する試料をビーカーに採取してから、25℃の恒温反応槽に移し、純水を加えて液量を90mlにする。以下の操作は、25℃に保持した恒温反応槽中にて行う。
2)pH3.6になるように0.1モル/L塩酸水溶液を加える。
3)塩化ナトリウムを30g加え、純水で150mlに希釈し、10分間攪拌する。
4)pH電極をセットし、攪拌しながら0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、pH4.0に調整する。
5)pH4.0に調整した試料を0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、pH8.7〜9.3の範囲での滴定量とpH値を4点以上記録して、0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の滴定量をX、その時のpH値をYとして、検量線を作る。
6)次の式(3)からSiO21.5g当たりのpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の消費量V(ml)を求め、下記式(4)から比表面積を算定する。また、平均粒子径D1(nm)は、式(5)から求める。
V=(A×f×100×1.5)/(W×C) ・・・(3)
SA1=29.0V−28 ・・・(4)
D1=6000/(ρ×SA1) ・・・(5)(ρ:試料の密度)
但し、上記式(3)における記号の意味は次の通りである。
A:SiO21.5g当たりpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)
f:0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の力価
C:試料のSiO2濃度(%)
W:試料採取量(g)
ここで本発明のシリカゾルに含まれる炭素の含有率は、シリカゾルを炭素・硫黄分析装置の高周波炉で燃焼し、燃焼生成物のCO、CO2を赤外吸収方式によって検出して求めるものとする。
本発明のシリカゾルにおける分散媒は特に限定されないが、水系であることが好ましく、水であることがより好ましい。
また、本発明のシリカゾルにおける固形分濃度も特に限定されないが、5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
また、本発明のシリカゾルにおけるpHも特に限定されないが、8〜12であることが好ましく、9〜11であることがより好ましい。
本発明のシリカゾルはHClやNaOH等の従来公知の安定剤を含むことができる。
本発明のシリカゾルを含む研磨用組成物は、NiおよびCu濃度が従来のものよりも低いので、半導体シリコンウェハ等の電子材料の研磨剤として好ましく利用することができる。
このような研磨用組成物は、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤および緩衝剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
[珪酸ナトリウム水溶液の精製]
SiO2濃度が24.06質量%、Na2O濃度が7.97質量%で、Cu濃度(シリカdry量)が460ppb、Ni濃度(シリカdry量)が640ppbの珪酸ナトリウム水溶液(「水ガラスA」ともいう)を用意した。なお、SiO2濃度、Na2O濃度、Cu濃度、Ni濃度は前述の方法で測定した。
そして、この珪酸ナトリウム水溶液を限外濾過膜(旭化成ケミカルズ社製、SEP−1013、分画分子量3000)を用いて濾過して、濾水として精製珪酸アルカリ水溶液(b)を得た。
精製珪酸アルカリ水溶液(b)のSiO2濃度を前述の方法で測定したところ、23.2質量%であった。
得られた精製珪酸アルカリ水溶液(b)3880gに、SiO2濃度が5.0質量%となるように純水を添加した。
そして、得られた5.0質量%の精製珪酸アルカリ水溶液(b)18kgを、6Lの強酸性陽イオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)に空間速度3.0h-1で通液させ、pHが2.7の精製珪酸液18kgを得た。
得られた精製珪酸液におけるSiO2濃度を前述の方法で測定したところ、4.7質量%であった。
次に、精製珪酸液18kgに、3.0質量%の過酸化水素水160g(シリカdry量に対する含有率で0.56質量%)を添加し、さらに1質量%の塩酸を添加してpHを2に調整した。そして、さらにキレートイオン交換樹脂(CR−11、三菱化学社製)に空間速度3.0h-1で通液させ、pHが2.0の高純度珪酸液を得た。
得られた高純度珪酸液におけるSiO2濃度は4.5質量%であった。
上記のようにして得られた高純度珪酸液の一部(414.4g)をシード液として取り出し、高純度珪酸液の別の一部(10.63kg)をフィード液として取り出した。
次に、純水725.8gに5質量%の水酸化カリウム水溶液191.1gを添加し、さらにシード液を添加し、加熱した。そして、83℃となった後、30分間保持し、当該温度を保持しながら、ここへフィード液を一定速度で11時間かけて添加した。そして、フィード液の全量をシード液へ添加した後、83℃に保持するように1時間加熱し、室温まで冷却してシリカゾルを得た。このシリカゾルを旭化成ケミカルズ社製限外膜(SIP−1013)を用いて12質量%まで濃縮し、ついでロータリーエバポレーターで30質量%シリカ濃度まで濃縮して、高純度シリカゾルを得た。
そして、得られた高純度シリカゾルの平均粒子径を前述のシアーズ法によって測定したところ17.8nmであった。
また、得られた高純度シリカゾルにおけるCu濃度(シリカdry量)およびNi濃度(シリカdry量)を前述の方法で測定した。その結果、Cu濃度(シリカdry量)が1ppb未満、Ni濃度(シリカdry量)が7ppbであった。
実施例1では、珪酸ナトリウム水溶液を限外濾過膜(SEP−1013、分画分子量3000)を用いて濾過して、濾水として精製珪酸アルカリ水溶液(b)を得たが、実施例2では、同じ珪酸ナトリウム水溶液を限外濾過膜(旭化成ケミカルズ社製、SIP−1013、分画分子量6000)を用いて濾過して、濾水として精製珪酸アルカリ水溶液(b)を得た。
また、実施例1では精製珪酸液に過酸化水素水を添加し、さらに塩酸を添加してpHを2に調整した後、キレートイオン交換樹脂に通液させたが、実施例2では、過酸化水素水を添加せず、塩酸を添加するpH調整操作も行わなかった。そして、精製珪酸液を同様のキレートイオン交換樹脂に同様の空間速度で通液させて、pHが2.7の高純度珪酸液を得た。得られた高純度珪酸液におけるSiO2濃度を前述の方法で測定したところ、4.5質量%であった。
そしてこれら以外については実施例1と同様に操作して、同様の測定を行った。
その結果、得られた高純度シリカゾルの平均粒子径は17.8nmであり、Cu濃度(シリカdry量)が30ppb、Ni濃度(シリカdry量)が20ppbであった。
実施例1で用いた水ガラスAの代わりに、SiO2濃度が24.64質量%、Na2O濃度が8.08質量%で、Cu濃度(シリカdry量)が690ppb、Ni濃度(シリカdry量)が240ppbの珪酸ナトリウム水溶液(「水ガラスB」ともいう)を用いた。
そしてこれ以外については実施例1と同様に操作して、同様の測定を行った。
その結果、得られた高純度シリカゾルの平均粒子径は17.6nmであり、Cu濃度(シリカdry量)が24ppb、Ni濃度(シリカdry量)が9ppbであった。
実施例1で用いた水ガラスAの代わりに、SiO2濃度が24.43質量%、Na2O濃度が7.40質量%で、Cu濃度(シリカdry量)が450ppb、Ni濃度(シリカdry量)が160ppbの珪酸ナトリウム水溶液(「水ガラスC」ともいう)を用いた。
そしてこれ以外については実施例1と同様に操作して、同様の測定を行った。
その結果、得られた高純度シリカゾルの平均粒子径は17.6nmであり、Cu濃度(シリカdry量)が23ppb、Ni濃度(シリカdry量)が1ppb未満であった。
5kgの水ガラスBに、3.0質量%の過酸化水素水232.8g(シリカdry量で0.567質量%)を添加し、充分に攪拌した。
そして、得られた過酸化水素水添加後の珪酸ナトリウム水溶液を限外濾過膜(SIP−1013、分画分子量6000)を用いて濾過して、濾水として精製珪酸アルカリ水溶液(b)を得た。
次に、得られた精製珪酸アルカリ水溶液(b)に、SiO2濃度が5.0質量%となるように純水を添加した。そして、得られた5.0質量%の精製珪酸アルカリ水溶液(b)を、6Lの強酸性陽イオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)に空間速度3.0h-1で通液させ、pHが2.7の精製珪酸液を得た。
次に、精製珪酸液をキレートイオン交換樹脂(CR−11、三菱化学社製)に空間速度3.0h-1で通液させ、pHが2.7の高純度珪酸液を得た。得られた高純度珪酸液におけるSiO2濃度を前述の方法で測定したところ、4.5質量%であった。
そして、以降は実施例1と同様にして、純水に5質量%の水酸化カリウム水溶液191.1gを添加し、さらにシード液を添加し、加熱し、83℃となった後、30分間保持し、当該温度を保持しながら、ここへフィード液を一定速度で11時間かけて添加した。そして、フィード液の全量をシード液へ添加した後、83℃に保持するように1時間加熱し、高純度シリカゾルを得た。
そして、実施例1と同様の測定を行った。
その結果、得られた高純度シリカゾルの平均粒子径は17.6nmであり、Cu濃度(シリカdry量)が5ppb、Ni濃度(シリカdry量)が1ppb未満であった。
実施例1で用いた水ガラスAに、SiO2濃度が5.0質量%となるように純水を添加した。
そして、得られた5.0質量%の珪酸ナトリウム水溶液18kgを、6Lの強酸性陽イオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)に空間速度3.0h-1で通液させ、珪酸液18kgを得た。
得られた珪酸液におけるSiO2濃度を前述の方法で測定したところ、4.7質量%であった。この珪酸液を純水で4.5質量%に希釈した。
次に、このようにして得られた珪酸液の一部(414.4g)をシード液として取り出し、珪酸液の別の一部(10.63kg)をフィード液として取り出した。
そして、以降は実施例1と同様にして、純水に5質量%の水酸化カリウム水溶液191.1gを添加し、さらにシード液を添加し、加熱した。30分間保持し、当該温度を保持しながら、ここへフィード液を一定速度で11時間かけて添加した。そして、フィード液の全量をシード液へ添加した後、83℃に保持するように1時間加熱し、シリカゾルを得た。
そして、実施例1と同様の測定を行った。
その結果、得られたシリカゾルの平均粒子径は17.6nmであり、Cu濃度(シリカdry量)が235ppb、Ni濃度(シリカdry量)が610ppbであった。
実施例1で用いた水ガラスAに、SiO2濃度が5.0質量%となるように純水を添加した。
そして、得られた5.0質量%の珪酸ナトリウム水溶液18kgを、6Lの強酸性陽イオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)に空間速度3.0h-1で通液させ、珪酸液18kgを得た。得られた珪酸液におけるSiO2濃度を前述の方法で測定したところ、4.7質量%であった。
次に、珪酸液18kgをキレートイオン交換樹脂(CR−11、三菱化学社製)に空間速度3.0h-1で通液させ、pHが2.7のキレート樹脂イオン交換珪酸液を得た。SiO2濃度は4.5質量%であった。
次に、このようにして得られたキレート樹脂イオン交換珪酸液の一部(414.4g)をシード液として取り出し、キレート樹脂イオン交換珪酸液の別の一部(10.63kg)をフィード液として取り出した。
そして、以降は実施例1と同様にして、純水に5質量%の水酸化カリウム水溶液191.1gを添加し、さらにシード液を添加し、加熱した。30分間保持し、当該温度を保持しながら、ここへフィード液を一定速度で11時間かけて添加した。そして、フィード液の全量をシード液へ添加した後、83℃に保持するように1時間加熱し、シリカゾルを得た。
そして、実施例1と同様の測定を行った。
その結果、得られたシリカゾルの平均粒子径は17.7nmであり、Cu濃度(シリカdry量)が80ppb、Ni濃度(シリカdry量)が150ppbであった。
水ガラスAの代わりに水ガラスBを用いたこと以外は、比較例2と同様に操作し、同様の測定を行った。
その結果、得られたシリカゾルの平均粒子径は17.8nmであり、Cu濃度(シリカdry量)が105ppb、Ni濃度(シリカdry量)が187ppbであった。
水ガラスAの代わりに水ガラスCを用いたこと以外は、比較例2と同様に操作し、同様の測定を行った。
その結果、得られたシリカゾルの平均粒子径は17.6nmであり、Cu濃度(シリカdry量)が113ppb、Ni濃度(シリカdry量)が97ppbであった。
Claims (3)
- 平均粒子径が2〜300nmであり、シリカdry量でのCu濃度は40ppb以下かつNi濃度は20ppb以下であり、炭素の含有率が0.1質量%以下である、高純度シリカゾル。
- 請求項1に記載の高純度シリカゾルを含む、研磨用組成物。
- 研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤および緩衝剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項2に記載の研磨用組成物。
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